JP4316369B2 - ポリエステル系樹脂用可塑剤 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステル系樹脂用可塑剤、並びに柔軟性、透明性、更には耐熱性に優れ、更には生分解性に優れたポリエステル系樹脂組成物に関する。
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の石油を原料とする汎用樹脂は、軽量であることや、良好な加工性、物性及び耐久性等の性質から、日用雑貨、家電製品、自動車部品、建築材料あるいは食品包装等の様々な分野に使用されている。しかしながらこれらの樹脂製品は、役目を終えて廃棄する段階で良好な耐久性が欠点となり、自然界における分解性に劣るため、生態系に影響を及ぼす可能性がある。
このような問題を解決するために、熱可塑性樹脂で生分解性を有するポリマーとして、ポリ乳酸及び乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から誘導される脂肪族ポリエステル及びそれらのユニットを含むコポリマー等の生分解性ポリエステル樹脂が開発されている。
これらの生分解性ポリマーは、土壌、海水中、あるいは動物の体内等に置かれた場合、自然に生息する微生物の産出する酵素の働きによって、数週間で分解が始まり、約1年から数年の間に消滅する。さらに分解物は、人体に無害な乳酸、二酸化炭素、水等になる。脂肪族ポリエステルの中でもポリ乳酸系樹脂は、トウモロコシ、芋等からとれる糖分から、発酵法によりL−乳酸が大量に作られ安価になってきたこと、原料が自然農作物なので総二酸化炭素排出量が極めて少ない、また得られたポリマーの性能として剛性が強く透明性が良いという特徴があるので、現在その利用が期待され、フラットヤーン、ネット、園芸資材、育苗用ポット等の農業土木資材分野、窓付き封筒、買い物袋、コンポストバッグ、文具、雑貨等に使用されている。しかしながらポリ乳酸の場合は、脆く、硬く、可撓性に欠ける特性のためにいずれも硬質成形品分野に限られ、フィルム等に成形した場合は、柔軟性が不足したり、折り曲げたとき白化等の問題があり、軟質または半硬質分野に使用されていないのが現状である。軟質、半硬質分野に応用する技術として可塑剤を添加する方法が種々提案されている。例えば、低分子量のアセタール等の溶剤を添加する技術(特許文献1)が開示されているが、透明性、柔軟性、及び耐ブリード性に満足できるものは得られていない。
特開2003−261752号公報
本発明の課題は、ポリエステル系樹脂の透明性を阻害せずに柔軟性を付与することができるポリエステル系樹脂用可塑剤、並びに柔軟性、透明性及び耐ブリード性に優れたポリエステル系樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、3価以上の多価アルコールの少なくとも1種と、下記の化合物A及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種とを、アセタール化反応又はトランスアセタール化反応させて得られる環状アセタールを含有するポリエステル系樹脂用可塑剤、並びにこの可塑剤と、ポリエステル系樹脂とを含有するポリエステル系樹脂組成物を提供する。
化合物A:一般式(1)で表されるカルボニル化合物
(式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜21の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基を示し、R1とR2は一緒になって炭素数2〜24のアルキレン基を形成してもよい。)
化合物B:化合物Aと炭素数1〜6の低級アルコールとから得られるアセタール。
本発明の可塑剤は、ポリエステル系樹脂の透明性を阻害させずに柔軟性及び耐ブリード性を付与することができ、また、本発明のポリエステル系樹脂組成物からなるシートやフィルムを折り曲げた時の白化を防止することもでき、更に可塑剤自身が生分解性に優れるため、本発明のポリエステル系樹脂組成物の生分解性も良好となる。
[可塑剤]
本発明の可塑剤に含有される環状アセタールは、3価以上の多価アルコールの少なくとも1種と、化合物A及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種とを、アセタール化反応又はトランスアセタール化反応させて得られる。
本発明に用いられる3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、エリトリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、イディトール、タリトール、アリトール等の糖アルコールが挙げられ、4〜10価の多価アルコールが好ましく、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン及び糖アルコールが更に好ましい。
本発明に用いられる化合物Aにおいて、一般式(1)中のR1は、は水素原子又は炭素数1〜21の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基であるが、水素原子または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基が好ましく、水素原子または炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基が更に好ましい。R2は水素原子、炭素数1〜21の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基であるが、炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基が好ましく、炭素数1〜8の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基が更に好ましい。また、R1とR2は一緒になって炭素数2〜24、好ましくは3〜10のアルキレン基を形成してもよい。
化合物Aの具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、エチルプロピルケトン、メチルアミルケトン、エチルブチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジプロピルケトン、メチルネオペンチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルペンチルケトン、メチルシクロヘキシルケトン等のケトン類;シクロプロパノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類;アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド等のアルデヒド類が挙げられる。
本発明に用いられる化合物Bは、上記のような化合物Aと炭素数1〜6の低級アルコールとを酸触媒の存在下にアセタール化することにより得られる。炭素数1〜6の低級アルコールの具体例として、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール等が挙げられる。
本発明の環状アセタールは、3価以上の多価アルコールと化合物Aをアセタール化反応させるか、又は3価以上の多価アルコールと化合物Bをトランスアセタール化反応させることにより得られる。
アセタール化反応は触媒としてパラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等の酸触媒を用いることが好ましい。またこの反応は、無溶媒、あるいはキシレン、トルエン、ベンゼン、オクタン、イソオクタン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、リグロイン、石油エーテル等の不活性溶媒中、あるいはこれらの混合溶液中で、好ましくは20〜130℃、更に好ましくは40〜100℃の温度にて生成する水を除去しながら行うのが好ましい。
また、トランスアセタール化反応は、触媒としてパラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等の酸触媒を用いることが好ましい。この反応は、無溶媒、あるいはキシレン、トルエン、ベンゼン、オクタン、イソオクタン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、リグロイン、石油エーテル等の不活性溶媒中あるいはこれらの混合溶媒中で、好ましくは20〜150℃、更に好ましくは50〜130℃の温度にて生成する低級アルコールを除去しながら行うのが好ましい。
アセタール化又はトランスアセタール化反応における、多価アルコールと化合物A又はBの比率は、多価アルコール1モルに対して、化合物A又はB M/2モル(Mは多価アルコールの価数)以上が好ましい。
本発明に用いられる環状アセタールとしては、一般式(2)又は(3)で表される化合物、及びジグリセリン、ポリグリセリンから得られる環状アセタールが好ましい。
(式中、R3及びR4は、R3が水素原子で、R4が炭素数3の分岐鎖アルキル基又は炭素数4〜21の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であるか、あるいはR3が炭素数1〜21の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で、R4が炭素数2〜21の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基である。)
一般式(2)及び(3)において、R3が水素原子で、R4が炭素数3の分岐鎖アルキル基又は炭素数4〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であるか、あるいはR3が炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で、R4が炭素数2〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であるものが好ましく、R3が水素原子で、R4が炭素数3〜12の分岐鎖アルキル基であるか、あるいはR3が炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で、R4が炭素数2〜12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であるものが更に好ましく、一般式(2)及び(3)中の6価アルコール残基がソルビトール残基であるものが特に好ましい。
本発明の環状アセタールにおけるアセタール化率は、本発明の効果を発現する観点から、60%以上が好ましく、70%以上が更に好ましく、90%以上が特に好ましい。尚、アセタール化率は下記式により求められる。
本発明の可塑剤は、上記環状アセタール以外に、これらの化合物の製造における未反応分や、公知の可塑剤等を含有することができる。公知の可塑剤としては、アセチル化モノグリセライド、アセチル化トリブチルサイトレート等が挙げられる。
本発明の可塑剤中の、環状アセタールの含有量は、本発明の目的を達成する観点から、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。
本発明により得られた可塑剤は、従来の可塑剤として知られるエステル系可塑剤のように低級の酸が加水分解によって発生することが無いことから、樹脂組成物の耐加水分解性に優れる。
[ポリエステル系樹脂]
本発明に係わるポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、ジオール又はそのエステル形成性誘導体との縮合反応により得られるポリエステル、ヒドロキシカルボン酸の縮合反応により得られるポリエステル、これらのポリエステルの混合物、及び混合物のエステル交換反応物等が好適である。
ポリエステル系樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレートを含むポリアルキレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂、アジピン酸と1,4−ブタンジオールとのポリエステル等の脂肪族ポリエステル樹脂、ジオール成分の一部をポリエチレングリコール等のアルキレングリコールに置換したポリエーテルエステル樹脂、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸系樹脂、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2−オキセタノン)等の生分解性脂肪族ポリエステル;ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート等の生分解性脂肪族芳香族コポリエステルが挙げられる。これらは単独でも複数種を併用することもできる。これらの中では、生態系への影響や、本発明の効果を発現する観点から、生分解性樹脂が好ましい。
本発明で使用される生分解性樹脂とは、JIS K6953(ISO14855)「制御された好気的コンポスト条件の好気的かつ究極的な生分解度及び崩壊度試験」に基づいた生分解性を有するポリエステル樹脂である。
本発明で使用される生分解性樹脂は、自然界において微生物が関与して低分子化合物に分解される生分解性を有していればよく、特に限定されるものではない。例えば、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸系樹脂、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2−オキセタノン)等の脂肪族ポリエステル;ポリブチレンサクシネート/テレフタレート、ポリブチレンアジペート/テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート/テレフタレート等の脂肪族芳香族コポリエステル;デンプン、セルロース、キチン、キトサン、グルテン、ゼラチン、ゼイン、大豆タンパク、コラーゲン、ケラチン等の天然高分子と上記の脂肪族ポリエステルあるいは脂肪族芳香族コポリエステルとの混合物等が挙げられる。
これらのなかで加工性、経済性、大量に入手できることなどから、脂肪族ポリエステルが好ましく、物性の点からポリ乳酸系樹脂がさらに好ましい。ここで、ポリ乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸、又は乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーである。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸等が挙げられ、グリコール酸、ヒドロキシカプロン酸が好ましい。好ましいポリ乳酸の分子構造は、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位20〜100モル%とそれぞれの対掌体の乳酸単位0〜20モル%からなるものである。また、乳酸とヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは、L−乳酸又はD−乳酸いずれかの単位85〜100モル%とヒドロキシカルボン酸単位0〜15モル%からなるものである。これらの乳酸系樹脂は、L−乳酸、D−乳酸及びヒドロキシカルボン酸の中から必要とする構造のものを選んで原料とし、脱水重縮合することにより得ることができる。好ましくは、乳酸の環状二量体であるラクチド、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド及びカプロラクトン等から必要とする構造のものを選んで開環重合することにより得ることができる。ラクチドにはL−乳酸の環状二量体であるL−ラクチド、D−乳酸の環状二量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸とが環状二量化したメソ−ラクチド及びD−ラクチドとL−ラクチドとのラセミ混合物であるDL−ラクチドがある。本発明ではいずれのラクチドも用いることができる。但し、主原料は、D−ラクチド又はL−ラクチドが好ましい。
市販されている生分解性樹脂としては、例えば、デュポン社製、商品名バイオマックス;BASF社製、商品名Ecoflex;EastmanChemicals社製、商品名EasterBio;昭和高分子(株)製、商品名ビオノーレ;日本合成化学工業(株)製、商品名マタービー;三井化学(株)製、商品名レイシア;日本触媒(株)製、商品名ルナーレ;チッソ(株)製、商品名ノボン;カーギル・ダウ・ポリマーズ社製、商品名Nature Works等が挙げられる。
これらの中では、好ましくはポリ乳酸系樹脂(例えば三井化学(株)製、商品名レイシアH−100,H−280,H−400,H−440;カーギル・ダウ・ポリマーズ社製、商品名Nature Works)、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル(例えば昭和高分子(株)製、商品名ビオノーレ)、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)等の脂肪族芳香族コポリエステル(デュポン社製、商品名バイオマックス)が挙げられる。
耐熱性の観点では、L−乳酸純度が高い結晶性生分解性樹脂が好ましく、延伸により配向結晶化させることが好ましい。結晶性生分解性樹脂としては、三井化学(株)製、レイシアH−100、H−400、H−440等が挙げられる。
[ポリエステル系樹脂脂組成物]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、本発明の可塑剤とポリエステル系樹脂とを含有する。本発明の可塑剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100重量部に対し、柔軟性、耐ブリード性及び経済性の観点から、好ましくは1〜70重量部、更に好ましくは3〜50重量部、特に好ましくは5〜45重量部である。
本発明の組成物は、上記可塑剤以外に、滑剤等の他の成分を含有することができる。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス等の炭化水素系ワックス類、ステアリン酸等の脂肪酸類、グリセロールエステル等の脂肪酸エステル類、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、モンタン酸ワックス等のエステルワックス類、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の芳香環を有するアニオン型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアルキレンオキサイド付加部分を有するアニオン型界面活性剤等が挙げられる。これら滑剤の含有量は、ポリエステル系樹脂100重量部に対し、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2重量部が更に好ましい。
本発明の組成物は、上記以外の他の成分として、帯電防止剤、防曇剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填剤、防カビ剤、抗菌剤、発泡剤、難燃剤、上記本発明の可塑剤以外の可塑剤等を、本発明の目的達成を妨げない範囲で含有することができる。
本発明の組成物は、加工性が良好で、例えば130〜190℃等の低温で加工することができるため、カレンダー加工も可能であり、また可塑剤の分解も起こりにくい。本発明の組成物は、フィルムやシートに成形して、各種用途に用いることができる。
製造例1
3リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計、窒素吹き込み管、及び冷却器付きの脱水管を取り付け、D−ソルビトール336.8g(1.85mol)、メチルエチルケトン800.0g(11.1mol)、パラトルエンスルホン酸1水和物17.6g(0.092mol)、及びヘキサン200mLを入れた。窒素雰囲気下、常圧で69〜79℃で8時間反応を行い水を留去した。反応終了後、60℃に冷却し、炭酸ナトリウム19.6g(0.185mol、パラトルエンスルホン酸の2倍当量)を加えて中和し、60℃で30分間攪拌した。水200gを加えて、60℃で30分間攪拌し静置して分層した。下層を除いた後、飽和食塩水200gで洗浄し、ヘキサン及び過剰のメチルエチルケトンをロータリーエバポレーターを用いて減圧下で除去した。さらに減圧蒸留し、環状アセタール(ガスクロマトグラフィー純度97.3%)を得た。そして、さらにこの環状アセタールの一部をカラムクロマトグラフィーにより精製して、環状アセタール1(ガスクロマトグラフィー純度99.8%)を得た。
製造例2
製造例1のメチルエチルケトンをメチルイソブチルケトンに変えた以外は同様の手法で合成し、減圧蒸留はせずに環状アセタール2(ガスクロマトグラフィー純度80%)を得た。
製造例3
3リットルの4つ口フラスコに攪拌機、温度計、窒素吹き込み管、及び冷却器付きの脱水管を取り付け、ジグリセリン300.0g(1.81mol)、メチルイソブチルケトン723.3g(7.22mol)、パラトルエンスルホン酸1水和物6.87g(0.036mol)、及びヘキサン150mLを入れた。窒素雰囲気下、常圧で98〜106℃で18時間反応を行い水を留去した。反応終了後、60℃に冷却し、炭酸ナトリウム7.65g(0.6722mol、パラトルエンスルホン酸の2倍当量)を加えて中和し、60℃で30分間攪拌した。水300gを加えて、60℃で30分間攪拌し静置して分層した。下層を除いた後、飽和食塩水100gで洗浄し、ヘキサン及び過剰のメチルイソブチルケトンをロータリーエバポレーターを用いて減圧下で除去した。さらに減圧蒸留し、環状アセタール3(ガスクロマトグラフィー純度91%)を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜3
生分解性樹脂として、50℃で24時間真空乾燥したポリ乳酸系樹脂(三井化学(株)製 レイシア(LACEA)H−280)100重量部、表1に示す種類と量の可塑剤からなる組成物を、130℃の4インチロールにて15分間混練し、160℃のプレス成形機にて厚さ0.5mmのテストピースを作成した。
得られたテストピースについて下記の方法で柔軟性、透明性及び耐ブリード性を評価した。また、このテストピースを手で180°折り曲げ、白化の有無を肉眼で観察した。これらの結果を表1に示す。
<柔軟性の評価法>
テストピースを3号ダンベルで打ち抜き、温度23℃、湿度50%RHの恒温室に24時間放置し、引張速度200mm/minで引張試験を行い、100%モジュラスで示した。
<透明性の評価法>
JIS−K7105規定の積分球式光線透過率測定装置(ヘイズメーター)を用い、テストピースのヘイズ値を測定した。数字の小さい方が透明性良好であることを示す。
<耐ブリード性(ブリードの有無)>
テストピース(縦100mm×横100mm×厚さ0.5mm)を40℃の恒温室に1週間放置し、その表面における可塑剤のブリードの有無を肉眼で観察した。
*1:花王(株)製、ソルビタンモノラウレート
*2:花王(株)製、ソルビタンオレートEO付加物
*3:引張試験において、微小伸度で破断するため測定不可

Claims (5)

  1. 3価以上の多価アルコールの少なくとも1種と、下記の化合物A及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種とを、アセタール化反応又はトランスアセタール化反応させて得られる環状アセタールを含有する生分解性ポリエステル系樹脂用可塑剤。
    化合物A:一般式(1)で表されるカルボニル化合物
    (式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜21の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基を示し、R1とR2は一緒になって炭素数2〜24のアルキレン基を形成してもよい。)
    化合物B:化合物Aと炭素数1〜6の低級アルコールとから得られるアセタール。
  2. 3価以上の多価アルコールが、ジグリセリン、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン及び糖アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の可塑剤。
  3. 環状アセタールが、一般式(2)又は(3)で表される化合物である、請求項1又は2記載の可塑剤。
    (式中、R3及びR4は、R3が水素原子で、R4が炭素数3の分岐鎖アルキル基又は炭素数4〜21の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であるか、あるいはR3が炭素数1〜21の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基で、R4が炭素数2〜21の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基である。)
  4. 一般式(2)及び(3)中の6価アルコール残基がソルビトール残基である、請求項3記載の可塑剤。
  5. 生分解性ポリエステル系樹脂と、請求項1〜いずれかに記載の可塑剤とを含有するポリエステル系樹脂組成物。
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