JP4315656B2 - ガスセンサの取り付け構造と取り付け方法 - Google Patents

ガスセンサの取り付け構造と取り付け方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素センサ、NOXセンサ等、被測定ガスに曝した状態で用いられ、内部に収納しているガス検出素子を被測定ガスに含まれている水分などから保護するプロテクタを備えたガスセンサと、そのガスセンサの取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のエンジンなどの内燃機関に取りつけられ、排気ガス(被測定ガス)中の特定ガス成分を検出するガスセンサが開発されている。そして、その中の一つとして、例えばジルコニアなどの固体電解質からなるガス検出素子を用い、酸素濃度を検出するガスセンサ(酸素センサ)や酸化窒素ガス濃度を検出するNOXセンサなどが知られている。
【0003】
一般的に、この形態のガスセンサは、ガス検出素子に形成されたガス接触部を排気ガスに曝した構造をしており、ヒータを用いてガス検出素子を高温(約300℃)に加熱して活性化し、排気ガス中の特定ガス成分を検出している。
ところで、ガス検出素子はセラミックから形成されることから熱衝撃に対して脆いので、高温に加熱された状態のガス検出素子に排気ガス中の水分が付着すると、クラックが発生するなどして破損する虞がある。
【0004】
このため、ガスセンサにはガス検出素子のガス接触部を覆うプロテクタが装着され、ガス検出素子に水滴が付着しないように保護している。
このプロテクタは、側壁や底壁に被測定ガスの導入口と排出口を備え、被測定ガスをプロテクタの導入口から導入してガス検出素子のガス接触部に導き、排出口より排出するというような被測定ガスの導入と排出を行う。
【0005】
このようなプロテクタとして、を内側筒状部(第一筒状部)と外側筒状部(第二筒状部)とからなる二重構造にしたガスセンサが特開2001−099807公報に開示されている。
特開2001−099807公報に開示されているガスセンサは、内側筒状部の側壁と外側筒状部の側壁が空隙を介し同軸状に配置され、これらの側壁には、被測定ガスの導入口(第一側ガス入口と第二側ガス入口)が形成されている。また、外側筒状部の導入口に、内側筒状部の側壁外面を取り囲む旋回流を発生させるためのガイド体を配置している。そして、被測定ガスを内側筒状部の導入口から内側筒状部内に流入させてガス検出素子に接触させることにより、被測定ガス中の特定ガス成分を検出する。その後、被測定ガスを内側筒状部の底壁に設けた排出口(第一側ガス出口)を通過させ、外側筒状部の底壁に設けた排出口(第二側ガス出口)から排出させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記ガスセンサが取り付けられる排気管は、必ずしも直線状に形成されておらず蛇行して配管される場合がある。
図1を用いて、ガスセンサと排気管との取り付け例を説明する。
【0007】
図1(b)は、蛇行した排気管P1にガスセンサのプロテクタ4を突き出して取り付けた例を表す図、図1(c)は、直線状の排気管P2にガスセンサのプロテクタ4を突き出し、センサ中心軸U(以下、センサ軸Uという)を傾けて取り付けた例を表す図である。
【0008】
図1(b)に表したように、蛇行した排気管P1にガスセンサのプロテクタ4を取り付ける場合は、取り付け位置がS1、S2のように異なると、ガスセンサのセンサ軸Uに対して、被測定ガスの流れる方向Qが異なる。
また、図1(C)に示すように、直線状の排気管P2を用いた場合においても、排気管周辺の構造に制約を受けてガスセンサのセンサ軸Uを傾斜して取り付けることがあり、その傾斜角が異なると、ガスセンサのセンサ軸Uに対して、被測定ガスの流れる方向Qが異なる。
【0009】
そのため、ガスセンサのセンサ軸Uに対して、被測定ガスの流れる方向Qが異なっても、プロテクタ内の被測定ガスの置換を良好に行うことができ、被測定ガスの特定ガス成分を検出する応答性と検出精度が優れたガスセンサの取り付け構造が求められている。
【0010】
しかしながら、特開2001−099807公報に開示されたガスセンサによれば、プロテクタのうちで外部に露出してなる排出口を有する底壁と導入口を有する側壁とが略直角状に形成されているので、ガスセンサのセンサ軸Uに対して、被測定ガスの流れる方向Qが鈍角となるように、ガスセンサを排気管に取り付けると、プロテクタ内の被測定ガスの置換が不十分となり、被測定ガスのガス成分を検出する検出精度が排気管への取り付け方向に依存してしまうという問題があった。
【0011】
つまり、排出口を有する外側筒状部の底壁と外側筒状部の側壁が、略直角状に形成されているガスセンサは、図1(b)のS1や図1(c)のS3のように被測定ガスの流れ方向Qに対して、ガスセンサのセンサ軸Uを鈍角に傾斜して取り付けると、上記底壁が排気管P1中を流れる被測定ガスと対向するように傾斜し、被測定ガスが被測定ガスの排出口を備えた底壁に当たる向きに流れることになるので、プロテクタ内部から排出口を経て排出する被測定ガスの排出が妨げられることになり、更には排出口から被測定ガスが流入することもある。
【0012】
一方(b)のS2のように、被測定ガスの流れ方向Qに対して、ガスセンサのセンサ軸を鋭角に傾斜して取り付けられると、排出口の底面には負圧が生じてプロテクタ内部からの被測定ガスの排出が促進されている。
その結果、図1(b)のS1、図1(c)のS3に示すように、被測定ガスの流れ方向Qとガスセンサのセンサ軸Uとの傾斜角が鈍角になると、被測定ガスのガス成分を検出する応答速度に遅延が生じたり、検出精度を損なったりするという問題があった。
【0013】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、ガスセンサを排気管に取り付ける際に、ガスセンサのセンサ軸に対して被測定ガスの流れる方向が鈍角となるように取り付けても、プロテクタ内の被測定ガスの置換を良好に行うことができ、被測定ガスのガス成分を検出する応答性と検出精度が優れたガスセンサの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、ガス検出素子の先端側に形成される被測定ガスと接触するガス接触部を覆い、側壁に被測定ガスの導入口を形成するとともに、底壁に被測定ガスの排出口を形成し、前記側壁のうちで少なくとも前記底壁に連結するとともに外部に露出してなる先端側に、該底壁に向かって外径が小径となるテーパを付けてテーパ部を形成したプロテクタを備えたガスセンサを、排気管内に突き出して取り付けるガスセンサの取り付け構造であって、前記テーパ部が前記底壁と交わる外角をβ°、ガスセンサの軸方向を被測定ガスの流れる方向に対して傾斜させるガスセンサの軸傾斜角度をα°とし、α°が鈍角であると共に135°以下、かつ、β°が45°以下のとき、β°≦(180°−α°)の関係式を満たすように取り付けることを特徴とするガスセンサの取り付け構造である。
【0015】
請求項1に記載のガスセンサの取り付け構造によれば、ガスセンサを排気管に取り付ける際に、ガスセンサのセンサ軸を被測定ガスの流れる方向に対して鈍角となるように傾斜して取り付けても、プロテクタ内の被測定ガスの置換を良好に行うことができ、被測定ガスのガス成分を検出する応答性と検出精度を向上できるという作用効果が実験によって得られた。
【0016】
つまり、図1(a)に示すように、ガスセンサのセンサ軸Uに対して被測定ガスの流れる方向Qが鈍角となる(換言すれば、ガスセンサの軸傾斜角度α°が鈍角となる)ようにガスセンサを排気管に取り付ける場合、ガスセンサのプロテクタの側壁に上述するように底壁と交わる外角がβ°となるテーパ部を形成して、β°≦(180°−α°)の関係式を満たすようにガスセンサを取り付けると、プロテクタ4の外周囲を流れる被測定ガスがテーパ部22に当接し、このテーパ部22に沿ってプロテクタ4の底壁17方向に流れるガス流Q2が発生する。そして、このガス流Q2と被測定ガスの流れQが底壁17の近傍で合流することにより、被測定ガスの流れ方向Qによってプロテクタ4の底壁17が受ける流圧が低減し、更には底壁17の排出口15近傍に負圧が生じるので、被測定ガスの流れQによってプロテクタ4内部からの被測定ガスの排出が妨げられることなく、排出口15から速やかに排出でき、被測定ガス中のガス成分を検出する応答速度と検出精度を向上できる。
【0017】
ガスセンサの軸傾斜角度α°は、さらに135°以下であることが好ましい。その理由は、ガスセンサの軸傾斜角度α°が135°を越えると、被測定ガスのガス成分を検出する応答速度が増すからである。
また、ガスセンサの軸傾斜角度α°が135°であって、プロテクタのテーパが底壁と交わる外角β°は45°以下であることが好ましい。その理由は、ガスセンサの軸傾斜角度α°が135°を越えると、被測定ガスのガス成分を検出する応答速度が増すからであり、プロテクタのテーパ部が底壁と交わる外角β°を45°以下にすると、被測定ガスの流れ方向Qによってプロテクタの底壁が受ける流圧が一層低減し、被測定ガス中のガス成分を検出する応答速度が向上するからである。
【0018】
次に、請求項2に記載の発明は、ガス検出素子の先端側に形成される被測定ガスと接触するガス接触部を覆い、側壁に被測定ガスの導入口を形成するとともに、底壁に被測定ガスの排出口を形成し、前記側壁のうちで少なくとも前記底壁に連結するとともに外部に露出してなる先端側に、該底壁に向かって外径が小径となるようにテーパを付けてテーパ部を形成したプロテクタを備えたガスセンサを、排気管内に突き出して取り付けるガスセンサの取り付け方法であって、前記テーパ部が前記底壁と交わる外角をβ°、ガスセンサの軸方向を被測定ガスの流れる方向に対して傾斜させるガスセンサの軸傾斜角度をα°とし、α°が鈍角であると共に135°以下、かつ、β°が45°以下のとき、β°≦(180°−α°)の関係式を満たすように取り付けることを特徴とするガスセンサの取り付け方法である。
【0019】
請求項2に記載のガスセンサの取り付け方法によれば、請求項1に記載の発明と同じように、ガスセンサを排気管に取り付ける際に、ガスセンサのセンサ軸を被測定ガスの流れる方向に対して鈍角となるように傾斜して取り付けても、プロテクタ内の被測定ガスの置換を良好に行うことができ、被測定ガスのガス成分を検出する応答性と検出精度を向上できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
図2は本発明が適用された実施形態のガスセンサの構成を表す断面図、図3は同実施形態のガスセンサにおける内側筒状部を表す半断面図、図4は実施形態のガスセンサにおける外側筒状部を表す半断面図と図中のB−B断面図である。
【0026】
図2〜図4において、1はガスセンサであり、このガスセンサ1には、先端側(図中下側)に被測定ガスに接触させるガス接触部を有するガス検出素子2と、先端からガス接触部を突き出させた状態でガス検出素子2を把持する筒状のケース3と、ガス検出素子2のガス接触部周囲を覆うように、ケース3の先端側外周に固定された有底筒状のプロテクタ4とが備えられている。
【0027】
図2に示すように、ガス検出素子2は、ケース3の先端側より配置されるセラミックホルダー52、タルク粉末53、セラミックスリーブ54を介してケース3に固定されている。また、ケース3の後端側外周には、外筒55が溶接等により固定されている。また、外筒55の後端側の内側には、ガス検出素子2との電気的接続を、リードフレーム51を介して外部と行うためのリード線56が挿通されるセラミックセパレータ57とグロメット59とが配置されている。なお、セラミックセパレータ57は、軸線方向の略中央の外周面に外向きに突出するフランジ部58が形成され、このフランジ部58が外筒55において内向きに突出する形態で形成された外側支持部60により支持されている。また、グロメット59は、外筒55の内側に弾性的に嵌入されている。
【0028】
プロテクタ4は、内側筒状部6と、この内側筒状部6の外側に空隙8を介し同軸状に配置した外側筒状部7とから成り、二重構造に形成されている。
外側筒状部7の側壁12には、被測定ガスを空隙8に導入するために、内側に向けて延出するガイド体10を付設した外壁ガス導入口13が、円周における45°間隔で複数形成されている(図4(b)参照)。このガイド体10は外側筒状部7の外周の接線に対し、内側に向けて略45度に曲げ加工して形成されている。また、ガイド体10は、外側筒状部7の側壁12を、図4に示すごとく、コ字状に切り欠いて、その切り欠け片を曲げ加工することにより形成される。このガイド体10は、被測定ガスを内側筒状部6の外周面を取り囲む状態で旋回流を生じさせる機能を有し、この旋回流に伴い発生する慣性力により、相対的に重い水滴と相対的に軽いガス成分とが分離されることになる。
【0029】
内側筒状部6の側壁9には、被測定ガスをガス検出素子2周囲に導入するために、内壁ガス導入口11が、外壁ガス導入口13よりもケース3に近傍する位置に、ガス検出素子2に対向するように形成されている。また、この内壁ガス導入口11は、外壁ガス導入口13に対して、円周方向において22.5°ずらして配置され、円周における45°間隔で複数形成されている。外壁ガス導入口13に対向する位置における内側筒状部6の側壁9の外周面は、外側筒状部7の側壁12の外周面と平行に形成されている。
【0030】
そして、このガスセンサ1は、内側筒状部6が有底筒状に形成されると共に、外側筒状部7が有底筒状に形成され、外側筒状部7の底壁16に設けた挿通孔25(図4(a)参照)に内側筒状部6が挿通され、この外側筒状部7の底壁16より先端側に内側筒状部6の底壁17が突き出され、この内側筒状部6の底壁17に排出口15が形成されている。つまり、内側筒状部6の底壁17が、プロテクタ4の最先端側に位置する底壁となる。
【0031】
また、外側筒状部7の底壁16よりも先端側に突き出した内側筒状部6の側壁9に、先端側に向かって外径が小径となるようにテーパが付けられたテーパ部22が形成されている。
このテーパ部22は底壁10と交わる外角をβ°(図2中のβ°)としたとき、β°を60°以下に形成している。
【0032】
前記ガスセンサ1を排気管に取り付ける際には、ガスセンサの取り付け構造及び方法は、次のように行うとよい。
ガスセンサの取り付け構造及び方法を、図1(a)を用いて説明する。
図1(a)は、ガスセンサの取り付け構造及び取り付け方法の説明図であり、図2で表したガスセンサ1の構成中、排気管に付き出して表れるプロテクタ4の部分を表し、他の構成部分を省いている。
【0033】
図1(a)において、プロテクタ4には先端に向かう軸方向に外径が小さくなる斜面状のテーパ部22が形成され、最先端の底壁17に排出口15が形成されている。尚、図1(a)においては、外側筒状部7の図示は省略し、内側筒状部6のみを示している。
【0034】
そして、プロテクタ4が、被測定ガスが流れる排気管内に突き出すように取り付けられている。
このとき、テーパ部22が底壁17と交わる外角をβ°、ガスセンサの軸U方向を被測定ガスの流れる方向Qに対して傾斜させるガスセンサの軸傾斜角度をα°とし、α°が鈍角のとき、β°≦(180°−α°)の関係式を満たすように、ガスセンサを被測定ガスが流れる排気管内に取り付けるとよい。
【0035】
以下に、被測定ガス中のガス成分を検出する応答速度試験を行った結果について説明する。
ここで用いたガスセンサ1は、プロテクタ4のうちで外側筒状部7の外径寸法が略15mm、内壁ガス導入口11が形成される内側筒状部6の側壁の外径寸法が略9mm、外側筒状部7の底壁16から内側筒状部6の底壁17までの突き出し寸法を2.8mm、排出口15の径寸法が略2mm、内壁ガス導入口11の径寸法が略3.5mm、外壁ガス導入口13の径寸法が略4mm、外側筒状部7と内側筒状部6との間の空隙8の寸法を略5mmとした。
【0036】
また、本実施形態の効果を確認するために、比較例として内側筒状部6の側壁9にテーパ部22を形成しないガスセンサを準備し、本実施形態の実施例1〜3とともに試験を行った。
尚、応答速度試験は、プロテクタ4を内径が50mmの排気管内に突き出すように取り付け、次いで、ガスバーナを用いてプロパンガスを燃焼させ、排気管内に2.5m/sec.の流速で燃焼ガスを噴射した。このとき、ガスバーナの噴射開始の0〜2秒間は、空気の過剰率λを0.95とし、2秒間経過後に空気の過剰率λを1.05に切り換えた。
【0037】
応答速度試験の結果を図5〜図8に示す。図5〜図8において、横軸はガスバーナによる燃焼ガスの噴射時間、縦軸はガス成分を検出した出力値である。ここでは、0〜2秒間における平均出力値を0%、18秒から20秒間における平均出力値を100%として表した。そして、100%の出力値にいたるまでの推移をグラフで表した。
【0038】
図5は、実施例1の応答速度試験結果を表し、前記プロテクタの内側筒状部の側壁を前記底壁に向かって外径が小径となるテーパを付けてテーパ部22を形成し、このテーパ部22が前記底壁17と交わる外角をβ°、ガスセンサの軸方向を被測定ガスの流れる方向に対して傾斜させるセンサの軸傾斜角度をα°としたとき、β°が60°、センサ軸の設置角度αがβ°≦(180°−α°)の関係式を満たす110°と90°の両者について試験したものである。
【0039】
図6は、実施例2の応答速度試験結果を表し、β°が60°、センサ軸の設置角度αがβ°≦(180°−α°)の関係式を満たす120°と90°の両者について試験したものである。
図7は、実施例3の応答速度試験結果を表し、β°が45°、センサ軸の設置角度αがβ°≦(180°−α°)の関係式を満たす120°と90°の両者について試験したものである。
【0040】
図8は、比較例の応答速度試験結果を表し、プロテクタの内側筒状部の側壁には底壁に向かって縮小するテーパを付けることなく、センサ軸の設置角度αが110°と90°の両者について試験したものである。
実施例1〜3は、比較例と比較すると、ガスバーナによる燃焼ガスの噴射時間の変化に対してガス成分の出力値が、センサ軸の設置角度αを変えても、差が少なく応答速度が良好な結果が得られた。
【0041】
実施例1は、比較例と比較すると、センサ軸の設置角度αが90°と110°の両者において、被測定ガスのガス成分を検出する応答速度に差が少なく検出精度も良好であることが判る。
また、実施例3は、実施例2と比べると、センサ軸の設置角度αが90°と120°の両者において、被測定ガスのガス成分を検出する応答速度に差が少なく、β°が60°より45°が好ましいことが判る。
【0042】
さらに、本実施形態の作用効果を確認するために、実施例2と実施例3において用いた、β°が60°、45°のガスセンサを用い、センサ軸設置角度α°を順次変化させながらガス成分の出力値50%を検出するまでの時間を測定し、この結果を、実施例4とし、図9に表した。
【0043】
ガス成分の出力値50%を検出するまでの時間は、図10に示すように、横軸にガスバーナによる燃焼ガスの噴射時間、縦軸にガス成分を検出した出力値としたときに、出力値が50%に至ったときの応答時間ΔTである。
図9に表したように、プロテクタのテーパ角度β°が60°のものは、α°が鈍角であって、β°≦(180°−α°)の関係式を満たす120°以下の範囲において、50%応答時間が0.26秒以下であり、センサ軸設置角度α°の変化に対して、50%応答時間の変化が少なく安定した応答速度が得られることが判った。
【0044】
また、プロテクタのテーパ角度β°が45°のものは、α°が鈍角であって、β°≦(180°−α°)の関係式を満たす135°以下の範囲において、50%応答時間が0.26秒以下となりセンサ軸設置角度α°の変化に対して、50%応答時間の変化が少なく安定した応答速度が得られることが判った。
【0045】
また、プロテクタのテーパ角度β°が45°のものは、60°と比べると、センサ軸設置角度の変化に対して50%応答時間の変化が少なくて安定しているので一層好ましいことが判った。
以下に、前記の構成を有する実施の形態のガスセンサの取り付け構造及び方法並びガスセンサの作用効果を記載する。
【0046】
本発明の実施の形態によれば、ガスセンサを排気管に取り付ける際に、ガスセンサのセンサ軸を被測定ガスの流れる方向に対して鈍角となるように傾斜して取り付けても、プロテクタ内の被測定ガスの置換を良好に行うことができ、被測定ガスのガス成分を検出する応答性と検出精度を向上できる。
【0047】
また、本発明の実施の形態によれば、外壁ガス導入口から導入した被測定ガスとガス成分が検出されて排出口から排出される被測定ガスがプロテクタ内で混じりあうことがなく、プロテクタ内の被測定ガスの置換を良好にし、被測定ガス中のガス成分を検出する応答速度と検出精度を向上できる。
【0048】
また、本発明の実施の形態によれば、被測定ガスを安定して内側筒状部に導入することができ、ガス成分の出力値のバラツキが少なく、プロテクタ内の被測定ガスの置換を良好にし、被測定ガス中のガス成分を検出する応答速度と検出精度を向上できる。
【0049】
尚、本発明の実施の形態によれば、排出口15の形状は、底壁17の厚み分の孔形状としたが、さらにこの排出口15をバーリング加工などして外側に突き出すようにしても良い。
また、本発明の実施の形態によれば、内側筒状部6の側壁9と外側筒状部7の側壁12とを略平行状に形成したが、センサ軸設置角度α°やプロテクタのテーパβ°の設置条件に合わせて、傾斜状に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるガスセンサの取り付け構造を説明する図である。
【図2】 本発明が適用された実施形態のガスセンサの構成を表す断面図である。
【図3】 実施形態のガスセンサにおける内側筒状部の半断面図である。
【図4】 実施形態のガスセンサにおける外側筒状部の半断面図と図中のB−B断面図である。
【図5】 実施例1の、応答速度試験結果を表す図である。
【図6】 実施例2の、応答速度試験結果を表す図である。
【図7】 実施例3の、応答速度試験結果を表す図である。
【図8】 比較例の、応答速度試験結果を表す図である。
【図9】 実施形態のガスセンサの取り付け構造において、センサ軸設定角度の変化による50%応答時間の変化を表す図である。
【図10】 センサ軸設定角度の変化による50%応答時間の変化を説明する図である。
【符号の説明】
1…ガスセンサ、2…ガス検出素子、3…ケース、4…プロテクタ、6…内側筒状部、7…外側筒状部、8…空隙、9,12…側壁、10…ガイド体、11…内壁ガス導入口、13…外壁ガス導入口、15…排出口、16…外側筒状部の底壁、17…内側筒状部の底壁、22…テーパ、25…挿通孔、51…リードフレーム、52…セラミックホルダー、53…タルク粉末、54…セラミックスリーブ、55…外筒、56…リード線、57…セラミックセパレータ、58…フランジ部、59…グロメット。

Claims (2)

  1. ガス検出素子の先端側に形成される被測定ガスと接触するガス接触部を覆い、側壁に被測定ガスの導入口を形成するとともに、底壁に被測定ガスの排出口を形成し、前記側壁のうちで少なくとも前記底壁に連結するとともに外部に露出してなる先端側に、該底壁に向かって外径が小径となるようにテーパを付けてテーパ部を形成したプロテクタを備えたガスセンサを、排気管内に突き出して取り付けるガスセンサの取り付け構造であって、 前記テーパ部が前記底壁と交わる外角をβ°、ガスセンサの軸方向を被測定ガスの流れる方向に対して傾斜させるガスセンサの軸傾斜角度をα°とし、α°が鈍角であると共に135°以下、かつ、β°が45°以下のとき、β°≦(180°−α°)の関係式を満たすように取り付けることを特徴とするガスセンサの取り付け構造。
  2. ガス検出素子の先端側に形成される被測定ガスと接触するガス接触部を覆い、側壁に被測定ガスの導入口を形成するとともに、底壁に被測定ガスの排出口を形成し、前記側壁のうちで少なくとも前記底壁に連結するとともに外部に露出してなる先端側に、該底壁に向かって外径が小径となるテーパを付けてテーパ部を形成したプロテクタを備えたガスセンサを、排気管内に突き出して取り付けるガスセンサの取り付け方法であって、 前記テーパ部が前記底壁と交わる外角をβ°、ガスセンサの軸方向を被測定ガスの流れる方向に対して傾斜させるガスセンサの軸傾斜角度をα°とし、α°が鈍角であると共に135°以下、かつ、β°が45°以下のとき、β°≦(180°−α°)の関係式を満たすように取り付けることを特徴とするガスセンサの取り付け方法。
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