JP4314734B2 - 変速機のシフト制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載された変速機のシフト操作を行う電動モータからなるシフトアクチュエータの駆動制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
変速操作におけるシフト操作力が大きい大型のトラックやバスにおいては、シフト操作力を軽減するためのシフトアシスト装置を備えている。このような大型車両に装備するシフトアシスト装置は、その作動源として一般に圧縮空気が用いられている。作動源として圧縮空気を用いるシフトアシスト装置は、変速レバーに連結された変速操作機構を変速レバーのシフト動作と同方向に作動せしめる空気圧シリンダからなるシフトアクチュエータを具備している。しかるに、大型車両は一般にブレーキの作動源として圧縮空気を使用しているのでシフトアシスト装置にこの圧縮空気を利用することができるが、小型および中型車両のように圧縮空気源としてのコンプレッサーを具備していない車両においては空気圧シリンダからなるシフトアクチュエータを用いたシフトアシスト装置を装備することはできない。しかしながら、近年小型および中型車両にもシフトアシスト装置を装備する要望が高まり、電動モータからなるシフトアクチュエータを備えたシフトアシスト装置が提案されており、例えば特開平5ー87237号公報および特許第2987121号公報等に開示されている。
【0003】
また、変速機の変速操作を行う変速機構をセレクト方向に作動するセレクトアクチュエータと、該変速機構をシフト方向に作動するシフトアクチュエータとを装備し、変速機の目標変速段を指示する目標変速段指示手段からの変速指示に基づいてセレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエータを制御する変速機が実用化されている。上記セレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエータとしては、一般に空気圧や油圧等の流体圧を作動源とした流体圧シリンダが用いられているが、圧縮空気源や油圧源を具備していない車両に搭載する変速機用として、電動モータによって構成したセレクトアクチュエータおよびシフトアクチュエータが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
而して、電動モータからなるシフトアクチュエータを駆動してシフト作動する際に、所定時間内に変速機の同期装置の同期作用が完了しないと、電動モータの駆動時間が長くなり、この結果、電動モータが焼損する虞がある。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その主たる技術的課題は、シフトアクチュエータを構成する電動モータの焼損を防止することができる変速機のシフト制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するために、
複数の歯車及び同期装置を備えた変速機と、該変速機の変速操作を行う変速操作機構とを具備しており、かつ、該変速機のギヤ抜き時及びギヤイン時に該変速操作機構をシフト方向に作動する電動モータからなるシフトアクチュエータと、該変速操作機構のシフトストローク位置を検出するシフトストロークセンサーと、該シフトストロークセンサーからの検出信号に基づいて該シフトアクチュエータの目標駆動電力を決定するコントローラとを具備する変速機のシフト制御装置において、
該目標駆動電力は、ギヤイン時には、該変速操作機構のシフトストローク位置が同期作用の開始される位置から終了する位置までの同期範囲において最大値となり、同期作用の終了する位置においては該最大値よりも小さい中間値となり、かつ、ギヤ抜き時には、ギヤ抜きの開始から終了する位置までの範囲において該中間値よりも小さい値となるように設定されており、さらに、
該コントローラは、該電動モータの温度に対応した印加可能最大電力を求め、該印加可能最大電力と該目標駆動電力とを比較し該目標駆動電力が該印加可能最大電力以下の場合は該目標駆動電力によって該シフトアクチュエータを駆動し、該目標駆動電力が該印加可能最大電力より大きい場合には該印加可能最大電力によって該シフトアクチュエータを駆動せしめる」
ことを特徴とする変速機のシフト制御装置が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された変速機のシフト制御装置の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0008】
図1には、本発明に従って構成されたシフト制御装置を変速機のシフトアシスト装置に適用した変速機構の概略構成図が示されている。
図1に示す変速機構は、同期装置を備えた変速機2の変速操作を行う変速レバー3と、該変速レバー3に連結された変速操作機構5と、該変速操作機構5を変速レバー3のシフト動作方向と同方向に作動せしめるためのシフトアシスト装置8を具備している。
【0009】
変速機2は図2に示すように前進5段、後進1段の歯車機構を具備している。この変速機2は、入力軸21と、該入力軸21と同一軸上に配設された出力軸22と、該出力軸22と平行に配設されたカウンターシャフト23とを具備している。入力軸21には駆動歯車241(図示の実施形態においては第5速歯車)が装着され、出力軸22には、第4速歯車242、第3速歯車243、第2速歯車244、第1速歯車245、および後進歯車246が回転可能に配設されている。また、出力軸22には、第5速歯車241と第4速歯車242との間と、第3速歯車243と第2速歯車244との間、および第1速歯車245と後進歯車246との間にそれぞれ同期装置25a、25bおよび25cが配設されている。一方、上記カウンターシャフト23には、上記第5速歯車241、第4速歯車242、第3速歯車243、第2速歯車244、第1速歯車245と常時噛み合うカウンター歯車261、262、263、264、265が設けられているとともに、上記後進歯車246と図示しないアイドル歯車を介して噛み合いするカウンター歯車266が設けられている。
【0010】
次に、上記同期装置25a、25bおよび25cについて図3を参照して説明する。なお、図示の同期装置25a、25bおよび25cは実質的に同一の構成であるので、第5速歯車241と第4速歯車242との間に配設された同期装置25aについて説明する。
図示の同期装置25aは、周知のキー式同期装置からなっており、出力軸22に装着されたクラッチハブ251と、該クラッチハブ251の外周に設けられた外歯スプラインに摺動可能に嵌合されたクラッチスリーブ252と、上記クラッチハブ251に径方向に設けられた複数個(例えば3個)のキー溝251a内にそれぞれ配設されたキー253と、該キー253の両端部内側に配設されキー253をクラッチスリーブ252に向けて押圧するキースプリング254、254と、第5速歯車241および第4速歯車242にそれぞれ設けられたドッグ歯241aおよび242aと、第5速歯車241および第4速歯車242にそれぞれ設けられたコーン面241bおよび242b上にそれぞれ配設されたシンクロナイザーリング255および256とからなっている。このように構成された同期装置25aは、クラッチスリーブ252の外周に設けられた環状溝252aに後述する変速操作機構5を構成するシフト機構のシフトロッドに装着されたシフトフォークが嵌合され、このシフトフォークによってクラッチスリーブ252が図において左または右方向に摺動せしめられることにより、該クラッチスリーブ252のスプライン252bと上記シンクロナイザーリング255の歯およびドッグ歯241aまたはシンクロナイザーリング256およびドッグ歯242aと噛み合うようになっている。なお、図示の同期装置は周知の構成であるため、更に詳細な説明については省略する。
【0011】
上述した同期装置25a、25bおよび25cは、変速レバー3と、該変速レバー3に連結された変速操作機構5によって作動せしめられる。変速レバー3は、図1において紙面に垂直な方向(セレクト方向)および左右方向(シフト方向)に図示しない軸を中心として傾動可能に構成されている。この変速レバー3は、上記同期装置25a、25bおよび25cを作動するために図4に示す変速パターンに沿って操作される。変速レバー3のノブ31にはシフトノブスイッチ4が配設されている。シフトノブスイッチ4は、変速レバー3のノブ31をシフト方向に傾動する際にその作動方向を検出するために第1のスイッチ41(SWI)と第2のスイッチ42(SW2)を備えている。このシフトノブスイッチ4は、例えば変速レバー3のノブ31を図1において左方に傾動すると第1のスイッチ41(SWI)がONし、変速レバー3を図1において右方に傾動すると第2のスイッチ42(SW2)がONするように構成されている。また、シフトノブスイッチ4は、変速レバー3のノブ31から手を放すと第1のスイッチ41(SW1)および第2のスイッチ42(SW2)ともOFFするように構成されており、このON・OFF信号を後述するコントローラに送る。なお、このようなシフトノブスイッチは、例えば実開昭56ー97133号公報に開示されているように周知技術であるため、更に詳細な説明については省略する。
【0012】
次に、上記変速レバー3に連結され上述した同期装置25a、25bおよび25cを作動する変速操作機構5について図1および図5を参照して説明する。
変速操作機構5は、シフト機構6とセレクト機構7とからなっている。シフト機構6は、変速レバー3に一端が連結されたプッシュプルケーブル61と、該プッシュプルケーブル61の他端と一端部が連結されたコントロールレバー62と、該コントロールレバー62の他端部に連結され変速機2の図示しないケースカバーに回動可能に支持されたコントロールロッド63と、該コントロールロッド63に軸方向に摺動可能にスプライン嵌合されたシフトレバー64を具備している。このシフトレバー64は、その先端部がシフトロッド651、652、653にそれぞれ装着されたシフトブロック661、662、663と選択的に係合するようになっている。シフトロッド651、652、653には上記同期装置25a、25b、25cのクラッチスリーブの外周に設けられた環状溝と係合する図示しないシフトフォークがそれぞれ装着されている。なお、上記各シフトロッド651、652、653間には周知のインターロック機構が配設されており、2本のシフトロッドが同時に作動しないようになっている。なお、上記シフト機構6は周知の構成であるため、更に詳細な説明については省略する。
【0013】
上記シフトレバー64は、セレクト機構7によって軸方向に摺動され所定のセレクト位置に位置付けられる。セレクト機構7は、変速レバー3に一端が連結されたプッシュプルケーブル71と、該プッシュプルケーブル71の他端と一端部が連結され中間部が支軸73を中心として回動可能に支持されたセレクトレバー72とを具備しており、該セレクトレバー72の他端が上記シフトレバー64の取付けボス部641の外周面に形成された嵌合溝642に係合している。従って、変速レバー3をセレクト方向に作動することによりプッシュプルケーブル71およびセレクトレバー72を介してシフトレバー64がコントロールロッド63上を軸方向に摺動せしめられる。そして、シフトレバー64の他端が上記シフトブロック661、662、663と選択的に係合せしめられる。なお、上記セレクト機構7は周知の構成であるため、更に詳細な説明については省略する。
【0014】
図示の実施形態におけるセレクト機構7は、シフトレバー64のセレクト方向の位置を検出するためのセレクト位置検出センサー75(SES)を備えている。このセレクト位置検出センサー75(SES)は、上記セレクトレバー72とロッド76およびレバー77を介して連結され、セレクトレバー72の作動角によってシフトレバー64のセレクト方向の位置を検出するポテンショメータからなっており、その検出信号をコントローラ10に送る。
【0015】
図示の実施形態においては、上述したシフト機構6を変速レバー3のシフト動作方向と同方向に作動せしめるためのシフトアシスト装置8を具備している。シフトアシスト装置8は、上述したシフト機構6をシフト方向に作動せしめるシフトアシスト用のシフトアクチュエータ80を備えている。シフトアクチュエータ80は、正転および逆転駆動可能な電動モータ81(M1)と、該電動モータ81(M1)の回転速度を減速する減速機82と、該減速機82の出力軸821に一端が装着された作動レバー83と、該作動レバー83の他端部と上記コントロールレバー62を連結する連結ロッド84とからなっている。このように構成されたシフトアシスト用のシフトアクチュエータ80は、電動モータ81(M1)を正転駆動すると作動レバー83を矢印83aで示す方向に作動し、連結ロッド84を介してコントロールレバー62を矢印62aで示す方向に作動してアシストする。一方、シフトアクチュエータ80は、電動モータ81(M1)を逆転駆動すると作動レバー83を矢印83bで示す方向に作動し、連結ロッド84を介してコントロールレバー62を矢印62bで示す方向に作動してアシストする。
【0016】
図示の実施形態におけるシフトアシスト装置8は、シフト機構のシフトストローク位置を検出するためのシフトストロークセンサー85(SIS)を備えている。このシフトストロークセンサー85(SIS)は、上記コントロールレバー62とロッド86およびレバー87を介して連結され、コントロールレバー62の作動角によってシフトストローク位置を検出するポテンショメータからなっており、その検出信号をコントローラ10に送る。
【0017】
コントローラ10は、マイクロコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)101と、制御プログラムや後述する電動モータの温度に対する印加可能最大電力を設定した制御マップ等を格納するリードオンリメモリ(ROM)102と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)103と、タイマー(T)104と、入力インターフェース105および出力インターフェース106とを備えている。このように構成されたコントローラ10の入力インターフェース105には、上記シフトノブスイッチ4を構成する第1のスイッチ41(SWI)と第2のスイッチ42(SW2)、セレクト位置検出センサー75(SES)およびシフトストロークセンサー85(SIS)の検出信号が入力される。また、入力インターフェース105には、図示しないエンジンと変速機2との間に配設されるクラッチを作動するクラッチペダル9の操作状態を検出するクラッチペダルスイッチ91(SW3)の検出信号が入力される。このクラッチペダルスイッチ91(SW3)は、クラッチペダル9が開放即ち踏み込まれていない状態(クラッチ接状態)ではOFFしており、クラッチを断するためにクラッチペダル9が踏み込まれるとON信号を出力する。なお、シフトノブスイッチ4およびシフトストロークセンサー85(SIS)からの信号に基づいてクラッチを自動的に断・接制御するオートクラッチを搭載した場合には、上記クラッチペダル9の代わりにクラッチの係合量を検出するクラッチストロークセンサーの検出信号が入力インターフェース105に入力される。一方、出力インターフェース106からは上記シフトアシスト用のシフトアクチュエータ80を構成する電動モータ81(M1)等に制御信号を出力する。
【0018】
次に、シフトストローク位置に対応したアシスト力について図6を参照して説明する。図6には上述したクラッチスリーブ252のスプライン252bと、第5速歯車241用のシンクロナイザーリング255の歯255aおよびドッグ歯241aと、第4速歯車242用のシンクロナイザーリング256の歯256aおよびドッグ歯242aとのニュートラル状態での位置関係が示されている。図6に示す実施形態においてはニュートラル状態でのクラッチスリーブ252のシフトストローク位置をP6としている。このニュートラル状態から第5速歯車241側(図6において左側)へクラッチスリーブ252を移動し、第5速歯車241用のシンクロナイザーリング255の歯255aのチャンファ前端に達する位置のシフトストローク位置(ギヤイン時における同期開始位置)がP5、第5速歯車241用のシンクロナイザーリング255の歯255aのチャンファ後端に達する位置のシフトストローク位置(ギヤイン時における同期終了位置)がP5a、シンクロナイザーリング255の歯255aの後端に達する位置のシフトストローク位置がP4、第5速歯車241用のドッグ歯241aのチャンファ前端に達する位置のシフトストローク位置がP3、ドッグ歯241aのチャンファ後端に達する位置のシフトストローク位置(ギヤ抜き時におけるクラッチスリーブ252のドッグ歯241aとの噛合が解除するシフトストローク位置)がP2、ドッグ歯241aの後端に達する位置のシフトストローク位置がP1とされている。
【0019】
一方、ニュートラル状態から第4速歯車242側(図6において右側)へクラッチスリーブ252を移動し、第4速歯車242用のシンクロナイザーリング256の歯256aのチャンファ前端に達する位置のシフトストローク位置(ギヤイン時における同期開始位置)がP7、第4速歯車242用のシンクロナイザーリング256の歯256aのチャンファ後端に達する位置のシフトストローク位置(ギヤイン時における同期終了位置)がP7a、シンクロナイザーリング256の歯256aの後端に達する位置のシフトストローク位置がP8、第4速歯車242用のドッグ歯242aのチャンファ前端に達する位置のシフトストローク位置がP9、ドッグ歯242aのチャンファ後端に達する位置のシフトストローク位置(ギヤ抜き時におけるクラッチスリーブ252のドッグ歯242aとの噛合が解除するシフトストローク位置)がP10、ドッグ歯242aの後端に達する位置のシフトストローク位置がP11とされている。このシフトストローク位置は、上記シフトストロークセンサー85(SIS)によって検出される。なお、シフトストロークセンサー85(SIS)は、図示の実施形態においてはシフトストローク位置がP1のときに最も小さい値の電圧信号を出力し、シフトストローク位置がP11側に行くに従い出力電圧が漸次増大しP11のときに最も大きい値の電圧信号を出力するように構成されている。
【0020】
図6に示すニュートラル状態からクラッチスリーブ252を第4速歯車242側および第5速歯車241側へシフト操作する際(ギヤイン時)に、変速レバー3には上記P7およびP5のシフトストローク位置即ち同期作用が開始される位置から同期作用が終了するP7aおよびP5a迄の同期範囲に最も大きな操作力が作用する。従って、ギヤイン時には少なくとも同期範囲に上記シフトアシスト用のシフトアクチュエータ80を構成する電動モータ81(M1)を駆動してシフト操作をアシストすればよい。また、ギヤイン操作時に変速レバー3には、上記P7aおよびP5aからP10およびP2迄のシフトストローク位置即ちクラッチスリーブ252のスプライン252bのチャンファとドッグ歯242aまたは241aのチャンファとの係合範囲に上記同期範囲よりは小さいが比較的大きな力が作用する。従って、ギヤイン時には、同期作用が終了した後のドッグ歯とクラッチスリーブのチャンファとの係合期間にも上記電動モータ81(M1)を駆動してシフト操作をアシストすることが望ましい。一方、第4速歯車242または第5速歯車241にギヤインしている状態、即ちクラッチスリーブ252が上記P11またはP1のシフトストローク位置にある状態からニュートラル状態に戻す際(ギヤ抜き時)には、クラッチスリーブ252のスプライン252bが上記P10またはP2のシフトストローク位置即ちドッグ歯のチャンファ後端を通過する迄の期間に比較的大きな力が作用する。従って、このギヤ抜き時にはギヤイン状態からドッグ歯のチャンファ後端を通過する迄のシフトストローク間(ドッグ歯とクラッチスリーブ252の噛合範囲)、つまり、ギヤ抜きの開始から終了する位置までの範囲において、上記シフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)を駆動してシフト操作をアシストすればよい。
【0021】
なお、ギヤ抜き時のアシスト力は上記ギヤイン時のアシスト力より小さくてよい。このアシスト力の制御は、シフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)に印加する電力(電圧または電流)を制御することによって実行される。なお、電動モータ81(M1)を駆動する回転方向は、クラッチスリーブ252を図6において左方に向けて作動するとき(上記シフトノブスイッチ4の第1のスイッチ41(SWI)がONしているとき)は例えば正転で、クラッチスリーブ252を図6において右方に向けて作動するとき(上記シフトノブスイッチ4の第2のスイッチ42(SW2)がONしているとき)は例えば逆転される。例えば、第5速歯車241にギヤインしている状態から第4速にシフトダウンする場合には、図6に示すようにP1からP2までの間、即ちギヤ抜きの開始から終了する位置までの範囲である、クラッチスリーブ252のスプライン252bがドッグ歯241aのチャンファ後端を通過する迄の期間(ドッグ歯とクラッチスリーブ252の噛合期間)シフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)はV1の電圧で逆転駆動され、その後P5までの間に徐々に電圧を下げて電動モータ81(M1)の駆動を停止する。
【0022】
そして、ニュートラル位置P6からクラッチスリーブ252が同期作用の開始位置であるP7に達すると、シフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)は上記V1より高い電圧V3で逆転駆動され、図6に示す実施形態においてはクラッチスリーブ252のスプライン252bが第4速歯車242用のシンクロナイザーリング256の歯256aのチャンファ後端に達する位置のシフトストローク位置P7aを通過する迄の期間(同期期間)電圧V3での逆転駆動が維持される。シフトストロークが上記P7aを通過したら、シフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)は上記電圧V1より高く電圧V3より低い電圧V2で逆転駆動される。つまり、同期作用の終了する位置においては電動モータ81(M1)を駆動する電圧はV1とV3との中間値V2となり、クラッチスリーブ252のスプライン252bがドッグ歯242aのチャンファ後端に相当する上記P10を通過する迄の期間電圧V2での逆転駆動が維持される。クラッチスリーブ252が上記P10を通過するとシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)に印加する電圧を徐々に下げ、P11のシフトストローク位置でシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)の駆動を停止する。以上のように、図示の実施形態におけるシフトアシスト装置においては、電動モータ81(M1)に供給する目標駆動電力が、シフトストローク位置に対応して、ギヤイン時には、変速操作機構のシフトストローク位置が同期作用の開始される位置から終了する位置までの同期範囲において最大値V3となり、同期作用の終了する位置においては最大値V3よりも小さい中間値V2となり、かつ、ギヤ抜き時には、ギヤ抜きの開始から終了する位置までの範囲において中間値V2よりも小さい値V1となるように設定されている。このため、アシスト力がシフトストローク位置に対応して適切に制御されるので、シフトアクチュエータ80を構成する電動モータの駆動時にタイムラグが発生することがなく、シフト操作の全ストロークに渡って変速レバーの操作力を均一化することができる。
【0023】
次に、変速操作時における上記コントローラ10のシフトアシスト制御の動作手順について、図7に示されたメインルーチンを示すフローチャートを参照して説明する。
先ず、コントローラ10はステップS1においてクラッチペダルスイッチ91(SW3)がONされているか否か、即ちクラッチペダル9が踏み込まれてクラッチが断されたか否かをチェックする。なお、オートクラッチを搭載した場合には、クラッチの係合量を検出するクラッチストロークセンサーからの信号に基づいて、クラッチの係合量が半クラッチより断側か否かをチェックする。ステップS1においてクラッチペダルスイッチ91(SW3)がONされていない場合は、コントローラ10はクラッチが断されないので変速意思がないものと判断し、ステップS2に進んでシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)を停止して終了する。
【0024】
ステップS1においてクラッチペダルスイッチ91(SW3)がONされていればコントローラ10はクラッチが断され変速意思があるものと判断して、ステップS3に進みセレクト位置検出センサー75(SES)によって検出されたシフトレバー64のセレクト方向位置が所定のセレクト位置に位置付けられているか否かをチェックする。即ちシフトレバー64が上記シフトロッド651、652、653にそれぞれ装着されたシフトブロック661、662、663のいずれか1つのみと係合する位置関係にあるか否かをチェックする。ステップS3においてシフトレバー64が所定のセレクト位置に位置付けられていない場合には、コントローラ10はこの状態でシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)が駆動されるとシフトレバー64が2つのシフトブロックと係合することになると判断し、ステップS2に進んで電動モータ81(M1)を停止して終了する。もし、シフトレバー64が所定のセレクト位置に位置付けられていない状態でシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)が駆動されると、シフトレバー64が2つのシフトブロックと係合して2本のシフトロッドを同時に作動することになるため、インターロック機構が機能してシフトロッドの作動が規制されるので、駆動されているシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)に焼付きが発生する。しかるに、図示の実施形態においては上述したようにシフトレバー64が所定のセレクト位置に位置付けられていない場合には、ステップS2に進んでシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)を停止するので、上記電動モータ81(M1)の焼付きを未然に防止することができる。
【0025】
上記ステップS3においてセレクト位置検出センサー75(SES)によって検出されたシフトレバー64のセレクト方向位置が所定のセレクト位置に位置付けられている場合に、コントローラ10はステップS4に進んで上記シフトノブスイッチ4の第1のスイッチ41(SW1)がONされているか否か、即ち第1速、第3速、第5速側へ変速操作を開始したか否かをチェックする。ステップS4において第1のスイッチ41(SW1)がONされていれば、コントローラ10はステップS5に進んでシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)の回転方向を正転に設定し、更にステップS6に進んでシフトストロークセンサー85(SIS)によって検出されたシフトストローク位置PがP2より小さいか否か、即ちクラッチスリーブ252がドッグ歯241aのチャンファ後端よりギヤイン側か否かをチェックする。ステップS6においてシフトストローク位置PがP2より小さい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252がドッグ歯241aのチャンファ後端よりギヤイン側にあり、シフトアシストをする必要がないと判断し、ステップS7に進んでシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)に印加する電圧を徐々に低下してシフトストローク位置PがP1に達したら電圧を零(0)にする。
【0026】
ステップS6においてシフトストローク位置PがP2より大きい場合には、コントローラ10はステップS8に進んでシフトストローク位置PがP5a以上でP5より小さいか否か、即ちクラッチスリーブ252が同期範囲にあるか否かをチェックする。ステップS8においてシフトストローク位置PがP5a以上でP5より小さい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252が同期範囲にありギヤイン時の同期範囲におけるシフトアシストをする必要があると判断し、ステップP0に進みシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)を駆動するための駆動電圧制御を実行する。
【0027】
次に、電動モータ81(M1)の駆動電圧制御について図8に示されたサブルーチンを示すフローチャートに基づいて説明する。
コントローラ10は、先ずステップP1においてシフトアクチュエータ80を構成する電動モータ81(M1)の温度(T0)を初期設定する。この初期設定は、図示の実施形態においては例えばエンジンを始動する際の変速機の雰囲気温度程度の30°Cに設定し、最初の1回だけ実行する。
【0028】
次に、コントローラ10はステップP2に進んで、電動モータ81(M1)の温度を積算する。先ず、モータの消費電力(印加電力)(W)を次の数式(1)によって演算する。
【0029】
【数1】
Figure 0004314734
但し、Vはモータ印加電圧、Iはモータ印加電流。
なお、モータ印加電圧(V)は、最初は今回の場合シフトストローク位置PがP5a以上でP5より小さい範囲に存在するので、この範囲の目標印加電圧V3とする。また、モータ印加電流(I)は、モータ印加電圧(V)とモータ抵抗(R)とから演算する(I=V÷R)。なお、モータ抵抗は電動モータ81(M1)の設計抵抗値が用いられ、この抵抗値は温度によって変化するが、図示の実施形態においては一定とする。次に、電動モータ81(M1)の放熱値(H)を次の数式(2)によって演算する。
【0030】
【数2】
Figure 0004314734
但し、Tはモータ温度、tは変速機の雰囲気温度。
なお、モータ温度は、最初は上記初期設定温度(T0)の30°Cにする。また、変速機の雰囲気温度(t)は、車両が走行中の変速機の雰囲気温度で例えば60°Cとする。このようにして、モータ消費電力およびモータの放熱値が求められたら、モータ温度(T)を次の数式(3)によって演算する。
【0031】
【数3】
Figure 0004314734
但し、C1は、モータ消費電力を上昇温度に変換する定数。
なお、前回のモータ温度(T)は、最初は上記初期設定温度(T0)の30°Cにする。
【0032】
上記ステップP2において、電動モータ81(M1)の温度を積算したならば、コントローラ10はステップP3に進んで電動モータ81(M1)を駆動するための印加可能最大電力(WM)を決定する。コントローラ10のリードオンリメモリ(ROM)102には、ステップP3に示すようなモータ温度(T)に対する印加可能最大電力(WM)を設定した制御マップが格納されており、この制御マップから上記ステップP2で求めたモータ温度(T)に対応する印加可能最大電力(WM)を決定する。
【0033】
次に、コントローラ10はステップP4に進んで、シフトストローク位置Pに対応する目標印加電圧(V0:図6におけるV1、V2、V3に相当する)に基づいて目標モータ駆動電力(W0)を次の数式(4)によって演算する。
【0034】
【数4】
Figure 0004314734
なお、目標印加電圧(V0)は、今回の場合シフトストローク位置PがP5a以上でP5より小さい範囲に存在するので、この範囲の目標印加電圧V3とする。このようにして、目標モータ駆動電力(W0)を求めたら、コントローラ10はステップP5に進んで上記ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)以下か否かを判定する。印加可能最大電力(WM)が目標モータ駆動電力(W0)以下の場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動すると電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞があるので、コントローラ10はステップP6に進んで電動モータ81(M1)を駆動するための印加電力(W)を印加可能最大電力(WM)に決定する。そして、コントローラ10はステップP7に進んで、印加可能最大電力(WM)に基づいて電動モータ81(M1)を駆動するための印加電圧(V)を数式(5)によって演算する。
【0035】
【数5】
Figure 0004314734
このようにして、印加電圧(V)を求めたならば、コントローラ10は電動モータ81(M1)を印加電圧(V)で駆動する。
【0036】
上記ステップP5において、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)より大きい場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動しても電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞がないので、コントローラ10はステップP8に進んで電動モータ81(M1)を駆動するための印加電力(W)を目標モータ駆動電力(W0)に決定する。そして、コントローラ10はステップP9に進んで、電動モータ81(M1)を駆動するための印加電圧(V)を目標印加電圧(V0)に決定する。なお、今回はシフトストローク位置PがP5a以上でP5より小さい範囲に存在するので、目標印加電圧はV3であり、電動モータ81(M1)を印加電圧V3で駆動する。
【0037】
上記ステップS8においてシフトストローク位置PがP5a以上でP5より小さい状態でない場合には、コントローラ10はステップS9進んでシフトストローク位置PがP2以上でP5aより小さいか否か、即ちクラッチスリーブ252が同期終了位置からドック歯のチャンファとの係合位置の範囲にあるか否かをチェックする。ステップS9においてシフトストローク位置PがP2以上でP5aより小さい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252が同期終了位置からドック歯のチャンファとの係合位置の範囲にありギヤイン時のドック歯との係合範囲におけるシフトアシストをする必要があると判断し、ステップP0に進みシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)を駆動するための駆動電圧制御を上述した図8に示すフローチャートに従って実行する。
なお、今回の場合シフトストローク位置PがP2以上でP5aより小さい範囲に存在するので、この範囲の目標印加電圧(V0)はV2とする。従って、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)より大きい場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動しても電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞がないので、電動モータ81(M1)を目標印加電圧(V0)、即ち今回の場合はV2の電圧で駆動する。一方、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)以下の場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動すると電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞があるので、上記ステップP6において電動モータ81(M1)の駆動電力(W)を印加可能最大電力(WM)に決定し、ステップP7において印加可能最大電力(WM)に基づいて電動モータ81(M1)を駆動するための印加電圧(V)を上記数式(5)によって演算する。
【0038】
上記ステップS9においてシフトストローク位置PがP2以上でP5aより小さい状態でない場合には、コントローラ10はステップS10に進んでシフトストローク位置PがP5以上でP7より小さいか否か、即ちクラッチスリーブ252が両シンクロナイザーリング255と256との間に位置しているか否かをチェックする。ステップS10においてシフトストローク位置PがP5以上でP7より小さい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252が両シンクロナイザーリング255と256との間に位置しておりシフト操作をアシストする必要がないと判断し、ステップS11に進み電動モータ81(M1)の駆動を停止する。
【0039】
ステップS10においてシフトストローク位置PがP5以上でP7より小さい状態でない場合には、コントローラ10はステップS12に進んでシフトストローク位置PがP7以上でP10より小さいか否か、即ちクラッチスリーブ252とドッグ歯242aとの噛合が外れギヤ抜きが完了したか否かをチェックする。ステップS12においてシフトストローク位置PがP7以上でP10より小さい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252とドッグ歯242aとの噛合が外れギヤ抜きが完了したものと判断し、ステップS13に進んで電動モータ81(M1)に印加する電圧を徐々に低下してシフトストローク位置PがP7に達したら電圧を零(0)にする。
【0040】
上記ステップS12においてシフトストローク位置PがP7以上でP10より小さい状態でない場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252とドッグ歯242aとが噛合中でありギヤ抜き時のシフトアシストをする必要があると判断し、ステップP0に進みシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)を駆動するための駆動電圧制御を上述した図8に示すフローチャートに従って実行する。
なお、今回の場合上記ステップS6、ステップS8、ステップS9、ステップS10およびステップS12の判定結果から、シフトストローク位置PがP1とP2の範囲に存在するので、この範囲の目標印加電圧(V0)はV1とする。従って、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)より大きい場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動しても電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞がないので、電動モータ81(M1)を目標印加電圧(V0)、即ち今回の場合はV1の電圧で駆動する。一方、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)以下の場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動すると電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞があるので、上記ステップP6において電動モータ81(M1)の駆動電力(W)を印加可能最大電力(WM)に決定し、ステップP7において印加可能最大電力(WM)に基づいて電動モータ81(M1)を駆動するための印加電圧(V)を上記数式(5)によって演算する。
【0041】
次に、上記ステップS4においてシフトノブスイッチ4の第1のスイッチ41(SW1)がONされていない場合について説明する。
ステップS4においてシフトノブスイッチ4の第1のスイッチ41(SW1)がONされていない場合には、コントローラ10はステップS14に進んで第2のスイッチ42(SW2)がONされているか否か、即ち第2速、第4速、後進側へ変速操作を開始したか否かをチェックする。ステップS14において第2のスイッチ42(SW2)がONされていない場合には、コントローラ10は変速意思がないものと判断し、ステップS2に進んで電動モータ81(M1)を停止して終了する。
【0042】
ステップS14において第2のスイッチ42(SW2)がONされていれば、コントローラ10はステップS15に進んで電動モータ81(M1)の回転方向を逆転に設定し、更にステップS16に進んでシフトストロークセンサー85(SIS)によって検出されたシフトストローク位置PがP10以上か否か、即ちクラッチスリーブ252がドッグ歯242aのチャンファ後端よりギヤイン側か否かをチェックする。ステップS16においてシフトストローク位置PがP10より大きい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252がドッグ歯242aのチャンファ後端よりギヤイン側にあり、シフトアシストをする必要がないと判断し、上記ステップS7に進んで電動モータ81(M1)に印加する電圧を徐々に低下してシフトストローク位置PがP11に達したら電圧を零(0)にする。
【0043】
ステップS16においてシフトストローク位置PがP10より小さい場合には、コントローラ10はステップS17に進んでシフトストローク位置PがP7以上でP7aより小さいか否か、即ちクラッチスリーブ252が同期範囲にあるか否かをチェックする。ステップS17においてシフトストローク位置PがP7以上でP7aより小さい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252が同期範囲にありギヤイン時の同期範囲におけるシフトアシストをする必要があると判断し、ステップP0に進みシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)を駆動するための駆動電圧制御を上述した図8に示すフローチャートに従って実行する。
なお、今回の場合シフトストローク位置PがP7以上でP7aより小さい範囲に存在するので、この範囲の目標印加電圧(V0)はV3とする。従って、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)より大きい場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動しても電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞がないので、電動モータ81(M1)を目標印加電圧(V0)、即ち今回の場合はV3の電圧で駆動する。一方、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)以下の場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動すると電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞があるので、上記ステップP6において電動モータ81(M1)の駆動電力(W)を印加可能最大電力(WM)に決定し、ステップP7において印加可能最大電力(WM)に基づいて電動モータ81(M1)を駆動するための印加電圧(V)を上記数式(5)によって演算する。
【0044】
上記ステップS17においてシフトストローク位置PがP7以上でP7aより小さい状態でない場合には、コントローラ10はステップS18シフトストローク位置PがP7a以上でP10より小さいか否か、即ちクラッチスリーブ252が同期終了位置からドック歯のチャンファとの係合位置の範囲にあるか否かをチェックする。ステップS18においてシフトストローク位置PがP7a以上でP10より小さい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252が同期終了位置からドック歯のチャンファとの係合位置の範囲にありギヤイン時のドック歯との係合範囲におけるシフトアシストをする必要があると判断し、ステップP0に進みシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)を駆動するための駆動電圧制御を上述した図8に示すフローチャートに従って実行する。
なお、今回の場合シフトストローク位置PがP7a以上でP10より小さい範囲に存在するので、この範囲の目標印加電圧(V0)はV2とする。従って、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)より大きい場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動しても電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞がないので、電動モータ81(M1)を目標印加電圧(V0)、即ち今回の場合はV2の電圧で駆動する。一方、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)以下の場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動すると電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞があるので、上記ステップP6において電動モータ81(M1)の駆動電力(W)を印加可能最大電力(WM)に決定し、ステップP7において印加可能最大電力(WM)に基づいて電動モータ81(M1)を駆動するための印加電圧(V)を上記数式(5)によって演算する。
【0045】
上記ステップS18においてシフトストローク位置PがP7a以上でP10より小さい状態でない場合には、コントローラ10はステップS19に進んでシフトストローク位置PがP5以上でP7より小さいか否か、即ちクラッチスリーブ252が両シンクロナイザーリング255と256との間に位置しているか否かをチェックする。ステップS19においてシフトストローク位置PがP5以上でP7より小さい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252が両シンクロナイザーリング255と256との間に位置しておりシフト操作をアシストする必要がないと判断し、上記ステップS11に進み電動モータ81(M1)の駆動を停止する。
【0046】
ステップS18においてシフトストローク位置PがP5以上でP7より小さい状態でない場合には、コントローラ10はステップS20に進んでシフトストローク位置PがP2以上でP5より小さいか否か、即ちクラッチスリーブ252とドッグ歯241aとの噛合が外れギヤ抜きが完了したか否かをチェックする。ステップS20においてシフトストローク位置PがP2以上でP5より小さい場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252とドッグ歯241aとの噛合が外れギヤ抜きが完了したものと判断し、上記ステップS13に進んで電動モータ81(M1)に印加する電圧を徐々に低下してシフトストローク位置PがP5に達したら電圧を零(0)にする。
【0047】
上記ステップS20においてシフトストローク位置PがP2以上でP5より小さい状態でない場合には、コントローラ10はクラッチスリーブ252とドッグ歯241aとが噛合中でありギヤ抜き時のシフトアシストをする必要があると判断し、ステップP0に進みシフトアクチュエータ80の電動モータ81(M1)を駆動するための駆動電圧制御を上述した図8に示すフローチャートに従って実行する。
なお、今回の場合上記ステップS16、ステップS17、ステップS18、ステップS19およびステップS20の判定結果から、シフトストローク位置PがP1とP2の範囲に存在するので、この範囲の目標印加電圧(V0)はV1とする。従って、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)より大きい場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動しても電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞がないので、電動モータ81(M1)を目標印加電圧(V0)、即ち今回の場合はV1の電圧で駆動する。一方、ステップP2で決定した印加可能最大電力(WM)がステップP4で求めた目標モータ駆動電力(W0)以下の場合は、目標モータ駆動電力(W0)で電動モータ81(M1)を駆動すると電動モータ81(M1)が焼き付きを起こす虞があるので、上記ステップP6において電動モータ81(M1)の駆動電力(W)を印加可能最大電力(WM)に決定し、ステップP7において印加可能最大電力(WM)に基づいて電動モータ81(M1)を駆動するための印加電圧(V)を上記数式(5)によって演算する。
【0048】
以上、本発明を図示の実施形態に基づき変速機のシフトアシスト装置に適用した例について説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではない。例えば、変速機の目標変速段を指示する目標変速段指示手段からの変速指示に基づいてアクチュエータを駆動して変速操作する所謂パワーシフト式変速機、または自動変速機のシフトアクチュエータを電動モータによって構成した変速機構にも適用することができる。パワーシフト式変速機や自動変速機のシフトアクチュエータの場合、目標モータ駆動電力(W0)は例えば目標シフトストローク位置(ギヤイン位置またはニュートラル位置)と現在にシフトストローク位置との距離に対応して設定される。
【0049】
【発明の効果】
本発明による変速機のシフト制御装置は以上のように構成されているので、以下に述べる作用効果を奏する。
【0050】
即ち、本発明によれば、シフトアクチュエータを構成する電動モータの温度に対応した印加可能最大電力を求め、該印加可能最大電力とシフトストローク位置に基づいて決定される目標駆動電力とを比較し目標駆動電力が印加可能最大電力以下の場合は目標駆動電力によってシフトアクチュエータを駆動し、目標駆動電力が印加可能最大電力より大きい場合には印加可能最大電力によってシフトアクチュエータを駆動せしめるようにしたので、シフトアクチュエータを構成する電動モータの焼損を未然に防止することができる。そして、目標駆動電力は、変速操作機構において最も大きな操作力を必要とするシフトストローク位置、すなわち、ギヤインの際に同期作用の開始される位置から終了する位置までの同期範囲において最大値となり、同期作用の終了後においては最大値よりも小さい中間値となるように設定され、しかも、ギヤ抜き時には、中間値よりも小さい値となるように設定されている。そのため、電動モータにおける発熱量が小さくなってその温度の上昇が防止され、電動モータの焼損の可能性を可及的に少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されたシフト制御装置を変速機のシフトアシスト装置に適用した変速機構の概略構成図。
【図2】図1に示す変速機の歯車機構を示す概略構成図。
【図3】図2の変速機に装備される同期装置の断面図。
【図4】図1に示す変速機構の変速レバーのシフトパターンを示す図。
【図5】図1に示す変速機構を構成するシフト機構の要部斜視図。
【図6】図2に示す同期装置のクラッチスリーブのシフトストローク位置とシフトアシスト装置の電動モータに印加する電圧との関係を示す説明図。
【図7】本発明に従って構成された変速機のシフトアシスト装置を構成するコントローラのシフトアシスト制御の動作手順のメインルーチンを示すフローチャート。
【図8】本発明に従って構成された変速機のシフトアシスト装置を構成するコントローラのシフトアシスト制御における駆動電圧制御の動作手順のサブルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
2:変速機
21:変速機の入力軸
22:変速機の出力軸
23:変速機のカウンターシャフト
241:駆動歯車(第5速歯車)
241a:ドッグ歯
242:第4速歯車
242a:ドッグ歯
243:第3速歯車
244:第2速歯車
25a、25b、25c:同期装置
261、262、263、264、265、266:カウンター歯車
251:クラッチハブ
252:クラッチスリーブ
253:キー
254:キースプリング
255、256:シンクロナイザーリング
3:変速レバー
31:変速レバーのノブ
4:シフトノブスイッチ
41:第1のスイッチ(SWI)
42:第2のスイッチ(SW2)
5:変速操作機構
6:シフト機構
61:プッシュプルケーブル
62:コントロールレバー
63:コントロールロッド
64:シフトレバー
651、652、653:シフトロッド
661、662、663:シフトブロック
7:セレクト機構
71:プッシュプルケーブル
72:セレクトレバー
75:セレクト位置検出センサー(SES)
8:シフトアシスト装置
80:シフトアクチュエータ
81:電動モータ(M1)
82:減速機
83:作動レバー
84:連結ロッド
85:シフトストロークセンサー(SIS)
86:ロッド
87:レバー
9:クラッチペダル
91:クラッチペダルスイッチ(SW3)
10:コントローラ

Claims (3)

  1. 複数の歯車及び同期装置を備えた変速機と、該変速機の変速操作を行う変速操作機構とを具備しており、かつ、該変速機のギヤ抜き時及びギヤイン時に該変速操作機構をシフト方向に作動する電動モータからなるシフトアクチュエータと、該変速操作機構のシフトストローク位置を検出するシフトストロークセンサーと、該シフトストロークセンサーからの検出信号に基づいて該シフトアクチュエータの目標駆動電力を決定するコントローラとを具備する変速機のシフト制御装置において、
    該目標駆動電力は、ギヤイン時には、該変速操作機構のシフトストローク位置が同期作用の開始される位置から終了する位置までの同期範囲において最大値となり、同期作用の終了する位置においては該最大値よりも小さい中間値となり、かつ、ギヤ抜き時には、ギヤ抜きの開始から終了する位置までの範囲において該中間値よりも小さい値となるように設定されており、さらに、
    該コントローラは、該電動モータの温度に対応した印加可能最大電力を求め、該印加可能最大電力と該目標駆動電力とを比較し該目標駆動電力が該印加可能最大電力以下の場合は該目標駆動電力によって該シフトアクチュエータを駆動し、該目標駆動電力が該印加可能最大電力より大きい場合には該印加可能最大電力によって該シフトアクチュエータを駆動せしめることを特徴とする変速機のシフト制御装置。
  2. 該コントローラは該電動モータの温度に対する印加可能最大電力を設定した制御マップを備えており、該制御マップに基づいて該電動モータの温度に対応した印加可能最大電力を決定する、請求項1記載の変速機のシフト制御装置。
  3. 該電動モータの温度は、該電動モータの消費電力と該電動モータの放熱値を積算して求める、請求項1記載の変速機のシフト制御装置。
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