JP4314676B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池の、特にその正極活物質に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯機器用の主電源として、水溶液系の小型二次電池よりも放電電圧が高く、重量エネルギー密度の大きなリチウム二次電池が実用化されている。
【0003】
この主電源用リチウム二次電池の正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)が現在最も多用されている。またリチウムマンガン複合酸化物(LiMn24)を正極活物質とするリチウム二次電池も製品化されている。さらに種々様々な材料が正極活物質として研究されているが実用化には至っていない。リチウム銅複合酸化物のLi2CuO2もその一つで既に正極活物質としての研究報告があるが(例えば、荒井創、岡田重人、山木準一、第35回電池討論会講演要旨集、講演番号2C18)、十分な電極特性が得られておらず、工業的に実用化された事例はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
現在主流であるLiCoO2の原料であるコバルト化合物は高価であるため、これを用いた電池は必然的にコストが高くなる。また、LiCoO2をリチウム二次電池の正極活物質として用いる場合、実際の充放電容量は1電子反応で計算される正極の理論容量の5割程度に過ぎない。これは理論容量に近い充放電反応は一時的には可能であるが、二次電池として充放電を繰り返した場合に容量の劣化が大きく、また、保存特性も悪く十分な特性が得られないためである。この原因は定かでないが、正極活物質の反応可逆性が損なわれたり、または正極活物質の電解質に対する反応活性が高くなり保存中に好ましくない反応を起こしていることが考えられる。
【0005】
またLiMn24の原料であるマンガン化合物は、一般にコバルト化合物よりも安価であることから電池のコストはいくらか低くなる。しかし、正極活物質としてのLiMn24の充放電容量は、LiCoO2のそれと同等以下でしかなく、電池の高エネルギー密度化は困難である。
【0006】
またLi2CuO2の原料となる銅化合物も一般に安価であることから電池のコストを低くすることができる。従来の研究報告では正極活物質として組成式Li2CuO2とLiCuO2との間で可逆な充放電反応が行われている。LiCoO2 やLiMn24と比較すると、放電容量は大きいが、平均放電電位が1V以上も低いために、Li2CuO2を正極活物質として用いた電池のエネルギー密度は、LiCoO2 やLiMn24を用いたものよりも小さくなるという短所がある。
【0007】
ゆえに安価でかつ、優れた特性、特にエネルギー密度の大きなリチウム二次電池を提供するためには、新規な正極活物質の発明と電池への適用化が望まれる。
【0008】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、安価で充放電容量の大きいリチウム亜鉛銅複合酸化物を新規な正極活物質として用いることで、従来よりも低コストでエネルギー密度の大きなリチウム二次電池を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記目的を達成するために、新たな材料を探索し、検討を行ったところ、組成式Li2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)で表され、かつ空間群Immmに属する構造を有する新規のリチウム亜鉛銅複合酸化物を発見し、これが非常に有望な電極材料であることを見い出した。
【0010】
既存の電極材料であるLi2CuO2は組成式上2個のリチウムがあり、化合物の単位重量あたりではLiCoO2の約二倍量、LiMn24の約四倍量のリチウムが含まれている。よって、仮に組成式Li2CuO2とCuO2との間で、2個のリチウムが可逆的に充放電反応に関与できるとすると、単位重量あたりの放電容量はLiCoO2 の約二倍、LiMn24の約四倍が期待できる。しかし、実際には組成式Li2CuO2とLiCuO2との間の1個分のリチウムしか可逆的に充放電反応に関与できない。そしてこのときの銅の酸化数は2から3の低い範囲で酸化還元反応に関与するため、平均放電電位も低い。更に電池における充電反応に相当する電気化学的な酸化反応においてLiCuO2からリチウムが減少すると、CuO2とはならずに別の化合物、おそらくはCuOに分解し、その後は電極活物質としての反応可逆性を失ってしまう。この現象はLi2CuO2の結晶構造に起因していると考えられ、以下のように考察した。
【0011】
Li2CuO2は空間群Immmを有しており、その結晶構造中では、銅を中心にして酸素が平面4配位し、これが辺を共有して一次元の直鎖状ユニットを形成している。そして、リチウムは平行した直鎖状ユニットの間に存在し、ユニットの酸素と結合して、あたかもリチウムが複数の直鎖状ユニットをつなぎ止めているかのような結晶構造的特徴を有している。そこで、電気化学的な酸化反応によってLi2CuO2からリチウムが減少してLiCuO2の状態になった場合は、残りの1個のリチウムが複数の直鎖状ユニットをつなぎ止めて結晶構造を維持できていると考えた。
【0012】
しかし、更に電気化学的な酸化反応によってリチウムが減少すると、直鎖状ユニット間に作用する静電反発力がリチウムと酸素との結合力に対抗して働き、結晶構造が不安定になって分解するため可逆的な電気化学的な酸化還元反応、すなわち充放電反応が不可能になり、そしてCuO2に至っては直鎖状ユニットをつなぎ止める作用をするものがないために全く安定には存在できないと考えている。
【0013】
そこでこの考察により、電気化学的な酸化反応後に結晶構造中にとどまる元素が、上記したようなリチウムと同様に複数の直鎖状ユニットをつなぎ止めておく役割を果たせば、たとえ充電反応でリチウムが減少しても結晶構造が維持され、可逆的な電気化学反応量を増大させることができると考えた。また、銅の酸化数が3より大きい反応過程では酸化数が3以下の場合よりも高い放電電位が期待されることから、高エネルギー密度な正極活物質となる可能性もある。
【0014】
このような発想のもとに、新たな材料を探索し、検討を行ったところ、組成式Li2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)で表され、かつ空間群Immmに属する構造を有する新規のリチウム亜鉛銅複合酸化物を発見し、これが非常に有望な電極材料であることを見い出したのである。
【0015】
本発明のLi2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)では、亜鉛元素が電気化学的な酸化反応でも結晶構造中にとどまる元素としてリチウムと同様に複数の直鎖状ユニットをつなぎ止めておく役割を担っているものと考えられる。含まれている亜鉛の価数は2価であると考えられることから、組成式のxで表現した亜鉛の量の2倍に相当する2xのリチウムと置き換わることになる。よって亜鉛量が多くなると充放電反応に関与できるリチウム量が減少してしまうため、容量が減少するが、検討の結果からxが0.01以上0.49以下の組成では従来よりも可逆的な電気化学反応量が増大することを見出した。亜鉛は少量でも充電状態での分解反応を抑制する作用が認められ、結果として可逆的な電気化学反応量が増大し、また銅の酸化数が3より大きい領域でも充放電反応が可能になることから平均動作電位を高くすることができた。CuKα線を用いた粉末X線回折測定を行った結果、Li2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)は空間群Immmに帰属され、亜鉛はリチウムと等価な位置に存在していることが確認された。亜鉛以外にも電気化学的な酸化反応で結晶構造中にとどまり、複数の直鎖状ユニットをつなぎ止めておく役割をする元素であれば同様の改良された結果が期待される。
【0016】
本発明のLi2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)を合成するにあたり、金属リチウム、酸化リチウム、過酸化リチウム、水酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、ギ酸リチウム、酢酸リチウム、安息香酸リチウム、クエン酸リチウム、乳酸リチウム、シュウ酸リチウム、ピリビン酸リチウム、ステアリン酸リチウム、および酒石酸リチウムから成る群より選択されるリチウム原料と、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、水酸化亜鉛、乳酸亜鉛、塩化アンモニウム亜鉛、硝酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、酸化亜鉛、過酸化亜鉛、ピロリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、フタロシアニン亜鉛、サリチル酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、金属亜鉛から成る群より選択される亜鉛原料と、酢酸銅、安息香酸銅、塩基性炭酸銅、塩化第一銅、クエン酸銅、ギ酸銅、グルコン酸銅、水酸化銅、銅メトキシド、硝酸銅、酒石酸銅、シュウ酸銅、酸化第一銅、酸化第二銅、ピロリン酸銅、サリチル酸銅、ステアリン酸銅から成る群より選択される銅原料からの合成が可能であった。これらの原料を、リチウム原子、亜鉛原子および銅原子のモル比が、組成式Li2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)で表される所定の値になるように混合して焼成を行い、Li2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)を得ることができた。なお、xの範囲として、0.01≦x≦0.49の全領域で不純物のない単一相の合成が可能であった。上記原料のいずれの場合も目的とするLi2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)の合成は可能であるが、工業的には価格の低い原料を選択することが好ましい。
【0017】
焼成温度は、400℃〜950℃である。400℃以下では反応速度が遅く合成物を得るために長時間の焼成が必要となる。また950℃以上では、不純物を含む合成物となった。よって好ましくは400℃〜950℃である。
【0018】
焼成は、酸素を含む酸化性雰囲気または不活性ガス雰囲気で行う。雰囲気は用いる原料に応じて適正化される。すなわち、金属など酸素を含まない原料を用いた場合は酸素を含む酸化性雰囲気が必要であり、酸化物など合成物に対して十分な酸素を含む原料を用いた場合は必ずしも雰囲気中に酸素が含まれている必要はなく、不活性ガス雰囲気での合成も可能である。また、酸化性雰囲気中の酸素分圧は適正化されることが好ましい。酸素分圧調整のために混合する不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンからなる群より選択されるガスを使用できる。
【0019】
本発明のLi2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)を正極活物質とする正極と、リチウム金属またはリチウムと電気化学的に反応可能で、正極よりも電位が卑な負極活物質を含む負極と、イオン伝導機能を有する電解質とから成るリチウム二次電池を構成することができる。
【0020】
まず、正極活物質としてLi2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)粉末を用い、これに導電剤、結着剤、また場合によっては電解質を混合して正極を作製する。
【0021】
導電剤にはアセチレンブラック、グラファイト粉末などの炭素材料や、金属粉末、導電性セラミックスなどを用いることができるが、実用的な導電性能を有するものであればこれらに限定されない。
【0022】
結着剤にはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系ポリマーなどを用いることができるが、実用的な結着機能を有するものであればこれらに限定されない。
【0023】
Li2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)粉末、導電剤および結着剤の混合比は、Li2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)粉末100重量部に対して導電剤を1〜50重量部、結着剤を1〜50重量部とすることができる。導電剤が1重量部より少ないと、充放電反応における電極の過電圧が大きくなり充放電容量が小さくなるために実用的なリチウム二次電池が構成できない。また、導電剤が50重量部より大きいと電極内のLi2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)粉末の体積割合が減少するために電池容量が小さくなり実用的でなくなる。結着剤は、1重量部より少ないと結着能力がなくなってしまい電極が構成できなくなる。また、結着剤が50重量部より大きいと充放電反応における電極の過電圧が大きくなり、かつ電極内のLi2-2xZnxCuO2(0.01≦x≦0.49)粉末の体積割合が減少するために電池容量が小さくなって実用的でなくなる。
【0024】
正極は、前記混合物を集電体に圧着するか、水やN−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒あるいは溶剤と混合してスラリー状にし、これを集電体に塗布した後に乾燥するなどして構成できる。集電体には金属箔、金属メッシュ、金属不織布などの導電体が使用できる。なお、実用的な電位安定性と集電機能を有するものであれば、集電体の材質および形状はこれらに限定されない。
【0025】
一方、負極活物質としては、リチウム金属またはリチウムと電気化学的に反応可能で、正極よりも電位が卑な活物質であればよい。例えば、各種の合金、炭素材料や、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンなどのポリマー材料、各種の遷移金属化合物などを単独または複合体として用いることができる。これらの中で、金属リチウムは、単位重量あたりの電気化学容量が最も大きいために、高エネルギー密度のリチウム二次電池を構成し得る。しかし、金属リチウムは、充放電を繰り返すことによってリチウム金属表面上に樹枝状析出物が生成し、成長した樹枝状析出物は、やがて正極と接触して電池内部にて短絡を引き起こす可能性がある。また現状では充放電効率が良くないなどの課題も残されているが、電池を構成することは可能である。よって、リチウム二次電池の負極活物質としては、金属リチウム以外のリチウムと電気化学的に反応可能で正極よりも電位が卑な活物質を用いることが好ましい。
【0026】
負極は、これら負極活物質に必要に応じて導電材や結着剤を混合した合剤を集電体に圧着するか、合剤を水やN−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒あるいは溶剤と混合してスラリー状にし、これを集電体に塗布した後に乾燥するなどして作製できる。集電体には金属箔、金属メッシュ、金属不織布等の導電体が使用できる。なお、実用的な電位安定性と集電機能を有するものであれば、集電体の材質および形状はこれらに限定されない。
【0027】
そして本発明のリチウム二次電池のイオン伝導機能を有する電解質には、例えばリチウム化合物の電解質を有機溶媒に溶解させた有機電解液、ポリマー電解質、無機固体電解質、溶融塩などを用いることができる。
【0028】
有機溶媒には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの置換ヒドロフラン類、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどのエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチルなどが挙げられる。これらの有機溶媒は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0029】
リチウム化合物の電解質としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ハロゲン化リチウム、塩化アルミン酸などのリチウム塩を挙げることができる。これらのリチウム化合物電解質は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、有機溶媒、リチウム化合物電解質は、実用的なリチウムイオン伝導体としての機能を有するものであれば上述のものに限定されない。
【0030】
本発明におけるリチウム二次電池は、上記の正極および負極の間に上記のリチウムイオン伝導機能を有する電解質を介在させて構成される。この電解質と共に必要に応じて多孔質ポリエチレン、多孔質ポリプロピレンなどのセパレータを介在させてもよい。なおセパレータの材質及び形状はこれらに限定されない。
【0031】
本発明のリチウム二次電池の形状は特に限定されず、円筒型、コイン型、角型、シート状などの電池形状で実用可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に実施形態に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら制限されることはなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0033】
(実施例1)
試料を以下の方法によって合成した。原料に炭酸リチウムLi2CO3、酸化亜鉛ZnOと酸化銅CuOを用い、それらのLi、ZnとCuの原子比が1.98:0.01:1.00、1.90:0.05:1.00、1.80:0.10:1.00、1.60:0.20:1.00、1.40:0.30:1.00、 1.20:0.40:1.00、1.02:0.49:1.00になるように秤量して、めのう製乳鉢中で十分な混合を行った。
【0034】
これらの混合物の各々をアルミナ製の焼成ボートに入れ、空気雰囲気の電気炉内に設置した。電気炉の温度を室温から750℃まで昇温させて、750℃で12時間維持して焼成した。その後に電気炉の温度を下げ、電気炉内の温度が室温付近の温度になってから試料を取り出した。合成物は、露点−50℃以下の乾燥空気中で、めのう製乳鉢で粉砕して、CuKα線での粉末X線回折測定を行い、試料が空間群Immmに帰属する結晶構造を有し、不純物のない単一相であることを確認した後に、電池評価用の試料に供した。
【0035】
図1に本発明の実施例で用いたコイン形リチウム二次電池の縦断面図を示す。図において1は耐有機電解質性のステンレス鋼板を加工した電池ケース、2は同材料の封口板、3は同材料の集電体で、ケース1の内面にスポット溶接されている。4はリチウム金属負極で、封口板2の内部に圧着されている。先述のように負極活物質としてのリチウム金属は課題もあるが、ここでは正極活物質の特性を明らかに評価するためにあえて用いた。5は組成式Li2-2xZnxCuO2 (0.01≦x≦0.49)で表され、かつ空間群Immmに属する構造を有するリチウム亜鉛銅複合酸化物を正極活物質とする正極である。正極の作製に当たっては、Li2-2xZnxCuO2 (0.01≦x≦0.49)100重量部に対し、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン10重量部と導電剤としてのアセチレンブラック5重量部を混合して得られる合剤の一定量を集電体3の上に成形、80℃で減圧乾燥した。6は多孔質ポリプロピレンのセパレーター、7はポリプロピレンの絶縁ガスケットである。電解液はエチレンカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−トの等体積混合溶媒にリチウム化合物の電解質としてヘキサフルオロリン酸リチウムを1モル/リットルの濃度で溶解して用いた。これらを用いて、寸法が直径20mm、電池総高1.6mmである電池を構成し、充放電試験を行った。評価方法は電流密度0.5mA/cm2の定電流で1.5〜4.3Vの電池電圧範囲で充放電を行った。表1には、組成式Li2-2xZnxCuO2 でx=0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.49の時の、電池の平均放電電圧、正極活物質の単位重量当たりの放電容量、および電池の放電容量を示した。
【0036】
(比較例1)
本比較例では、Li、ZnとCuの原子比が1.00:0.50:1.00となるように原料を秤量し、正極活物質試料の組成がLi1.00Zn0.50CuO2である以外は、実施例1での実施の形態と同じである。(表1)には、電池の平均放電電圧、正極活物質の単位重量当たりの放電容量、および電池の放電容量を示した。
【0037】
(比較例2)
比較のための試料Li2CuO2を以下の方法によって合成した。原料に炭酸リチウムLi2CO3、と酸化銅CuOを用い、それらのLiとCuの原子比が2.00:1.00になるように秤量して、めのう製乳鉢中で十分な混合を行った。これらの混合物の各々をアルミナ製の焼成ボートに入れ、空気雰囲気の電気炉内に設置した。電気炉の温度を室温から750℃まで昇温させて、750℃で12時間維持して焼成した。その後に電気炉の温度を下げ、電気炉内の温度が室温付近の温度になってから試料を取り出した。合成物は、露点−50℃以下の乾燥空気中で、めのう製乳鉢で粉砕して、CuKα線での粉末X線回折測定を行い、試料が不純物のない単一相であることを確認した後に、電池評価用の試料に供した。
【0038】
正極活物質がLi2CuO2であること以外、この実施例でのコイン形非水電解質二次電池の構成、作成方法と材料、評価方法は実施例1での実施の形態と同じである。(表1)に比較例としての正極活物質Li2CuO2を用いた電池の平均放電電圧、正極活物質の単位重量当たりの放電容量、および電池の放電容量を示した。
【0039】
【表1】
Figure 0004314676
(表1)から本実施例の、組成式Li2-2xZnxCuO2 (0.01≦x≦0.49)で表され、かつ空間群Immmに属する構造を有するリチウム亜鉛銅複合酸化物の正極活物質は、いずれの場合も比較例2のLi2CuO2の放電容量よりも大きいことが分かる。
【0040】
また平均放電電圧は、亜鉛の含量が多くなるほど高くなっている。本実施例と比較例では同一寸法の電池で評価しており、これらのことから電池の平均放電電圧と放電容量との積を電池体積で除した値で表される電池のエネルギー密度は、実施例のいずれの場合も比較例よりも増加していることが分かる。
【0041】
比較例1の場合は、電池の平均放電電圧が比較例2と同一であるにもかかわらず、放電容量は減少してしまっていることから、組成Li1.00Zn0.50CuO2の活物質は、Li2CuO2と比較して、電池のエネルギー密度を増加させる効果はないことも分かった。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、組成式Li2-2xZnxCuO2 (0.01≦x≦0.49)で表され、かつ空間群Immmに属する構造を有するリチウム亜鉛銅複合酸化物を正極活物質とする正極を用いることにより、従来のLi2CuO2を正極活物質とする電池よりもエネルギー密度の大きなリチウム二次電池を提供することが可能となる。また活物質の放電容量が150mAh/g程度でしかないリチウムコバルト複合酸化物LiCoO2を正極活物質とする電池よりも、低コストでエネルギー密度の大きなリチウム二次電池を提供でき、また放電容量が130mAh/g程度でしかないリチウムマンガン複合酸化物LiMn24を正極活物質とする電池よりも、更にエネルギー密度の大きなリチウム二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイン形リチウム二次電池の縦断面図
【符号の説明】
1 電池ケース
2 封口板
3 集電体
4 金属リチウム
5 正極試料極
6 セパレータ
7 ガスケット

Claims (1)

  1. 組成式Li2-2xZnxCuO2 (0.01≦x≦0.49)で表され、かつ空間群Immmに属する構造を有するリチウム亜鉛銅複合酸化物を正極活物質とする正極を備えるリチウム二次電池。
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