しかしながら、硬貨の周縁部に形成された凹凸が、基準ガイドレール面と干渉して、硬貨が基準ガイドレールからわずかに離れた状態で、センサに対向する硬貨通路の領域を通過したり、あるいは、硬貨から剥がれて、基準ガイドレールに付着した金属粉や基準ガイドレールに付着した塵埃によって、硬貨が基準ガイドレールからわずかに離れた状態で、センサに対向する硬貨通路の領域を通過したりすることがあり、このように、硬貨が基準ガイドレールからわずかに離れた位置を通過する場合には、ラインセンサを用いて、硬貨の直径を、精度よく、検出することができないという問題があった。
すなわち、硬貨が基準ガイドレールからわずかに離れた位置を通過する場合には、基準ガイドレールと硬貨との間隙がきわめて小さいため、光源から発せられ、基準ガイドレールと硬貨との間隙を通過した光を、ラインセンサの受光素子によって検出しても、その受光素子が受光した光のレベルが低く、しきい値よりも低くなることがあり、したがって、あたかも、硬貨が基準ガイドレールに沿って、硬貨通路内を搬送され、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在していたために、その受光素子が、光源から発せられた光を受光しなかったかのように、誤って判定され、その結果、基準ガイドレールと硬貨との間隙の分だけ、硬貨の直径が大きく判別されるという問題があった。
硬貨を、硬貨通路のほぼ中央部に沿って、搬送しつつ、ラインセンサを用いて、硬貨の直径を検出する場合にも、何らかの原因で、硬貨がガイドレールからわずかに離れた位置を通過するときは、同様の問題があった。
したがって、本発明は、ラインセンサによって、硬貨の直径を検出する硬貨径検出装置であって、硬貨が、硬貨通路のどの位置を通過しても、精度よく、硬貨の直径を検出することができる硬貨径検出装置を提供することを目的とするものである。
本発明のかかる目的は、一対のガイドレールによって画定され、硬貨が搬送される硬貨通路の一方の側に、前記硬貨通路の略幅方向に、配置された複数の受光素子を含むラインセンサと、前記硬貨通路の他方の側に配置され、前記ラインセンサに向けて、光を発する光源を備え、前記光源から発せられ、前記ラインセンサの前記複数の受光素子が受光した光のレベルに基づいて、前記ラインセンサと前記光源との間に存在する前記硬貨の径を検出するように構成された硬貨径検出装置であって、前記ラインセンサの前記複数の受光素子のうち、少なくとも、前記硬貨通路の一端部の近傍に対向する位置に配置された受光素子のしきい値が、前記硬貨通路の中央部に対向する位置に配置された受光素子のしきい値よりも低い値に設定されていることを特徴とする硬貨径検出装置によって達成される。
本発明によれば、ラインセンサの複数の受光素子のうち、少なくとも、硬貨通路の一端部の近傍に対向する位置に配置された受光素子のしきい値が、硬貨通路の中央部に対向する位置に配置された受光素子のしきい値よりも低い値に設定されているから、硬貨が、硬貨通路の一端部を形成しているガイドレールからわずかに離れた位置を通過し、ガイドレールと硬貨との間隙がきわめて小さいために、光源から発せられ、ガイドレールと硬貨との間隙を通過した光を、ラインセンサの受光素子が受光したときに、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが低い場合においても、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが、その受光素子のしきい値を越え、したがって、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在しないにもかかわらず、誤って、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在していると判定することを確実に防止することができ、精度よく、硬貨の直径を検出することが可能になる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記ラインセンサの前記複数の受光素子のうち、前記硬貨通路の両端部の近傍に対向する位置に配置された受光素子のしきい値が、前記硬貨通路の中央部に対向する位置に配置された受光素子のしきい値よりも低い値に設定されている。
本発明の好ましい実施態様によれば、ラインセンサの複数の受光素子のうち、硬貨通路の両端部の近傍に対向する位置に配置された受光素子のしきい値が、硬貨通路の中央部に対向する位置に配置された受光素子のしきい値よりも低い値に設定されているから、硬貨が、いずれかのガイドレールからわずかに離れた位置を通過し、そのガイドレールと硬貨との間隙がきわめて小さいために、光源から発せられ、そのガイドレールと硬貨との間隙を通過した光を、ラインセンサの受光素子が受光したときに、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが低い場合においても、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが、その受光素子のしきい値を越え、したがって、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在しないにもかかわらず、誤って、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在していると判定することを確実に防止することができ、精度よく、硬貨の直径を検出することが可能になる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記ラインセンサの前記複数の受光素子のうち、前記硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1以下の前記硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、一定値T0に設定され、前記硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1を越える前記硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、前記T0よりも低く、かつ、前記受光素子の前記硬貨通路の中央からの距離が大きいほど、低くなるように設定されている。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、ラインセンサの複数の受光素子のうち、硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1以下の硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、一定値T0に設定され、硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1を越える硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、T0よりも低く、かつ、受光素子の硬貨通路の中央からの距離が大きいほど、低くなるように設定されているから、硬貨がガイドレールからわずかに離れた位置を通過し、ガイドレールと硬貨との間隙がきわめて小さいために、光源から発せられ、ガイドレールと硬貨との間隙を通過した光を、ラインセンサの受光素子が受光したときに、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが低い場合においても、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが、その受光素子のしきい値を越え、したがって、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在しないにもかかわらず、誤って、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在していると判定することを確実に防止することができ、精度よく、硬貨の直径を検出することが可能になる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1を越える前記硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、前記T0よりも低く、かつ、前記受光素子の前記硬貨通路の中央からの距離が大きいほど、略線形に低くなるように設定されている。
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1を越える硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、T0よりも低く、かつ、受光素子の硬貨通路の中央からの距離が大きいほど、略線形に低くなるように設定されているから、硬貨がガイドレールからわずかに離れた位置を通過し、ガイドレールと硬貨との間隙がきわめて小さいために、光源から発せられ、ガイドレールと硬貨との間隙を通過した光を、ラインセンサの受光素子が受光したときに、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが低い場合においても、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが、その受光素子のしきい値を越え、したがって、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在しないにもかかわらず、誤って、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在していると判定することを確実に防止することができ、精度よく、硬貨の直径を検出することが可能になる。
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記ラインセンサの前記複数の受光素子のうち、前記硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1以下の前記硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、一定値T0に設定され、前記硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1を越える前記硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、前記T0よりも低く、かつ、前記受光素子の前記硬貨通路の中央からの距離が大きくなるにしたがって、ステップ状に小さくなるように設定されている。
本発明のさらに別の好ましい実施態様によれば、ラインセンサの複数の受光素子のうち、硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1以下の硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、一定値T0に設定され、硬貨通路の中央からの距離が所定距離L1を越える硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、T0よりも低く、かつ、受光素子の硬貨通路の中央からの距離が大きくなるにしたがって、ステップ状に小さくなるように設定されているから、硬貨がガイドレールからわずかに離れた位置を通過し、ガイドレールと硬貨との間隙がきわめて小さいために、光源から発せられ、ガイドレールと硬貨との間隙を通過した光を、ラインセンサの受光素子が受光したときに、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが低い場合においても、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが、その受光素子のしきい値を越え、したがって、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在しないにもかかわらず、誤って、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在していると判定することを確実に防止することができ、精度よく、硬貨の直径を検出することが可能になる。
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記ラインセンサの前記複数の受光素子のうち、前記硬貨通路の中央からの距離が所定距離L2以下の前記硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、一定値T0に設定され、前記硬貨通路の中央からの距離が所定距離L2を越える前記硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、前記T0よりも低い値に設定されている。
本発明のさらに別の好ましい実施態様によれば、ラインセンサの複数の受光素子のうち、硬貨通路の中央からの距離が所定距離L2以下の硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、一定値T0に設定され、硬貨通路の中央からの距離が所定距離L2を越える硬貨通路の領域に対向する受光素子のしきい値が、T0よりも低い値に設定されているから、硬貨がガイドレールからわずかに離れた位置を通過し、ガイドレールと硬貨との間隙がきわめて小さいために、光源から発せられ、ガイドレールと硬貨との間隙を通過した光を、ラインセンサの受光素子が受光したときに、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが低い場合においても、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが、その受光素子のしきい値を越え、したがって、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在しないにもかかわらず、誤って、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在していると判定することを確実に防止することができ、精度よく、硬貨の直径を検出することが可能になる。
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記一対のガイドレールが、それに沿って、硬貨が搬送される基準ガイドレールと、前記基準ガイドレール対向するガイドレールによって構成され、前記ラインセンサの前記複数の受光素子のうち、前記基準ガイドレールの近傍に対向する位置に配置された受光素子のしきい値が、前記硬貨通路の中央部に対向する位置に配置された受光素子のしきい値よりも低い値に設定されている。
本発明の別の好ましい実施態様によれば、一対のガイドレールが、それに沿って、硬貨が搬送される基準ガイドレールと、基準ガイドレール対向するガイドレールによって構成され、ラインセンサの複数の受光素子のうち、基準ガイドレールの近傍に対向する位置に配置された受光素子のしきい値が、硬貨通路の中央部に対向する位置に配置された受光素子のしきい値よりも低い値に設定されているから、硬貨が基準ガイドレールからわずかに離れた位置を通過し、基準ガイドレールと硬貨との間隙がきわめて小さいために、光源から発せられ、基準ガイドレールと硬貨との間隙を通過した光を、ラインセンサの受光素子が受光したときに、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが低い場合においても、ラインセンサの受光素子が受光した光のレベルが、その受光素子のしきい値を越え、したがって、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在しないにもかかわらず、誤って、その受光素子と光源との間に、硬貨が存在していると判定することを確実に防止することができ、精度よく、硬貨の直径を検出することが可能になる。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記ラインセンサが、前記一対のガイドレールの外側にまで延びている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記光源が、線状光源によって構成されている。
本発明のさらに別の好ましい実施態様においては、前記光源が、線状に配置された複数の発光素子によって構成されている。
本発明によれば、ラインセンサによって、硬貨の直径を検出する硬貨径検出装置であって、硬貨が、硬貨通路のどの位置を通過しても、精度よく、硬貨の直径を検出することができる硬貨径検出装置を提供することが可能になる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる硬貨径検出装置の略平面図である。
図1に示されるように、本実施態様にかかる硬貨径検出装置は、硬貨1が搬送される硬貨通路2に形成された透明通路部3の下方に、硬貨1の搬送方向に直交する方向に、すなわち、硬貨通路2の幅方向に延びるCCDラインセンサ4を備えている。
CCDラインセンサ4は、2178個のフォトダイオード5が直線状に配置されたフォトダイオードアレイによって構成され、フォトダイオード5のそれぞれから、その受光量に応じた受光信号がシリアルに出力されるように構成されている。
硬貨通路2は、第一のガイドレール6および第一のガイドレール6に対向する第二のガイドレール7によって画定され、硬貨1は、硬貨通路2の略中央部に沿って、硬貨通路2内を搬送されるように構成されている。
図2は、図1のX−X線に沿った略断面図である。
図1および図2に示されるように、CCDラインセンサ4は、硬貨通路2の幅を越えて、第一のガイドレール6および第二のガイドレール7の下方に延びている。
図2に示されるように、硬貨通路2に形成された透明通路部3の上方には、CCDラインセンサ4に向けて、光を発する光源8が設けられている。
図2に示されるように、本実施態様においては、光源8として、複数のLED(図示せず)が線形に配置された線状の光源が用いられており、各LEDは、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に対向する位置に配置されている。
図3は、本実施態様にかかる硬貨径検出装置を含む硬貨判別装置の検出系、判別系および表示系を示すブロックダイアグラムである。
図3に示されるように、本実施態様にかかる硬貨径検出装置を含む硬貨判別装置の検出系は、CCDラインセンサ4を備え、硬貨判別装置の判別系は、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5から出力された受光信号に基づいて、硬貨1の径を決定し、硬貨径データを出力する硬貨径決定手段11と、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられたしきい値を記憶するデータメモリ12と、各金種ごとの硬貨1の径に関する基準硬貨径データを記憶する基準データメモリ13と、硬貨径決定手段11から出力された硬貨径データと、基準データメモリ13に記憶された基準硬貨径データとを比較して、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1が受け入れ可能なときは、硬貨1の金種を判別する硬貨判別手段14を備えている。
図3に示されるように、本実施態様にかかる硬貨径検出装置を含む硬貨判別装置の表示系は、表示パネル15を備えている。
本実施態様においては、硬貨径決定手段11は、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5から入力された受光信号に基づいて、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が受光した光のレベルがしきい値を越えているか否かを判定して、CCDラインセンサ4のフォトダイオード5が受光した光のレベルがしきい値を越えている場合には、光源8から発せられた光が、硬貨1によって遮られることなく、そのフォトダイオード5が受光したと判別し、一方、CCDラインセンサ5のフォトダイオード5が受光した光のレベルがしきい値以下である場合には、光源8から発せられた光が、硬貨1によって遮られ、そのフォトダイオード5は受光しなかったと判別し、この判別結果に基づいて、硬貨1の両端部の位置を検出して、硬貨1の直径を算出するように構成されている。
多数のフォトダイオード5が、硬貨通路2の略幅方向に、線状に配置されたCCDラインセンサ4を用いて、硬貨1の径を検出する従来の硬貨径検出装置においては、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に、一定のしきい値T0が割り当てられ、フォトダイオード5が受光した光のレベルがしきい値を越えているときに、フォトダイオード5から出力された受光信号に基づき、そのフォトダイオード5が光源8からの光を受光したと判定し、フォトダイオード5が受光した光のレベルがしきい値以下のときに、フォトダイオード5から出力された受光信号に基づき、そのフォトダイオード5が光源8からの光を受光していないと判定するように構成されており、光源8から発せられた光が、硬貨1によって遮られることなく、CCDラインセンサ4のフォトダイオード5によって受光された場合には、そのフォトダイオード5によって受光された光のレベルは高く、フォトダイオード5に割り当てられたしきい値T0を越えるため、フォトダイオード5から出力された受光信号に基づき、そのフォトダイオード5が光源8からの光を受光したと判定し、その一方で、光源8から発せられた光が、硬貨通路2を通過する硬貨1によって遮られた場合には、CCDラインセンサ4のフォトダイオード5は、光源8から発せられた光をほとんど受光せず、そのフォトダイオード5によって受光された光のレベルはしきい値以下になるため、フォトダイオード5から出力された受光信号に基づき、そのフォトダイオード5が光源8からの光を受光していないと判定して、硬貨1の径を検出するように構成されている。
しかしながら、本発明者の研究によれば、硬貨1が、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7からわずかに離れた位置を通過する場合には、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7と硬貨1との間隙がきわめて小さいため、光源8から発せられ、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7と硬貨1との間隙を通過した光を、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7と硬貨1との間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5によって受光しても、そのフォトダイオード5が受光した光のレベルが低く、フォトダイオード5に割り当てられたしきい値T0以下になることがあり、したがって、あたかも、硬貨1が、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7に沿って、搬送され、それらのフォトダイオード5と光源8との間を、硬貨1が通過したために、そのフォトダイオード5が、光源8から発せられた光を受光しなかったかのように、硬貨径決定手段11が誤って判定し、その結果、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7と硬貨1との間隙に相当する長さの分だけ、硬貨1の直径が大きく判別されるという問題があることが見出されている。
そこで、本実施態様においては、中央からの距離が所定距離L以下の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが一定値T0に等しく、中央からの距離が前記所定距離Lを越えた硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、硬貨通路2の中央からの距離が大きくなるほど、すなわち、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7に近いほど、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが線形に小さくなり、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7に対向するフォトダイオード5において、割り当てられるしきい値Tがゼロになるように、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが決定され、データメモリ12に記憶されている。
図4は、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間に存在しない場合に、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が受光する光のレベル、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間の第一のガイドレール6からわずかに離れた位置を通過する場合に、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が受光する光のレベルおよび硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられたしきい値を示すグラフであり、図4の縦軸は、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5の受光レベルを示し、横軸は、硬貨通路2の中央からの距離を示している。図4において、横軸のGは、第一のガイドレール6の位置を示している。
図4において、曲線Aは、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間に存在しない場合に、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が受光する光のレベルを示し、曲線Bは、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間の第一のガイドレール6からわずかに離れた位置を通過する場合に、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が受光する光のレベルを示し、曲線Cは、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられたしきい値Tを示し、曲線Dは、CCDラインセンサ5の各フォトダイオード5に一定のしきい値T0が割り当てられた従来の硬貨径検出装置におけるしきい値を示している。
図4の曲線Aで示されるように、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間に存在しない場合には、第一のガイドレール6の近傍に配置されたフォトダイオード5にあっては、第一のガイドレール6に近づくにつれて、フォトダイオード5が受光する光のレベルが急激に低下し、第一のガイドレール6に対向する位置に設けられたフォトダイオード5において、受光した光のレベルがしきい値T0に等しくなるが、硬貨通路2に対向する位置に設けられたフォトダイオード5が受光する光のレベルは、いずれも、しきい値T0を越えており、したがって、曲線Cで示されるように、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に、しきい値Tを割り当てても、曲線Dで示されるように、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に、一定のしきい値T0を割り当てても、硬貨径決定手段11は、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5から出力された受光信号に基づいて、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が光源8からの光を受光していると判定し、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間に存在していないと判定することができる。
ここに、第一のガイドレール6は、光源8から発せられた光を透過しないが、光源8として、硬貨通路2の幅よりも長い線状の光源が用いられ、光源8から発せられた光が漏れ込むため、第一のガイドレール6の外側に配置されたフォトダイオード5が受光する光のレベルがゼロにはならないが、第一のガイドレール6の外側に配置されたフォトダイオード5の受光信号は、硬貨1の径を検出する場合には無視される。
これに対して、図4の曲線Bで示されるように、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間の第一のガイドレール6からわずかに離れた硬貨通路2の位置を通過する場合には、硬貨1の端部と、第一のガイドレール6との間の間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5が、光源8から発せられ、硬貨通路2の透明通路部3を透過した光を受光するが、第一のガイドレール6と硬貨1との間隙がきわめて小さいため、図4の曲線Dで示されるように、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に、一定のしきい値T0が割り当てられた従来の硬貨径検出装置にあっては、これらのフォトダイオード5が受光する光のレベルは、しきい値T0以下になり、したがって、硬貨径決定手段11は、これらのフォトダイオード5から出力された受光信号に基づき、第一のガイドレール6の位置Gが、硬貨1の端部の位置であり、硬貨1が第一のガイドレール6に沿って、搬送され、これらのフォトダイオード5に対向する硬貨通路2の領域を、硬貨1が通過したと誤って判定し、硬貨1の直径を、第一のガイドレール6と硬貨1との間隙に相当する長さの分だけ、大きく、判別し、その結果、硬貨1が誤って判別されることになる。
しかしながら、本実施態様においては、図4の曲線Cで示されるように、中央からの距離が所定距離L以下の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが一定値T0に等しく、中央からの距離が所定距離Lを越えた硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、硬貨通路2の中央からの距離が大きくなるほど、すなわち、第一のガイドレール6に近くなるほど、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが線形に小さくなり、第一のガイドレール6に対向するフォトダイオード5において、割り当てられるしきい値Tがゼロになるように、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが決定されているから、図4に示されるように、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間の第一のガイドレール6からわずかに離れた硬貨通路2の位置を通過し、硬貨1の端部と、第一のガイドレール6との間の間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5が受光する光のレベルは、これらのフォトダイオード5に割り当てられたしきい値Tを越え、したがって、硬貨径決定手段11は、これらのフォトダイオード5から出力された受光信号に基づき、曲線Bと曲線Cが交差した位置が、硬貨1の端部の位置Zであり、硬貨1の端部の位置Zと第一のガイドレール6との間の間隙に対向する位置に配置されたフォトダイオード5と光源8との間を、硬貨1が通過しなかったと判定することができるから、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5から入力された受光信号に基づいて、精度よく、硬貨1の径を決定することができる。
図4には図示されていないが、硬貨通路2に中央に対して、第二のガイドレール7側に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5のしきい値Tは、しきい値Tの曲線が、硬貨通路2の中央に対して、曲線Cと、線対称になるように、設定されている。
以上のように構成された本実施態様にかかる硬貨径検出装置を含む硬貨判別装置は、以下のようにして、硬貨1の直径を検出して、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび受け入れ可能なときは、硬貨1の金種が判別される。
硬貨1が、CCDラインセンサ4と、光源8との間の硬貨通路2に存在しないときは、光源8から発せられた光は、硬貨1によって遮られることなく、硬貨通路2に対向する位置に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5に入射するから、硬貨通路2に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルはしきい値Tを越え、したがって、硬貨通路2に対向する位置に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づいて、硬貨径決定手段1は、これらのフォトダイオード5と光源8との間に、硬貨1は存在しないと判定する。
これに対して、硬貨1が、CCDラインセンサ4と、光源8との間の硬貨通路2のほぼ中央部を通過するときは、光源8から発せられた光が、硬貨1によって遮られ、硬貨1が通過する硬貨通路2のほぼ中央部に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルは、しきい値T以下になり、したがって、硬貨1が通過する硬貨通路2のほぼ中央部に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づき、硬貨径決定手段11は、これらのフォトダイオード5と光源8の間に、硬貨1が存在していたと判定し、一方、硬貨1の一端部と第一のガイドレール6との間隙および硬貨1の他端部と第二のガイドレール7との間隙は十分に広いから、硬貨1の両端部と、第一のガイドレール6および第二のガイドレール7との間の硬貨通路2に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5には、光源8から発せられた光が、硬貨1によって遮られることなく、入射するから、硬貨1の両端部と、第一のガイドレール6および第二のガイドレール7との間の硬貨通路2に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルは、しきい値Tを越え、したがって、、硬貨1の両端部と、第一のガイドレール6および第二のガイドレール7との間の硬貨通路2に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づき、硬貨径決定手段11は、これらのフォトダイオード5と光源8の間には、硬貨1は存在しなかったと判定する。
したがって、硬貨径決定手段11は、CCDラインセンサ4のフォトダイオード5から入力された受光信号に基づいて、精度よく、硬貨1の径を決定することができる。
他方、硬貨1が、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7に沿って、CCDラインセンサ4と、光源8との間の硬貨通路2を通過するときは、光源8から発せられた光が、硬貨1によって遮られ、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部との間の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルは、しきい値T以下になり、したがって、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部との間の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づき、硬貨径決定手段11は、これらのフォトダイオード5と光源8との間に、硬貨1が存在したと判定し、一方、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6との間隙は十分に広いから、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6との間の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5には、光源8から発せられた光が、硬貨1によって遮られることなく、入射するから、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6との間の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルは、しきい値Tを越え、したがって、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6との間の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づき、硬貨径決定手段11は、これらのフォトダイオード5と光源8との間に、硬貨1は存在しなかったと判定する。
したがって、硬貨径決定手段11は、CCDラインセンサ4のフォトダイオード5から入力された受光信号に基づいて、精度よく、硬貨1の径を決定することができる。
また、硬貨1が、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7からわずかに離れた位置を通過するときは、光源8から発せられた光が、硬貨1により遮られ、硬貨1に対向する位置に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5が受光する光のレベルは、しきい値T以下になり、したがって、硬貨1に対向する位置に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づいて、硬貨径決定手段11は、曲線Bと曲線Cが交差した位置が、硬貨1の端部の位置Zであり、これらのフォトダイオード5と光源8との間に、硬貨1が存在していたと判定し、一方、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6との間の間隙は十分に広いから、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6との間の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルは、しきい値Tを越え、したがって、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6との間の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づき、硬貨径決定手段11は、これらのフォトダイオード5と光源8の間には、硬貨1は存在しなかったと判定する。
これに対して、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙はきわめて小さく、したがって、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルは、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6側の硬貨1の端部と、第二のガイドレール7あるいは第一のガイドレール6との間の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルよりも小さくなるが、本実施態様においては、中央からの距離が所定距離L以下の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5に一定のしきい値T0が割り当てられ、中央からの距離が前記所定距離Lを越えた硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、硬貨通路2の中央からの距離が大きくなるほど、すなわち、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7に近いほど、小さなしきい値Tが割り当てられているから、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルはしきい値Tを越え、したがって、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づき、硬貨径決定手段11は、これらのフォトダイオード5と光源8の間には、硬貨1は存在しなかったと判定する。
したがって、硬貨1が、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7からわずかに離れた位置を通過する場合においても、硬貨径決定手段11は、CCDラインセンサ4のフォトダイオード5から入力された受光信号に基づいて、精度よく、硬貨1の径を決定することができる。
こうして、硬貨径決定手段11によって、硬貨1の径が決定されると、硬貨径検出信号が、硬貨判別手段14に出力される。
硬貨判別手段14は、硬貨径決定手段11から、硬貨径検出信号を受けると、基準データメモリ13から、硬貨1の金種ごとの基準硬貨径データを読み出し、硬貨径決定手段11から入力された硬貨径検出信号によって特定された硬貨1の硬貨径データと比較して、硬貨1が受け入れ可能か否かを判別し、硬貨1が受け入れ不能と判別したときは、表示パネル15に、受け入れ不能な硬貨が検出された旨を表示させる。
これに対して、硬貨1が受け入れ可能と判別したときは、硬貨判別手段14は、さらに硬貨1の金種を判別する。
本実施態様によれば、中央からの距離が所定距離L以下の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが一定値T0に等しく、中央からの距離が前記所定距離Lを越えた硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、硬貨通路2の中央からの距離が大きくなるほど、すなわち、第一のガイドレール6および第二のガイドレール7に近いほど、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが小さく、第一のガイドレール6および第二のガイドレール7に対向するフォトダイオード5において、割り当てられるしきい値Tがゼロになるように、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが決定されているから、硬貨1が、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7からわずかに離れた位置を通過し、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7と硬貨1との間隙がきわめて小さい場合においても、CCDラインセンサ4のフォトダイオード5から入力された受光信号に基づいて、精度よく、硬貨1の径を決定することが可能になり、したがって、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を、精度よく、判別することが可能になる。
図5は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる硬貨径検出装置の硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5によって受光される光のレベルおよび硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられたしきい値Tを示すグラフである。
図5において、曲線Aは、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間に存在しない場合に、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が受光する光のレベルを示し、曲線Bは、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間の第一のガイドレール6からわずかに離れた位置を通過する場合に、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が受光する光のレベルを示し、曲線Eは、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられたしきい値Tを示している。
図5の曲線Eで示されるように、本実施態様においては、中央からの距離が所定距離L以下の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが一定値T0に等しく、中央からの距離が所定距離Lを越えた硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、硬貨通路2の中央からの距離が大きくなるほど、すなわち、第一のガイドレール6に近くなるほど、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが、ステップ状に小さくなるように、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが決定されている。
図5には図示されていないが、硬貨通路2に中央に対して、第二のガイドレール7側に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5のしきい値Tは、しきい値Tの曲線が、硬貨通路2の中央に対して、曲線Eと、線対称になるように、設定されている。
したがって、図5の曲線Bおよび曲線Eから明らかなように、硬貨1が、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7からわずかに離れた位置を通過し、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙はきわめて小さい場合においても、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルはしきい値Tを越え、したがって、硬貨径決定手段11は、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づいて、これらのフォトダイオード5と光源8の間には、硬貨1は存在しなかったと判定することができるから、精度よく、硬貨1の径を決定することが可能になる。
図6は、本発明の他の好ましい実施態様にかかる硬貨径検出装置の硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5によって受光される光のレベルおよび硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられたしきい値Tを示すグラフである。
図6において、曲線Aは、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間に存在しない場合に、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が受光する光のレベルを示し、曲線Bは、硬貨1が、CCDラインセンサ4と光源8との間の第一のガイドレール6からわずかに離れた位置を通過する場合に、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5が受光する光のレベルを示し、曲線Fは、硬貨通路2の中央に対して、第一のガイドレール6側に配置されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられたしきい値Tを示している。
図6の曲線Fで示されるように、本実施態様においては、中央からの距離が所定距離LL以下の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5には、一定値T0に等しいしきい値Tが割り当てられ、中央からの距離が所定距離LLを越えた第一のガイドレール6の近傍の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5には、T0よりも小さいしきい値Tが割り当てられている。
図6には図示されていないが、硬貨通路2に中央に対して、第二のガイドレール7側に配置されたCCDラインセンサ4のフォトダイオード5のしきい値Tは、しきい値Tの曲線が、硬貨通路2の中央に対して、曲線Fと、線対称になるように、設定されている。
したがって、図6の曲線Bおよび曲線Fから明らかなように、硬貨1が、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7からわずかに離れた位置を通過し、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙はきわめて小さい場合においても、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5が受光する光のレベルはしきい値Tを越え、したがって、硬貨径決定手段11は、硬貨1と、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7との間隙に対向する位置に配置されたCCDラインセンサのフォトダイオード5から出力された受光信号と、データメモリ12に記憶されたCCDラインセンサ4の各フォトダイオード5のしきい値Tに基づいて、これらのフォトダイオード5と光源8の間には、硬貨1は存在しなかったと判定することができるから、精度よく、硬貨1の径を決定することが可能になる。
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施態様にかかる硬貨径検出装置を含む硬貨判別装置は、硬貨1の径のみに基づいて、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび受け入れ可能な硬貨1の金種を判別するように構成されているが、硬貨1の径に加えて、硬貨1の材質や硬貨1の表面パターンを検出して、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび受け入れ可能な硬貨1の金種を判別するように構成されていてもよい。
また、図1ないし図3に示された実施態様においては、中央からの距離が所定距離L以下の硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが一定値T0に等しく、中央からの距離が所定距離Lを越えた硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5においては、硬貨通路2の中央からの距離が大きくなるほど、すなわち、第一のガイドレール6および第二のガイドレール7に近くなるほど、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが線形に小さくなり、第一のガイドレール6および第二のガイドレール7に対向するフォトダイオード5において、割り当てられるしきい値Tがゼロになるように、CCDラインセンサ4の各フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが決定されているが、中央からの距離が所定距離Lを越えた硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5において、硬貨通路2の中央からの距離が大きくなるほど、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが次第に低くなるように設定されていればよく、中央からの距離が所定距離Lを越えた硬貨通路2の領域に対向する位置に配置されたフォトダイオード5において、硬貨通路2の中央からの距離が大きくなるほど、フォトダイオード5に割り当てられるしきい値Tが線形に小さくなるように、しきい値Tを設定することは必ずしも必要でない。
さらに、前記実施態様においては、硬貨1を、硬貨通路2のほぼ中央部に沿って、搬送しつつ、硬貨1の直径を検出するように、構成されているが、第一のガイドレール6あるいは第二のガイドレール7を基準ガイドレールとして用い、硬貨1を、基準ガイドレールに沿って、搬送しつつ、硬貨1の直径を検出することもでき、その場合には、硬貨通路2の中央部と、基準ガイドレールとの間の硬貨通路2の領域に対向する位置にのみ、フォトダイオード5を配置し、それぞれに割り当てられるしきい値Tを、少なくとも、基準ガイドレール近傍に配置されるフォトダイオード5の方が、硬貨通路2の中央部近傍に配置されるフォトダイオード5よりも低くなるように設定すればよく、硬貨通路2の中央部と、基準ガイドレールに対向するガイドレールとの間の硬貨通路2の領域に対向する位置に、フォトダイオード5を配置する必要はない。
また、前記実施態様においては、光源8として、線状の光源が用いられているが、線状の光源を用いることは必ずしも必要でなく、線状の光源に代えて、線上の配置された複数の発光素子を用いることもでき、さらには、点状の光源と、点状の光源から発せられた光を平行光に変換するレンズを用いることもできる。
さらに、前記実施態様においては、CCDラインセンサ4が、硬貨通路2の透明通路部3の下方に配置され、光源8が、硬貨通路2の透明通路部3の上方に配置されているが、CCDラインセンサ4を、硬貨通路2の透明通路部3の上方に配置し、光源8を、硬貨通路2の透明通路部3の下方に配置することもできる。
また、前記実施態様においては、CCDラインセンサ4は、2178個のフォトダイオード5が直線状に配置されたフォトダイオードアレイによって構成されているが、CCDラインセンサ4に含まれるフォトダイオード5の数は、硬貨径検出装置に要求される検出精度などに応じて、任意に決定することができる。