JP4313257B2 - 黒液利用発電システム及びその制御方法 - Google Patents

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本発明は、原動機によって駆動される発電機と、木材から紙を生産する生産過程で生成される黒液を燃焼させて蒸気を発生させる黒液回収ボイラとを備えた製紙工場における黒液利用発電システム及びその制御方法に関する。
地球温暖化防止の観点から、再生可能エネルギーである間伐材等のバイオマスを燃料源とする発電設備において、発電効率の増加と発電量の増加が望まれている。欧米では再生エネルギーの有効活用を支援する政府の政策により、木材資源をそのまま燃料とするバイオマス発電設備が急速に増加しており、発電設備容量が17,000MWを超えている。ただし、バイオマス資源は約50%の水分を含み、乾燥させても20%ほどは水分が残るので、発電効率が14〜18%と低くその効率向上が望まれている。
一方、国土の70%が山地の日本においては、木材を集積する費用が高いために、森林資源のバイオマス発電が1999年で80MWと欧米と比較して非常に少ない。このため、森林1ha当りの木材資源の活用割合はスウェーデンやドイツの1/3〜1/4で、森林の年間成長量の1/3ほどしか利用されていない。この結果、間伐作業等が適切に実施できず、森林が過密になって活力が失われている。また、地球温暖化対策として日本が批准した京都議定書において、「森林等の吸収源による二酸化炭素吸収量を算入」が重要な対策になっている。バイオマス燃料である間伐材の利用を促進し、森林の活力を維持するためには、経済性が高い利用方法の開発が必要である。
このような社会的な要請を受けて、2002年6月には「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(以下RPS法と記す)が成立した。これにより、送電系統で移送される電力の内で再生エネルギーを熱源とする発電量に応じて、クレジットが付与されることになった。一般電気事業者や特定規模発電事業者は、販売する発電量に比例して、このクレジットを購入することが義務付けられている。クレジットの売買が市場を通して行われることで、再生エネルギー利用の経済的な活用を目指している。
特許文献1は、製紙工場において、ガスタービン発電機と、木材から紙を生産する生産過程で生成される黒液を燃焼させて蒸気を発生させる黒液回収ボイラと、この発生蒸気で駆動される蒸気タービン発電機を備えた発電システムについて開示している。
特開平6−82002号公報(全体)
山地で収集が難しく国内の間伐材は、海外産チップと比較して経済性が悪い。この国内で産出できる間伐材をチップとして製紙工場の材料として利用するためには、RPS法で認められたバイオマスエネルギー促進の規定を活用して、経済性を高める必要がある。RPS法で認めている再生エネルギーを起源とする電力として認定されるためには、黒液を燃料源として発生した蒸気で発電した電力を移送して製紙工場外で利用する必要がある。
送電系統に接続して工場外で利用できる場合でも、製紙工場は24時間連続で操業しているので、一般には、製紙工場外に24時間連続で送電して売電することが想定される。しかし、日本全体の夜間電力需要は、昼間のピークの半分以下である。電力設備の稼働率を上げるために、一般電力事業者は夜間の電力利用を促進するために、夜間電力の価格を大幅に引き下げたメニューを提示して、夜間電力の消費増加を図っている。したがって、一般電気事業者や特定規模電気事業者に、夜間に発生する電力を売電できる電力価格は低く、経済性が悪いと言う問題がある。
製紙工場外に電力を販売する場合、一定な発電量であると売電価格は高くなるが、電力の発生量が大きく変動する場合には、別に電力量を調整する設備を必要とするので売電価格は低くなる。一方、製紙工場では、使用する原材料である木材チップの種類により、必要な蒸気や電力量が変動する。外部へ売れる電力量は、発生させる電力量から工場内で消費する電力量を差し引いた量であり、外部へ販売できる電力量が変動する問題がある。
原材料である木材チップの種類が変化すると、黒液回収ボイラに供給する黒液の発熱量や含まれる無機薬品の濃度も変化する。無機薬品である苛性ソーダと硫化ソーダは、高温の黒液回収ボイラ内で容易にSOxに変化し、黒液回収ボイラ内に低温な領域が存在すると、表面に硫酸液膜を形成して伝熱管等を腐食させる。熱容量が大きな黒液回収ボイラを一定の条件で運転するためには、できる限り回収ボイラに供給する黒液の熱エネルギーを一定にすることが望ましい。
本発明の目的は、黒液再生エネルギーで発電した電力を有効に売電できる経済的な黒液利用発電システム及びその制御方法を提供することである。
本発明の望ましい一実施形態においては、原動機すなわちガスタービン、ディーゼルエンジン、あるいはガスエンジン等によって駆動される発電機と排熱回収ボイラを備えたコージェネレーション設備か、コンバインドシステムを製紙工場内に設置する。このコージェネレーション設備で、天然ガス等を燃料源として発電するとともに、その排熱を利用した高温高圧の蒸気を利用して、蒸気タービンで発電する。この蒸気タービンの中段から必要な圧力の蒸気を抽出して、製紙工場内の生産工程で利用する。一方、黒液を燃料源とした黒液回収ボイラで発生する蒸気で発生した電力を、電力会社等の送電系統を経由して、一般電気事業者や特定規模の電気事業者に販売する。
また、本発明の望ましい一実施形態においては、原動機によって駆動されるコージェネレーション設備によって、製紙工場内で使用する電気と蒸気を供給する一方で、黒液回収ボイラの出力を昼間は増加させ、夜間は減少させる。製紙工場外に電力を売電するのは昼間だけとする。
このために、黒液回収ボイラの前段に濃縮した黒液を貯蔵する貯蔵タンクを大型化して、夜間にエバポレータで生成する濃縮した黒液分で余剰な部分を貯蔵することが望ましい。貯蔵した分と昼間に生成する黒液を、昼間に出力を増加させた黒液回収ボイラで燃焼させて発電することで、昼間に売電できる電力量を増加させる。なお、ここで言う夜間とは電力需要が低い時の総称で、昼間は電力需要が高い時の総称である。電力需要が低い時間帯は地域によって異なるが、一般的には平日の夜10時から次の日の朝8時までと、休日である。また、年末年始やゴールデンウィークも電力需要が低い時間帯に該当する。
さらに、黒液回収ボイラの前段に設けた大型タンク内の黒液性状を一定に保つために攪拌機能を設けることが望ましく、黒液回収ボイラに供給する黒液の組成を一定に保つことが可能となる。
製紙工場内コージェネレーション設備としては、電力と蒸気発生量を調整できる機能を持つものを選定することが望ましい。工場内の電力と蒸気需要が増加すると、コージェネレーション設備で発生させる電力と蒸気量を増加させることで、工場外に売電する電力量を一定にする。
木材から分離されて再生エネルギーと認められている黒液で発電した電力量を売電することができる。例えば、これにより、RPS法のクレジットを獲得することができる。
一般に、大規模な発電プラントは、発電効率は良いが、排熱はそのまま環境に廃棄されている。一方、製紙工場内にコージェネレーション設備を設けると、化石燃料のエネルギーを電気と熱の両面で高効率利用できるので、その普及が奨励されている。特に天然ガスを燃料源とするコージェネレーション設備は、天然ガスが発熱量当りのCO発生量が少ないので、CO発生量の削減にも大きな効果がある。工場内の電力及び蒸気エネルギー需要が変動しても、コージェネレーション設備の機能でこれに対応し、外部の電力需要の大きな時間帯に、一定の売電電力を確保できる。製紙工場は、24時間連続で電気と蒸気を一定量使用するので、コージェネレーション設備を導入して、COの発生量を削減できる効果も大きい。
本発明の一実施形態によれば、1)電力需要が高い時間帯に売電でき、2)外部へ供給する電力量の変動を小さくできる。したがって、売電価格を高くすることが可能となり、経済効果を高めることができる。
また、黒液回収ボイラに供給する黒液性状と流量と発熱量を掛け合わせたエネルギー量を一定に保てるので、黒液回収ボイラの耐久性を大幅に向上できる効果もある。
本発明によるその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態の説明で明らかにする。
以下、図面を参照して本発明による実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施形態による製紙工場の黒液利用発電システムの全体構成図であり、図1は本発明に直接関係する発電システムを中心とする構成部、図2は製紙工場の抄紙工程を中心とする構成部を示す。
まず、図2を用いて製紙工場の基本的な機器構成から説明する。図2には、製紙工場におけるパルプ工程と抄紙工程の概要を示している。製紙工場のチップ貯蔵場所には、丸太から板や角材を切り出した後の部材や、間伐材を切断した3cm角程のチップが搬入されている。木材には、紙の構成材料であるパルプが50%ほど存在し、残りがパルプ繊維を結合させる有機物のリグニンとヘミセルロースである。チップは加熱された後で、パルプ工程の第1ステップである蒸解釜1に上部から供給される。ここで無機薬品溶液を用いて、チップからリグニンとヘミセルロースを抽出する。無機薬品には、苛性ソーダ70%と硫化ソーダ30%の混合液を用い、170℃の加圧条件で、垂直な蒸解釜1の円筒容器内をゆっくり流下する過程で連続的に溶解反応を進ませる。リグニンとヘミセルロースは、無機薬品溶液内に溶解し、固形物としてパルプ繊維が残る。連続蒸解釜1の大きさはパルプ生産能力が1,200〜1,600ton/日の規模で容積が2,000mである。蒸解釜1を高温・高圧に保つために、樹木の種類によりパルプ1tonを生産するのに0.68〜0.77tonの加熱蒸気を必要としている。
蒸解釜1から流出したパルプを含むスラリーは、洗浄工程2の加圧デフェーザー洗浄機と大気圧デフェーザー洗浄機の多段構成により、固形物のパルプと溶液とに分離される。リグニンとヘミセルロースを含む濃度15%ほどの黒液と呼ばれる溶液は、後述する図1のエバポレータへ送られる。一方、パルプはスクリーン3に送られる。スクリーン3では、パルプを「裏ごし」して、パルプに含まれるゴミや生煮えのチップを取り除いて、良好なパルプだけが次の漂白設備4に送られる。
漂白設備4は、4段階の工程で、パルプが段々白色度を増して行く。蒸解釜1で、100%にリグニンをパルプから分離させるほど反応させると、パルプ繊維にも損傷が生じる。したがって、少しリグニンがパルプに残存する状態で漂白設備に送り、漂白設備4の初段でパルプ重量の1.5〜2.1%ほど酸素を添加して、残留しているリグニンを95〜100℃の温度条件で除去する。添加する酸素を製造するために、製紙工場にはPSA方式の酸素製造設備が設けられている。漂白されたパルプは抄紙工程5に送られて、薄く広げた後で脱水・乾燥され、紙が製造される。水分を多量に含むパルプを乾燥させるのに、低圧の加熱蒸気が用いられる。
次に、図1を参照して、本発明の一実施形態による黒液利用発電システムを詳細に説明するが、まず、一般の製紙工場に設けられている設備から説明する。
図2の洗浄工程2で分離した黒液は、多重効用蒸発缶方式を採用したエバポレータ6で自燃可能な濃度まで濃縮され、その後、黒液回収ボイラ7に送られる。多重効用方式のエバポレータ6では、初段には加熱蒸気を利用するが、段毎に蒸発圧力を減少させることで、それ以降の濃縮段では前段で発生した蒸気を加熱源として利用して、少ない加熱蒸気量で濃縮を可能にしている。蒸発缶の最終段には、プレート式液膜硫化蒸発缶を採用することで、流動性の限界に近い80%近くまで濃縮を可能にしている。この結果、黒液は平均で3000Mcal/tonと高い発熱量を保持している。
黒液に含まれる硫化ソーダは、燃焼すると腐食性のSOxを生成する。そこで、黒液回収ボイラ7では、過熱管等には耐食性材料を採用することで、SOxが含まれる条件でも、100ataで500℃以上の蒸気を発生することができる。この結果、黒液回収ボイラ7で発生する蒸気を用いて黒液回収タービン発電設備8で発電する場合の発電効率は、30〜35%にも達する。これは、バイオマスを直接ボイラで燃焼して発電する場合の2倍近い値である。木材成分が保有する熱エネルギーの半分ほどを持つ黒液で発電することで、パルプも含めて全部を燃焼させる木材発電と同等の発電量が得られる。黒液回収タービン発電設備8は、蒸気タービン81、発電機82及び復水器83を備えている。
黒液回収ボイラ7で黒液は燃焼して高温になるので、蒸解釜1(図2)に供給された黒液に含まれる無機薬品は、溶融物であるスメルトとして黒液回収ボイラ7の底に滞留する。スメルトを水に溶解させた緑液から不純物を除去し、生石灰を添加してライムスレーカと白液セトラーでスラッジを除去すると、緑液は元の苛性ソーダ硫化ソーダの混合溶液に戻る。この再利用可能な白液は、再び図2の蒸解釜1に送ってチップの溶解に用いる。
黒液回収ボイラ7で発生した高温高圧の蒸気は、蒸気タービン81を駆動して、発電機82により電気を起し、変圧器9を介して構内電力系統10に供給する。構内電力系統10は、電力会社の送電系統11に繋がれている。
蒸気タービン81の中段から蒸気を抽出して、蒸解釜1やエバポレータ6、抄紙工程5での加熱蒸気として利用する。蒸解釜1で使用される蒸気の圧力は高いが、エバポレータ6と抄紙工程5で用いる蒸気は低圧で良い。製紙工場では種々のプロセスで電気を使用しているので、黒液回収ボイラ7からの蒸気による発電量だけでは電力が不足する。この不足分を補うために、従来は、送電系統11を通して電力を購入している。
さて、本発明の一実施形態による機器構成としては、24時間連続運転でパルプ生産能力が500ton/日の既存の製紙工場に、大型貯蔵タンク12と緑液貯蔵タンク13、ガスタービンコージェネレーション設備14の設備を追加している。また、大型貯蔵タンク12から黒液回収ボイラ7へ黒液を供給するポンプ15の流量制御装置16と、この流量制御装置16へ売電電力を指令する売電指令装置17を設けている。
ガスタービンコージェネレーション設備14は、燃焼器141、ガスタービン142、圧縮機143、発電機144及び排熱回収ボイラ145を備えている。
洗浄工程2(図2)から濃度15%の黒液が毎時210ton発生し、エバポレータ6に供給される。ここで、濃度80%まで濃縮された黒液は、電力需要が少ない時は大型化した大型貯蔵タンク12に貯蔵する。材料の木材組成によってエバポレータ6から生成する黒液の発熱量が異なるので、そのまま黒液回収ボイラ7に供給すると、時間により燃焼状態が異なり、黒液回収ボイラ7内部の温度分布が変動する。そこで、大型貯蔵タンク12に設けたバルブ18を開き、容積式のポンプ15を駆動して、下部より取出した黒液を上部に流入させると共に、大型貯蔵タンク12に流れを促進する隔壁を設けることにより黒液を循環させる。なお、大型貯蔵タンク12から黒液回収ボイラ7に通じる系統では、黒液回収ボイラ7内のバーナによる流体抵抗が黒液に生じる。このため、ポンプ15から黒液回収ボイラ7に至る系統上に流量計23を設置することで、黒液回収ボイラ7に供給する黒液の量を計測することが望ましい。また、流量計23より得られる黒液の量に基いて、バルブ18の開度を制御することが望ましい。これによって、大型貯蔵タンク12の内部に貯蔵した黒液の組成を均一に保つ。エバポレータ6から供給される濃縮された黒液は、大型貯蔵タンク12へその上部から供給し、直接にポンプ15に供給されないようにする。また、濃縮された黒液は燃焼性があるので、上部に蓋を設けた密閉構造として大気の流入を押さえると共に、万一の発火に備えて、大型貯蔵タンク12の内部にスプリンクラーを設ける。高濃度の黒液は冷却すると粘性が増大するので、大型貯蔵タンク12のタンク壁とポンプ15の前後の配管には、外部に細い配管を溶接して蒸気を流すことで保温する。
このような構成において、製紙工場で必要な電力と熱エネルギーを、黒液回収タービン発電設備8と、ガスタービンコージェネレーション設備14で賄うとともに、黒液回収タービン発電設備8から一定の電力を送電系統11へ売電する。製紙工場で必要な電力や熱エネルギーが変動した場合には、ガスタービンコージェネレーション設備14への燃料供給を調整して対応し、売電電力を一定に保つ。
売電指令装置17は、図示するように、所定の時間帯(昼間)の売電電力を一定に指令し、その他の時間帯(夜間)はゼロを指令する。
図3は、本発明の一実施形態による製紙工場における1週間の発電運転パターンを示すグラフである。このグラフから明らかなように、ガスタービンコージェネレーション設備14は、工場の標準電力需要の30%に相当する電力と蒸気を発生し、24時間連続運転する。また、この図には示していないが、工場の電力需要が変動した場合には、ガスタービンコージェネレーション設備14の出力電力も、需要に合わせて制御するものとする。一方、黒液回収タービン発電設備8は、電力需要が高い、平日と土曜日の朝8時から夜10時までは、工場の標準電力需要の130%の発電出力で運転し、それ以外の電力需要が少ない時間帯には、標準電力需要の70%で運転する。
黒液回収タービン発電設備8は、黒液に含まれる無機成分を還元して元の薬品に戻す機能が有り、標準出力の70%以下で運転することは難しい。図3の運転パターンでは、標準電力需要の130%出力の運転時間が週に84時間で、70%の運転時間が84時間となるので、標準電力需要の100%出力で連続運転したのと同じだけ黒液を処理することが可能である。
図3においては、電力需要が低い時間帯においては、ガスタービンコージェネレーション設備14と黒液回収タービン発電設備8の運転による総合出力は、製紙工場内で必要とする電力と蒸気の需要を丁度賄っている。電力需要が高い時は、ガスタービンコージェネレーション設備14と黒液回収タービン発電設備8の運転出力の合計は、標準出力の60%相当が余剰になっているので、これを送電系統を通して売電する。
図3の運転パターンを採用することで、電力需要が高く電力価格が高い時間帯だけ売電することが可能となる。
製紙工場において、黒液回収ボイラ7は、木材チップを溶解するのに用いる苛性ソーダと硫化ソーダをスメルトの形で回収する重要な機能が有る。すなわち、還元雰囲気を内部に形成させ、硫酸ソーダを黒液内の炭素分で還元することで硫化ソーダを生成する。燃焼させる黒液には硫黄成分が多く含まれるので、黒液回収ボイラ7内に存在する一部の伝熱管は、厳しい腐食環境下にある。ただし、黒液回収ボイラ7の全体としては硫黄分を硫化ソーダの形で回収するので、出口における硫黄濃度は低く、後段に脱硫装置を設ける必要が無い。黒液回収ボイラ7が停止すると工場全体の運転を停止する必要があるので、製紙工場には、通常、2缶黒液回収ボイラが設けられている。
図3の運転パターンでは、土曜日の夜10時から月曜日の朝8時までの34時間連続で、出力を70%で運転する。濃縮された黒液は、毎時26ton生成するので、その30%に相当する7.8tonを貯蔵する。したがって、大型貯蔵タンク12の容量は、少なくとも265ton必要で、余裕を見て300tonの規模になる。
大型貯蔵タンク12内の黒液性状を均一にすることで、短期的な変動を無くすことができる。更に、長期間に渡る運転状況を均一に保つために、黒液回収ボイラ7の内部の温度計測結果を基に、供給する時間当りのエネルギー量を一定になるように、容積式のポンプ15の回転数を変化させて、黒液流量を制御する。大型貯蔵タンク12を設けたことにより、長時間に亘り、黒液回収ボイラ7に供給する黒液量を、エバポレータ6からの発生量と異なる量に制御することを可能としている。
黒液回収ボイラ7から、毎時120tonの515℃、112ataの高温高圧蒸気を発生し、蒸気タービン81に供給する。電力需要が高い時間帯では、黒液回収タービン発電設備8の発電量のうち、製紙工場内で使用しない標準出力の60%に相当する電力は、構内系統10及び送電系統11を通して一般電気事業者又は特定規模電気事業者、将来開設される卸電力市場に売電する。蒸気タービン81を駆動して減圧された蒸気は、復水器83で凝縮され、ポンプ(図示せず)で昇圧して、黒液回収ボイラ7に戻す。黒液回収ボイラ7は、通常運転では黒液だけで運転が可能であるが、起動時はボイラ内部が低温で未燃の黒液が装置内に残留する恐れがある。そこで、起動時にはボイラを予熱するために、重油を添加して燃焼性を向上させる必要がある。RPS法で認定されるクレジット量は送電系統で搬送される電力の内で、バイオマス燃料である黒液のエネルギー分だけである。そこで、蒸気タービン81で発生した電力量の内で、バイオマス燃料の黒液と化石燃料の重油との寄与率を評価するために、添加する重油量を計測する計器を設ける。同時に、黒液の流量も計測する。
ガスタービンコージェネレーション設備14は、燃料にCO発生量が少ない天然ガスを用いる。高温であるガスタービン142の排気ガスが保有する熱エネルギーを活用した排熱回収ボイラ145で、1.5MPaと0.35MPaの圧力が異なる2種類の蒸気を生成する。1.5MPaの蒸気は主として木材チップを溶解する蒸解釜(図示せず)の加熱源として用い、0.35MPaの蒸気はエバポレータ6の加熱源と抄紙工程5(図2)におけるパルプの乾燥に用いる。熱源として利用された蒸気は凝縮して液体に戻った後で、不純物を除去してから、加圧して黒液回収ボイラ7に供給する。工場内で利用する電力量と蒸気量のバランスと、ガスタービンコージェネレーション設備14で発生する電力と蒸気量のバランスには差異がある。そこで、蒸気の需要が多い場合には、蒸気タービン81から0.35MPaの低圧蒸気を抽気して、排熱回収ボイラ145で発生する低圧蒸気と合流点19で合流させる。排熱回収ボイラ145で発生する蒸気量は、水の蒸発潜熱が主要な因子なので、蒸気圧力の違いによる発生量の差は小さい。一方、蒸気タービン81では、抽気する圧力が低いほど、大きく発電量が増加する。したがって、高圧の蒸気発生はなるべく排熱回収ボイラ145で負担させ、低圧蒸気の補填を蒸気タービン81の抽気で賄うと全体の効率が向上する。
工場内に他にボイラが既に存在していて、ガスタービンコージェネレーション設備14から発生する蒸気が余剰になる場合には、排熱回収ボイラ145で高圧蒸気を発生させて蒸気タービン81に供給して発電量を増加させることも考えられる。
黒液回収ボイラ7で黒液に含まれる有機物であるリグニンとヘミセルロースは空気で燃焼して二酸化炭素と水蒸気になって、その熱で蒸気を発生させた後で、煙突から放出される。黒液に含まれる不燃性の無機薬品成分はスメルトとして、黒液回収ボイラ7の下部に溶融物として堆積する。黒液回収ボイラ7の下部に堆積するスメルト溶融物は、黒液回収ボイラ7と大気との圧力差と自身の自重により、外部に流下する。スメルトは蒸気で細かく分散されて、タンク内の水で溶解して緑液になる。これを、一旦、緑液貯蔵タンク13で貯蔵する。緑液貯蔵タンク13以降の回収工程20は、容量が黒液回収ボイラ7の標準出力100%分しかないので、黒液回収ボイラ7が130%出力で運転している時は、30%の余剰分を緑液貯蔵タンク13で貯留する。これにより、回収工程20の設備容量と、発生する緑液流量との差を平衡させる。緑液貯蔵タンク13の容量は小さいことが望ましいので、スメルトは高濃度の状態で溶解して貯蔵し、回収工程20に移送する時点で水分を転嫁して、濃度を下げることも可能である。
回収工程20は、緑液セトラー201、苛性化槽202、白液セトラー203及び石灰キルン204で構成される。まず、緑液セトラー201で、緑液に含まれる燃え残りの灰等の不溶解成分を沈降させて分離する。次の苛性化槽202では、不純物が除去された緑液に生石灰を加えることで、緑液中の炭酸ソーダを苛性ソーダに変化させて、元の蒸解薬液である白液に戻す。加えた生石灰は、苛性化槽202で炭酸カルシウムを主成分とする石灰泥になる。この石灰泥と白液を分離する白液セトラー203は、加圧した白液セトラー内にろ布を張ったデイスクを回転させ、圧力差により白液はろ布を通ることで、石灰泥と分離できる。ろ布に残った石灰泥はブレードによって掻き落されて、80%の高濃度まで濃縮される。この高濃縮になった石灰泥は、石灰キルン204に送られて数時間かけて高温で焼かれ、炭酸カルシウムから生石灰に戻る。再び、この生石灰は回収工程20内の苛性化槽202で用いる。製紙工場において利用される薬剤である苛性ソーダと硫化ソーダは、回収工程20で元の状態に再生される。
以上の実施形態により、製紙工場外の送電系統11へ売電する電力は、需要が高い時間帯に、しかも一定電力とすることが可能となり、売電とRPSクレジット販売による経済性を大幅に向上できる。また、攪拌機能を有する大型貯蔵タンク12を設けたことで、黒液回収ボイラ7供給する黒液の性状を一定に保つことが可能となり、黒液回収ボイラ7の耐久性を大幅に向上できる。
図4は、本発明の他の実施形態による製紙工場の黒液利用発電システムのうち、発電システムを中心とする構成図である。この実施形態は、工場内の電力と蒸気の需要が大きく変動する場合に、積極的に、出力電力と蒸気出力を制御できるコージェネレーション設備を導入することで、外部への売電量を一定とするものである。
必要な蒸気量の変動に関しては、1)排熱回収ボイラ145の内部にダクトバーナ146を設けることと、2)エバポレータ5の前段に黒液貯蔵タンク21を設けることの2つの対策を設けている。ダクトバーナ146は、ガスタービン142の排熱だけでは蒸気量が不足するときに、ボイラ145の途中で天然ガスを燃焼させて排ガスを再加熱して、発生する蒸気量を増加させる。これにより、他の機器の運転状態に影響を与えることなく、燃料の投入量で蒸気量を調整できる。ダクトバーナ146の燃料投入量に見合って、ボイラ145の後段に供給する水量を増加させれば良い。蒸気量を変動できるコージェネレーション設備14は、ダクトバーナ146を有するものの他にも、燃焼器141の前後で蒸気を注入するものや、ディーゼルエンジンと排熱ボイラを組合わせても達成できる。また、単一の機器でなく、ガスタービンと小型ボイラというように、複数の機器を組合わせて、電力と蒸気発生量を調整することも可能である。
短い時間で必要な蒸気量が変動する対策として、黒液貯蔵タンク21を設けている。製紙工場で蒸気量を消費する主要な機器であるエバポレータ6で、蒸気量が不足する時に濃縮する黒液流量を少なくし、蒸気量が余剰な時には黒液流量を増加させることで、エバポレータ6以外の工場における必要蒸気量の変動を吸収できる。エバポレータ6の流量変動と発生量を平衡に保つために、エバポレータ6の前段に黒液貯蔵タンク21を設けることで、大型貯蔵タンク12の容量を小さくすることも可能である。
製紙工場内で必要になる電力量の変動への対応と、工場内で使用する電力量を増加させるために、1)ディーゼル(又はガス)エンジン発電設備22と、2)背圧タービン147を設けている。ディーゼル又はガスエンジン発電設備22は、一般にガスタービンコージェネレーション設備14より起動時間が短いので、電力需要の変動に対応し易い。排熱を利用できるコージェネレーション設備14の方がエンジン発電設備22より発電効率は高いので、定常運転は主にコージェネレーション設備14を用い、電力変動に対してディーゼルエンジン発電設備22に対応させることが望ましい。
また、電力発生量を増加させるために、背圧タービン147を設けることもできる。ボイラ145で発生させる蒸気圧力を15MPaまで増加させ、出口圧力0.35MPaの背圧タービン147を設け、15MPaから0.35MPaへ蒸気圧力が低下する時のエネルギーを電力として取出すことができる。背圧タービン147の途中から1.5MPaの蒸気を抽気することで、0.35MPaと1.5Mpaの2種類の蒸気を、加熱蒸気として提供できる。
RPSクレジットが認められる黒液を燃料とする発電量は、できる限り増加させると経済性向上に大きな効果がある。そこで、以下の2つの機能を設ける。図1の構成では、蒸気タービン81で一部を抽気して工場内の加熱蒸気に使用したが、図4の機器構成において、ダクトバーナ146で蒸気量を増加させ、黒液を燃料とした蒸気を加熱蒸気には使用しない。次に、復水器83からの循環水をポンプで加圧して黒液回収ボイラ7に供給する前に、給水加熱器84で加熱して黒液回収ボイラ7の入口における給水温度を高める。給水温度が上がると、黒液回収ボイラ7から同じエネルギーで加熱されても、発生する蒸気量が増加してコージェネレーション設備14の発電量も増加できる。この加熱源には蒸気タービン81で低圧段から蒸気を抽気する。この結果、いわゆる再生サイクルを構成し、同一の黒液燃料エネルギーから発生できる電力量を増加できる。
本実施形態によれば、一般電力事業者や特定規模電気事業者へ一定の電力を売電でき、高価格での売電が可能で、経済効果が増大する。
本発明の一実施形態による製紙工場の黒液利用発電システムのうち、発電システムを中心とする機器構成図。 本発明の一実施形態による製紙工場の黒液利用発電システムのうち、抄紙工程を中心とする機器構成図。 本発明の一実施形態による製紙工場における1週間の発電運転パターンを示すグラフ。 本発明の他の実施形態による製紙工場の黒液利用発電システムのうち、発電システムを中心とする機器構成図。
符号の説明
1…蒸解釜、2…洗浄工程、3…スクリーン、4…漂白設備、5…抄紙工程、6…エバポレータ、7…黒液回収ボイラ、8…黒液回収タービン発電設備、81…蒸気タービン、82…発電機、83…復水器、84…給水加熱器、9…変圧器、10…構内電力系統、11…電力会社の送電系統、12…大型貯蔵タンク、13…緑液貯蔵タンク、14…ガスタービンコージェネレーション設備、141…燃焼器、142…ガスタービン、143…圧縮機、144…発電機、145…排熱回収ボイラ、146…ダクトバーナ、147…背圧タービン、15…ポンプ、16…流量制御装置、17…売電指令装置、18…バルブ、19…合流点、20…回収工程、21…黒液貯蔵タンク、22…ディーゼル(又はガス)エンジン発電設備、23…流量計。

Claims (5)

  1. 木材から紙を生産する生産過程で生成される黒液を燃焼させて蒸気を発生させる黒液回収ボイラと、この発生蒸気で駆動される蒸気タービン発電機を備えた発電システムにおいて、所定の時間帯に前記黒液回収ボイラへの黒液供給量を増加させ、前記所定の時間帯に前記蒸気タービン発電機から送電系統に送電する電力量を増加させる売電電力制御手段を備えたことを特徴とする黒液利用発電システム。
  2. 請求項1において、前記売電電力制御手段は、前記所定の時間帯に亘ってほぼ一定の売電電力に制御するように構成したことを特徴とする黒液利用発電システム。
  3. 請求項1において、前記黒液回収ボイラへ黒液を供給するように設けられ、その容量を1日に前記送電系統に送電する予定の電力量以上の黒液発電に要する黒液量を貯蔵する黒液タンクを備えたことを特徴とする黒液利用発電システム。
  4. 原動機によって駆動される発電機と、木材から紙を生産する生産過程で生成される黒液を燃焼させて蒸気を発生させる黒液回収ボイラと、この発生蒸気で駆動される蒸気タービン発電機を備えた発電システムにおいて、所定の時間帯に前記黒液回収ボイラへの黒液供給量を増加させ、前記蒸気タービン発電機から送電系統に送電する電力量を増加させる売電電力制御手段と、前記生産過程での消費電力に応じて前記発電機の発電電力を制御する発電電力制御手段を備えたことを特徴とする黒液利用発電システム。
  5. 木材から紙を生産する生産過程で生成される黒液を燃焼させて蒸気を発生させる黒液回収ボイラと、この発生蒸気で駆動される蒸気タービン発電機を備えた発電システムの制御方法であって、所定の時間帯に前記黒液回収ボイラへの黒液供給量を増加させ前記蒸気タービン発電機から送電系統に送電する電力量を増加させることを特徴とする黒液利用発電システムの制御方法。
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