JP7029280B2 - パルプ製造損益試算システム、およびパルプ製造損益試算方法 - Google Patents

パルプ製造損益試算システム、およびパルプ製造損益試算方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7029280B2
JP7029280B2 JP2017231096A JP2017231096A JP7029280B2 JP 7029280 B2 JP7029280 B2 JP 7029280B2 JP 2017231096 A JP2017231096 A JP 2017231096A JP 2017231096 A JP2017231096 A JP 2017231096A JP 7029280 B2 JP7029280 B2 JP 7029280B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
pulp
raw material
production
profit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017231096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019099939A (ja
Inventor
由朗 金森
一成 高木
学 宮本
史郎 笹谷
潤 兵頭
正春 坂本
峻佑 福丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2017231096A priority Critical patent/JP7029280B2/ja
Publication of JP2019099939A publication Critical patent/JP2019099939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7029280B2 publication Critical patent/JP7029280B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

本開示は、パルプ製造の最適化に関し、特にパルプ製造に用いる原料選択に関する。
紙や板紙などの製紙に使用されるパルプは、セルロースを主成分とする繊維であり、針葉樹や広葉樹から得られる木材パルプや、藁、亜麻、木綿などの非木材から得られる非木材パルプ、古紙パルプなどを原料に製造される。例えば木材パルプや非木材パルプは、蒸解釜において原料に薬品や蒸気を加えて煮込み、原料中のリグニンを除去して繊維を取り出した後(蒸解後)、取り出した繊維の洗浄などの工程を経て製造される。このようなパルプ化工程においては、副産物として黒液と呼ばれるリグニンを主成分とする廃液が得られるが、濃縮した黒液は、蒸気の発生、および燃焼により黒液から上記の薬品を回収する設備である回収ボイラの燃料として利用される。また、回収ボイラで発生した蒸気は、タービンの動力として製紙工場内で用いる電気の発電や、上記の蒸解といった加熱または反応などの工程で用いるプロセス蒸気として使用される。
そして、例えば、特許文献1には、黒液再生エネルギーで発電した電力を売電し、製紙工場外で利用することが開示されている。より詳細には、ガスタービンやディーゼルエンジンなどの原動機により駆動される発電機と排熱回収ボイラとを備えた製紙工場内のコージェネレーション設備で天然ガス等を燃料源として発電するとともに、その排熱を利用した高温高圧の蒸気を利用して蒸気タービンで発電する。また、この蒸気タービンの中段から必要な圧力の蒸気(プロセス蒸気)を抽出して、製紙工場内の生産工程で利用する。これによって、製紙工場内で使用する電気と蒸気を供給する。その一方で、黒液を燃料源とした黒液回収ボイラで発生する蒸気で発生した電力は、黒液回収ボイラの出力を昼間は増加させ、夜間は減少させることにより、売電価格がより高い昼間に電力会社等の送電系統を経由して売電する。これによって、電力需要が高い時間帯に売電でき、外部へ供給する電力量の変動を小さくできるので、売電価格を高くすることが可能となり、経済効果を高めることができるとされる。
特開2006-16985号公報
上述したように、パルプ化工程では、紙や板紙などとして販売されるパルプと、売電可能な電力を生成可能な黒液とが製造される。例えばパルプの製造量が増えると黒液の製造量(回収量)も増えるが、所定単位(例えば単位重量)の原料から回収される繊維分およびリグニン分の比率は、針葉樹の方が広葉樹に比べて蒸解工程を経て回収される黒液中にリグニン分がより多く残存するなど、原料種類によって異なる。つまり、所定単位の原料から製造可能なパルプや黒液の単位量は原料の種類に応じて異なり、繊維分の多い(比率が高い)原料を用いると、パルプの製造量がその分増える一方で黒液の製造量はその分減少するといった負の相関などがある。また、近年では、再生可能エネルギーで発電された電気を一定期間、固定価格で買い取ることを義務づけた固定価格買取制度(FIT)があり、再生エネルギーの活用が後押しされている。
このような中で、本発明者らは、再生可能エネルギーである黒液を燃料利用した際に得られる電気などの販売損益(利益)と、製紙などを通したパルプの販売損益とに基づいて、より良い損益が得られるだろうパルプ原料を選択すれば、利益を最大化するなど事業の最適化ができると考えた。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、パルプ製造で得られるパルプおよび黒液の各々に基づく損益の原料種類に基づいた試算を通して、最適な原料種類の選択を可能にするパルプ製造損益試算システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るパルプ製造損益試算システムは、
パルプ製造を通して得られるパルプ損益、および前記パルプ製造により生成される黒液の製造を通して得られる黒液損益をそれぞれ試算するパルプ製造損益試算システムであって、
製造するパルプの予定量であるパルプ製造予定量を決定するパルプ製造予定量決定部と、
前記パルプの原料となる対象原料を少なくとも一つの対象原料候補から選択する対象原料選択部と、
前記パルプ製造予定量を製造するのに必要な前記対象原料の原料使用量を算出する原料使用量算出部と、
前記原料使用量から得られる前記黒液の黒液製造予定量を算出する黒液製造予定量算出部と、
前記黒液を燃料とする回収ボイラによって前記黒液製造予定量から得られる蒸気の総蒸気予定量を算出する総蒸気予定量算出部と、
前記総蒸気予定量に基づいて前記黒液損益を算出する黒液損益算出部と、
前記パルプ製造予定量に基づいて前記パルプ損益を算出するパルプ損益算出部と、を備える。
上記(1)の構成によれば、選択した対象原料でパルプ製造予定量分のパルプを製造するのに必要な原料使用量に基づいて黒液の製造予定量を算出すると共に、黒液の製造予定量に基づいて黒液を燃料とする回収ボイラで発生される総蒸気予定量を算出することにより、パルプ製造予定量分のパルプを紙製品などとして販売した場合の損益(パルプ損益)、および、黒液製造予定量分の黒液を燃料に回収ボイラで生成される蒸気を電気に変換するなどして販売した場合の損益(黒液損益)をそれぞれ算出する。これによって、対象原料を用いた場合のパルプ損益および黒液損益の各々の試算結果を得ることができる。また、パルプ製造予定量分のパルプを製造するのに必要な原料使用量や回収される黒液量は原料種類に応じて異なるところ、パルプ損益および黒液損益の各々の試算結果を算出することにより、試算結果に基づいて原料種類を決定することができるようになり、事業損益を最大化し得る原料種類を試算結果に基づいて選択するなど、事業の最適化を図ることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記対象原料の所定単位から製造される前記パルプのパルプ単位製造量および前記黒液の黒液単位製造量を含む前記対象原料の原料情報を取得する対象原料情報取得部を、さらに備え、
前記原料使用量算出部は、前記原料使用量を、前記パルプ製造予定量と前記対象原料についての前記パルプ単位製造量に基づいて算出し、
前記黒液製造予定量算出部は、前記黒液製造予定量を、前記原料使用量と前記対象原料についての前記黒液単位製造量とに基づいて算出する。
上記(2)の構成によれば、対象原料の使用量(原料使用量)を対象原料についてのパルプの単位製造量に基づいて算出すると共に、原料使用量と、その対象原料の所定単位から得られる黒液の単位製造量とから、対象原料でパルプを製造した場合に得られる黒液の製造予定量を算出する。これによって、選択した対象原料でパルプ製造予定量分のパルプを製造するのに必要な原料使用量および黒液の製造予定量を適切に算出することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)~(2)の構成において、
前記少なくとも一つの対象原料候補は、複数の対象原料候補を含み、
前記パルプ損益および前記黒液損益の合計損益を算出する合計損益算出部と、
前記複数の対象原料候補の各々を前記対象原料としてそれぞれ算出した複数の前記合計損益のうち、前記合計損益が最も高くなる前記対象原料を特定する原料特定部と、をさらに備える。
上記(3)の構成によれば、複数の対象原料候補のうちから、パルプ損益と黒液損益との合計損益が最大になる原料を特定する。これによって、合計損益の観点から事業を最適化可能な原料をより容易に特定することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)~(3)の構成において、
前記パルプ製造予定量決定部は、
紙需要量に基づいて紙製造量を算出する紙製造量算出部と、
前記紙製造量に基づいて、前記パルプ製造予定量を算出するパルプ量算出部と、を有する。
上記(4)の構成によれば、紙需要量に基づいて算出した紙製造量に基づいて、パルプ製造予定量を決定する。紙需要量の下でパルプ製造予定量を決定することにより、事業の最適化をより精度良く図ることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記パルプ製造予定量決定部は、前記紙製造量のうちの再生紙で賄う再生紙量を算出する再生紙量算出部を、さらに有し、
前記紙製造量算出部は、前記紙需要量と前記再生紙量とに基づいて前記紙製造量を算出する。
上記(5)の構成によれば、紙製造量は、紙需要量と再生紙量とに基づいて算出される。現在、紙需要量を満たすのに必要なパルプには再生紙から製造される古紙パルプが含まれるが、古紙パルプの製造過程において黒液は回収されない。よって、紙製造量の算出にあたって再生紙量を考慮することにより、紙製造量に基づいて算出されるパルプ製造予定量が古紙パルプを含まないものとする。これによって、対象原料の原料使用量をより正確に算出することができるので、黒液製造予定量をより正確に算出することができる。したがって、パルプ損益および黒液損益をより正確に算出することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(4)~(5)の構成において、
前記パルプ製造予定量決定部は、前記パルプの在庫量を取得する在庫量取得部を、さらに有し、
前記パルプ量算出部は、前記紙製造量と前記パルプの在庫量とに基づいて、前記パルプ製造予定量を算出する。
上記(6)の構成によれば、パルプ製造予定量は、パルプの在庫量を差し引いて算出する。既に製造されているパルプからは黒液は製造されないため、紙製造量から求まるパルプの製造量からパルプの在庫量を差し引くなどして、パルプ製造予定量を算出する。これによって、パルプ製造予定量に基づいて算出される対象原料の原料使用量をより正確に算出することができるので、黒液製造予定量をより正確に算出することができる。したがって、パルプ損益および黒液損益をより正確に算出することができる。
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係るパルプ製造損益試算方法は、
パルプ製造を通して得られるパルプ損益、および前記パルプ製造により生成される黒液の製造を通して得られる黒液損益をそれぞれ試算するパルプ製造損益試算方法であって、
製造するパルプの予定量であるパルプ製造予定量を決定するパルプ製造予定量決定ステップと、
前記パルプの原料となる対象原料を少なくとも一つの対象原料候補から選択する対象原料選択ステップと、
前記パルプ製造予定量を製造するのに必要な前記対象原料の原料使用量を算出する原料使用量算出ステップと、
前記原料使用量から得られる前記黒液の黒液製造予定量を算出する黒液製造予定量算出ステップと、
前記黒液を燃料とする回収ボイラによって前記黒液製造予定量から得られる蒸気の総蒸気予定量を算出する総蒸気予定量算出ステップと、
前記総蒸気予定量に基づいて前記黒液損益を算出する黒液損益算出ステップと、
前記パルプ製造予定量に基づいて前記パルプ損益を算出するパルプ損益算出ステップと、を備える。
上記(7)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏する。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記対象原料の所定単位から製造される前記パルプのパルプ単位製造量および前記黒液の黒液単位製造量を含む前記対象原料の原料情報を取得する対象原料情報取得ステップを、さらに備え、
前記原料使用量算出ステップは、前記原料使用量を、前記パルプ製造予定量と前記対象原料についての前記パルプ単位製造量に基づいて算出し、
前記黒液製造予定量算出ステップは、前記黒液製造予定量を、前記原料使用量と前記対象原料についての前記黒液単位製造量とに基づいて算出する。
上記(8)の構成によれば、上記(2)と同様の効果を奏する。
(9)幾つかの実施形態では、上記(7)~(8)の構成において、
前記少なくとも一つの対象原料候補は、複数の対象原料候補を含み、
前記パルプ損益および前記黒液損益の合計損益を算出する合計損益算出ステップと、
前記複数の対象原料候補の各々を前記対象原料としてそれぞれ算出した複数の前記合計損益のうち、前記合計損益が最も高くなる前記複数の対象原料候補における前記原料を特定する原料特定ステップと、をさらに備える。
上記(9)の構成によれば、上記(3)と同様の効果を奏する。
(10)幾つかの実施形態では、上記(7)~(9)の構成において、
前記パルプ製造予定量決定ステップは、
紙需要量に基づいて紙製造量を算出する紙製造量算出ステップと、
前記紙製造量に基づいて、前記パルプ製造予定量を算出するパルプ量算出ステップと、を有する。
上記(10)の構成によれば、上記(4)と同様の効果を奏する。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、
前記パルプ製造予定量決定ステップは、前記紙製造量のうちの再生紙で賄う再生紙量を算出する再生紙量算出ステップを、さらに有し、
前記紙製造量算出ステップは、前記紙需要量と前記再生紙量とに基づいて前記紙製造量を算出する。
上記(11)の構成によれば、上記(5)と同様の効果を奏する。
(12)幾つかの実施形態では、上記(10)~(11)の構成において、
前記パルプ製造予定量決定ステップは、前記パルプの在庫量を取得する在庫量取得ステップを、さらに有し、
前記パルプ量算出ステップは、前記紙製造量と前記パルプの在庫量とに基づいて、前記パルプ製造予定量を算出する。
上記(12)の構成によれば、上記(6)と同様の効果を奏する。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、パルプ製造で得られるパルプおよび黒液の各々に基づく損益の原料種類に基づいた試算を通して、最適な原料種類の選択を可能にするパルプ製造損益試算システムが提供される。
本発明の一実施形態に係るパルプ製造損益試算システムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るパルプおよび黒液の製造プロセスを説明するためのフロー図である。 本発明の一実施形態に係るパルプ製造損益試算方法を示すフロー図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るパルプ製造損益試算システム1の構成を示す機能ブロック図である。また、図2は、本発明の一実施形態に係るパルプおよび黒液の製造プロセスを説明するためのフロー図である。
パルプ製造損益試算システム1は、図2に示すようなパルプ製造を通して得られるパルプ損益(後述)、および、パルプ製造工程P(プロセス)により生成される黒液の製造(回収)を通して得られる黒液損益(後述)をそれぞれ試算するシステム(装置)である。パルプ製造工程P(化学パルプ化工程)を説明すると、図2に示すように、まずは、木材パルプなどの原料を薬品や蒸気を加えて蒸解し、セルロースを主成分とする繊維分と、リグニンなどのそれ以外の原料の成分に原料を分離する(蒸解工程)。次に、蒸解により得られた原料の繊維分を洗浄し、リグニンや異物などを洗い流す(洗浄工程)。その後、原料の繊維分に対する漂白などの工程を行うことにより、パルプが製造される。また、上記の洗浄工程において、パルプ製造の副産物として、リグニンなどの繊維分以外の他の原料成分や蒸解時の薬品を含む黒液(黒液)が得られる。そして、黒液は、エバポレータにより濃縮することにより、回収ボイラの燃料としての利用が可能になる。
この回収ボイラは、黒液の燃焼を通して蒸気を発生する設備であり、発生した蒸気をタービンに送ることによってタービンを回転させる。タービンを回転させた後の蒸気は、上述した蒸解工程や他のプロセス(工程)に送られることにより、プロセス蒸気として加熱または反応などに使用される。そして、蒸気によるタービンの回転によって発電機を用いた発電がなされ、工場内における電力需要や、工場外の電力需要などに充てられる。また、回収ボイラは、蒸解工程で用いられた薬品を黒液から回収する設備でもあり、黒液の燃焼後に残る灰に含まれる無機物を回収する。回収ボイラによって回収された無機物は、薬品に再生した後に蒸解に再度使用される。
そして、上述したパルプ製造損益試算システム1は、図1に示すように、パルプ製造予定量決定部2と、対象原料選択部31と、原料使用量算出部33と、黒液製造予定量算出部4と、総蒸気予定量算出部5と、黒液損益算出部61およびパルプ損益算出部62を含む損益算出部6と、を備える。図1に示すように、パルプ製造損益試算システム1は、対象原料情報取得部32をさらに備えていても良い。パルプ製造損益試算システム1はコンピュータで構成されており、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ(記憶装置)を備える。そして、主記憶装置にロードされたプログラム(パルプ製造損益試算プログラム)の命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、パルプ損益(後述)および黒液損益(後述)をそれぞれ試算し、その結果を表示装置(ディスプレイを有する装置、プリンタ、音声出力装置など)により画面上や紙上などに出力する。
以下、パルプ製造損益試算システム1が備える上記の機能部について、図1を用いてそれぞれ説明する。
パルプ製造予定量決定部2は、製造するパルプの予定量であるパルプ製造予定量Qpを決定する。このパルプ製造予定量Qpは、1つの工場(例えば製紙工場。以下同様。)で製造するパルプの製造予定量であっても良い。あるいは、一事業者が複数の工場を所有している場合や、複数の事業者の各々が所有する工場による合計の製造予定量を検討する場合など、複数の工場で製造するパルプの製造予定量であっても良い。また、パルプ製造予定量Qpは任意に決定しても良いが、例えば、工場の製造能力などの指標に基づいて決定しても良いし、後述するような紙需要量Dに基づいて決定しても良い。
対象原料選択部31は、パルプ損益(後述)および黒液損益(後述)の試算に用いるパルプの原料となる対象原料を少なくとも一つの対象原料候補から選択する。つまり、上述したパルプ製造予定量Qp分のパルプを製造するのに用いる具体的な原料(対象原料)を、1以上の対象原料候補の中から選択する。対象原料選択部31は、本システムが予めメモリなどに記憶している対象原料候補のリストからのユーザによる選択、あるいは、原料を識別する情報のユーザによる直接入力を通して入力された原料を、選択すべき対象原料として選択しても良い。あるいは、対象原料選択部31は、1以上の対象原料候補のリストの入力を受けて、そのリスト中の原料を順番に選択することにより、対象原料を選択(取得)しても良い。
また、上記の対象原料候補には、リグニンなどを含有する黒液が回収可能な原料が含まれる。よって、対象原料候補には、針葉樹や広葉樹などの木材や、藁、亜麻、木綿などの非木材に分類される原料は含まれるが、古紙は除外される。対象原料候補に含まれる各々の原料は、アカマツ、クロマツといった樹種や非木材の種類を個別に識別することが可能な単位で特定されても良いし、複数の樹種をそれぞれ包含する針葉樹、広葉樹や、藁、亜麻、木綿などを包含する非木材など、グループ単位で特定されても良いし、これらの組み合わせであっても良い。
原料使用量算出部33は、パルプ製造予定量Qpを製造するのに必要な対象原料の原料使用量Qrを算出する。例えば、幾つかの実施形態では、原料使用量算出部33は、原料毎の原料に関する情報セットである原料情報Bを用いて、原料使用量Qrを算出するよう構成されても良い。具体的には、図1に示すように、パルプ製造損益試算システム1が、対象原料選択部31によって選択された対象原料の、例えば単位重量(kgなど)などの所定単位から製造されるパルプの単位製造量(以下、パルプ単位製造量Bp)および黒液の単位製造量(以下、黒液単位製造量Bf)を含む対象原料の原料情報Bを取得する対象原料情報取得部32を、さらに備える。上述した所定単位の大きさは任意であり、例えば重量の場合には1kg、1tなどの単位重量であっても良いし、2kg、10kgなどを所定単位としても良い。
そして、原料使用量算出部33は、原料使用量Qrを、パルプ製造予定量Qpと対象原料についてのパルプ単位製造量Bpとに基づいて算出する。つまり、パルプ単位製造量Bpは単位原料量あたりのパルプの製造量であるので、パルプ単位製造量Bpにパルプ製造予定量Qpを乗算することにより、対象原料の原料使用量Qrの算出が可能である(Qr=Qp×Bp)。図1に示す実施形態では、パルプ製造損益試算システム1は、原料毎の原料情報Bを記憶する原料情報データベース81を備える。そして、対象原料情報取得部32は、上述した対象原料選択部31によって選択された対象原料で原料情報データベース81を検索することにより、その対象原料に関する上述したパルプおよび黒液の各々の単位製造量を取得する。
この原料情報Bは、幾つかの実施形態では、原料の種類や、原料の産地、蒸解条件など、パルプ単位製造量Bpや黒液単位製造量Bf、黒液の発熱量などに影響を与える可能性のある少なくとも1つの情報を原料分類情報として、さらに含んでいても良い。上記の原料の種類は、原料が木材であるのか、非木材であるのかを表すものであっても良いし、さらに、原料が木材の場合には樹種は何か、原料が非木材の場合には藁、亜麻、木綿などのうちのどれなのかといったことをも表しても良い。この実施形態では、原料情報データベース81は原料分類情報を含む原料情報Bを記憶するためのテーブル(原料テーブル)を管理する。また、原料テーブルには、上記の原料分類情報が一致する原料について、時期などを変えてパルプ単位製造量Bpや黒液単位製造量Bfが調べられることにより、原料分類情報が一致する複数のレコードが記憶されていても良い。この場合には、対象原料の原料分類情報を検索条件に原料情報データベース81を検索すると、複数のレコードが取得されることになる。
よって、幾つかの実施形態では、原料使用量算出部33は、原料情報データベース81から取得される複数のパルプ単位製造量Bp、複数の黒液単位製造量Bfについての各々の平均値、最頻値などの統計値に基づいて原料使用量Qrを算出しても良い。他の幾つかの実施形態では、原料使用量算出部33は、対象原料の原料分類情報と、原料テーブルで管理される複数のレコードの原料分類情報との類似度を求め、例えば類似度が高いレコードを取得するなど、求めた類似度に基づいて1以上のレコードを取得しても良い。複数のレコードを取得した場合には、上記と同様に統計値に基づいて原料使用量Qrを算出しても良い。より具体的には、動的計画法によるマッチングなど類似度を求めることのできる既知の手法を適用したり、原料分類情報に含まれる各種情報をパラメータとする機械学習を実行し、比較対象との一致の判定を通して最も類似度の高いものを一致するものとして判定したりして、一致が判定された情報を取得しても良い。なお、機械学習においては、原料テーブルで管理されている原料分類情報の各種情報を教師データとして、予め一致を判定するトレーニングを行い判定モデルとして完成させても良いし、実際に一致判定を重ねながら、モデルをトレーニングしても良い。これによって、類似度の高い情報を原料情報データベース81から取得できる。
なお、原料テーブルは、パルプ単位製造量Bpおよび黒液単位製造量Bfに代えて、これらの値を算出する元になる、例えば、原料使用量と、その原料使用量から製造されたパルプ製造量と、黒液製造量とを記憶するための情報フィールドを管理しても良い。また、本実施形態に本発明は限定されず、パルプ単位製造量Bpおよび黒液単位製造量Bfを用いた他の方法により原料使用量Qrを算出しても良い。
黒液製造予定量算出部4は、上述した原料使用量算出部33によって算出された原料使用量Qrから得られる黒液の黒液製造予定量Qfを算出する。例えば、上述したように、パルプ製造損益試算システム1が対象原料情報取得部32を備えている場合には、黒液製造予定量算出部4は、黒液製造予定量Qfを、原料使用量Qrと対象原料についての黒液単位製造量Bfとに基づいて算出するよう構成されても良い。具体的には、黒液単位製造量Bfは単位原料量あたりの黒液の製造量であるので、黒液単位製造量Bfに原料使用量Qrを乗算することにより、黒液製造予定量Qfの算出が可能である(Qf=Qr×Bf)。
総蒸気予定量算出部5は、黒液を燃料とする上述した回収ボイラによって黒液製造予定量Qfから得られる蒸気の総量(以下、総蒸気予定量Qs)を算出する。黒液の単位重量あたりの発熱量(例えばMJ/kg)は、樹種や木材、非木材といった原料の種類や蒸解する際の条件により異なるため、原料の種類や蒸解条件、回収ボイラの設備情報を考慮して、黒液製造予定量Qfから得られる総蒸気予定量Qsを算出する。なお、図1に示す実施形態では、回収ボイラの設備情報は、工場別に設備情報データベース82に記憶されている。
損益算出部6は、黒液損益およびパルプ損益をそれぞれ算出する。より詳細には、損益算出部6は、上述した総蒸気予定量Qsに基づいて黒液損益を算出する黒液損益算出部61と、上述したパルプ製造予定量Qpに基づいてパルプ損益を算出するパルプ損益算出部62と、を含む。パルプ損益は、例えば、パルプ自体や、パルプを原料として製造した紙や板紙などのパルプ製品を販売することによって得られる売上から、それらの製造コストを差し引いて算出するなど、製造したパルプから生み出される外部に販売可能な価値(付加価値)を通して得られる損益(利益)である。より具体的には、パルプ損益は、パルプ製品の売上高から売上原価を差し引いて得られる売上総利益であっても良いし、この売上総利益から販管費を差し引いて得られる営業利益であっても良い。
同様に、黒液損益は、上述したように黒液を燃料利用して得られる電気などの売上からその製造コストを差し引いて算出するなど、製造した黒液から生み出される外部に販売可能な価値(付加価値)を通して得られる損益(利益)である。回収ボイラで黒液を燃焼させることにより発生した蒸気は発電およびプロセス蒸気として利用可能であるが、こうして発電した電気などを工場外に販売することにより販売益が得られる。なお、蒸気のまま外部への販売が可能な場合があっても良く、その場合には、売上に蒸気の販売益が含まれる。逆に、発電した電気やプロセス蒸気を工場内で利用する場合には、その分の販売益は得られないが、他の電力事業者から購入する電気などをその分減らすことができるので、製造コストを下げることが可能になる。つまり、黒液から生み出される付加価値は、利用態様に応じて黒液損益を変化させる。なお、図1に示す実施形態では、黒液損益を算出する際には、回収ボイラで黒液を燃焼させることにより得られる蒸気や電気のうち工場内で用いられる蒸気や電気は製造コストを下げる因子として、また、工場外や工場内の他の発電設備によって発電される発電量は製造コストとして、および、黒液から生み出される付加価値の量を増加させる因子として損益計算で考慮することが可能になっている。
このように、パルプ製造工程Pを経て製造パルプおよび黒液が製造されるが、特に黒液は製造コストを下げる手段または販売益を得る手段のいずれかになり得る。また、原料が何かに応じて、黒液の単位重量あたりの発熱量が変化すると、それと共に、同一の原料使用量から製造されるパルプの製造量および黒液の製造量も変化する。加えて、原料の価格や輸送費などを含む調達コストや、FIT制度下でもない限り需要と供給とで決まる売電単価は、日々変化し得る。つまり、最も適切なものとして決められた使用原料は、事業環境の変化に応じて、事業損益の観点から最適なものではないものとなっている場合がある。そして、工場における損益を最大化させるなど、事業損益を高めるにあたって、パルプまたは黒液のいずれの製造を優先させるべきか、また、黒液により生み出される価値(付加価値)をどう利用すべきかの判断は難しい。
このような中で、本発明者らは、再生可能エネルギーである黒液を燃料利用した際に得られる電気などの販売損益(利益)と、製紙などを通したパルプの販売損益とに基づいて、より良い損益が得られるだろうパルプ原料を選択すれば、利益を最大化するなど、事業環境に応じた事業の最適化ができると考えた。例えば、黒液を用いて発電した電力の販売益が高ければ、パルプの製造コストを下げることよりも、黒液をより多く回収することが可能な原料を用いるなどする方が、パルプ損益と黒液損益との合計損益がより高くなり、事業損益がより高くなる場合が考えられる。この際、さらに、工場内で利用する電気を敢えて外部から購入し、黒液に基づく電気を売電に回した方が、合計損益などがより高くなる場合も考えられる。逆に、紙などの需要が高く、黒液の回収量や発熱量が少なくなったとしても、パルプをより低コストで製造可能な原料を用いるなどする方が、合計損益がより高くなる場合も考えられる。
したがって、選択した対象原料を用いた場合の黒液損益およびパルプ損益をそれぞれ算出することにより、異なる対象原料の試算結果同士や目標損益などと比較するなどを通して、使用原料(対象原料)を何にするかの選択を容易にすることができる。また、例えば複数の原料をそれぞれ対象原料として試算、比較すれば、合計損益を最大化するのに適した原料を知ることができる。また、工場内の電気、蒸気需要や、パルプ製造予定量Qpなども変数として試算すれば、変数に対応する条件も加味した最適化なども可能になる。
上記の構成によれば、選択した対象原料でパルプ製造予定量Qp分のパルプを製造するのに必要な原料使用量Qrに基づいて黒液製造予定量Qfを算出すると共に、黒液製造予定量Qfに基づいて黒液を燃料とする回収ボイラで発生される総蒸気予定量Qsを算出することにより、パルプ製造予定量Qp分のパルプを紙製品などとして販売した場合の損益(パルプ損益)、および、黒液製造予定量Qp分の黒液を燃料に回収ボイラで生成される蒸気を電気に変換するなどして販売した場合の損益(黒液損益)をそれぞれ算出する。これによって、対象原料を用いた場合のパルプ損益および黒液損益の各々の試算結果を得ることができる。また、パルプ製造予定量Qp分のパルプを製造するのに必要な原料使用量Qrや回収される黒液量は原料種類に応じて異なるところ、パルプ損益および黒液損益の各々の試算結果を算出することにより、試算結果に基づいて原料種類を決定することができるようになり、事業損益を最大化し得る原料種類を試算結果に基づいて選択するなど、事業の最適化を図ることができる。
幾つかの実施形態では、上述した対象原料候補が複数の対象原料候補を含んでいる場合において、図1に示すように、パルプ製造損益試算システム1は、上述したパルプ損益および黒液損益の合計損益を算出する合計損益算出部63と、複数の対象原料候補の各々を対象原料としてそれぞれ算出した複数の合計損益のうち、合計損益が最も高くなる対象原料(原料)を特定する原料特定部7と、をさらに備える。つまり、パルプ製造損益試算システム1は、複数の対象原料についての合計損益をそれぞれ算出し、合計損益が最も大きかった対象原料を選び出す。こうして特定された原料は、複数の原料のうちのどれが合計損益を最大にする原料であるのかユーザが把握できる状態で、上位N個(1≦N≦対象原料候補の総数)の原料と共に表示装置によりに表示されても良いし、単独で表示装置により表示されても良い。
上記の構成によれば、複数の対象原料候補のうちから、パルプ損益と黒液損益との合計損益が最大になる原料を特定する。これによって、合計損益の観点から事業を最適化可能な原料をより容易に特定することができる。
幾つかの実施形態では、図1に示すように、上述したパルプ製造予定量決定部2は、紙需要量Dに基づいて紙製造量Mを算出する紙製造量算出部21と、紙製造量算出部21によって算出された紙製造量Mに基づいて、パルプ製造予定量Qpを算出するパルプ量算出部22と、を有する。本実施形態における上記の紙需要量Dは紙および板紙の少なくとも一方を含む紙製品の市場全体の需要量である。また、紙製造量Mは、対象とする1以上の工場(対象工場)で製造する紙製品の例えば数量や重量などの量である。
例えば、紙需要量Dに基づいて紙製造量Mを算出するにあたって、図1に示すように、再生紙の量あるいは比率(以下、再生紙量Drという)や、対象工場を所有する1または複数の事業者の市場占有率(市場シェアDm)や、紙製品の在庫量(以下、紙在庫量Ds)、紙製品の輸出、輸入の量あるいは比率(以下、紙輸出量De、紙輸入量Di)の少なくとも1つを考慮することによって、紙製造量Mは紙需要量Dよりも少ないものとなっても良い。例えば、再生紙を紙需要量Dに充てる場合には、古紙パルプを製造することになるが、古紙パルプの製造過程では黒液は回収されないので、パルプ損益および黒液損益の試算にあたっては、その分を除外する。つまり、再生紙の分は紙需要量Dからのマイナス因子とする。同様に、市場シェアDmを超える紙需要量Dの部分、紙在庫量Dsや紙輸入量Diは、その分パルプを製造する必要は必ずしもないので、マイナス因子として考慮する。逆に、紙輸出量Deは、その分パルプを製造する必要があるので、プラス因子として考慮する。なお、市場シェアDmは、過去の実績に基くものであっても良いし、予測であっても良い。
より具体的には、対象工場をある1の事業者が所有する1または複数の工場であるとすると、例えば、上述した各種要素(再生紙量Dr、紙在庫量Ds、紙輸入量Diや紙輸出量De)は全て自社のものとして、紙需要量Dにその事業者(自社)の市場シェアDmを乗算した量(自社製品で賄う需要量)をベースに、上述したような他の各種要素(自社)のうちの考慮する要素を差し引きするなどして、紙製造量Mを算出しても良い。あるいは、例えば、市場シェアDm、紙在庫量Dsを自社、その他の各種要素を市場全体のものとすると、自社の紙在庫量Dsを除く各種要素(同上)を紙需要量Dから差し引きするなどした上で、自社の市場シェアDmを乗算し、そこから自社の紙在庫量Dsを差し引くなどして求めても良い。
図1に示す実施形態では、紙製造量算出部21は、紙需要量Dに基づいて紙製造量Mを算出するにあたって、再生紙量Drを考慮している。このため、図1に示すように、パルプ製造損益試算システム1は、紙製造量Mのうちの再生紙で賄う再生紙量Drを算出する再生紙量算出部23を、さらに有する。そして、紙製造量算出部21は、紙需要量Dと再生紙量Drとに基づいて紙製造量Mを算出する(以下参照)。このように、紙製造量Mの算出にあたって再生紙量Drを考慮することにより、紙製造量Mに基づいて算出されるパルプ製造予定量Qpが古紙パルプを含まないものとする。これによって、対象原料の原料使用量Qrをより正確に算出することができるので、黒液製造予定量Qfをより正確に算出することができる。したがって、パルプ損益および黒液損益をより正確に算出することが可能になる。
さらに、図1に示す実施形態では、紙製造量算出部21は、再生紙量Drに加えて、市場シェアDm、紙在庫量Dsと、紙輸出量Deおよび紙輸入量Diとを考慮している。具体的には、再生紙量Drを紙需要量Dにおける再生紙割合(再生紙比率)とし、紙在庫量Ds、紙輸入量Diおよび紙輸出量Deをそれぞれ数量とすると、紙製造量算出部21は、上述した各種要素を自社のものとして、紙製造量Mを、紙需要量D×市場シェアDm×{1-再生紙比率(Dr)}-紙在庫量Ds-紙輸入量Di+紙輸出量Deで算出する。市場シェアDm、紙在庫量Dsを自社、その他の各種要素を市場全体のものとして、紙製造量Mを、[紙需要量D×{1-再生紙比率(Dr)}-紙輸入量Di+紙輸出量De]×市場シェアDm-紙在庫量Dsで算出しても良い。
あるいは、再生紙量Drは紙製造量Mにおける再生紙の比率であっても良く、この場合には、紙製造量算出部21は、上述した各種要素を自社のものとして、紙製造量Mを、(紙需要量D×市場シェアDm-紙在庫量Ds-紙輸入量Di+紙輸出量De)×{1-再生紙比率(Dr)}で算出する。市場シェアDm、紙在庫量Dsを自社、その他の各種要素を市場全体のものとして、紙製造量Mを、{(紙需要量D-紙輸入量Di+紙輸出量De)×市場シェアDm-紙在庫量Ds}×{1-再生紙比率(Dr)}で算出しても良い。
同様に、再生紙量Drが再生紙の数量の場合には、上述した各種要素を自社のものとして、紙製造量Mは、紙需要量D×市場シェアDm-紙在庫量Ds-再生紙の数量(Dr)-紙輸入量Di+紙輸出量Deで算出する。市場シェアDm、紙在庫量Dsを自社、その他の各種要素を市場全体のものとして、紙製造量Mを、{紙需要量D-再生紙の数量(Dr)-紙輸入量Di+紙輸出量De}×市場シェアDm-紙在庫量Dsで算出しても良い。
なお、上記の演算式で算出された紙製造量Mが対象工場での紙の最大製造量を超える場合には、紙製造量Mを紙の最大製造量にする。また、紙製造量Mが求まれば、その分の紙を製造するために必要なパルプ量が求まるので、パルプ量算出部22は、紙製造量算出部21から受信した紙製造量Mに基づいて上述したパルプ製造予定量Qpを算出する。この際、パルプ製造予定量が対象工場でのパルプの最大製造量を超える場合には、パルプ製造予定量をこのパルプの最大製造量にする。
上記の構成によれば、紙需要量Dに基づいて算出した紙製造量Mに基づいて、パルプ製造予定量Qpを決定する。紙需要量Dからパルプ製造予定量Qpを決定することにより、事業の最適化をより精度良く図ることができる。
幾つかの実施形態では、上述したパルプ製造予定量決定部2は、パルプの在庫量(以下、パルプ在庫量Ps)を取得する在庫量取得部24を、さらに有する。そして、パルプ量算出部22は、紙製造量Mとパルプ在庫量Psとに基づいて、パルプ製造予定量Qpを算出する。つまり、既に製造されているパルプからは黒液は製造されないため、紙製造量Mから求まるパルプの製造量からパルプ在庫量Psを差し引くなどして、パルプ製造予定量Qpを算出する。これによって、パルプ製造予定量Qpに基づいて算出される対象原料の原料使用量Qrをより正確に算出することができるので、黒液製造予定量Qfをより正確に算出することができる。したがって、パルプ損益および黒液損益をより正確に算出することができる。
以下、上述したパルプ製造損益試算システム1が実行する処理に対応したパルプ製造損益試算方法について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るパルプ製造損益試算方法を示すフロー図である。
幾つかの実施形態では、図3に示すように、パルプ製造予定量決定ステップ(S1)と、対象原料選択ステップ(S2)と、原料使用量算出ステップ(S3)と、黒液製造予定量算出ステップ(S4)と、総蒸気予定量算出ステップ(S5)と、黒液損益算出ステップおよびパルプ損益算出ステップを含む損益算出ステップ(S6)と、を備える。
図3に示すパルプ製造損益試算方法を、図3のステップ順に説明する。
図3のステップS1において、パルプ製造予定量決定ステップを実行する。パルプ製造予定量決定ステップ(S1)は、製造するパルプの予定量である、上述したパルプ製造予定量Qpを決定するステップである。パルプ製造予定量決定ステップ(S1)は、上述したパルプ製造予定量決定部2が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略するが、幾つかの実施形態では、パルプ製造予定量決定ステップ(S1)は、紙需要量D(前述)に基づいて紙製造量M(前述)を算出(紙製造量算出ステップ)した後、算出した紙製造量Mに基づいて、パルプ製造予定量Qpを算出(パルプ量算出ステップ)しても良い。この際、幾つかの実施形態では、パルプ製造予定量決定ステップ(S1)は、紙製造量Mのうちの再生紙で賄う再生紙量Dr(前述)を算出(再生紙量算出ステップ)し、上記の紙製造量算出ステップは、紙需要量Dと再生紙量Drとに基づいて紙製造量Mを算出しても良い。上記の紙製造量算出ステップ、パルプ量算出ステップ、再生紙量算出ステップは、それぞれ、既に述べた、紙製造量算出部21、パルプ量算出部22、再生紙量算出部23の処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS2において、対象原料選択ステップを実行する。対象原料選択ステップ(S2)は、パルプの原料となる上述した対象原料を少なくとも一つの上述した対象原料候補から選択するステップである。対象原料選択ステップは、上述した対象原料選択部31が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS3において、原料使用量算出ステップを実行する。原料使用量算出ステップ(S3)は、上記のパルプ製造予定量決定ステップ(S1)によって決定されたパルプ製造予定量Qpを製造するのに必要な対象原料の原料使用量Qrを算出するステップである。原料使用量算出ステップは、上述した原料使用量算出部33が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。図3に示す実施形態では、原料使用量算出ステップでは、対象原料についてのパルプ単位製造量Bp(前述)および黒液単位製造量Bf(前述)を含む対象原料の原料情報Bを取得(対象原料情報取得ステップ)した後、取得した原料情報Bのパルプ単位製造量Bpとパルプ製造予定量Qpとに基づいて、対象原料の原料使用量Qrを算出する。この対象原料情報取得ステップは、既に述べた対象原料情報取得部32の処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS4において、黒液製造予定量算出ステップを実行する。黒液製造予定量算出ステップ(S4)は、上述した原料使用量算出ステップ(S3)によって算出された原料使用量Qrから得られる黒液の黒液製造予定量Qfを算出する。黒液製造予定量算出ステップは、上述した黒液製造予定量算出部4が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。図3に示す実施形態では、黒液製造予定量算出ステップ(S4)は、黒液製造予定量Qfを、原料使用量Qrと、上述した対象原料情報取得ステップによって取得された対象原料についての黒液単位製造量Bfとに基づいて算出する。
ステップS5において、総蒸気予定量算出ステップを実行する。総蒸気予定量算出ステップ(S5)は、黒液を燃料とする回収ボイラによって、上記の黒液製造予定量算出ステップ(S4)によって算出された黒液製造予定量Qfから得られる総蒸気予定量Qsを算出するステップである。総蒸気予定量算出ステップ(S5)は、上述した総蒸気予定量算出部5が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
ステップS6において、損益算出ステップを実行する。損益算出ステップ(S6)は、黒液損益(前述)およびパルプ損益(前述)をそれぞれ算出するステップであり、上記の総蒸気予定量Qsに基づいて黒液損益を算出する黒液損益算出ステップと、上記のパルプ製造予定量Qpに基づいてパルプ損益を算出するパルプ損益算出ステップを含む。黒液損益算出ステップ、パルプ損益算出ステップは、それぞれ、上述した黒液損益算出部61、パルプ損益算出部62が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。なお、算出された黒液損益およびパルプ損益は、表示装置の画面上や紙などで示される。
上記の構成によれば、対象原料を用いた場合のパルプ損益および黒液損益の各々の試算結果を得ることができ、事業損益を最大化し得る原料種類を試算結果に基づいて選択するなど、事業の最適化を図ることができる。
また、幾つかの実施形態では、図3に示すように、上述した対象原料候補は、複数の対象原料候補を含んでおり、パルプ製造損益試算方法は、パルプ損益および黒液損益の合計損益を算出する合計損益算出ステップ(S7)と、複数の対象原料候補の各々を対象原料としてそれぞれ算出した複数の合計損益のうち、合計損益が最も高くなる複数の対象原料候補における原料を特定する原料特定ステップ(S9)と、をさらに備えていても良い。合計損益算出ステップ(S7)、原料特定ステップ(S9)は、それぞれ、上述した合計損益算出部63、原料特定部7が実行する処理内容と同様であるため、詳細は省略する。
図3に示す実施形態では、ステップS7において、上述した損益算出ステップ(S6)によって算出された黒液損益およびパルプ損益の合計損益を算出する。そして、上述したステップS1~S7を、複数の対象原料候補の各々に対して行う。そして、ステップS8において、複数の対象原料候補の全てに対してステップS1~S8を繰り返した場合には、ステップS9に進み、複数の対象原料候補の各々に対して算出された合計損益のうち最も高い合計損益の算出に用いられた対象原料(原料)を特定(選出)する。なお、原料特定ステップ(S9)によって特定された原料は、表示装置によって、ディスプレイ上や紙上などで示される。
上記の構成によれば、合計損益の観点から事業を最適化可能な原料をより容易に特定することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 パルプ製造損益試算システム
2 パルプ製造予定量決定部
21 紙製造量算出部
22 パルプ量算出部
23 再生紙量算出部
24 在庫量取得部
31 対象原料選択部
32 対象原料情報取得部
33 原料使用量算出部
4 黒液製造予定量算出部
5 総蒸気予定量算出部
6 損益算出部
61 黒液損益算出部
62 パルプ損益算出部
63 合計損益算出部
7 原料特定部
81 原料情報データベース
82 設備情報データベース

P パルプ製造工程
Qp パルプ製造予定量
Qr 原料使用量
Qf 黒液製造予定量
Qs 総蒸気予定量
B 原料情報
Bf 黒液単位製造量
Bp パルプ単位製造量
D 紙需要量
Ds 紙在庫量
Dr 再生紙量
Dm 市場シェア
De 紙輸出量
Di 紙輸入量
M 紙製造量
Ps パルプ在庫量

Claims (10)

  1. パルプ製造を通して得られるパルプ損益、および前記パルプ製造により生成される黒液の製造を通して得られる黒液損益をそれぞれ試算するパルプ製造損益試算システムであって、
    製造するパルプの予定量であるパルプ製造予定量を決定するパルプ製造予定量決定部と、
    前記パルプの原料となる対象原料を複数の対象原料候補から選択する対象原料選択部と、
    前記パルプ製造予定量を製造するのに必要な前記対象原料の原料使用量を算出する原料使用量算出部と、
    前記原料使用量から得られる前記黒液の黒液製造予定量を算出する黒液製造予定量算出部と、
    前記黒液を燃料とする回収ボイラによって前記黒液製造予定量から得られる蒸気の総蒸気予定量を算出する総蒸気予定量算出部と、
    前記総蒸気予定量に基づいて前記黒液損益を算出する黒液損益算出部と、
    前記パルプ製造予定量に基づいて前記パルプ損益を算出するパルプ損益算出部と、を備えるとともに、
    前記パルプ損益および前記黒液損益の合計損益を算出する合計損益算出部と、
    前記複数の対象原料候補の各々を前記対象原料としてそれぞれ算出した複数の前記合計損益のうち、前記合計損益が最も高くなる前記対象原料を特定する原料特定部と、をさらに備える
    ことを特徴とするパルプ製造損益試算システム。
  2. 前記対象原料の所定単位から製造される前記パルプのパルプ単位製造量および前記黒液の黒液単位製造量を含む前記対象原料の原料情報を取得する対象原料情報取得部を、さらに備え、
    前記原料使用量算出部は、前記原料使用量を、前記パルプ製造予定量と前記対象原料についての前記パルプ単位製造量に基づいて算出し、
    前記黒液製造予定量算出部は、前記黒液製造予定量を、前記原料使用量と前記対象原料についての前記黒液単位製造量とに基づいて算出することを特徴とする請求項1に記載のパルプ製造損益試算システム。
  3. 前記パルプ製造予定量決定部は、
    紙需要量に基づいて紙製造量を算出する紙製造量算出部と、
    前記紙製造量に基づいて、前記パルプ製造予定量を算出するパルプ量算出部と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載のパルプ製造損益試算システム。
  4. 前記パルプ製造予定量決定部は、前記紙製造量のうちの再生紙で賄う再生紙量を算出する再生紙量算出部を、さらに有し、
    前記紙製造量算出部は、前記紙需要量と前記再生紙量とに基づいて前記紙製造量を算出することを特徴とする請求項に記載のパルプ製造損益試算システム。
  5. 前記パルプ製造予定量決定部は、前記パルプの在庫量を取得する在庫量取得部を、さらに有し、
    前記パルプ量算出部は、前記紙製造量と前記パルプの在庫量とに基づいて、前記パルプ製造予定量を算出することを特徴とする請求項またはに記載のパルプ製造損益試算システム。
  6. パルプ製造を通して得られるパルプ損益、および前記パルプ製造により生成される黒液の製造を通して得られる黒液損益をそれぞれ試算するパルプ製造損益試算方法であって、
    製造するパルプの予定量であるパルプ製造予定量を決定するパルプ製造予定量決定ステップと、
    前記パルプの原料となる対象原料を複数の対象原料候補から選択する対象原料選択ステップと、
    前記パルプ製造予定量を製造するのに必要な前記対象原料の原料使用量を算出する原料使用量算出ステップと、
    前記原料使用量から得られる前記黒液の黒液製造予定量を算出する黒液製造予定量算出ステップと、
    前記黒液を燃料とする回収ボイラによって前記黒液製造予定量から得られる蒸気の総蒸気予定量を算出する総蒸気予定量算出ステップと、
    前記総蒸気予定量に基づいて前記黒液損益を算出する黒液損益算出ステップと、
    前記パルプ製造予定量に基づいて前記パルプ損益を算出するパルプ損益算出ステップと、を備えるとともに、
    前記パルプ損益および前記黒液損益の合計損益を算出する合計損益算出ステップと、
    前記複数の対象原料候補の各々を前記対象原料としてそれぞれ算出した複数の前記合計損益のうち、前記合計損益が最も高くなる前記複数の対象原料候補における前記原料を特定する原料特定ステップと、をさらに備えることを特徴とするパルプ製造損益試算方法。
  7. 前記対象原料の所定単位から製造される前記パルプのパルプ単位製造量および前記黒液の黒液単位製造量を含む前記対象原料の原料情報を取得する対象原料情報取得ステップを、さらに備え、
    前記原料使用量算出ステップは、前記原料使用量を、前記パルプ製造予定量と前記対象原料についての前記パルプ単位製造量に基づいて算出し、
    前記黒液製造予定量算出ステップは、前記黒液製造予定量を、前記原料使用量と前記対象原料についての前記黒液単位製造量とに基づいて算出することを特徴とする請求項に記載のパルプ製造損益試算方法。
  8. 前記パルプ製造予定量決定ステップは、
    紙需要量に基づいて紙製造量を算出する紙製造量算出ステップと、
    前記紙製造量に基づいて、前記パルプ製造予定量を算出するパルプ量算出ステップと、を有することを特徴とする請求項6または7に記載のパルプ製造損益試算方法。
  9. 前記パルプ製造予定量決定ステップは、前記紙製造量のうちの再生紙で賄う再生紙量を算出する再生紙量算出ステップを、さらに有し、
    前記紙製造量算出ステップは、前記紙需要量と前記再生紙量とに基づいて前記紙製造量を算出することを特徴とする請求項に記載のパルプ製造損益試算方法。
  10. 前記パルプ製造予定量決定ステップは、前記パルプの在庫量を取得する在庫量取得ステップを、さらに有し、
    前記パルプ量算出ステップは、前記紙製造量と前記パルプの在庫量とに基づいて、前記パルプ製造予定量を算出することを特徴とする請求項またはに記載のパルプ製造損益試算方法。
JP2017231096A 2017-11-30 2017-11-30 パルプ製造損益試算システム、およびパルプ製造損益試算方法 Active JP7029280B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017231096A JP7029280B2 (ja) 2017-11-30 2017-11-30 パルプ製造損益試算システム、およびパルプ製造損益試算方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017231096A JP7029280B2 (ja) 2017-11-30 2017-11-30 パルプ製造損益試算システム、およびパルプ製造損益試算方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019099939A JP2019099939A (ja) 2019-06-24
JP7029280B2 true JP7029280B2 (ja) 2022-03-03

Family

ID=66976231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017231096A Active JP7029280B2 (ja) 2017-11-30 2017-11-30 パルプ製造損益試算システム、およびパルプ製造損益試算方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7029280B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006016985A (ja) 2004-06-30 2006-01-19 Hitachi Ltd 黒液利用発電システム及びその制御方法
JP2009531424A (ja) 2006-03-29 2009-09-03 バージニア テック インテレクチュアル プロパティーズ インク 穏やかな反応条件でのセルロース溶媒に基づくリグノセルロースの分別および試薬の再循環

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2674640B2 (ja) * 1985-07-31 1997-11-12 日本製紙 株式会社 最適化制御装置
JPH01224804A (ja) * 1988-03-04 1989-09-07 Toshiba Corp Aiプロセス監視制御装置
JPH04194092A (ja) * 1990-11-22 1992-07-14 Toshiba Corp クラフトパルプトータル管理装置
JPH11217788A (ja) * 1998-01-22 1999-08-10 Yokogawa Electric Corp 製紙工場の統合制御システム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006016985A (ja) 2004-06-30 2006-01-19 Hitachi Ltd 黒液利用発電システム及びその制御方法
JP2009531424A (ja) 2006-03-29 2009-09-03 バージニア テック インテレクチュアル プロパティーズ インク 穏やかな反応条件でのセルロース溶媒に基づくリグノセルロースの分別および試薬の再循環

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019099939A (ja) 2019-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Dias et al. Integrated versus stand-alone second generation ethanol production from sugarcane bagasse and trash
Ghosal et al. Investments in modernization, innovation and gains in productivity: Evidence from firms in the global paper industry
CN102890495B (zh) 成套设备的诊断方法以及装置
CN108490904A (zh) 一种基于设备多工况运行的能源***优化调度方法
Gatimbu et al. Environmental efficiency of small-scale tea processors in Kenya: an inverse data envelopment analysis (DEA) approach
US20080140439A1 (en) Method and apparatus for analyzing the variable operating rate of a manufacturing process
Gaudreault et al. Energy decision making in a pulp and paper mill: selection of LCA system boundary
Benedetti et al. A proposal for energy servicesʼ classification including a product service systems perspective
Kotowicz et al. The influence of the legal and economical environment and the profile of activities on the optimal design features of a natural-gas-fired combined heat and power plant
Jönsson et al. Pathways to a sustainable European kraft pulp industry: Trade-offs between economy and CO2 emissions for different technologies and system solutions
Dias et al. Techno-economic analysis of cogeneration of heat and electricity and second-generation ethanol production from sugarcane
JP7029280B2 (ja) パルプ製造損益試算システム、およびパルプ製造損益試算方法
Pradnyaswari et al. Barriers and opportunities of bio pellets fuel development in Indonesia: market demand and policy
Lundmark et al. Large-scale implementation of biorefineries: New value chains, products and efficient biomass feedstock utilisation
Ingvarsson et al. The chemical pulp mill as a flexible prosumer of electricity
Leocadio et al. Economic evaluation of a CHP biomass plant using stochastic dual dynamic programming
Teo et al. Hybrid optimisation model for the synthesis of centralised utility system in eco-industrial park
Newes et al. Biomass resource allocation among competing end uses
CN112508222A (zh) 燃气轮机冷热电三联供项目装机方案推荐方法、***以及终端
Parris AGRICULTURE, BIOMASS, SUSTAINABILITY AND POLICY: ANOVERVIEW
Takács et al. Model for optimization of biomass utilization for energy production by energetic and economic requirements
Yarnal et al. Energy management in cogeneration system of sugar industry using system dynamics modeling
Minciuc et al. Energy Management for Energy Efficiency.
Janssen et al. Choice of a sustainable forest biorefinery product platform using an MCDM method
Valverde et al. An Alternative Circular Business Model: Pineapple Waste for the Production of Textile Fiber for Rope Confection in Costa Rica

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20201111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220106

TRDD Decision of grant or rejection written
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20220121

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7029280

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150