JP4313087B2 - 酸素濃縮装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素濃縮装置とその制御方法に係り、低純度ガスを呼吸用として用いて治療を行う場合に設定流量に拘わらす常に安定して酸素の供給を行うことのできる酸素濃縮装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
吸着型酸素濃縮方式の酸素濃縮装置は、大気を原料空気とした圧縮空気を、2本の吸着筒体内に交互に送り込み、吸着筒体内に充填された吸着剤により窒素を吸着し、酸素のみを製品タンク内に貯蔵しておき、酸素濃度を90%程度に維持し、適宜供給できるように構成されている。また、この酸素濃縮装置を使用する患者は、症状に応じて酸素流量を任意に設定することができ、例えば毎分0.1〜5リットルの範囲の連続使用状態に設定できる。この吸着型酸素濃縮方式の酸素濃縮装置を使用することで、慢性呼吸不全などの患者に、例えば酸素濃度90%の酸素を供給できるようにしている。
【0003】
一方、酸素分離膜を用いた膜式酸素濃縮器も実用化されている。この酸素分離膜を用いた動作原理による機種では、酸素濃度が約40%程度の酸素を安定供給できることから、高濃度の酸素を必要としない主に乳児の慢性肺疾患の治療用として使用されている。
【0004】
また、吸着型酸素濃縮方式の酸素濃縮装置において、酸素流量と酸素濃度を任意に設定するための具体的な構成について提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許公報1】
特開平6−315533号公報
【発明が解決しようとする課題】
以上の吸着型酸素濃縮方式の酸素濃縮装置によれば、一般的に酸素濃度40%の酸素を呼吸用として連続して安定供給できるように構成されているが、この酸素濃度は酸素の消費に伴い変動することが知られている。すなわち、酸素流量を大きく設定すると、酸素濃度が低下し、逆に酸素流量を小さく設定すると、酸素濃度が上昇する傾向となる。さらに、使用環境温度によっても影響を受ける。
【0006】
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであり、設定される酸素流量の如何に拘わらず、酸素濃度を安定的に保持できる酸素濃縮装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、圧縮空気を入口部から内部に導入し、前記内部に充填された吸着剤により窒素を吸着し、酸素を出口部から排出する2本の吸着筒体と、
前記2本の吸着筒体に対して交互に前記圧縮空気を導入し、一方の吸着筒体の吸着剤が飽和したときに窒素を外部に排出し、他方の吸着筒体から酸素を取り出すように切り換えるために前記入口部に配管される切換弁と、
前記2本の吸着筒体の出口部の間に配管され、前記2本の吸着筒体の一方が所定内圧になったときに開かれることで均等圧化をする均等圧弁と、
前記排出された酸素を40%の酸素濃度と設定流量とで送り出す酸素供給手段とを配管した酸素濃縮装置であって、
前記酸素供給手段に配管され、酸素濃度の検出をする濃度検出手段と、
前記濃度検出手段で検出された酸素濃度が40%よりも高いときには、その差分に応じて前記均等圧弁の開時間を長くし、40%よりも低いときには、その差分に応じて前記均等圧弁の開時間を短くする補正手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明によれば、圧縮空気を入口部から内部に導入し、前記内部に充填された吸着剤により窒素を吸着し、酸素を出口部から排出する2本の吸着筒体と、前記2本の吸着筒体に対して交互に前記圧縮空気を導入し、一方の吸着筒体の吸着剤が飽和したときに窒素を外部に排出し、他方の吸着筒体から酸素を取り出すように切り換えるために前記入口部に配管される切換弁と、前記2本の吸着筒体の出口部の間に配管され、前記2本の吸着筒体の一方が所定内圧になったときに開かれることで均等圧化をする均等圧弁と、前記排出された酸素を、任意に設定された設定濃度と設定流量とで送り出す酸素供給手段とを配管した酸素濃縮装置であって、前記酸素供給手段に配管され、酸素濃度の検出をする濃度検出手段と、前記酸素供給手段に配管され、酸素流量の検出をする流量検出手段と、前記濃度検出手段で検出された酸素濃度が前記設定濃度よりも高いときには、その差分に応じて前記均等圧弁の開時間を長くし、前記設定濃度よりも低いときには、その差分に応じて前記均等圧弁の開時間を短くする補正手段と、を備えることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な一実施形態について添付の図面を参照して述べる。
【0016】
図1は、ブロック図を兼ねた吸着型酸素濃縮方式の酸素濃縮装置の配管図である。本図において、太い実線は配管36であって空気、酸素、窒素ガスの流路を示している。また、細い実線は電源供給または電気信号の配線を示している。
【0017】
本図において、以下原料空気の流れ方向と酸素と窒素ガスの流れ方向に準じて述べると、配管36の最上流側には配管36の内部に流入される原料空気の最初の濾過を行うフィルター33が接続されている。この下流側には、さらに微小なゴミの濾過を行う吸気フィルター30が接続されており、ゴミ、ダスト類の除去が行われる。この吸気フィルター30の下流には濾過された原料空気の消音を行う吸気用消音器37が接続されており、吸気音が消音される。この下流には配管36を介してコンプレッサー38が接続されている。コンプレッサー38において吸気口から濾過後の原料空気が導入されてから、2つの圧縮室内において圧縮されることで圧縮空気が発生される。その後に、下流側に配管された熱交換器40に送り出される。この熱交換器40は、コンプレッサー38で圧縮により温度上昇した圧縮空気を冷やすためのものであり、放熱効果に優れたアルミ管などの金属パイプをコイル状にすることで表面積を増やしている。
【0018】
この熱交換器40はコンプレッサー38の近くに配置されており、外部から装置内に導入された外部空気を直に送風するための一対の冷却用ファン39、39からの送風をコンプレッサー38と同時に受けることで金属パイプを冷やすことで圧縮空気を冷却できるように構成されている。この熱交換器40で十分に冷やされた後の圧縮空気は、下流に配管されている2本の第1吸着筒体43と第2吸着筒体44の入口部43a、44aに対して交互に供給される。このように交互に切り換えて圧縮空気を各吸着筒体43、44の入口部に供給するために4個のニ方向弁であって電磁駆動されるソレノイド弁により流路を2方向に個別に切り換えるための切換弁1、2、3、4が図示のように接続されている。
【0019】
具体的には、4個のニ方向弁1、2、3、4をリング状に連結し、隣合う各弁の間からそれぞれ配管を引出して配管し、コンプレッサー38からの配管36を切換弁2、3に分岐して接続し、切換弁1からの配管を第1吸着筒体43の入口部43aに、そして切換弁4からの配管を第2吸着筒体44の入口部44aに接続している。また、切換弁1、4からの配管は消音器42に接続されており、第1吸着筒体43と第2吸着筒体44から放出される窒素と水分による排気音を低減してから装置外部に排気するようにしている。
【0020】
そして、第1吸着筒体43と第2吸着筒体44は上方においてさらに出口部43b、44bを形成した筒体として形成されており起立状態で固定されるとともに、内部に吸着剤である顆粒状のゼオライトが充填されており、表面積を大きくすることで窒素の吸着と酸素を生成するための触媒担体として機能できるようにしている。これらの各吸着筒体43、44はその一方が吸着工程にあるときは、他方を吸着剤の再生に当て、そのサイクルごとに切換弁を後述するように所定のタイミングで切換えることにより、連続して酸素を発生する。
【0021】
一方、第1吸着筒体43と第2吸着筒体44の出口部43b、44bには2本の吸着筒体43、44の内の一方が、圧縮空気が送られることにより所定の内圧になったときに開かれることで相互の均等圧化をするために電磁的に駆動される均等圧弁5が配管されている。この均等圧弁5にはさらに絞り弁6が配列して配管されている。あるいは、均等圧弁5は絞り弁を一体化した電磁ソレノイド弁として構成されている。
【0022】
さらに、第1吸着筒体43の出口部43b側には第1逆止弁46aが、また第2吸着筒体44の出口部44b側には第2逆止弁46bが図示のように接続されている。また、各逆止弁の下流側は合流点で合流するように図示のように配管36がされており、この合流点において各吸着筒体43、44内の圧力を検出するための圧力センサ29が接続されており、この圧力センサ29からの出力結果に応じて後述する制御を行なうようにしている。
【0023】
圧力センサ29から分岐した配管には各吸着筒体で生成された酸素を貯蔵するための製品タンク47が配管されている。また、この製品タンク47の下流側には、酸素を取り出す圧力を調整するための圧力調整器31が配管されている。この圧力調整器31の下流側には、細菌類の除菌を行なうバクテリアフィルター32が配管されており、除菌後の酸素を流量設定手段である流量設定ダイヤル27に送るようにしている。さらに、図示のように配管36は途中から分岐しており濃度検出手段である酸素濃度センサ48に対して酸素を送り、酸素濃度の検出を行ない、検出結果を後述の制御基板に送るようにしている。
【0024】
各吸着筒体に内蔵されたゼオライトにより窒素が吸着されることにより生成された酸素は、湿度はほとんどゼロに近いことから患者がそのまま吸引すると喉の渇きを招く。そこで、下流には精製水を貯液した加湿器20が配管されており、精製水中を微細な気泡として通過する過程で、酸素に湿度を与えるようにしている。この加湿器20の下流側には、湿度センサーと流量検出手段である流速センサ50が接続されており、酸素出口管10に対して設定された流量の酸素が供給されていることを常時モニターするようにしている。この酸素出口管10には、カプラー11が接続されており、このカプラー11に接続されたチューブ12を介して鼻カニューラ13が接続されている。患者はこの鼻カニューラ13を鼻腔にセットして酸素を吸入することとなる。
【0025】
一方、上記の各センサとニ方向の切換弁1、2、3、4と均等圧弁5の各電磁弁は制御基板51に接続されており、後述する電磁弁の切換制御が行なわれるようにしている。この制御基板51は点検が容易となる位置に配設される点検用基板23にさらに接続されるとともに、商用電源19に接続された安定化電源52からの電源供給を受け、停電時に自動的に電力供給可能な状態に切り換わる充電電池などの2次電源34がさらに接続されている。
【0026】
図2(a)から(c)は、図1の動作説明ために切換弁1、2、3、4と均等圧弁5を模式的に示した図である。本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、先ず、図2(a)において、切換弁1、2、3、4は図示の状態に切り換えられており、配管36からの圧縮空気を第1の吸着筒体43のみに供給する。このとき均等圧弁5は閉じており、絞り弁6を介して酸素を第2の吸着筒体44にごく僅か供給する状態となっている。この状態で、第1の吸着筒体43のゼオライトによる窒素の吸着がされて酸素が逆止弁46aを介して製品タンク47内に供給される。やがて第1の吸着筒体43のゼオライトが窒素で飽和するが、この状態は圧力センサ29により内圧が高くなったことで検出される。
【0027】
すると、図2(b)に示すように均等圧弁5が開かれることで、第1の吸着筒体43で生成された酸素が第2の吸着筒体44の出口部に送り込まれることで、内蔵のゼオライトの洗浄化が行なわれる。これに続き、配管36が吸着筒体43、44の各入口部に連結するように切換弁3、4とを切り換えることによって、左右圧の均圧化を図り、その後、切換弁1を消音器42の配管と第1の吸着筒体43の入口部との間を連結するように切り替えることで、第1の吸着筒体43の内部に溜まった窒素を外部に排気する。
【0028】
これに続き、図2(c)において、切換弁1、2、3、4を図示の状態に切り換えることで、配管36からの圧縮空気を第2の吸着筒体44のみに供給する状態に移行する。このとき均等圧弁5は閉じられており、絞り弁6を介して酸素を第1の吸着筒体43に対してごく僅か供給する状態となっている。この状態で、第2の吸着筒体44のゼオライトによる窒素の吸着がされて酸素が逆止弁46bを介して製品タンク47内に供給される。やがて第2の吸着筒体44のゼオライトが窒素で飽和するが、この状態は圧力センサ29により内圧が高くなったことで検出される。
【0029】
すると、図2(d)に示すように均等圧弁5が開かれることで、第2の吸着筒体44で生成された酸素が第1の吸着筒体43の出口部に送り込まれることで、内蔵のゼオライトの洗浄化が行なわれる。これに続き、配管36が吸着筒体43と44の入口部に連結するように切換弁1と2とを切り替えることによって、左右圧の均圧化を図りその後、切換弁4を消音器42の配管と第1の吸着筒体44の入口部との間を連結するように切り替えることで、第2の吸着筒体44の内部に溜まった窒素を外部に排気する。以上の切換動作を所定タイミングで繰り返し行うことで、連続した酸素の安定供給を可能としている。
【0030】
図3(a)は、均等圧弁5の開く時間を固定した状態で、図2のサイクルを実行したときの酸素の流量と、酸素濃度%の関係を温度15℃の環境下で測定して得られた図表である。
【0031】
この図表から分かるように、均等圧弁5の開く時間を例えば2.15秒に固定したときには酸素の流量を毎分6リットルに設定ダイヤル27を用いて設定したときに酸素濃度が40%になることが確認された。換言すれば、最大設定流量である毎分6リットルに設定されたときに、酸素濃度が40%を維持できるように均等圧弁5の開く時間を2.15秒に設定していた。しかし、このように均等圧弁5の開く時間を固定してしまうと、酸素の流量をより少ない例えば毎分2リットルに設定すると酸素濃度が80%になることが確認された。さらには、毎分1リットルに設定すると酸素濃度が90%になることも測定された。
【0032】
そこで、図3(b)の図表に示すように、均等圧弁5の開く時間を固定せずに設定される流量が少なくなるにしたがって均等圧弁5の開く時間を長くして、図2のサイクルを実行した結果、酸素の流量の変動に応じて酸素濃度の40%の関係を得られるようにした。
【0033】
すなわち、図3(b)の図表から分かるように、均等圧弁5の開く時間が2.15秒のときに酸素の流量を毎分6リットルに設定したときに酸素濃度が40%になり、酸素の流量をより少ない例えば毎分2リットルに設定したときには均等圧弁5の開く時間をより長い3.54秒にすることで酸素濃度が42%になることが確認され、毎分1リットルに設定したときには、均等圧弁5の開く時間を3.75秒にすることで酸素濃度が42%になることも測定された。このようにして流量(L/分)ー均等圧弁の開時間間隔とをテーブル化して記憶部に記憶させておき、均等圧弁5の開時間を長短に補正することにより、ゼオライトによる吸着時における酸素、窒素分圧の比率を変化させることができるので、酸素濃度を一定に保持する事が可能となる。特に均等圧弁5の開いた初期段階では比較的に高い酸素濃度の酸素ガスが流れ込むが、徐々に開時問が長くなるにつれて低い濃度の酸素ガスであって主に窒素を多く含むガスが反対側の吸着筒体に送り込まれる。この結果、吸着筒体の内部で発生する酸素濃度は低下してくる。吐出流量が減少し、酸素濃度が上昇した場合には、均等圧弁5の開時間を延長して低濃度ガスを反対側に送り込み、発生する酸素濃度を低下させ、逆に、酸素濃度が低下した場合には、開時間を短くして酸素濃度を上昇させることにより、酸素濃度を略一定にする事が可能となる。以上のように均等圧弁5の開く時間を補正することによって安定した酸素供給が可能になる。
【0034】
図4(a)は、装置への電源投入後の全体のタイミングチャートである、また図4(b)は各切換弁1、2、3、4と均等圧弁5への通電状態を示したタイミングチャートである。そして、図5は、上記の制御基板51において実行される動作説明のフローチャートである。
【0035】
図4と図5を参照して、補正手段は制御基板51に実装されるマイクロコンピュータを実装した回路に所定のプログラムとして内蔵されており、酸素濃度が設定濃度以上であると圧等化弁の開時間を長く補正し、設定濃度以下であると均等圧弁の開時間を短く補正するように機能する。また、この補正手段は、所定時間間隔の経過毎に行ない、前回行なった補正の補正値を一時記憶し、一時記憶された補正値を次回の補正に用いるようにしている。または、予め図3(b)に示した図表を記憶素子に予め記憶しておき、均等圧弁の開く時間を設定流量と酸素濃度との関係から決定するようにしても良い。
【0036】
図4と図5に図1のブロック図をさらに参照して、装置の電源が投入されると図5の動作説明のフローチャートにおいてステップS1に進み、初期切換動作を行い図2(a)から(d)の動作を繰り替えすことで酸素を製品タンク47中に貯める。このとき、均等圧弁5の開く時間は例えば2.16秒に固定されており、毎分6リットルの流量で酸素濃度40%の酸素を供給できるようにしている。この後に約5分間経過したことがステップS2で判断されるとステップS3に進み、酸素濃度センサ48と流速センサ50による酸素濃度と酸素流量の検出が行われることで、制御基板51に各検出結果が送られる。次のステップS4では、ステップS3での各センサによる検出後に一定時間の経過を待ち検出誤差などを解消した後にステップS5に進み、再度酸素濃度の検出を行い設定濃度であるか否かを判断する。設定濃度であると判断されるとステップS3に戻り再度検出のループを繰り替えす。ステップS4の経過時間は設定した酸素流量に伴い決定される、これは設定した流量に伴い酸素の濃度変化時間が変わる為である。
【0037】
一方、ステップS5で酸素濃度が設定酸素濃度を逸脱していると判定すると、ステップS6に進み、補正手段による均等圧弁5の開放時間の変更が行われる。具体的には、酸素濃度が設定酸素濃度よりも高いときには、均等圧弁5の開放時間を長くし、酸素濃度が低いときには、均等圧弁5の開放時間を短くする。この補正量は、酸素濃度が設定酸素濃度から逸脱する逸脱濃度量によって決まり、大きく逸脱しているときには、大きな補正量が加えられる。その後、ステップS7で補正した値を記憶し、ステップS8で機器が動作継続のときには、ステップS3に戻り、一定の経過時間まで各種センサの読み込みを行う。
【0038】
図6は、異なる温度の使用環境下における流量と酸素濃度の関係を示した図表である。
【0039】
この図表から分かるように、環境温度が15℃において設定ダイヤル27を用いて酸素の流量を毎分6リットルに設定し、酸素濃度が40%になるように設定したときには、これより低い温度の5℃と高い温度の35℃でも同様に毎分6リットル時に酸素濃度を40%にすることが確認できた。
【0040】
しかしながら、例えば5℃のときに流量を毎分1リットルに設定したときには酸素濃度が50%に上昇し、35℃のときに流量を毎分1リットルに設定したときには酸素濃度が32%に低下することが確認された。この現象は均等圧弁5の開いた時間が長いほど、温度による影響を受け易く、さらに吸着剤の温度特性により、低温時には吸着量が増すために送り込まれる酸素ガス分圧が高くなる結果、酸素濃度が上昇すると思われる。高温時にはその逆となる。
【0041】
そこで、図1に示した温度センサ60で検出された温度を補正時に考慮するようにして均等圧弁5の開く時間を上記のように所定時間間隔毎に変化させることで、温度変化にともなう酸素濃度の変動について防止できるようになる。
【0042】
以上のように補正手段による制御を行うためには、制御基板51に実装される半導体素子のプログラムの書換のみでよいのでハード的な変更は不要となる利点がある。特に、均等圧弁5の開時問は、設置環境温度により温度が上下するとともにフィルタの目詰まりなどの影響で変動する原料空気の影響や、ゼオライトの充填量などによって異なってくるために、生成される酸素濃度を検知して適宜補正することが理想的となる。そこで、上記のように均等圧弁5の開時間を変更するフィードバック制御は効果的となるが、温度変化による酸素濃度の変化量を予め実験より算出しておき、酸素濃度が所定濃度の略40%となるように、温度(℃)−流量(L/分)−均等圧弁の開時間(秒)をパラメータとしてテーブル化して記憶部に記憶しても良い。
【0043】
尚、流量検出手段は、上記のように使用する酸素流量を決定するための流量設定器の設定値を制御基板が読み取るものであるが、さらに、チューブ折れ等の外乱要因により流量低下した場合に備えて、実流量を測定するための流量センサを装備するようにしても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、任意に設定される酸素流量の大小の如何に拘わらず、酸素濃度を安定的に保持できる酸素濃縮装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るブロック図を兼ねた吸着型酸素濃縮方式の酸素濃縮装置の配管図である。
【図2】 (a)から(c)は、図1の切換弁1、2、3、4と均等圧弁5を模式的に示した動作説明図である。
【図3】 (a)は、均等圧弁5の開く時間を固定した状態で、図2のサイクルを実行したときの酸素の流量と、酸素濃度%の関係を温度15度氏の環境下で測定して得られた図表、(b)は均等圧弁5の開く時間を酸素の流量の変動に応じて変動させて得られた図表である。
【図4】 (a)は、装置への電源投入後の全体のタイミングチャート、(b)は各切換弁1、2、3、4と均等圧弁5への通電状態を示したタイミングチャートである。
【図5】 制御基板51において実行される動作説明のフローチャートである。である。
【図6】異なる温度の使用環境下での流量と酸素濃度の関係を示した図表である。
【符号の説明】
1、2、3、4 切換弁
5 均等圧弁
6 絞り弁
10 酸素出口管
11 カプラー
12 チューブ
13 鼻カニューラ
20 加湿器
36 配管
37 消音器
38 コンプレッサー
39 冷却用ファン
40 熱交換器
41 切換弁
42 消音器
43 第1吸着筒体
44 第2吸着筒体
45 均等圧弁
46a、46b 逆止弁
47 製品タンク
48 酸素濃度センサ
50 流速センサ
51 制御基板

Claims (3)

  1. 圧縮空気を入口部から内部に導入し、前記内部に充填された吸着剤により窒素を吸着し、酸素を出口部から排出する2本の吸着筒体と、
    前記2本の吸着筒体に対して交互に前記圧縮空気を導入し、一方の吸着筒体の吸着剤が飽和したときに窒素を外部に排出し、他方の吸着筒体から酸素を取り出すように切り換えるために前記入口部に配管される切換弁と、
    前記2本の吸着筒体の出口部の間に配管され、前記2本の吸着筒体の一方が所定内圧になったときに開かれることで均等圧化をする均等圧弁と、
    前記排出された酸素を40%の酸素濃度と設定流量とで送り出す酸素供給手段とを配管した酸素濃縮装置であって、
    前記酸素供給手段に配管され、酸素濃度の検出をする濃度検出手段と、
    前記濃度検出手段で検出された酸素濃度が40%よりも高いときには、その差分に応じて前記均等圧弁の開時間を長くし、40%よりも低いときには、その差分に応じて前記均等圧弁の開時間を短くする補正手段と、を備えることを特徴とする酸素濃縮装置。
  2. 圧縮空気を入口部から内部に導入し、前記内部に充填された吸着剤により窒素を吸着し、酸素を出口部から排出する2本の吸着筒体と、
    前記2本の吸着筒体に対して交互に前記圧縮空気を導入し、一方の吸着筒体の吸着剤が飽和したときに窒素を外部に排出し、他方の吸着筒体から酸素を取り出すように切り換えるために前記入口部に配管される切換弁と、
    前記2本の吸着筒体の出口部の間に配管され、前記2本の吸着筒体の一方が所定内圧になったときに開かれることで均等圧化をする均等圧弁と、
    前記排出された酸素を、任意に設定された設定濃度と設定流量とで送り出す酸素供給手段とを配管した酸素濃縮装置であって、
    前記酸素供給手段に配管され、酸素濃度の検出をする濃度検出手段と、
    前記酸素供給手段に配管され、酸素流量の検出をする流量検出手段と、
    前記濃度検出手段で検出された酸素濃度が前記設定濃度よりも高いときには、その差分に応じて前記均等圧弁の開時間を長くし、前記設定濃度よりも低いときには、その差分に応じて前記均等圧弁の開時間を短くする補正手段と、
    を備えることを特徴とする酸素濃縮装置。
  3. 前記設定流量を設定するための流量設定手段を備え、
    前記流量設定手段は、最大設定流量として毎分6リットルの流量が設定可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素濃縮装置。
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