JP4312775B2 - 分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、共焦点顕微鏡を走査装置無しに構成して、走査装置の存在に起因する振動問題、信号処理問題、光損失問題、製造コスト問題を解決するとともに、実時間で映像を獲得するための分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡に関する。
本発明による分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡は、半導体ウェハーの欠陥検査、LCDの欠陥検査などの速い速度を要求する検査に応用されることができる。
従来、共焦点走査顕微鏡は生医学分野の対象物への観測に多用されている。光軸方向の深さ方向の分解能に優れており、試片内部の形状が観察でき、対象物の3次元形状が得られるという長所を有する。また、共焦点走査顕微鏡は、既存の光学顕微鏡に比べて水平方向への高い分解能を有するので、最近は半導体ウェハー、映像出力装置、微細パターンなどの測定及び検査に多く応用されている。
図1は、従来のニプコーディスク(Nipkow disk)を用いた共焦点走査顕微鏡を示す概略図である。同図に示すように、従来の技術は、光源1、視準レンズ2、分光器3、ニプコーディスク4、モーター5、チューブレンズ6、対物レンズ7、試片8、第1レンズ9、第2レンズ10、2次元光電検出器11からなる。
光源1から出た光は、視準レンズ2を経ながら平行光となる。平行光は分光器3で反射されてニプコーディスク4の上面を照明することになる。
この際、ニプコーディスク4の一形態は図2に示すようである。図2は針穴状の小さな開口4aがディスク上に多数分布しているディスクの形態を示しており、平行光がディスクを照明する場合、照明される領域内における多数の開口4aを通過した光だけがチューブレンズ6に向かって進行できる。照明領域内における開口4aをそれぞれ通過した光は、回折現象によって多様な角度をもって伝播されることにより、開口4aの位置に点光源を配置したような効果をもたらす。
チューブレンズ6及び対物レンズ7は、開口4aを試片8上に結像するが、これによって試片8の観察領域のうち多数の点領域だけが照明される効果が得られる。試片8の観察領域を全部照明するためには、開口4aの位置を変えなければならないが、このためにニプコーディスク4をモータ5に装着してその回転軸運動によってディスク上の開口4aが移動するようにする。
試片8上の照明された部分から反射された光は、対物レンズ7及びチューブレンズ6を通過してニプコーディスク4上に結像される。このとき、試片8が対物レンズ7の焦点平面上にある場合、反射光がニプコーディスク4上の開口4aを通過する反面、試片8が対物レンズ7の焦点平面から外れて光軸方向に移動した場合、反射光が開口4aを通過することができないようになる。これによって、共焦点効果が得られ、光軸方向への高い分解能が得られる。
開口4aを通過した反射光は、第1レンズ9及び第2レンズ10により2次元光電検出器11上に結像される。モーター5の駆動回転によって光電検出器11上に結像される点の位置も変わって、2次元光電検出器の全領域に光信号が伝達されるようになり、試片8の2次元情報が得られる。
図3は、ニプコーディスク4の他の形態を示している。図3に示すようなディスク4の場合、表面に曲線形態の開口4bを有している。このような開口を用いる場合、照明光が通過する領域が線の形態を有し、このため試片8上に対物レンズ7によって照明される領域も線の形態を有することになる。モーター5の駆動回転によって試片を照明する線が移動し、また2次元光電検出器11上で結像される線も移動することで試片8の2次元形状を獲得することができる。
回転ディスクを用いた共焦点走査顕微鏡は、ビーム偏光器を用いて直列方式で映像を獲得するビーム偏向共焦点走査顕微鏡に比べて高い映像獲得速度が得られるという長所がある。測定速度の限界は2次元光電検出器の映像獲得速度によって決められ、一般に1秒当たり30枚程度の映像が得られ、最近は2次元光電検出器の映像獲得速度向上に応じて1秒当たり1000枚の映像を獲得することができる共焦点走査顕微鏡も実現されている。
しかし、並列信号処理のために試片上の一つの点ではなく、多数の点或いは広い領域を照明するので、光軸方向の分解能が劣るという短所がある。
図4は、このような効果を示している。試片8が対物レンズ7の焦点平面に位置する場合、試片8で反射された光がチューブレンズ6によって開口4a上に正確に集光されるので、図4(a)に示すように多量の光が開口4aを通過することになる。この場合、集光された反射光が隣接した開口4aには如何なる影響も与えない。
しかし、試片8が対物レンズ7の焦点平面から外れている場合、図4(b)に示すように、チューブレンズ6によって集光された光が、照明光が出た開口4aに正確に集光されず、光軸方向に移動した位置に集光されるようになる。この場合、反射光が、照明光が出た開口4aだけでなく、隣接した開口4aも通過するようになって、共焦点原理に基づく光軸方向への分解能の向上効果が低下することになる。
図5は、単一開口を用いた共焦点走査顕微鏡及び多重開口を用いた共焦点走査顕微鏡に対して、開口のサイズに応じた光軸方向への分解能の変化形態を示している。測定可能範囲内の光量を得るためには、開口のサイズを大きくしなければならないが、図5に示すように多重開口を用いた共焦点走査顕微鏡の場合は、開口のサイズが大きくなるにつれ、光軸方向への分解能の値が増加することにより性能が低下することがわかる。
このように、既存の回転ディスクを用いた共焦点走査顕微鏡では、隣接した開口から照明された光が試片で反射されて入るものが一種の雑音として働くことにより、光軸方向への性能が劣るようになる。
従来の発明におけるもう一つの問題点としては、振動問題とサンプリング問題が挙げられる。ニプコーディスク(Nipkow disk)を回転させるために回転運動をするモーターなどが必要であるが、これは全ての光学系に振動による問題を誘発させる。また、映像獲得速度が高い2次元光電検出器を用いる場合、ニプコーディスクの回転数が十分でなく映像の歪曲が起こる。
図6は従来の共焦点走査顕微鏡を示す概略図である。同図に示すように、従来の共焦点走査顕微鏡10は、光源12、ビーム空間フィルタ/拡張装置14、分光器16、走査装置18、対物レンズ20、集光レンズ22、針穴状開口24、及び光電検出器26を含む。
光源12から出た光は、ビーム空間フィルタ/拡張装置14を通過して平行光となり、前記平行光は分光器16で反射されて走査装置18に入射する。走査装置18によって進行方向が変わった前記平行光は対物レンズ20によって試片8上に集光される。前記試片8で反射されるか或いは蛍光されて出た光は前記対物レンズ20、前記走査装置18を経て前記分光器16を通過して集光レンズ22により針穴状開口24上に集光される。このとき、試片8で反射や蛍光されて出た光の中で対物レンズ20の焦点平面(Focal plane)で反射や蛍光された光は針穴状開口24上に焦点をつけることになって、針穴状開口24を通過して光電検出器26によって測定される。焦点平面外の領域で反射又は蛍光されて出た光は針穴状開口24の前方又は後方に焦点をつけ、これによって光の多くの部分が針穴状開口24を通過せず、その結果光電検出器26で測定される光の強度が劣るようになる。
このような原理を用いて対物レンズ20の焦点平面から出た情報だけを得ることができ、対象物内部の組織を観察することができる。また、焦点平面上にあっても焦点から離れた点から出た光を針穴状開口がフィルタリングして水平方向への分解能も向上する。
しかしながら、針穴状開口24を使用する共焦点走査顕微鏡10は、走査装置18の走査速度の限界のため、一つの2次元映像を得るために多くの時間がかかるという問題点がある。このような問題点を解決するために走査装置に音響光学偏向器(Acoustooptic deflector)を用いて高い測定速度を得ることもあるが、この場合信号処理に多くの計算荷重がかかり、必ずコンピューターが必要であるという短所を有する。
図7は回折格子(Diffraction grating)を用いて試片の2次元平面のうち一方を色によって符号化したスペクトル符号化共焦点顕微鏡(Spectrally−encoded confocal microscopy)を示す概略図である。同図に示すように、従来の技術は光ファイバー71、レンズ72、回折格子73、試片74からなる。
光ファイバー71の一端から出た光はレンズ72によって収束される。この際、光ファイバー71から出た光は様々な波長を有する広帯域(broad−band)光源を用いることになる。回折格子73は光の波長によって1次ビームが進行する角度が異なっているので、図示のように波長1、波長2、波長3の光が試片74上にそれぞれ相異なる点に結像されるようになる。この場合、試片74から反射された光は再び回折格子73及びレンズ72を通過して光ファイバー71の一端に集光され、集光された光は光ファイバー71の他端に伝達される。このように試片74の平面において、一方向に波長の異なる光と試片74上の座標とをマッチさせることができ、マッチされた方向へはスキャンを行わなくてもよいという長所を有する。
しかし、試片74の2次元映像を全部獲得するためには、光ファイバー71の一端をマッチされた方向と垂直である方向(図7における地面に垂直である方向)へ移送させるか、光ファイバー71と回折格子73との間にビーム偏向器を装着してマッチされない方向へ光を偏向させなければならない。
このように移送部が装着されると、移送部の運動によるシステムの振動が発生し、かかる振動は測定の信頼性を劣化させる要因として働くようになる。また、マッチされた方向へ一行の情報を獲得し、加えて垂直である方向へビームを動かしながら直列(serial)に信号を取り入れて処理するので時間がかかるようになり、つまり映像獲得速度を低下させる要因となる。しかも、使用されるビーム偏向器又は光ファイバー移送装置は高価であり、これは測定機器のコストを上昇させる要因にもなる。また、従来の共焦点走査顕微鏡として、例えば、特許文献1に示すようなものが開示されているが、特許文献1における走査機構80の移動に伴う振動によって惹起される前記問題点は何ら解決されていない。
特開平5−297279号公報
従って、本発明は、上記のような従来の問題点、即ち前記走査装置による振動問題、信号処理問題、測定器のコストアップ問題などを解決するためのもので、走査装置を含めず物体の2次元断面映像を実時間で獲得することができるようにした分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡を提供することにその目的がある。
上記目的を達成するための本発明の具体的な手段は、分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡において、光を供給する広帯域光源と、前記光源から出た光を集光してスリット開口上に照明する照明光学系と、前記照明光学系から出射した光を反射して前記スリット開口上に照明し、また、試片で反射されて前記スリット開口を通過した光を透過する分光器と、前記照明光学系から照明された光のうちスリット領域のみを通過させる前記スリット開口と、前記スリット開口を通過した光を平行光にするチューブレンズと、前記チューブレンズから出た平行光を波長によって異なる角度で進行するようにする第1分散光学系と、前記第1分散光学系から出た光を前記試片上に照明する対物レンズと、前記試片で反射されて前記スリット開口を通過した光を平行光にする第1結像レンズと、前記第1結像レンズを通過した平行光を波長によって異なる角度で進行するようにする第2分散光学系と、前記第2分散光学系から出た光を結像する第2結像レンズと、前記第2結像レンズで結像された光を電気的な信号に切り換える2次元光電検出器と、からなる。
そして、本発明によれば、前記第1及び第2分散光学系はプリズムで構成できる。
また、本発明によれば、前記第1及び第2分散光学系は回折格子で構成できる。
更に、本発明によれば、前記広帯域光源と前記照明光学系との間に配置された偏光板と、前記第1分散光学系と前記対物レンズとの間に配置された波長板と、前記第1結像レンズと前記第2分散光学系との間に配置された偏光板と、を備えてなり、前記分光器に代えて、前記照明光学系から照明された光を前記スリット開口と結像レンズにそれぞれ分光する偏光分光器を更に含む。
また、本発明によれば、前記照明光学系は円柱レンズからなる。
また、本発明によれば、分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡において、光を供給する広帯域光源と、前記光源から出た光を集光する円柱レンズと、前記円柱レンズによって集光されたスリットパターンを平行光にする照明レンズと、前記照明レンズから出射した光を反射し、また、試片で反射されてスリット開口を通過した光を透過する分光器と、前記照明レンズから出て、前記分光器で反射された平行光を、前記スリット開口上に集光させる第1結像レンズと、前記第1結像レンズが結像した光のうちスリット領域のみを通過させる前記スリット開口と、前記スリット開口を通過した光を平行光にするチューブレンズと、前記チューブレンズから出た平行光を波長によって異なる角度で進行するようにする第1分散光学系と、前記第1分散光学系から出た光を前記試片上に照明する対物レンズと、前記試片で反射されて前記第1結像レンズ及び前記分光器を通過した平行光を波長によって異なる角度で進行するようにする第2分散光学系と、前記第2分散光学系から出た光を結像する第2結像レンズと、前記第2結像レンズで結像された光を電気的な信号に切り換える2次元光電検出器と、からなる。
更に、本発明によれば、前記円柱レンズと前記照明レンズとの間に配置されて前記円柱レンズによって集光された光をフィルタリングする第2スリット開口を更に含むことができる。
本発明によれば、何等の走査装置無しに共焦点顕微鏡を構成することにより、(1)走査装置の存在に起因する振動問題を無くすことができ、(2)高価のビーム偏向装置、信号処理装置を用いないことで、測定器の製造コストを低減させることができ、(3)信号処理による時間遅延が全くなく高速に映像を得ることができ、更に(4)走査装置がないので小型化が容易であるという長所を有する。
従って、本発明は高速で高分解能測定を要求する半導体生産ラインにおける検査工程、LCD生産ラインにおける検査工程などに応用でき、また応用される場合、(1)製造コスト及び生産時間を短縮することができ、(2)全数検査を通じて高付加価値製品の品質を向上させることができ、更に(3)小型化によって接近し難い部分の観察にも広く応用できる。
以下、添付図面を参照して本発明による好適な実施形態をより詳細に説明する。
図8は本発明の実施形態による共焦点顕微鏡を示す概略図である。
図8に示すように、本発明は広帯域光源801、波長フィルタ802、照明光学系803、分光器804、スリット開口805、チューブレンズ806、第1分散光学系807(dispersion optics)、対物レンズ808、第1結像レンズ810、第2結像レンズ812、第2分散光学系811、及び2次元光電検出器813を含む。
広帯域光源801から出た光は波長フィルタ802を通過しながら波長の範囲が狭くなる。波長の範囲があまり広い場合、多様な波長の光に対して色収差が発生する。広帯域光源801の波長範囲が小さな場合は光効率の向上のために波長フィルタ802を使わなくてもよい。
波長フィルタ802を通過した光は照明光学系803によってスリット開口805上に収束される。分光器804は、照明光学系803から出射した光を反射して前記スリット開口805上に照明し、また、試片809で反射されてスリット開口805を通過した光を透過させる。スリット開口805を通過した光は回折によってまるでスリット上の各点が点光源のように進行することになる。スリット開口805から焦点距離だけ離れているチューブレンズ806はスリット開口805を通過した光を図8における地面に垂直な方向へ多様な角度で進行する平行光にする。
この平行光の束は、第1分散光学系807に入射するようになる。第1分散光学系807は光の波長によって相異なる角度で進行するようにする光学系である。第1分散光学系807に入射する光が多様な波長を有するので、相異なる波長を有する光は分岐してそれぞれ異なる角度で進行する。このように分岐した光は対物レンズ808によって試片809上に集光されるが、この際、試片809が照明されるパターンは図9に示すようである。特定の波長の光がスリット状に試片809上に照明され、それぞれ異なる波長の光がスリットの長手方向に垂直である方向へ相異なる領域をスリット状に照明することになる。このように本発明は試片809の2次元領域を一度に照明することを特徴とする。
試片809で反射された光は、対物レンズ808及び第1分散光学系807を通過しながら1つに合わせられ、チューブレンズ806によってスリット開口805上に集光される。この際、対物レンズ808の焦点平面に試片809が載置されている場合に限って反射されてきた光がスリット開口805を通過し、焦点平面の上方や下方に試片809が載置されている場合には、反射された光がスリット開口805によって多くの部分が除去されるようになる。スリットを通過した光は更に第1結像レンズ810によって平行光の束となり、これは第2分散光学系811に入射して波長によって地面に水平である方向へ分岐するようになる。分岐した光は、第2結像レンズ812によって2次元光電検出器813上に焦点をつける。もし鏡が試片809として用いられ、試片809が対物レンズの焦点平面に位置しているならば、2次元光電検出器813上で観察される像は、図9の照明パターンと類似した形態を有することになる。
図10a乃至図10cは、実際に試片を観察する場合に見られる照明領域及び2次元光電検出器上で観察される像を示している。図10aに示すように、高さの段差を有する試片809において、上面が対物レンズ808の焦点平面に位置する場合、下面から反射されてきた信号は、スリット開口によって除去されてその光量が極めて弱くなる。このとき、試片809上に照明される光のパターンは図10bのようである。従って、図10cのような映像を2次元光電検出器813で観察することができるようになる。
このように何等の走査装置無しに試片の映像を得ることができるので、その構成が簡単で、且つ信号処理にかかる費用及び時間を省くことができる。また、既存の一般光学顕微鏡と同様に使用できるとともに、既存の光学顕微鏡よりも分可能の高い映像が得られるというメリットを有する。
光を波長によってそれぞれ異なる角度で進行させることができる分散光学系807はいろんな方法で具現できる。
図11は、分散光学系807がプリズム110からなる場合を示している。図11に示すように、1つの光が入射する場合、光が多様な角度に分岐して出射することになる。これはプリズム110を構成する物質の屈折率が波長によってそれぞれ異なる値を有するので、屈折角の差が生じるからである。
図12は、回折格子120を用いて分散光学系を構成した例である。図12に示すように、1つの光が入射する場合、光が波長によって多様な角度に分岐して出射することになる。格子によって回折が起こる場合、1次光の進行角は波長の大きさに比例するので、波長の異なる光はそれぞれ相異なる方向へ進行するようになる。
図13はVPH(Volume Phase Holographic)回折格子130を用いて分散光学系を構成した例である、VPH回折格子13は体積ホログラム(Volume hologram)を用いて回折格子を製作したもので、1次光の効率を極大化したものである。プリズムの場合、波長によって分岐する角度の程度があまり大きくなく、試片の広い領域を照明するためには極めて広い波長を有する光源を必要とする。しかし、波長の領域があまり広すぎると、色収差が発生するようになる。既存の回折格子の場合、回折格子間の間隔を減らして1次光の分岐角を大きくすることは可能であるが、1次光に対する効率が劣るという短所を有する。これに対し、VPH回折格子13は波長の変化に応じて角度を大きく変化させるとともに、1次光の効率を増大させたという長所を有する。
図14は本発明の他の実施形態を示すものである。尚、図14においては、前記図8と同一又は同等の部分には同じ符号を付してある。図14に示すように、波長フィルタ802と照明光学系803との間に偏光板140を設け、分光器804の代わりに偏光分光器141を用い、第1分散光学系807と対物レンズ808との間に波長板142を設け、第1結像レンズ810と第2分散光学系811との間に偏光板143を設けたことを特徴とする。
本実施形態は、スリット開口805に入射する光を偏光させてスリット開口805を通過せず反射された光が2次元光電検出器813で検出されることを防止する。スリット開口805で反射された光は、入射した光と同一の偏光状態を有するので、偏光分光器141を通過せずに反射することになる。従って、スリット開口805面から反射された光は2次元光電検出器813で検出されない。
これによって、スリット開口805を通過してチューブレンズ806、分散光学系807、対物レンズ808を経て試片809に照明されて反射した光は波長板142を二度通過するようになり、再びスリット開口805を通過した後、偏光分光器141で反射せず通過して2次元光電検出器813で検出される。本実施形態はスリット開口805平面上の反射面、各種の光学部品によって反射した雑光の影響を減らすことができ、信号対雑音比を向上させることができる。
図15は、本発明の他の実施形態によるもので、照明光学系が円柱レンズ(Cylindrical lens)150から構成されたことを特徴とする。円柱レンズ150を用いて光源から出た光を収束する場合、集光効果が一方向のみに発生して集まった部分における光がスリット状になる。かかる光をスリット開口805に照明する場合、スリット開口805を通過せず反射する光の量を減らすことができ、光効率を増大させることができ、反射光による映像の質低下を防ぐことができるという長所を有する。
図16は本発明の別の実施形態を示すもので、照明光学系が円柱レンズ150、照明レンズ160、第1結像レンズ810から構成されたことを特徴とする。
従って、円柱レンズ150によってスリット状に集光された光を更にスリット開口805上に照明レンズ160及び第1結像レンズ810を利用して結像する方式を用いる。この際、照明レンズ160を通過した光はそれぞれ進行する方向の異なる平行光の束となり、これが第1結像レンズ810によってスリット開口805上に結像される。このような光学系を用いると、分光器804を通過する光が平行光となり、収束光や発散光であるときに発生可能な収差を除去することができるという長所を有する。
図17は、本発明のまた別の実施形態を示すもので、照明光学系が円柱レンズ150、第2スリット開口170、照明レンズ160、第1結像レンズ810から構成されたことを特徴とする。
従って、円柱レンズ150によってスリット状に集光された光のうち第2スリット開口170を通過した光だけが照明レンズ160及び第1結像レンズ810を介してスリット開口805上に照明されるようになる。第2スリット開口170を通過した光のみをスリット開口805上に照明するので、スリット開口805上から反射した光がないので、雑光による映像の質低下を防ぐことができるという長所を有する。
以上のように、たとえ本発明を限定された実施形態及び図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者により本発明の技術的思想や請求範囲の均等範囲内で多様な修正や変形が可能であることは明らかである。
従来の回転ディスクを用いた共焦点走査顕微鏡を示す概略図である。 多重ピンホール開口が形成されている回転ディスクを示す概略図である。 スリットピンホール開口が形成されている回転ディスクを示す概略図である。 多重開口を用いた共焦点走査顕微鏡における試片の光軸方向への移動によるチューブレンズで集光された反射光の影響を示す図である。 多重開口を用いた共焦点走査顕微鏡及び単一開口を用いた共焦点走査顕微鏡に対して、開口のサイズ増加による光軸方向への分解能を変化程度を示すグラフである。 ビーム偏向器を用いた従来の共焦点走査顕微鏡を示す概略図である。 一軸に波長符号化された従来の共焦点走査顕微鏡を示す概略図である。 本発明の第1実施形態を示す図である。 試片が照明される形態を示す概略図である。 実際に試片を観察する場合、試片が照明される形態及び2次元光電検出器で観察される形態を示す概略図である。 プリズムから光が分散されることを示す概略図である。 回折格子から光が分散されることを示す概略図である。 VPH回折格子から光が分散されることを示す概略図である。 本発明の第2実施形態を示す図である。 本発明の第3実施形態を示す図である。 本発明の第4実施形態を示す図である。 本発明の第5実施形態を示す図である。
符号の説明
110 プリズム
120 回折格子
130 VPH回折格子
140、143 偏光板
142 波長板
150 円柱レンズ
160 照明レンズ
170 第2スリット開口
801 広帯域光源
802 波長フィルタ
803 照明光学系
804 分光器(偏光分光器)
805 スリット開口
806 チューブレンズ
807 第1分散光学系
808 対物レンズ
809 試片
810 第1結像レンズ
811 第2分散光学系
812 第2結像レンズ
813 2次元光電検出器

Claims (7)

  1. 分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡において、
    光を供給する広帯域光源(801)と、
    前記光源(801)から出た光を集光してスリット開口(805)上に照明する照明光学系(803)と、
    前記照明光学系(803)から出射した光を反射して前記スリット開口(805)上に照明し、また、試片(809)で反射されて前記スリット開口(805)を通過した光を透過する分光器(804)と、
    前記照明光学系(803)から照明された光のうちスリット領域のみを通過させる前記スリット開口(805)と、
    前記スリット開口(805)を通過した光を平行光にするチューブレンズ(806)と、
    前記チューブレンズ(806)から出た平行光を波長によって異なる角度で進行するようにする第1分散光学系(807)と、
    前記第1分散光学系(807)から出た光を前記試片(809)上に照明する対物レンズ(808)と、
    前記試片(809)で反射されて前記スリット開口(805)を通過した光を平行光にする第1結像レンズ(810)と、
    前記第1結像レンズ(810)を通過した平行光を波長によって異なる角度で進行するようにする第2分散光学系(811)と、
    前記第2分散光学系(811)から出た光を結像する第2結像レンズ(812)と、
    前記第2結像レンズ(812)で結像された光を電気的な信号に切り換える2次元光電検出器(813)と、を含むことを特徴とする分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡。
  2. 前記第1及び第2分散光学系(807、811)はプリズム(110)から構成されることを特徴とする請求項1記載の分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡。
  3. 前記第1及び第2分散光学系(807、811)は回折格子(120)から構成されることを特徴とする請求項1記載の分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡。
  4. 前記広帯域光源(801)と前記照明光学系(803)との間に配置された偏光板(140)と、
    前記第1分散光学系(807)と前記対物レンズ(808)との間に配置された波長板(142)と、
    前記第1結像レンズ(810)と前記第2分散光学系(811)との間に配置された偏光板(143)と、を備えてなり、
    前記分光器(804)に代えて、前記照明光学系(803)から照明された光を前記スリット開口(805)と結像レンズ(810)にそれぞれ分光する偏光分光器(141)を更に含むことを特徴とする請求項1記載の分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡。
  5. 前記照明光学系(803)は円柱レンズ(150)からなることを特徴とする請求項1記載の分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡。
  6. 分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡において、
    光を供給する広帯域光源(801)と、
    前記光源(801)から出た光を集光する円柱レンズ(150)と、
    前記円柱レンズ(150)によって集光されたスリットパターンを平行光にする照明レンズ(160)と、
    前記照明レンズ(160)から出射した光を反射し、また、試片(809)で反射されてスリット開口(805)を通過した光を透過する分光器(804)と、
    前記照明レンズ(160)から出て、前記分光器(804)で反射された平行光を、前記スリット開口(805)上に集光させる第1結像レンズ(810)と、
    前記第1結像レンズ(810)が結像した光のうちスリット領域のみを通過させる前記スリット開口(805)と、
    前記スリット開口(805)を通過した光を平行光にするチューブレンズ(806)と、
    前記チューブレンズ(806)から出た平行光を波長によって異なる角度で進行するようにする第1分散光学系(807)と、
    前記第1分散光学系(807)から出た光を前記試片(809)上に照明する対物レンズ(808)と、
    前記試片(809)で反射されて前記第1結像レンズ(810)及び前記分光器(804)を通過した平行光を波長によって異なる角度で進行するようにする第2分散光学系(811)と、
    前記第2分散光学系(811)から出た光を結像する第2結像レンズ(812)と、
    前記第2結像レンズ(812)で結像された光を電気的な信号に切り換える2次元光電検出器(813)と、を含むことを特徴とする分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡。
  7. 前記円柱レンズ(150)と前記照明レンズ(160)との間に配置されて前記円柱レンズ(150)によって集光された光をフィルタリングする第2スリット開口(170)を更に含むことを特徴とする請求項6記載の分散光学系を用いた実時間共焦点顕微鏡。
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