JP4312058B2 - ガス容器の接続構造 - Google Patents
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Description
本発明は、各回線ユニットごとに各電気機器がガス容器中に収納されたガス絶縁スイッチギヤのように、内部に電気機器が収納された複数のガス容器を互いに接続するための構造に関する。
従来より、スイッチギヤにおいては、各ガス容器内に遮断器、断路器等の各種の電気機器を個別に収納するとともに、当該容器内に絶縁ガスを封入して各電気機器の耐電圧性能を高めることで装置全体の小型化を図るようにしたものがある。
このようなスイッチギヤにおいては、各ガス容器内に収納されている電気機器を電気的に当該容器の外部に引き出す必要があることから、各ガス容器の隔壁を内外に貫通して電気機器接続用の回路導体が設けられるとともに、ガス容器の隔壁と回路導体との間には両者間を電気的に絶縁するためのブッシングが介在されている。
しかも、従来技術では、装置全体の高密度化を図る上で、ガス容器の互いに隣接する隔壁同士をブッシングに一体固定した構成を採用したものがある（例えば、特許文献１，２等参照）。このように、ガス容器の互いに隣接する隔壁をブッシングに固定した従来構成の一例を図５に示す。
図５に示した例では、２つのガス容器５１，５２の互いに隣接する各隔壁５１ａ，５２ａの間に合成樹脂等でできた絶縁性のブッシング５３が設けられており、このブッシング５３の厚さ方向の両側にそれぞれ雌ネジ部５４ａを有する埋金５４が個別に埋設されている。この場合、ブッシング５３と各埋金５４とはインサートモールド等により一体注形されたものである。そして、各ガス容器５１，５２の隔壁５１ａ，５２ａは、各埋金５４の雌ネジ部５４ａにボルト５６を螺合することによってブッシング５３に一体的に結合されている。なお、符号５８は各ガス容器５１，５２の隔壁５１ａ，５２ａとブッシング５３との間に設けられたガスシール用のＯリングである。
しかしながら、図５に示した従来構成のものでは、ブッシング５３を介して２つのガス容器５１，５２を接続する場合、使用するボルト５６の数に対応した数量の埋金５４が必要である。ブッシング５３の成形材料として例えば熱硬化性樹脂などを使用する場合には、埋金５４の高温箇所から次第に硬化していくため、埋金５４の数が多い程、成形されるブッシング５３に熱歪みや残留応力が発生し易くなる。そして、ブッシング５３にこのような熱歪みや残留応力が生じると、割れやヒケ等の不良発生を引き起こし、ガス容器５１，５２内の気密性が失われる。
また、埋金５４入りのブッシング５３を成形する際には、埋金５４を金型内に設置した上で樹脂モールドを行うため、埋金５４の数が多い程、樹脂モールドする際の準備に手間と時間がかかることになる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、ブッシングに埋設すべき埋金の数を削減してブッシングに熱歪みや残留応力が発生するのを抑制するとともに、樹脂モールドする際の準備に要する手間と時間とを削減することが可能なガス容器の接続構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明にあっては、内部に電気機器が収納された２つのガス容器と、この２つのガス容器の隔壁に挟まれて上記電気機器と接続する回路導体が内部を貫通している絶縁性のブッシングと、両端面が上記ブッシングの外部に露出するように上記ブッシングに埋め込まれ上記両端面からそれぞれの内方に向けて雌ネジ部が互いに独立して形成された埋金と、上記雌ネジ部それぞれにガス容器の内面から各隔壁を貫通して螺合された締結具とによって互いに隣接する各隔壁が上記ブッシングに一体的に結合されていることを特徴としている。
本発明によれば、ガス容器をブッシングに固定する場合、２つの締結具に対して一つの埋金を設ければよいので、ブッシングに埋設すべき埋金の数を従来に比べて半減することができる。このため、ブッシングに熱歪みや残留応力が発生するのを抑えることができ、割れやヒケ等の不良発生を低減することが可能になる。しかも、ブッシングに埋設すべき埋金の数が削減される分だけ、樹脂モールドする際の準備に要する手間と時間とを減らすことができる。
以下、本発明におけるガス容器の接続構造を、スイッチギヤに適用した場合を例にとって説明する。
実施の形態１．
図１は本発明の実施の形態１におけるスイッチギヤのガス絶縁開閉装置を示す断面図、図２は図１のガス絶縁開閉装置を構成する２つの機器ユニットの接続部分を拡大して示す断面図、図３は図２において２つのガス容器の隔壁をブッシングに固定した部分のみを取り出して示す断面図である。
図１は本発明の実施の形態１におけるスイッチギヤのガス絶縁開閉装置を示す断面図、図２は図１のガス絶縁開閉装置を構成する２つの機器ユニットの接続部分を拡大して示す断面図、図３は図２において２つのガス容器の隔壁をブッシングに固定した部分のみを取り出して示す断面図である。
この実施の形態１におけるスイッチギヤのガス絶縁開閉装置は、２つの機器ユニット１，２を備える。そして、一方の機器ユニット１はガス容器３の内部に遮断器４が収納され、また、他方の機器ユニット２はガス容器５の内部に断路器６が収納されている。また、各ガス容器３，５内には、各機器４，６の耐電圧性能を高めるために例えばＳＦ６ガス等の絶縁ガスが封入されている。
さらに、各ガス容器３，５内に収納されている遮断器４や断路器６に対しては、回路導体７ａ〜７ｇが順次接続されている。これらの回路導体７ａ〜７ｇには高電圧が加わるので、ガス容器３，５を内外に貫通する回路導体７ａ，７ｄ，７ｇについては、ガス容器３，５と電気的に絶縁する必要がある。このため、これらの回路導体７ａ，７ｄ，７ｇと各ガス容器３，５との間には、例えばエポキシ樹脂等の絶縁性材料を成形してなるブッシング８，９，１０が介在されている。また、各ガス容器３，５は接地されている。
特に、この実施の形態１では、装置全体の高密度化を図る上で、ガス容器３，５の互いに隣接する隔壁３ａ，５ａが共にブッシング９に固定されている。すなわち、このブッシング９は、回路導体７ｄが挿通された筒状部９ａと、この筒状部９ａから径方向外方に張り出したフランジ部９ｂとを有し、フランジ部９ａにインサートモールド等によって埋金１２が一体的に埋設されている。
この埋金１２は、ブッシング９のフランジ部９ｂの厚さ方向においてその両端面が外部に露出した状態で埋設されている。つまり、埋金１２の軸方向の長さはフランジ部９ｂの厚さと略同じになるように設定されている。そして、この埋金１２の両端面からはそれぞれ内方に向けて雌ネジ部１２ａ，１２ｂが互いに独立して形成されている。
この埋金１２の各雌ネジ部１２ａ，１２ｂに対して締結具としてのボルト１４が隔壁３ａ，５ａおよびワッシャ１５を介して螺合されることによって、ガス容器３，５がブッシング９に一体的に結合されている。なお、符号１６，１７は各ガス容器３，５の隔壁３ａ，５ａとブッシング９との間に設けられたガスシール用のＯリングである。
このように、この実施の形態１では、ガス容器３，５をブッシング９に固定する際、２つのボルト１４に対して一つの埋金１２を設ければよいので、ブッシング９に埋設すべき埋金１２の数を従来に比べて半減することができる。このため、ブッシング９に熱歪みや残留応力が発生するのを抑えることができ、割れやヒケ等の不良発生を低減することが可能になる。しかも、ブッシング９に埋設すべき埋金１２の数が削減される分だけ、樹脂モールドする際の準備に要する手間と時間とを減らすことができる。
実施の形態２．
図４は本発明の実施の形態２において、２つのガス容器の隔壁をブッシングに固定した部分のみを取り出して示す断面図であり、図１ないし図３に示した実施の形態１と対応する構成部分には同一の符号を付す。
図４は本発明の実施の形態２において、２つのガス容器の隔壁をブッシングに固定した部分のみを取り出して示す断面図であり、図１ないし図３に示した実施の形態１と対応する構成部分には同一の符号を付す。
この実施の形態２における特徴は、ブッシング９のフランジ部９ｂに埋設されている埋金１３の両端面からそれぞれ内方に向けて形成されている各雌ネジ部１３ａ，１３ｂが、互いに対向することなく埋金１３の厚さ方向と直交する方向に位置をずらせた状態で形成されていることである。その他の構成は実施の形態１の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
この実施の形態２のような構成にすれば、ブッシング９のフランジ部９ｂの厚さをより薄くできるので、上記の実施の形態１の作用、効果に加えて、装置全体の高密度化を図る上で一層有利となる。
なお、上記の実施の形態１，２では、本発明をスイッチギヤに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、互いに隣接する２つのガス容器をブッシングに固定する構成のものであれば広く適用することが可能である。また、締結具としては、ボルト１４に代えてネジ等で締結することも可能である。
３ ガス容器、３ａ 隔壁、４ 遮断器（電気機器）、５ ガス容器、５ａ 隔壁、
６ 断路器（電気機器）、７ａ〜７ｇ 回路導体、９ ブッシング、１２ 埋金、
１２ａ，１２ｂ 雌ネジ部、１３ 埋金、１３ａ，１３ｂ 雌ネジ部、
１４ ボルト（締結具）。
６ 断路器（電気機器）、７ａ〜７ｇ 回路導体、９ ブッシング、１２ 埋金、
１２ａ，１２ｂ 雌ネジ部、１３ 埋金、１３ａ，１３ｂ 雌ネジ部、
１４ ボルト（締結具）。
Claims (2)
- 内部に電気機器が収納された２つのガス容器と、この２つのガス容器の隔壁に挟まれて上記電気機器と接続する回路導体が内部を貫通している絶縁性のブッシングと、両端面が上記ブッシングの外部に露出するように上記ブッシングに埋め込まれ上記両端面からそれぞれの内方に向けて雌ネジ部が互いに独立して形成された埋金と、上記雌ネジ部それぞれにガス容器の内面から各隔壁を貫通して螺合された締結具とによって互いに隣接する各隔壁が上記ブッシングに一体的に結合されていることを特徴とするガス容器の接続構造。
- 上記埋金に形成されている各雌ネジ部は、互いに対向することなく上記埋金の厚さ方向と直交する方向に位置をずらせて形成されていることを特徴とする請求項１記載のガス容器の接続構造。
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