JP4311669B2 - 高炉温度制御システム及び高炉温度制御方法 - Google Patents

高炉温度制御システム及び高炉温度制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、銑鉄の製造に用いる高炉の温度を制御するための高炉温度制御システム及び高炉温度制御方法に関する。
焼結させた鉄鉱石やペレット状の鉄鉱石等を原料とし、コークスを燃料とする高炉においては、炉下部から熱風を吹き込み、コークスを燃焼させることにより高温の還元ガスを発生させ、このガスにより鉄鉱石を昇温・還元することにより溶融した銑鉄を製造する。このような高炉の溶銑温度は炉内での化学反応の変化等の外乱により上下するため、溶銑温度を安定化させることは、燃料原単位の低減や、Si等の含有率安定化の点において、操業上重要な要素である。溶銑温度は、送風温度、送風湿分、微粉炭吹込み量等の衝風条件を操作量として制御される。
通常のプロセス制御では、サンプリング時間毎に取り込んだ計測情報をもとに適切な操作量(衝風条件)を計算し、サンプリング時間毎に操作量をステップ状に変更する方法が取られる。高炉の溶銑温度制御において、操作量を変化させてから溶銑温度が変化するまでに数時間以上の時間遅れがあるため、操業者は数時間先の溶銑温度を予測しながら、適切なタイミングで適切に操作量を変更する必要がある。かかる操作量の変更タイミングとその変更量とを決定するに当たっては操業者のノウハウによるところが大きいため、操業者の能力や経験等により個人差が生じるのは避けられない。
そこで、最適な操作量を操業者に代わって決定してやる制御方法が種々提案されている。そのような制御方法として、特許文献1には、高炉に影響を及ぼす複数の操作量を用いて、未来の一定期間の炉熱レベルの変動を予測し、この期間における炉熱レベル変動と炉熱レベル目標値との差の二乗和と、同じくこの期間における操作量の変更量の二乗和との和を最小にするような操作量で炉熱を制御する高炉炉熱制御方法が開示されている。ここでは、制御周期を15分として15分毎に操作量の実測値をサンプリングし、24時間分の溶銑温度変動を予測しながら制御周期毎に操作量を算出している。
また、特許文献2には、制御量の目標値と実測値とに基づいて多変数予測制御等によって操作量の値を決定し、操作量と制御量とその目標値との関係及び/若しくは所定の観測値とその目標値との関係に基づいて制御量の目標値の設定(変更)を行うことにより、常に安定燃焼を行いつつ制御量を目標値に安定的に制御することが可能な流動床式燃焼炉の制御方法が開示されている。ここでは、操作量と制御量との関係を表す数値モデルを用いて、制御周期毎に最適な操作量を求めている。
特開2000−129319号公報 特開平11−325433号公報
上記特許文献1,2はともにサンプリング時間(制御周期)毎の操作量の変更を前提としている。しかしながら、高炉の溶銑温度制御では、操作量を変化させると炉内の通気性や荷下り等の溶銑温度以外の炉況も変化する場合がある。このため、炉況の安定化の観点からサンプリング時間毎に頻繁に操作量を変化させるのは好ましくない。よって、適切な操作量変更タイミングが操業者に提示されることが望まれる。
本発明の目的は、適切な衝風条件変更タイミングとそのときの適切な衝風条件変更量とを導出・提示可能な高炉温度制御システム及び高炉温度制御方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の高炉温度制御システムは、高炉の溶銑温度と、当該溶銑温度に影響を及ぼす外乱と、衝風条件変更タイミング及び衝風条件変更量とからなる操作量である衝風条件の過去の時間履歴の実績データを取り込む実績データ取り込み手段と、現時点以降の衝風条件変更タイミング及び衝風条件変更量と前記実績データとから未来の一定期間の溶銑温度推移を予測する溶銑温度推移予測手段と、前記溶銑温度推移と予め設定した目標溶銑温度とから当該目標溶銑温度との近さを表す評価値を計算する溶銑温度推移評価手段と、前記評価値が収束する終了条件を満たすまで前記衝風条件変更タイミングと前記衝風条件変更量を変更する最適衝風条件変更手段と、前記最適衝風条件変更手段で求めた前記衝風条件変更量が予め設定した閾値よりも大きい場合にのみ前記衝風条件変更タイミング及び前記衝風条件変更量として採用する衝風条件変更分別手段と、を備え、前記衝風条件変更タイミング及び前記衝風条件変更量に基づいて高炉の溶銑温度を制御することを特徴とする。
本発明によると、適切な衝風条件変更タイミングで適切な衝風条件変更量をもって衝風条件を変更させることができ、高炉の溶銑温度を安定化させることができる。
また、溶銑温度が安定している場合は衝風条件が変更されないため、必要以上に衝風条件を変更することを防止して高炉の溶銑温度をより安定化することができる。
本発明の高炉温度制御システムにおいては、前記外乱は、炉内反応量であってよい。これによると、高炉の溶銑温度が上下することが多い炉内の化学反応の変化による外乱である炉内反応量と溶銑温度との関係を考慮して衝風条件を変更することができ、高炉の溶銑温度をより安定化させることができる。
本発明の高炉温度制御方法は、高炉の溶銑温度と、当該溶銑温度に影響を及ぼす外乱と、衝風条件変更タイミング及び衝風条件変更量とからなる操作量である衝風条件の過去の時間履歴の実績データを取り込む実績データ取り込みステップと、現時点以降の衝風条件変更タイミング及び衝風条件変更量と前記実績データとから未来の一定期間の溶銑温度推移を予測する溶銑温度推移予測ステップと、前記溶銑温度推移と予め設定した目標溶銑温度とから当該目標溶銑温度との近さを表す評価値を計算する溶銑温度推移評価ステップと、前記評価値が収束する終了条件を満たすまで前記衝風条件変更タイミングと前記衝風条件変更量を変更する最適衝風条件変更ステップと、前記最適衝風条件変更ステップで求めた前記衝風条件変更量が予め設定した閾値よりも大きい場合にのみ前記衝風条件変更タイミング及び前記衝風条件変更量として採用する衝風条件変更分別ステップと、を備え、前記衝風条件変更タイミング及び前記衝風条件変更量に基づいて高炉の溶銑温度を制御することを特徴とする。
本発明によると、適切な衝風条件変更タイミングで適切な衝風条件変更量をもって衝風条件を変更させることができ、高炉の溶銑温度を安定化させることができる。
また、溶銑温度が安定している場合は衝風条件が変更されないため、必要以上に衝風条件を変更することを防止して高炉の溶銑温度をより安定化することができる。
本発明の高炉温度制御方法においては、前記外乱は、炉内反応量であってよい。これによると、高炉の溶銑温度が上下することが多い炉内の化学反応の変化による外乱である炉内反応量と溶銑温度との関係を考慮して衝風条件を変更することができ、高炉の溶銑温度をより安定化させることができる。
以下、本発明の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る高炉温度制御システムの構成を示すブロック図である。図2は本発明の一実施の形態に係る高炉温度制御システムが実行する処理を示すフローチャート図である。図3は送風温度とソルーションロスカーボン反応量と溶銑温度推移の予測値の経時変化を表すグラフ図である。
高炉の操業上、溶銑温度を上下させる外乱として監視する値である炉内反応量として、ソルーションロスカーボン反応(以下、SLC反応)と呼ばれるカーボンのガス化反応による反応量がある。このSLC反応は大きな吸熱反応であり、SLC反応量が増えるとその後溶銑温度が下がる傾向にあるため、操業者が最も注意を払わなければならない要素の1つである。また、操作量である衝風条件としては、送風温度、送風湿度、微粉炭吹込み量などがあるが、この中で送風温度を用いることが最も多い。よって、本実施の形態では炉内反応量としてSLC反応量を用い、衝風条件として送風温度を用いる。なお、外乱として監視する値は炉内反応量に限られない。
図1において、高炉1の溶銑温度、SLC反応量及び送風温度の実績データは逐次プロセスコンピュータ2に格納され、実績データ取り込み部(実績データ取り込み手段)3により計算機10内に設けられた溶銑温度推移予測部(溶銑温度推移予測手段)5に取り込まれる。また、操作量発生部(操作量発生手段)4は送風温度変更タイミングθ及び送風温度変更量uの現在時刻における初期値を発生させて、溶銑温度推移予測部5にインプットする。計算機10内には溶銑温度推移予測部5の他にも溶銑温度推移評価部(溶銑温度推移評価手段)6、最適衝風条件変更計算部(最適衝風条件変更計算手段)7、衝風条件変更分別部(衝風条件変更分別手段)8、ディスプレイ9が設けられており、溶銑温度推移予測部5が予測計算した将来の溶銑温度推移は溶銑温度推移評価部6で評価され、その評価値が最適となるように最適衝風条件変更計算部7により送風温度変更タイミングθ及び送風温度変更量uが更新される。更新された送風温度変更量uは衝風条件変更分別部8で分別されて、採用された送風温度変更量uが送風温度変更タイミングθとともに最適値としてディスプレイ9に提示される。
図2に示す処理が開始されると、図1に示す実績データ取り込み部3は、プロセスコンピュータ2に格納されている高炉1の溶銑温度、SLC反応量、及び送風温度の過去の時間履歴の実績データを計算機10内に取り込むというステップS1(実績データ取り込みステップ)を実行する。この実績データは後述の溶銑温度推移予測部5が将来の溶銑温度推移を予測計算する際に使用するモデル係数を同定するのに用いられる。
次に、図1に示す操作量発生部4は、送風温度変更タイミングθ及び送風温度変更量uの現在時刻における初期値を発生させるという図2に示すステップS2を実行する。ここで、現在を送風温度変更タイミングθ=0とし、現在において送風温度変更量u=0(変化なし)とする。この初期値もまた、後述の溶銑温度推移予測部5が将来の溶銑温度推移を予測計算する際に使用される。
図1に示す溶銑温度推移予測部(溶銑温度推移予測手段)5は、実績データ取り込み部3が取り込んだ溶銑温度、SLC反応量、及び送風温度の過去の時間履歴の実績データと、将来のSLC反応量と、将来の送風温度とを用いて、将来の溶銑温度推移を予測計算するという図2に示すステップS3(溶銑温度推移予測ステップ)を実行する。ここで、将来のSLC反応量は、将来に直近した時刻におけるSLC反応量の実績データを用いて設定される。また、将来の送風温度は、現在時刻から未来の一定期間に亙って連続した送風温度変更タイミングθの各々における送風温度変更量uを現在の送風温度に印加した温度として設定される。この予測計算においては、次の式(1)を用いる。ここで、式(1)におけるモデル係数は前述の実績データ取り込み部3が取り込んだSLC反応量及び送風温度の過去の時間履歴の実績データに基づいてシステム同定手法により予め求めたものを使用する。ここでのシステム同定手法は具体的には最小二乗法である。なお、システム同定手法として部分空間同定法などを用いても良い。
Figure 0004311669
ステップS3が実行されることにより、図3(a)に示すような将来の溶銑温度推移の予測値11が経時的に導出される。また、図3(a)には現在までのSLC反応量及び送風温度の時間履歴も示されている。この図において将来のSLC反応量は現在時刻におけるSLC反応量の実績データであり、送風温度変更タイミングθ=0、送風温度変更量u=0である。
次に、図1に示す溶銑温度推移評価部6は、溶銑温度推移予測部5にて予測計算された将来の溶銑温度推移と、高炉で設定されている目標溶銑温度から、下記の式(2)を用いて溶銑温度推移の評価値Eを計算するという図2に示すステップS4(溶銑温度推移評価ステップ)を実行する。ここでは、評価終了時刻Tを炉内の装入物が入れ替わる6時間とした。溶銑温度推移の評価値Eは非負の値であり、その値が小さいほど将来の溶銑温度推移が目標溶銑温度に近いことになる。なお、ここでは将来の溶銑温度推移と目標溶銑温度との近さを表す溶銑温度推移の評価値Eを二乗誤差として表しているが、絶対値で表すなどの方法でもよいため、溶銑温度推移の評価値Eの計算方法はこれに限定されない。
Figure 0004311669
ここで、Tpigiの値は式(1)より求まっているため、溶銑温度推移の評価値Eは送風温度変更タイミングθと送風温度変更量uとの関数として計算可能である。また、送風温度変更タイミングθは現在(θ=0)以降が実現可能である。したがって、将来の溶銑温度推移と目標溶銑温度とが最も漸近したときの送風温度変更タイミングθと送風温度変更量uとを決めるにあたって、下記式(3)、(4)に示すような溶銑温度推移の評価値Eの最適化問題を適用することができる。
溶銑温度推移の評価値(評価関数):E(θ,u)→最小化 (3)
制約条件:θ≧0 (4)
図1に示す最適衝風条件変更計算部7は、溶銑温度推移評価部6で計算した溶銑温度推移の評価値Eの値が最小になるように、即ち、将来の溶銑温度推移と目標溶銑温度とが最も漸近するように、送風温度変更タイミングθと送風温度変更量uとを更新するという図2に示すステップS5(最適衝風条件変更計算ステップ)を実行する。ここでの更新方法は、最適化問題の解法である勾配法を用いる。勾配法においては、まず、決定変数である送風温度変更タイミングθと送風温度変更量uの初期値をθ0、u0とし、繰り返し回数k=0と初期化する。次に、繰り返し回数kにおける決定変数の値θk、ukを式(5)、(6)による最適化計算にて暫定的に更新する。ここで、εθとεuは正の小さな値、αθとαuは正のパラメータである。なお、最適化問題の解法として勾配法以外の方法を用いても良い。
Figure 0004311669
式(5)、(6)で求まったΘk+1とWk+1とを用いた評価値E(Θk+1,Wk+1)を評価値E(θk,uk)と比較し、その大小により処理を分ける。
(1)E(Θk+1,Wk+1)<E(θk,uk)の場合
決定変数の更新:θk+1=Θk+1、uk+1=Wk+1
パラメータの更新:αθ=Lθ×αθ、αu=Lu×αu
(LθとLuは1より大きな定数)
(2)E(Θk+1,Wk+1)≧E(θk,uk)の場合
決定変数の更新:θk+1=θk、uk+1=uk
パラメータの更新:αθ=Sθ×αθ、αu=Su×αu
(SθとSuは1より小さな正の定数)
上記の勾配法では、パラメータαθ、αuがともに設定値を下回ることを終了条件とする。この終了条件が満足されているかが図2のステップS6において判断される。ここで、上記設定値は評価値Eが最小値近傍まで十分小さくなったと判断できるときのパラメータαθ、αuの値に基づいて適切な値に設定されている。なお、上記の勾配法において、勾配の計算方法、パラメータの更新方法、終了条件は上記のものに限られず、例えばθk+1とθkとの差、uk+1とukとの差が十分小さくなったことを終了条件としても良い。
そして、更新されたパラメータαθ、αuが上記終了条件を満足していなければ(ステップS6:NO)、繰り返し回数がk=k+1に更新されて、ステップS3〜S5が再度実行される。そして、ステップS3においては、先のステップS5において送風温度変更量uが更新されたことにより、式(1)にインプットされる送風温度Uiも更新されているため、更新されたTpigiの値が導出される。これにより、図3(b)に示すように、時刻i(送風温度変更タイミングθ)=t1で溶銑温度がステップ状に変化したことによる将来の溶銑温度推移の予測値12が経時的に導出される。また、時刻i(送風温度変更タイミングθ)=t1における送風温度変更量ut1が導出可能である。
一方、更新されたパラメータαθ、αuが終了条件を満足していれば、或いはステップS3〜S5を繰り返すことで更新されたパラメータαθ、αuが終了条件を満足するようになれば(ステップS6:YES)、次のステップに移行する。この時点では、図3(c)に示すように、時刻i(衝風条件変更タイミングθ)=t2で溶銑温度がステップ状に変化したことによる将来の溶銑温度推移の予測値13と送風温度変更量ut2とが導出されている。
次のステップであるステップS7において、図1の衝風条件変更分別部8により、この時点における送風温度変更量が予め設定した送風温度変更量の閾値よりも大きいかが判断される(衝風条件変更分別ステップ)。ここでの閾値は、この時点における送風温度変更量が実際の操作量として採用できるか否かの観点において、設備上の制約、操業上の制約、ノウハウ上の制約等により任意に決定される。ここで、設備上の制約とは、送風温度変更量が5℃となっている場合において10℃間隔でしか装置を操作できない場合等の設備に基づくものであり、操業上の制約とは、送風温度変更量が10℃となっている場合において温度制御誤差を考慮して20℃単位で操業を行っている場合等の操業ルールに基づくものであり、ノウハウ上の制約とは、送風温度変更量が20℃となっている場合において溶銑温度と目標値との差が50℃未満であり、溶銑温度の誤差を考慮して操業者が操作しないほうが良いと判断した場合等のノウハウによるものである。そして、送風温度変更量が閾値よりも小さいならば(ステップS7:NO)、その送風温度変更量を採用せずにそのまま処理を終了する。これにより、不要な送風温度の変更を防止して、溶銑温度の安定を維持できる。
一方、送風温度変更量が閾値よりも大きいならば(ステップS7:YES)、この時点での送風温度変更タイミング及び送風温度変更量を適切な送風温度変更タイミング及び適切な送風温度変更量としてディスプレイ9に提示して(ステップS8)、処理を終了する。
ステップS8により適切な送風温度変更タイミング及び適切な送風温度変更量を提示された操業者は、そのタイミングでその送風温度変更量を高炉に印加することで、高炉の溶銑温度の安定化を図ることができる。
以上のように、本実施の形態においては、溶銑温度推移予測部5が予測計算した将来の溶銑温度推移が目標溶銑温度に最も漸近するように最適衝風条件変更計算部7が送風温度変更タイミング及び送風温度変更量を更新する構成にされている。これにより得られた適切な送風温度変更タイミング及び適切な送風温度変更量に基いて送風温度を変更することで、高炉の溶銑温度を安定化させることができる。
また、溶銑温度が安定している場合は、最適衝風条件変更計算部7により得られた送風温度変更量を衝風条件変更分別部8が採用しないため、必要以上に衝風条件を変更することを防止して高炉の溶銑温度をより安定化することができる。
また、外乱としてSLC反応量を用いたことにより、高炉の溶銑温度が上下することが多い炉内の化学反応の変化による外乱であるSLC反応量と溶銑温度の関係を考慮して送風温度を変更することができ、高炉の溶銑温度をより安定化させることができる。
また、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。即ち、ステップS8において提示された適切な衝風条件変更タイミング及び適切な衝風条件変更量を自動で高炉に印加させるような自動制御をプロセスコンピュータに実行させる構成であっても良い。この場合には操業者の負担を軽減することができる。
また、衝風条件変更分別部が備わっていなくとも良い。この場合には、送風温度を変更するタイミング及びそのときの衝風条件変更量が操業者に提示される回数が増えるが、操業者はノウハウにより実際にそのタイミング、その変更量を採用するか否かを決定すれば良い。
本発明の一実施形態に係る高炉温度制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る高炉温度制御システムが実行する処理を示すフローチャート図である。 送風温度とソルーションロスカーボン反応量と溶銑温度推移の予測値の経時変化を表すグラフ図の、現在時刻におけるグラフである。 送風温度とソルーションロスカーボン反応量と溶銑温度推移の予測値の経時変化を表すグラフ図の、最適化計算途中におけるグラフである。 送風温度とソルーションロスカーボン反応量と溶銑温度推移の予測値の経時変化を表すグラフ図の、最適化計算終了時のグラフである。
符号の説明
1 高炉
2 プロセスコンピュータ
3 実績データ取り込み部(実績データ取り込み手段)
4 操作量発生部(操作量発生手段)
5 溶銑温度推移予測部(溶銑温度推移予測手段)
6 溶銑温度推移評価部(溶銑温度推移評価手段)
7 最適衝風条件変更計算部(最適衝風条件変更計算手段)
8 衝風条件変更分別部(衝風条件変更分別手段)
9 ディスプレイ
10 計算機

Claims (4)

  1. 高炉の溶銑温度と、当該溶銑温度に影響を及ぼす外乱と、衝風条件変更タイミング及び衝風条件変更量とからなる操作量である衝風条件の過去の時間履歴の実績データを取り込む実績データ取り込み手段と、
    現時点以降の衝風条件変更タイミング及び衝風条件変更量と前記実績データとから未来の一定期間の溶銑温度推移を予測する溶銑温度推移予測手段と、
    前記溶銑温度推移と予め設定した目標溶銑温度とから当該目標溶銑温度との近さを表す評価値を計算する溶銑温度推移評価手段と、
    前記評価値が収束する終了条件を満たすまで前記衝風条件変更タイミングと前記衝風条件変更量を変更する最適衝風条件変更手段と、
    前記最適衝風条件変更手段で求めた前記衝風条件変更量が予め設定した閾値よりも大きい場合にのみ前記衝風条件変更タイミング及び前記衝風条件変更量として採用する衝風条件変更分別手段と、
    を備え、前記衝風条件変更タイミング及び前記衝風条件変更量に基づいて高炉の溶銑温度を制御することを特徴とする高炉温度制御システム。
  2. 前記外乱は、炉内反応量であることを特徴とする請求項1に記載の高炉温度制御システム。
  3. 高炉の溶銑温度と、当該溶銑温度に影響を及ぼす外乱と、衝風条件変更タイミング及び衝風条件変更量とからなる操作量である衝風条件の過去の時間履歴の実績データを取り込む実績データ取り込みステップと、
    現時点以降の衝風条件変更タイミング及び衝風条件変更量と前記実績データとから未来の一定期間の溶銑温度推移を予測する溶銑温度推移予測ステップと、
    前記溶銑温度推移と予め設定した目標溶銑温度とから当該目標溶銑温度との近さを表す評価値を計算する溶銑温度推移評価ステップと、
    前記評価値が収束する終了条件を満たすまで前記衝風条件変更タイミングと前記衝風条件変更量を変更する最適衝風条件変更ステップと、
    前記最適衝風条件変更ステップで求めた前記衝風条件変更量が予め設定した閾値よりも大きい場合にのみ前記衝風条件変更タイミング及び前記衝風条件変更量として採用する衝風条件変更分別ステップと、
    を備え、前記衝風条件変更タイミング及び前記衝風条件変更量に基づいて高炉の溶銑温度を制御することを特徴とする高炉温度制御方法。
  4. 前記外乱は、炉内反応量であることを特徴とする請求項に記載の高炉温度制御方法。
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