JP4311464B2 - ヘッドユニット及びそれを有するインクジェット記録装置 - Google Patents

ヘッドユニット及びそれを有するインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクを吐出する複数のインクジェットヘッドを有するヘッドユニット及びそれを有するインクジェット記録装置に関する。
特許文献1には、台形平面形状を有する複数のアクチュエータユニットが千鳥状に配置されてなる長尺なインクジェット記録ヘッドについて記載されている。複数のアクチュエータユニットを用いてインクジェット記録ヘッドを構成することで、インクジェット記録ヘッドが長尺化しても、1枚の長尺の圧電プレートから圧電素子を加工形成する必要がなくなり、生産の歩留りが悪化しない。
特開2004−284253号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載のインクジェット記録ヘッドにおいては、長尺なヘッドであるが故に、ノズル、圧力室、及び、ノズルと圧力室とを連通する流路などを非常に多く有している。多数のノズル、圧力室、及び、流路などのいずれかが、1つでも所望の製造基準に達していない場合(すなわち、ノズルからの所定インク吐出性能が得られない場合)、当該長尺ヘッドを作り直しする必要が生じる。つまり、一つのヘッドが長尺化すると、当該ヘッドの生産の歩留りが低下する。
そこで、本発明の目的は、一つの長尺なインクジェットヘッドを製造するよりも歩留りを向上させることが可能なヘッドユニット及びそれを有するインクジェット記録装置を提供することである。
本発明のヘッドユニットは、複数のノズルが形成された一方向に長尺なインク吐出面を有し、前記インク吐出面において、前記複数のノズルが前記一方向に沿って所定間隔で配列された複数のノズル列と、前記複数のノズル列が前記一方向と直交する方向に互いに隣接して配列されてなるノズル群とが構成された複数のインクジェットヘッドと、前記複数のインクジェットヘッドを支持する支持部材とを備えている。そして、前記ノズル群は、複数の前記ノズルが前記一方向に所定距離ずつ離れて並び、四角形平面形状を構成してなる四角形領域と、複数の前記ノズルが前記一方向に離れて並び、前記直交する方向に延在した前記四角形領域の一辺を共有しつつ三角形平面形状を構成してなる三角形領域とを有しており、1つの前記インクジェットヘッドの前記インク吐出面の一方端にある前記三角形領域である第1の重なり領域と別の前記インクジェットヘッドの前記インク吐出面にある前記四角形領域の一部である第2の重なり領域とが、前記第1及び第2の重なり領域に属するノズルが前記一方向に前記所定距離ずつ離れて並ぶように、前記直交する方向に関して重なっており、前記第2の重なり領域に属するノズルが、前記第1の重なり領域に属する全ノズルと前記直交する方向に関して一対一に重なった重なりノズル、及び、前記直交する方向に関して前記第1の重なり領域に属するノズルと重なっていない非重なりノズルの両方からなり、前記直交する方向に関して前記第1及び第2の重なり領域に相当する範囲内に、前記一方向に関して前記所定間隔に等しい幅を有し且つ前記直交する方向に延在した帯状領域を想定したときに、前記第1の重なり領域に属するノズルの数が前記第2の重なり領域に属する前記非重なりノズルの数より少ない前記帯状領域においては、当該帯状領域内の前記第1の重なり領域に属するノズルのそれぞれが、前記第2の重なり領域側の前記インクジェットヘッドに形成されたノズルに前記一方向に関して両側から挟まれており、前記第1の重なり領域に属するノズルの数が前記第2の重なり領域に属する前記非重なりノズルの数以上である前記帯状領域においては、当該帯状領域内の前記第2の重なり領域に属する非重なりノズルのそれぞれが、前記第1の重なり領域側の前記インクジェットヘッドに形成されたノズルに前記一方向に関して両側から挟まれている。以下、このようなヘッドユニットを「ヘッドユニットB」と称する。
これによると、複数のインクジェットヘッドを組み合わせて一つの長尺なインクジェットヘッドと同じ印字領域を有するヘッドユニットを構成することが可能になり、一つの長尺なインクジェットヘッドを製造するよりも歩留まりが向上する。また、ヘッドユニットを構成する複数のインクジェットヘッドを制御しやすくなる。また、重なった一方端にある三角形領域及び別のインクジェットヘッドに属する四角形領域の一部に相当する範囲内の帯状領域において、一方端にある三角形領域に属するノズルと別のインクジェットヘッドの四角形領域に属するノズルとが互いを挟んでいるので、色調差が目立ちにくくなる。
本発明において、前記1つのインクジェットヘッドの前記四角形領域の一部と前記別のインクジェットヘッドの前記四角形領域の一部が前記直交する方向に重なっており、当該重なった領域において、前記1つのインクジェットヘッドの前記四角形領域に属する全てのノズルは、前記別のインクジェットヘッドの前記四角形領域に属する全てのノズルと前記直交する方向に関して一対一に重なっていること(以下、このようなヘッドユニットを「ヘッドユニットA」と称する)が好ましい。これにより、互いに異なるインクジェットヘッドに属する2つの四角形領域が一方向と直交する方向に部分的に重なっているので、支持部材に複数のインクジェットヘッドを組み付けたときの組み付け誤差に起因する、印刷時の画像に白すじが出にくくなる。
また、このとき、前記別のインクジェットヘッドの前記インク吐出面の他方端にある前記三角形領域である第3の重なり領域と前記1つのインクジェットヘッドの前記インク吐出面にある前記四角形領域の一部である第4の重なり領域とが、前記第3及び第4の重なり領域に属するノズルが前記一方向に前記所定距離ずつ離れて並ぶように、前記直交する方向に関して重なっており、前記第4の重なり領域に属するノズルが、前記第3の重なり領域に属する全ノズルと前記直交する方向に関して一対一に重なった重なりノズル、及び、前記直交する方向に関して前記第1の重なり領域に属するノズルと重なっていない非重なりノズルの両方からなり、前記直交する方向に関して前記第3及び第4の重なり領域に相当する範囲内に、前記一方向に関して前記所定間隔に等しい幅を有し且つ前記直交する方向に延在した帯状領域を想定したときに、前記第3の重なり領域に属するノズルの数が前記第4の重なり領域に属する前記非重なりノズルの数より少ない前記帯状領域においては、当該帯状領域内の前記第3の重なり領域に属するノズルのそれぞれが、前記第4の重なり領域側の前記インクジェットヘッドに形成されたノズルに前記一方向に関して両側から挟まれており、前記第3の重なり領域に属するノズルの数が前記第4の重なり領域に属する前記非重なりノズルの数以上である前記帯状領域においては、当該帯状領域内の前記第4の重なり領域に属する非重なりノズルのそれぞれが、前記第3の重なり領域側の前記インクジェットヘッドに形成されたノズルに前記一方向に関して両側から挟まれていることが好ましい。これにより、重なった他方端にある三角形領域及び1つのインクジェットヘッドに属する四角形領域の一部に相当する範囲内の帯状領域において、他方端にある三角形領域に属するノズル1つのインクジェットヘッドの四角形領域に属するノズルとが互いを挟んでいるので、より色調差が目立ちにくくなる。
また、このとき、前記ノズル群が、前記一方向に関して前記四角形領域を前記三角形領域とで挟む位置に別の前記三角形領域をさらに有していることが好ましい。さらに、前記ノズル群が、前記インクジェットヘッドのそれぞれにおいて、前記一方向に沿って所定の間隔で複数併設され、前記一方向に隣り合って配置された2つの前記三角形領域が、その全域が前記一方向に亘って重なるように互いに平行に配置され、当該重なった領域に含まれるノズルが前記一方向に前記所定距離ずつ離れて並び、且つ、前記直交する方向に重ならないことが好ましい。これにより、複数のノズル群を有するインクジェットヘッドを複数用いてヘッドユニットを構成することができる。
また、このとき、前記インク吐出面には、複数の前記ノズル群が、前記インク吐出面の中心に対して点対称に配列されていてもよい。これにより、ノズル群の占める領域の形状が1種類で済み、ヘッドユニットを構成する複数のノズル群を有するインクジェットヘッドが製造しやすくなる。
また、前記一方向に関して隣接する前記ノズル群同士が点対称の関係を有していること、さらには、前記ノズル群に属する各ノズルが、前記中心に対して点対称に配列されていることが好ましい。また、前記ノズル群は、前記四角形領域と、前記一方向に関して前記四角形領域の両端にある前記三角形領域とで構成された台形領域からなり、前記四角形領域に属する一のノズルと、当該一のノズルと前記一方向に関して前記所定距離だけ離れて隣接する2つのノズルとは、前記直交する方向に関して少なくとも1列の前記ノズル列を介して配置されていることが好ましい。さらに、前記ノズル群が、前記インクジェットヘッドのそれぞれにおいて、前記一方向に沿って所定の間隔で複数併設され、且つ、前記直交する方向における前記インクジェットヘッドの中心に対して、前記直交する方向に平行な相反する方向に交互に等距離偏倚してそれぞれ配置されており、前記ノズル群のそれぞれの平行対向辺が、前記一方向に沿うように配置されていることが好ましい。
発明のインクジェット記録装置は、ヘッドユニットと、前記第1の重なり領域に属するノズルからインクが吐出されず、前記第2の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出され、且つ、前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に互いに重なった2つの前記四角形領域の重なり領域のうちどちらか一方だけからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えている。
これにより、一つの長尺なインクジェットヘッドを製造するよりも歩留まりが向上したヘッドユニットを有するインクジェット記録装置となる。また、四角形領域と重なる三角形領域からインクが吐出されず、及び、2つの四角形領域の重なった2つの範囲のうち、いずれか一方だけからインクが吐出される容易な制御を行うことが可能になる。
また、本発明のインクジェット記録装置は、別の観点では、ヘッドユニットと、前記第2の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出されず、前記第1の重なり領域に属するノズルからインクが吐出され、且つ、前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に互いに重なった2つの前記四角形領域の重なり領域のうちどちらか一方だけからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えている。
これにより、一つの長尺なインクジェットヘッドを製造するよりも歩留まりが向上したヘッドユニットを有するインクジェット記録装置となる。また、四角形領域を構成する複数のノズルのうち、三角形領域を構成するノズルと重なるノズルからインクが吐出されず、及び、2つの四角形領域の重なった2つの範囲のうち、いずれか一方だけからインクが吐出される容易な制御を行うことが可能になるとともに、互いに異なるインクジェットヘッドに属する三角形領域と四角形領域の一部とが重なった部分で徐々に色調を変化させることが可能になるので、各インクジェットヘッドで形成される画像に色調差があっても目立ちにくくなる。
また、本発明のインクジェット記録装置は、別の観点では、ヘッドユニットBと、前記第2の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出されず且つ前記第1の重なり領域に属するノズルからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットBを制御する制御手段とを備えている。
これにより、一つの長尺なインクジェットヘッドを製造するよりも歩留まりが向上したヘッドユニットBを有するインクジェット記録装置となる。また、四角形領域を構成する複数のノズルのうち、三角形領域を構成するノズルと重なるノズルからインクが吐出されず、及び、当該三角形領域からインクが吐出される容易な制御を行うことが可能になるとともに、互いに異なるインクジェットヘッドに属する三角形領域と四角形領域の一部とが重なった部分で徐々に色調を変化させることが可能になるので、各インクジェットヘッドで形成される画像に色調差があっても目立ちにくくなる。また、前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に関して重なったノズルのうち、インクが吐出されない方のノズルに対してインクのメニスカスを振動させることが好ましい。また、本発明の記録装置は、前記第2及び第4の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出されず且つ前記第1及び第3の重なり領域に属するノズルからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えていてもよい。また、前記第1及び第3の重なり領域に属するノズルからインクが吐出されず、前記第2及び第4の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出され、且つ、前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に互いに重なった2つの前記四角形領域の重なり領域のうちどちらか一方だけからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えていてもよい。さらに、前記第2及び第4の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出されず、前記第1及び第3の重なり領域に属するノズルからインクが吐出され、且つ、前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に互いに重なった2つの前記四角形領域の重なり領域のうちどちらか一方だけからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えていてもよい。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施形態によるインクジェットプリンタの概略側断面図である。
図2は、図1に示すヘッドユニットの平面図である。
インクジェットプリンタ100は、図1に示すように、複数のインクジェットヘッド2から4色のインクを吐出するカラーインクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタ100には、図1中左方に給紙機構111が、図1中右方に排紙部112が、それぞれ構成されており、両者の略中間に2つ1組で4組のインクジェットヘッド2を有するヘッドユニット5が設けられている。また、プリンタ100には、インクジェットヘッド2や給紙機構111などのプリンタ100の各部における動作を制御するための制御部(制御手段)150が設けられている。
インクジェットプリンタ100の内部には、給紙機構111から排紙部112に向かって記録媒体である用紙が搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙機構111には、用紙トレイ121内に収納された複数の用紙のうち、最も上方に位置する用紙を送り出すピックアップローラ122が設けられている。ピックアップローラ122によって用紙は図1中左方から右方へ送られる。
用紙搬送経路の中間部には、二つのベルトローラ106,107と、両ローラ106,107間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト108とが配置されている。これらベルトローラ106,107と、搬送ベルト108とによって用紙搬送機構110が構成されている。搬送ベルト108の外周面、すなわち搬送面108aにはシリコーン処理が施され粘着性を有している。給紙機構111のすぐ下流側には、搬送ベルト108と対向する位置に押さえローラ105が配置されており、給紙機構111から送り出された用紙を搬送ベルト108の搬送面108aに押さえ付けている。
これにより、搬送面108aに押さえ付けられた用紙は、搬送面108aの粘着力により保持されながら、下流側に向かって搬送される。このとき、用紙搬送方向下流側のベルトローラ106は、図示しない駆動モータから駆動力が与えられ、図1中時計回り(矢印A方向)に回転している。
用紙搬送経路の中間部でも、インクジェットヘッド2(ヘッドユニット5)と対向する領域が、用紙に画像が形成される画像形成領域となる。さらに、用紙搬送経路に沿って搬送ベルト108のすぐ下流側には、剥離部材113が設けられている。剥離部材113は、搬送ベルト108の搬送面108aに保持されている用紙を搬送面108aから剥離して、右方の排紙部112へ向けて送るように構成されている。
搬送ベルト108によって囲まれた領域内には、インクジェットヘッド2と対向する位置、つまり上側にある搬送ベルト108の下面と接触することによって内周側からこれを支持するほぼ直方体形状のプラテン109が配置されている。
ヘッドユニット5は、図1及び図2に示すように、8つのインクジェットヘッド2と、8つのインクジェットヘッド2を支持する支持部材4とを有している。8つのインクジェットヘッド2は、用紙搬送方向B(図1中矢印B方向)と平行な副走査方向に沿って千鳥状に2列に配列されている。8つのインクジェットヘッド2は、隣接する2つのインクジェットヘッド2a,2b毎に1つのヘッド組1を構成しており、ヘッドユニット5は合計4組のヘッド組1を有している。各ヘッド組1を構成する2つのインクジェットヘッド2a,2bは、2つのインクジェットヘッド2a,2bの主走査方向(用紙搬送方向Bと直交する方向:一方向)の印字領域長を主走査方向に足し合わせた印字領域長とほぼ同じ印字領域長を有するように、互いに平行に支持部材4に固定されている。また、4つのヘッド組1は、組毎に異なる4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)が吐出される。
各インクジェットヘッド2は、図1及び図2に示すように、長手方向が主走査方向に伸びた細長い直方体形状となっている。また、インクジェットヘッド2の下端には、図1に示すように、ヘッド本体3を有している。ヘッド本体3の上面には、図示しないインク供給源から供給されたインクを一時的に貯溜し、且つ、その貯溜したインクをヘッド本体3に供給するリザーバユニット6が固定されている。リザーバユニット6は、主走査方向に関してヘッド本体3よりも長く形成されたヘッド固定部6aを有している。このヘッド固定部6aは、図2に示すように、ヘッド本体3の長手方向両側(すなわち、主走査方向両側)に伸びて形成されており、支持部材4にネジ(不図示)で固定されている。
支持部材4には、各インクジェットヘッド2のヘッド本体3に対応して開口した開口部(不図示)が形成されており、ヘッド本体3の下面(複数のノズル8が形成されたインク吐出面3a)が開口部から露出している。このような構成で、搬送ベルト108で搬送された用紙がヘッド本体3のすぐ下方側を順に通過する際に、この用紙の上面に向けてノズル8(図5参照)から各色のインク滴が吐出される。これによって、用紙の上面には、制御部150によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
なお、用紙搬送方向Bについて、押さえローラ105とヘッドユニット5との間には、紙面センサ115が設置されている。紙面センサ115は、発光素子及び受光素子によって構成され、搬送経路上の用紙の先端位置を検出することができる。紙面センサ115による検出結果は制御部150に送られる。制御部150は、紙面センサ115から送られた検出結果により、用紙の搬送と画像の印刷とが同期するように、インクジェットヘッド2、給紙機構111及び搬送機構110などを制御することができる。
次に、ヘッド本体3の詳細について説明する。図3は、図1に示したヘッド本体3の平面図である。ヘッド本体3は、図3に示すように、インク流路が形成された流路ユニット7と、流路ユニット7の上面に接着された4つのアクチュエータユニット21とを有している。流路ユニット7は、主走査方向に延在した矩形平面形状を有している。図3において、流路ユニット7内に設けられた共通インク室であるマニホールド流路55が破線で描かれている。マニホールド流路55には、リザーバユニット6からのインクが複数の開口55bを通じて供給される。マニホールド流路55は、流路ユニット7の長手方向と平行に延在する複数の副マニホールド流路55aに分岐している。
流路ユニット7の上面には、平面形状が台形である4つのアクチュエータユニット21が、開口55bを避けるように、千鳥状になって2列に配列されており、流路ユニット7の上面に接着されている。各アクチュエータユニット21は、その平行対向辺(上辺及び下辺)が流路ユニット7の長手方向に沿うように配置されている。複数の開口55bは流路ユニット7の長手方向に沿って2列に配列されており、各列5個、計10個の開口55bがアクチュエータユニット21と干渉しない位置に設けられている。また、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士は、流路ユニット7の幅方向(副走査方向)に部分的にオーバーラップしている。
流路ユニット7の下面であるインク吐出面3aは、アクチュエータユニット21の接着領域に対向する位置に、多数のノズル8(図4及び図6参照)がマトリクス状に配列されたインク吐出領域となっている。アクチュエータユニット21に対向する流路ユニット7の上面には、多数の圧力室10(図4参照)がマトリクス状に配列された圧力室群9が形成されている。言い換えると、アクチュエータユニット21は、圧力室群9を構成する多数の圧力室10に跨る寸法と形状を有している。
図4は、図3に示す一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図4に示すように、流路ユニット7内のアクチュエータユニット21に重なる領域には、流路ユニット7の長手方向と平行に4本の副マニホールド流路55aが延在している。各副マニホールド流路55aには、ノズル8の各々に通じる多数の個別インク流路32(後述する)が接続されている。
図5は、個別インク流路を示す断面図(図4中のV−V線に沿った断面図)である。図5から分かるように、各ノズル8は、圧力室10及びアパーチャすなわち絞り12を介して副マニホールド流路55aと連通している。このようにして、ヘッド本体3には、副マニホールド流路55aの出口からアパーチャ12、圧力室10を経てノズル8に至る個別インク流路32が圧力室10ごとに形成されている。
本実施の形態では、個別インク流路32は一旦上方に向かい、流路ユニット7の上面に形成された圧力室10の一端部に至る。さらに、個別インク流路32は、水平に延在する圧力室10の他端部から斜め下方に向かい、流路ユニット7の下面(すなわち、インク吐出面3a)に形成されたノズル8に繋がっている。全体として、各個別インク流路32は、圧力室10を頂部とする弓なり形状を有している。これにより、個別インク流路32の高密度配置を可能とし、インクの円滑な流れを実現している。
ヘッド本体3は、図5からも分かるように、上側のアクチュエータユニット21と下側の流路ユニット7とからなる積層構造体である。このうち、アクチュエータユニット21は、後で詳述するように、4枚の圧電シート41〜44(図13参照)が積層され且つ電極が配されることによってなる。また、アクチュエータユニット21に含まれる4枚の圧電シートのうちの最上層だけが、電界印加時に活性部となる部分を有する層(以下、単に「活性部を有する層」というように記する)であり、残り3層が活性部を有しない非活性層である。
一方、流路ユニット7においては、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、カバープレート29及びノズルプレート30の合計9枚のシート材が積層されている。
キャビティプレート22は、圧力室10の空隙を構成するほぼ菱形の孔(角部に丸みがつけられた孔)が、アクチュエータユニット21の貼付範囲内に多数設けられた金属プレートである。ベースプレート23は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10とアパーチャ12との連絡孔及び圧力室10からノズル8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。
アパーチャプレート24は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ12となる孔のほかに圧力室10からノズル8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。サプライプレート25は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ12と副マニホールド流路55aとの連絡孔及び圧力室10からノズル8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。
マニホールドプレート26、27、28は、副マニホールド流路55aに加えて、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10からノズル8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。カバープレート29は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10からノズル8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。ノズルプレート30は、複数のノズル8が設けられた金属プレートである。ノズルプレート30のノズル8は、キャビティプレート22の1つの圧力室10につき1つずつ設けられている。これら10枚のシート21〜30は、図5に示すような個別インク流路32が形成されるように、互いに位置合わせして積層されている。
図5から明らかなように、各プレートの積層方向において圧力室10とアパーチャ12とは異なるレベルに設けられている。アパーチャ12は、圧力室10より深い位置に設けられている。これにより、図4に示すように、アクチュエータユニット21に対向した流路ユニット7内において、1つの圧力室10と連通したアパーチャ12を、当該圧力室に隣接する別の圧力室10と平面視で同じ位置に配置することが可能となっている。この結果、圧力室10同士が密着してより高密度に配列されるため、比較的小さな占有面積のインクジェットヘッド2により高解像度の画像印刷が実現される。
図6は、1つのヘッド組1のヘッド本体3を下方から見たときの平面図である。図7は、図6に示す2点鎖線で囲まれた領域Eの拡大平面図である。図6に示すように、ヘッド組1に属する2つのヘッド本体3の各インク吐出面3aには、流路ユニット7の上面に接着されたアクチュエータユニット21が占める領域と重なるインク吐出領域内において、複数のノズル8がマトリクス状に隣接配置された4つのノズル群71〜74が形成されている。
4つのノズル群71〜74は、アクチュエータユニット21と対応して千鳥状になって2列に配列されている。4つのノズル群71〜74は、台形平面形状を有するとともに、その平行対向辺が流路ユニット7の長手方向(主走査方向)に沿うように配置されている。
各ノズル群71〜74は、図6に示すように、主走査方向両端近傍における複数のノズル8によって構成された2つの三角形領域81,82と、2つの三角形領域81,82の副走査方向に沿う辺を共有しつつ複数のノズル8によって構成された1つの四角形領域83とからなる。四角形領域83を構成する複数のノズル8は、後述のように、主走査方向に沿って600dpiに相当する距離(42.3μm)で離隔されて並んでいる。また、三角形領域81,82を構成する複数のノズル8は、主走査方向に離れて並んでいる。
4つのノズル群71〜74は、各インク吐出面3aにおいて、隣接する三角形領域81,82同士が、副走査方向に関して、ほぼ全域にわたって重なるように配置されている。また、インク吐出面3aのほぼ中心に位置する点60について、ノズル群71〜74がかたどる4つの台形が点対称となるように、ノズル群71〜74が配置されており、ノズル群71〜74を構成するそれぞれのノズル8も、点60について点対称となるように配置されている。
各ノズル群71〜74は、図6及び図7に示すように、複数のノズル8が主走査方向に沿って配列された16列のノズル列75を有している。16列のノズル列75は互いに平行に配列されており、各ノズル列75を構成する複数のノズル8は主走査方向に沿って37.5dpiに相当する距離(677.3μm)で離隔されている。
各ノズル列75は、4本の副マニホールド流路55a(図4参照)と対向しない位置に配置されている。1本の副マニホールド流路55aに対して、その両側に2本ずつのノズル列75が対応付けられている。これらノズル列75は、各ノズル群71〜74の長辺側のノズル列75から短辺側のノズル列75に近づくに連れて、ノズル列75を構成するノズル数が徐々に減少しており、ノズル群71〜74がインク吐出領域内に収まっている。
図4及び図7には、四角形領域83において、主走査方向に37.5dpiに相当する幅を有し、副走査方向に延在する帯状領域Sが示されている。この帯状領域Sは、4つのノズル群71〜74のうちどのノズル群の四角形領域83に想定されても、当該1つのノズル群の16個のノズル8を含んでいる。これら16個のノズル8は、全ての異なるノズル列75に属している。帯状領域Sに含まれるこれら16個の各ノズル8を主走査方向に延びる直線上に射影した射影点は、この直線上に等間隔に並び、その間隔は、印字時の解像度である600dpiに相当する距離(42.3μm)に等しい。
換言すると、四角形領域83を構成するすべてのノズル8は、主走査方向に関して、600dpiに相当する距離ずつ離れて並んでいる。なお、ノズル8を主走査方向に延びる直線(イ)へ射影した射影点とは、図7に示すように、副走査方向(主走査方向に垂直な方向)に平行でノズル8を通る直線(ロ)と、直線(イ)との交点のことである。
1つの帯状領域Sに属する16個のノズル8を主走査方向に延びる直線上に射影したとき、直線上の最も左に射影されるノズル8を(1)と記することとする。また、(1)の射影点から右方向に離れた点に射影されるノズル8を、(1)の射影点から近い順に(2)〜(16)と記することとする。これら16個のノズル8は、図7の上から、(1)、(9)、(13)、(15)、(5)、(7)、(11)、(16)、(3)、(8)、(12)、(14)、(4)、(6)、(10)、(2)の順番に配置されている。各ノズル群71〜74に属する16列のノズル列75を、図7中上から下に向かって順に、第1のノズル列75a、第2のノズル列75b・・・第16のノズル列75pとした場合、ノズル(1)が、ノズル列75aに属しており、このノズル列75aに隣接するノズル列75bには、ノズル(9)が属しているという配置関係となっている。
このように、1つの帯状領域Sにおいて、1つのノズル8に注目した場合、このノズル8の主走査方向両側に配置される2つのノズル8は、副走査方向(用紙の搬送方向)に関して、ともに上方(上流側)又は下方(下流側)のいずれかに位置している。また、注目ノズル8と2つのノズル8とは、副走査方向に関して、少なくとも1以上のノズル8(ノズル列75)を介して配置されている。さらに、16個のノズル8は、主走査方向に関しては、ジグザグ状に配置している。
各インク吐出面3aにおける隣り合うノズル群71〜74がかたどる台形は、隣接する2つの台形の斜辺同士が平行且つ主走査方向について同じ位置になるように、副走査方向に関して重なっている。具体的には、ノズル群71の三角形領域82とノズル群72の三角形領域81、ノズル群72の三角形領域82とノズル群73の三角形領域81、及び、ノズル群73の三角形領域82とノズル群74の三角形領域81とが、副走査方向に関してほぼ全域にわたって重なっている。
このように隣接する三角形領域81,82同士を副走査方向に重ねるのは、重なった三角形領域81,82同士でノズル8の配置に相補関係を持たせることで、1つのインクジェットヘッド2の主走査方向の幅全体にわたって途切れず印字ができるようにするためである。なお、重なり領域81,82において、四角形領域83と同様の帯状領域Rを想定すると、この帯状領域R内のノズル8には、四角形領域83におけるノズル8同士と同様の相対的位置関係がある。この場合、隣接する2つのノズル群のそれぞれに属するノズル8の間では、両ノズル群の副走査方向への離隔分(距離)を考慮する必要がある。しかし、主走査方向に関しては、印字の解像度に対応した等間隔ですべてのノズル8が配置されている。
ここで、互いに異なるノズル群71〜74に属する三角形領域81,82の相補関係を持たせつつ、副走査方向に関してほぼ全域にわたって重なった構成の詳細を説明する。図8は、副走査方向に関して互いに重なった三角形領域及びその領域近傍に属するノズルから主走査方向に延在した直線に射影した射影点を示す図である。なお、図8において、白丸が三角形領域81に属するノズル8から射影した点であり、黒丸が三角形領域82に属するノズル8から射影した点である。
図7には、インクジェットヘッド2のノズル群73の三角形領域81と、ノズル群72の三角形領域82と重なった領域において、主走査方向に37.5dpiに相当する幅(677.3μm)を有し、副走査方向に延在する複数の帯状領域R1〜R8が図7中左方から右方に向かって順に示されている。各帯状領域R1〜R8は、三角形領域81,82にそれぞれ属するノズル8を少なくとも1つ以上含みつつ合計16個のノズル8を含んでいる。これら16個のノズル8は、すべて異なるノズル列75に属している。
これら8つの帯状領域R1〜R8のそれぞれに含まれる16個のノズル8を、図8に示すように、主走査方向に延びる直線上に射影した射影点は、この直線上に等間隔に並び、その間隔は、印字時の解像度である600dpiに相当する距離(42.3μm)に等しい。換言すると、重なった三角形領域81,82を構成するすべてのノズル8は、主走査方向に関して、600dpiに相当する距離ずつ離れて並んでいる。
なお、図8に示すように、三角形領域81に属するノズル8から射影した点(白丸)だけ、及び、三角形領域82に属するノズル8から射影した点(黒丸)だけを見ると、ともに主走査方向に関して離れて並んでいるものの、600dpiに相当する距離ずつ離れて等間隔に並んでいない。
図8に示すように、帯状領域R1には、三角形領域81に属するノズル8が14個含まれ、三角形領域82に属するノズル8が2個含まれている。これら16個のノズル8は、主走査方向に関して、異なる三角形領域81,82に属する少なくとも1以上のノズル8を互いに挟んで配置されている。
具体的には、図8に示すように、三角形領域82に属する2つのノズル8が、主走査方向に関して、三角形領域81に属する7つのノズル8を挟んでいる。また、三角形領域82に属する2つのノズル8は、帯状領域R1において、三角形領域81に属するノズル8のうち、図8中左から1番目のノズル8と3番目のノズル8と、9番目のノズル8と11番目のノズル8とによってそれぞれ挟まれている。
帯状領域R2には、三角形領域81に属するノズル8が12個含まれ、三角形領域82に属するノズル8が4個含まれている。帯状領域R3には、三角形領域81に属するノズル8が10個含まれ、三角形領域82に属するノズル8が6個含まれている。各帯状領域R2,R3における16個のノズル8も、主走査方向に関して、異なる三角形領域81,82に属する少なくとも1以上のノズル8を互いに挟んで配置されている。
帯状領域R4には、三角形領域81に属するノズル8が8個含まれ、三角形領域82に属するノズル8が8個含まれている。これら16個のノズル8は、主走査方向に関して、異なる三角形領域81,82に属するノズル8を1つずつ挟んで交互に配置されている。
帯状領域R5には、三角形領域81に属するノズル8が6個含まれ、三角形領域82に属するノズル8が10個含まれている。帯状領域R6には、三角形領域81に属するノズル8が4個含まれ、三角形領域82に属するノズル8が12個含まれている。各帯状領域R5,R6における16個のノズル8も、主走査方向に関して、異なる三角形領域81,82に属する少なくとも1以上のノズル8を互いに挟んで配置されている。
帯状領域R7には、三角形領域81に属するノズル8が2個含まれ、三角形領域82に属するノズル8が14個含まれている。これら16個のノズル8も、主走査方向に関して、異なる三角形領域81,82に属する少なくとも1以上のノズル8を互いに挟んで配置されている。帯状領域R8には、三角形領域81に属するノズル8が1個含まれ、三角形領域82に属するノズル8が15個含まれている。
このように、帯状領域R1〜R8においては、三角形領域81,82に属するノズル8がそれぞれ少なくとも1以上含まれた16個のノズル8が、主走査方向に関して600dpiに相当する距離ずつ離れ、重なった三角形領域81、82に属するノズル8同士で相補関係が構成されている。このため、1つのインクジェットヘッド2の主走査方向の幅全体にわたって途切れず印字することが可能になる。
なお、4つのノズル群71〜74によって途切れず印字できる正味の幅は、4つのノズル群71〜74に含まれる各ノズル8を主走査方向に延びる直線上に射影した射影点が、この直線上に等間隔に並んでいる線分部分の長さに等しい。
1つのインクジェットヘッド2における上記線分部分の長さとしては、4つのノズル群71〜74の主走査方向に関する幅から、主走査方向に関して最も外側にあるノズル群71の三角形領域81及びノズル群74の三角形領域82の幅を引いた長さに等しい。
本実施形態においては、2つのインクジェットヘッド2で1つのヘッド組1を構成しており、ヘッド組1に属する図6中左斜め下に位置する一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81及び四角形領域83の一部(後述の第1及び第2領域83a,83b)が、図6中右斜め上に位置する他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82及び四角形領域83の一部(後述の第1及び第2領域83a,83b)と、副走査方向に関して重なるように、2つのインクジェットヘッド2a,2bが互いに平行に配置されている。これにより、ヘッド組1において途切れず印字できる正味の幅は、ヘッド組1に属する8つのノズル群71〜74の主走査方向に関する幅から、主走査方向に関して、最も外側にあるノズル群71の三角形領域81及びノズル群74の三角形領域82の幅を引いた長さにほぼ等しい。
ここで、図9〜図11を用いて、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71と、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74とが、副走査方向に関して重なった構成の詳細を説明する。図9は、図6に示す2点鎖線で囲まれた領域Fの拡大平面図である。
なお、図9においては、図面を分かり易くするために、一方のインクジェットヘッド2aに属するノズル群71と他方のインクジェットヘッド2bに属するノズル群74とを副走査方向に近づけて描いている。
図10は、副走査方向に関して一方のインクジェットヘッド2aの三角形領域81と他方のインクジェットヘッド2bの四角形領域83の一部とが重なった領域、及び、その領域近傍に属するノズルから主走査方向に延在した直線に射影した射影点を示す図である。
なお、図10において、白丸が、一方のインクジェットヘッド2aの三角形領域81に属するノズル8と副走査方向に関して重ならない、他方のインクジェットヘッド2bの四角形領域83に属するノズル8から射影した点であり、白三角形が、一方のインクジェットヘッド2aの三角形領域81に属するノズル8と副走査方向に関して重なった、他方のインクジェットヘッド2bの四角形領域83に属するノズル8から射影した点である。言い替えると、白三角形は、一方のインクジェットヘッド2aの三角形領域81に属するノズル8から射影した点であり、他方のインクジェットヘッド2bの四角形領域83に属するノズル8から射影した点は、白丸及び白三角の両方に含まれている。
図11は、副走査方向に関して他方のインクジェットヘッド2bの三角形領域82と一方のインクジェットヘッド2aの四角形領域83の一部とが重なった領域、及び、その領域近傍に属するノズルから主走査方向に延在した直線に射影した射影点を示す図である。
なお、図11において、白丸が、他方のインクジェットヘッド2bの三角形領域82に属するノズル8と副走査方向に関して重ならない、一方のインクジェットヘッド2aの四角形領域83に属するノズル8から射影した点であり、黒三角形が、他方のインクジェットヘッド2bの三角形領域82に属するノズル8と副走査方向に関して重なった、一方のインクジェットヘッド2aの四角形領域83に属するノズル8から射影した点である。言い替えると、黒三角形は、他方のインクジェットヘッド2bの三角形領域82に属するノズル8から射影した点であり、一方のインクジェットヘッド2aの四角形領域83に属するノズル8から射影した点は、白丸及び黒三角の両方に含まれている。
図9に示すように、一方のインクジェットヘッド2aの三角形領域81は、副走査方向に関して、他方のインクジェットヘッド2bの四角形領域83の第1領域83aと全域にわたって重なっている。他方のインクジェットヘッド2bの三角形領域82は、副走査方向に関して、一方のインクジェットヘッド2aの四角形領域83の第1領域83aと全域にわたって重なっている。これら一方及び他方のインクジェットヘッド2a,2bの四角形領域83の第1領域83aは、主走査方向に関する幅が同じになっている。
そして、一方のインクジェットヘッド2aの四角形領域83の第1領域83aと三角形領域81との間の四角形領域83の第2領域83bと、他方のインクジェットヘッド2bの四角形領域83の第1領域83aと三角形領域81との間の四角形領域83の第2領域83bとが、副走査方向に関して、全域にわたって重なっている。
これら一方及び他方のインクジェットヘッド2a,2bの第2領域83bに属するノズル8は、副走査方向に関してそれぞれ重なっており、重なった第2領域83bにおいては、図9に示すように、2つの帯状領域Sが想定可能な幅となっている。
なお、この領域で想定された各帯状領域Sにおいては、一方のインクジェットヘッド2aの第2領域83bに属するノズル8から射影した点と、他方のインクジェットヘッド2bの第2領域83bに属するノズルから射影した点とが重なるので、本実施形態においては、一方のインクジェットヘッド2aの第2領域83bに属するノズル8からインクが吐出され、他方のインクジェットヘッド2bの第2領域83bに属するノズル8からはインクが吐出されない。
一方のインクジェットヘッド2aの三角形領域81に属するノズル8は、副走査方向に関して、他方のインクジェットヘッド2bの第1領域83aに属するノズル8とそれぞれ重なっている。本実施形態においては、第1領域83aに重なった三角形領域81に属するすべてのノズル8からインクの吐出が行われるが、三角形領域81と重なった第1領域83aに属するノズル8のうち、三角形領域81に属するノズル8と重なったノズル8からはインクが吐出されない。
また、他方のインクジェットヘッド2bの三角形領域82に属するノズル8は、副走査方向に関して、一方のインクジェットヘッド2aの第1領域83aに属するノズル8とそれぞれ重なっている。本実施形態においては、第1領域83aに重なった三角形領域82に属するすべてのノズル8からインクの吐出が行われるが、三角形領域82と重なった第1領域83aに属するノズル8のうち、三角形領域82に属するノズル8と重なったノズル8からはインクが吐出されない。
図9には、1つのヘッド組1に属する一方のインクジェットヘッド2aの三角形領域81と、他方のインクジェットヘッド2bの第1領域83aとが重なった領域において、主走査方向に37.5dpiに相当する幅(677.3μm)を有し、副走査方向に延在する複数の帯状領域T1〜T8が図9中左方から右方に向かって順に示されている。各帯状領域T1〜T8は、三角形領域81及びこれに重なった第1領域83aに属するインクを吐出するノズル8をそれぞれ少なくとも1つ以上含みつつ合計16個のインクを吐出するノズル8を含んでいる。これら16個のノズル8は、すべて異なるノズル列75に属している。
なお、帯状領域T1〜T8においては、インクを吐出しないノズル8、すわなち、三角形領域81に属するノズル8と重なった第1領域83aに属するノズル8も含めると帯状領域T1〜T8毎にノズル総数は変わるが、インクを吐出するノズル8、すなわち、三角形領域81に属するノズル8及びこのノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8だけ数えると、各帯状領域T1〜T8には合計16個のノズル8が含まれている。
これら8つの帯状領域T1〜T8のそれぞれに含まれるインクを吐出する16個のノズル8を、図10に示すように、主走査方向に延びる直線上に射影した射影点は、この直線上に等間隔に並び、その間隔は、印字時の解像度である600dpiに相当する距離(42.3μm)に等しい。換言すると、重なった三角形領域81及び第1領域83aを構成するすべてのインクを吐出するノズル8は、主走査方向に関して、600dpiに相当する距離ずつ離れて並んでいる。
なお、図10に示すように、三角形領域81に属するノズル8から射影した点(白三角形)だけを見ると、三角形領域81に属するノズル8が主走査方向に関して離れて並んでいるものの、600dpiに相当する距離ずつ離れて等間隔に並んでいない。一方、白丸及び白三角形の両方は、第1領域83aに属するノズル8から射影された点であるため、第1領域83aに属するノズル8は、単独でも、主走査方向に関して600dpiに相当する距離ずつ離れて等間隔に並んでいる。
図10に示すように、帯状領域T1には、三角形領域81に属するノズル8が14個含まれ、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が2個含まれている。これら16個のノズル8は、主走査方向に関して、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。
具体的には、図10に示すように、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属する2つのノズル8(白丸で示すノズル)が、主走査方向に関して、三角形領域81に属する7つのノズル8を挟んでいる。また、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属する2つのノズル8は、帯状領域T1において、三角形領域81に属するノズル8のうち、図10中左から1番目のノズル8と3番目のノズル8と、9番目のノズル8と11番目のノズル8とによってそれぞれ挟まれている。
帯状領域T2には、三角形領域81に属するノズル8が12個含まれ、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が4個含まれている。帯状領域T3には、三角形領域81に属するノズル8が10個含まれ、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が6個含まれている。各帯状領域T2,T3の16個のノズル8も、主走査方向に関して、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。
帯状領域T4には、三角形領域81に属するノズル8が8個含まれ、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が8個含まれている。これら16個のノズル8は、主走査方向に関して、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を1つずつ挟んで交互に配置されている。
帯状領域T5には、三角形領域81に属するノズル8が6個含まれ、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が10個含まれている。帯状領域T6には、三角形領域81に属するノズル8が4個含まれ、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が12個含まれている。各帯状領域T5,T6の16個のノズル8も、主走査方向に関して、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。
帯状領域T7には、三角形領域81に属するノズル8が2個含まれ、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が14個含まれている。これら16個のノズル8も、主走査方向に関して、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。帯状領域T8には、三角形領域81に属するノズル8が1個含まれ、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が15個含まれている。
このように、帯状領域T1〜T8においては、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8がそれぞれ少なくとも1以上含まれた16個のノズル8が、主走査方向に関して600dpiに相当する距離ずつ離れ、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8同士で相補関係が構成されている。
また、8つの帯状領域T1〜T8のうち、主走査方向に関して、三角形領域81の中央部に想定された帯状領域T4,T5を挟んで第1領域83a(四角形領域83)側にある帯状領域T1〜T3においては、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。
一方、第1領域83aとは反対側にある帯状領域T6〜T8のうち、帯状領域T6,T7においては、上述と同様に、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。このように帯状領域T1〜T8のうち、多くの帯状領域T1〜T7において、三角形領域81に属するノズル8が、三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8に挟まれた部分を有するので、色調差が目立ちにくくなる。
なお、帯状領域T8においては、三角形領域81に属するノズル8が1個しか含まれていないので、三角形領域81に属するノズル8、及び、この三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8同士で互いに挟まれた部分が構成されていない。ただし、帯状領域T8に含まれた三角形領域81に属するノズル8は、主走査方向に関して、帯状領域T7,T8に含まれる三角形領域81に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8によって挟まれている。
また、図9には、1つのヘッド組1に属する一方のインクジェットヘッド2aの第1領域83aと、他方のインクジェットヘッド2bの三角形領域82とが重なった領域において、主走査方向に37.5dpiに相当する幅(677.3μm)を有し、副走査方向に延在する複数の帯状領域U1〜U8が図9中左方から右方に向かって順に示されている。
各帯状領域U1〜U8においても、三角形領域82及びこれに重なった第1領域83aに属するインクを吐出するノズル8をそれぞれ少なくとも1つ以上含みつつ合計16個のインクを吐出するノズル8を含んでいる。これら16個のノズル8は、すべて異なるノズル列75に属している。
なお、帯状領域U1〜U8においても、インクを吐出しないノズル8、すわなち、三角形領域82に属するノズル8と重なった第1領域83aに属するノズル8も含めると帯状領域U1〜U8毎にノズル総数は変わるが、インクを吐出するノズル8、すなわち、三角形領域82に属するノズル8及びこのノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8だけ数えると、各帯状領域U1〜U8には合計16個のノズル8が含まれている。
これら8つの帯状領域U1〜U8のそれぞれに含まれるインクを吐出する16個のノズル8を、図11に示すように、主走査方向に延びる直線上に射影した射影点は、この直線上に等間隔に並び、その間隔は、印字時の解像度である600dpiに相当する距離(42.3μm)に等しい。換言すると、重なった三角形領域82及び第1領域83aを構成するすべてのノズル8は、主走査方向に関して、600dpiに相当する距離ずつ離れて並んでいる。
なお、図11に示すように、三角形領域82に属するノズル8から射影した点(黒三角形)だけ見ると、上述の三角形領域81に属するノズル8と同様に、三角形領域82に属するノズル8が主走査方向に関して離れて並んでいるものの、600dpiに相当する距離ずつ離れて等間隔に並んでいない。また、白丸及び黒三角形の両方は、第1領域83aに属するノズル8から射影された点であるため、上述と同様に、第1領域83aに属するノズル8は、単独でも、主走査方向に関して600dpiに相当する距離ずつ離れて等間隔に並んでいる。
図11に示すように、帯状領域U1には、三角形領域82に属するノズル8が2個含まれ、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が14個含まれている。これら16個のノズル8は、主走査方向に関して、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。
具体的には、図11に示すように、三角形領域82に属する2つのノズル8(黒三角形)が、主走査方向に関して、三角形領域82と重ならない第1領域83aに属する7つのノズル8を挟んでいる。また、三角形領域82に属する2つのノズル8は、帯状領域U1において、三角形領域82と重ならない第1領域83aに属するノズル8のうち、図11中左から1番目のノズル8と3番目のノズル8と、9番目のノズル8と11番目のノズル8とによってそれぞれ挟まれている。
帯状領域U2には、三角形領域82に属するノズル8が4個含まれ、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が12個含まれている。帯状領域U3には、三角形領域82に属するノズル8が6個含まれ、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が10個含まれている。各帯状領域U2,U3の16個のノズル8も、主走査方向に関して、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。
帯状領域U4には、三角形領域82に属するノズル8が8個含まれ、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が8個含まれている。これら16個のノズル8は、主走査方向に関して、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を1つずつ挟んで交互に配置されている。
帯状領域U5には、三角形領域82に属するノズル8が10個含まれ、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が6個含まれている。帯状領域U6には、三角形領域82に属するノズル8が12個含まれ、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が4個含まれている。各帯状領域U5,U6の16個のノズル8も、主走査方向に関して、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。
帯状領域U7には、三角形領域82に属するノズル8が14個含まれ、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が2個含まれている。これら16個のノズル8も、主走査方向に関して、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。帯状領域U8には、三角形領域82に属するノズル8が15個含まれ、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が1個含まれている。
このように、帯状領域U1〜U8においては、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8がそれぞれ少なくとも1以上含まれた16個のノズル8が、主走査方向に関して600dpiに相当する距離ずつ離れ、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8同士で相補関係が構成されている。
また、8つの帯状領域U1〜U8のうち、主走査方向に関して、三角形領域82の中央部に想定された帯状領域U4,U5を挟んで第1領域83a(四角形領域83)とは反対側にある帯状領域U1〜U3においては、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。
一方、第1領域83a側にある帯状領域U6〜U8のうち、帯状領域U6,U7においては、上述と同様に、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8を少なくとも1以上互いに挟んで配置されている。このように帯状領域U1〜U8のうち、多くの帯状領域U1〜U7において、三角形領域82に属するノズル8が、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8に挟まれた部分を有するので、色調差が目立ちにくくなる。
なお、帯状領域U8においては、三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8が1個しか含まれていないので、三角形領域82に属するノズル8、及び、この三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8同士で互いに挟まれた部分が構成されていない。ただし、帯状領域U8に含まれた三角形領域82に属するノズル8と重ならない第1領域83aに属するノズル8は、主走査方向に関して、帯状領域U7,U8に含まれる三角形領域82に属するノズル8によって挟まれている。
このように、副走査方向に関して、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81、四角形領域83の第1及び第2領域83a,83bと、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82、四角形領域83の第1及び第2領域83a,83bとが重なった領域であって、帯状領域T1〜T8、帯状領域S、及び、帯状領域U1〜U8の範囲内において、ノズル群71,74に属するノズル8が主走査方向に関して、600dpiに相当する距離ずつ離れて並んでいるので、一方のインクジェットヘッド2a及び他方のインクジェットヘッド2bの主走査方向の幅全体に亘って途切れず印字することが可能になる。
これにより、ヘッド組1に属する2つのインクジェットヘッド2a,2bの8つノズル群71〜74によって途切れず印字できる正味の幅は、上述のようにヘッド組1に属する8つのノズル群71〜74の主走査方向に関する幅から、主走査方向に関して最も外側にあるノズル群71の三角形領域81及びノズル群74の三角形領域82の幅を引いた長さにほぼ等しい。
このように構成されたヘッド組1において、アクチュエータユニット21内を用紙の搬送に合わせて適宜駆動させると、主走査方向に関して2つのインクジェットヘッド2a,2bの印字幅で600dpiの解像度を有する画像を形成することができる。
図4に戻って、アクチュエータユニット21の貼付範囲内には、多数の圧力室10からなる圧力室群9が形成されている。圧力室群9は、アクチュエータユニット21の貼付範囲とほぼ同じ大きさの台形形状を有している。圧力室群9は、各アクチュエータユニット21について1つずつ形成されている。
図4から明らかなように、圧力室群9に属する各圧力室10は、その長い方の対角線の一端においてノズル8に連通されていると共に、長い対角線の他端においてアパーチャ12を介して副マニホールド流路55aに連通されている。後述するように、アクチュエータユニット21上には、平面形状がほぼ菱形で圧力室10よりも一回り小さい個別電極35(図12及び図13参照)が、圧力室10と対向するようにマトリクス状に配列されている。なお、図4において、図面を分かりやすくするために、流路ユニット7にあって破線で描くべき、ノズル8、圧力室10及びアパーチャ12等を実線で描いている。
圧力室10は、主走査方向及び方向Cの2方向に千鳥状配列パターンでマトリクス状に隣接配置されている。圧力室10の短い方の対角線は主走査方向と平行である。圧力室10の一斜辺と平行な方向は、主走査方向との間の角度が鈍角θであり、方向Cと平行である。そして、圧力室10の両方の鋭角部は、隣接する別の2つの圧力室の間に位置している。
主走査方向及び方向Cの2方向にマトリクス状に隣接配置された圧力室10は、主走査方向に沿って37.5dpiに相当する距離ずつ離隔している。また、圧力室10は、1つのアクチュエータユニット21と対向する領域内において、方向Cに16個並べられている。
マトリクス状に配置された多数の圧力室10は、主走査方向に沿って、複数の圧力室列11を形成している。圧力室列11は、図4の紙面に対して垂直な方向から見て、副マニホールド流路55aとの相対位置に応じて、第1の圧力室列11a、第2の圧力室列11b、第3の圧力室列11c、及び、第4の圧力室列11dに分けられる。これら第1〜第4の圧力室列11a〜11dは、アクチュエータユニット21の上辺から下辺に向けて、11c→11d→11a→11b→11c→11d→…→11bという順番で周期的に4個ずつ配置されている。
第1の圧力室列11aを構成する圧力室10a及び第2の圧力室列11bを構成する圧力室10bにおいては、図4の紙面に対して垂直な方向から見て、ノズル8が図4の紙面下側に偏在している。そして、ノズル8が、それぞれ対応する圧力室10の下端部付近と対向している。
一方、第3の圧力室列11cを構成する圧力室10c及び第4の圧力室列11dを構成する圧力室10dにおいては、図4の紙面に対して垂直な方向から見て、ノズル8が図4の紙面上側に偏在している。そして、ノズル8が、それぞれ対応する圧力室10の上端部付近と対向している。
第1及び第4の圧力室列11a、11dにおいては、図4の紙面に対して垂直な方向から見て、圧力室10a、10dの半分以上の領域が、副マニホールド流路55aと重なっている。第2及び第3の圧力室列11b、11cにおいては、図4の紙面に対して垂直な方向から見て、圧力室10b、10cのほぼ全領域が、副マニホールド流路5aと重なっていない。そのため、いずれの圧力室列11に属する圧力室10についてもこれに連通するノズル8が副マニホールド流路55aと重ならないようにしつつ、副マニホールド流路55aの幅を可能な限り広くして各圧力室10にインクを円滑に供給することが可能となっている。
アクチュエータユニット21との対向領域内では、圧力室10が、主走査方向、副走査方向及び方向Cに関して、それぞれ等間隔でマトリクス状に配置されている。一方、ノズル8は、上述のように、副マニホールド流路55aを避けるとともに、副マニホールド流路55aを挟んで上側と下側とで、圧力室10に対する位置関係が異なっている。そのため、ノズル8は、主走査方向に等間隔で、全体としてはマトリクス状に配置されている。
次に、アクチュエータユニット21の構成について説明する。アクチュエータユニット21上には、圧力室10と同じパターンで多数の個別電極35がマトリクス状に配置されている。各個別電極35は、平面視において圧力室10と対向する位置に配置されている。
図12は個別電極35の平面図である。図12に示すように、個別電極35は、圧力室10と対向する位置に配置されて平面視において圧力室10内に収容される主電極領域35aと、主電極領域35aにつながっており且つ圧力室10外に対向する位置に配置された補助電極領域35bとから構成されている。各個別電極35は、略1μmの厚みを有している。
図13は、図12のXIII−XIII線に沿った断面図である。図12に示すように、アクチュエータユニット21は、それぞれ厚みがほぼ同じである4枚の圧電シート41、42、43、44を含んでいる。これら圧電シート41〜44は、ヘッド本体3内の1つのインク吐出領域内に形成された多数の圧力室10に跨って配置されている。圧電シート41〜44は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなるものである。
最上層の圧電シート41上に形成された個別電極35の主電極領域35aは、図12に示すように、圧力室10とほぼ相似である略菱形の平面形状を有している。つまり、その菱形の各部は、滑らかな曲線(円弧)状に形成されている。略菱形の主電極領域35aにおける下方鋭角部は延出されて、圧力室10外に対向する補助電極領域35bにつながっている。補助電極領域35bの先端には、個別電極35と電気的に接続された円形のランド部36が設けられている。
図13に示すように、ランド部36は、キャビティプレート22において圧力室10が形成されていない領域に対向している。ランド部36は、例えばガラスフリットを含む金からなり、図12に示すように、補助電極領域35bにおける延出部表面上に形成されている。ランド部36は、図示しないFPC(Flexible Printed Circuit)に設けられた接点と電気的に接合されている。制御部150は、後述のように、FPCを通じて個別電極35に電圧パルスを供給する。
最上層の圧電シート41とその下側の圧電シート42との間には、圧電シート41と同じ外形及び略2μmの厚みを有する共通電極34が介在している。個別電極35及び共通電極34は共に、例えばAg−Pd系などの金属材料からなる。
共通電極34は、図示しない領域において接地されており、すべての圧力室10に対応する領域において等しく一定の電位、本実施の形態ではグランド電位に保たれている。また、個別電極35は、各圧力室10に対応するものごとに電位を制御することができるように、個別電極35ごとに独立した別のリード線を含むFPC及びランド部36を介してドライバIC180(図14参照)に接続されている。
なお、後述のように、個別電極35に選択的に所定の電圧パルスが供給されることにより、この個別電極35に対応する圧力室10内のインクに圧力が加えられる。これによって、個別インク流路32を通じて、対応するノズル8からインクが吐出される。すなわち、アクチュエータユニット21における各圧力室10に対向する部分は、各圧力室10及びノズル8に対応する個別の圧電アクチュエータ30に相当する。つまり、4枚の圧電層からなる積層体中には、図13に示されているような構造を単位構造とするアクチュエータが圧力室10ごとに作り込まれており、これによってアクチュエータユニット21が構成されている。
以下は、アクチュエータユニット21の制御についての説明である。図14は、図1に示されるプリンタが有する制御部150について説明する図である。アクチュエータユニット21の制御のために、プリンタ1は制御部150及びドライバIC180を有している。なお、プリンタ1は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが実行するプログラム及びプログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)、及び、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)を有しており、これらによって以下に説明する機能を有する制御部150が構築されている。
制御部150は、図14に示されているように、印刷制御部151及び動作制御部156を有している。動作制御部156は、PC99などから送信された印刷に係るデータに基づいて、給紙機構111及び搬送機構110を駆動制御する。印刷制御部151は、画像データ記憶部152、波形パターン記憶部153及び印刷信号生成部154を有している。画像データ記憶部152は、PC99などから送信された印刷に係る画像データを記憶している。
波形パターン記憶部153は複数の吐出パルス波形に対応する波形データを記憶している。各吐出パルス波形は画像の階調等に応じた基本の波形に相当する。このような波形に対応した電圧パルス信号がドライバIC80を介して個別電極35に供給されることにより、それぞれの階調等に対応した量のインクがインクジェットヘッド2から吐出される。
印刷信号生成部154は、画像データ記憶部152に記憶された画像データに基づき、シリアルの印刷データを生成する。このような印刷データは、波形パターン記憶部153に記憶された複数の吐出パルス波形に対応するデータのいずれかに対応しており、各個別電極35に所定のタイミングで各吐出パルス波形が供給されるよう指示するデータである。印刷信号生成部154は、画像データ記憶部152が記憶している画像データに基づき、画像データに対応するタイミング、波形及び個別電極に応じた印刷データを作成する。
そして、印刷信号生成部154は、生成した印刷データをドライバIC180に出力する。
なお、印刷信号生成部154において、印刷データを生成するときは、どのノズル8からインクを吐出するのかという判定がなされ、この判定に基づいた印刷データが生成される。本実施形態においては、各ヘッド組1に属する8つのノズル群71〜74のうち、主走査方向に関して、最も外側にあるノズル群71の三角形領域81及びノズル群74の三角形領域82に属するノズル8に対応する個別電極35、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82に属するノズル8と副走査方向に関して重なる一方のインクジェットヘッド2aの第1領域83aに属するノズル8に対応する個別電極35、及び、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81及び第2領域83bに属するノズル8と副走査方向に関して重なる他方のインクジェットヘッド2bの第1及び第2領域83a,83bに属するノズル8に対応する個別電極35には、どのタイミングにおいても吐出パルス波形が供給されない判定が印刷信号生成部154で行われている。
なお、このように吐出パルス波形が供給されないノズル8に対しては、ノズル8のインクの増粘や乾燥を防ぐという観点から、インクのメニスカスが振動する程度のパルス波形を供給してもよい。
これにより、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の四角形領域83を構成する複数のノズル8のうち、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82に属するノズル8と重なるノズル8、及び、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の四角形領域83を構成する複数のノズル8のうち、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81に属するノズル8と第1領域83aに属するノズル8と重なるノズル8からインクが吐出されないという容易な制御を行うことが可能になる。また、帯状領域T1〜T8、U1〜U8においては、三角形領域81,82に属するノズル8からインクが吐出されるので、一方及び他方のインクジェットヘッド2a,2bで形成される画像の色に色調差があっても、この帯状領域T1〜T8、U1〜U8部分で徐々に色調が変化することになって、その境界部分の色調差が目立ちにくくなる。
ドライバIC80はアクチュエータユニット21ごとに設けられており、シフトレジスタ、マルチプレクサ及びドライブバッファ(共に図示されず)を有している。
シフトレジスタは、印刷信号生成部154から出力されたシリアルの印刷データをパラレルデータに変換する。つまり、シフトレジスタは印刷データの指示に従って、各圧力室10及びノズル8に対応する圧電アクチュエータ30に対する個別のデータを出力する。
マルチプレクサは、シフトレジスタから出力された各データに基づいて、波形パターン記憶部153が記憶している波形データの中から適切なものを選択する。そして、マルチプレクサは選択したデータをドライブバッファに出力する。
ドライブバッファは、マルチプレクサから出力された波形データに基づいて、所定のレベルを有する吐出電圧パルス信号を生成する。そして、ドライブバッファは、各圧電アクチュエータ30に対応する個別電極35に上記の吐出電圧パルス信号を、FPCを介して供給する。
次に、圧電アクチュエータ30の駆動について述べる。アクチュエータユニット21における圧電シート41の分極方向はその厚み方向である。つまり、圧電アクチュエータ30は、圧電シート41を活性部が存在する層とし且つ3枚の圧電シート42〜44を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。
ドライバIC180から個別電極35に選択的に所定の吐出電圧パルスが供給されることによって、個別電極35が正又は負の所定電位となり、圧電シート41中の電極に挟まれた電界印加部分が活性部(圧力発生部)として働き、例えば電界と分極とが同方向であれば圧電横効果により分極方向と直角方向に縮む。
一方、3枚の圧電シート42〜44は、外部から電界が印加されることが無く、そのために活性部としてほとんど機能しない。つまり、圧電シート41において主に主電極領域35aと共通電極34とによって挟まれた部分が、圧電横効果により分極方向と直角方向に縮む。他の圧電シート42〜44は、この変位を規制する。これによって、圧電シート41〜44全体が非活性側、すなわち、圧力室側へ凸となるように変形する。このため、圧力室10の容積が低下して、インクの圧力が上昇し、ノズル8からインクが吐出される。その後、個別電極35を共通電極34と同じ電位に戻すと、圧電シート41〜44は元の形状になって圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インクを副マニホールド流路55a側から吸い込む。
<印字時の動作例>
再び図4に戻って、図4中に示された帯状領域Sは図7中に示すものと同じ帯状領域Sであって、この帯状領域S中では、16列の圧力室列11a〜11dの内の何れの列についても、ノズル8が1つしか存在していない。これにより、各圧力室列11a〜11dが図7に示す第1のノズル列75a〜第16のノズル列75pと対応していることがわかる。なお、図7においては、ヘッド本体3を下から見ているので、ノズル列75に対応する圧力室列11の上下が逆さまになっている。
例えば、600dpiの解像度で主走査方向に延びる直線を印字する場合について説明する。図4において、ノズル8(及び圧力室10)が、一番下から順次上方に、互いに隣接するインクのドットを形成するように配列されている参考例の場合(図示せず)について簡単に説明する。
この場合には、用紙が搬送されるのに対応して、搬送方向の一番上流側に位置する圧力室列中のノズル8からインクの吐出を始め、順次上側に隣接する圧力室列に属するノズル8を選択してインクを吐出する。これにより、ドットが主走査方向に向かって600dpiの間隔で隣接しながら形成されていく。最終的には、全体で600dpiの解像度で主走査方向に延びる直線が描かれることになる。
本実施の形態では、図4中一番下に位置する圧力室列11b中のノズル8からインクの吐出を始め、用紙が搬送されるのに伴って順次上側に隣接する圧力室に連通するノズル8を選択してインクを吐出していく。このとき、下側から上側に1圧力室列上がるごとのノズル位置の主走査方向での配設位置が同じでないので、用紙が搬送されるのに伴って主走査方向に沿って順次形成されるインクのドットは、600dpiの間隔で等間隔にはならない。
すなわち、図4に示したように、用紙が搬送されるのに対応して、まず図中一番下の圧力室列11bに連通するノズル(1)からインクが吐出され、用紙上に37.5dpiに相当する間隔でドット列が形成される。この後、用紙の搬送に伴って、直線の形成位置が下から2番目の圧力室列11aに連通するノズル(9)の位置に達すると、このノズル(9)からインクが吐出される。これにより、始めに形成されたドット位置から600dpiに相当する間隔分の8倍だけ主走査方向に変位した位置に2番目のインクドットが形成される。
次に、用紙の搬送に伴って、直線の形成位置が下から3番目の圧力室列11dに連通するノズル(13)の位置に達すると、ノズル(13)からインクが吐出される。これにより、始めに形成されたドット位置から600dpiに相当する間隔分の12倍だけ主走査方向に変位した位置に3番目のインクドットが形成される。さらに、用紙の搬送に伴って、直線の形成位置が下から4番目の圧力室列11cに連通するノズル(15)の位置に達すると、ノズル(15)からインクが吐出される。これにより、始めに形成されたドットの位置から600dpiに相当する間隔分の14倍だけ主走査方向に変位した位置に4番目のインクドットが形成される。さらに、用紙の搬送に伴って、直線の形成位置が下から5番目の圧力室列11bに連通するノズル(5)の位置に達すると、ノズル(5)からインクが吐出される。これにより、始めに形成されたドット位置から600dpiに相当する間隔分の4倍だけ主走査方向に変位した位置に5番目のインクドットが形成される。
以下同様にして、順次図中下側から上側に位置する圧力室10に連通するノズル8を選択しながらインクドットが形成されていく。このとき、図4中に示したノズル8の番号をNとすると、(倍率n=N−1)×(600dpiに相当する間隔)に相当する分だけ、始めに形成されたドット位置から主走査方向に変位した位置にインクドットが形成される。最終的に16個のノズル8を選択し終わったときには、図中一番下のノズル(1)により37.5dpiに相当する間隔で形成されたインクドットの間が600dpiに相当する間隔毎に離れて形成された15個のドットで繋げられ、全体で600dpiの解像度で主走査方向に延びる直線を描くことが可能になっている。
なお、インクジェットヘッド毎の4つのノズル群71〜74の隣接した三角形領域81,82同士、及び、ヘッド組1の一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81、第1及び第2領域83a,83bと、他方のインクジェットヘッド2bの三角形領域82、第1及び第2領域83a,83bとが、主走査方向に関して上記のように相補関係となることで、600dpiの解像度での印刷が可能となっている。
上述のように、四角形領域83での印字動作では、(1)、(9)、(13)、(15)、(5)、(7)、(11)、(16)、(3)、(8)、(12)、(14)、(4)、(6)、(10)、(2)の順にインクを吐出して画像が形成されている。しかし、三角形領域81,82同士の重なり領域では、1つのインクジェットヘッド2の中でも、対応するノズル群同士がそれぞれの間隙で副走査方向に離隔している。そのため、印字動作もこの離隔を加味したものとなっている。また、三角形領域81と第1領域83a、及び、三角形領域82と第1領域83aの重なり領域では、2つのインクジェットヘッド2a,2b間でも、対向するノズル群同士がそれぞれの間隙で副走査方向に離隔している。
そのため、上述と同様に、印字動作もこの離隔を加味したものとなっている。
1つのインクジェットヘッド2内の重なり領域において、1つの帯状領域R(例えば、R2)では、16個のノズル8のうち、(1)、(9)、(13)、(15)、(5)、(7)、(11)、(16)、(3)、(8)、(12)及び(4)が一方のノズル群に属し、(14)、(6)、(10)及び(2)がこれに隣接する他方のノズル群に属している。四角形領域83では、上述の印字手順にあるように、用紙の搬送に伴って、ノズル8は(1)、(9)、(13)、(15)、(5)、(7)、(11)、(16)、(3)、(8)、(12)の順にインク滴を吐出していく。次の(14)のノズル8は、別のノズル群に属している。そのため、(14)のノズル8からの吐出は、四角形領域83での(12)と(14)との離隔距離に、2つのノズル群の離隔距離を加えた距離を、用紙が搬送される時間の後となる。この時間内には、用紙は、一方のノズル群にある(4)のノズル8に到達するので、このノズル8が先にインクを吐出する。この後、用紙の搬送に伴って、他方のノズル群に属する(14)、(6)、(10)及び(2)の順で吐出される。
さらに、帯状領域R2の隣の帯状領域R3では、(1)、(9)、(13)、(15)、(5)、(7)、(11)、(16)、(3)及び(8)が一方のノズル群に属し、(12)、(14)、(4)、(6)、(10)及び(2)が他方のノズル群に属している。この領域では、(8)のノズル8から吐出した後、四角形領域83での(8)と(12)との離隔距離に、2つのノズル群の離隔距離を加えた距離を、用紙が搬送される時間だけ待って、(12)のノズル8から吐出されることとなる。
以上のように、1つのインクジェットヘッド2内の重なり領域では、各帯状領域Rについて、ノズル8の所属が一方のノズル群から他方のノズル群に移るところで、両ノズル群の離隔距離に対応した待ち時間が生じている。主走査方向で隣接し、搬送方向で異なるノズル群に属するノズル8の間では、四角形領域83での吐出タイミングのずれ(時間差)にこの待ち時間を加えた時間内に、上流側(一方)のノズル群中のノズル8があれば、このノズル8が先に吐出されることになり、四角形領域83での吐出順と異なっている。
本実施形態では、四角形領域83と吐出順が前後するノズル8が含まれる帯状領域Rが、四角形領域83と同じ吐出順の領域と交互に形成されている。
2つのインクジェットヘッド2a,2b間でも、同様である。つまり、三角形領域81と第1領域83aという重なり領域が異なっていても、三角形領域81に属するノズル8と副走査方向に関して重ならない第1領域83aに属するノズル8は、三角形領域82に属するノズル8と同じ配列となっており、三角形領域82と第1領域83aとの重なり領域においても、三角形領域82に属するノズル8と副走査方向に関して重ならない第1領域83aに属するノズル8は、三角形領域81に属するノズル8と同じ配列となっているからである。
この場合には、端部同士の重なり領域において、インクジェットヘッド2a,2b間の離隔距離に対応した時間を待って、他方のノズル群中のノズル8が吐出される。これにより、8つのノズル群71〜74から吐出されたインクによって記録される画像が途中で途切れなくなる。
以上のような本実施形態によるヘッドユニット5によると、主走査方向に関する印字領域が、長尺なインクジェットヘッドの印字領域(すなわち、2つのインクジェットヘッド2a,2bの主走査方向に関する印字領域を足し合わせた合計印字領域とほぼ同じ印字領域)とほぼ同じ印字領域を有するように2つのインクジェットヘッド2a,2bが組み合わされているので、一つの長尺なインクジェットヘッドを製造する必要がなくなり、歩留まりが向上する。
また、ヘッド組1の一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の第2領域83b(四角形領域83の一部)と、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の第2領域83b(四角形領域83の一部)とが副走査方向に関して重なっているので、支持部材4に一方及び他方のインクジェットヘッド2a,2bを組み付けたときの組み付け誤差に起因して、印刷時の画像に白すじが出にくくなる。つまり、一方のインクジェットヘッド2aと他方のインクジェットヘッド2bの四角形領域83が副走査方向に部分的に重なっていない場合では、一方及び他方のインクジェットヘッド2a,2bを支持部材4に組み付けたときに、両インクジェットヘッド2a,2bが主走査方向に関して離れる方向に僅かにでもずれると、印刷時の画像に白すじが生じる。
また、ヘッド組1の一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81、第1及び第2領域83a,83bと、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82、第1及び第2領域83a,83bとが、副走査方向に重なっており、且つ、重なった三角形領域81,82、第1及び第2領域83a,83bに属するすべてのノズル8が主走査方向に関して600dpiに相当する間隔で離れて並んでいるので、一方及び他方のインクジェットヘッド2a,2bで形成される画像の色に色調差があっても、重なった部分で徐々に色調が変化することになって、その境界部分の色調差が目立ちにくくなる。
また、どの帯状領域T1〜T8においても、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81及び他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の第1領域83aにそれぞれ属するノズル8が分散しており、より色調差が目立ちにくくなる。また、どの帯状領域U1〜U8においても、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の第1領域83a及び他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82にそれぞれ属するノズル8が分散しており、より色調差が目立ちにくくなる。
また、各インクジェットヘッド2においては、ノズル群71〜74が、主走査方向に関して四角形領域83を挟む両側に三角形領域81,82を有しており、隣接する三角形領域81,82同士が副走査方向に関してほぼ全域にわたって重なり、且つ、重なった三角形領域81,82に属するすべてのノズル8が、主走査方向に関して、600dpiに相当する間隔で離れて並んでいる。これにより、複数のノズル群71〜74を有するインクジェットヘッド2を複数用いてヘッドユニット5を構成することができる。また、インク吐出面3aにおいて、4つのノズル群71〜74が点対称に配列されているので、多くのノズル群71〜74を有するインクジェットヘッド2を製造しやすくなる。
変形例として、印刷信号生成部154において、印刷データを生成するときに、各ヘッド組1に属する8つノズル群71〜74のうち、主走査方向に関して、最も外側にあるノズル群71の三角形領域81及びノズル群74の三角形領域82に属するノズル8に対応する個別電極35、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81に属するノズル8に対応する個別電極35、及び、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82及び第2領域83bに属するノズル8と対応する個別電極35には、どのタイミングにおいても吐出パルス波形が供給されない判定が印刷信号生成部154においてなされていてもよい。
なお、これらのノズル8には、吐出パルス波形を供給する代わりに、ノズル8に形成されるインクのメニスカスが振動する程度のパルス波形を供給してもよい。これにより、不吐出に制御されるノズル8での、インクの増粘が抑制される。
この場合、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71と、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74とが、副走査方向に関して重なった範囲内では、ノズル群71の第1及び第2領域83a,83b、及び、ノズル群74の第1領域83aに属するノズル8からインクが吐出される容易な制御が行われる。
なお、上述の変形例では、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81、及び、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82に属するノズル8からはインクが吐出されないので、当該三角形領域81,82を設けていなくてもよい。
続いて、第2実施形態によるインクジェットプリンタについて、図15を参照しつつ以下に説明する。図15は、本発明の第2実施形態によるヘッド組のヘッド本体を下方から見たときの部分拡大平面図である。なお、図15においても、図面を分かり易くするために、一方のインクジェットヘッド2aに属するノズル群71と他方のインクジェットヘッド2bに属するノズル群74とを副走査方向に近づけて描いている。
本実施形態によるインクジェットプリンタは、ヘッド組を構成する2つのインクジェットヘッド2a,2bの副走査方向に関する重なり部分が、第1実施形態と異なるだけで、それ以外はほとんど同じ構成である。なお、第1実施形態と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。
本実施形態におけるヘッド組は、図15に示すように、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81と、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の四角形領域83の一部(領域283)とが、副走査方向に関してほぼ全域にわたって重なるように、一方及び他方のインクジェットヘッド2a,2bが互いに平行に配置されて構成されている。また、この三角形領域81に属するノズル8は、重なった領域283に属するノズル8と副走査方向に関して重なっている。
また、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82、及び、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の四角形領域83の一部(領域283)も、副走査方向に関してほぼ全域にわたって重なっているが、ノズル群71,74の四角形領域83同士は、副走査方向に関して重ならず、主走査方向に関して途切れずに連続するように配置されている。また、この三角形領域82に属するノズル8は、重なった領域283に属するノズル8と副走査方向に関して重なっている。
一方及び他方のインクジェットヘッド2a,2bの領域283は、主走査方向に関する幅が、第1実施形態の第1領域83aと同じになっており、そこに属するノズルの配置形態も同様である。したがって、図15に示す、帯状領域T1〜T8、U1〜U8も第1実施形態と同様である。なお、帯状領域U8と帯状領域T1に含まれるノズル8は連続して600dpiに相当する距離ずつ離れて並んでいる。
この構成により、本実施形態によるヘッド組においても、ヘッド組に属する8つのノズル群71〜74の主走査方向に関する幅から、主走査方向に関して、最も外側にあるノズル群71の三角形領域81及びノズル群74の三角形領域82の幅を引いた長さが途切れず印字できる長さとなる。
本実施形態における制御部(制御手段)に含まれる印刷信号生成部は、第1実施形態とほぼ同様な制御構成であるが、印刷データを生成するときに、どのノズル8からインクを吐出するのかという判定が若干異なる。本実施形態における印刷信号生成部においては、各ヘッド組に属する8つのノズル群71〜74のうち、主走査方向に関して、最も外側にあるノズル群71の三角形領域81及びノズル群74の三角形領域82に属するノズル8に対応する個別電極35、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82に属するノズル8と副走査方向に関して重なる一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の領域283に属するノズル8に対応する個別電極35、及び、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81に属するノズル8と副走査方向に関して重なる他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の領域283に属するノズル8に対応する個別電極35には、どのタイミングにおいても吐出パルス波形が供給されない判定が行われる。
この場合、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71と、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74とが、副走査方向に関して重なった範囲内では、ノズル群71の三角形領域81に属するノズル8、ノズル群74の三角形領域82に属するノズル8、及び、ノズル群71,74の三角形領域81,82に属するノズル8と重ならない領域283に属するノズル8からインクが吐出される容易な制御が行われる。
このように本実施形態では、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71と、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74とが、副走査方向に関して重なった範囲内、すなわち、帯状領域T1〜T8,U1〜U8においては、三角形領域81,82に属するノズル8からインクが吐出されるので、一方及び他方のインクジェットヘッド2a,2bで形成される画像の色に色調差があっても、この帯状領域T1〜T8、U1〜U8部分で徐々に色調が変化することになって、その境界部分の色調差が目立ちにくくなる。さらに、第1実施形態と比して、帯状領域T1〜T8と帯状領域U1〜U8との間に帯状領域Sが含まれていないので、色調変化がより一層目立たずに滑らかになる。なお、第2実施形態のインクジェットプリンタにおいても、第1実施形態と同様な構成においては、同様な効果を得ることができる。
変形例として、印刷信号生成部においては、印刷データを生成するときに、各ヘッド組1に属する8つのノズル群71〜74のうち、主走査方向に関して、最も外側にあるノズル群71の三角形領域81及びノズル群74の三角形領域82に属するノズルに対応する個別電極35、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81に属するノズル8に対応する個別電極35、及び、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82に属するノズル8と対応する個別電極35には、どのタイミングにおいても吐出パルス波形が供給されない判定が行われてもよい。なお、この場合でもノズル8のインクのメニスカスが振動を起こすパルス波形を供給するようにしてもよい。
この場合、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71と、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74とが、副走査方向に関して重なった範囲内では、領域283に属するノズル8からインクが吐出される容易な制御が行われる。
なお、上述の変形例では、一方のインクジェットヘッド2aのノズル群71の三角形領域81、及び、他方のインクジェットヘッド2bのノズル群74の三角形領域82に属するノズル8からはインクが吐出されないので、当該三角形領域81,82を設けなくてもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述した各実施形態におけるヘッド組1は、2つのインクジェットヘッド2a,2bからなるが、印字領域が主走査方向に延びるように、3以上のインクジェットヘッドが配列されていてもよい。また、ヘッドユニット5は、4つのヘッド組1を有しているが、1〜3及び5以上のヘッド組を有していてもよい。また、インクジェットヘッド2には、4つのノズル群71〜74が形成されているが、1〜3及び5以上のノズル群が形成されていてもよい。また、ヘッド組を構成したときに、主走査方向に関して最も外側に存在するノズル群の外側の三角形領域はなくてもよい。また、隣接するノズル群71〜74同士が互いに相補関係を保っておれば、インク吐出面の中心点60に対して点対称に配列されていなくてもよい。
また、インクジェットヘッド2に形成されるノズル群は、三角形領域と四角形領域とから構成されておれば、上述したように、その外形形状は台形形状に限定されるものではなく、平行四辺形であってもよく、台形形状と平行四辺形形状が組み合わされていてもよい。いずれも、三角形領域の斜辺部が、隣接するノズル群同士で平行に配置されているとよい。つまり、複数のノズルがマトリクス状に配列された複数のノズル群が、インクジェットヘッド2の長辺方向に所定の群間隔で並設されている。これらのノズル群は、台形形状および平行四辺形形状の少なくとも1種類の形状を有している。さらに、これら複数のノズル群が、インクジェットヘッド2の短辺方向における中心に対して、この短辺方向に平行な相反する方向に交互に等距離偏倚して配置された構成である。これによって、インクジェットヘッド2は、長辺方向および短辺方向にコンパクトな形状となり、複数のインクジェットヘッド2を組み合わせる場合でも、全体にコンパクトなヘッドユニット5が得られることになる。
さらに、隣接するノズル群同士でも、点対称の関係を有していてもよい。これにより、ノズル群の占める領域の外形が、1種類で済む。このとき、アクチュエータユニット21も1種類で済むので、インクジェットヘッドの製造が容易となり、コストの低減にも寄与する。
本発明の第1実施形態によるインクジェットプリンタの概略側断面図である。 図1に示すヘッドユニットの平面図である。 図1に示したヘッド本体の平面図である。 図3に示す一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 個別インク流路を示す断面図である。 1つのヘッド組のヘッド本体を下方から見たときの平面図である。 図6に示す2点鎖線で囲まれた領域Eの拡大平面図である。 副走査方向に関して互いに重なった三角形領域及びその領域近傍に属するノズルから主走査方向に延在した直線に射影した射影点を示す図である。 図6に示す2点鎖線で囲まれた領域Fの拡大平面図である。 副走査方向に関して一方のインクジェットヘッドの三角形領域と他方のインクジェットヘッドの四角形領域の一部とが重なった領域、及び、その領域近傍に属するノズルから主走査方向に延在した直線に射影した射影点を示す図である。 副走査方向に関して他方のインクジェットヘッドの三角形領域と一方のインクジェットヘッドの四角形領域の一部とが重なった領域、及び、その領域近傍に属するノズルから主走査方向に延在した直線に射影した射影点を示す図である。 個別電極の平面図である。 図2のXIII−XIII線に沿った断面図である。 図1に示されるプリンタが有する制御部について説明する図である。 本発明の第2実施形態によるヘッド組のヘッド本体を下方から見たときの部分拡大平面図である。
1 ヘッド組
2,2a,2b インクジェットヘッド
3a インク吐出面
4 支持部材
5 ヘッドユニット
8 ノズル
60 点
71〜74 ノズル群
75 ノズル列
81,82 三角形領域
83 四角形領域
83a 第1領域(四角形領域の一部)
150 制御部(制御手段)
283 領域(四角形領域の一部)R1〜R8,S,T1〜T8,U1〜U8 帯状領域

Claims (18)

  1. 複数のノズルが形成された一方向に長尺なインク吐出面を有し、前記インク吐出面において、前記複数のノズルが前記一方向に沿って所定間隔で配列された複数のノズル列と、前記複数のノズル列が前記一方向と直交する方向に互いに隣接して配列されてなるノズル群とが構成された複数のインクジェットヘッドと、
    前記複数のインクジェットヘッドを支持する支持部材とを備えており、
    前記ノズル群は、
    複数の前記ノズルが前記一方向に所定距離ずつ離れて並び、四角形平面形状を構成してなる四角形領域と、複数の前記ノズルが前記一方向に離れて並び、前記直交する方向に延在した前記四角形領域の一辺を共有しつつ三角形平面形状を構成してなる三角形領域とを有しており、
    1つの前記インクジェットヘッドの前記インク吐出面の一方端にある前記三角形領域である第1の重なり領域と別の前記インクジェットヘッドの前記インク吐出面にある前記四角形領域の一部である第2の重なり領域とが、前記第1及び第2の重なり領域に属するノズルが前記一方向に前記所定距離ずつ離れて並ぶように、前記直交する方向に関して重なっており、
    前記第2の重なり領域に属するノズルが、前記第1の重なり領域に属する全ノズルと前記直交する方向に関して一対一に重なった重なりノズル、及び、前記直交する方向に関して前記第1の重なり領域に属するノズルと重なっていない非重なりノズルの両方からなり、
    前記直交する方向に関して前記第1及び第2の重なり領域に相当する範囲内に、前記一方向に関して前記所定間隔に等しい幅を有し且つ前記直交する方向に延在した帯状領域を想定したときに、
    前記第1の重なり領域に属するノズルの数が前記第2の重なり領域に属する前記非重なりノズルの数より少ない前記帯状領域においては、当該帯状領域内の前記第1の重なり領域に属するノズルのそれぞれが、前記第2の重なり領域側の前記インクジェットヘッドに形成されたノズルに前記一方向に関して両側から挟まれており、
    前記第1の重なり領域に属するノズルの数が前記第2の重なり領域に属する前記非重なりノズルの数以上である前記帯状領域においては、当該帯状領域内の前記第2の重なり領域に属する非重なりノズルのそれぞれが、前記第1の重なり領域側の前記インクジェットヘッドに形成されたノズルに前記一方向に関して両側から挟まれていることを特徴とするヘッドユニット。
  2. 前記別のインクジェットヘッドの前記インク吐出面の他方端にある前記三角形領域である第3の重なり領域と前記1つのインクジェットヘッドの前記インク吐出面にある前記四角形領域の一部である第4の重なり領域とが、前記第3及び第4の重なり領域に属するノズルが前記一方向に前記所定距離ずつ離れて並ぶように、前記直交する方向に関して重なっており、
    前記第4の重なり領域に属するノズルが、前記第3の重なり領域に属する全ノズルと前記直交する方向に関して一対一に重なった重なりノズル、及び、前記直交する方向に関して前記第1の重なり領域に属するノズルと重なっていない非重なりノズルの両方からなり、
    前記直交する方向に関して前記第3及び第4の重なり領域に相当する範囲内に、前記一方向に関して前記所定間隔に等しい幅を有し且つ前記直交する方向に延在した帯状領域を想定したときに、
    前記第3の重なり領域に属するノズルの数が前記第4の重なり領域に属する前記非重なりノズルの数より少ない前記帯状領域においては、当該帯状領域内の前記第3の重なり領域に属するノズルのそれぞれが、前記第4の重なり領域側の前記インクジェットヘッドに形成されたノズルに前記一方向に関して両側から挟まれており、
    前記第3の重なり領域に属するノズルの数が前記第4の重なり領域に属する前記非重なりノズルの数以上である前記帯状領域においては、当該帯状領域内の前記第4の重なり領域に属する非重なりノズルのそれぞれが、前記第3の重なり領域側の前記インクジェットヘッドに形成されたノズルに前記一方向に関して両側から挟まれていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドユニット。
  3. 前記1つのインクジェットヘッドの前記四角形領域の一部と前記別のインクジェットヘッドの前記四角形領域の一部が前記直交する方向に重なっており、当該重なった領域において、前記1つのインクジェットヘッドの前記四角形領域に属する全てのノズルは、前記別のインクジェットヘッドの前記四角形領域に属する全てのノズルと前記直交する方向に関して一対一に重なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘッドユニット。
  4. 前記1つのインクジェットヘッドの前記四角形領域の一部と前記別のインクジェットヘッドの前記四角形領域の一部が前記直交する方向に重なっており、当該重なった領域において、前記1つのインクジェットヘッドの前記四角形領域に属する全てのノズルは、前記別のインクジェットヘッドの前記四角形領域に属する全てのノズルと前記直交する方向に関して一対一に重なっていることを特徴とする請求項2に記載のヘッドユニット。
  5. 前記ノズル群が、前記一方向に関して前記四角形領域を前記三角形領域とで挟む位置に別の前記三角形領域をさらに有していることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のヘッドユニット。
  6. 前記ノズル群が、前記インクジェットヘッドのそれぞれにおいて、前記一方向に沿って所定の間隔で複数併設され、
    前記一方向に隣り合って配置された2つの前記三角形領域が、その全域が前記一方向に亘って重なるように互いに平行に配置され、当該重なった領域に含まれるノズルが前記一方向に前記所定距離ずつ離れて並び、且つ、前記直交する方向に重ならないことを特徴とする請求項5に記載のヘッドユニット。
  7. 前記インク吐出面には、複数の前記ノズル群が、前記インク吐出面の中心に対して点対称に配列されていることを特徴とする請求項6に記載のヘッドユニット。
  8. 前記一方向に関して隣接する前記ノズル群同士が点対称の関係を有していることを特徴とする請求項7に記載のヘッドユニット。
  9. 前記ノズル群に属する各ノズルが、前記インク吐出面の中心に対して点対称に配列されていることを特徴とする請求項7又は8に記載のヘッドユニット。
  10. 前記ノズル群は、前記四角形領域と、前記一方向に関して前記四角形領域の両端にある前記三角形領域とで構成された台形領域からなり、
    前記四角形領域に属する一のノズルと、当該一のノズルと前記一方向に関して前記所定距離だけ離れて隣接する2つのノズルとは、前記直交する方向に関して少なくとも1列の前記ノズル列を介して配置されていることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載のヘッドユニット。
  11. 前記ノズル群が、前記インクジェットヘッドのそれぞれにおいて、前記一方向に沿って所定の間隔で複数併設され、且つ、前記直交する方向における前記インクジェットヘッドの中心に対して、前記直交する方向に平行な相反する方向に交互に等距離偏倚してそれぞれ配置されており、
    前記ノズル群のそれぞれの平行対向辺が、前記一方向に沿うように配置されていること特徴とする請求項10に記載のヘッドユニット
  12. 請求項1又は2に記載のヘッドユニットと、
    前記第2の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出されず且つ前記第1の重なり領域に属するノズルからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 請求項に記載のヘッドユニットと、
    前記第1の重なり領域に属するノズルからインクが吐出されず、前記第2の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出され、且つ、前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に互いに重なった2つの前記四角形領域の重なり領域のうちどちらか一方だけからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 請求項に記載のヘッドユニットと、
    前記第2の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出されず、前記第1の重なり領域に属するノズルからインクが吐出され、且つ、前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に互いに重なった2つの前記四角形領域の重なり領域のうちどちらか一方だけからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  15. 請求項2に記載のヘッドユニットと、
    前記第2及び第4の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出されず且つ前記第1及び第3の重なり領域に属するノズルからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  16. 請求項4に記載のヘッドユニットと、
    前記第1及び第3の重なり領域に属するノズルからインクが吐出されず、前記第2及び第4の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出され、且つ、前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に互いに重なった2つの前記四角形領域の重なり領域のうちどちらか一方だけからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  17. 請求項4に記載のヘッドユニットと、
    前記第2及び第4の重なり領域に属する前記重なりノズルからインクが吐出されず、前記第1及び第3の重なり領域に属するノズルからインクが吐出され、且つ、前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に互いに重なった2つの前記四角形領域の重なり領域のうちどちらか一方だけからインクが吐出されるように、前記ヘッドユニットを制御する制御手段とを備えていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  18. 前記1つのインクジェットヘッドと前記別のインクジェットヘッド間で前記直交する方向に関して重なったノズルのうち、インクが吐出されない方のノズルに対してインクのメニスカスを振動させることを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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