JP4110997B2 - インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、および、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、および、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体にインクを吐出して印刷を行うインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、および、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタにおいて、インクジェットヘッドは、インクタンクから供給されたインクを複数の圧力室に分配する。そしてシート状の圧電セラミックからなるアクチュエータユニットなどによって圧力室に選択的にパルス状の圧力を付与して圧力波を発生させることにより、各圧力室に接続するノズルからインクを吐出する。このようなヘッドを用紙の幅方向に高速で往復移動させながら、印字作業が行われる。
【0003】
従来のインクジェットヘッドにおいて、圧力室やインク流路は、圧電セラミックにダイヤモンドカッターなどで切削加工を施すことにより形成されている。各圧力室に対応するアクチュエータユニットの上には金属薄膜からなる駆動電極が設けられている。一方、圧力室の下側にあるインク流路の表面には合成樹脂フィルムからなり多数のインク吐出口が形成されたノズルプレートが設けられている。
【0004】
しかし、上記のような従来のインクジェットヘッドでは、ヘッド本体が圧電セラミックで構成されるため材料コストが高くなる。またさらに、ダイヤモンドカッターなどで切削加工を行うため製造コストも高くなる。
【0005】
上記コスト問題を解決するものとして、比較的安価で加工が容易な金属プレートを用いて1次元的に配列した圧力室やインク流路を形成した流路ユニットと、複数の圧力室に跨った圧電セラミックの連続平板状層を用いたアクチュエータユニットとを互いに固定させて構成されたインクジェットヘッドが知られている(特許文献1参照)。このように流路ユニットを構成する材料として安価な金属プレートを用いる場合、材料コストを抑えることができる。また、金属プレートは圧電セラミックに比べて加工が容易で、エッチングなどで微細な肉抜きを多数施すことができるにもかかわらず、製造コストを抑えることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−19102号公報 (第4頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで金属と圧電セラミックという異種材料を固定するには、貼り合わせ作業がしやすい常温硬化型接着剤を用いるのが好ましいが、接着強度および耐インク性を十分確保するには、加熱硬化型接着剤を用い、加熱状態で両者を貼り合わせる必要がある。このように加熱状態で貼り合わせる場合、金属と圧電セラミックとでは線膨張係数の差が大きいため、常温に戻ったときに線膨張係数の大きな流路ユニットがアクチュエータユニットよりも面方向において大きく収縮しようとする。そのため、インクジェットヘッド全体としては、アクチュエータユニットに向かって凸となる反りが発生する。そしてこの反りが印字不良や製造歩留まり悪化の原因となる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、印字不良や製造歩留まり悪化の原因となる反りを緩和できるインクジェットヘッド、インクジェットヘッドの製造方法、および、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の第の観点によると、一端をノズルに他端を開口にそれぞれ接続され且つ平面に沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有する流路ユニットと、流路ユニットの表面に固定された、圧力室の容積を変化させるためのアクチュエータユニットと、アクチュエータユニット流路ユニットとの間に配置されるように流路ユニットの表面におけるアクチュエータユニットが固定されていない領域に固定され、アクチュエータユニットと対向する部分の内部に、一端を開口に他端をインク供給源に接続されたインク流路が形成されている支持部材とを備えており、流路ユニットを構成する材料の線膨張係数が、アクチュエータユニットを構成する材料の線膨張係数よりも大きく、且つ、支持部材を構成する材料の線膨張係数が、アクチュエータユニットを構成する材料の線膨張係数よりも大きいことを特徴とするインクジェットヘッドが提供される(請求項)。
【0020】
また、本発明の第の観点によると、一端をノズルに他端を開口にそれぞれ接続され且つ平面に沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有する流路ユニットと、圧力室の容積を変化させるためのアクチュエータユニットと、インク流路が内部に形成されている支 持部材とを含んだインクジェットヘッドの製造方法において、流路ユニットの表面に、流路ユニットを構成する材料よりも線膨張係数が小さい材料から構成されたアクチュエータユニットを加熱状態で固定する工程と、アクチュエータユニットを構成する材料よりも線膨張係数が大きい材料から構成された支持部材を、流路ユニットの表面におけるアクチュエータユニットが固定されていない領域に、アクチュエータユニットが当該支持部材と流路ユニットとの間に配置されるように、且つ、インク流路がアクチュエータユニットの少なくとも一部に対向すると共にその一端が開口に他端がインク供給源にそれぞれ接続されるように固定する工程とを備えていることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法が提供される(請求項1)。
【0021】
上記第1及び第2の観点によると、アクチュエータユニットの一面にそれよりも線膨張係数の大きい材料から構成された流路ユニットを加熱状態で固定する共に、アクチュエータユニットの他面にそれよりも線膨張係数の大きい材料から構成された支持部材を配置することで、部材全体としての反りが緩和される。また、反りが緩和されることで、印字不良や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0022】
なお、アクチュエータユニットと支持部材とは貼り合わされていてもよいし、貼り合わされていなくてもよい。また、支持部材とアクチュエータユニットとは接触していてもよいし、隔離されていてもよい。
【0023】
【0024】
さらに、上記第1及び第2の観点によると、支持部材と流路ユニットとを固定させてアクチュエータユニットを挟むことで、支持部材と流路ユニットとが互いをダイレクトに支え合うようになって、流路ユニットおよびアクチュエータユニットの反りがより一層緩和される。したがって、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより効果的に軽減できる。
【0025】
また、支持部材がアクチュエータユニットに固定されてよい(請求項)。
【0026】
上記構成によると、支持部材とアクチュエータユニットとが固定されることで、支持部材とアクチュエータユニットとの結合がより強くなって、流路ユニットおよびアクチュエータユニットの反りがより効果的に緩和される。したがって、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減できる。
【0027】
また、アクチュエータユニットが、流路ユニットの表面に千鳥状に固定さており、支持部材が、流路ユニットの表面におけるアクチュエータユニットが固定されていない領域において、流路ユニットの表面に固定される千鳥状に配置された複数の固定部を有し、支持部材のインク流路が、固定部に形成された開口を介して流路ユニットと連通していることが好ましい(請求項)。
【0028】
製造方法では、アクチュエータユニット固定工程において、複数のアクチュエータユニットを、流路ユニットの表面に千鳥状に配置されるように、加熱状態で固定し、支持部材固定工程において、支持部材を、流路ユニットの表面に対する複数の固定部が千鳥状に配置されるように、且つ、当該固定部に形成された開口を介して流路ユニットと連通するように固定することが好ましい(請求項1)。
【0029】
上記構成によると、アクチュエータユニットと支持部材の流路ユニットの表面に対する固定部とを、流路ユニットの表面において互い違いになるよう千鳥状に固定することによって、流路ユニットとアクチュエータユニットとの線膨張係数の違いに起因する反りがより効果的に緩和される。流路ユニットよりもアクチュエータユニットの方が線膨張係数が小さいことから、流路ユニットの表面内でアクチュエータユニットが固定された部分には、アクチュエータユニットに向かって凸となる反りが発生する。例えば流路ユニットの表面にその長手方向に一列にアクチュエータユニットが固定されている場合、アクチュエータユニットが固定された長手方向に沿った部分に集中的に、偏った状態で反りが発生してしまうことになる。そのため、支持部材を流路ユニットのアクチュエータユニットが固定されていない領域に固定しても、このような反りの偏りは十分に緩和されない。これに対し、アクチュエータユニットを流路ユニットの表面に千鳥状に固定し、且つ、流路ユニットのアクチュエータユニットが固定されていない領域に、アクチュエータユニットより線膨張係数が大きい支持部材を、流路ユニットの表面に対する複数の固定部が千鳥状に配置されるように固定する場合は、流路ユニット表面全体において反りの偏りがないので、反りを効果的に緩和することができる。また、反りが緩和されることで、印字不良や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0030】
また、流路ユニットを構成する材料の線膨張係数が、支持部材を構成する材料の線膨張係数と実質的に同一であることが好ましい(請求項)。
【0031】
上記構成によると、アクチュエータユニットを挟む流路ユニットと支持部材とが実質的に同一の線膨張係数を有することで、線膨張係数の差を発生の要因とする反りがより効果的に緩和される。したがって、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減することができる。
【0032】
また、流路ユニットを構成する材料と支持部材を構成する材料とが同一であることが好ましい(請求項)。
【0033】
上記構成のようにアクチュエータユニットを挟む流路ユニットと支持部材とを同一材料から構成することにより、2部材間の線膨張係数の差をほとんどなくして反りをより効果的に緩和することができる。したがって、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減することができる。
【0034】
また、アクチュエータユニットが圧電セラミックから構成されており、流路ユニットおよび支持部材がステンレス、チタン、ジルコニアセラミックおよびアルミナセラミックからなる群より選択された少なくとも1つの材料から構成されているこが好ましい(請求項)。
【0035】
上記はより実際に即した構成であり、それぞれを構成する材料が耐久性・耐熱性を考慮したものとなる。
【0036】
また、アクチュエータユニットが、複数の圧力室に跨るように配置された振動板と、振動板の圧力室とは反対側において複数の圧力室に跨るように配置され且つ厚み方向に分極された圧電セラミック層と、圧電セラミック層と振動板との間に配置された第1の電極と、圧電セラミック層における第1の電極とは反対側の表面において圧力室のそれぞれに対応するように形成された第2の電極とを含むと共に、第2の電極を第1の電極と異なる電位にしたときに圧電セラミック層における第1の電極と第2の電極とで挟まれた部分が圧電横効果により厚み方向と直交する面方向に収縮又は伸長することで、ユニモルフ変形を生じ、これにより圧力室の容積を変化させるものであって、支持部材がアクチュエータユニットに固定されていなくてよい(請求項)。この構成によると、振動板及び圧電セラミック層が複数の圧力室に跨るように配置されたことで、アクチュエータユニットの機械的剛性及びインク吐出の応答性が高まると共に、例えばスクリーン印刷技術を用いて第2の電極を高密度に形成することができることから、圧力室の高集積化が可能となり、高解像度印刷が実現される。また、圧力室に近い側に圧電セラミック層、圧電セラミック層の圧力室とは反対側に振動板をそれぞれ設けた場合と比較して、第2の電極の駆動電圧の低 電圧化を図ることが可能となり、これにより当該電極のドライバの小型化及びコスト削減が実現される。さらに、支持部材がアクチュエータユニットに固定されていないため、アクチュエータユニットの動作が阻害されない。
【0037】
また、流路ユニットが一方向に沿って延在し、支持部材のインク流路が上記一方向に沿って延在し、開口が上記一方向に関して間隔を隔てて複数配置されていることが好ましい(請求項5)。流路ユニットが長尺になるとインクの流路抵抗が大きくなるが、上記構成によると、支持部材から流路ユニットへと流路抵抗を抑えつつ安定したインク供給行うことができる。さらに、インク流路が上記一方向に沿って平行に複数設けられていることがより好ましい(請求項6)。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0039】
先ず、参考例について説明する。図1は、参考例によるインクジェットヘッドを含むインクジェットプリンタの概略図である。図1に示すインクジェットプリンタ101は、4つのインクジェットヘッド1を有するカラーインクジェットプリンタである。このプリンタ101には、図中左方に給紙部111が、図中右方に排紙部112が、それぞれ構成されている。
【0040】
プリンタ1内部には、給紙部111から排紙部112に向かって用紙が搬送される用紙搬送経路が形成されている。給紙部111のすぐ下流側には、画像記録媒体たる用紙を挟持搬送する一対の送りローラ105a、105bが配置されている。一対の送りローラ105a、105bによって用紙は図中左方から右方へ送られる。用紙搬送経路の中間部には、二つのベルトローラ106、107と、両ローラ106、107間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト108とが配置されている。搬送ベルト108の外周面すなわち搬送面にはシリコーン処理が施されており、一対の送りローラ105a、105bによって搬送されてくる用紙を、搬送ベルト108の搬送面にその粘着力により保持させながら、一方のベルトローラ106の図中時計回り(矢印104の方向)への回転駆動によって下流側(右方)に向けて搬送できるようになっている。
【0041】
用紙のベルトローラ106に対する挿入及び排出位置には、押さえ部材109a、109bがそれぞれ配置されている。押さえ部材109a,109bは、搬送ベルト108上の用紙が搬送面から浮かないように、搬送ベルト108の搬送面に用紙を押し付けて搬送面上に確実に粘着させるためのものである。
【0042】
用紙搬送経路に沿って搬送ベルト108のすぐ下流側には、剥離機構110が設けられている。剥離機構110は、搬送ベルト108の搬送面に粘着されている用紙を搬送面から剥離して、右方の排紙部112へ向けて送るように構成されている。
【0043】
4つのインクジェットヘッド1は、その下端にヘッド本体1a(後述するように、圧力室を含むインク流路が形成された流路ユニットと、圧力室内のインクに圧力を与えるアクチュエータユニットとが貼り合わされたものである)を有している。ヘッド本体1aは、それぞれが矩形断面を有しており、その長手方向が用紙搬送方向に垂直な方向(図1の紙面垂直方向)となるように互いに近接配置されている。つまり、このプリンタ101は、ライン式プリンタである。4つのヘッド本体1aの各底面は用紙搬送経路に対向しており、これら底面には微小径を有する多数のインク吐出口が形成されたノズルが設けられている。4つのヘッド本体1aのそれぞれからは、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックのインクが吐出される。
【0044】
ヘッド本体1aは、その下面と搬送ベルト108の搬送面との間に少量の隙間が形成されるように配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成されている。この構成で、搬送ベルト108上を搬送される用紙が4つのヘッド本体1aのすぐ下方側を順に通過する際、この用紙の上面すなわち印刷面に向けてノズルから各色のインクが噴射されることで、用紙上に所望のカラー画像を形成できるようになっている。
【0045】
インクジェットプリンタ101は、インクジェットヘッド1に対するメンテナンスを自動的に行うためのメンテナンスユニット117を有している。このメンテナンスユニット117には、4つのヘッド本体1aの下面を覆うための4つのキャップ116や、図示せぬパージ機構などが設けられている。
【0046】
メンテナンスユニット117は、インクジェットプリンタ101で印刷が行われているときには、給紙部111の直下方の位置(退避位置)に位置している。そして、印刷終了後に所定の条件が満たされたとき(例えば、印刷動作が行われない状態が所定の時間だけ継続したときや、プリンタ101の電源OFF操作がされたとき)は、4つのヘッド本体1aの直ぐ下方の位置に移動して、この位置(キャップ位置)にて、キャップ116によってヘッド本体1aの下面をそれぞれ覆い、ヘッド本体1aのノズル部分のインクの乾燥を防止するようになっている。
【0047】
ベルトローラ106、107や搬送ベルト108は、シャーシ113によって支持されている。シャーシ113は、その下方に配置された円筒部材115上に載置されている。円筒部材115は、その中心から外れた位置に取り付けられた軸114を中心として回転可能となっている。そのため、軸114の回転に伴って円筒部材115の上端高さが変化すると、それに合わせてシャーシ113が昇降する。メンテナンスユニット117を退避位置からキャップ位置に移動させる際には、予め円筒部材115を適宜の角度回転させてシャーシ113、搬送ベルト108及びベルトローラ106、107を図1に示す位置から適宜の距離だけ下降させ、メンテナンスユニット117の移動のためのスペースを確保しておく必要がある。
【0048】
搬送ベルト108によって囲まれた領域内には、インクジェットヘッド1と対向する位置、つまり上側にある搬送ベルト108の下面と接触することによって内周側からこれを支持するほぼ直方体形状(搬送ベルト108と同程度の幅を有している)のガイド121が配置されている。
【0049】
次に、ンクジェットヘッド1の構造について、より詳細に説明する。図2は、インクジェットヘッド1の斜視図である。図3は、図2のII−II線に沿った断面図である。図2及び図3に示すように、ンクジェットヘッド1は、一方向(主走査方向)に延在した矩形平面形状を有するヘッド本体1aと、ヘッド本体1aを支持するための基部71とを有している。基部71は、ヘッド本体1aのほかに、個別電極35a、35b(図11(a)参照)などに駆動信号を供給するドライバIC80および基板81を支持している。
【0050】
基部71は、図2に示すように、ヘッド本体1aの上面と部分的に接着されることでヘッド本体1aを支持するベースブロック75と、ベースブロック75の上面と接着されることでベースブロック75を保持するホルダ72とから構成されている。ベースブロック75は、ヘッド本体1aの長尺方向長さとほぼ同じ長さを有する略直方体形状の部材である。ステンレスなどの金属材料からなるベースブロック75は、ホルダ72を補強する軽量の構造体としての機能を有している。ホルダ72は、ヘッド本体1a側に配置されるホルダ本体73と、ホルダ本体73からヘッド本体1aとは反対側に延在した一対のホルダ支持部74とから構成されている。一対のホルダ支持部74は、いずれも平板状の部材であって、ホルダ本体73の長尺方向に沿って所定の間隔を隔てて互いに平行に設けられている。
【0051】
ホルダ本体73の副走査方向(主走査方向と直交する方向)両端部には、下方に突出した一対のスカート部73aが設けられている。ここで、一対のスカート部73aは、いずれもホルダ本体73の長尺方向全幅にわたって形成されているため、ホルダ本体73の下面には、一対のスカート部73aによって略直方体形状の溝部73bが形成されている。この溝部73b内に、ベースブロック75が収納されている。ベースブロック75の上面と、ホルダ本体73の溝部73bの底面とは、接着剤などによって接着されている。ベースブロック75の厚さは、ホルダ本体73の溝部73bの深さよりも若干大きいため、ベースブロック75の下端部は、スカート部73aよりも下方に飛び出している。
【0052】
ベースブロック75の内部には、ヘッド本体1aに供給されるインクの流路として、その長尺方向に延在する2つの略直方体形状の空隙(中空領域)であるインク溜まり3が形成されている。これら2つのインク溜まり3は、ベースブロック75の長手方向に沿って配置された隔壁75aを介することにより、ベースブロック75の長手方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に設けられている。図3においてベースブロック75の下面75bの左側でインク溜まり3に対応する位置には、インク溜まり3に連通した開口3b(図5参照)が形成されている。なお、インク溜まり3は、プリンタ本体内の図示しないメインインクタンク(インク供給源)に、図示しない供給チューブにより接続されている。そのため、インク溜まり3には、メインインクタンクから適宜インクが補充されるようになっている。
【0053】
ベースブロック75の下面75bは、開口3bの近傍において周囲よりも下方に飛び出している。ベースブロック75下側に支持されているヘッド本体1aは、アクチュエータユニット21と、その下面に接着された流路ユニット4とを備えている。そして、ベースブロック75は、下面75bの開口3b近傍部分75cにおいてのみヘッド本体1aの流路ユニット4(図3参照)と接触している。そのため、ベースブロック75の下面75bの開口3b近傍部分75c以外の領域は、ヘッド本体1aから離隔しており、この離隔部分にアクチュエータユニット21が配されている。
【0054】
ホルダ72のホルダ支持部74の外側面には、スポンジなどの弾性部材83を介してドライバIC80が固定されている。ドライバIC80の外側面には、ヒートシンク82が密着配置されている。ヒートシンク82は、略直方体形状の部材であって、ドライバIC80で発生する熱を効率的に散逸させる。ドライバIC80には、給電部材であるフレキシブルプリント配線板(FPC)50が接続されている。ドライバIC80に接続されたFPC50は、基板81及びヘッド本体1aとハンダ付けによって電気的に接合されている。ドライバIC80およびヒートシンク82の上方であって、FPC50の外側には、基板81が配置されている。ヒートシンク82の上面と基板81との間、および、ヒートシンク82の下面とFPC50との間は、それぞれシール部材84で接着されている。
【0055】
図3に描かれたヘッド本体の右側端部近傍の拡大断面図である図4に示すように、ホルダ本体73のスカート部73aの下面と流路ユニット4の上面との間には、FPC50を挟むようにシール部材85が配置されている。つまりFPC50は、流路ユニット4およびホルダ本体73に対してシール部材85によって固定されている。これにより、ヘッド本体1aが長尺化した場合の撓みの防止、アクチュエータユニット21とFPC50との接続部への応力印可の防止およびFPC50の確実な保持が可能となる。これにより、外部からFPC50に力が加えられた場合でもFPC50がアクチュエータユニット21から剥がれにくく、アクチュエータユニット21とドライバIC80との電気的接続の信頼性を向上させることができる。また、ヘッド本体1a全体が撓むことによってアクチュエータユニット21とFPC50との接着部に両者を剥離させようとする力が生じる場合があるが、このような力を抑制することもできる。さらに、導電性インクが外部からアクチュエータユニット21とFPC50との接着部に侵入するのも防止されるため、両者の接続部の電気的な短絡を未然に防ぐことができる。
【0056】
また、アクチュエータユニット21の上面側にはFPC50が配置されており、ベースブロック75の開口3b近傍における下面75bからの突出高さは、アクチュエータユニット21の下面からFPC50の上面までの厚さよりも大きくなっている。つまり、FPC50の上面とベースブロック75の下面75bとの間に所定の間隙が形成されており、アクチュエータユニット21とFPC50との接着部に外部から力が直接的に加わるのが抑制されるようになっている。
【0057】
図2に示すように、インクジェットヘッド1の主走査方向に沿った下方角部近傍には、インクジェットヘッド1の側壁に沿って6つの凸設部30aが均等に離隔配置されている。これらシート状部材は、ヘッド本体1aの最下層にあるノズルプレート30(図8参照)の副走査方向両端部に設けられた部分である。つまり、ノズルプレート30は、凸設部30aとそれ以外の部分との境界線に沿って約90度折り曲げられている。凸設部30aは、プリンタ101において印刷に用いられる各種サイズの用紙の両端部付近に対応する位置に設けられている。ノズルプレート30の折り曲げ部分は直角ではなく丸みを帯びた形状となっているため、ヘッド1と近接する方向に搬送されてきた用紙の先端部がヘッド1の側面と接触することで生じる用紙の詰まりすなわちジャミングが起こりにくくなっている。
【0058】
図5は、ヘッド本体1aの模式的な平面図である。図5において、ベースブロック75内に形成されたインク溜まり3が仮想的に破線で描かれている。図5に示すように、ヘッド本体1aは、一方向(主走査方向)に延在した矩形平面形状をしている。ヘッド本体1aは、後述する多数の圧力室10やノズル先端のインク吐出口8(共に図6、図7、図8参照)が形成された流路ユニット4を有しており、その上面には、千鳥状になって2列に配列された複数の台形のアクチュエータユニット21が接着されている。各アクチュエータユニット21は、その平行対向辺(上辺および下辺)が流路ユニット4の長手方向に沿うように配置されている。そして、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士が、流路ユニット4の幅方向にオーバーラップしている。
【0059】
アクチュエータユニット21の接着領域と対応した流路ユニット4の下面は、インク吐出領域となっている。インク吐出領域の表面には、後述するように、多数のインク吐出口8がマトリクス状に配列されている。また、流路ユニット4の上方に配置されたベースブロック75内には、その長手方向に沿ってインク溜まり3が形成されている。インク溜まり3は、その一端に設けられた開口3aを介してインクタンク(図示せず)に連通しており、常にインクで満たされている。インク溜まり3には、その延在方向に沿って開口3bが2つずつ対になって、アクチュエータユニット21が設けられていない領域に対応して千鳥状に設けられている。このように、インク溜まり3が流路ユニット4の長手方向に沿って延在し且つ複数の開口3bが流路ユニット4の長手方向に間隔を隔てて配置されることにより、ヘッド1が長尺化した場合でも、インク溜まり3内のインクは、流路抵抗を抑えながら流路ユニット4に対して安定して供給される。
【0060】
図6は、図5内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図5及び図6に示すように、インク溜まり3は、開口3bを介してその下層にある流路ユニット4内のマニホールド5と連通している。開口3bには、インク内に含有される塵埃などを捕獲するためのフィルタ(図示せず)が設けられている。マニホールド5は、その先端部が2つに分岐して副マニホールド5aとなっている。1つのアクチュエータユニット21の下部には、当該アクチュエータユニット21に対してインクジェットヘッド1の長手方向両隣にある2つの開口3bからそれぞれ2つの副マニホールド5aが進入してきている。つまり、1つのアクチュエータユニット21の下部には、合計で4つの副マニホールド5aがインクジェットヘッド1の長手方向に沿って延在している。各副マニホールド5aは、インク溜まり3から供給されたインクで満たされている。
【0061】
図7は、図6内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図6及び図7に示すように、アクチュエータユニット21の上面には、平面形状がほぼひし形の個別電極35aがマトリクス状に規則的に配列されていると共に、アクチュエータユニット21の内部であって、各個別電極35aと上下に重なる位置には、個別電極35aと同形状の個別電極35bが配置されている。また、流路ユニット4のアクチュエータユニット21に対応したインク吐出領域の表面には、多数のインク吐出口8がマトリクス状に規則的に配列されている。流路ユニット4内には、共に各インク吐出口8と連通した、平面形状が個別電極35a、35bよりも一回り大きいほぼひし形の圧力室10と、アパーチャ12とがそれぞれマトリクス状に規則的に配列されている。圧力室10は、個別電極35a、35bと対応する位置に形成されており、平面視において個別電極35a、35bは圧力室10に含まれている。なお、図6及び図7において、図面を分かりやすくするために、アクチュエータユニット21内又は流路ユニット4内にあって破線で描くべき圧力室10及びアパーチャ12等を実線で描いている。また、図7には、便宜上、アクチュエータユニット21の上面に配置されたFPC50側に設けられた給電パッド55、60(図11(a),(b)参照)が描かれている。
【0062】
図6及び図7に示すように、アクチュエータユニット21の上面外縁部付近には、それぞれが円形を有する、周囲電極として多数の接地用電極38が形成されている。多数の接地用電極38は、隣接するもの同士の間隔がほぼ等間隔となるように離隔している。そのため、アクチュエータユニット21上面の個別電極35aが形成された領域は、その全周にわたって多数の接地用電極38によって包囲されていることになる。
【0063】
図8は、図7に描かれたIII−III線に沿った、図5に描かれたヘッド本体1a及びこの上面に配置されたFPC50の部分断面図である。各インク吐出口8は、図8からも分かるように、先細形状のノズルの先端に形成されている。また、圧力室10と副マニホールド5aとの間には、アパーチャ12が、圧力室10と同様に流路ユニット4の表面と実質的に平行に延在している。このアパーチャ12は、インクの流れを制限することで適当な流路抵抗を付与してインク吐出の安定化を図るためのものである。各インク吐出口8は、圧力室10(長さ900μm、幅350μm)およびアパーチャ12を介して副マニホールド5aと連通している。このようにして、インクジェットヘッド1には、インクタンクからインク溜まり3、マニホールド5、副マニホールド5a、アパーチャ12および圧力室10を経てインク吐出口8に至るインク流路32が形成されている。
【0064】
また、図8から明らかなように、圧力室10とアパーチャ12とは異なる高さに設けられている。これにより、図7に示すように、アクチュエータユニット21の下方にあるインク吐出領域に対応した流路ユニット4内において、1つの圧力室10と連通したアパーチャ12及び副マニホールド5aを、当該圧力室に隣接する圧力室10と平面視で互いに重なりを持つように配置することが可能となっている。この結果、圧力室10同士が密着して高密度に配列されるため、比較的小さな占有面積のインクジェットヘッド1により高解像度の画像印刷が実現される。
【0065】
圧力室10は、図6及び図7に描かれた平面内において、インクジェットヘッド1の長手方向(第1配列方向)と、インクジェットヘッド1の幅方向からやや傾いた方向(第2配列方向)との2方向にインク吐出領域内で配列されている。第1配列方向と第2配列方向は、直角よりもやや小さい角度θをなしている。インク吐出口8は、第1配列方向には50dpiで配列されている。一方で、圧力室10は、第2配列方向には1つのアクチュエータユニット21に対応するインク吐出領域内に12個が含まれるように配列されている。これにより、インクジェットヘッド1の全幅内で、第1配列方向に隣接する2つのインク吐出口8間の距離だけ離隔した範囲には、12個のインク吐出口8が存在するようになっている。なお、各インク吐出領域の第1配列方向についての両端部(アクチュエータユニット21の斜辺に相当する)では、インクジェットヘッド1の幅方向に対向する別のアクチュエータユニット21に対応するインク吐出領域と相補関係となることで上記条件を満たしている。そのため、ンクジェットヘッド1では、第1および第2配列方向に配列された多数のインク吐出口8から、インクジェットヘッド1の幅方向への用紙に対する相対的な移動に伴って順次インク滴を吐出させることで、主走査方向に600dpiで印刷を行うことが可能になっている。
【0066】
次に、図9を参照して、流路ユニット4の構造をより詳細に説明する。図9に示すように、圧力室10は、第1配列方向に所定の間隔である50dpiで列状に配列されている。このような圧力室10の列は、第2配列方向には12列配列されて、全体として圧力室10は1つのアクチュエータユニット21に対応したインク吐出領域内において2次元配列をしている。
【0067】
圧力室10には、ノズルが図9中上側の鋭角部に接続されている圧力室10aと、下側の鋭角部に接続されている圧力室10bとの2種類がある。複数の圧力室10a及び複数の圧力室10bは、共に第1配列方向に配列されて圧力室列11a、11bをそれぞれ形成している。図9に示すように、1つのアクチュエータユニット21に対応したインク吐出領域内においては、図9中下側から順に2列の圧力室列11aが配列され、その上側に隣接して2列の圧力室列11bが配列されている。このような2列の圧力室列11aと2列の圧力室列11bとの合わせて4列の圧力室列を1組とした圧力室列の組が、1つのアクチュエータユニット21に対応したインク吐出領域内において、下側から3回繰り返して配列されている。各圧力室列11a、11b中の各圧力室の上側鋭角部を結ぶ直線は、この圧力室列に上側から隣接する圧力室列中の各圧力室の下側斜辺と交差している。
【0068】
上述のように、図9の紙面に対して垂直な方向から見て、圧力室10に接続されたノズルの配置位置が異なる第1の圧力室列11aと第2の圧力室列11bとを2列ずつ隣接して配列することにより、全体として圧力室10は規則正しく整列している。一方、ノズルは、これら4列の圧力室列を1組とした圧力室列の組の中において中央領域に集まって配列されることになる。これにより、上述のように、4列の圧力室列を1組として、下側から3回繰り返して圧力室列の組を配置した場合、圧力室列の組と組との境界近傍領域、すなわち、このような4列の圧力室列からなる組の両側には、ノズルが存在しない領域が形成される。そして、そこに各圧力室10にインクを供給するための幅の広い副マニホールド5aが延設されている。本案施の形態では、1つのアクチュエータユニット21に対応したインク吐出領域内において、図中下側に1本、一番下側の圧力室列の組と二番目の圧力室列の組との間に1本、一番上側の圧力室列の組の両側に2本、合わせて4本の幅の広い副マニホールド5aが第1配列方向に延設されている。
【0069】
図9に示すように、インクを吐出するインク吐出口8に連通するノズルは、第1配列方向には、この方向に規則正しく並ぶ圧力室10に対応して、50dpiの等間隔で配列されている。また、第1配列方向と角度θで交差している第2配列方向にも12個の圧力室10が規則正しく配列されているのとは異なり、これら12個の圧力室10に対応した12個のノズルは、上述したように圧力室10の上側の鋭角部に連通したものと下側の鋭角部に連通したものとがあって、第2配列方向に規則的に一定の間隔で配列されていない。
【0070】
他方、ノズルが圧力室10の同じ側の鋭角部に常に連通している場合には、ノズルも第2配列方向の方向に規則的に一定の間隔で配列されることになる。すなわち、この場合、ノズルは、図中下側から上側に1圧力室列上がるごとに第1配列方向に印字時の解像度である600dpiに相当する間隔ずつ変位するように配列される。これに対して、本参考例では、2列の圧力室列11aと2列の圧力室列11bとの合わせて4列の圧力室列を1組として、これが下側から3回繰り返して配列されているので、図中下側から上側に1圧力室列上がるごとのノズル位置の第1配列方向への変位は常に同じではない。
【0071】
ンクジェットヘッド1において、第1配列方向に50dpiに相当する幅(約508.0μm)を有し、この第1配列方向と直交する方向に延在する帯状領域Rについて考える。この帯状領域Rの中には、12列の圧力室列の内の何れの列についても、ノズルが1つしか存在していない。すなわち、1つのアクチュエータユニット21に対応したインク吐出領域内の任意の位置に、このような帯状領域Rを区画した場合、この帯状領域R内には、常に12個のノズルが分布している。そして、これら12個の各ノズルを第1配列方向に延びる直線上に射影した点の位置は、印字時の解像度である600dpiに相当する間隔ずつ離隔している。
【0072】
1つの帯状領域Rに属する12個のノズルを第1配列方向に延びる直線上に射影した位置が左にあるものから順に、これら12個のノズルを(1)〜(12)と記することにしたとき、これら12個のノズルは、下から、(1)、(7)、(2)、(8)、(5)、(11)、(6)、(12)、(9)、(3)、(10)、(4)の順番に並んでいる。
【0073】
このように構成されたンクジェットヘッド1において、アクチュエータユニット21内の活性層を適宜駆動させると、600dpiの解像度を有する文字や図形等を描画することができる。つまり、12列の圧力室列に対応した活性層を印字媒体の搬送に合わせて順次選択的に駆動することで、特定の文字や図形を印字媒体に印刷することができる。
【0074】
例えば、600dpiの解像度で第1配列方向に延びる直線を印字する場合について説明する。まず、ノズルが圧力室10の同じ側の鋭角部に連通している場合について簡単に説明する。この場合には、印字蝶体が搬送されるのに対応して、図9中一番下に位置する圧力室列中のノズルからインクの吐出を始め、順次上側に隣接する圧力室列に属するノズルを選択してインクを吐出する。これにより、インクのドットが第1配列方向に向かって600dpiの間隔で隣接しながら形成されていく。最終的には、全体で600dpiの解像度で第1配列方向に延びる直線が描かれることになる。
【0075】
一方、本案施の形態では、図9中一番下に位置する圧力室列11a中のノズルからインクの吐出を始め、印字媒体が搬送されるのに伴って順次上側に隣接する圧力室に連通するノズルを選択してインクを吐出していく。このとき、下側から上側に1圧力室列上がるごとのノズル位置の第1配列方向への変位が常に同じでないので、印字媒体が搬送されるのに伴って第1配列方向に沿って順次形成されるインクのドットは、600dpiの間隔で等間隔にはならない。
【0076】
すなわち、図9に示したように、印字媒体が搬送されるのに対応して、まず図中一番下の圧力室列11aに連通するノズル(1)からインクが吐出され、印字媒体上に50dpiに相当する間隔(約508.0μm)でドット列が形成される。この後、印字媒体の搬送に伴って、直線の形成位置が下から2番目の圧力室列11aに連通するノズル(7)の位置に達すると、このノズル(7)からインクが吐出される。これにより、始めに形成されたドット位置から600dpiに相当する間隔分(約42.3μm)の6倍だけ第1配列方向に変位した位置(約42.3μm×6=約254.0μm)に2番目のインクドットが形成される。
【0077】
次に、印字媒体の搬送に伴って、直線の形成位置が下から3番目の圧力室列11bに連通するノズル(2)の位置に達すると、ノズル(2)からインクが吐出される。これにより、始めに形成されたドット位置から600dpiに相当する間隔分(約42.3μm)だけ第1配列方向に変位した位置に3番目のインクドットが形成される。さらに、印字媒体の搬送に伴って、直線の形成位置が下から4番目の圧力室列11bに連通するノズル(8)の位置に達すると、ノズル(8)からインクが吐出される。これにより、始めに形成されたドットの位置から600dpiに相当する間隔分(約42.3μm)の7倍だけ第1配列方向に変位した位置(約42.3μm×7=約296.3μm)に4番目のインクドットが形成される。さらに、印字媒体の搬送に伴って、直線の形成位置が下から5番目の圧力室列11aに連通するノズル(5)の位置に達すると、ノズル(5)からインクが吐出される。これにより、始めに形成されたドット位置から600dpiに相当する間隔分(約42.3μm)の4倍だけ第1配列方向に変位した位置(約42.3μm×4=約169.3μm)に5番目のインクドットが形成される。
【0078】
以下同様にして、順次図中下側から上側に位置する圧力室10に連通するノズルを選択しながらインクドットが形成されていく。このとき、図9中に示したノズルの番号をNとすると、(倍率n=N−1)×(600dpiに相当する間隔)に相当する分だけ、始めに形成されたドット位置から第1配列方向に変位した位置にインクドットが形成される。最終的に12個のノズルを選択し終わったときには、図中一番下の圧力室列11a中のノズル(1)により50dpiに相当する間隔(約508.0μm)で形成されたインクドットの間が600dpiに相当する間隔(約42.3μm)毎に離れて形成された12個のドットで繋げられ、全体で600dpiの解像度で第1配列方向に延びる直線を描くことが可能になっている。
【0079】
図10は、図5に描かれたヘッド本体1a及びこの上面に配置されたFPC50の部分分解斜視図である。図8及び図10に示すように、インクジェットヘッド1の底部側の要部は、上から、FPC50、アクチュエータユニット21、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26,27,28、カバープレート29およびノズルプレート30の合計11枚のシート材が積層された積層構造を有している。これらのうち、FPC50およびアクチュエータユニット21を除いた9枚のプレート22〜30から、流路ユニット4が構成されている。流路ユニット4は、これを構成するプレート22〜30の材料の違いから、ノズルプレート30を含むノズルプレートユニット、及び、ノズルプレート30を含まないメインユニットとの2つのユニットからなる。
【0080】
アクチュエータユニット21は、後で詳述するように、5枚の圧電シートが積層され且つ電極が配されることによってそのうちの3層が電界印加時に活性層となる部分を有する層(以下、単に「活性層を含む層」と称する)とされ残り2層が非活性層とされたものである。流路ユニット4のメインユニットを構成する8枚のプレート22〜29のうち、キャビティプレート22は、圧力室10に対応するほぼ菱形の開口が多数設けられた金属プレートである。ベースプレート23は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10とアパーチャ12との連絡孔および圧力室10からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。アパーチャプレート24は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ12のほかに圧力室10からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。サプライプレート25は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、アパーチャ12と副マニホールド5aとの連絡孔および圧力室10からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。マニホールドプレート26、27、28は、副マニホールド5aに加えて、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。カバープレート29は、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、圧力室10からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。
【0081】
路ユニット4のメインユニットを構成するアクチュエータユニット21側の8枚のプレート22〜29は、共に線膨張係数が略16.0×10−6(/℃)であるステンレスからなっている。ここで線膨張係数が略16.0×10−6(/℃)であるステンレスとしては、具体的にSUS316が挙げられる。また他にもSUS430(線膨張係数:略10.4×10−6(/℃))やSUS304(線膨張係数:略17.3×10−6(/℃))なども使用可能である。
【0082】
一方、最下層にあって、流路ユニット4のノズルプレートユニットを構成するノズルプレート30は、線膨張係数が略3.0×10−6(/℃)のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックからなっている。つまり、流路ユニット4は、線膨張係数の異なる2種類のプレート(ノズルプレート30およびその他の金属プレート22〜29)から構成されている。ノズルプレート30には、キャビティプレート22の1つの圧力室10について、ノズルの先端を構成する先細形状の孔がそれぞれ形成されており、各孔の下側の開口がインク吐出口8となっている(図8参照)。
【0083】
これら10枚のプレート21〜30は、図8に示すようなインク流路32が形成されるように、互いに位置合わせして積層される。このインク流路32は、副マニホールド5aからまず上方へ向かい、アパーチャ12において水平に延在し、それからさらに上方に向かい、圧力室10において再び水平に延在し、それからしばらくアパーチャ12から離れる方向に斜め下方に向かってから垂直下方にインク吐出口8へと向かう。なお、FPC50は、アクチュエータユニット21に配された電極に対して位置合わせして積層されている。
【0084】
次に、アクチュエータユニット21の構造及びこれとFPC50との接続について説明する。図11(a)は、図7に描かれたIII−III線に沿った、FPC50が上面側に配置されたアクチュエータユニット21の断面図であって、図8内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大断面図である。図11(b)は、図7に描かれたIV−IV線に沿った、FPC50が上面側に配置されたアクチュエータユニット21の断面図である。図11(c)は、図11(a)の一点鎖線で描かれた丸枠内拡大図である。図11(d)は、図11(b)の一点鎖線で描かれた丸枠内拡大図である。
【0085】
図11(a)及び図11(b)に示すように、アクチュエータユニット21は、それぞれ厚みが15μm程度で同じになるように形成された5枚の圧電シート41,42,43,44,45を含んでいる。これら圧電シート41〜45は、インクジェットヘッド1内の1つのインク吐出領域内に形成された多数の圧力室10に跨って配置されるように連続した層状の平板(連続平板層)となっている。これにより、圧電シートの機械的剛性を高く保つことができ、さらにインクジェットヘッド1におけるインク吐出応答性を高めることができるようになっている。また、圧電シート41〜45が連続平板層として多数の圧力室10に跨って配置されることで、例えばスクリーン印刷技術を用いることにより、個別電極35a、35bを高密度に配置することが可能となっている。そのため、個別電極35a、35bに対応する位置に形成される圧力室10をも高密度に配置することが可能となって、高解像度画像の印刷ができるようになる。
【0086】
電シート41〜45は、共に強誘電性を有し、線膨張係数が略3.0×10−6(/℃)のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックからなっている。つまりアクチュエータユニット21は、上述した流路ユニット4の最下層にあるノズルプレート30と同一材料からなるものである。
【0087】
アクチュエータユニット21の最上層にある圧電シート41とその下方に隣接した圧電シート42との間には、厚み2μm程度の共通電極34aが介在している。共通電極34aは、1つのアクチュエータユニット21内のほぼ全域にわたって延在した1枚の導電シートである。同様に、圧電シート42の下方に隣接した圧電シート43とその下方に隣接した圧電シート44との間にも、共通電極34aと同様の形状を有する厚み2μm程度の共通電極34bが介在している。
【0088】
なお、共通電極34a、34bは、積層方向への射影領域が圧力室領域を含むように圧力室10よりも大きいものが圧力室10ごとに多数形成されてもよいし、或いは、射影領域が圧力室領域に含まれるように圧力室10よりもやや小さいものが圧力室10ごとに多数形成されてもよく、必ずしもシート全面に形成された1枚の導電シートである必要はない。ただし、このとき、圧力室10に対応する部分がすべて同一電位となるように共通電極同士が電気的に接続されていることが必要である。
【0089】
図11(a)に示すように、圧電シート41の上面であって圧力室10に対応する位置には、厚み1μm程度の個別電極35aが形成されている。図7の模式的な部分拡大平面図である図12に示すように、個別電極35aは、平面形状が略ひし形であって圧力室10とほぼ相似形状(長さ850μm、幅250μm)を有する主電極部90と、主電極部90よりも小さくその一方の鋭角部から連続して形成されたほぼひし形形状の補助電極部91とを有している。主電極部90は、その積層方向への射影領域が圧力室領域(図12において破線で囲まれる領域)に含まれている。一方、補助電極部91の大部分は、その積層方向への射影領域が圧力室領域には含まれていない。
【0090】
圧電シート42と圧電シート43との間であって個別電極35aと対応する位置には、個別電極35aと同様の形状を有する厚み2μm程度の個別電極35bが介在している。なお、圧電シート44とその下方に隣接した圧電シート45との間、及び、圧電シート45の下方には、電極が配置されていない。
【0091】
図11(a)に示すように、個別電極35aと個別電極35bとの補助電極部91に対応する位置の間にある圧電シート41、42には、スルーホール41a、42aが形成されている。スルーホール41a、42aには、図11(c)に示すように導電材料(銀パラジウムなど)48が充填されており、この導電材料48を介して、個別電極35aと個別電極35bとが各圧力室10に対応するものごとに互いに接続されている。
【0092】
図11(b)に示すように、接地用電極38の下方には、圧電シート41、42、43を貫通するスルーホール41b、42b、43bが形成されている。スルーホール41b、42b、43bには、図11(d)に示すように導電材料(銀パラジウムなど)49が充填されており、この導電材料49を介して、接地用電極38が共通電極34a及び共通電極34bに接続されている。電極34a,34b,35a,35b、38は、Ag−Pd系等の金属材料からなるものである。
【0093】
FPC50は、アクチュエータユニット21の個別電極35a、35b及び共通電極34a、34bと、ドライバIC80と、を接続するための部材であって、図11(a)及び図11(b)に示すように、アクチュエータユニット21の上面に配置された個別電極35a及び接地用電極38とハンダ付けにより電気的に接合される多数の給電パッド55、60を下面に有している。
【0094】
図11(a)及び図11(b)に示すように、FPC50は、ベースフィルム51と、ベースフィルム51に貼り合わせされたカバーフィルム52と、両フィルム51、52の間にパターン形成されたプリント配線53、54とを有している。ベースフィルム51及びカバーフィルム52は、いずれも絶縁性を有するシート状の部材である。プリント配線53は圧力室10ごとに別々にドライバIC80と接続され、プリント配線54は図示しない領域において接地されている。FPC50は、アクチュエータユニット21の最上層にある圧電シート41の上面にカバーフィルム52が対向するように配置されている。
【0095】
カバーフィルム52には選択的に貫通孔52a、52bが形成されており、貫通孔52a、52b内には、カバーフィルム52とほぼ同じ厚みを有する導電性材料からなる給電パッド55、60がそれぞれ配置されている。給電パッド55、60は、貫通孔52a、52bによって形成された凹部の底部において、それぞれプリント配線53、54と接触している。
【0096】
給電パッド55は、図11(a)に示すように、圧力室10の長手方向やや外側、すなわち、補助電極部91に対応する位置に設けられている。そして、給電パッド55は、補助電極部91とハンダ付けにより電気的に接合されている。つまり、本参考例では、1つの個別電極35aが2つの電気接点(それぞれが各給電パッド55に対応した位置にある)においてFPC50と電気的に接合されている。このように、給電パッド55と個別電極35aの補助電極部91とが電気的に接合されることにより、プリント配線53及びスルーホール41a,42a内の導電材料48を介して個別電極35a、35bの電位を圧力室10ごとに独立して制御できるようになっている。
【0097】
一方、給電パッド60は、図11(b)に示すように、アクチュエータユニット21の外縁近傍に形成された接地用電極38に対応する位置に設けられている。そして、給電パッド60は、接地用電極38とハンダ付けにより電気的に接合されている。これにより、プリント配線54及びスルーホール41b、42b、43b内の導電材料49を介して共通電極34a、34bの電位をグランド電位に維持できるようになっている。
【0098】
参考例では、多数の接地用電極38のすべてが給電パッド60とハンダ付けにより電気的に接合され且つ導電材料49を介して共通電極34a、34bに接続されている。ただし、接地用電極38の一部が給電パッド60と電気的に接合されていなくてもよいし、接地用電極38の一部が共通電極34a、34bに接続されていなくてもよい。なぜなら、共通電極34a、34bが全ての圧力室10に跨るような1枚の連続平板として形成されているために、少なくとも1つの接地用電極38が給電パッド60と電気的に接合され且つ共通電極34a、34bに接続されていれば、全ての圧力室10に対応する領域において共通電極34a、34bの電位をグランド電位に維持できるからである。
【0099】
プリント配線53、54がベースフィルム51とカバーフィルム52とで挟まれているため、プリント配線53、54とアクチュエータユニット21とが引き剥がされるような力が外部から加えられた場合でも、力が分散されるためにプリント配線53、54がアクチュエータユニット21から剥がれにくい。このようにFPC50がプリント配線53、54を含む構成であることにより、アクチュエータユニット21とドライバIC80との電気的な接続の信頼性が向上する。また、図7に示すように、圧電シート41上の個別電極35aが形成された領域が多数の接地用電極38によって包囲されているため、FPC50を引き剥がすような力がどの方向からの力であっても両者の電気的接合が解除されにくく、個別電極35aと給電パッド55との電気的な接続の信頼性が向上する。
【0100】
なお、図11(a),(b)ではアクチュエータユニット21の最上層にある圧電シート41の上面とFPC50のカバーフィルム52の下面とが当接するように描かれているが、実際には、アクチュエータユニット21の動作を阻害しないよう、圧電シート41の上面とカバーフィルム52の下面との間には間隙が形成されている。そしてFPC50のカバーフィルム52下側に配置された給電パッド55,60のみが、圧電シート41の上面にある個別電極35aや接地用電極38と接触している。
【0101】
ンクジェットヘッド1において、圧電シート41〜43はその厚み方向に分極されている。従って、個別電極35a,35bを共通電極34a,34bと異なる電位にして圧電シート41〜43に対してその分極方向に電界を印加すると、圧電シート41〜43における電界が印加された部分が活性層として働き、その厚み方向すなわち積層方向には伸長又は収縮し、圧電横効果により積層方向と垂直な方向すなわち面方向には収縮又は伸長しようとする。一方、残り2枚の圧電シート44、45は、個別電極35a,35bと共通電極34a,34bとに挟まれた領域をもたない非活性層であるので、自発的に変形することができない。つまり、アクチュエータユニット21は、上側(つまり、圧力室10とは離れた)3枚の圧電シート41〜43を活性層を含む層とし且つ下側(つまり、圧力室10に近い)2枚の圧電シート44,45を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。
【0102】
そのため、電界と分極とが同方向となるようにドライバIC80を制御して個別電極35a,35bを共通電極34a,34bに対して正又は負の所定電位とすると、圧電シート41〜43の個別電極35a,35bと共通電極34a,34bとで挟まれた活性層が面方向に収縮し、その一方で圧電シート44,45は自発的には収縮しない。このとき、図11(a)で示したように、圧電シート41〜45の下面はキャビティプレート22に形成された圧力室10を区画する隔壁の上面に固着されているので、圧電横効果に基づく面方向の収縮により、圧電シート41〜45は圧力室10側へ凸になるように変形(ユニモルフ変形)する。すると、圧力室10の容積が低下して、インクの圧力が上昇し、インク吐出口8からインクが吐出される。その後、個別電極35a,35bの電位が元に戻れば、圧電シート41〜45は元の平板形状となり、圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インクをマニホールド5側から吸い込む。
【0103】
なお、他の駆動方法として、圧電シート41〜45が圧力室10側へ凸に変形するように、予め個別電極35a,35bを共通電極34a,34bと異なる電位にしておき、吐出要求があるごとに個別電極35a,35bを共通電極34a,34bと一旦同じ電位とし、その後所定のタイミングにて再び個別電極35a,35bを共通電極34a,34bと異なる電位にすることもできる。この場合は、個別電極35a,35bと共通電極34a,34bとが同じ電位になるタイミングで、圧電シート41〜45が元の形状に戻り、圧力室10の容積は初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加し、インクがマニホールド5側から圧力室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35a,35bを共通電極34a,34bと異なる電位にしたタイミングで、圧電シート41〜45が圧力室10側へ凸となるように変形し、圧力室10の容積低下によりインクへの圧力が上昇し、インクが吐出される。
【0104】
圧電シート41〜43に印加される電界方向とその分極方向とが逆であれば、個別電極35a,35bと共通電極34a,34bとで挟まれた圧電シート41〜43中の活性層が分極方向と直角方向に伸長しようとする。従って、圧電シート41〜45は、圧電横効果に基づき、圧力室10側に凹となるように変形する。このため、圧力室10の容積が増加して、インクをマニホールド5側から吸い込む。その後、個別電極35a,35bの電位が元に戻れば、圧電シート41〜45は元の平板形状となり、圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インク吐出口8からインクを吐出する。
【0105】
次に、インクジェットヘッド1のヘッド本体1aの製造方法について説明する。アクチュエータユニット21を作製するには、まず、圧電シート45〜41となる圧電セラミックのグリーンシートを5枚積層し、そして焼成する。積層時において、各シート上には、個別電極35b、共通電極34a,34bとなる金属材料がパターン印刷される。焼成後、圧電シート41上に個別電極35aとなる金属材料を全面めっきし、レーザーパターニングにより不要部分を除去するか、或いは、個別電極35aに対応する部分に開口を有するマスクを用いて圧電シート41上に個別電極35aとなる金属材料を蒸着させる。
【0106】
このように、個別電極35aのみ、他の電極とは異なり圧電シート41〜45となるセラミック材料と一緒に焼成しないのは、個別電極35aが露出しているために、焼成時の高温加熱により蒸発しやすく、セラミック材料に被覆された他の電極34a,34b,35bに比べて厚みの制御が困難だからである。しかしながら、他の電極34a,34b,35bも焼成時に多少なりとも厚みが減少するので、焼成後の連続性を維持することを考慮するとその厚みを薄くすることが難しい。一方、個別電極35aは、焼成後に上述したような手法で形成するために、他の電極34a,34b,35bよりも薄く形成することが可能である。このように、ンクジェットヘッド1では、最も上層にある個別電極35aを他の電極34a,34b,35bよりも薄くすることで、活性層を含む圧電シート41〜43の変位が個別電極35aによって規制されづらくなって、アクチュエータユニット21の効率(電気効率および面積効率)を向上させている。
【0107】
一方、流路ユニット4を作製する場合、キャビティプレート22など8枚の金属プレート22〜29に対しては、それぞれエッチングにより多数の開口を形成した後、それらを互いに接着させて一体にする。圧電セラミックからなるノズルプレート30に対しては、レーザーパターニングなどにより開口を形成する。そして開口が形成されたノズルプレート30を一体化した8枚の金属プレート22〜29の下側に配置し、加熱硬化型接着剤を用いて両者を加熱状態で貼り合わせて固定することにより、流路ユニット4が作製される。
【0108】
このようにして作製されたアクチュエータユニット21および流路ユニット4は、図8に示すように、下側から順にノズルプレート30、8枚の金属プレート22〜29、アクチュエータユニット21という配置になるよう、加熱硬化型接着剤により加熱状態で互いに貼り合わされ、固定される。なお、この各構成要素を固定する作業は、流路ユニット4最上層のキャビティプレート22の表面およびアクチュエータユニット21最上層の圧電シート41の表面にそれぞれ形成された目印に基づいて、位置合わせしつつ行われる。このようにして、ヘッド本体1aが製造される。
【0109】
なお、圧電セラミックからなるアクチュエータユニット21と金属からなる流路ユニット4における上側8枚のプレートとを固定するとき、および、金属からなる上側8枚のプレートと圧電セラミックからなるノズルプレートとを固定するとき、加熱硬化型の接着剤を用いるのは、異種材料を固定する場合に接合強度および耐インク性を確保するためである。
【0110】
以上のように、ンクジェットヘッド1では、アクチュエータユニット21およびノズルプレート30を線膨張係数がほぼ同じ圧電セラミックから構成し、アクチュエータユニット21およびノズルプレート30の間に位置する8枚の金属プレート22〜29を線膨張係数が圧電セラミックよりも大きなステンレスから構成することで、アクチュエータユニット21および流路ユニット4全体としての反りが緩和される。これは、線膨張係数の異なる部材同士を加熱状態で貼り合わせて固定すると、加熱後常温に戻ったときに部材全体として反りが生じてしまうという問題が、膨張のバランスをとるように貼り合わせることで軽減されるからである。具体的には、流路ユニット4のメインユニットを構成する金属プレート22〜29の一方の面に線膨張係数が金属プレート22〜29よりも小さなアクチュエータユニット21を固定し、他方の面に線膨張係数が金属プレート22〜29より小さなノズルプレート30を固定することで、膨張のバランスをとることができる。さらに、このようにして反りが緩和されることで、印字不良や製造歩留まり悪化の問題が軽減される。
【0111】
また、アクチュエータユニット21およびノズルプレート30を構成する圧電セラミック、および流路ユニット4におけるアクチュエータユニット21側に位置する8枚のプレート22〜29を構成するステンレスは、共に耐久性・耐熱性に優れ、熱加工する場合に適した材料である。
【0112】
また、アクチュエータユニット21は、活性層を含む圧電シート41〜43と活性層を含まない圧電シート44、45とが同じ材料で形成されているために、材料を交換する手間が不要で、比較的簡略な製造工程により製造可能である。そのため、製造コストを低減できることが期待される。さらに、活性層を含む圧電シート41〜43と活性層を含まない圧電シート44、45とがすべて実質的に同じ厚みを有していることからも、製造工程の簡略化によるコスト削減を図ることができる。なぜなら、圧電シートとなるセラミック材料を塗布積層していくときの厚み調整工程を簡単に行うことができるようになるからである。
【0113】
また、インクジェットヘッド1のヘッド本体1aでは、インク吐出領域ごとに分割された複数のアクチュエータユニット21が、流路ユニット4の表面に接着された状態でその長手方向に沿って配列されている。これにより、焼結などによって成形されるために寸法精度にばらつきが生じやすいアクチュエータユニット21ごとに流路ユニット4との位置合わせを行うことが可能となり、ヘッドを長尺化しても各アクチュエータユニット21と流路ユニット4との位置ずれ量の増加が抑制され、両者を精度よく位置合わせすることができる。よって、目印から比較的遠くにある個別電極35a、35bについてもその圧力室10に対する位置が所定位置から大幅にずれることが少なくなって、インクジェットヘッド1の製造歩留まりが飛躍的に向上する。他方、これとは異なり、アクチュエータユニット21を流路ユニット4と同様の長尺体として形成すると、アクチュエータユニット21を流路ユニット4と重ねたときの平面視における各圧力室10に対する個別電極35a、35bの位置の所定位置からのずれ量が目印から離れるに連れて大きくなり、目印から比較的離れた圧力室10におけるインク吐出性能が劣化し、インクジェットヘッド1内でのインク吐出性能の均一性が失われてしまう。
【0114】
アクチュエータユニット21では圧電シート41〜43を共通電極34a、34bと個別電極35a、35bとで挟み込んでいるので、圧電効果によって容易に圧力室10の容積を変化させることができる。また、圧電シート41〜45が連続した層状の平板(連続平板層)であるため、アクチュエータユニット21を容易に製造することが可能である。
【0115】
また、インクジェットヘッド1は、圧力室10に近い圧電シート44、45を非活性層とし、圧力室10から離れた圧電シート41〜43を活性層を含む層としたユニモルフ構造のアクチュエータユニット21を有している。そのため、圧電横効果により圧力室10の容積変化量を大きくすることができて、圧力室10側に活性層、その反対側に非活性層が配置されたアクチュエータユニットと比較して個別電極35a、35bの駆動電圧の低電圧化および/又は圧力室10の高集積化を図ることが可能となる。駆動電圧の低電圧化を図ることにより、個別電極35a、35bを駆動するドライバを小型化できてコストを抑えることができ、圧力室10を小さくできてその高集積化を図ったときであっても十分な量のインクを吐出することが可能となって、ヘッド1の小型化と印刷ドットの高密度配置が実現される。
【0116】
さらに、上述のように、インクジェットヘッド1のヘッド本体1aでは、各アクチュエータユニット21が実質的に台形形状を有しており、各アクチュエータユニット21の平行対向辺が流路ユニット4の長手方向に沿い且つ隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士が流路ユニット4の幅方向にオーバーラップするように複数のアクチュエータユニット21が千鳥状に2列配置されている。このように、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士がオーバーラップしていることで、インクジェットヘッド1の長手方向において、流路ユニット4の幅方向に沿って存在する圧力室10同士が補完し合うことができ、高解像度印刷を実現しつつ、非常に幅の狭い小型のインクジェットヘッド1とすることができる。
【0117】
次に、本発明の実施態によるインクジェットヘッドについて、図13、図14、及び図15を参照して説明する。図13は、本実施の形態によるインクジェットヘッドに含まれるヘッド本体の図3に対応した断面図である。図14は、図13に描かれたヘッド本体の左側端部近傍の拡大断面図である。図15は、図13に描かれたベースブロックと流路ユニットとの接着領域を示す部分平面図である。なお、本実施の形態において、上記参考例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0118】
本実施の形態のインクジェットヘッド11が、上記参考例によるインクジェットヘッド1と異なる点は、ベースブロックおよびヘッド本体を構成する材料のみである。上記参考例では、ヘッド本体1aの流路ユニット4最下層にあるノズルプレート30は線膨張係数が略3.0×10−6(/℃)のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の圧電セラミックからなるのに対し、本実施の形態では、ノズルプレート130は線膨張係数が略16.0×10−6(/℃)であるステンレスからなる。つまり、本実施の形態では、流路ユニット14を構成する9枚のプレート全てが、線膨張係数が略16.0×10−6(/℃)であるステンレスからなっている。また、上記参考例ではベースブロックを構成する材料について特に限定していないが、本実施の形態におけるベースブロック175は線膨張係数が略16.0×10−6(/℃)であるSUS316からなる。
【0119】
ベースブロック175は、図14によく示されているように、上記参考例の場合と同様に、下面175bの開口13b近傍部分175cにおいてのみ、ヘッド本体11aの流路ユニット14に固定されている。そのため、ベースブロック175の下面175bの開口13b近傍部分以外の領域は、ヘッド本体11aから離隔しており、この離隔部分にアクチュエータユニット21が配されている。
【0120】
また、図15においてハッチングで描かれている領域が、ベースブロック175と流路ユニット14との接着領域である。図15に示すように、ベースブロック175は、流路ユニット14のアクチュエータユニット21が固定されていない領域において、インク溜まり3やインクタンク(図示せず)に連通する開口13a,13bの領域を回避しつつ、流路ユニット14の長手方向に沿って2列に、千鳥状に固定されている。つまり、ベースブロック175は、アクチュエータユニット21に固定されておらず、流路ユニット14のアクチュエータユニット21が固定されていない領域において、流路ユニット14と固定されている。なお、流路ユニット14の縁でハッチングのない領域は、図13に示すホルダ本体73のスカート部73aに対向する領域である。
【0121】
さらに、本実施の形態に係るインクジェットヘッド11の製造方法において、上記参考例と異なる点について説明する。本実施の形態では、ノズルプレート130を圧電セラミックでなくステンレスから構成しているので、他の金属プレート22〜29と同様に、ノズルプレート130に対してエッチングにより多数の開口を形成する。そして開口が形成されたノズルプレート130を含む9枚の金属のプレート22〜29,130を、加熱硬化型接着剤を用いることなく、互いに貼り合わせて固定する。そしてこのようにして作製された流路ユニット14を、上記参考例と同様に、加熱硬化型接着剤を用いて、アクチュエータユニット21と加熱状態で貼り合わせて固定する。流路ユニット14は、上記参考例と同様に、千鳥状に配置されたアクチュエータユニット21がない部分でベースブロック175に支持される構成となっている。
【0122】
アクチュエータユニット21と流路ユニット14とを互いに固定した後、アクチュエータユニット21を介在するように、ベースブロック175を流路ユニット14の表面に固定する。より詳細には、ベースブロック175の開口13b近傍部分175cを流路ユニット14上面におけるアクチュエータユニット21が接着されていない領域に、加熱硬化型接着剤を用いて加熱状態で貼り合わせて固定する。
【0123】
以上のように、本実施の形態のインクジェットヘッド11では、アクチュエータユニット21は線膨張係数が略3.0×10−6(/℃)の圧電セラミックから構成され、流路ユニット14およびベースブロック175は共に線膨張係数が略16.0×10−6(/℃)のステンレスから構成されているので、貼り合わせて固定した後これらが常温に戻ったとき、流路ユニット14とアクチュエータユニット21との間の線膨張係数の差に起因して生ずるはずの反りが、ベースブロック175に支持されることにより緩和される。これは、上記参考例の場合と同様に、膨張のバランスがとれるからである。また反りが緩和されることで、印字不良や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0124】
また、ベースブロック175がアクチュエータユニット21に固定されず流路ユニット14に固定されていることにより、アクチュエータユニット21の動作(圧電シート41〜45の変位)が阻害されない。この場合、ベースロック175と流路ユニット14とが互いにダイレクトに支え合うようになって、流路ユニット14およびアクチュエータユニット21の反りが緩和される。
【0125】
また、図15に示すように、アクチュエータユニット21とベースブロック175とを流路ユニット14の表面に互い違いになるよう千鳥状に固定することによって、流路ユニット14とアクチュエータユニット21との線膨張係数の違いに起因する反りが、より効果的に緩和される。流路ユニット14よりもアクチュエータユニット21の方が線膨張係数が小さいことから、流路ユニット14の表面内でアクチュエータユニット21が固定された部分には、アクチュエータユニット21に向かって凸となる反りが発生する。例えば流路ユニット14の表面にその長手方向に一列にアクチュエータユニット21が固定されている場合、アクチュエータユニット21が固定された長手方向に沿った部分に集中的に、偏った状態で反りが発生してしまう。そのため、ベースブロック175を固定しても、このような反りの偏りは十分に緩和されない。これに対し、アクチュエータユニット21を流路ユニット14の表面に千鳥状に固定し、且つ、流路ユニット14のアクチュエータユニット21が固定されていない領域に、アクチュエータユニット21より線膨張係数が大きいベースブロック175を千鳥状に固定した場合は、流路ユニット14表面全体において反りの偏りがないので、反りを効果的に緩和することができる。また、反りが緩和されることで、印字不良や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。
【0126】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0127】
図16及び図17には、本発明の実施態における一変形例が示されている。図16は図14に対応した拡大断面図、図17は図15に対応した部分平面図である。この変形例では、図16に示すように、ベースブロック275がアクチュエータユニット21の表面に固定されている。つまり、ベースブロック275は、開口203b近傍部分275cにおいて流路ユニット14に固定されているだけではなく、その下面275bにおいてアクチュエータユニット21の上面とも固定されている。図17において、大まかなハッチングで描かれている領域がベースブロック275と流路ユニット14との接着領域であり、細かいハッチングで描かれている領域がベースブロック275とアクチュエータユニット21との接着領域である。
【0128】
この変形例によると、特に複数の活性層が積層され、活性層の有する圧電縦効果を利用するタイプの場合に、圧力室10に対するアクチュエータユニット21の変位効率を高めることができる。これは、アクチュエータユニット21による厚み方向変位のうち、ベースブロック275側への変位が抑制され、圧力室10側への変位が大きくなるためである。ただし、アクチュエータユニットがユニモルフタイプの場合は、アクチュエータユニットの動作を阻害しないよう、アクチュエータユニットとベースブロックとを接触させたり固定したりせず、離隔しておくのが好ましい。
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
上述の実施の形態において、流路ユニット14およびベースブロック175、275を構成する材料としては、ステンレスに限定されず、チタン、ジルコニアセラミック、およびアルミナセラミックを選択してよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0135】
また、上述の実施の形態において、流路ユニット14およびベースブロック175、275を構成する材料としては、共にアクチュエータユニット21を構成する材料の線膨張係数よりも大きいものであれば、必ずしも同一材料から構成しなくてよいし、略同一の線膨張係数を有するものでなくてもよい。ただし、流路ユニット14およびベースブロック175、275を構成する材料を同一材料にしたり、略同一の線膨張係数を有するものにしたりすることで、線膨張係数の差を発生要因とする反りがより効果的に緩和される。そして印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減することができる。
【0136】
また、上述の実施の形態に係るインクジェットヘッド11の製造方法では、アクチュエータユニット21と流路ユニット14とを固定する工程と、ベースブロック175、275をアクチュエータユニット21の流路ユニット14とは反対側の面に配置して固定する工程との順番はどちらが先であってもよく、同時でもよい。
【0137】
また、参考例および上述の実施の形態では、図5に示すように、ベースブロック75,175、275内においてインクの流路となるインク溜まり3,13が2つ平行に設けられているが、インク溜まり3,13を1つのみとして千鳥状に配置されたアクチュエータユニット21が無い部分に沿ってジグザグ状に設けてよい。また、流路ユニット4,14およびアクチュエータユニット21の反りを緩和するという目的のみに着目すれば、ベースブロック75,175、275内にインクの流路となるインク溜まり3,13を形成しなくてもよい。
【0138】
また、アクチュエータユニット21における圧電シートや電極の材料は、上述したものに限らず、その他の公知の材料を用いてもよい。圧力室10の平面形状や断面形状、配置形態などは、適宜変更してよい。例えば、参考例及び上述の実施の形態では複数の圧力室10を2次元的に配置しているが、一次元的に配置してもよい。また、活性層を含む圧電シートの数及び活性層を含まない圧電シートの数は、適宜変更することができる。また、活性層を含む圧電シート及び活性層を含まない圧電シートのそれぞれの層厚は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、非活性層として、圧電シート以外の絶縁シートを用いてもよい。
【0139】
また、参考例及び上述の実施の形態では共通電極34a,34bをグランド電位に保つものとしているが、各圧力室10に共通の電位であればこれに限定されるものではない。
【0140】
また、参考例及び上述の実施の形態では、最上層の圧電シートの上方に個別電極を設けた構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば下方に個別電極、上方に共通電極を設けた圧電シートが最上層に配置されてもよい。また、参考例及び上述の実施の形態では活性層の圧力室10側に非活性層を設けたユニモルフ構造のアクチュエータユニット21としているが、本発明はこれに限定されず、非活性層の圧力室10側に活性層を設けてもよいし、活性層の圧力室10側に非活性層を設けなくてもよい。また、アクチュエータユニット21に含まれる圧電シートは、多数の圧力室10に跨って配置された連続平板層ではなく、圧力室10ごとに形成されてもよい。
【0141】
また、参考例及び上述の実施の形態では、図5、図15、及び図17に示すように、台形とした複数のアクチュエータユニット21を流路ユニット4、14の表面に長手方向に沿って2列に千鳥状に配置しているが、アクチュエータユニットは必ずしも台形にしなくてもよく、複数のアクチュエータユニットを流路ユニット4、14の長手方向に沿って1列に配列してもよい。或いは、アクチュエータユニットを3列以上に千鳥状に配置してもよい。
【0142】
また、参考例及び上述の実施の形態では、各構成部材を貼り合わせて固定する場合に、部位によって加熱硬化型接着剤を用いたり用いなかったりしているが、全ての部位に関して加熱硬化型接着剤を用いてよい。
【0143】
また、参考例及び上述の実施の形態では、図11(a),(b)に示すように、FPC50にプリント配線53、54が含まれているが、給電パッド55とドライバIC80とを接続するための配線および給電パッド60を接地するための配線の少なくとも一方が単独の信号線として配置されていてもよい。
【0144】
また、参考例及び上述の実施の形態では共通電極34a、34bが接地されているが、必ずしも接地されている必要はない。例えば、アクチュエータユニット21の動作が適切に行われるように、個別電極35a、35bに供給する駆動信号とは異なる駆動信号を共通電極34a、34bに対して供給すればよい。
【0145】
また、参考例及び上述の実施の形態ではシール部材85を用いてFPC50を流路ユニット4、14やホルダ本体73に対して固定しているが、シール部材85などを用いずに、流路ユニット4、14上面とホルダ本体73のスカート部73aの下面との間、又はアクチュエータユニット21上面とスカート部73aの下面との間で挟持することによりFPC50を固定してもよい。
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項および請求項1によると、アクチュエータユニットの一面にそれよりも線膨張係数の大きい材料から構成された流路ユニットを加熱状態で固定する共に、アクチュエータユニットの他面にそれよりも線膨張係数の大きい材料から構成された支持部材を配置することで、部材全体としての反りが緩和され、印字不良や製造歩留まり悪化の問題を軽減できる。さらに、支持部材と流路ユニットとが互いをダイレクトに支え合うため、流路ユニットおよびアクチュエータユニットの反りがより一層緩和され、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより効果的に軽減できる。
【0151】
請求項2および請求項11によると、アクチュエータユニットと支持部材の流路ユニットの表面に対する固定部とを、流路ユニットの表面において互い違いになるよう千鳥状に固定することによって、流路ユニットとアクチュエータユニットとの線膨張係数の違いに起因する反りがより効果的に緩和される。
【0152】
請求項によると、支持部材とアクチュエータユニットとの結合がより強くなって、流路ユニットおよびアクチュエータユニットの反りがより効果的に緩和され、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減できる。
【0153】
請求項によると、アクチュエータユニットの機械的剛性及びインク吐出の応答性が高まると共に、圧力室の高集積化が可能となり、高解像度印刷が実現される。また、第2の電極の駆動電圧の低電圧化を図ることが可能となる。さらに、アクチュエータユニットの動作が阻害されない
【0154】
請求項によると、支持部材から流路ユニットへと流路抵抗を抑えつつ安定したインク供給を行うことができる。請求項7によると、線膨張係数の差を発生の要因とする反りをより効果的に緩和することができ、印字不良や製造歩留まり悪化の問題をより確実に軽減することができる。請求項8によると、請求項7による効果をより確実に実現することができる。請求項9によると、より実際に即した構成で、それぞれを構成する材料が耐久性・耐熱性を考慮したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例によるインクジェットヘッドを含むインクジェットプリンタの概略図である。
【図2】 本発明の参考例によるインクジェットヘッドの斜視図である。
【図3】 図2のII−II線に沿った断面図である。
【図4】 図3に描かれたヘッド本体の右側端部近傍の拡大断面図である。
【図5】 図2に描かれたインクジェットヘッドに含まれるヘッド本体の平面図である。
【図6】 図5に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。
【図7】 図6に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。
【図8】 図7のIII−III線に沿った、図5に描かれたヘッド本体及びこれに貼り付けられたフレキシブルプリント配線板の部分断面図である。
【図9】 図6に描かれた二点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。
【図10】 図5に描かれたヘッド本体及びこれに貼り付けられたフレキシブルプリント配線板の部分分解斜視図である。
【図11】 (a)は、図7のIII−III線に沿った、フレキシブルプリント配線板が貼り付けられたアクチュエータユニットの断面図であって、図8内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大断面図である。(b)は、図7のIV−IV線に沿った、フレキシブルプリント配線板が貼り付けられたアクチュエータユニットの断面図である。(c)は、図11(a)の一点鎖線で描かれた丸枠内拡大図である。(d)は、図11(b)の一点鎖線で描かれた丸枠内拡大図である。
【図12】 図7の模式的な部分拡大平面図である。
【図13】 本発明の実施態によるインクジェットヘッドに含まれるヘッド本体の図3に対応した断面図である。
【図14】 図13に描かれたヘッド本体の左側端部近傍の拡大断面図である。
【図15】 図13に描かれたベースブロックと流路ユニットとの接着領域を示す部分平面図である。
【図16】 本発明の実施態の一変形例における、図14に対応した拡大断面図である。
【図17】 本発明の実施態の一変形例における、ベースブロックと流路ユニットとの接着領域及びベースブロックとアクチュエータユニットとの接着領域を示す図15に対応した部分平面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
1a,11a ヘッド本体
3、13 インク溜まり(インク流路)
3a、3b 開口
4,14 流路ユニット
5 マニホール
5a 副マニホール
8 インク吐出口(ノズル)
10 圧力室
12 アパーチャ
21 アクチュエータユニット
22 キャビティプレート
30 ノズルプレー
32 インク流路
4b 共通電極(第1の電極)
35 個別電極(第2の電極)
38 接地用電極
41〜43 圧電シート(圧電セラミック層)
44、45 圧電シート(振動板)
50 フレキシブルプリント配線板(FPC)
71 基部
72 ホルダ
75,175,275 ベースブロック(支持部材)
85 シール部材
101 インクジェットプリンタ

Claims (12)

  1. 一端をノズルに他端を開口にそれぞれ接続され且つ平面に沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有する流路ユニットと、
    前記流路ユニットの表面に固定された、前記圧力室の容積を変化させるためのアクチュエータユニットと、
    前記アクチュエータユニットが前記流路ユニットとの間に配置されるように前記流路ユニットの前記表面における前記アクチュエータユニットが固定されていない領域に固定され、前記アクチュエータユニットと対向する部分の内部に、一端を前記開口に他端をインク供給源に接続されたインク流路が形成されている支持部材とを備えており、
    前記流路ユニットを構成する材料の線膨張係数が、前記アクチュエータユニットを構成する材料の線膨張係数よりも大きく、且つ、前記支持部材を構成する材料の線膨張係数が、前記アクチュエータユニットを構成する材料の線膨張係数よりも大きいことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記アクチュエータユニットが、前記流路ユニットの前記表面に千鳥状に固定さており、
    前記支持部材が、前記流路ユニットの前記表面における前記アクチュエータユニットが固定されていない領域において、前記流路ユニットの前記表面に固定される千鳥状に配置された複数の固定部を有し、
    前記支持部材の前記インク流路が、前記固定部に形成された前記開口を介して前記流路ユニットと連通していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記支持部材が前記アクチュエータユニットに固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記アクチュエータユニットが、前記複数の圧力室に跨るように配置された振動板と、前記振動板の前記圧力室とは反対側において前記複数の圧力室に跨るように配置され且つ厚み方向に分極された圧電セラミック層と、前記圧電セラミック層と前記振動板との間に配置された第1の電極と、前記圧電セラミック層における前記第1の電極とは反対側の表面において前記圧力室のそれぞれに対応するように形成された第2の電極とを含むと共に、前記第2の電極を前記第1の電極と異なる電位にしたときに前記圧電セラミック層における前記第1の電極と前記第2の電極とで挟まれた部分が圧電横効果により前記厚み方向と直交する面方向に収縮又は伸長することで、ユニモルフ変形を生じ、これにより前記圧力室の容積を変化させるものであって、
    前記支持部材が前記アクチュエータユニットに固定されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記流路ユニットが一方向に沿って延在し、
    前記支持部材の前記インク流路が前記一方向に沿って延在し、
    前記開口が前記一方向に関して間隔を隔てて複数配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記インク流路が前記一方向に沿って平行に複数設けられていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記流路ユニットを構成する材料の線膨張係数が、前記支持部材を構成する材料の線膨張係数と実質的に同一であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記流路ユニットを構成する材料と前記支持部材を構成する材料とが同一であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記アクチュエータユニットが圧電セラミックから構成されており、前記流路ユニットおよび前記支持部材がステンレス、チタン、ジルコニアセラミックおよ びアルミナセラミックからなる群より選択された少なくとも1つの材料から構成されていることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 一端をノズルに他端を開口にそれぞれ接続され且つ平面に沿って相互に隣接配置された複数の圧力室を有する流路ユニットと、前記圧力室の容積を変化させるためのアクチュエータユニットと、インク流路が内部に形成されている支持部材とを含んだインクジェットヘッドの製造方法において、
    前記流路ユニットの表面に、前記流路ユニットを構成する材料よりも線膨張係数が小さい材料から構成された前記アクチュエータユニットを加熱状態で固定する工程と、
    前記アクチュエータユニットを構成する材料よりも線膨張係数が大きい材料から構成された前記支持部材を、前記流路ユニットの前記表面における前記アクチュエータユニットが固定されていない領域に、前記アクチュエータユニットが当該支持部材と前記流路ユニットとの間に配置されるように、且つ、前記インク流路が前記アクチュエータユニットの少なくとも一部に対向すると共にその一端が前記開口に他端がインク供給源にそれぞれ接続されるように固定する工程とを備えていることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法
  11. 前記アクチュエータユニット固定工程において、複数の前記アクチュエータユニットを、前記流路ユニットの前記表面に千鳥状に配置されるように、加熱状態で固定し、
    前記支持部材固定工程において、前記支持部材を、前記流路ユニットの前記表面に対する複数の固定部が千鳥状に配置されるように、且つ、当該固定部に形成された前記開口を介して前記流路ユニットと連通するように固定することを特徴とする請求項10に記載のインクジェットヘッドの製造方法
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に係るインクジェットヘッドを備えていることを特徴とすインクジェットプリンタ
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