JP4311000B2 - 窒化物半導体発光素子とその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体発光素子とその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、p側のコンタクト層を介して光を出射する窒化物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
比較的波長の短い光を発光することができる窒化物半導体発光素子は、通常絶縁性の基板の上に所定の窒化物半導体層が成長されてその半導体層の上にn型及びp型の電極が形成されることにより構成され、基板側又は半導体側から光が出射される。この窒化物半導体発光素子では、基板から最も離れた位置には通常p型コンタクト層が形成されるが、そのp型コンタクト層を介して光を出射する場合、以下のようにして電極が形成されている。
例えば、特許文献1では、発光層から発せられた光を上方に放出させる場合、上部電極の形態パターンとして、図8(b)に示すような、櫛(くし)形パターンや、図8(c)に示すような、透光性電極の態様とすることが開示されており、また、図8(b)のくし形パターンの電極は、電極のない開口部から発光した光を取り出す構造とすることが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−174339号公報(段落0005、図8(b)、図8(c))
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、透明電極を用いた従来例では、透明電極による光の減衰があり、光の取り出し効率の向上には一定の限界があった。
また、開口部から光を出射する従来例では、p型窒化物半導体層の抵抗値が大きいために、光を出射する開口部の直下の発光層には電流が注入されにくく、やはり発光効率及び発光した光の取り出し効率の向上には一定の限界があった。
【0005】
そこで、本発明は、発光効率及び発光した光の取り出し効率の高い窒化物半導体発光素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、本発明に係る窒化物半導体発光素子の製造方法は、p型窒化物半導体からなるコンタクト層を備え、そのコンタクト層上に、光出射部を除いて部分的にp側オーミック電極を形成した窒化物半導体発光素子の製造方法において、
上記p型コンタクト層上に、光出射部を除いて部分的にp側オーミック電極を形成する電極形成工程と、
その電極形成工程とは別に、上記光出射部のp型コンタクト層表面に、Ni及びPtからなる群から選択された金属からなる金属層を形成する金属層形成工程と上記金属層を除去する金属層除去工程とを含み、
上記金属層形成工程の前に、上記電極形成工程を有し、
上記金属層形成工程において、上記光出射部と上記p側オーミック電極とを覆うように上記金属層を形成することを特徴とする。
この様に構成された本発明に係る製造方法により作製された窒化物半導体発光素子では、触媒作用を有するNi層又はPt層により、光出射部のp型コンタクト層において窒化物半導体の成長中にとり込まれた水素の離脱が促進されて抵抗値を低くできる。
従って、本化物半導体発光素子では、より効果的に光出射部の直下に位置する活性層にキャリアを注入することができ、その光出射部の直下の活性層で発光した光を、直上の光出射部から効率よく出射することができる。
【0007】
また、本発明に係る窒化物半導体発光素子の製造方法では、上記金属層除去工程がニッケル元素又は白金元素が残るように除去する工程であってもよい
【0008】
また、本発明に係る窒化物半導体発光素子の製造方法は、前記金属層除去工程において、金属層はウェットエッチングにより除去してもよい
【0009】
本発明に係る窒化物半導体発光素子の製造方法では、前記p側オーミック電極が、Rh、Ir、Pt、Ru、W、Tiのいずれかからなっていてもよい
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施の形態の窒化物半導体発光素子について説明する。
本実施の形態の窒化物半導体発光素子は、基板1上にバッファ層2を介して、n型コンタクト層3を含むn側の窒化物半導体層と、活性層5と、p型コンタクト層7を最上層に有するp側の窒化物半導体層とを有し(図2)、p型コンタクト層側から光を出射する窒化物半導体発光素子であって、以下のような特徴を有するものである。
【0013】
すなわち、本発明に係る実施の形態の窒化物半導体発光素子では、図1及び図2に示すように、p側オーミック電極70及びp側パッド電極71からなるp側電極をp型コンタクト層上に部分的に(開口部を有するように)形成することにより、そのp側電極が形成されていないp型コンタクト層表面を光出射部7aとしている。
そして、その光出射部7aとして開口されたp型コンタクト層7は、窒化物半導体から水素の離脱を促進させる触媒作用を有するNi層又はPt層を形成して、その後、Ni層又はPt層をエッチングにより除去するという工程を経て改質処理が施されている。
【0014】
この様に構成された本発明に係る窒化物半導体発光素子では、触媒作用を有するNi層又はPt層を形成した後に、そのNi層又はPt層をエッチングにより除去するという改質処理を施すことにより、光出射部7aに位置するp型コンタクト層7において、窒化物半導体の成長中にとり込まれた水素の離脱が促進され、その光出射部7aの下に位置するp型コンタクト層7の抵抗値を低くできる。これにより、改質処理が施されていない発光素子に比較して、より効果的に光出射部7aの直下に位置する活性層5にキャリアを注入することができ、その光出射部7aの直下の活性層で発光した光を、直上の光出射部7aから効率よく出射することができる。
【0015】
また、以上のように構成された実施の形態の窒化物半導体発光素子では、Ni層又はPt層を形成した後に、そのNi層又はPt層をエッチングにより除去するという処理を施しているので、光出射部7aのp型コンタクト層7表面及びその近傍に、Ni元素又は白金元素が残る。
このように、光出射部7aのp型コンタクト層7表面及びその近傍に、Ni元素又は白金元素を有する本発明に係る発光素子は、従来の発光素子に比較して、より効果的に光出射部7aの直下に位置する活性層5にキャリアを注入することができ、その光出射部7aの直下の活性層で発光した光を、直上の光出射部7aから効率よく出射することができる。
【0016】
以上の本発明に係る窒化物半導体発光素子では、上記改質処理は、光出射部7a(p側電極が形成されていない開口部)に位置するp型コンタクト層7に対して選択的に行うことが好ましい。
このようにすると、p側オーミック電極の下に位置するp型コンタクト層7に比較して光出射部7aの下に位置するp型コンタクト層7の抵抗を低くできるので、その抵抗の低い部分により多くの電流を流すことができる結果、より効果的に光出射部7aの直下に位置する活性層にキャリアを注入することができ、その光出射部7aの直下の活性層で発光した光を、直上の光出射部7aから効率よく出射することができる。
すなわち、光出射部7aに位置するp型コンタクト層7に対して選択的に改質処理を行うことにより、発光した光を取り出しにくいp側電極直下の発光を抑制し、かつ光の取り出しの容易な光出射部7aの直下に位置する活性層における発光を増大させることができる。
【0017】
光出射部7aに位置するp型コンタクト層7に対して選択的に改質処理を行う具体的な方法としては、例えば、メッシュ電極のような開口部を有するp側オーミック電極を形成した後に、少なくとも開口部に露出したp型コンタクト層に接するようにNi層又はPt層を形成(最も簡単な方法としては、p側オーミック電極全体を覆うように形成する)した後に、そのNi層又はPt層をエッチングにより除去するという処理を施せばよい。
このようにして作製された窒化物半導体発光素子は、光出射部7aのp型コンタクト層7表面及びその近傍に、Mg元素とともにNi元素又は白金元素を有し、p側オーミック電極の直下にはNi元素又は白金元素を実質的に含むことなくMg元素のみを含むものであるが、光出射部7aに位置するp型コンタクト層7のみが選択的に改質処理がされたものとなり、発光した光を取り出しにくいp側電極直下の発光を抑制し、かつ光の取り出しの容易な光出射部7aの直下に位置する活性層における発光を増大させることができる。
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態の窒化物半導体発光素子の製造方法について説明する。
(成長工程)
本製造方法では、まず、例えばサファイアからなる基板1の上に、それぞれ窒化物半導体からなるバッファ層2、n型コンタクト層3、n型クラッド層4、活性層5、p型クラッド層6及びp型コンタクト層7を成長させることにより、発光部を形成するための積層構造を作製する。
(n電極形成部の形成)
次に、積層構造の一部をエッチングして、図1に示すように、n型コンタクト層3の一部を露出させる。
【0019】
(p型化アニール)
さらに、600℃で熱処理をすることにより、p型クラッド層6及びp型コンタクト層7をp型化する。
(p側オーミック電極形成)
次ぎに、p型コンタクト層7上にRh(400Å)、Ir(500Å)、Pt(1000Å)を順に形成した後、パターンニングすることによりp側オーミック電極70を部分的(メッシュ状)に形成する。
このp側オーミック電極70は、例えば、メッシュ形状、ストライプ形状等、p側オーミック電極が形成されていない開口部分を比較的大きくできるようなパターンに形成することが好ましく、金属膜の形成後にマスクを用いてエッチングする方法やリフトオフなど種々の方法でパターンニングすることができる。
このp側オーミック電極は、p型コンタクト層と好ましいオーミック特性が得られる材料を用いて形成し、p型コンタクト層と好ましいオーミック特性が得られる材料としては、Rh,Ir,Pt,Ru,W,Tiなどが挙げられる。
【0020】
(p側パッド電極形成)
次に、p側パッド電極71を、図1に示すように形成する。このp側パッド電極は、例えば、Ptを400Åの厚さに形成した上に、Auを6500Åの厚さに形成した2層構造で形成する。
(pオーミックアニール)
次ぎに、p型コンタクト層7とp側オーミック電極70との間で良好なオーミック接触を得るために、600℃で熱処理(アニール)を行う。
【0021】
(n電極形成)
次に、例えば、W(200Å)、Al(2000Å)、W(500Å)、Pt(1000Å)、Au(3500Å)が積層されてなるn電極30を、積層構造の一部をエッチングすることにより露出させたn型コンタクト層3の表面(n電極形成部)に形成する。
尚、このn電極として酸化しにくい材料を用いる場合には、n電極をpオーミックアニール工程の前に形成するようにしてもよい。
(Ni層の形成)
次に、p型コンタクト層7全面を覆うように、例えば、60Å厚さのNi層を形成する。
(Ni層の除去)
そして、Ni層をウエットエッチングにより除去する。
このエッチング液は、Niのみを溶かし、p側オーミック電極及びp側パッド電極を溶かさないものを選択することが好ましい。
また、このNi層は、本発明においては、少なくともp型コンタクト層7上のp側オーミック電極が形成されていない開口部分に形成した後に除去すればよい。
【0022】
以上のように、本実施の形態の窒化物半導体発光素子の製造方法では、Ni形成工程とそのNiを除去する工程とからなる改質処理工程を含んでいるので、p型コンタクト層において、窒化物半導体の成長中にとり込まれた水素の離脱が促進され、その光出射部7aの下に位置するp型コンタクト層の抵抗値を低くできる。
【0023】
また、本実施の形態の窒化物半導体発光素子の製造方法では、所定のパターンにp側電極を形成した後に、改質処理を施しているので、光出射部7a(p側電極が形成されていない開口部)に位置するp型コンタクト層7に対して選択的に行うことができる。
従って、本実施の形態の製造方法によれば、より効果的に光出射部7aの直下に位置する活性層5にキャリアを注入することができ、その光出射部7aの直下の活性層で発光した光を、直上の光出射部7aから効率よく出射することができる窒化物半導体発光素子を製造できる。
また、本実施の形態のように、前記光出射部の改質処理が施され、p側オーミック電極形成部には改質処理が施されない窒化物半導体素子は、p型コンタクト層上において、光出射部のみにNiが堆積される。そのとき、Niはスパッタ等により形成されることで、光出射部の中央部からp側オーミック電極との境界面にかけて、膜厚が大きく形成される。よって、本実施の形態での改質処理は、開口部の中央部より前記境界面に近い所の方が水素の離脱がより促進され(つまりより強く改質処理が行われ)、抵抗値も低くなる。これにより、光出射部において、p側オーミック電極との境界近傍から特に強い光が放出されるようになる。従って、例えば、メッシュ状のp側オーミック電極のように、光出射部を構成する複数の開口部を有するp側オーミック電極では、抵抗値が低く強い光が放出される境界近傍(この強く光る部分の境界からの距離は、開口部の面積を変化させてもあまり影響を受けない)の面積の開口部全体に占める割合が大きくなるように開口部(例えばメッシュ)の大きさは設定される。
【0024】
以上の実施の形態の製造方法では、p側電極(p側オーミック電極とp側パッド電極の双方)を所定のパターンに形成した後に、改質処理を施すようにした。しかしながら、本発明では、p側オーミック電極70を所定のパターンに形成した後、p側パッド電極71の形成前に、改質処理を施してもよい。
以上のようにしても、光出射部7aに位置するp型コンタクト層7に対して選択的に行うことができ、実施の形態の製造方法と同様の作用効果を有する。
【0025】
また、本発明では、p側オーミック電極70を形成する前に、p型コンタクト層7全面にNi層を形成してそのNi層を除去するという改質処理を施した後、p側オーミック電極70とp側パッド電極71を所定のパターンに形成するようにしてもよい。
以上のようにしても、改質処理が施されていない従来の発光素子に比較して、より効果的に光出射部7aの直下に位置する活性層にキャリアを注入することができ、その光出射部7aの直下の活性層で発光した光を、直上の光出射部7aから効率よく出射することができる。
このように、p側電極を形成する前に全面に表面改質すると、p側オーミック電極直下においても、キャリアの注入効率が大きくなるので、オーミック電極形成後に表面改質したものよりも、光取り出しの点で劣るが(従来の発光素子に比れば効率よく出射することができることにはかわりはない)、表面改質によって若干あれたp型コンタクト層上にメッシュ電極を形成することになるので、メッシュ電極が密着性よく形成できるという利点がある。
【0026】
【実施例】
以下、本発明に係る実施例について説明する。
実施例1.
図1を参照しながら実施例1について説明する。
尚、本実施例1では、図1には図示していないが、バッファ層2の上にアンドープGaN層、p型クラッド層6の上に低濃度ドープのp型低濃度ドープ層を含み、図1のn型クラッド層に変えて、第1多層膜層とn型超格子多層膜層を含んでいる。
【0027】
(基板1)
サファイア(C面)よりなる基板1をMOVPEの反応容器内にセットし、水素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇させ、基板のクリーニングを行う。
【0028】
(バッファ層2)
続いて、温度を510℃まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、基板1上にAlGaNよりなるバッファ層2を約200オングストロームの膜厚で成長させる。なおこの低温で成長させる第1のバッファ層2は基板の種類、成長方法等によっては省略できる。
【0029】
(アンドープGaN層)
バッファ層2成長後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させる。1050℃になったら、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガスを用い、アンドープGaN層を1.5μmの膜厚で成長させる。
【0030】
(n側コンタクト層3)
続いて1050℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siを6×1018/cm3ドープしたGaNよりなるn側コンタクト層3を1.85μmの膜厚で成長させる。
【0031】
(第1多層膜層)
次にシランガスのみを止め、1050℃で、TMG、アンモニアガスを用い、アンドープGaNからなる下層を3000オングストロームの膜厚で成長させ、続いて同温度にてシランガスを追加しSiを6×1018/cm3ドープしたGaNからなる中間層を300オングストロームの膜厚で成長させ、更に続いてシランガスのみを止め、同温度にてアンドープGaNからなる上層を50オングストロームの膜厚で成長させ、3層からなる総膜厚3350オングストロームの第1多層膜層を成長させる。
【0032】
(n型超格子多層膜層)
次に、同様の温度で、アンドープGaNよりなる第1の窒化物半導体層を40オングストローム成長させ、次に温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用い、アンドープIn0.02Ga0.98Nよりなる第2の窒化物半導体層を20オングストローム成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、第1+第2の順で交互に10層づつ積層させ、最後にGaNよりなる第1の窒化物半導体層を40オングストローム成長さた超格子構造の多層膜よりなるn型超格子多層膜層を640オングストロームの膜厚で成長させる。
【0033】
(活性層5)
次に、アンドープGaNよりなる障壁層を200オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用いアンドープIn0.4Ga0.6Nよりなる井戸層を30オングストロームの膜厚で成長させる。そして障壁+井戸+障壁+井戸・・・・+障壁の順で障壁層を5層、井戸層4層交互に積層して、総膜厚1120オングストロームの多重量子井戸構造よりなる活性層5を成長させる。
【0034】
(中濃度ドープの多層膜p型クラッド層6)
次に、温度1050℃でTMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを5×1019/cmドープしたp型Al0.2Ga0.8Nよりなる第1の窒化物半導体層を40オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニア、Cp2Mgを用いMgを5×1019/cmドープしたIn0.03Ga0.97Nよりなる第2の窒化物半導体層を25オングストロームの膜厚で成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、第1+第2の順で交互に5層ずつ積層し、最後に第1の窒化物半導体層を40オングストロームの膜厚で成長させた超格子構造の多層膜よりなるp側多層膜クラッド層6を365オングストロームの膜厚で成長させる。
【0035】
(低濃度ドープのp型低濃度ドープ層)
続いて、1050℃で、TMG、アンモニアを用い、アンドープのGaNよりなるp型低濃度ドープ層を2000オングストロームの膜厚で成長させる。この低濃度ドープ層は、成長時はアンドープとして成長させるが、中濃度ドープの多層膜p型クラッド層6にドープされているMgが、低濃度ドープ層9を成長する間に拡散し、さらに下記の高濃度ドープのp型コンタクト層7を成長させる際にMgが拡散し、低濃度ドープ層はp型を示す。
この低濃度ドープ層のMg濃度は、最も濃度が低い部分では、2×1018/cm3となる。また低濃度ドープ層のMg濃度の変化は、図2に示すように、p型クラッド層6に接している部分ではp型クラッド層6のMg濃度とほぼ同様の値を示すが、p型クラッド層6から離れるに従い徐々に減少し、後で成長させるp型コンタクト層7と接近している付近(p型コンタクト層7を成長させる直前)でのMg濃度がほぼ最低値を示す。
【0036】
(高濃度ドープのp型コンタクト層7)
続いて、1050℃で、TMG、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1×1020/cm3ドープしたGaNよりなるp型コンタクト層7を1200オングストロームの膜厚で成長させる。
反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに窒素雰囲気中、ウェーハを反応容器内において、700℃でアニーリングを行い、p型層をさらに低抵抗化する。
【0037】
アニーリング後、ウェーハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層7の表面に所定の形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)装置でp型コンタクト層7側からエッチングを行い、図1に示すようにn型コンタクト層3の表面を露出させる。
【0038】
次に、p型コンタクト層7上にRhを400Å、Irを500Å、Ptを1000Åを順に形成する。
次に、p側パッド電極をn型コンタクト層3と対向する位置に、Ptを400Å、Auを6500Åの順で形成する。
p側パッド電極71を形成した後、露出されているp側オーミック電極をパターニングすることによりp側オーミック電極70をメッシュ状に形成する。形成方法はリフトオフ法を用いる。
【0039】
次にp型コンタクト層7とp側オーミック電極70との間で良好なオーミック接触を得るために、600℃で熱処理(アニール)を行う。
次に、露出させたn型コンタクト層3の表面に、Wを200Å、Alを2000Å、Wを500Å、Ptを1000Å、Auを3500Åの順に積層したn電極30を形成する。
次に、p型コンタクト層7全面を覆うように、60Åの厚さのNi層を形成する。さらに、Ni層を希硝酸又は濃塩酸によるウェットエッチングにより除去する。
【0040】
このようにして、窒化物半導体素子を得る。この窒化物半導体素子は光取り出し面となるp型コンタクト層7表面において、p側オーミック電極70はp側パッド電極形成部以外がメッシュ状に形成され、メッシュ形成部はp側パッド電極71と離れて形成されている。
以上のように構成された実施例1の窒化物半導体発光素子において、順方向電流を20mAとした時の順方向電圧はVfは、3.61Vであった。
【0041】
実施例2.
実施例2の窒化物半導体発光素子は、p側オーミック電極を形成する前にp型コンタクト層全体に改質処理を施し、その後、p側オーミック電極及びp側パッド電極を形成した点が実施例1とは異なり、それ以外の点は、実施例1と同様にして作製した。
その結果、実施例2の窒化物半導体発光素子において、順方向電流を20mAとした時の順方向電圧はVfは、3.64Vであった。
【0042】
比較例1.
比較例1の窒化物半導体発光素子は、改質処理を施していない点以外は、実施例1と同様にして作製した。
その結果、比較例1の窒化物半導体発光素子において、順方向電流を20mAとした時の順方向電圧はVfは、3.67Vであった。
【0043】
変形例
本実施の形態及び実施例では、p側オーミック電極はp側パッド電極71の下ではメッシュ形状ではないものとした。しかしながら、本発明では、p側パッド電極71の下のp側オーミック電極をメッシュ形状としてもよい。さらに、表面改質するための、Niの形成と除去の工程は、p側パッド電極の形成前に行っても、p側パッド電極の形成後に行ってもよい。
このようにすると、順方向電圧Vfをより低くできる。
また、この場合、p側オーミック電極の開口部から出射される光がp側パッド電極で吸収されることにより出力が低下する場合があるが、p側パッド電極のp側オーミック電極及びp型コンタクト層に接する層として、Rh層を形成することにより、p側パッド電極による光の吸収を抑制でき、出力の低下を防止できる。
【0044】
【発明の効果】
以上、説明したことから明らかなように、本発明に係る窒化物半導体発光素子においては、上記光出射部のp型窒化物半導体層は、Ni及びPtからなる群から選択された少なくとも1つからなる金属層を形成した後にその金属層を除去することにより改質処理されているので、Ni層又はPt層の触媒作用により、光出射部のp型コンタクト層において窒化物半導体の成長中にとり込まれた水素の離脱が促進されて抵抗値を低くできる。
従って、本発明に係る窒化物半導体発光素子によれば、より効果的に光出射部の直下に位置する活性層にキャリアを注入することができ、その光出射部の直下の活性層で発光した光を、直上の光出射部から効率よく出射することができ、発光効率及び発光した光の取り出し効率の高い窒化物半導体発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態の窒化物半導体発光素子の平面図である。
【図2】 図1のA−A’線についての断面図である。
【図3】 図2の断面図の一部を拡大して示す一部拡大断面図である。
【図4】 本発明に係る変形例の窒化物半導体発光素子の断面の一部を拡大して示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…バッファ層、3…n型コンタクト層、4…n型クラッド層、5…活性層、6…p型クラッド層、7…p型コンタクト層、7a…光出射部、70…p側オーミック電極、71…p側パッド電極。

Claims (4)

  1. p型窒化物半導体からなるコンタクト層を備え、そのコンタクト層上に、光出射部を除いて部分的にp側オーミック電極を形成した窒化物半導体発光素子の製造方法において、
    上記p型コンタクト層上に、光出射部を除いて部分的にp側オーミック電極を形成する電極形成工程と、
    その電極形成工程とは別に、上記光出射部のp型コンタクト層表面に、Ni及びPtからなる群から選択された金属からなる金属層を形成する金属層形成工程と上記金属層を除去する金属層除去工程とを含み、
    上記金属層形成工程の前に、上記電極形成工程を有し、
    上記金属層形成工程において、上記光出射部と上記p側オーミック電極とを覆うように上記金属層を形成することを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 上記金属層除去工程は、ニッケル元素又は白金元素が残るように除去する請求項1に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記金属層除去工程において、金属層はウェットエッチングにより除去する請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記p側オーミック電極は、Rh、Ir、Pt、Ru、W、Tiのいずれかからなることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
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