JP4309092B2 - ゴム組成物及び該ゴム組成物を有してなる二輪車用タイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二輪車用タイヤに用いられるゴム組成物、特に金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤの金属繊維コーティング用ゴム組成物に関する。また、本発明は、該コーティング用ゴム組成物を有してなるスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤが種々開発されている。このスパイラルベルトは、従来、ケブラー、ナイロンなどの有機繊維を有して製造されていた。スパイラルベルト層は、具体的には、2つの工程、即ちインシュレーション工程及び成型工程を経て製造されていた。インシュレーション工程は、上記有機繊維にゴムをコーティングする工程である。該コーティングした有機繊維の単線又は複線を同時にボックスロールに巻き上げてもよい。また、成型工程は、ボックスロールから該コーティングされた有機繊維を巻き出し、コアドラム上に配置されたタイヤケース部材上に、周方向に平行な方向でスパイラル状に該繊維を巻きつける工程である。
【0003】
一方、上述の有機繊維を金属繊維にすることにより、タイヤの運動特性、例えばシミー性能、キックバック性能、安定性などを向上させることが近年見出されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、繊維材料を有機繊維から金属繊維に変えると、従来のコーティングゴムでは製造上の問題が生じた。具体的には、インシュレーション工程において、ゴムのペネトレーション性が悪くなりゴムのコーティング率の低下を招くという問題が生じた。また、この問題と同時に、成型工程において、ゴムでコーティングされた繊維材料を巻きだす際、コーティングゴムが剥離する問題が生じた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決することにある。
具体的には、本発明の目的は、繊維材料として金属繊維を用いた場合、該金属繊維へのコーティング率を高め、且つコーティング剥離を抑制することができる、製造上最適なコーティング用ゴム組成物を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、上記目的に加えて、上記コーティング用ゴム組成物を用いることにより、タイヤの運動特性、例えばシミー性能、キックバック性能、安定性などを向上させた、二輪車用タイヤを提供することにある。
【0007】
本発明者は鋭意検討の結果、以下の発明により、上記課題を解決できることを見出した。
即ち、<1> 金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤの金属繊維コーティング用ゴム組成物であって、該ゴム組成物がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)を有してなるゴム成分を配合してなり、a)及びb)の合計量を100重量部としたとき、a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量部以上30重量部以内であり、b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量部以下70重量部以上である上記コーティング用ゴム組成物。
【0008】
<2> 上記<1>において、コーティング用ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、ゴム成分を100重量部としたとき、ワックス成分の量が2〜10重量部であるのがよい。
【0009】
<3> 金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤの金属繊維コーティング用ゴム組成物であって、該ゴム組成物がゴム成分及びワックス成分を配合してなり、ゴム成分を100重量部としたとき、ワックス成分の量が2〜10重量部である上記コーティング用ゴム組成物。
【0010】
<4> 上記<1>〜<3>のいずれかにおいて、スパイラルベルト層は、コーティング用ゴム組成物がコーティングされた金属繊維を有してなる長尺リボンを実質上タイヤ周方向に平行な方向でスパイラル状に巻きつけ構成されるのがよい。
【0011】
<5> 二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法であって、該方法が、金属繊維にゴム組成物をコーティングしてコーティッド金属繊維を得るインシュレーション工程、及び該コーティッド金属繊維をスパイラル状に巻き付ける成型工程を有し、前記インシュレーション工程において、前記ゴム組成物のタッキネスを1N以上5N以内としてコーティングを施すことを特徴とする、二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法。
【0012】
<6> 上記<5>において、ゴム組成物がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)からなるゴム成分を配合してなり、該ゴム成分を100重量部としたとき、a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量部以上30重量部以内であり、b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量部以下70重量部以上であるのがよい。
【0013】
<7> 上記<6>において、ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、該ワックス成分の量が、ゴム成分を100重量部としたとき、2〜10重量部であるのがよい。
【0014】
<8> 上記<5>において、ゴム組成物がゴム成分及びワックス成分を配合してなり、ゴム成分を100重量部としたときにワックス成分の量が2〜10重量部であるのがよい。
<9> 上記<5>〜<8>のいずれかにおいて、ゴム組成物のムーニー粘度を5N・m以上6.6N・m以内としてコーティングを施すのがよい。
【0015】
<10> 上記<5>〜<9>のいずれかにおいて、スパイラルベルトは、コーティング用ゴム組成物がコーティングされた金属繊維を有してなる長尺リボンを、タイヤケース部材上、例えばカーカスプライ上、実質上タイヤ周方向に平行な方向でスパイラル状に巻きつけ構成されるのがよい
【0016】
<11> 二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法であって、該方法が、金属繊維にゴム組成物をコーティングしてコーティッド金属繊維を得るインシュレーション工程、及び該コーティッド金属繊維をスパイラル状に巻き付ける成型工程を有し、前記インシュレーション工程において、前記ゴム組成物のムーニー粘度を5N・m以上6.6N・m以内としてコーティングを施すことを特徴とする、二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法。
【0017】
<12> 上記<11>において、ゴム組成物がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)からなるゴム成分を配合してなり、a)及びb)の合計量を100重量部としたとき、a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量部以上30重量部以内であり、b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量部以下70重量部以上であるのがよい。
【0018】
<13> 上記<12>において、ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、該ワックス成分の量が、ゴム成分を100重量部としたとき、2〜10重量部であるのがよい。
【0019】
<14> 上記<11>において、ゴム組成物がゴム成分及びワックス成分を配合してなり、ゴム成分を100重量部としたとき、ワックス成分の量が2〜10重量部であるのがよい。
<15> 上記<11>〜<14>のいずれかにおいて、ゴム組成物のタッキネスを1N以上5N以内としてコーティングを施すのがよい。
【0020】
<16> 上記<11>〜<15>のいずれかにおいて、スパイラルベルトは、コーティング用ゴム組成物がコーティングされた金属繊維を有してなる長尺リボンを実質上タイヤ周方向に平行な方向でスパイラル状に巻きつけ構成されるのがよい。
【0021】
<17> 金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤであって、該金属繊維がゴム組成物によってコーティングされており、該ゴム組成物がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)を有してなるゴム成分を配合してなり、a)及びb)の合計量を100重量部としたとき、前記a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量部以上30重量部以内であり、前記b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量部以下70重量部以上である二輪車用タイヤ。
【0022】
<18> 上記<17>のタイヤにおいて、ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、ゴム成分を100重量部としたとき、該ワックス成分の量が2〜10重量部であるのがよい。
<19> 金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤであって、該金属繊維がゴム組成物によってコーティングされており、該ゴム組成物がゴム成分及びワックス成分を配合してなり、ゴム成分を100重量部としたとき、ワックス成分の量が2〜10重量部である二輪車用タイヤ。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明は、金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤに関し、特に該金属繊維にコーティングするゴム組成物に関する。以下、該ゴム組成物について詳細に説明する。
【0024】
ゴム組成物は、ゴム成分を配合してなり、さらにワックス成分を配合するのがよい。
ゴム成分は、a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)を有するのがよい。なお、b)は、天然ゴム又はイソプレンゴムのいずれか、もしくはその双方を有することができることを表している。
ゴム成分は、a)及びb)以外に他の成分、例えばブタジエンゴム又はブチルゴムなどを有してもよいが、これらの成分のみからなることもできる。
【0025】
a)及びb)の量は、双方を合わせた量を100重量部とした場合、a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量部以上30重量部以内であり、b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量部以下70重量部以上であるのがよい。好ましくは、a)SBRが15重量部以上25重量部以内であり、b)NR及び/又はIRが85重量部以下75重量部以上であるのがよい。なお、ゴム成分がa)及びb)のみからなる場合、上記a)及びb)の量は、ゴム成分100重量部中の値を示す。
【0026】
ゴム成分内のSBR、並びにNR及び/又はIRが上記範囲内にあると、金属繊維へのコーティングが良好となり得られるタイヤの耐久性も良好となる傾向が生じる。一方、ゴム成分内のSBRの量が多すぎると、後述するスパイラルベルトの製造工程において、ゴムと金属繊維との接着が阻害される傾向が生じ、これにより得られたタイヤ自体の耐久性が低下する傾向が生じる。また、SBRの量が少なすぎると、後述するスパイラルベルトの製造工程において、コーティングされた金属繊維をボックスロールより巻き出す際、コーティングしたゴムが剥離する傾向が生じる。
【0027】
本発明のゴム組成物は、ゴム成分の他にワックス成分を配合するのがよい。
このワックス成分として、例えば日石三菱(株)製135°パラフィンワックス及びパラノック250Bを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0028】
本発明のゴム組成物に含まれるワックス成分の量は、ゴム成分100重量部に対して、2〜10重量部であり、好ましくは4〜8重量部、より好ましくは5〜6重量部であるのがよい。ワックス成分が少なすぎると、後述するスパイラルベルトの製造工程において、コーティングされた金属繊維をボックスロールより巻き出す際、コーティングしたゴムが剥離する傾向が生じる。一方、ワックス成分が多すぎると、後述するスパイラルベルトの製造工程において、コーティングするゴムと金属繊維との接着が阻害される傾向が生じ、これにより得られたタイヤ自体の耐久性が低下する傾向が生じる。
【0029】
本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分及びワックス成分の他に、ゴム組成物に通常用いられる成分を配合することができる。このような成分として、例えば、充填剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、促進助剤、老化防止剤、及び金属との接着を促進させる金属塩(例えばCo塩)その他の接着促進剤を挙げることができる。
【0030】
なお、本発明のゴム組成物がコーティングされる金属繊維は、二輪車用タイヤに所望の特性を付与する目的などに応じて、適宜選択することができる。例えば、金属繊維としてスチールコードを挙げることができる。
【0031】
本発明のゴム組成物及び金属繊維を用いて、二輪車用タイヤのスパイラルベルトを製造する。以下、この製造方法について説明する。
二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法は、次の工程を有してなる。即ちインシュレーション工程及び成型工程である。
【0032】
インシュレーション工程は、1本又は複数本の金属繊維に本発明のゴム組成物であって未加硫のゴム組成物をインシュレーション方式でコーティングする工程である。なお、この工程で、同時に、コーティング済の金属繊維を長尺リボン、特に小幅長尺リボンにするのがよい。得られたリボンは例えばボックスロールに巻き取ることができる。
【0033】
次いで、成型工程に付される。成型工程は、得られたコーティング済の金属繊維、例えば小幅長尺リボンを、コアドラム上に配置されたタイヤケース部材上、例えばカーカスプライ上に、タイヤ周方向と平行な方向に、スパイラル状に巻き付けてスパイラルベルトを成型する工程である。なお、カーカスプライ「上」とは、カーカスプライの直上を意味するだけでなく、カーカスプライと本発明のスパイラルベルトとの間に他の層、例えばクッション材などを有することができる意である。
【0034】
インシュレーション工程において、未加硫のゴム組成物のタッキネスを1N以上5N以内、好ましくは2〜3Nとするのがよい。この範囲にすることにより、本発明のゴム組成物は、金属繊維と良好なコーティングをもたらすことができる。一方、タッキネスが不足している場合、成型工程においてスパイラル状に巻き付けられない傾向が生じる。また、タッキネスが過剰な場合、ボックスロールより巻き出す際に、コーティングしたゴム組成物が剥離する傾向が生じる。
【0035】
タッキネスは、例えば次のように測定することができる。即ち、混練したゴム組成物をロール温度90℃で厚さ2mmにシート化する。シート化後、1時間放置して、10mm幅に切り出し、50φmmのリングに巻き付ける。巻き付けられたゴムと該ゴムと同一組成のゴムシートとを圧着させ、その粘着力を測定する。例えば、圧着時の力:4.9N;圧着時間:30秒;引張り速度:30mm/分;測定回数:5回(平均値を採用する);測定機器:東洋精機製作所製ピクマタックテスター、という条件下で測定を行うことができる。なお、本明細書において、特記しない限り、タッキネスの測定方法及び条件は、上記の例に沿って行われる。
【0036】
また、インシュレーション工程において、本発明のゴム組成物は、上記タッキネスの条件と共に、又は上記タッキネスとは別個に、そのムーニー粘度を5N・m以上6.6N・m以内、好ましくは5.4N・m〜6.2N・mとするのがよい。この範囲にすることにより、本発明のゴム組成物は、金属繊維と良好なコーティングをもたらすことができる。一方、ムーニー粘度が不足している場合、コーティングゲージが薄くなり強固なコーティングが得られない傾向が生じる。また、ムーニー粘度が過剰な場合、インシュレーション工程において、ゴムのペネトレーション性の低下及びコーティング率の低下を招く傾向が生じ、成型工程においてスパイラル状に巻き付けられない傾向が生じる。
【0037】
ムーニー粘度は、例えば次のように測定することができる。
即ち、JIS K 6300−1994に準拠して、L型ローターを用いて、130℃で予熱1分間、及び4分間攪拌した後のムーニー粘度を、例えば島津製作所製SMV201を用いて測定する。なお、本明細書において、特記しない限り、ムーニー粘度の測定方法及び条件は、上記の例に沿って行われる。
【0038】
本発明は、上述のゴム組成物を用いたスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤにまで及ぶ。本発明の二輪車用タイヤは、このスパイラルベルト層を除く、他の構成、材質、形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、公知のものと同様に構成することができる。
【0039】
また、本発明の二輪車用タイヤは、ラジアルタイヤ、空気入りタイヤ、空気入りラジアルタイヤなど、種々に適用することができる。例えば、その内部に空気が満たされた空気入りラジアルタイヤを挙げることができるが、これに限定されるものではない。即ち、本発明の二輪車用タイヤは、その内部に種々のガスを満たしたタイヤとすることができ、例えばガスとして窒素のみを満たしたものであってもよく、ガスとして空気に種々の混合比となるように窒素を入れたものであってもよい。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0041】
(実施例1〜9及び比較例1〜5)
以下の表1〜表3に記載した組成比で、コーティング用ゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物をスチールコード(1×5撚り、コード径:約0.61mm、線径:約0.21mm)にコーティングを行った。この際のコーティング用ゴム組成物に関して、インシュレーション工程での作業性及び成型工程での作業性を評価した。実施例1〜3、並びに比較例1及び2については、タッキネスを変化させた場合についても、成型時の作業性を評価した。この場合、巻き出し時の作業性及び巻き付け時の作業性の双方を評価した。
【0042】
また、実施例7〜9、並びに比較例4及び5については、ムーニー粘度(表3中、「ML1+4」と表記する)を変化させた場合についても、インシュレーション作業性、及び成型工程時の作業性、特に巻き出し時の作業性を評価した。
さらに、各実施例又は各比較例のコーティング用ゴム組成物と上記スチールコードとの接着性を評価した。
以下、上記の各評価について詳しく記載する。
【0043】
(1) 各作業性の評価
各作業において、その作業性の評価は、次のように行った。即ち、問題ないレベルを○、やや問題があり生産性が少し落ちるレベルを△、問題があり生産性が大幅にダウンするか又は生産不可能なレベルを×とした。
【0044】
(2) 接着性の評価
金属繊維とゴム組成物との接着性は、混練したゴム組成物に金属繊維を埋設し、ゴム組成物を加硫後、ASTM:D2229に準拠した引き抜き試験を行い、金属繊維に付着したゴムの被覆率(平均値)を測定して、評価した。○は80%以上の被覆率であり、全く問題のないレベルである。△は50%以上80%未満の被覆率であり、市場で問題とならないレベルである。×は50%未満の被覆率であり、市場で問題となる可能性が高いレベルである。
【0045】
なお、タッキネスの測定条件及びムーニー粘度の測定条件は、上述の方法にしたがった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
表1〜表3を見てわかるように、各実施例のコーティング用ゴム組成物は、インシュレーション工程時の作業性及び成型工程時の作業性の双方共に、良好な評価結果をもたらすことがわかる。一方、各比較例のコーティング用ゴム組成物は、インシュレーション工程時の作業性又は成型工程時の作業性のいずれか、もしくは双方共に、問題がある評価結果をもたらすことがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明により、繊維材料として金属繊維を用いた場合、該金属繊維へのコーティング率を高め、且つコーティング剥離を抑制することができる、製造上最適なコーティング用ゴム組成物を提供することができる。
また、本発明により、上記効果に加えて、上記コーティング用ゴム組成物を用いることにより、タイヤの運動特性、例えばシミー性能、キックバック性能、安定性などを向上させた、二輪車用タイヤを提供することができる。
Claims (5)
- 金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤの金属繊維コーティング用ゴム組成物であって、該ゴム組成物がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)を有してなるゴム成分を配合してなり、前記ゴム成分中、前記a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量%以上30重量%以内であり、前記b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量%以下70重量%以上であり、前記ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、前記ゴム成分を100重量部としたとき、該ワックス成分の量が2〜10重量部である上記コーティング用ゴム組成物。
- 前記スパイラルベルト層は、前記コーティング用ゴム組成物がコーティングされた金属繊維を有してなる長尺リボンを実質上タイヤ周方向に平行な方向でスパイラル状に巻きつけ構成される請求項1記載のコーティング用ゴム組成物。
- 二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法であって、該方法が、金属繊維にゴム組成物をコーティングしてコーティッド金属繊維を得るインシュレーション工程、及び該コーティッド金属繊維をスパイラル状に巻き付ける成型工程を有し、前記ゴム組成物は、a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)を有してなるゴム成分を配合してなり、前記ゴム成分中、前記a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量%以上30重量%以内であり、前記b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量%以下70重量%以上であり、前記ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、前記ゴム成分を100重量部としたとき、該ワックス成分の量が2〜10重量部であり、前記インシュレーション工程において、前記ゴム組成物のタッキネスを1N以上5N以内としてコーティングを施すことを特徴とする、二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法。
- 二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法であって、該方法が、金属繊維にゴム組成物をコーティングしてコーティッド金属繊維を得るインシュレーション工程、及び該コーティッド金属繊維をスパイラル状に巻き付ける成型工程を有し、前記ゴム組成物は、a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)を有してなるゴム成分を配合してなり、前記ゴム成分中、前記a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量%以上30重量%以内であり、前記b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量%以下70重量%以上であり、前記ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、前記ゴム成分を100重量部としたとき、該ワックス成分の量が2〜10重量部であり、前記インシュレーション工程において、前記ゴム組成物のムーニー粘度を5N・m以上6.6N・m以内としてコーティングを施すことを特徴とする、二輪車用タイヤのスパイラルベルトの製造方法。
- 金属繊維を有してなるスパイラルベルト層を有する二輪車用タイヤであって、該金属繊維がゴム組成物によってコーティングされており、該ゴム組成物がa)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、並びにb)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)を有してなるゴム成分を配合してなり、前記ゴム成分中、前記a)スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)が10重量%以上30重量%以内であり、前記b)天然ゴム(NR)及び/又はイソプレンゴム(IR)が90重量%以下70重量%以上であり、前記ゴム組成物がワックス成分をさらに配合してなり、前記ゴム成分を100重量部としたとき、該ワックス成分の量が2〜10重量部である二輪車用タイヤ。
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