JP4308510B2 - 照光式キーパッドおよびキーシート - Google Patents

照光式キーパッドおよびキーシート Download PDF

Info

Publication number
JP4308510B2
JP4308510B2 JP2002353135A JP2002353135A JP4308510B2 JP 4308510 B2 JP4308510 B2 JP 4308510B2 JP 2002353135 A JP2002353135 A JP 2002353135A JP 2002353135 A JP2002353135 A JP 2002353135A JP 4308510 B2 JP4308510 B2 JP 4308510B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
key
key sheet
roughness
light source
key top
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002353135A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004186055A (ja
Inventor
豊 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polymatech Co Ltd
Original Assignee
Polymatech Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polymatech Co Ltd filed Critical Polymatech Co Ltd
Priority to JP2002353135A priority Critical patent/JP4308510B2/ja
Publication of JP2004186055A publication Critical patent/JP2004186055A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4308510B2 publication Critical patent/JP4308510B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Switch Cases, Indication, And Locking (AREA)
  • Push-Button Switches (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、携帯情報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコン及び、各種キーボードなどに使用され、暗い場所や夜間等の使用に便利な照光性キーパッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の携帯通信機器における押釦スイッチ用のキーパッドとして、透光性の樹脂キートップと透光性のエラストマーから構成されて、機器内部からの光で照光するいわゆる照光式キーパッドが多く用いられている。このような照光式キーパッドは、例えば特開2000−268666号公報(特許文献1)や、特許第2627692号公報(特許文献2)に記載されている。
【0003】
この照光式キーパッドには、透光性の樹脂キートップと透光性のキーシートとの接着に透光性の接着剤が用いられている。しかしながら、照光式キーパッドの作製時に、接着剤の量が多すぎると、樹脂キートップとキーシートとの接着部分からはみ出し、キーパッドを収容する携帯電話機等の筐体部分に引っかかるという不都合を生じる。また、接着剤がはみ出さないように、非常に薄く平面状に接着部分全体に塗布すると、貼り合わせ時に気泡が混入し、気泡痕が見えてしまうという不都合を生じる。そこで、このような問題に対処するために、気泡が入らないように接着剤を点状に塗布し、かつ、接着剤が接合部からはみ出さないように樹脂キートップとキーシートの重合面の全体より小さい面積で部分的に接着するスポット接着方法が採られるようになってきている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−231849号公報
【特許文献2】
特許第2627692号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スポット接着方法では、接着剤のはみ出しや気泡が発生する問題は解決されたものの、内部光源を発光させると接着痕をはっきりと視認できてしまうという外観上の問題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明者はスポット接着方法を採りながらでも、接着痕がはっきりと見えてしまう不具合が生じない照光式キーパッドを得ることを目的として、ゴム状弾性体からなるキーシートに着目することにより本発明を完成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、透光性の樹脂キートップとゴム状弾性体からなる透光性のキーシートが透光性の接着剤により固着されてなり、キーシートの下方に設置した内部光源からの光によって照光する照光式キーパッドについて、キーシートのキートップ対向面のうち少なくともキートップ載置面における表面粗さが、算術平均粗さで0.5μm以下であり、キーシートの光源対向面のうち少なくとも前記載置面の裏面における表面粗さが、算術平均粗さで1.0μm以下であることを特徴とする照光式キーパッドを提供する。
【0008】
本発明の照光式キーパッドによれば、キーシートのキートップ対向面のうち少なくともキートップ載置面における表面粗さが算術平均粗さで0.5μm以下であり、キーシートの光源対向面のうち少なくとも前記載置面の裏面における表面粗さが算術平均粗さで1.0μm以下としたので、内部光源が発光しても、接着剤の施された接着箇所が明るく、それ以外のキートップ載置面部分が暗くなることで接着痕がはっきりと見えてしまうという不具合が生じない。したがって、本発明によれば、内部光源からの光を受けても接着痕が見えないか又は極めて見難くすることができ、外観上の問題を解消することができる。
【0009】
また本発明は、キーシートの光源対向面のうち、キーシートのキートップ載置面を底面とし内部光源を頂点とする仮想錐の内側部分における表面粗さが、算術平均粗さで0.4μm以上である照光式キーパッドを提供する。
【0010】
この照光式キーパッドは、キーシートの光源対向面のうち、キーシートのキートップ載置面を底面とし内部光源を頂点とする仮想錐の内側部分における表面粗さが、算術平均粗さで0.4μm以上としたため、内部光源からの光がキーシートで充分拡散される。そのため、樹脂キートップの直下にLED等の内部光源が置かれない場合であっても、樹脂キートップ部分を光が充分透過する照光性に優れたキーパッドとすることができる。そして、キーシートの光源対向面のうち、少なくともキーシートのキートップ載置面の裏面における表面粗さが、算術平均粗さで1.0μm以下としたため、内部光源からの光の拡散性に優れるだけでなく、接着痕が見えないか又は極めて見難い照光式キーパッドが得られる。
【0011】
また本発明は、樹脂キートップのキーシートとの重合面側に、文字や模様等を表す透光性の表示層を形成した照光式キーパッドを提供する。
【0012】
樹脂キートップのキーシートとの重合面側に、文字や模様等を表す透光性の表示層を形成したため、文字や記号等を表す表示層と、樹脂キートップとキーシートを接着する接着剤層が近接または隣接して形成される構成となるが、それでも接着痕が見えないか又は極めて見難い照光式キーパッドが得られる。
【0013】
さらに、本発明は、樹脂キートップのキーシートとの重合面側にさらに透明樹脂層を形成した照光式キーパッドを提供する。
【0014】
樹脂キートップのキーシートとの重合面側にさらに透明樹脂層を形成したため、内部光源から非常に強く明るい光が照射された場合であっても、接着痕が見えないか又は極めて見難い照光式キーパッドが得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の照光性キーパッドについてその実施形態に基づいてさらに詳しく説明する。
【0016】
第1実施形態[図1]; 本発明の照光式キーパッド1は、例えば図1、図2に示すように、透光性の樹脂からなり人の指などで押圧される樹脂キートップ2と、樹脂キートップ2に伝えられる押圧力を、その下方に設けたプリント回路基板上の接点(図示せず)に伝達するとともに指が離されれば元の状態に復元する機能を有するゴム状弾性体からなるキーシート3とが、接着剤(接着層)4を介して接合されている。また、樹脂キートップ2の裏面2aには、文字や模様等を表す表示層5が形成されている。
【0017】
そして、この照光式キーパッド1が携帯電話機などの電子機器に設置された状態においては、照光式キーパッド1の下方に設けられたプリント回路基板上にあるLED等の内部光源(図示せず)からの光を受けて照光式キーパッド1が照光するようになっている。
【0018】
照光式キーパッド1の構成部材である樹脂キートップ2は、ポリカーボネート、アクリル等の熱可塑性樹脂やエポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂を射出成形や注型等の方法によって成形して得られる。但し、これらの樹脂は透光性樹脂を用いる必要がある。内部光源からの光で樹脂キートップ2を照光させるためである。なお、本明細書において、「透光性」とは、可視光線が透過することをいい、透過率測定器(島津製作所社製;「UV−1600」)にて測定した場合の可視光線透過率で示すと0.1%以上のものが該当する。「透光性」の語意は、樹脂キートップ2以外のキーシート3等について用いる場合も同様である。
【0019】
キーシート3には、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリイソブチレン等ゴムやポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系の熱可塑性エラストマーが用いられるが、やはり前述の意味での「透光性」が要求される。これらの素材のうち、耐寒性、耐熱性、耐候性、精密成型性、電気絶縁性の点から、シリコーンゴムが好ましく、シボ(梨地)加工を容易に施せる点で、プレス成形に用いられるミラブルタイプのシリコーンゴムがより好ましい。
【0020】
ところで、キーパッドに用いられるキーシートは、成形金型からの離型性を良くする目的や、プリント回路基板に設置された皿バネ等の電気接点箇所とのくっ付き防止のため、そして照光式キーパッドに用いられるときには、薄型で平面的な形状が要求されてきたことや、内部光源の光を散乱(拡散)させる目的のため、その表面にシボ加工を施すのが一般的である。シボ加工は表面を平滑面ではないざらつき面にする加工であり、このような目的を達成するため、通常、シボ加工を施したキーシートの表面粗さは、算術平均粗さで2.0μm以上である。
【0021】
しかしながら、本発明で用いるキーシート3は、図3で示す断面図、図4に示すキーシート3の平面図からわかるように、該キーシート3における樹脂キートップ2との対向面(キーシート3の樹脂キートップ2との重合面側の面であり「キートップ対向面」という。)3bのうち少なくともキートップ載置面Sbにおける表面粗さが、JISのB0601−1994に定義されている算術平均粗さ(Ra)(本明細書で「算術平均粗さ」というときにはこれを指すものとする。また「表面粗さ」というときにもこれを指すものとする。)で0.5μm以下である。また、該キーシート3の内部光源側の面(キーシート3における樹脂キートップ3との対向面3bと反対側の面であり「光源対向面」という。)3aのうち少なくとも前記載置面Sbの裏面Saにおける表面粗さが、算術平均粗さで1.0μm以下である。
【0022】
なお、キートップ載置面Sbとは、図4における破線の範囲であり、照光式キーパッド1において接着層4の厚みを無視した場合に樹脂キートップ2が載置されるキーシート3の部分をいうものとする。また、接着剤のはみ出しを防止するために下側外縁がやや膨らんだ樹脂キートップや、樹脂キートップとの位置合わせに都合が良いように接着面中央に突起を形成したキーシートである場合も、樹脂キートップとキーシートとの貼り合わせに供する面をキートップ載置面Sbとする。単に「載置面」と略記してもこの面をいうものとする。
【0023】
そしてさらに好ましくは、キーシート3の光源対向面3aのうち、キーシート3のキートップ載置面Sbを底面とし内部光源Lを頂点として形成される仮想錐Cの内側部分(以下「受光面」という)Scの表面粗さが、算術平均粗さで0.4μm以上である。図5(a)〜図5(c)は、プリント回路基板Pの上に種々のキーシート31,32,33が載置された状態を模式的に表したものであり、プリント回路基板Pとキーシート31,32,33の距離や、内部光源Lと載置面Sbの位置関係、キーシート31,32,33の形状等によって、受光面Scのキーシート31,32,33における位置、大きさ、形状が変わりうることを示している。例えば、図5(c)のように内部光源Lに対向するキーシート33の部位が凹んで内部光源Lを覆っているような場合にはその凹んでいる部分も光源対向面3aに属するからである。
【0024】
キーシート3のキートップ対向面3bのうち少なくともキートップ載置面Sbの表面粗さを算術平均粗さで0.5μm以下、キーシート3の光源対向面3aのうち少なくとも前記載置面Sbの裏面Saの表面粗さを算術平均粗さで1.0μm以下としたのは、この裏面Saの表面粗さが1.0μmを超えると、載置面Sbにおいて表面粗さが0.5μm以下でも、接着痕が視認されることがあり、また同様に、この裏面Saの表面粗さが1.0μm以下でも、載置面Sbにおいて表面粗さが0.5μmを超えると、接着痕が視認されるという不具合が生じるからである。
【0025】
また、受光面Scの表面粗さを算術平均粗さで0.4μm以上としたのは、0.4μm未満の場合は、キーシート3の光拡散性が低下し、LED等の内部光源Lの光を充分拡散できず、照光が充分になされないため、照光式キーパッドとしての照光性能が劣ってしまうからである。
【0026】
キーシート3の表面にシボ加工を施すには、キーシート3を成形する金型のキャビティ面に予めシボを施し、キーシート3の成形時にそのシボが転写されるという方法が一般的であり、本発明においてもこの方法で得られたキーシート3を用いることができる。キーシート3の成形金型をシボ加工するには、簡易的に行えるブラスト処理が適切で、金型の放電加工後、硬度の硬いホワイトアルミナ(WA)系の研削材を重力式や加圧式のブラスト機械で金型に吹き付けて行う。WA系研削材の粒度を変えたり、噴出圧力を調整することで、表面粗さの異なるシボを付加できる。例えば、JISのR6000規格に定義されている粒度F60番のWAを用いた場合は、Rmax(シボの深さの最大)が約20μmになるのに対し、粒度F120番のWAを用いた場合は、Rmaxが約10μmとなると一般的にいわれている。また、WAのブラスト噴出圧力を調整することにより、同じ粒度であっても、Rmaxが同じで、Ra(算術平均粗さ)が異なるシボ面ができる。本発明の算術平均粗さ1.0μm以下を有するキーシート3を作製するためには、粒度F120番〜F320番のWAを用いて噴出圧力を5気圧〜7気圧、ブラスト機械のノズル口径を5.0mm、ノズルから金型までの距離を10cm〜15cmとする。なお、シボ加工を施さなければ表面粗さが0μmに近い値となる。また、金型ブラスト処理の際、必要によっては、プラスチックフィルム等を用いてマスキングすることもできるため、キーシート3のなかで、シボ状態が異なる、あるいはシボをつけない部分も任意に選択して形成することができる。
【0027】
キーシート3に難接着材料、例えば、シリコーンゴム等を用いる場合においては、プライマー処理などの表面処理を予めキーシート3に施した後、樹脂キートップ2と接着することも必要であり、透光性を損なわない限り、このような表面処理が施されたキーシート3を用いることもできる。
【0028】
樹脂キートップ2とキーシート3を接着する接着剤4については、光反応硬化性樹脂やシアノアクリレート系樹脂を用いることができ、また、エポキシ系、ウレタン系の熱硬化性接着剤であっても良いし、紫外線などの活性エネルギー線硬化型の接着剤であっても良い。但し、接着剤中を光が透過するため、透光性の接着剤であることが必要である。接着層4の厚みは接着剤の接着強度等によって変わりうるが通常10μm〜200μmである。
【0029】
文字や模様等を表す透光性の表示層5は、文字、数字、記号や、絵柄、図柄、模様などを、遮光性あるいは透光性のインキや塗料を用いてスクリーン印刷や、タンポ印刷などのパッド印刷によって樹脂キートップ2に印刷、塗布して形成することができる。また、これらのカラー印刷をした後、透光性の白色層を積層したり、真空蒸着・スパッタリング法、転写法等により、アルミニウム、クロム等の金属を含む透光性の無機薄膜層を積層して形成することもできる。
【0030】
表示層5は、図1に示したように、樹脂キートップ2の裏面2a側に形成される場合に接着痕の問題が生じる場合が多いが、樹脂キートップ2の表(おもて)面側に形成することもできる。
【0031】
第2実施形態[図6]; 本発明の別の実施形態に係る照光式キーパッド11を図6に示す。この照光式キーパッド11は、さらに透明樹脂層12を備える点で前記照光式キーパッド1と相違する。
【0032】
透明樹脂層12は、接着痕が見えないか又は極めて見難いという効果をさらに高めるために形成される。所定の表面粗さのキーシート3を用いることにより照光時に接着痕が見えるという欠点を解消できるのであるが、透明樹脂層12を形成することにより、通常用いられているLED等よりもさらに高輝度の発光体が用いられた場合であっても接着痕が見えないか極めて見難いという効果を得ることができるのである。透明樹脂層12は、スクリーン印刷等が可能な溶剤可溶の熱可塑性樹脂インキやUV等の反応性コーティング剤等を用いて形成することができ、乾燥や硬化後、透明な樹脂層になるものが用いられる。透明樹脂層12の膜厚は、厚ければ厚いほどよいが、薄型の照光式キーパッド11においては、樹脂キートップ2に形成された表示層5の平滑性を向上させる程度の厚みである10μm〜20μmが好ましい。
【0033】
本発明の照光式キーパッドは、以上説明した図1や図6に示した構造のものに限定されるものではない。例えば、樹脂キートップ2表面に金属蒸着膜層を形成するなど、新たな機能を奏する層を形成することができる。樹脂キートップの形状、材質についても、適宜変更することができ、印刷や装飾のし易さ、キーシートとの貼り合わせの容易さを考慮して、ランナーで結びついた複数の樹脂キートップであっても良く、また、遮光性の樹脂と透光性の樹脂の二色成形とし、内部光源の光が透過する部分をその一部に設けた照光式のキートップとするなど、本発明の構成を具備する限り任意の変更を施すことが可能である。
【0034】
以下、具体例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。
【0035】
例1
【0036】
射出成形機で、縦5mm、横7mm、高さ2mmの直方体形状に形成した所定の樹脂からなる透明な樹脂キートップ(2)の底面全体に、所定の着色材層(表示層)(5)を形成した。一方、所定の表面粗さを有する厚さ0.5mmの平板状の透光性キーシート(3)を用意した。そして、所定の透明な接着剤(4)を、樹脂キートップ(2)の底面より十分小さな面積(1mmφの円状)だけ樹脂キートップ(2)に塗布して、前記キーシート(3)に貼り付けて、表1〜表3の各試料ナンバーで示した照光式キーパッド(1)を作製した。この照光式キーパッド(1)を作製する際に使用した具体的な材料及び条件は表1〜表3に示した。
【0037】
【表1】
Figure 0004308510
【0038】
【表2】
Figure 0004308510
【0039】
【表3】
Figure 0004308510
【0040】
なお、表中の記載は以下の通りである。着色材層の欄の“白色層”は、酸化チタン粒子を含有する塩酢ビ系インク(帝国インキ社製、「セリコール13白」(商品名))にて、厚さ10μmに塗工した層をいう。また、“蒸着層”は、透明なエポキシアクリル系保護層(厚さ1μm)の上にアルミ蒸着によって形成された厚さ0.04μmのアルミニウム薄膜層を透明なアクリル粘着層(厚さ15μm)を介して熱転写した層である。
【0041】
表中の接着剤の記載に関し、“瞬間”とは、ロックタイト社製、「401」(商品名)の瞬間接着剤を意味する。“UV硬化”とは、スリーボンド社製、「3003」(商品名)であるUV硬化型接着剤を意味する。
【0042】
得られた各試料に対し、接着痕の有無、内部光源Lからの光の拡散性について評価した。接着痕の有無がはっきりとわかるように実用的に用いられているLEDの輝度以上の明るさを持つ平均輝度が1000cd/mに調整したライトテーブルの上(各試料の受ける照度は約10,000lxに相当)に試料を置いて肉眼で接着痕が見えるかどうかを判定した。また、緑色チップLED(豊田合成社製、E102−4BOA7−02、指向角10°、レンズ1mmφ)を取り付けたプリント回路基板の発光している緑色チップLEDの真上に接触させて各試料を置き、樹脂キートップの上からのぞいて緑色に見える範囲が明らかに1.5mmφより大きいものを光の拡散性が良いと判断した。結果を表1〜表3に示した。
【0043】
表中において、“接着痕がない”とした欄に示した数値は、同じ条件で試料を5個作製して評価したうちの接着痕がない試料の個数を表す。例えば“4/5”とあれば、同じ試料5個のうち、接着痕が無いものが4個、接着痕が見られたものが1個あったことを示す。“拡散性が良い”とした欄に示した数値も同様であり、例えば、“5/5”とあれば、同じ条件の試料を5個作製したうちの、5個全てが拡散性が良く、拡散性が悪かった試料は無かったことを示す。
【0044】
例1に示した各試料の評価結果からから、キーシート(3)のキートップ対向面(3b)の表面粗さが、0.5μm以下で、キーシート(3)の光源対向面(3a)の表面粗さが1.0μm以下の場合は、接着痕を視認することはできなかった。一方、キートップ対向面(3b)の表面粗さが0.5μmを超えるか、光源対向面(3a)の表面粗さが1.0μmを超える場合は、接着痕が見えた。
【0045】
また、キーシート(3)の光源対向面(3a)の表面粗さが0.4μm以上の場合は、緑色LEDの緑色に見える範囲が1.5mmφより大きく、内部光源Lからの光の拡散性が良く、照光式のキーパッド(1)として充分用いることのできるものであった。一方、キーシートの光源対向面(3a)の表面粗さが0.4μm未満の場合は、緑色LEDの緑色に見える範囲が1.5mmφより明らかに小さく、内部光源Lからの光の拡散性が悪く、照光式のキートップとしては、照光性が良くないものとなった。
【0046】
そして、キーシート(3)のキートップ対向面(3b)の表面粗さが、0.5μm以下で、キーシート(3)の光源対向面(3a)の表面粗さが0.4μm以上1.0μm以下の場合は、接着痕がなく、内部光源Lからの光の拡散性も良かった。
【0047】
光の拡散性については、試料13,31,35,44で用いた各キーシートについて、キーシートの光源対向面(3a)を光源面になるように、光源(赤色レーザー)に垂直に配置し、キーシートからの透過拡散の光をホトダイオードにて検出する試験を行った。結果を図7に示す。図7において、「7a」は試料35、「7b」は試料44、「7c」は試料46、「7d」は試料13、「7e」は試料40をそれぞれ表す。この結果からも、キーシートの光源対向面(3a)の表面粗さが0.4未満においては、透過散乱が弱く、照光式キーパッドとした際の光拡散性が悪いことが窺える。
【0048】
例2
【0049】
例1で示した試料31,35の着色材層(5)の上に、さらに透明な塩酢ビ系インク(セイコーアドバンス社製、「CAVメイバン」(商品名))にて厚さ15μmの透明性樹脂層(12)を形成した。他の工程は例1と同様にして表4に試料101,102で示した照光式キーパッド(11)を作製した。接着痕の有無については例1で行った評価方法に加えて、平均輝度が、2000cd/m(各試料の受ける照度は約20,000lxに相当)および3000cd/m(各試料の受ける照度は約30,000lxに相当)としたライトテーブル上に置いて評価した。また、比較のために、例1で示した試料31,35についても同様の評価を行った。結果を表5に示した。
【0050】
【表4】
Figure 0004308510
【0051】
【表5】
Figure 0004308510
【0052】
試料31,35の照光式キーパッド(1)は、平均輝度が1000cd/m、2000cd/mの条件では接着痕が見えなかったが、平均輝度が3000cd/mとした場合には接着痕が少し見えた。一方、透明樹脂層(12)を設けた試料101,102の照光式キーパッド(11)は、3000cd/mとした場合であっても、接着痕が全く見られなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の照光式キーパッドによれば、LED等の内部光源が発光しても接着痕が見えることがない。従って、樹脂キートップとキーシートの接着面(載置面)より小さい面積で部分的に接着するスポット接着方法を行って容易に照光式キーパッドを作製することが可能である。即ち、接着剤の量や塗布面積を正確に調整したり、樹脂キートップとキーシートの貼り合わせ圧力を強力にしたりして、接着剤のはみ出しや気泡の混入を防ぐ手段を講じることなく簡単に効率良く接着痕が見えないか極めて見難い照光式キーパッドが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による照光式キーパッドであり、図2のSA−SA線断面図である。
【図2】図1の照光式キーパッドの平面図である。
【図3】図1で示すキーシートの各面を説明する模式図である。
【図4】図3で示すキーシートの平面図である。
【図5】プリント回路基板に載置したキーシートの部分拡大模式図である。
【図6】本発明の第2実施形態による照光式キーパッドの断面図である。
【図7】ホトダイオードによる検出値を表すグラフである。
【符号の説明】
1,11 照光式キーパッド
2 樹脂キートップ
2a 裏面
3,31,32,33 キーシート
3a 光源対向面
3b キートップ対向面
Sa 載置面裏面
Sb キートップ載置面(載置面)
Sc 受光面
4 接着剤(接着層)
5 表示層(着色材層)
12 透明樹脂層
L 内部光源
P プリント回路基板
C 仮想錐

Claims (6)

  1. 透光性の樹脂キートップとゴム状弾性体からなる透光性のキーシートが透光性の接着剤により樹脂キートップとキーシートの重合面の全体より小さな面積で固着されてなり、キーシートの下方に設置した内部光源からの光によって照光する照光式キーパッドにおいて、
    キーシートのキートップ対向面のうち少なくともキートップ載置面であるシボ加工面における表面粗さが、算術平均粗さで0.5μm以下であり、キーシートの光源対向面のうち少なくとも前記載置面の裏面であるシボ加工面における表面粗さが、算術平均粗さで1.0μm以下であることを特徴とする照光式キーパッド。
  2. キーシートのキートップ対向面のうち少なくともキートップ載置面であるシボ加工面における表面粗さが、算術平均粗さで0.1μm以上0.5μm以下であり、キーシートの光源対向面のうち少なくとも前記載置面の裏面であるシボ加工面における表面粗さが、算術平均粗さで0.2μm以上1.0μm以下である請求項1記載の照光式キーパッド。
  3. キーシートの光源対向面のうち、キーシートのキートップ載置面を底面とし内部光源を頂点とする仮想錐の内側部分における表面粗さが、算術平均粗さで0.4μm以上である請求項1または請求項2記載の照光式キーパッド。
  4. 前記樹脂キートップのキーシートとの重合面側に、文字や模様等を表す透光性の表示層を形成した請求項1〜請求項3何れか1項記載の照光式キーパッド。
  5. 前記樹脂キートップのキーシートとの重合面側にさらに透明樹脂層を形成した請求項1〜請求項4何れか1項記載の照光式キーパッド。
  6. 透光性の樹脂キートップとの重合面の全体より小さな面積で透光性の接着剤で該樹脂キートップの底面と固着して、下方に設置した内部光源からの光によって照光する照光式キーパッドを形成するゴム状弾性体からなる透光性のキーシートにおいて、
    キートップ対向面のうち少なくともキートップ載置面であるシボ加工面における表面粗さが、算術平均粗さで0.5μm以下であり、光源対向面のうち少なくとも前記載置面の裏面であるシボ加工面における表面粗さが、算術平均粗さで1.0μm以下であることを特徴とするキーシート。
JP2002353135A 2002-12-04 2002-12-04 照光式キーパッドおよびキーシート Expired - Fee Related JP4308510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002353135A JP4308510B2 (ja) 2002-12-04 2002-12-04 照光式キーパッドおよびキーシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002353135A JP4308510B2 (ja) 2002-12-04 2002-12-04 照光式キーパッドおよびキーシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004186055A JP2004186055A (ja) 2004-07-02
JP4308510B2 true JP4308510B2 (ja) 2009-08-05

Family

ID=32754497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002353135A Expired - Fee Related JP4308510B2 (ja) 2002-12-04 2002-12-04 照光式キーパッドおよびキーシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4308510B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8877219B2 (en) 1998-07-28 2014-11-04 Ecosmart Technologies, Inc. Pesticidal compositions containing rosemary oil and wintergreen oil

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005029722A (ja) * 2003-07-09 2005-02-03 Henkel Corp シリコーンゴムと被接着部材との接着方法、およびそれに用いるシリコーンゴム用接着剤
JP2005113040A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Henkel Corp シリコーンゴム用接着剤及び接着方法
JP4611047B2 (ja) * 2005-02-03 2011-01-12 パナソニック株式会社 携帯端末
KR100689394B1 (ko) * 2005-06-28 2007-03-02 삼성전자주식회사 휴대 장치용 키패드 어셈블리
KR100962604B1 (ko) * 2005-11-08 2010-06-11 신에츠 폴리머 가부시키가이샤 푸시-버튼 스위치용 커버 부재
JP2007234532A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Shin Etsu Polymer Co Ltd キースイッチ用部材およびこれを用いたキースイッチ
US7736042B2 (en) 2006-07-20 2010-06-15 Ls Tech Co., Ltd. Back light unit
JP2008112605A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Shin Etsu Polymer Co Ltd スイッチパネルおよび電子機器
JP4936323B2 (ja) * 2006-11-09 2012-05-23 信越ポリマー株式会社 操作スイッチ用シート部材、操作スイッチ、及び操作スイッチ用シート部材の製造方法
JPWO2011010588A1 (ja) * 2009-07-22 2012-12-27 株式会社クラレ キーパッド用ポリウレタンフィルム
JP2011119099A (ja) * 2009-12-02 2011-06-16 Chino Corp 操作キー構造
JP6518962B2 (ja) * 2014-10-28 2019-05-29 積水ポリマテック株式会社 加飾照光部材
JP6771235B2 (ja) * 2019-03-26 2020-10-21 積水ポリマテック株式会社 加飾成形体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8877219B2 (en) 1998-07-28 2014-11-04 Ecosmart Technologies, Inc. Pesticidal compositions containing rosemary oil and wintergreen oil
US9247751B2 (en) 1998-07-28 2016-02-02 Kittrich Corporation Pesticidal compositions containing rosemary oil and wintergreen oil
US9497974B2 (en) 1998-07-28 2016-11-22 Kittrich Corporation Pesticidal compositions and methods for using same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004186055A (ja) 2004-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4308510B2 (ja) 照光式キーパッドおよびキーシート
US7182907B2 (en) Method for manufacturing a key top member for push button switch structure
JPH0850831A (ja) 照光式押釦スイッチ装置
US8338730B2 (en) Lighting guide keypad and lighting guide keypad assembly
JP2002150867A (ja) キートップ及びその製造方法
JPH11167835A (ja) 照光式キー
EP1467389A1 (en) Key sheet member and its production method
JP4698516B2 (ja) キーシート
JP2013218052A (ja) 導光シートおよび加飾成形体
KR100588773B1 (ko) 무선단말기의 키패드 및 그 제조방법
JP2000231849A (ja) 押釦スイッチ用部材およびその製造方法
JP3591719B2 (ja) 成形用印刷シート及び押釦スイッチ用キートップ部材
KR200384840Y1 (ko) 무선단말기의 키패드
JP2002298681A (ja) キートップ部材及びスイッチ用部材
JP4111607B2 (ja) 照光式押釦スイッチ
JP2000260252A (ja) 押釦スイッチ構造体及びその製造方法
JP2008177155A (ja) 操作スイッチ構造
JP2004199964A (ja) 照光式キーパッド
JP2010146849A (ja) 押釦スイッチ用部材、キーパネルおよび電子機器
JP2004227867A (ja) 押釦スイッチ用部材及びその製造方法
JP4593411B2 (ja) 押釦スイッチ用カバー部材
JP2006130774A (ja) 成形用加飾シートおよび加飾付き成形体
CN202796587U (zh) 一种具有导光功能的按键结构
JPH10249881A (ja) El発光インサート成形品とその製造方法
CN220129730U (zh) 磨砂防反光防刮离型膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080812

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090410

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees