JP4308084B2 - 磁性体検出器 - Google Patents

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Description

本発明は感磁部を形成する半導体磁気抵抗素子(以下、「磁気抵抗素子」と略す)を備えた磁性体検出器に関する。
従来、歯車回転等を検出する磁性体検出器として、図43に示すように、感磁部を形成する磁気抵抗素子を備えた磁気検出体(チップ)102が、永久磁石100の表面101(磁極面)に取付けられたものが知られている。この磁気抵抗素子としては、InSbなどの半導体の磁気抵抗効果を利用したもの、あるいは、強磁性薄膜よりなるものが用いられる。ところで、永久磁石100は反磁界が存在するために、図44に示すように、永久磁石100の表面101において中央部105と端部106とでは磁界の強さ(磁束密度)が異なり、このため、磁気抵抗素子に均一な磁界が印加されていなかった(特許文献1の従来技術)。
磁気抵抗素子は、印加磁界によって素子の抵抗値が変化する素子であるが、磁気抵抗変化率と印加磁界との関係は、1次比例関係にはなく、低磁界では2次曲線となり、高磁界では1次曲線となる。ただし、1次曲線から2次曲線への移行は、徐々に移行するものである(次数が2から1へとデジタル的に移行するのではなく、徐々に2から1へと移行していく(図45参照))。磁気抵抗素子は、一般的に複数の磁気抵抗素子により構成され、複数の磁気抵抗素子が配線によって接続されていることが多い。そして、永久磁石の上に搭載されている各磁気抵抗素子の印加磁界が異なれば、バイアス磁界が異なることになる。図46に示すように2つの磁気抵抗素子111;112を備えた3端子磁気抵抗素子113や図47に示すように4つの磁気抵抗素子120〜123を備えた4端子磁気抵抗素子125では、無磁界における各磁気抵抗素子の素子抵抗値が等しくても、各磁気抵抗素子へのバイアス磁界が異なれば、各磁気抵抗素子抵抗値が異なることになる。例えば、3端子磁気抵抗素子113においては、出力端子114の電位は、磁気抵抗素子111と磁気抵抗素子112の抵抗値が等しい場合には、電源電圧の1/2、つまり、Vin/2となるが、各素子111、112へのバイアス磁界が異なれば、Vin/2からずれてしまうことになる。出力端子114の電位はVin/2近傍にあることが望ましい。歯車回転及び歯車回転方向を検出するような4端子磁気抵抗素子125では、磁気抵抗素子120と磁気抵抗素子121とが直列に接続され、及び磁気抵抗素子122と123とが直列に接続され、これら直列回路が並列接続されていて、磁気抵抗素子120と121や、磁気抵抗素子122と123は、磁石表面101の中心に対して対象に配置されていない。従って、磁気抵抗素子120と磁気抵抗素子121(あるいは磁気抵抗素子122と磁気抵抗素子123)に印加されている磁界が等しくなく、印加磁界が異なると抵抗値が異なる。即ち、磁気抵抗素子120の磁束密度≠磁気抵抗素子121の磁束密度のため、磁気抵抗素子120の抵抗値≠磁気抵抗素子121の抵抗値となる。よって、4端子磁気抵抗素子125では、磁石表面101の反磁界の影響を大きく受け、磁気抵抗素子の出力端子B;Bの電位がVin/2からずれやすい。
そこで、特許文献1では、永久磁石100の磁石表面の磁束密度を平坦にするために、永久磁石100の磁気抵抗素子に対向する部分を凸形状に形成し、その凸形状の縦断面を台形状または円弧状にするとともに、凸状面と磁気抵抗素子との間には、非磁性体よりなるスペーサを介在させることで、複数の磁気抵抗素子を均一な磁界を印加できるようにしている。しかし、永久磁石100の形状を複雑にするほど、永久磁石100のコストは高くなる。さらに、スペーサを介在させるために、永久磁石100と磁気抵抗素子の感磁部との間の距離が大きくなるために、感磁部表面での磁束密度は小さくなり、磁気抵抗素子の感度は小さくなる。
また、一般的には、直列接続された磁気抵抗素子(例えば111)の抵抗値と磁気抵抗素子(例えば112)の抵抗値とは異なる場合が多く、さらに、これら磁気抵抗素子の抵抗値の温度係数は異なっていることが多い。そして、たとえ永久磁石100による感磁部表面における磁束密度を平坦化しても、抵抗値の温度係数が異なっていれば、出力端子の電位は温度変化によってドリフトしていくことになる。
特開昭59−168381号公報
各種のノイズに関しては、各磁気抵抗素子は空間的に近接して配置されているので、各素子の受ける温度的、磁気的、また機械的原因による変動分は等しいと考えることができ、例えばΔR111=ΔR112である。従って、ノイズ成分に関してはΔe=0となる。これは、磁気抵抗素子111、112の抵抗値R111とR112が等しいことが条件となる。一般的には例えば磁気抵抗素子111の抵抗値と磁気抵抗素子112の抵抗値は異なる場合が多く、さらに磁気抵抗素子111と磁気抵抗素子112の抵抗値の温度係数が異なっていることが多い。R111とR112が等しい場合は、出力端子の電位はVin/2となりかつノイズ成分も無くなる。しかし、R111とR112が等しくない場合、あるいは抵抗値の温度係数が異なる場合は、ノイズ成分も出力され、また出力端子114の電位はVin/2からずれ、周囲の温度が変化すれば温度ドリフトも生じることになる。
従来のバルク単結晶InSbを薄く研磨して製作された磁気抵抗効果素子は、例えば磁気抵抗素子111と112の抵抗値が異なり、かつ抵抗値の温度係数も異なることが多く、出力端子114の電位は、Vin/2からずれており、出力端子の電位の温度ドリフトも非常に大きかった。
また、従来のバルク単結晶InSbを薄く研磨して製作された磁気抵抗効果素子は、抵抗値の温度係数が大きく、かつ各素子の温度係数が異なっていることが多い。
本発明は、感磁部を形成する磁気抵抗素子の表面、即ち、感磁部表面での磁束密度を平坦化すること、及び磁気抵抗素子の温度係数を揃えることを目的とする。
本発明の磁性体検出器は、感磁部を形成する半導体磁気抵抗素子を備えたチップが樹脂により封止された半導体パッケージと、該半導体パッケージの裏側に配置された磁石とを備え、感磁部表面と該感磁部表面に対向する磁石表面とが互いに平行に配置された磁性体検出器において、前記感磁部表面が前記磁石表面の面領域内上に配置され、かつ検出対象磁性体の走査方向に沿った方向において互いに対応する前記感磁部表面の端と前記磁石表面の端との間の距離B1とB2とがそれぞれ0.5mm以上に設定され、前記チップがリードフレーム上にダイボンドされ、前記半導体パッケージの裏面に露出させた前記リードフレームと当該リードフレームとは別体の外部接続リードとがプリント配線基板を介して電気的に接続され、前記プリント配線基板が前記磁石表面を前記半導体パッケージの裏面に密着させるための貫通孔を備えたことを特徴とするものである。
また、前記感磁部表面と前記磁石表面との間の距離Aが0<A≦0.2mmに設定されたことを特徴とする。
また、前記半導体パッケージが裏側に前記感磁部の下に位置する構成部分の除去された磁石固定面を備え、当該磁石固定面と前記磁石表面とが互いに接触して前記距離Aが前記範囲に設定されたことを特徴とする。
また、前記磁石固定面が、研磨された平坦面により形成されたことを特徴とする。
また、前記感磁部表面の面中心と前記磁石表面の面中心とが一致していることを特徴とする。
また、前記半導体パッケージと前記磁石とホルダとで形成された磁気検出体がケース内に樹脂で封止され、前記ホルダが磁石保持孔と外部接続リード保持孔とを備え、前記磁石が前記磁石保持孔に挿入され、前記外部接続リードが前記外部接続リード保持孔に挿入されて、前記磁石と前記外部接続リードとが前記ホルダにより保持された状態で前記磁気検出体が封止されたことを特徴とする。
本発明によれば、半導体パッケージの裏面に露出させたリードフレームとリードフレームとは別体の外部接続リードとがプリント配線基板を介して電気的に接続され、プリント配線基板が磁石表面を半導体パッケージの裏面に密着させるための貫通孔を備え、距離B1;B2が上述のように設定されたことで、縦距離Aを小さくでき、感磁部表面での磁束密度の平坦化された磁性体検出器が得られる。
また、距離Aが上述のように設定されたことで、感磁部表面での磁束密度を大きくできて出力信号振幅を大きくとれる磁性体検出器が得られる。
また、半導体パッケージが裏側に前記感磁部の下に位置する構成部分の除去された磁石固定面を備えたので、前記距離Aを前記範囲に簡単に設定できる。
また、前記磁石固定面が、研磨された平坦面により形成されたことで、距離Aをさらに小さくできる。
また、感磁部表面の面中心と磁石表面の面中心とを一致させたことで、感磁部表面の上側から見て感磁部表面が永久磁石の磁石表面の面領域内に正確に配置され、かつ、前記距離B1;B2及びAを前記範囲に設定された磁性体検出器を提供できる。
また、磁石と外部接続リードとがホルダにより保持された状態で磁気検出体が封止されたことで、磁気検出体のアセンブリを容易にでき、また、正確な位置に磁石を保持でき、かつ、外部接続リード部を保護できる。
図1に示すように、最良の形態による磁性体検出器1は、ケース2内に磁気検出体3が樹脂4により封止されてなる。
ケース2は、筒体5と筒体5の一端側の開口6に取り付けられて当該開口6を閉塞する金属板7とにより形成される。筒体5は例えば樹脂により形成される。
磁気検出体3は、複数の半導体磁気抵抗素子(以下、「磁気抵抗素子」と略す)を備えたチップ9が樹脂で封止(モールド)された半導体パッケージ8(以下、「パッケージ」と略す)と、磁気抵抗素子の感磁部90に垂直磁界を付与する永久磁石10((以下、「磁石」と略す)と、ホルダ11とで形成される。
例えば、図5(a)に示すように、チップ9は、絶縁性基板12と、絶縁性基板12上に形成された化合物半導体薄膜13と、化合物半導体薄膜13上に形成された複数の短絡電極14及び端子電極15とを備えて構成される。絶縁性基板12上に形成された化合物半導体薄膜13と化合物半導体薄膜13上に形成された複数の短絡電極14とにより磁気抵抗素子が構成され、この磁気抵抗素子が感磁部90を構成する。感磁部90の表面91は保護膜16で保護され、保護膜16の上には柔らかいシリコン樹脂等の軟質樹脂層17が形成される。パッケージ8の成形の際には、このチップ9を図外の樹脂封止成形金型内に位置決めし、エポキシ樹脂等の熱硬化型のモールド樹脂で封止した。軟質樹脂層17を設けたことにより、モールド樹脂による感磁部表面91への圧力や感磁部表面91の面内応力を緩和でき、感磁部90を保護できる。
図1〜図3に示すように、パッケージ8は、チップ9がリードフレーム20のアイランド21(図5(b)参照)にマウント(ダイボンド)され、端子電極15とリードフレーム20のアイランド21の周りのパッド部22とが金線等のボンディングワイヤ23で互いに電気的に接続されたもの(図5(c)参照)を、図外の樹脂封止成形金型内にセットし、樹脂封止成形金型内にモールド樹脂を流し込んで封止成形(パッケージング)することで作製した。
パッケージ8の樹脂部25の表面26は、感磁部表面91と平行な平面に形成される一方、パッケージ8の樹脂部25の裏面27にはパッケージ8の裏面28からチップ9の裏面方向に窪んだ磁石位置決め凹部孔30が形成される。この磁石位置決め凹部孔30が、図外の樹脂封止成形金型の凸部により樹脂の除去された磁石位置決め固定部として機能する。この磁石位置決め凹部孔30の底面30aにリードフレーム20のアイランド21が露出している。底面30aは磁石固定面として機能する。リードフレーム20の外部接続リード24(チップ9と外部回路とを繋ぐ配線部分)は、図2に示すように、樹脂部25の側部29より水平に突出して延長するリードフレーム20の末端側が、後のリードフォーミング工程において図3に示すように下方に垂直に折曲される。このように、リードフレーム20のリードフレーム20の末端側がチップ9の感磁部表面91と反対方向に折曲されて外部接続リード24として形成されたので、外部接続リード24を別途設ける必要もなく、生産工程を簡略化でき、また、磁性体検出器1の小型化を図ることができる。
ホルダ11には、上面11aに開放したパッケージ載置凹部孔31が形成され、さらに、パッケージ載置凹部孔31と同心でパッケージ載置凹部孔31の径より一回り小さい径の磁石保持孔32がホルダ11の下面11b方向に向けて形成される。言い換えれば、磁石保持孔32の上部開放部周りに、磁石保持孔32と同心で磁石保持孔32の径より一回り大きい径のパッケージ載置凹部孔31が形成される。さらに、ホルダ11にはホルダ11の上面11aから下面11bに貫通する外部接続リード保持孔33が形成される。
図4に示すように、パッケージ8、磁石10、ホルダ11、ケース2をアセンブリして磁性体検出器1を製作する。即ち、図1に示すように、まず、磁石10の一方の磁石表面10a側をパッケージ8の裏面28に形成された磁石位置決め凹部孔30に嵌め込んで接着剤などで固定し、磁石位置決め凹部孔30の底面30aと磁石表面10aとを互いに接触させた。そして、パッケージ8の磁石位置決め凹部孔30に取付けられた磁石10の他方の磁石表面10b側をホルダ11の磁石保持孔32に挿入するとともに、パッケージ8のリードフレーム20の折り曲げられた外部接続リード24をホルダ11のリード保持孔33に挿入し、そして、パッケージ8の裏面28側をパッケージ載置凹部孔31に嵌め込む。この状態で、接着剤などによりパッケージ8とホルダ11とを互いに組付ける。組付けられて一体化されたパッケージ8と磁石10とホルダ11とからなる磁気検出体3をケース2内に位置決めして配置した状態で、磁気検出体3を樹脂4により封止する。以上にように磁性体検出器1を作製した。
図1〜4では、A相出力部、B相出力部(A相とB相は位相が90°ずれている)、Z相出力部(検出対象磁性体としての歯車の1回転におけるインデックス検出用)を備えた磁性体検出器1を図示している。即ち、例えば、図6;7に示すような、4個の磁気抵抗素子41a〜41dをループ状に接続して構成された4端子磁気抵抗素子46(即ち、A;B;Vin;GNDの4つの端子電極15を備えたA相出力/B相出力の2相出力タイプ)を、2個備えた構成の磁性体検出器1を図示している。図6;7に示すように4端子磁気抵抗素子46を1個備えた構成の磁性体検出器1の場合は、パッケージ8の外部接続リード24を4本備え、磁石10を1つ組付けた構成となる。図8;9に示すような2個の磁気抵抗素子40a;40bを直列に接続した3端子磁気抵抗素子47((即ち、Vout;Vin;GNDの3つの端子電極15を備えた単相出力タイプ)を1個備えた構成の磁性体検出器1の場合は、パッケージ8の外部接続リード24を3本備え、磁石10を1つ組付けた構成となる。
図10に示すような磁石10、即ち、感磁部表面91と平行に対向させる磁石表面10a(一方の磁極面)における検出対象磁性体の走査方向R(例えば、検出対象磁性体としての歯車48の回転方向)に沿った方向の長さがXmm、磁石表面10aにおける検出対象磁性体の走査方向と垂直方向Vの長さがYmm、感磁部表面91と垂直方向Nの長さがZmmのサイズのSmCo磁石を想定し、この磁石10の磁石表面10aの面内領域上に感磁部90を配置することを想定する。尚、図6に示すような4端子磁気抵抗素子46の場合、感磁部90は、図11に示すように、チップ9の素子形成面92における磁石表面10aの走査方向Rの一端93と磁気抵抗素子41aとの間の距離h1と素子形成面92における磁石表面10aの走査方向Rの他端94と磁気抵抗素子41dとの間の距離h2とが同じで、また、チップ9の素子形成面92における磁石表面10aの垂直方向Vの一端95と磁気抵抗素子46との間の距離d1と素子形成面92における磁石表面10aの垂直方向Vにおける他端96と磁気抵抗素子46との間の距離d2とが同じとなるよう、チップ9の素子形成面92の中心を基準として素子形成面92の中央に位置している。また、図8に示すような3端子磁気抵抗素子47の場合、感磁部90は、図8に示すように、チップ9の素子形成面92における磁石表面10aの走査方向Rの一端93と磁気抵抗素子40aとの間の距離h1と素子形成面92における磁石表面10aの走査方向Rの他端94と磁気抵抗素子40bとの間の距離h2とが同じで、また、チップ9の素子形成面92における磁石表面10aの垂直方向Vの一端95と磁気抵抗素子47との間の距離d1と素子形成面92における磁石表面10aの垂直方向Vにおける他端96と磁気抵抗素子47との間の距離d2とが同じとなるよう、チップ9の素子形成面92の中心を基準として素子形成面92の中央に位置している。上記X=5.5mm、Y=4.5mm、Z=4.5mmのサイズのSmCo磁石(以下、「実施サイズの磁石」という)を用い、磁石表面10aの面領域内上に感磁部90を配置した。即ち、図11に示すように、4端子磁気抵抗素子46の感磁部表面91の面積より大きい面積の磁石表面10aを備えた磁石10を想定し、磁石10を感磁部90の裏側に配置し、感磁部表面91の上側から見て、感磁部表面91の中心と磁石表面10aの中心とを一致させて感磁部表面91と磁石表面10aとを平行に対向させた。この場合において、磁石表面10aと感磁部表面91との間の表面間最短距離をA(以下、Aを「縦距離」という)とし、感磁部表面91の一端91xと磁石表面10aの一端10xとの間の端部間最短距離をB1及び感磁部表面91の右端91yと磁石表面10aの右端10yとの間の端部間最短距離をB2とする(以下、これらB1、B2を「横距離」という)。そして、縦距離Aを変えた場合の、磁石表面10cの中心Cの真上に位置する感磁部表面91の磁束密度(以下「感磁部表面磁束密度」という)を測定した結果を図12に示した。図12から、縦距離Aを小さく(短く)した方が感磁部表面磁束密度を大きくできること、縦距離Aを1mmとした場合でも2300G程度の磁束密度が得られることがわかる。尚、縦距離Aを小さくした方が感磁部表面磁束密度を大きくできることは、図8;図9に示す3端子磁気抵抗素子47の感磁部90の場合でも同じである。
感磁部90が図6;7に示すような4端子磁気抵抗素子46により形成されている場合。即ち、4つの磁気抵抗素子41a〜41dが回路ループを形成したフルブリッジ構造で接続されており、A相/B相の非差動2相出力である4端子磁気抵抗素子46の場合。言い換えれば、4つの磁気抵抗素子41a〜41dで形成されるとともに電源供給端子とGND端子と2つの出力端子A;Bとを備え、出力端子Aの両端に磁気抵抗素子41a;41bを直列に接続した直列回路と、出力端子Bの両端に磁気抵抗素子41c;41dを直列に接続した直列回路とが並列接続された構成を有し、これら4つの磁気抵抗素子41a〜41dが検出対象磁性体の走査方向に沿った方向に並んで設けられ、直列回路を構成する2つの磁気抵抗素子41a;41b(あるいは41c;41d)が検出対象磁性体の走査方向に沿った方向において前記感磁部表面91の中心から等しい位置に形成されていない4端子磁気抵抗素子46の場合は、走査方向Rに沿った方向において、直列に接続された磁気抵抗素子41aと41bとが、チップ9の素子形成面92の中央側と端側とに形成され、直列に接続された磁気抵抗素子41cと41dも、素子形成面92の中央側と端側とに形成される。従って、図11に示すように、4端子磁気抵抗素子46が形成された感磁部表面91の中心と磁石表面10aの中心とを一致させて、磁石表面10aの表面積より小さい表面積の感磁部表面91が磁石表面10aの面領域内上に配置されたとしても、磁気抵抗素子41aと41bとは(あるいは41cと41dとは)、チップ9の感磁部表面91の中心に対して対称に配置されず、また、磁石表面10aの中心に対しても対称に配置されない。
以上の図11に示すような4端子磁気抵抗素子46の場合においては、特に、横距離B1(=B2)が小さいと、上述した磁石表面10aの端部の反磁界の影響により、磁気抵抗素子41aと41b(あるいは41cと41d)の感磁部表面91の磁束密度に大きな差が生じる。即ち、各磁気抵抗素子41a〜41dの表面で形成された感磁部表面91の磁束密度が平坦化しない。従って、磁気抵抗素子41aと41bとに印加される磁界(あるいは41cと41dとに印加される磁界)の強さ(磁束密度)に差が生じることで、磁気抵抗素子41aと41b(あるいは41cと41d)の抵抗値が異なってしまい、磁気抵抗素子46の出力端子AやBの電位は、印加電圧の半分(Vin/2)からずれてしまうことになる。つまり、磁気抵抗素子46の出力信号A:Bのオフセット電圧(Vin/2からのずれ)が大きくなってしまう。
チップ9上に4端子磁気抵抗素子46を備えた感磁部表面91と磁石表面10aとの位置関係を図11のようにした。即ち、チップ9の素子形成面92におけるR方向の長さを3.2mmとし、チップ9の素子形成面92におけるV方向の長さを2.2mmとし、感磁部表面91におけるR方向の長さを2.4mm、感磁部表面91におけるV方向の長さを1.2mmとしたチップ9を想定し(以下、このサイズのチップを「実施サイズのチップ9」という)、さらに、磁石10の寸法Z=4.5mm、Y=4.5mmとし、磁石表面10aのR方向の長さXを変えた場合の、感磁部表面91における磁界分布を測定した。即ち、横距離B1(=B2)を変えた場合の感磁部表面91における磁界分布を求めた。尚、縦距離Aを0.8mmにし、磁石表面10aの中心と感磁部表面91の中心とは一致させ、磁石表面10aのR方向の長さXを、3.5mmから5.5mmまで変化させた。これらの場合の感磁部表面91上の磁束密度分布結果を図13〜図17に示す。図13は磁石表面10aのR方向の長さX=3.5mm、横距離B1(=B2)を0.55mm(即ち、(3.5−2.4)/2)とした場合の感磁部表面91での磁界分布を示す。図14はX=4.0mm、横距離B1(=B2)を0.8mm(即ち、(4.0−2.4)/2)とした場合の感磁部表面91での磁界分布を示す。図15はE=4.5mm、横距離B1(=B2)を1.05mm(即ち、(4.5−2.4)/2)とした場合の感磁部表面91での磁界分布を示す。図16はE=5.0mm、横距離B1(=B2)を1.3mm(即ち、(5.0−2.4)/2)とした場合の感磁部表面91での磁界分布を示す。図17はE=5.5mm、横距離B1(=B2)を1.55mm(即ち、(5.5−2.4)/2)とした場合の感磁部表面91での磁界分布を示す。図13〜図17において、aは2050G(ガウス)を示す等高線、bは2100Gを示す等高線、cは2150Gを示す等高線、dは2200Gを示す等高線、eは2250Gを示す等高線、fは2300Gを示す等高線、gは2350Gを示す、hは2400Gを示す等高線、iは2450Gを示す等高線、jは2500Gを示す等高線、kは2550Gを示す等高線、mは2600Gを示す等高線である。以上から、横距離B1(=B2)を大きくするほど、4端子磁気抵抗素子46の感磁部表面91の磁束密度を平坦化できることがわかる。図18は図17の磁界分布上における磁気抵抗素子41a〜41dの位置を示した図である。即ち、横距離B1(=B2)を大きくすることで、4端子磁気抵抗素子46を構成する各磁気抵抗素子41a〜41dの表面の磁束密度を平坦化できることがわかる。
以上の磁界分布の測定結果より、磁石10の下での磁気抵抗素子41aと41bの抵抗値R41aとR41bとを計算することができる。抵抗値より、オフセット電圧は、以下の式で表すことができる。
オフセット電圧=(R41b/(R41a+R41b))×Vin―Vin/2…(3)
図19に、横距離B1(=B2)とオフセット電圧の関係を示す。図19からわかるように、横距離B1(=B2)を1mm以上にすれば、オフセット電圧は40mV程度以下にできることがわかる。
実施サイズの磁石10とチップ9を用い、図11のように、磁石表面10aの中心とチップ9の4端子磁気抵抗素子46の感磁部表面91の中心とを一致させて、磁石表面10aの表面積より小さい表面積の感磁部表面91を磁石表面10aの面領域内上に配置した。即ち、横距離B1(=B2)を1.55mmとした。また、縦距離Aは0.8mmとした。そして、VinとGNDの端子に直流電源Vin(=5V)を接続し、オフセット電圧を測定したところ、オフセット電圧は13.8mVという値が得られ、上記結果とよい一致をみた。
図19は感磁部表面91と磁石表面10aとの距離、即ち、縦距離A=0.8mmの場合を示したが、縦距離Aを0.5mm、1.0mmとした場合も同様に磁界分布を測定し、それで得られた結果をもとにして上述した(3)式よりオフセット電圧を計算した。図20にその結果を示す。グラフの折れ線は、上から縦距離Aを1.0mmとした場合の結果、0.8mmとした場合の結果、0.5mmとした場合の結果である。横距離B1(=B2)を1mmとした場合、縦距離Aを1.0mmとすればオフセット電圧は約43mV、縦距離Aを0.8mmとすればオフセット電圧は約40mV、縦距離Aを0.5mmとすればオフセット電圧を約30mVにできる。即ち、縦距離Aが小さいほどオフセット電圧を小さくできる。また、横距離B1(=B2)が大きいほどオフセット電圧を小さくできる。
オフセット電圧の観点からは、縦距離Aが1.0mmと0.8mmとではあまり変わらないが、縦距離Aが小さいほど感磁部表面91での磁束密度が大きくなるため、半導体磁気抵抗素子の感度を比較すると1.0mmより0.8mmの方が感度は高くなる。これに関しては後述するが図29からわかるように感磁部表面磁束密度が大きくなるほど、磁気抵抗変化率ΔR/Rの傾きは大きくなり、感度は大きくなる。
尚、図8;図9に示すような2個の磁気抵抗素子40a;40bを直列に接続した3端子磁気抵抗素子47を1個備えた構成の磁性体検出器1の場合は、磁気抵抗素子40aと40bとを感磁部表面端部91x;91y間の中心線C2に対して対称に配置できるので、左右の横距離B1(=B2)を同じにすれば、横距離B1(=B2)は小さくてもよい(0mmに近くでもよい)。ただし、感磁部表面91より面積の大きい磁石表面10aと感磁部表面91との中心を一致させてこれらを平行に対向させ、感磁部表面91の上側から見て感磁部表面91が磁石表面10aの面領域内に位置するように磁石表面10aと感磁部表面91とを互いに位置決めする必要がある。しかしながらこの場合でも出力信号振幅を大きくとるためには縦距離Aを小さくしたほうがよい。
次に縦距離Aと横距離B1(=B2)との関係を詳細に検証する。縦距離Aを変えて、磁石表面10a上の中心線C1(図11参照)上における磁石端部からの距離Sとその距離Sの位置上における感磁部表面91での磁束密度との関係を測定した結果を図21に示した。図21の折れ線グラフは、上から縦距離Aを0mm、0.1mm、0.2mm、0.5mm、0.8mm、1.0mmとした場合の結果を示したものである。
図21から次のことがわかる。
縦距離A=0mmに近い場合、横距離B1(=B2)を0.2mm程度とすれば、反磁界の影響を少なくてきて、磁束密度はほぼ一定とできること、即ち、磁気抵抗素子46や47の感磁部表面91での磁束密度を平坦化でき、しかも、磁性体検出器1の小型化が図れることになる。
縦距離Aが0.1mm〜0.2mmの場合、磁石端部からの距離Sが0.5mm程度以上離れている位置の上に感磁部表面91があれば感磁部表面91上の磁束密度の変化がほぼなくなることがわかる。即ち、縦距離Aが0.1mm〜0.2mmの場合でも、横距離B1(=B2)を0.5mm程度以上とすれば、磁気抵抗素子46や47の感磁部表面91での磁束密度を平坦化でき、また、磁性体検出器1の小型化が図れることになる。尚、縦距離Aが0.1mm〜0.2mmの場合、横距離B1(=B2)を0.75mm程度以上とすれば、磁束密度をより平坦化できることがわかる。
縦距離Aが0.5mm〜1.0mmの場合、磁石端部からの距離Sが1.0mm程度以上離れている位置の上に感磁部表面91があれば感磁部表面91上の磁束密度の変化がほぼなくなることがわかる。即ち、縦距離Aが0.5mm〜1.0mmの場合でも、横距離B1(=B2)を1.0mm程度以上とすれば、磁気抵抗素子46や47の感磁部表面91での磁束密度を平坦化できる。尚、縦距離Aが0.1mm〜0.2mmの場合、横距離B1(=B2)を1.5mm程度以上とすれば、磁束密度をより平坦化でき、より好ましい。
以上からして、凹部孔30内に磁石表面10a側を位置決め固定して、磁石表面10aの面領域内上に感磁部表面91を位置させ、かつ、横距離B1(=B2)を1.0mm以上、縦距離Aを0<A≦1mmに設定すれば、磁気抵抗素子46や47の感磁部表面91での磁束密度を平坦化でき、かつ、この磁束密度を大きくできて出力信号振幅を大きくとれる磁性体検出器1が得られることがわかる。
特に、図6;7に示すような4端子磁気抵抗素子46の場合は磁石端部10x;10yの影響を受けやすく、感磁部表面91での磁束密度を平坦にすることが望ましいが、これは、縦距離Aに対応して横距離B1(=B2)を上述したように設定することで可能となる。
図8;図9に示すように、2個の磁気抵抗素子40a,40bを直列に接続した3端子磁気抵抗素子47を備えた磁性体検出器1の磁気抵抗素子40a,40bに直流電源E(Vin=5V)を接続し、図22に示すように、検出対象磁性体としての歯車48を回転させて歯車回転検出測定を行った。使用した歯車48は、JIS規B1701−1円筒歯車インボリュート歯車p=0.8πである。上述したサイズのSmCo磁石10を用い、横距離B1、B2をそれぞれ2mmに設定し、縦距離Aを0.5mm、0.7mm、0.75mm、0.85mmのそれぞれに設定した場合において、歯車48と感磁部表面91との間の最短距離ZAと信号出力振幅との関係を測定した。その結果を図23に示す。歯車48と感磁部表面91との間の距離ZAを0.7mmとし、縦距離Aを変えた場合の縦距離Aと信号出力振幅との関係を図24に示す。図24からは、図12との関係と相関して、縦距離Aが大きくなるほど、信号出力振幅が低下していくことがわかり、大きな出力信号振幅(300mV程度)を得るためには、縦距離Aを1mm程度以下に設定すればよいことがわかる。また、金属板7で感磁部表面91を保護でき、かつ、ケース2の金属板7の厚さを0.5mm以下に設定することで、磁気検出対象としての歯車48と感磁部表面91との間の距離ZAを小さくできて、出力信号振幅を大きくとれる磁性体検出器1を提供できる。
最良の形態では、パッケージ8の裏面28に磁石位置決め凹部孔30を備えたので、横距離B1(=B2)及び縦距離Aを上述のような値に簡単に正確に設定できるようになり、磁気抵抗素子46や47の感磁部表面91での磁束密度を平坦化でき、かつ、磁束密度を大きくできて出力信号振幅を大きくとれ、S/N比の良い磁性体検出器1を得ることができる。また、ホルダ11を備えたので、正確な位置に磁石10を保持でき、かつ、外部接続リード24を保護できる。即ち、磁石位置決め凹部孔30や磁石保持孔32などを備えたので、アセンブリを容易にできる。また、ホルダ11はパッケージ載置凹部孔31を備えるので、パッケージ8も正確な位置に位置決めできる。
最良の形態では、磁石位置決め凹部孔30がリードフレーム20のアイランド21まで届く深さに形成されて、リードフレーム20のアイランド21が磁石位置決め凹部孔30の底面30aに露出するようにすれば、磁石10を磁石位置決め凹部孔30に挿入することで、磁石表面10aをリードフレーム20のアイランド21に接触させることができて、縦距離Aを小さくできる。この場合、基板は絶縁性基板12を使用しているために、端子電極15と磁石10との絶縁性は確保される。即ち、チップ9をマウントしている箇所のリードフレーム20のアイランド21の下部に硬質樹脂を設けないことにより、縦距離Aを小さくできる。
尚、上記では磁石10としてSmCo磁石を用いた場合を示したが、フェライト磁石との比較を以下に示す。図25は、実施サイズのフェライト磁石、SmCo磁石を用い、縦距離Aは0.8mmとした場合において、磁石表面10a上の中心線C1(図11参照)上における磁石端部からの距離Sとその距離Sの位置上における感磁部表面91での磁束密度との関係を測定した結果を示した。図26は、各磁石での磁束密度の飽和値で規格化したものである。SmCoとフェライトで永久磁石の材料によって磁束密度の飽和値は変わるものの、磁束密度の磁石端部からの距離依存性は全く変わらないことがわかる。つまり、どのような材料の永久磁石を磁性体検出器1に使用しても、磁石の端(幅方向)から1mm以上離れると(横距離B1(=B2)を1mm以上とすると)、磁束密度の勾配がかなり緩くなることがわかり、磁気抵抗素子46や47の感磁部表面91での磁束密度を平坦化できることがわかる。
図27に示すように、磁石位置決め凹部孔30をリードフレーム20のアイランド21まで届かない深さに形成してもよい。
以下、最良の形態による磁性体検出器1の製造方法の実施例を説明する。化合物半導体薄膜13は、分子線エピタキシー法(MBE)を用いて絶縁性基板12上に形成した。例えば、絶縁性基板12としての半絶縁性のGaAs単結晶基板の(100)面の上に化合物半導体薄膜13としてSnドープInSb薄膜をエピタキシャル成長させた。例えば、まず、厚さ0.35mmの半絶縁性のGaAs単結晶基板にAsを照射しながら650℃で加熱し表面酸素を脱離させた。次に、580℃で温度を下げてGaAsバッファ層を200nmの厚さで形成した。そして、Asを照射しながら400℃まで温度を下げた後、SnとIn、Sbを同時に基板に照射しながら化合物半導体薄膜13の膜厚1μmからなるSnドープInSb単結晶薄膜を形成した。この際、InSb単結晶薄膜の電子濃度は、7×1016cm−3になるようにSnセル温度を調節した。成膜したInSb単結晶薄膜の電気特性を測定したところ、電子濃度は7×1016cm−3、電子移動度は40,000cm/Vsであった。このように分子線エピタキシー(MBE)法を用いて化合物半導体薄膜13を形成したことで薄膜の膜厚や組成の制御性を向上でき、歯車回転等によって生じる磁束密度変化検出のために配置される複数の磁気抵抗素子の特性差を無くすことができた。
図28に磁気抵抗素子の作製プロセスフローの一例を示す。この図28では3端子の磁気抵抗素子47の作製例を図示している。磁気抵抗素子は、フォトリソグラフィーの技術を用いて形成した。まず、絶縁性基板12としてのInSb/GaAs基板のInSb表面にフォトレジスト50をスピンコータを用いて均一に塗布した(図28(a))。フォトレジスト50の塗布条件は、100cpの粘度で3200rpmの回転速度で20秒間回転すると2.5μmの厚さとなる。そして、InSbのメサエッチング用のフォトマスク等を用いて露光・現像した後に塩酸・過酸化水素系のエッチング液で所望の形状に化合物半導体薄膜13としてのInSb薄膜をメサエッチングした(図28(b))。次に再度、フォトレジストを塗布した後に、短絡電極14を形成するための露光・現像を行い、真空蒸着法により電極15を蒸着し、リフトオフ法で短絡電極14を形成した(図28(c))。短絡電極14は、フォトレジストによりレジストパターンを形成した後に、電子ビーム法により短絡電極として50nm厚のTiと400nm厚のAu、さらに50nm厚のNiからなる積層電極を形成し、リフトオフ法を用いて所望の短絡電極形状を作製した。さらに、保護膜16として窒化シリコン薄膜を300nmの厚さでプラズマCVD法により形成し、端子電極部分のみの窒化シリコン膜を、反応性イオンエッチング装置を用いて除去した(図28(d))。最後に短絡電極の形成方法と同様にして、端子電極15を形成した(図28(e))。端子電極15として50nm厚のTiと400nm厚のAuからなる積層電極とした。また、端子電極15は化合物半導体薄膜13からなる動作層との接触を改善するために、不活性ガス雰囲気で500℃×2分間の熱処理を行った。このようにして絶縁性基板12上に化合物半導体薄膜13と複数の短絡電極14とを備えた複数の磁気抵抗素子40a;40bを有し、かつ、複数の端子電極15を有する高磁界感度の磁気抵抗素子47を、フォトリソグラフィーを応用した微細加工プロセスの応用により、図外の1枚のウエハ上に多数製作した。尚、図6〜図9に示すように、各磁気抵抗素子の感磁部の間隔Wは、例えば、検出する歯車48の山と谷の間隔Pに合わせた。尚、図28では、3端子磁気抵抗素子47の作製プロセスを例として図示したが、図6に示すような4端子磁気抵抗素子46も同様のプロセスで作製できる。
次に、ウエハ上に多数製作した磁気抵抗素子47あるいは46を、ダイシングにより個別にチップ9(ダイ)として切離した。そして、ダイボンダーを用いて、リードフレーム20(例えば厚さ0.15mm)のアイランド21上にチップ9をダイボンド(マウント)した。そして、ボンディングワイヤ23としての30μmの金ワイヤーにより磁気抵抗の複数の端子電極15とリードフレーム20のパッド部22間を、ワイヤーボンダーを用いてワイヤーボンドした。次いで、トランスファーモールド法で、エポキシ樹脂などのモールド樹脂により、チップ9を樹脂封止した。そして、タイバーカット、リードカット、及びリードのフォーミングを行ってパッケージ8を形成した。
次に、磁気抵抗素子の動作原理を説明する。図8に示したように、メサエッチング後のInSb薄膜の幅(電流に直交する方向の幅:素子幅)をDとし、短絡電極間の距離(素子長)をLとすると、L/Dを形状因子と呼ぶ。ここでは、L/D=0.2とした。この磁気抵抗素子に電磁石で一様な磁場をかけて、抵抗値と磁束密度の関係を測定した。抵抗値は、図8の端子電極15aと端子電極15bの間の抵抗を測定した。この結果を図29に示す。図30に磁気抵抗変化率ΔR/Rと磁束密度の関係を示す。ここで、ΔR=R−Rであり、Rは磁場中での抵抗値、Rは磁場なしでの抵抗値である。図30からわかるように、磁束密度が大きくなるほど、磁気抵抗変化率ΔR/Rの傾きは大きくなる。即ち、磁束密度の変化に対する感度が大きくなる。磁気抵抗素子にバイアスする磁束密度は、磁気抵抗変化率ΔR/Rが(磁気抵抗効果による感磁部の抵抗値の増加が)50%以上であれば、高感度となる。
4端子磁気抵抗素子46を1個以上備えた磁性体検出器1の場合、例えば、図6;7に示すように、1つのチップ9上に4つの磁気抵抗素子41a〜41dを形成し、磁気抵抗素子41aの感磁部表面91の中心と磁気抵抗素子41bの感磁部表面91の中心との間の間隔W、及び磁気抵抗素子41cの感磁部表面91の中心と磁気抵抗素子41dの感磁部表面91の中心との間の間隔Wを、例えば被検出体としての歯車48の山と谷の間隔Pに等しくした。磁気抵抗素子の作製プロセスは、フォトリソグラフィーの技術を用いたため、磁気抵抗素子間の間隔は、量産されるすべての素子で精度よく再現される。従来の磁性体検出器では、4個の磁気抵抗素子41a〜41dを個別に切離し、ダイボンディグで配置していたが、これでは磁気抵抗素子間の間隔Wと歯車の山谷の間隔P(ピッチ)とが微妙に異なってしまい、出力信号振幅、A相/B層の位相差にかなり個体差が生じていた。一方、ここでは、1つの半導体チップ9上に4個の磁気抵抗素子41a〜41dを作製したので、磁気抵抗素子間の間隔Wと歯車の山谷ピッチとは精確に合っているため、各磁気抵抗素子41a〜41dの個体差をほとんど生じない磁性体検出器1を得ることができる。
また、SnをドープしてInSb単結晶薄膜1μmを形成したので、Snをドープしたことにより、オフセット電圧の温度ドリフトを格段に改善できた。
SnをドープしたInSb単結晶薄膜で形成された感磁部90を備えた実施サイズのチップ9と磁石10を図11のように配置し、縦距離Aを0.8mmとして、これらチップ9及び磁石10を恒温槽に入れてオフセット電圧の温度依存性を測定した結果を図31、図32に示す。図31は4端子磁気抵抗素子46の信号出力電圧Aのオフセット電圧と温度ドリフトの関係を示す。図32は4端子磁気抵抗素子46の信号出力電圧Bのオフセット電圧と温度ドリフトの関係を示す。測定した素子のサンプル数は7個である。図31、図32からわかるように、4端子磁気抵抗素子46の信号出力電圧A;Bのオフセット電圧の温度ドリフトがほとんど無いことがわかる。このことは、感磁部90の全面に渉り、磁界の印加された状態の抵抗値の温度依存性が均一であること意味している。
一方、Snをドープせずに、InSb単結晶薄膜1μmを形成した以外は、上記と同様にして4端子磁気抵抗素子46(エポキシ樹脂によりパッケージされた状態)を作製した。成膜したアンドープInSb単結晶薄膜の電気特性を測定したところ、電子濃度は1.6×1016cm−3、電子移動度は45,000cm/Vsであった。
SnをドープせずにInSb単結晶薄膜で形成された感磁部90を備えた実施サイズのチップ9と磁石10を図11のように配置し、縦距離Aを0.8mmとして、これらチップ9及び磁石10を恒温槽に入れてオフセット電圧の温度依存性を測定した結果を図33、図34に示す。図33は4端子磁気抵抗素子46の信号出力電圧Aのオフセット電圧と温度ドリフトの関係を示す。図34は4端子磁気抵抗素子46の信号出力電圧Bのオフセット電圧と温度ドリフトの関係を示す。測定した素子のサンプル数は14個である。Snをドープしない場合、4端子磁気抵抗素子46の信号出力電圧A;Bのオフセット電圧の温度ドリフトが大きいことがわかる。
即ち、SnをドープしたInSb単結晶薄膜で形成された感磁部を用いる場合とSnをドープしないInSb単結晶薄膜で形成された感磁部を用いる場合とでは上記よりあきらかなように、Snをドープすることにより、オフセット電圧の温度ドリフトを格段に改善できることがわかる。これは、InSbは禁制帯が0.17eVと狭いために、半導体磁気抵抗素子の抵抗値の温度依存性が−2%/℃と大きいが、一方、Sn(ドナーアトム)をドープすることにより伝導帯の電子を増加させることにより、抵抗値の温度依存性を−0.24%/℃と劇的に小さくすることが可能となるからである。この大きな抵抗値の温度依存性がオフセット電圧の温度ドリフトの主要な原因である。
他例1
図35〜図39に示すように、外部接続リードが半導体パッケージ80から出ないタイプ、即ち、ノンリードタイプのリードフレーム70を用いて半導体パッケージ80を作製し、リードフレーム70のパッド部72(入出力端子部)と外部接続リード73とをプリント配線基板74を介して互いに電気的に接続させた。パッド部72と外部接続リード73はそれぞれプリント配線基板74の接続パッド75;76にはんだ付けされる。図35は本例の磁性体検出器1の断面図、図36はパッケージ80の断面図、図37はパッケージの裏面図、図38は磁石表面10aをパッケージ80の裏面81に密着させるための貫通孔77が形成されたプリント配線基板を示す平面図、図39は貫通孔77に磁石10を通した状態のプリント配線基板を示す平面図である。この場合、パッケージ80の裏面81、即ち、磁石位置固定面にリードフレーム70のアイランド71とパッド部72とを露出させたので、上記と同様に縦距離Aを小さくできる。この例では、縦距離Aを0.50mmとした(GaAs基板:0.35mm、リードフレーム0.15mm)。この構成を採用して作製した磁性体検出器1を用いて、歯車回転検出測定を行った。歯車48と感磁部表面91と距離を0.7mmにして、出力信号振幅を測定した結果、480mVであり、上記と同様の出力信号振幅を確認できた。
他例2
図40に示すような形状のリードフレーム200を用いて半導体パッケージ201を作製した後、図41に示すように、研磨により、パッケージ201の裏側(化合物半導体薄膜13の形成されてない基板12側)からパッケージ樹脂203、リードフレーム200のアイランド205のすべて、及び、半導体薄膜13の形成されてなるGaAs基板(絶縁性基板12)の裏面側を図41の点線Gの箇所まで除去した半導体パッケージ210とした。リードフレーム200の末端側は上方に折曲されている。このように半導体パッケージが裏側に、前記感磁部の下に位置する構成部分の除去された磁石固定面、即ち、図41の点線Gの箇所まで除去された平坦面211を備えた半導体パッケージ210を用いることにより、縦距離Aを0.05mm以下にできる。即ち、基板12の厚さを0に近くする。このような構造とすることで、縦距離Aを例えば0<A≦1mmに設定でき、出力信号振幅を大きくとれる磁性体検出器1を提供できる。
他例3
図42に示すように、リードフレーム20のアイランド21の下から樹脂部分の高さ、即ち、裏面251からリードフレーム20のアイランド21までの高さが磁石10の高さZ以上の寸法に形成され、、裏面251の中心に裏面251からアイランド21の下面まで到達する磁石挿入孔252が形成された半導体パッケージ250を用いてもよい。即ち、磁石挿入孔252内に磁石10全体が入り込んで外に突出しないような磁石挿入孔252を備えた半導体パッケージ250を用いてもよい。つまり、ホルダ11を用いずに半導体パッケージ250の磁石挿入孔252内に磁石10全体を嵌め込んだ後に磁石挿入孔252の開口253側から接着剤等の固定手段を用いて磁石挿入孔252に磁石10を直接的に固定して磁性体検出器1を構成してもよい。
磁性体検出器1の磁気抵抗素子を形成する化合物半導体薄膜13は高い磁気抵抗変化率を得るためにできるだけ高い電子移動度を有していることが好ましく、上述したInSbの他、InAs、InAsSb1−x、InGa1−xSb、InGa1−xAs(0≦x≦1)が好ましい材料である。
絶縁性基板12は、表面が絶縁性の若しくは絶縁化された半導体の絶縁層を持つ半導体基板が好ましい。半導体基板の中でもGaAs、InP、GaPなどの基板を用いると特に化合物半導体薄膜13の高い電子移動度が得られるようになり、特に好ましいものとなる。
化合物半導体薄膜13中にキャリアを増加させるためのドナー不純物を添加する方法としては、化合物半導体薄膜13を形成する際に同時に行ってもよいが、成膜後にイオン注入法を用いて打ち込んでもよい。使用するドナー不純物は、例えば、InSbやInAsのようなIII−V族化合物半導体の場合は、C、Si、Ge、SnのようなIV族元素やS、Se、Teに代表されるVI族元素を添加するとよい。その中でも特にSi、Snが好ましい。
上記では、ウェットエッチング法を用いて動作層のエッチングを行った例を紹介したが、イオンミリングや反応性イオンエッチング法のドライエッチングによってメサエッチングを行ってもよい。尚、ウェットエッチングによって所望の形状にInSb薄膜をメサエッチングすることが多いが、ウェットエッチングは膜厚方向のエッチングともに、膜厚方向とは垂直方向のサイドエッチングが進む。膜厚が厚過ぎると、膜厚方向のエッチングは終了する時点ではサイドエッチングもかなり進むため、素子抵抗値の設計値と実際の素子抵抗値がずれるだけでなく、素子抵抗値の個体差も大きくなる。そのため、化合物半導体薄膜の膜厚は0.1〜4.0μmに設定することが好ましい。
電極15に用いられる電極材料は、Cu単層やTi/Au、Ni/Au、Cr/Cu、Cu/Ni/Au、Ti/Au/Ni、Cr/Au/Ni、Cr/Ni/Au/Niのような積層としてもよい。この電極材料は、作製した素子の使用される動作条件と環境条件に耐えられる材質であれば、どのような材料を用いてもかまわない。また、電極を形成する方法としては、電子ビーム蒸着や抵抗加熱蒸着といった一般的な真空蒸着法や、スパッタ法やメッキ法によって形成してもよい。また、電極形成後に電極と薄膜動作層とのオーミック接触性を良好にするために、急昇温熱アニール(RTA)法を用いて熱処理することも好ましい。
また、磁性体検出器は、磁界によって抵抗値が変化する磁気抵抗素子を形成する化合物半導体薄膜が、結晶粒界を有しないInSb単結晶薄膜で形成されたので、感度が高くSN比の良い磁気抵抗素子を形成できる。
本発明の最良形態による磁性体検出器の縦断面図。 最良形態の磁性体検出器に用いる半導体パッケージの斜視図。 最良形態の半導体パッケージの縦断面図。 最良形態の磁性体検出器の構成部品を分解して示した分解斜視図。 (a)は最良形態のチップの断面図、(b)は最良形態のリードフレームの平面図、(c)は最良形態のリードフレームのアイランド上に4端子磁気抵抗素子を備えたチップを搭載した状態を示す平面図。 最良形態の4端子磁気抵抗素子を備えたチップの平面図。 最良形態の4端子磁気抵抗素子の等価回路図。 最良形態の3端子磁気抵抗素子チップを備えたチップの平面図。 最良形態の3端子磁気抵抗素子の等価回路図。 最良形態の磁性体検出器のシミュレートに用いた永久磁石の斜視図。 最良形態の磁性体検出器における磁気抵抗素子の感磁部と磁石表面との位置関係を磁気抵抗素子の感磁部側から見た平面図。 最良形態の磁性体検出器における縦距離Aと感磁部表面磁束密度との関係を示したグラフ。 最良形態の磁性体検出器における感磁部表面上の磁束密度分布結果を示す図。 最良形態の磁性体検出器における感磁部表面上の磁束密度分布結果を示す図。 最良形態の磁性体検出器における感磁部表面上の磁束密度分布結果を示す図。 最良形態の磁性体検出器における感磁部表面上の磁束密度分布結果を示す図。 最良形態の磁性体検出器における感磁部表面上の磁束密度分布結果を示す図。 最良形態の磁性体検出器における感磁部表面上の磁束密度分布結果を示す図上において磁気抵抗素子の位置を示す図。 最良形態の磁性体検出器における横距離B1(=B2)とオフセット電圧との関係を示す図。 最良形態の磁性体検出器において縦距離Aのパラメータを異ならせた場合における横距離B1(=B2)とオフセット電圧との関係を示す図。 最良形態の磁性体検出器において縦距離Aのパラメータを異ならせた場合における磁石端部からの距離Sと感磁部表面における磁束密度との関係を示す図。 最良形態の磁性体検出器と検出対象磁性体としての歯車との位置関係を示した図。 最良形態の磁性体検出器における感磁部表面と歯車との間の距離ZAと信号出力振幅との関係を示したグラフ。 最良形態の磁性体検出器における縦距離Aと信号出力振幅との関係を示したグラフ。 最良形態の磁性体検出器における磁石端部からの距離Sと感磁部表面における磁束密度との関係をSmCoとフェライトとで示した図。 最良形態の磁性体検出器における磁石端部からの距離Sと規格化との関係をSmCoとフェライトとで示した図。 最良形態の半導体パッケージの他の例を示す縦断面図。 最良形態の磁性体検出器における磁気抵抗素子の作製プロセスフローを示す図。 最良形態の磁性体検出器における磁気抵抗素子の磁気抵抗素子の抵抗値と磁束密度の関係を示すグラフ。 最良形態の磁性体検出器における磁気抵抗素子の磁気抵抗素子の磁気抵抗変化率ΔR/Rと磁束密度の関係を示すグラフ。 最良形態の磁性体検出器における出力電位の温度依存度を示す図。 最良形態の磁性体検出器における出力電位の温度依存度を示す図。 比較例の磁性体検出器における出力電位の温度依存度を示す図。 比較例の磁性体検出器における出力電位の温度依存度を示す図。 本発明の他例1による磁性体検出器の縦断面図。 他例1による磁性体検出器の半導体パッケージの縦断面図。 他例1による磁性体検出器の半導体パッケージの底面図。 他例1による磁性体検出器のプリント配線基板の平面図。 他例1による磁性体検出器のプリント配線基板の磁石通し用の貫通孔に磁石を通した状態の平面図。 本発明の他例2による磁性体検出器の研磨前の半導体パッケージを示す縦断面図。 他例2による磁性体検出器の半導体パッケージを示す縦断面図。 本発明の他例3による半導体パッケージを用いて形成された磁性体検出器を示す側面図。 従来の磁性体検出器を示す図。 磁石表面の反磁界の説明図。 磁気抵抗素子の磁束密度と磁気抵抗変化率との関係を示すグラフ。 従来の磁性体検出器における3端子磁気抵抗素子の回路図。 従来の磁性体検出器における4端子磁気抵抗素子の回路図。
符号の説明
1 磁性体検出器、2 ケース、3 磁気検出体、8 半導体パッケージ、
9 チップ、10 永久磁石、10a 磁石表面、11 ホルダ、
13 化合物半導体薄膜、20 リードフレーム、21 アイランド、
24 外部接続リード、30 磁石位置決め凹部孔(磁石位置決め固定部)、
32 磁石保持孔、33 外部接続リード保持孔、90 感磁部、
91 感磁部表面、A 縦距離(感磁部表面と磁石表面との間の距離)、
B1(=B2) 横距離(感磁部表面の端と前記磁石表面の端との間の距離)。

Claims (6)

  1. 感磁部を形成する半導体磁気抵抗素子を備えたチップが樹脂により封止された半導体パッケージと、該半導体パッケージの裏側に配置された磁石とを備え、感磁部表面と該感磁部表面に対向する磁石表面とが互いに平行に配置された磁性体検出器において、前記感磁部表面が前記磁石表面の面領域内上に配置され、かつ検出対象磁性体の走査方向に沿った方向において互いに対応する前記感磁部表面の端と前記磁石表面の端との間の距離B1とB2とがそれぞれ0.5mm以上に設定され、前記チップがリードフレーム上にダイボンドされ、前記半導体パッケージの裏面に露出させた前記リードフレームと当該リードフレームとは別体の外部接続リードとがプリント配線基板を介して電気的に接続され、前記プリント配線基板が前記磁石表面を前記半導体パッケージの裏面に密着させるための貫通孔を備えたことを特徴とする磁性体検出器。
  2. 前記感磁部表面と前記磁石表面との間の距離Aが0<A≦0.2mmに設定されたことを特徴とする請求項1に記載の磁性体検出器。
  3. 前記半導体パッケージが裏側に前記感磁部の下に位置する構成部分の除去された磁石固定面を備え、当該磁石固定面と前記磁石表面とが互いに接触して前記距離Aが前記範囲に設定されたことを特徴とする請求項2に記載の磁性体検出器。
  4. 前記磁石固定面が、研磨された平坦面により形成されたことを特徴とする請求項3に記載の磁性体検出器。
  5. 前記感磁部表面の面中心と前記磁石表面の面中心とが一致していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の磁性体検出器。
  6. 前記半導体パッケージと前記磁石とホルダとで形成された磁気検出体がケース内に樹脂で封止され、前記ホルダが磁石保持孔と外部接続リード保持孔とを備え、前記磁石が前記磁石保持孔に挿入され、前記外部接続リードが前記外部接続リード保持孔に挿入されて、前記磁石と前記外部接続リードとが前記ホルダにより保持された状態で前記磁気検出体が封止されたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の磁性体検出器。
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