JP4306109B2 - 水中沈設ブロック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中沈設ブロックに係わり、特に、製鉄所で発生する粉粒状の溶銑予備処理スラグを主原料にした硬化体であって、とりわけ流速が1m/s以下と比較的遅い環境での使用に適した水中沈設ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
水中沈設ブロックは、従来、無筋、あるいは鉄筋入りのコンクリートで作製されている。なかでも、特に海域で使用されるものは、(社)土木学会が平成8年に創定、発行したコンクリート標準示方書の第22章に「海洋コンクリート」として示され、その施工にあたっては、海洋汚染、生態系への影響等が生じないよう、環境保全に十分注意しなければならない旨の記載がある。具体的には、海洋現場での所謂「場所打ちコンクリート」の施工に際しては、海水の汚濁を引き起こさないような対策を取るよう解説がなされている。
【0003】
一方、「場所打ち」ではなく、予め陸上で硬化させたコンクリート・ブロックを水中に沈設して使用する場合には(これを、以下では水中沈設ブロックという)、該ブロックは、沈設時のショックや水中での使用期間中に崩壊しないよう、十分な強度と耐久性を備えている必要がある。
また、水中で水流や波による力を受けて、沈設した場所から容易に動いてしまわぬよう、重い(同じ容積なら比重が大きい方が良い)ことも望まれる。さらに、「場所打ちコンクリート」と同様に、環境保全にも十分注意しなければならないことは言うまでもない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、製鉄所では、高炉スラグに加えて、大量の製鋼スラグが発生する。このうち、高炉スラグは、従来より路盤材、建材等に大量使用されている。しかしながら、製鋼スラグは、未溶融の生石灰を含有しているので、自然崩壊するため、大量使用できる用途がないのが現状であり、その用途開発が熱望されている。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑み、コンクリートに代えて製鋼スラグを大量に使用し、コンクリート製品より優れた品質になる水中沈設ブロックを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究し、その成果を本発明に具現化した。
【0007】
すなわち、本発明は、粉粒状の製鋼スラグ、SiO2含有物質及び水を混練して形成した硬化体であって、前記製鋼スラグに溶銑予備処理スラグ、SiO2含有物質に高炉スラグ微粉末を採用すると共に、水を除く全配合成分中における粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率を15〜55mass%、高炉スラグ微粉末の含有率を5〜40mass%としてなる水中沈設ブロックである。
【0008】
また、本発明は、粉粒状の製鋼スラグ、SiO2含有物質及び水を混練して形成した硬化体であって、前記製鋼スラグに溶銑予備処理スラグ、SiO2含有物質に高炉スラグ微粉末及びフライアッシュを採用すると共に、水を除く全配合成分中における粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率を15〜55mass%、高炉スラグ微粉末の含有率を3〜36mass%、フライアッシュの含有率を1.5〜30mass%とし、かつ高炉スラグ及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比を質量比にして0.1〜0.75としてなる水中沈設ブロックである。
【0009】
この場合、前記高炉スラグ微粉末、フライアッシュ及び粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対する溶銑予備処理スラグの含有量の比が質量比にして0.2超としてなることが好ましい。また、前記硬化体を製造する配合物に、さらにアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種または2種以上を、高炉スラグ含有量及びフライアッシュの合計含有量に対して0.2〜20mass%添加したり、あるいは、さらにナフタレン・スルホン酸及び/又はポリ・カルボン酸を、高炉スラグ、フライアッシュ及び粒径が0.1mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対して0.1〜2.0mass%添加しても良い。
【0010】
加えて、本発明は、前記のいずれかに記載の硬化体に、さらにフライアッシュ配合量を増加した層を表面に重ねたり、あるいは、さらに硫酸鉄を表面に重ねることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、コンクリートを使用した場合より、比重が大きいばかりでなく、未溶融の生石灰がなくなって強度や耐久性があり、且つ生態系への影響も小さい水中沈設ブロックが得られる。その結果、製鋼スラグの用途拡大が達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0013】
一般に、製鋼スラグといっても、表1に組成を示すように、多種のものが存在する。つまり、溶銑を転炉や電気炉で精錬する際に発生する転炉スラグ及び電気炉スラグ、ステンレス鋼の製造に際し、予めCr鉱石等を転炉で溶融還元する際に生じる溶融還元炉スラグ、鋼材の高級化志向により、転炉や電気炉から出鋼後の溶鋼を別途処理(二次精錬と称し、真空脱ガス精錬、取鍋精錬等がある)する際に発生する二次精錬スラグ、ステンレス鋼の溶製時に発生するステンレス鋼スラグ、及び溶銑を製鋼工程へ送る前に、予め溶銑から脱珪、脱燐、脱硫を行う所謂「溶銑予備処理スラグ」等である。なお、この「溶銑予備処理スラグ」は、処理内容によって、それぞれ脱珪スラグ、脱燐スラグ及び脱硫スラグに分類できる。
【0014】
【表1】
Figure 0004306109
【0015】
まず、発明者は、前記製鋼スラグのうちからコンクリートに代替可能なものを選択するための研究を行った。そして、溶銑予備処理スラグが特に良いことを知見した。その理由は、溶銑予備処理スラグが下記の特徴を有するからである。
(1)処理中に溶銑へMgOを添加することがないので、該スラグは、元来MgO濃度が低い。また、塩基度(CaO/SiO2)も低いために、若干含まれるMgOもほとんどCa2MgSi27として存在する。従って、free−MgO相がほとんど存在しない。その結果、転炉スラグを原料として製造した硬化体では、free−MgOの水和膨張による硬化体の割れ、粉化、変形、強度低下が起きるが、溶銑予備処理スラグの利用では、かかる問題は生じない。
(2)塩基度(CaO/SiO2)が低く、且つP25濃度が高いために、free−CaO濃度が低い。従って、free−CaOによる水和膨張性も低く、硬化体を製造しても、free−CaOの水和膨張に起因する硬化体の割れ、粉化、変形、強度低下等が生じない。
(3)微粉が多く、反応性が高いために、溶銑予備処理スラグ自体が高炉スラグ微粉末、フライアッシュの代替になりうる。
(4)free−MgO相がほとんど存在しないために、溶銑予備処理スラグ自体が柔らかく、硬化体の製造前の粉砕工程では、転炉スラグに比較してはるかに粉砕し易い。
(5)溶銑予備処理スラグが含有する微粉部分の働きで、溶銑予備処理スラグと高炉スラグ微粉末、フライアッシュとが反応し易くなり、硬化体はより高強度になる可能性がある。
【0016】
そこで、発明者は、かかる溶銑予備処理スラグを使用して硬化体を製造することに決定し、他の材料との組み合わせや、組み合わせた場合の種々の条件を検討した。
【0017】
本発明では、溶銑予備処理スラグをSiO2含有物質と水で混練するが、溶銑予備処理スラグのうちの粒径1.18mm以下に相当する部分が、水を除く全配合成分中における含有率が15〜55mass%となるように配合する。粒径1.18mm以下のものが特に反応性(SiO2含有物質との)が良好で、未溶融の生石灰が消失して、得られる硬化体の強度が高くなり、しかもひび割れの発生が著しく小さくなるからである。なお、このことは、配合する溶銑予備処理スラグの中に、これよりも粒度の大きい溶銑予備処理スラグが含まれていることを妨げるものではない。粒度の大きい溶銑予備処理スラグは、粉砕の過程で粉砕され難かったことを意味し、それ自体が強度を有しているので、増量剤として、また粗粒ながらも活性が高く、結合材としての寄与があり得るからである。
【0018】
そして、前記粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグと、一方で、これと反応するSiO2含有物質を適正量で配合すると、硬化体として最も高い強度が得られるのである。そのようなSiO2含有物質としては、高炉スラグ微粉末か、あるいは高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの混合物が好ましかった。
【0019】
高炉スラグ微粉末を単味で配合する場合、その適正な含有量は5〜40mass%であった。粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率が15mass%未満、あるいは高炉スラグ微粉末の含有量が40mass%超えでは、相対的にSiO2を硬化させるアルカリ(またはアルカリ土類)イオンの供給が不足気味となり、得られる硬化体の強度が低下する。一方、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率が55mass%を超え、あるいは高炉スラグ微粉末の含有量が5mass%未満では、溶銑予備処理スラグ中の水和膨張性を有するCaOなどの成分を固定するSiO2が不足気味となるため、得られる硬化体を水中養生する過程で硬化体の膨張や粉化が発生し著しく強度が低下した。そのため、本発明では、水を除く全配合成分中における粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率を15〜55mass%、高炉スラグ微粉末の含有率を5〜40mass%と限定したのである。
【0020】
また、SiO2含有物質として、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの混合物を使用する場合、各原料の適正含有量は、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率が15〜55mass%で、高炉スラグ微粉末の含有率が3〜36mass%及びフライアッシュの含有率が1.5〜30mass%である。その際、高炉スラグ及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比を、質量比にして0.1〜0.75とすることも必要である。
【0021】
この場合にも、粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率を限定した理由は上記と同じである。また、SiO2含有物質として高炉スラグ微粉末にフライアッシュを混合したのは、フライアッシュは、石炭の燃焼によって生成する飛灰であるが、SiO2を多量に含有しているからである。このフライアッシュは、それ自体が極めて微粉であり、これを高炉スラグ微粉末の代替として使用すると、溶銑予備処理スラグとの反応性が一層向上し、得られた硬化体のひび割れ発生の抑制と、長時間養生後の強度の向上が可能となる。特に、その含有量が1.5mass%以上、且つ、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比にして0.1以上の範囲においてその効果が顕著である。しかし、フライアッシュは、常温での硬化性が高炉スラグ微粉末よりも劣る傾向があり、フライアッシュの含有率が30mass%超えたり、又は、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比にして0.75を超えると、硬化体全体としての硬化を遅らせることとなり、好ましくない。従って、その含有率は、1.5〜30mass%で、且つ高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比が質量比にして0.1〜0.75とした。
【0022】
さらに、本発明では、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ及び粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対する溶銑予備処理スラグの含有量の比が質量比にして0.2超とすると、一層好ましい。これら物質を、上記範囲に限定することによって、溶銑予備処理スラグから供給されるアルカリ(あるいはアルカリ土類)イオンの量と、SiO2含有物質中の反応性SiO2の量的バランスが一層適正となり、硬化体のひび割れ防止効果が高まるからである。
【0023】
本発明は、上記のような原料配合によって、硬化体の強度向上とひび割れ発生を著しく低減するものであるが、これに加えて、さらにアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種または2種以上を、高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して0.2〜20mass%添加したり、あるいは、ナフタレン・スルホン酸及び/又はポリ・カルボン酸を、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ及び粒径が0.1mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対して0.1〜2.0mass%添加しても良い。アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種または2種以上を0.2mass%以上添加することによって、硬化体の硬化を促進することが可能となり、養生に要する時間を短縮することができる。しかし、20mass%を超えて添加してもその効果が飽和するため、上限は20mass%とする。
【0024】
また、ナフタレン・スルホン酸及び/又はポリ・カルボン酸を添加すると、これら原料を水と共に混練する際の混錬性が向上する。そのため、混練に必要な水の量を低減することができ、その結果、より高強度の硬化体が得られるようになる。その際に、それらの添加量を高炉スラグ微粉末及びフライアッシュの合計含有量に対して0.1mass%未満としたのでは、前記効果に乏しく、2.0mass%を超えて添加しても、効果が飽和するので、0.1〜2.0mass%に限定する。
【0025】
次に、以上のようにして良質な硬化体が製造できることがわかったので、水中沈設ブロックであるテトラポットやケーソン等の型枠内で、前記各種原料を実際に硬化させる試みを行った。その結果、いずれの試みも成功し、十分な強度と耐久性を併せ持ち、コンクリートと比較すると高比重で、アルカリ溶出による周囲の水のpH上昇も低く、流速1m/s以下の水中に沈設しても生態系への影響が非常に少ない水中沈設ブロックができたのである。
【0026】
さらに、硬化体の表面層をフライアッシュ配合量を多くした多層構造にしたり、表面に硫酸鉄を重ねることで、一層良いものになった。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
配合原料として粉砕した溶銑予備処理スラグ、粒径0.1mm以下に微粉砕した高炉スラグ微粉末、さらに一部についてはこれにフライアッシュ(粒径0.1mm以下)、Ca(OH)2、NaOH、CaSO4・2H2O、CaCl2、NaCl、Na2SO4、ナフタレン・スルホン酸、ポリ・カルボン酸等を必要に応じて加え、水と共に混練して型枠に流し込み、これを大気中で養生をして硬化体を製造した。配合物中の各原料の含有量、比率、混練水の添加量を表2に示す。そして、同一混練物を別に型枠に流し込み、これを20℃の水中で養生をして得られた硬化体の28日養生後の強度、表面乾燥比重、91日養生後の強度を表3に示す。また、大気中で28日養生をした硬化体の表面ひび割れ本数、大気中で28日養生をした硬化体を海水を入れた水槽に沈設し、硬化体表面から1cmは慣れた位置のpH測定値、同様に純水に沈設した時のpH測定値を表3に併せて示す。なお、海水は、硬化体の沈設前、そのpHは8.2であり、純水では6.8である。
【0028】
【表2】
Figure 0004306109
【0029】
【表3】
Figure 0004306109
【0030】
(比較例1)
通常の砕石、砂を骨材に用い、ポルトランドセメント、AE(AirEntrainedの略、空気連行型)減水剤を加え水と共に混練して型枠に流し込み、実施例1と同様に養生したコンクリートに付いて評価した結果を表4に示す。
【0031】
【表4】
Figure 0004306109
【0032】
(実施例2)
表2に示したNo.1の配合で製造した硬化体を28日間大気中養生してから、流速を変化させた様々な条件でpH8.2の海水槽に沈設し、沈設後6時間後に該硬化体の表面から1cm位置での海水のpHを測定した。その結果を図1に示す。
(比較例2)
表4に示した配合で製造したセメント・コンクリートの硬化体を28日間大気中養生し、実施例2と同様な評価を行い、その結果を図1に同時に示す。
(実施例3)
表2に示したNo.1の配合で製造した硬化体を脱枠後、その表面にNo.4の配合の混練物を約50mmの厚さで塗り付け、28日間大気中養生後に、pH8.2の海水とpH6.8の純粋の水槽に沈設し、6時間後に表面から1cm位置でのpHを測定した。その結果は、海水が8.2、純水が8.4であった。
(実施例4)
表2に示したNo.1の配合及びNo.4の配合で製造した硬化体を脱枠後、硫酸鉄含有液をその表面に塗布し、28日間大気中養生後、pH8.2の海水とpH6.8の純粋の水槽に沈設し、6時間後にその表面から1cm位置でのpHを測定した。その結果、いずれの場合も海水が8.2、純水が7.5であった。
【0033】
以上の結果を整理すると、表3に示した本発明に係る水中沈設ブロックの強度は、表4に示したコンクリート製ブロックでの値に十分匹敵し、コンクリートに代え、溶銑予備処理スラグで製造した水中硬化体でも十分強度があることが明らかである。また、表3の本発明に係るブロックとコンクリートを用いた表4のブロックとでその比重を比較すると、本発明に係るブロックの比重が2.39〜2.59であるのに対して、コンクリート製は2.35であった。これは、ブロックの容積が同じとすると、本発明の水中沈設ブロックは1割以上重くなり、水流や波の力による沈設位置からの移動に対して、本発明の方が有利であることを示唆している。さらに、海水でも純水においても、本発明の水中沈設ブロックは、水のpH変化がコンクリート製に比較すると非常に小さい。水の流れが早い場合も、また、水がどよみ易い1m/s以下の流速においても、本発明に係る水中沈設ブロックは、水のpHを上昇させないので、生態系に与える影響が小さいと期待できる。さらに、フライアッシュを多く配合した層を硬化体の表面に形成させると、このpH上昇を一層抑制できることがわかる。加えて、その効果は、水中沈設ブロックの表面に硫酸鉄を塗布することにより、さらに促進することもわかる。
【0034】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、製鋼スラグのうちの溶銑予備処理スラグを用いて、高強度で、且つ表面層のひび割れがほとんど無く、高比重、水中に沈設した際のpH上昇が少ない水中沈設ブロックを提供できるようになる。従って、本発明は、資源の再利用、環境の向上等に寄与するところが大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】水中沈設ブロックによる水のpHを示す図である。

Claims (7)

  1. 粉粒状の製鋼スラグ、SiO2含有物質及び水を混練して形成した硬化体であって、
    前記製鋼スラグに溶銑予備処理スラグ、SiO2含有物質に高炉スラグ微粉末を採用すると共に、水を除く全配合成分中における粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率を15〜55mass%、高炉スラグ微粉末の含有率を5〜40mass%としてなることを特徴とする水中沈設ブロック。
  2. 粉粒状の製鋼スラグ、SiO2含有物質及び水を混練して形成した硬化体であって、
    前記製鋼スラグに溶銑予備処理スラグ、SiO2含有物質に高炉スラグ微粉末及びフライアッシュを採用すると共に、水を除く全配合成分中における粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの含有率を15〜55mass%、高炉スラグ微粉末の含有率を3〜36mass%、フライアッシュの含有率を1.5〜30mass%とし、かつ高炉スラグ及びフライアッシュの合計含有量に対するフライアッシュ含有量の比を質量比にして0.1〜0.75としてなることを特徴とする水中沈設ブロック。
  3. 前記高炉スラグ微粉末、フライアッシュ及び粒径1.18mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対する溶銑予備処理スラグの含有量の比が質量比にして0.2超としてなる請求項1又は2に記載の水中沈設ブロック。
  4. 前記硬化体を製造する配合物に、さらにアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、硫酸塩、塩化物から選ばれた1種または2種以上を、高炉スラグ含有量及びフライアッシュの合計含有量に対して0.2〜20mass%添加してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水中沈設ブロック。
  5. 前記硬化体を製造する配合物に、さらにナフタレン・スルホン酸及び/又はポリ・カルボン酸を、高炉スラグ、フライアッシュ及び粒径が0.1mm以下の溶銑予備処理スラグの合計含有量に対して0.1〜2.0mass%添加してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水中沈設ブロック。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化体に、さらにフライアッシュ配合量を増加した層を表面に重ねてなることを特徴とする水中沈設ブロック。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の硬化体に、さらに硫酸鉄を表面に重ねてなることを特徴とする水中沈設ブロック。
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