JP4305271B2 - 磁歪式トルクセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、非接触磁歪式トルクセンサ、特に、磁歪特性を有する回転軸に加わるトルクを、透磁率変化による検出コイルのインダクタンス変化から非接触的に検出する非接触磁歪式トルクセンサに関する。
自動車のパワーステアリング機構、エンジン制御機構、動力伝達機構などでは回転軸であるハンドル軸、その他の受動軸などに加わるトルクを検出する必要性が高い。
一般に、磁歪特性を有する材料は、力を加えると比透磁率が変化し、圧縮力方向では比透磁率が減少し、張力方向では比透磁率が増加する。この原理を利用した磁歪式トルク検出装置が、例えば特許文献1に記載されている。
図11(a)に特許文献1に記載されている磁歪式トルク検出装置の略図を示す。図11(a)の磁歪式トルク検出装置は、受動軸である回転軸11の外周に、回転軸11に対して±45°に複数の磁歪膜13、13を固着し、その外周に±45°磁歪膜13、13に対応してリング形検出コイル12、12を配設したものである。回転軸11に外部からトルクが印加されると、磁歪膜13、13の一方には張力が、他方には圧縮力が発生して歪が生じ、磁歪膜13、13の透磁率が変化する。この磁歪膜13、13の透磁率変化によるリング形検出コイル12、12のインダクタンス変化を検出して出力する。
上述した磁歪式トルク検出装置の他に、図11(b)に示すものがある。図11(b)の磁歪式トルク検出装置は、磁歪回転軸11に対向配置したU字形磁心14上に巻回した検出コイル12、12を使用することにより、磁歪回転軸11の透磁率変化を検出して出力するものである。
特開平1−94230号公報
しかし、図11(a)の磁歪式トルク検出装置によれば、回転軸11に±45°の磁歪膜13、13を固着するため、回転軸11を加工する必要があるという問題がある。
また、図11(b)の磁歪式トルク検出装置によれば、回転軸11を加工する必要がなく、回転軸11に装着容易であるが、検出コイル12が巻かれたU字形磁心14は回転軸11に対してリング形磁心のような回転対称でなく、回転軸11がU字形磁心14に対面していない部分があるため、出力信号の感度が低く、出力信号のゼロ点が回転軸11の回転に伴って、大きく変動してしまうという問題がある。
従って、本発明の目的は、回転軸に±45°の磁歪膜を固着するなどの加工を施すことなく、出力信号の感度を向上し、回転軸の回転に伴う出力信号のゼロ点変動を小さくすることによって、磁歪回転軸に加わるトルクを精度よく検出する非接触磁歪式トルクセンサを提供することにある。
また、本発明の更なる目的は、回転軸の圧縮方向及び張力方向の磁束変化を検出する非接触磁歪式トルクセンサを提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、コイルの検出感度が高い非接触磁歪式トルクセンサを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、回転軸に装着容易である非接触磁歪式トルクセンサを提供することにある。
更にまた、本発明の他の目的は、コイルの巻き方、検出回路の組み立て及び製造が容易な非接触磁歪式トルクセンサを提供することにある。
本発明によると、中心軸の周りに回転する磁歪特性を有する回転軸と、前記回転軸の外周と所定の間隔を有しながら前記回転軸と同軸に配置された、前記回転軸の歪を検出するコイルを巻回した磁性リングを備えた磁歪式トルクセンサにおいて、
前記磁性リングは、前記中心軸に対して45°傾いてその円周方向に交互に配置された強磁性部と非磁性部とから形成され、
前記コイルは、前記強磁性部と前記非磁性部の傾斜方向と直交する方向に巻回することを特徴とする磁歪式トルクセンサを提供する。
前記磁性リングは、前記回転軸の張力方向の磁束変化を検出するために、前記回転軸の張力方向に傾斜してその円周方向に交互に配置された張力検出用強磁性部と張力検出用非磁性部とから形成された第1の磁性リングと、前記回転軸の圧縮方向の磁束変化を検出するために、前記回転軸の圧縮方向に傾斜してその円周方向に交互に配置された圧縮検出用強磁性部と圧縮検出用非磁性部とから形成された第2の磁性リングとを含み、
前記コイルは、前記第1の磁性リングに圧縮方向に傾斜して巻回された第1のコイルと、前記第2の磁性リングに張力方向に傾斜して巻回された第2のコイルとを含むことを特徴とする。
前記磁性リングは、前記非磁性部の面積が前記強磁性部の面積よりも小さいことを特徴とする。
前記磁性リングは、前記非磁性部の位置で、前記非磁性部の傾斜方向に沿って、2分割された半円筒磁心を含むことを特徴とする。
前記2分割された半円筒磁心にそれぞれコイルを独立して巻回することを特徴とする。
本発明の非接触磁歪式トルクセンサによると、回転軸に対して45°傾いたコイルにより発生する磁束が、強磁性部と非磁性部の傾き方向に集中するため、出力信号の感度を高くすることができる。また、該コイルは磁性リングの周囲に巻かれており回転軸に対して回転対称であるため、出力信号は回転軸の回転角度に依存することがない。即ち、回転軸の回転に伴う出力信号のゼロ点変動を小さくすることができる。
また、本発明によると、回転軸の張力方向に傾斜してその円周方向に交互に配置された張力検出用強磁性部と張力検出用非磁性部とから形成された第1の磁性リングに圧縮方向に傾斜して巻回された第1のコイルと、回転軸の圧縮方向に傾斜してその円周方向に交互に配置された圧縮検出用強磁性部と圧縮検出用非磁性部とから形成された第2の磁性リングに張力方向に傾斜して巻回された第2のコイルとを含むため、回転軸の張力方向及び圧縮方向の磁束変化を検出することができる。
また、本発明によると、磁性リングは、前記非磁性部の面積が前記強磁性部の面積よりも小さいため、コイルの検出感度を高くすることができる。
更に、本発明によると、トルクセンサは2つの半円筒磁心に分割されるため、容易に磁歪回転軸に装着することができる。
また、本発明によると、2分割された半円筒磁心にそれぞれコイルを独立して巻回するため、コイルの巻き方、検出回路の組み立て及び製造が容易である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の磁歪式トルクセンサの第1実施例を示す。この磁歪式トルクセンサは、磁歪特性を有する回転軸10と、回転軸10の軸Oに対して+45°傾いたコイル21(以下、単に「+45°コイル」と呼ぶ)が周囲に巻かれた磁性リング31とから構成され、+45°コイル21が周囲に巻かれた磁性リング31を回転軸10に通して同心状に配置した構造を有する。+45°コイル21が巻かれた磁性リング31は、回転軸10の軸Oに対して−45°傾いた非磁性部31a及び強磁性部31b(以下、それぞれ単に「−45°非磁性部」及び「−45°強磁性部」と呼ぶ)を併せ持つ複合磁性材料からなっており、図1に示すように、磁性リング31は−45°非磁性部31a及び−45°強磁性部31bを円周方向に交互に配置した構造を有する。ここで、−45°非磁性部31aは比透磁率が低いものが望ましく、−45°強磁性部31bは比透磁率が高いものが望ましい。また、−45°非磁性部31aと−45°強磁性部31bの個数は4から2N(N=2,3,4,…)である。また、+45°コイル21の検出感度を高くするため、−45°非磁性部31aの面積は−45°強磁性部31bの面積より小さいことが好ましい。
次に、本発明の磁歪式トルクセンサの動作原理について説明する。図2に示すように、軸方向Xから見て、図面で左側を反時計廻り方向に、図面で右側を時計廻り方向に力が働くように、回転軸10にトルクTが印加される。以下、この方向のトルクTを正方向とする。このとき、回転軸10の前側(紙面の表)から見て、回転軸10の+45°方向には圧縮力が、−45°方向には張力が加わることになる。この主応力σはトルクTに比例し、回転軸10の直径をDとすると、次式で与えられる。
σ=16T/(πD) (1)
このとき、回転軸10が磁歪効果を持っていれば、主応力σにより、軸磁気異方性Kuが誘起される。
Ku=2・(3/2)λsσ=48λsT/(πD) (2)
ここで、λsは回転軸10の飽和磁歪定数である。この軸磁気異方性Kuによって、+σ方向は磁化容易方向、−σ方向は磁化困難方向となり、静磁エネルギーの関係から、磁化容易方向+σ方向の比透磁率は増加し、逆に磁化困難方向−σ方向の比透磁率は減少する。従って、磁化困難方向−σ方向(圧縮力方向)に傾くコイルに電流を流すと、コイルにより形成する磁束は磁化容易方向+σ方向(張力方向)に傾いて張力方向の比透磁率が高くなるので、張力方向の磁束を減少させる方向に感応電流が流れ、感応電流によって感応電圧が誘起されるため、このコイルのインダクタンスは大きくなる。逆に、磁化容易方向+σ方向(張力方向)に傾くコイルに電流を流すと、コイルにより形成する磁束は、磁化困難方向−σ方向(圧縮力方向)に傾いて圧縮力方向の比透磁率が小さくなるので、圧縮力方向の磁束を増加させる方向に感応電流が流れ、感応電流によって感応電圧が誘起されるため、このコイルのインダクタンスは小さくなる。
図1及び2に示すように、磁性リング31は、−45°非磁性部31a及び−45°強磁性部31bを併せ持つ複合磁性材料からなっており、−45°非磁性部31a及び−45°強磁性部31bを円周方向に交互に配置した構造を有する。+45°コイル21は、磁性リング31の周囲に、回転軸10の軸Oに対して+45°傾いて、−45°非磁性部31a及び−45°強磁性部31bに直交して巻かれている。従って、+45°コイル21に電流Iを流したとき+45°コイル21により発生する磁束Φは磁性リング31の−45°非磁性部31a(非磁性部31aは−45°方向に弱く磁化される)及び−45°強磁性部31bを通るため、図2に示すように磁束Φは強制的に回転軸10の軸Oに対して−45°傾いて回転軸10を通る。よって、回転軸10を通る磁束Φは磁化容易方向+σ方向(張力方向)に集中して張力方向の比透磁率が大きくなるため、+45°コイル21のインダクタンスは大きくなる。
図3は、上述した+45°コイル21の電気特性から磁歪回転軸10に印加されるトルクを検出するための検出回路である。+45°コイル21と、3つの抵抗器R、R、R(R=R=R=10Ω)を用いて、図3に示すようなブリッジ回路を構成する。そして、直列接続された+45°検出コイル21と抵抗器R、直列接続抵抗器RとRとの両端に回路を駆動する発振器70を接続し、+45°検出コイル21と抵抗器Rの間、及び直列接続抵抗器RとRの間に、トルク印加時にブリッジ回路から発生する差動信号を検出・増幅して出力するロックイン増幅器80を接続する。
次に、図3の検出回路の動作について説明する。発振器70から発生する高周波数電流Iが抵抗器Rと+45°検出コイル21に流入し、抵抗器Rと抵抗器Rから流出する。トルクが印加されていないとき、検出回路が平衡状態になるようにゼロ点調整を行う。図2に示すように、正トルクTが印加されるとき、+45°検出コイル21のインダクタンスLがΔL増加し、ロックイン増幅器80からの出力Vは正方向に増加する。それに対して、負トルクが印加されるとき、+45°検出コイル21のインダクタンスLがΔL減少し、ロックイン増幅器80からの出力Vは負方向に減少する。これより、トルクTの方向及び大きさが検出される。
図3の検出回路によれば、+45°コイル21と3つの抵抗器R、R、Rのブリッジ回路のバランスをとることにより、更に、ロックイン増幅器80により雑音が除去されるため、安定した精確なゼロ点調整を容易に行うことができるとともに、出力電圧の感度を高くすることができる。
さらに、上述した磁歪式トルクセンサの構造によれば、+45°コイル21により発生する磁束Φが−45°方向に集中するため、出力信号の感度を高くすることができる。また、+45°コイル21は磁性リング31の周囲に巻かれており磁歪回転軸10に対して回転対称であるため、出力信号は磁歪回転軸10の回転角度に依存することがない。即ち、磁歪回転軸10の回転に伴う出力信号のゼロ点変動を小さくすることができる。
なお、上述の第1実施例では、検出コイルが回転軸10の軸Oに対して+45°傾き、磁性リングの非磁性部及び強磁性部が回転軸10の軸Oに対して−45°傾くとしたが、逆に、検出コイルが回転軸10の軸Oに対して−45°傾き、磁性リングの非磁性部及び強磁性部が回転軸10の軸Oに対して+45°傾くとしても良い。
図4は、本発明の磁歪式トルクセンサの第2実施例を示す。第2実施例の磁歪式トルクセンサは磁歪特性を有する回転軸10を有するが、第1実施例と相違して、回転軸10の軸Oに対して+45°傾いたコイル21(以下、単に「+45°コイル」と呼ぶ)が周囲に巻かれた磁性リング31と、回転軸10の軸Oに対して−45°傾いたコイル22(以下、単に「−45°コイル」と呼ぶ)が周囲に巻かれた磁性リング32とをそれぞれ回転軸10の両端部に通して回転軸10に同心状に配置する。更に、1つの磁性リング31は、回転軸10の軸Oに対して−45°傾いた非磁性部31a及び強磁性部31b(以下、それぞれ単に「−45°非磁性部」及び「−45°強磁性部」と呼ぶ)を併せ持つ複合磁性材料からなっており、図4に示すように、磁性リング31は−45°非磁性部31a及び−45°強磁性部31bを円周方向に交互に配置した構造を有する。また、もう1つの磁性リング32は、回転軸10の軸Oに対して+45°傾いた非磁性部32a及び強磁性部32b(以下、それぞれ単に「+45°非磁性部」及び「+45°強磁性部」と呼ぶ)を併せ持つ複合磁性材料からなっており、図4に示すように、磁性リング32は+45°非磁性部32a及び+45°強磁性部32bを円周方向に交互に配置した構造を有する。ここで、−45°非磁性部31a及び+45°非磁性部32aは比透磁率が低いものが望ましく、−45°強磁性部31b及び+45°強磁性部32bは比透磁率が高いものが望ましい。また、−45°非磁性部31aと−45°強磁性部31b、及び+45°非磁性部32aと+45°強磁性部32bの個数は4から2N(N=2,3,4,…)である。また、+45°コイル21と−45°コイル22の検出感度を高くするため、−45°非磁性部31a及び+45°非磁性部32aの面積はそれぞれ−45°強磁性部31b及び+45°強磁性部32bの面積より小さいことが好ましい。
次に、図5を参照して、図4の磁歪式トルクセンサの動作について説明する。+45°コイル21に電流Iを流すと+45°コイル21により発生する磁束Φは磁性リング31の−45°非磁性部31a(非磁性部31aは−45°方向に弱く磁化される)及び−45°強磁性部31bを通るため、図5に示すように磁束Φは強制的に回転軸10の軸Oに対して−45°傾いて回転軸10を通る。よって、回転軸10を通る磁束Φは磁化容易方向+σ方向(張力方向)に集中して張力方向の比透磁率が大きくなるため、+45°コイル21のインダクタンスは大きくなる。同様に、−45°コイル22に電流Iを流すと−45°コイル22により発生する磁束Φは磁性リング32の+45°非磁性部32a(非磁性部32aは+45°方向に弱く磁化される)及び+45°強磁性部32bを通るため、図5に示すように磁束Φは強制的に回転軸10の軸Oに対して+45°傾いて回転軸10を通る。よって、回転軸10を通る磁束Φは磁化困難方向−σ方向(圧縮方向)に集中して圧縮方向の比透磁率が小さくなるため、−45°コイル22のインダクタンスは小さくなる。
図6は、上述した第2実施例の+45°コイル21と−45°コイル22の電気特性から磁歪回転軸10に印加されるトルクを検出するための検出回路である。+45°コイル21と−45°コイル22と、2つの抵抗器R、R(R=R=10Ω)を用いて、図6に示すようなブリッジ回路を構成する。そして、直列接続された+45°検出コイル21と抵抗器R、直列接続された−45°検出コイル22と抵抗器Rとの両端に回路を駆動する発振器70を接続し、+45°検出コイル21と抵抗器Rの間、及び直列接続された−45°検出コイル22と抵抗器Rの間に、トルク印加時にブリッジ回路から発生する差動信号を検出・増幅して出力するロックイン増幅器80を接続する。
次に、図6の検出回路の動作について説明する。発振器70から発生する高周波数電流Iが+45°検出コイル21と−45°検出コイル22に流入し、抵抗器Rと抵抗器Rから流出する。トルクが印加されていないとき、検出回路が平衡状態になるようにゼロ点調整を行う。図6に示すように、正トルクTが印加されるとき、+45°検出コイル21のインダクタンスLがΔL増加し、−45°検出コイル22のインダクタンスLがΔL減少し、ロックイン増幅器80からの出力Vは正方向に増加する。それに対して、負トルクが印加されるとき、+45°検出コイル21のインダクタンスLがΔL減少し、−45°検出コイル22のインダクタンスLがΔL増加し、ロックイン増幅器80からの出力Vは負方向に減少する。これより、トルクTの方向及び大きさが検出される。
図6の検出回路によれば、+45°コイル21と−45°コイル22と、2つの抵抗器R、Rのブリッジ回路のバランスをとることにより、更に、ロックイン増幅器80により雑音が除去されるため、安定した精確なゼロ点調整を容易に行うことができるとともに、出力電圧の感度を高くすることができる。
さらに、第2実施例の磁歪式トルクセンサの構造によれば、+45°コイル21と−45°コイル22により発生する磁束Φがそれぞれ−45°方向と+45°方向に集中するため、出力信号の感度を高くすることができる。また、+45°コイル21と−45°コイル22はそれぞれ磁性リング31と32の周囲に巻かれており磁歪回転軸10に対して回転対称であるため、出力信号は磁歪回転軸10の回転角度に依存することがない。即ち、磁歪回転軸10の回転に伴う出力信号のゼロ点変動を小さくすることができる。
図7(a)は、磁歪特性を有する回転軸10の軸O(図示せず)に対して+45°傾いたコイル21(以下、単に「+45°コイル」と呼ぶ)がそれぞれに巻かれた半円筒磁心ペア41、41を磁歪回転軸10に装着した本発明の磁歪式トルクセンサの第3実施例を示す。ここで、各半円筒磁心41、41は、磁歪特性を有する回転軸10の軸O(図示せず)に対して−45°傾いた非磁性部41a及び強磁性部41b(以下、それぞれ単に「−45°非磁性部」及び「−45°強磁性部」と呼ぶ)を併せ持つ複合磁性材料からなる。図7(b)は、(a)の−45°非磁性部41aにおける−45°切断部41Aを含む半円筒磁心ペア41、41の軸に垂直な方向から見た部分拡大平面図である。第3実施例では、第1実施例と相違して、磁性リングを、切断部41Aで示すように、切断方向が−45°非磁性部41aと−45°強磁性部41bの傾く方向と同じであるように、その直径上の−45°非磁性部41aで2つの半円筒磁心41,41に分割する。+45°コイル21は、2つの半円筒磁心41,41のそれぞれに、その一方の切断端面の45°の角の所から、−45°非磁性部41a及び−45°強磁性部41bに直交して、他方の切断端面の45°の角の所まで巻く。そして、2つの半円筒磁心41,41を磁歪回転軸10の周囲に同心状に緊密に対向配置して、磁歪式トルクセンサを構成する。
なお、図7の磁歪式トルクセンサの動作原理については、図2で説明した動作原理と同様であるので説明は省略する。
図8は、上述した第3実施例の2つの+45°コイル21,21の電気特性から磁歪回転軸10に印加されるトルクを検出するための検出回路である。2つの+45°コイル21,21と、2つの抵抗器R、R(R=R=10Ω)を用いて、図8に示すようなブリッジ回路を構成する。そして、2つの直列接続された+45°コイル21,21、直列接続抵抗器RとRとの両端に回路を駆動する発振器70を接続し、直列接続された2つの+45°コイル21の間、及び直列接続抵抗器RとRの間に、トルク印加時にブリッジ回路から発生する差動信号を検出・増幅して出力するロックイン増幅器80を接続する。
次に、図8の検出回路の動作について説明する。発振器70から発生する高周波数電流Iが上側の+45°検出コイル21と抵抗器Rに流入し、下側の+45°検出コイル21と抵抗器Rから流出する。トルクが印加されていないとき、検出回路が平衡状態になるようにゼロ点調整を行う。図8に示すように、正トルクTが印加されるとき、上側の+45°検出コイル21のインダクタンスLがΔL増加し、下側の+45°検出コイル21のインダクタンスLがΔL減少し、ロックイン増幅器80からの出力Vは正方向に増加する。それに対して、負トルクが印加されるとき、上側の+45°検出コイル21のインダクタンスLがΔL減少し、下側の+45°検出コイル21のインダクタンスLがΔL増加し、ロックイン増幅器80からの出力Vは負方向に減少する。これより、トルクTの方向及び大きさが検出される。
図8の検出回路によれば、2つの+45°コイル21,21と、2つの抵抗器R、Rのブリッジ回路のバランスをとることにより、更に、ロックイン増幅器80により雑音が除去されるため、安定した精確なゼロ点調整を容易に行うことができるとともに、出力電圧の感度を高くすることができる。
さらに、第3実施例の磁歪式トルクセンサの構造によれば、2つの直列接続された+45°コイル21,21により発生する磁束Φが−45°方向に集中するため、出力信号の感度を高くすることができる。また、2つの直列接続された+45°コイル21,21は、第1実施例と同様に磁歪回転軸10に対してリング形軸回転対称検出コイルと同じ働きをするため、第1実施例と同様に磁歪回転軸10に対して回転対称であるため、出力信号は磁歪回転軸10の回転角度に依存することがない。即ち、磁歪回転軸10の回転に伴う出力信号のゼロ点変動を小さくすることができる。しかも、第3実施例の磁歪式トルクセンサは2つの半円筒磁心41,41に分割されるため、第1実施例に比較して容易に磁歪回転軸10に装着することができる。
図9は、本発明の磁歪式トルクセンサの第4実施例を示す。第4実施例では、第2実施例の磁性リング31及び32をそれぞれ、第3実施例のように、−45°切断部41A及び+45°切断部42Aで示すように、その直径上の−45°非磁性部41a及び+45°非磁性部42aの位置で、−45°非磁性部41a及び+45°非磁性部42aの傾き方向に沿って2つの半円筒磁心ペア41,41及び42,42に分割して、半円筒磁心41,41及び42,42のそれぞれに+45°コイル21,21及び−45°コイル22,22を巻回する。
なお、図9の磁歪式トルクセンサの動作原理については、図5で説明した動作原理と同様であるので説明は省略する。
図10は、上述した第4実施例の2つの+45°コイル21,21及び2つの−45°コイル22,22の電気特性から磁歪回転軸10に印加されるトルクを検出するための検出回路である。2つの+45°コイル21,21及び2つの−45°コイル22,22を用いて、図10に示すようなブリッジ回路を構成する。そして、2つの直列接続された+45°コイル21と21、2つの直列接続された−45°コイル22と22の両端に回路を駆動する発振器70を接続し、2つの直列接続された+45°検出コイル21と21の間、及び2つの直列接続された−45°コイル22と22の間に、トルク印加時にブリッジ回路から発生する差動信号を検出・増幅して出力するロックイン増幅器80を接続する。
次に、図10の検出回路の動作について説明する。発振器70から発生する高周波数電流Iが上側の+45°検出コイル21と−45°検出コイル22に流入し、下側の+45°検出コイル21と−45°検出コイル22から流出する。トルクが印加されていないとき、検出回路が平衡状態になるようにゼロ点調整を行う。図10に示すように、正トルクTが印加されるとき、左上側の+45°検出コイル21と右下側のと−45°検出コイル22のインダクタンスLがΔL増加し、左下側の+45°検出コイル21と右上側の−45°検出コイル22のインダクタンスLがΔL減少し、ロックイン増幅器80からの出力Vは正方向に増加する。それに対して、負トルクが印加されるとき、左上側の+45°検出コイル21と右下側の−45°検出コイル22のインダクタンスLがΔL減少し、左下側の+45°検出コイル21と右上側のと−45°検出コイル22のインダクタンスLがΔL増加し、ロックイン増幅器80からの出力Vは負方向に減少する。これより、トルクTの方向及び大きさが検出される。
図10の検出回路によれば、2つの+45°コイル21,21及び2つの−45°コイル22,22のブリッジ回路のバランスをとることにより、更に、ロックイン増幅器80により雑音が除去されるため、安定した精確なゼロ点調整を容易に行うことができるとともに、出力電圧の感度を高くすることができる。
さらに、第4実施例の磁歪式トルクセンサの構造によれば、2つの直列接続された+45°コイル21,21及び2つの直列接続された−45°コイル22,22により発生する磁束Φがそれぞれ−45°方向と+45°方向に集中するため、出力信号の感度を高くすることができる。また、2つの直列接続された+45°コイル21,21及び2つの直列接続された−45°コイル22,22は、第2実施例と同様に磁歪回転軸10に対してリング形軸回転対称検出コイルと同じ働きをするため、第2実施例と同様に磁歪回転軸10に対して回転対称であるため、出力信号は磁歪回転軸10の回転角度に依存することがない。即ち、磁歪回転軸10の回転に伴う出力信号のゼロ点変動を小さくすることができる。しかも、第4実施例の磁歪式トルクセンサは2つの半円筒磁心41,41及び42,42に分割されるため、第2実施例に比較して容易に磁歪回転軸10に装着することができる。更に、検出コイルの数は4つあるため、検出コイルのブリッジ回路の接続が容易であり、外部回路を要しないでブリッジ回路が組める。
本発明の磁歪式トルクセンサの第1実施例を示す。 図1の磁歪式トルクセンサの動作原理を示す模式図である。 図1の磁歪式トルクセンサにより、磁歪回転軸に印加されるトルクを検出するための検出回路である。 本発明の磁歪式トルクセンサの第2実施例を示す。 図4の磁歪式トルクセンサの動作原理を示す模式図である。 図4の磁歪式トルクセンサにより、磁歪回転軸に印加されるトルクを検出するための検出回路である。 (a)は、それぞれに+45°コイルが巻かれた半円筒磁心ペアを磁歪回転軸に装着した本発明の磁歪式トルクセンサの第3実施例を示す。(b)は、(a)の−45°非磁性部における−45°切断部を含む半円筒磁心ペアの軸に垂直な方向から見た部分拡大平面図である。 図7の磁歪式トルクセンサにより、磁歪回転軸に印加されるトルクを検出するための検出回路である。 本発明の第4実施例による、2つの半円筒磁心ペアを磁歪回転軸に装着した磁歪式トルクセンサの模式図である。 図9の磁歪式トルクセンサにより、磁歪回転軸に印加されるトルクを検出するための検出回路である。 (a)及び(b)はそれぞれ従来の磁歪式トルクセンサの概略図である。
符号の説明
10 磁歪回転軸
21 +45°コイル
22 −45°コイル
31、32 磁性リング
41、42 半円筒磁心
31a、41a −45°非磁性部
31b、41b −45°強磁性部
32a、42a +45°非磁性部
32b、42b +45°強磁性部
41A、42A 切断部
70 発振器
80 ロックイン増幅器

Claims (5)

  1. 中心軸の周りに回転する磁歪特性を有する回転軸と、前記回転軸の外周と所定の間隔を有しながら前記回転軸と同軸に配置された、前記回転軸の歪を検出するコイルを巻回した磁性リングを備えた磁歪式トルクセンサにおいて、
    前記磁性リングは、前記中心軸に対して45°傾いてその円周方向に交互に配置された強磁性部と非磁性部とから形成され、
    前記コイルは、前記強磁性部と前記非磁性部の傾斜方向と直交する方向に巻回することを特徴とする磁歪式トルクセンサ。
  2. 前記磁性リングは、前記回転軸の張力方向の磁束変化を検出するために、前記回転軸の張力方向に傾斜してその円周方向に交互に配置された張力検出用強磁性部と張力検出用非磁性部とから形成された第1の磁性リングと、前記回転軸の圧縮方向の磁束変化を検出するために、前記回転軸の圧縮方向に傾斜してその円周方向に交互に配置された圧縮検出用強磁性部と圧縮検出用非磁性部とから形成された第2の磁性リングとを含み、
    前記コイルは、前記第1の磁性リングに圧縮方向に傾斜して巻回された第1のコイルと、前記第2の磁性リングに張力方向に傾斜して巻回された第2のコイルとを含むことを特徴とする請求項1記載の磁歪式トルクセンサ。
  3. 前記磁性リングは、前記非磁性部の面積が前記強磁性部の面積よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2記載の磁歪式トルクセンサ。
  4. 前記磁性リングは、前記非磁性部の位置で、前記非磁性部の傾斜方向に沿って、2分割された半円筒磁心を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁歪式トルクセンサ。
  5. 前記2分割された半円筒磁心にそれぞれコイルを独立して巻回することを特徴とする請求項4記載の磁歪式トルクセンサ。
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