JP4301942B2 - 過敏性疾患におけるil−18阻害剤の使用 - Google Patents

過敏性疾患におけるil−18阻害剤の使用 Download PDF

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Description

本発明はアレルギーの分野にある。より具体的には、本発明は、過敏性疾患、とりわけ人体の遅延型過敏症反応に関連する疾患の治療および/または予防のためのIL−18の阻害剤の使用に関する。
アレルギーまたは過敏症という用語は、適応的免疫応答が不適切な形態で生じる場合に適用される。アレルギー反応または過敏性反応は、本来有益な免疫応答が外来抗原(通常環境巨大分子)に対して不適当に作用する結果であり、時に炎症反応および組織損傷を引き起こす。このような状況において、アレルゲンと呼ばれる本来無害な環境刺激が免疫応答を誘導し、再度さらされると活性化され病的損傷を生じる。
過敏症反応は、外来性抗原に対する有害な免疫学的反応である。過敏症には多くの分類が存在する。そのいくつかは、抗原にさらされたのちに症状または皮膚試験反応が現れるまでの時間に(たとえば、即時型過敏症および遅延型過敏症)、抗原の種類に(たとえば、薬物反応)、または関与する器官に基づく。分類は、通常簡略化され過ぎており、1つ以上の型の免疫応答が起こり得ること、または1より多くの型が免疫学的損傷を生み出すために必要とされ得ることを考慮していない。最も広く使用されている分類は以下のものである。
I型または即時型過敏症は、IgEに媒介される。それはまた、一般的なアレルギーとも呼ばれる。即時型過敏症(I型)反応は、抗原と肥満細胞または好塩基球上のIgEとの間の結合による。
I型過敏症反応を伴う疾患はアトピー性疾患とも呼ばれ、それらは、たとえばアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性外因性喘息、蕁麻疹、全身性アナフィラキシーなどを含む。喘息の発症率は、その原因がほとんど不明であるにもかかわらず、目に見えて増加している。最近、I型反応の際立った増加が、ゴム製品(たとえば、ゴム手袋、歯科用ダム、コンドーム、呼吸装置用チュービング、カテーテル)などにおける水溶性タンパク質への暴露に関連して、特にゴムに触れる医療関係者や患者、および脊椎披裂や泌尿生殖器の先天性異常を患っている子供の間で注目されている。ラテックスに対するよく知られた反応は、蕁麻疹、血管浮腫、結膜炎、鼻炎、気管支痙攣、およびアナフィラキシーである。
アトピー性疾患(アトピー性皮膚炎を含む)の患者は、通常、吸い込んだり摂取したりした物質(アレルゲン)(アトピーでないヒトに対しては無害である)に対しIgE抗体−媒介過敏症を発症することに対し遺伝的素因を有する。アトピー性皮膚炎以外は、IgE抗体が通常過敏症を仲介する。
II型または細胞傷害性過敏症は、抗体、補体および/または細胞性機序によって媒介される細胞溶解作用を伴う。II型反応における標的は、細胞表面であり、その結果は細胞損傷かまたは細胞死である。細胞に結合した抗原に対する抗体(II型)は、補体を活性化し、食細胞活動を促進することによって細胞の破壊を引き起こす。抗体が細胞の抗原成分と反応する細胞傷害の例は、クームス陽性溶血性貧血、抗体誘導血小板減少性紫斑病、白血球減少症、天疱瘡、類天疱瘡、グットパスチャー症候群、および悪性貧血である。これらの反応は、不適合輸血を受けた患者、新生児溶血性疾患、および新生児血小板減少症において生じる。そして、それらはまた、多重全身性過敏性疾患(multisystem hypersensitivity diseases)(たとえば、全身性エリテマトーデスすなわちSLEなど)においても役割を果たし得る。
損傷の機序は、赤血球細胞への作用によって最も良く説明されている。溶血性貧血において、赤血球細胞は、血管内溶血反応またはマクロファージ食作用のいずれかによって、大部分は脾臓内において破壊される。インビトロ研究において、補体の存在下、いくつかの補体結合抗体(たとえば、血液型抗体、抗−Aおよび抗−B)が急速な溶血を引き起こすことが示されている。その他のもの(たとえば、抗LE抗体)は、ゆっくりとした細胞溶解を引き起こし;さらに別のものは、直接細胞を傷つけるのではなく、細胞の食細胞への付着を誘導し、食細胞による破壊を引き起こす。対して、赤血球細胞上のRh抗体は、補体を活性化せず、大部分は管外での食作用により細胞を破壊する。抗原が組織の成分である例としては、血管内皮に対する抗体の存在による移植された腎臓の初期急性(超急性)拒絶反応や、糸球体および肺胞基底膜内皮(alveolar basement membrane endothelium)と抗体との反応によるグットパスチャー症候群があげられる。実験的グットパスチャー症候群においては、補体は損傷の重要な媒介体であるが、補体の役割は初期急性拒絶反応においては明確に定義されていない。
ハプテンの細胞または組織との結合に起因する反応の例としては、多くの薬物過敏症反応(たとえば、ペニシリン誘発溶血性貧血、以下参照)があげられる。
抗受容体過敏症反応は、膜受容体への抗体の結合の結果として、細胞の機能を変化させる。多くの疾患(たとえば、重症筋無力症、グレーブス病(Graves' disease)、インスリン抵抗性糖尿病)において、細胞膜受容体に対する抗体が報告されている。極度のインスリン抵抗性を有するある糖尿病患者では、インスリン受容体に対する抗体が示され、したがって、インスリンの受容体への結合を妨げていることが報告されている。グレーブス病の患者においては、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体に対する抗体が、TSHのその受容体への作用を刺激し、結果、甲状腺機能亢進症を生じるものとして確認されている。
III型の機序は、主に、抗原との免疫複合体を形成する抗体に関係している。循環複合体は補体を活性化させ、赤血球細胞に結合し(赤血球はその後脾臓において貪食される)、循環から離れ、そして組織空間において炎症(アルサス(Arthus)反応)を引き起こす。または循環複合体は、抗原を提示し、サイトカインを放出し、そしてB細胞およびT細胞を活性化するマクロファージにより貪食される。IgE、IgA、IgGおよびIgMはすべて抗原と複合体を形成する。III型反応は、免疫複合体の組織、特に皮膚、間接および腎臓への沈着により生じる。慢性免疫複合体腎炎は、ヒトにおける糸球体腎炎のほとんどのケースを占める。免疫複合体(ICs)がある役割を果たすと思われる症状は、血清、薬物またはウイルス性肝炎抗原による血清病;全身性エリテマトーデス;リウマチ性関節炎;多発性関節炎;クリオグロブリン血症;過敏性肺炎;気管支肺アスペルギルス症;急性糸球体腎炎;慢性増殖性糸球体腎炎;および関連腎疾患である。気管支肺アスペルギルス症、薬物誘発または血清誘発血清病、および腎疾患のいくつかの形態においては、IgE媒介反応がIII型反応に先行すると考えられている。
III型反応の標準動物モデルは、局所的アルサス反応および実験的血清病である。アルサス反応(典型的な局所皮膚反応)では、動物は、多量の循環性IgG抗体を誘導するために最初に過剰免疫化され、ついで少量の抗原が皮内に投与される。高度に炎症性で、浮腫状で、痛い局所病変が現れ(4〜6時間までに)、多くの多形核細胞を含む無菌性膿瘍に、そののち組織壊死に進行し得るように、抗原は過剰のIgGにより沈殿し、補体を活性化する。閉塞細動脈内腔を伴う壊死性血管炎は、顕微鏡によって見ることができる。抗体が既に存在するので、反応は遅滞なく進行する。
I、IIおよびIII型反応は、抗体により引き起こされる。IV型反応は、T−リンパ球により引き起こされる。
細胞介在性反応を伴うIV型過敏症は、通常、発症まで12時間以上かかり、活性化免疫細胞ネットワークに基づく。炎症は基本的な組織パターンであり、慢性炎症性疾患がその結果となり得る。IV型過敏症はまた、遅延型過敏症(IV型)すなわちDTHとも呼ばれる。反応はインターロイキン−2、インターフェロン−γおよびT−リンパ球により放出される他のサイトカインによって媒介される。DTHでは、T−リンパ球は抗原と反応し、インターロイキン−9、インターフェロン−γなどのサイトカインを放出する。一旦T細胞が最初の暴露により感作されると、2回目の攻撃ののち遅延型過敏症反応、すなわち臨床的に発症するまで2〜3日かかる局所的炎症応答が起こる。組織学的には、これらの反応は、T−リンパ球、マクロファージおよび時には好酸球の浸潤からなる。実験的には、DTHはT−リンパ球によって移動され得るが、血清によっては移動され得ない。すなわち、抗体は関与していない。
DTHは、ウイルス、真菌およびある種の細菌、とりわけヒト結核菌(Mycobacteriumtuberculosis)およびらい菌(Mycobacterium leprae)による感染に対する正常な細胞介在性免疫応答に起因し得る。マクロファージが取り込まれた生物を破壊することが出来ない場合、それらは上皮細胞または多核性巨細胞に分化され得る。これらの細胞の堆積(collection)は肉芽腫を形成する。局所的組織損傷は、この好ましからざる副作用であり、そうでなければ保護的免疫応答である。しかしながら、DTH応答が欠けているか、または損なわれている場合、T−リンパ球は侵入する微生物を局在化することは出来ず、患者は急性結核などの侵襲性攻撃性播種性疾患(invasive aggressive disseminated disease)を発症する。
職業性抗原などの抗原に対する接触性皮膚炎もまたIV型反応である。これを引き起こす薬物は、通常比較的低分子量(<1kD)であり、単独で免疫原性はないが、それらは、皮膚または組織タンパク質に共有結合する非常に反応性の高い分子である。感作化学物質は、ハプテンとして知られ、それが結合するホストタンパク質は、キャリアーとして知られる。可能性のある感作抗原の範囲は広い。病因の2つの局面、誘導期(induction phase)と誘発期(elicitation phase)が認識されている。誘導期においては、ランゲルハンス細胞として知られる皮膚の抗原提示細胞が、ハプテン−キャリアータンパク質複合体に結合し、MHCクラスII抗原と関連してT−リンパ球にそれを提示する。T−細胞の誘導は少量の抗原に何ヵ月もさらされた後に生じる。当該抗原への再暴露が誘発期を引き起こし、エフェクター細胞が皮膚に移動し、上皮においてランゲルハンス細胞により提示されたタンパク質複合体に接触し、その結果、サイトカインの放出および皮膚の炎症が生じる。加害薬物の診断は、パッチテストによってなされる。疑わしい接触性感作物質を患者の背中に塗布し、48時間覆う。反応部位を、2時間および24時間後に検査する。陽性応答では、テスト部位において炎症や硬結が見られる。
遅延型過敏症はまた、移植された試験器官の拒絶を測定する重要な機序でもある。
IV型反応が重要なものであると信じられているいくつかの臨床的症状は、接触性皮膚炎、過敏性肺炎、同種移植反応、細胞内微生物による肉芽腫、薬物過敏症のいくつかの形態、甲状腺炎、および狂犬病ワクチン接種後の脳脊髄炎である。最後の2つの証拠は、実験的モデルに基づき、ヒト疾患においては、甲状腺および脳の炎症性滲出液におけるリンパ球の出現に基づいている。
皮膚炎はまた湿疹とも呼ばれる。それは表面的な皮膚の炎症に関連しており、組織学的には表皮浮腫により、臨床学的には水疱(急性の場合)、縁のない赤み(poorly marginated redness)、浮腫、ジクジクした状態、かさぶた、鱗屑付着、通常痒み、および掻いたり、こすったりにより生じる苔鮮化により特徴付けられる。
多くの場合、湿疹は水疱性皮膚炎を示すが、時には、その用語は湿疹が慢性皮膚炎を意味するように制限される。海綿状態(表皮内浮腫)が組織学的特徴なので、一部の人々は皮膚炎を海綿状皮膚炎(spongiotic dermatitis)とも言う。
接触性皮膚炎は、急性または慢性炎症であり、たいていは非対称もしくは奇妙な形で、皮膚に接触し、中毒(刺激)反応もしくはアレルギー反応を引き起こす物質により形成される。
過敏症反応の診断は、関連する反応の型に依存する。
IV型反応は、炎症反応が血管周囲のリンパ球およびマクロファージにより組織学的に特徴付けられる場合に疑われ得る。遅延型過敏症皮膚テストおよびパッチテストは、最も手軽に利用できる遅延型過敏症をテストする方法である。
接触性皮膚炎の悪化を防ぐために、接触性皮膚炎が治ったあとにパッチテストが行なわれる。疑わしいアレルゲン(妥当な濃度で)を皮膚に塗布し、吸収性のない接着パッチを被せ48時間置く。熱傷(burning)や痒みが早く現れた場合はパッチを取り外す。陽性テストは、いくつかの硬結による紅斑、および時には水疱形成からなる。ある反応は、パッチを外す後まで現れないので、その部位を72時間後および96時間後に再検査する。
過敏症はまた、薬物に対する反応としても生じる。薬物に対する所定の反応に帰する前に、プラシーボも、皮膚の発疹などの多種多様の症状および他感覚徴候でさえ引き起こし得るということに目を向けるべきである。そうは言うものの、真の薬物反応は、主要な医薬的問題となっている。
薬物不耐性では、有害反応が薬物の最初の使用時に発生する。それは、普通は高い投与量で予想されるのと同じ中毒反応か、または、一般的な温和な副作用の拡大したものでもあり得る(たとえば、抗ヒスタミン性鎮痛作用など)。特異体質は、薬物の最初の使用時の有害反応が予想外で極めて稀な症状である。
薬物に対するアレルギー反応の特徴は患者が薬物(必ずしも治療に必要でない)に、問題なく1回以上曝された後にのみ生じるIgE媒介反応を含む。一旦過敏症が発症すると、反応は、治療的な量より非常に低い投与量、通常、特異的反応(idiosyncratic reactions)が起こる濃度以下で起こり得る。臨床的特徴は、それらの発現中に制限される。薬物の治療中に現れる皮膚の発疹(特に蕁麻疹)、血清病様の症状、突発発熱、アナフィラキシー、および好酸球性肺疾患は、通常過敏症;いくつかのケースの貧血、血小板減少症または顆粒球減少症によるものである。例外的に、血管炎は、薬物(たとえば、スルホンアミド、ヨウ化物、ペニシリン)への繰り返しの暴露後に発症し、間質性腎炎(たとえば、メチシリン)および肝臓障害(たとえば、ハロタン)が、特異的過敏症の発症と呼応した状況において報告されている。
薬物過敏症の最も深刻な例は、アナフィラキシーである。しかし、最も良く知られた薬物反応は、間違いなく麻疹状の発疹であり、これも病因が不明である。熱と蕁麻疹反応も比較的良く知られた薬物アレルギーの結果である。動物の血清が治療に使用されていたときは、血清病が合併症であったが、今日では動物の血清はめったに使用されない。高濃度の循環性IgG抗体を伴わず、通常IgE抗体に関連する未知の病因による深刻な血清病の症状は、特にペニシリンなどの薬物によって生じ得る。
薬物過敏症反応は、タンパク質、および大きなポリペプチド薬物の、直接的な免疫メカニズムによる特異的抗体産生を刺激する能力に基づく。おそらく、抗原性を有する可能性のある最も小さい分子は、分子量約3500のグルカゴンである。ほとんどの薬物分子はもっと小さく、単独では抗原として作用できない。しかしながら、ハプテンとして、いくつかはタンパク質に結合し、そして得られた共役体がその薬物に特異的な抗体産生を刺激する。その薬物およびその代謝物は、化学的にタンパク質と反応する。多くの薬物に共通する血清タンパク質結合は非常に弱く、抗原性に対しては強度が不充分である。
特異的免疫反応は、ベンジルペニシリンに対してのみ決定されている。この薬物は、組織または血清タンパク質に抗原性複合体を形成するために充分なほど強固に結合しないが、その主要な代謝物であるベンジルペニシリン酸は、組織タンパク質と結合してペニシリンの主要な抗原決定基であるベンジルペニシロイル(benzylpenicilloyl)(BPO)を形成できる。いくつかの副次的な抗原決定基は、あまり定義されていない機序によって比較的少量形成される。過敏症反応(I、II、III、IV)は、たいていBPO決定基に関係している。副次的決定基に対するIgE抗体がアナフィラキシーおよび蕁麻疹の原因であると考えられる患者もいる。IgG抗体は、主要な決定基に対して検出されているが副次的決定基に対しては検出されていない。それらは、BPOへの反応を改変するまたはさらに妨害する、BPOに対する「遮断抗体」として作用することができるが、一方、副次的決定基に対する遮断IgG抗体の欠如は、これらの決定基のアナフィラキシーを誘導する能力を説明し得る。
半合成ペニシリン(たとえば、アモキシリン、カルベニシリン、チカルシリンなど)はすべて、潜在的にペニシリンと交差反応する。故に、ペニシリン感受性患者はしばしばそれらにも同様に反応する。交差反応は、かなり低い程度で、セファロスポリンにより生じる。セファロスポリンによる治療は、患者がペニシリンに対する深刻な反応(たとえばアナフィラキシー)の病歴を持っている場合、非常に慎重に開始されるべきである。
血液学的抗体媒介(細胞傷害性、II型)薬物反応は、3つの機序のいずれかにより発症し得る。ペニシリン誘発性貧血では、抗体は、赤血球細胞膜に強固に結合されるハプテンと反応し、凝集および赤血球細胞の破壊の増加引き起こす。スチボフェンおよびキニジン誘発性血小板減少症では、薬物はその特異的抗体と可溶性複合体を形成する。ついで、その複合体は、すぐ近くの血小板(「無害傍観者(innecent bystander)」的標的細胞)と反応し、補体を活性化する。その補体は単独で血小板膜上に留まり細胞溶解を誘導する。他の溶血性貧血では、薬物(たとえばメチルドーパ)が、赤血球細胞表面を化学的に変化させ、それにより通常Rh特異性である自己抗体を誘導してそれと反応する抗原を露出させるようである。
毒性−特異体質およびアナフィラキシー反応は、有害薬物が通常容易に同定されるほど、種類的に時間的に充分に独特である。血清病型の反応は、ほとんどの場合ペニシリンによるが、場合によってはスルホンアミド、ヒドララジン、スルホニルウレアまたはチアジドが原因となる。光感受性は、クロルプロマジン、石鹸中の特定の防腐剤、スルホンアミド、ソラレン、デメクロサイクリン、およびグリセオフルビンの特徴である。絶対的に不可欠であると判断されたもの以外の薬物はすべて停止すべきである。薬物熱が疑われる場合、最も可能性のある薬物が停止される(たとえば、アロプリノール、ペニシリン、イソニアジド、スルホンアミド、バルビツレート、キニジン)。48時間以内で強い熱の減少が起これば、その薬物が原因であることが示唆される。熱が顆粒球減少を伴う場合、アレルギーよりも薬物中毒である可能性が高く、はるかに深刻である。
薬物に対するアレルギー性肺反応は、通常浸潤性であり、好酸球増加を伴う。これらは、中でも金塩、ペニシリンおよびスルホンアミドにより引き起こされ得る。急性浸潤性肺反応の最も良く知られた原因は、ニトロフラントインである。これは、おそらくアレルギーであり、通常好酸球性ではない。
肝臓の反応は、主に胆汁鬱帯性(colestatic)(フェノチアジンおよびエリスロマイシンエストレートが最も頻繁に関与している)であるか、または肝細胞性(アロプリノール、ヒダントイン、金塩、イソニアジド、スルホンアミド、バルプロ酸およびそのほかの多く)である。通常のアレルギー性腎反応は、間質性腎炎であり、最も良く知られているものはメチシリンによるものであり、他の抗菌薬およびシメチジンもまた関係している。
全身性エリテマトーデスに類似した症候群は、いくつかの薬物、最も良く知られたものではヒドララジンおよびプロカインアミドによるものである。その症候群は、抗核抗体に対する試験が陽性で比較的良性であり、腎臓とCNSには障害を起こさない。ペニシルアミン(penicillamine)は、SLEや他の自己免疫疾患、とりわけ重症筋無力症を引き起こし得る。
1989年に、マウスの脾臓細胞から得られたインターフェロン−γ(IFN−γ)を誘導するエンドトキシン誘導血清の活性が記載された(Nakamura et al., 1989)。この血清の活性は、直接的なIFN−γの誘導物質としてではなく、むしろIL−2またはマイトジェンとともに共刺激剤として作用した。エンドトキシン後のマウス血清から活性を精製しようとする試みにより、明らかに均質な50〜55kDaのタンパク質であることが示された。ほかのサイトカインはIFN−γ産生に対して共刺激剤として作用することができるので、IL−1、IL−4、IL−5、IL−6またはTNFに対する中和抗体がその血清の活性を中和できないということにより、それが別の因子であることが示唆された。1995年には、同科学者らによって、P.アクネス(P. acnes)で前処理されたマウス由来の肝臓の抽出物中に、IFN−γ産生に対するエンドトキシン誘導共刺激剤が存在することが証明された(Okamura et al., 1995)。このモデルにおいて肝臓のマクロファージ集団(クッパー細胞)は増加し、これらのマウスにおいては、低投与量の細菌のリポ多糖(LPS)(前処理されていないマウスでは致死ではない)で致死にいたる。IFN−γ誘導因子(IGIF)と名づけられ、のちにインターロイキン−18(IL−18)と呼ばれるその因子が、1,200グラムのP.アクネス処理されたマウスの肝臓から均質的に精製された。精製されたIL−18のアミノ酸配列から誘導された変性オリゴヌクレオチドは、マウスIL−18cDNAをクローン化するために使用された。IL−18は、157アミノ酸の18〜19kDaタンパク質であり、データベースに存在するいかなるペプチドとも明らかな類似性を有しない。IL−18およびインターロイキン−12(IL−12)のメッセンジャーRNAは、クッパー細胞および活性化マクロファージにおいて容易に検出された。組換えIL−18は、おそらく別の経路を介して、IL−12より強力にIFN−γを誘導する(Micallef et al., 1996)。エンドトキシン誘導血清の活性と同様に、IL−18は単独ではIFN−γを誘導しないが、主にマイトジェンまたはIL−2との共刺激剤として機能する。IL−18は、明らかにIL−2依存経路によりT細胞の増殖を増強し、インビトロにおいてTh1サイトカイン産生を増強し、そしてIL−12と結合した場合、INF−γ産生を増強する点で相乗効果を示す(Maliszewski et al., 1990)。
マウスフォームのクローニング後、IL−18に対するヒトcDNA配列は1996年に報告された(Ushio et al., 1996)。
影響を受けた組織からIL−18をクローニングし、IL−18遺伝子発現を研究することによって、自己免疫疾患とこのサイトカインとの密接な関連性が見出された。肥満でない糖尿病(non-obese diabetic)(NOD)のマウスは、シクロホスファミドの単回注射によって促進および同時進行され得る、自己免疫性インスリン炎および糖尿病に自然に進行する。IL−18mRNAは、初期段階のインスリン炎のNODマウスのすい臓における逆転写PCRによって明らかにされた。IL−18のmRNAのレベルは、シクロホスファミドの処理後、IFN−γのmRNAの増加に先行し急激に増加し、そののち糖尿病を発症した。興味深いことに、それらの動力学はIL−12−p40のmRNAの動力学と似ており、個々のmRNAレベルは密接に相関する。すい臓RNA由来のIL−18cDNAのクローニングとそれ続く配列決定により、クッパー細胞およびインビボにおける前活性化マクロファージからクローニングされたIL−18配列との同一性が明らかになった。また、NODマウスのマクロファージは、シクロホスファミドに応答してIL−18遺伝子を発現したが、並行して処理されたBalb/cマウス由来のマクロファージでは応答しなかった。したがって、IL−18の発現は、自己免疫性NODマウスにおいて異常に調節され、糖尿病の発症に密接に関連している(Rothe et al., 1997)。
IL−18は、Th1細胞におけるFasリガンドの機能的活性を増大させることによって、免疫調節または炎症において潜在的な役割を担っている(Conti et al., 1997)。IL−18はまた、副腎皮質において発現され、したがって、ストレスの多い経験の後で免疫系を調節する際に重要な役割を担う分泌型の神経−免疫モジュレーターであり得る(Chater, 1986)。
インビボにおいて、IL−18は、プロIL−18の切断によって形成され、その内因性の活性は、P.アクネスおよびLPSに仲介される致死性におけるIFN−γ産生を説明するように思われる。成熟IL−18は、IL−1β変換酵素(1L−1β−変換酵素、ICE、カスパーゼ−1)によって、その前駆体から産生される。
IL−18受容体は、リガンドの結合において共作用する、少なくとも2つの成分からなる。IL−18に対する高親和性および低親和性の結合部位がマウスIL−12に刺激されるT細胞において見出されたことにより(Yoshimoto et al., 1998)、多重鎖受容体複合体(multiple chain receptor complex)であることが示唆される。2つの受容体サブユニットはこれまでに同定され、どちらもIL−1受容体ファミリーに属している(Parnet et al., 1996)。IL−18のシグナル伝達はNF−κBの活性化に関与する(DiDonato et al., 1997)。
最近、IL−18に高い親和性を有する可溶性タンパク質がヒトの尿から単離され、ヒトおよびマウスのcDNAが記載された(Novick et al., 1999; 国際公開第99/09063号パンフレット)。そのタンパク質はIL−18結合タンパク質(IL−18BP)と呼ばれている。
IL−18BPは、既知のIL−18受容体の1つの細胞外ドメインではないが、分泌され、通常循環しているタンパク質である。IL−18BPは、分泌タンパク質の新しいファミリーに属する。さらに、そのファミリーは、IL−18BPに高い相同性を有する、ポックスウイルスにコードされるいくつかのタンパク質を含む(Novick et al., 1999)。IL−18BPは脾臓において構成的に発現され、免疫グロブリンスーパーファミリーに属し、IL−1のII型受容体にわずかな相同性を有する。IL−18BPの遺伝子はヒト染色体の11q13に位置し、8.3kbのゲノム配列中には膜貫通ドメインをコードするエクソンは見つかっていない(Novick et al., 1999)。
IL−18BPの4つのヒトアイソフォームと2つのマウスアイソフォームとは、mRNAスプライシングによって得られ、さまざまなcDNAライブラリーにおいて見出され、そして発現され、精製され、ついで結合およびIL−18の生物学的活性の中和に対して評価されてきた(Kim et al., 2000)。ヒトIL−18BPのアイソフォームa(IL−18BPa)は、急速な吸着速度、遅い離脱速度、および399pMの解離定数(K(d))により、IL−18に対する最も高い親和性を示した。IL−18BPcは、29のC末端アミノ酸を除いてはIL−18BPaのIgドメインを有し;IL−18BPcのK(d)は、10倍小さい(2.94nM)。それにもかかわらず、IL−18BPaおよびIL−18BPcは、2つのモル過剰で、95%を超えるIL−18を中和する。IL−18BPbおよびIL−18BPdアイソフォームは、完全なIgドメインを欠き、IL−18に対する結合能力または中和能力を欠く。マウスのIL−18BPcおよびIL−18BPdのアイソフォームは同一のIgドメインを有し、また、2つのモル過剰で、95%を超えるマウスIL−18を中和する。しかしながら、ヒトIL−18BPaと共通するC末端モチーフを有するマウスIL−18BPdはまた、ヒトIL−18を中和する。分子モデリングは、IL−18BPのIgドメインにおいて、多数の混合された静電気性および疎水性の結合部位を同定し、そのリガンドに対する高い親和的結合を説明することができる(Kim et al., 2000)。
1998年には、インターロイキン−18(IL−18)の発現がマウスの接触過敏症の病因に関係しているということが提案されている(Xu et al., 1998)。クー(Xu)らは、接触性抗原としてオキサゾロン(oxazolone)を用いた接触過敏症のマウスモデルを使用し、皮膚病変におけるIL−18発現の誘発(induction)を示した。最高のアップレギュレーションがアレルゲンによる攻撃後24時間で検出され、ついでIL−18発現が徐々に低下した。
IL−18に関係なくDTH応答を誘導するIL−18の能力に関するさらなる報告がKitching et al., 2000に発表された。しかしながら、IL−18は、アトピー皮膚炎の患者にとってそれ自身が潜在的に有効な治療法であるとも報告されており(Habu et al., 2001)、これは、IFN−γがアトピー性皮膚炎の症状を改善すると言うことを示唆するいくつかの臨床試験(Reinhold et al., 1990; Hanifin et al., 1993)と一致しているため、IL−18の役割はまだ不明確なままである。
本発明は、IV型過敏症のモデルにおいて、IL−18の阻害剤でマウスを治療したところ、そのマウスにおける過敏症反応が対照マウスと比較して減少したという知見に基づく。本発明は、したがって、過敏性疾患の治療および/または予防のための医薬の製造のためのIL−18阻害剤の使用に関する。IL−18阻害剤と、インターフェロンおよび/またはTNF阻害剤および/または炎症阻害剤および/または抗−アレルギー薬との組合せの使用も本発明にしたがって考慮される。さらなる局面において、本発明は、過敏性疾患の治療および/または予防のためのIL−18阻害剤のコード配列を含む発現ベクターの使用に関する。本発明はさらに、過敏性疾患の治療および/または予防のためのIL−18阻害剤を発現するために遺伝子操作された細胞の使用に関する。
本発明は、IL−18阻害剤がIV型過敏症のマウスモデルにおいてハプテンの攻撃(challenge)からの回復に対して有益な効果を発揮するという知見にもとづくものである。
したがって、本発明は、過敏性疾患の治療および/または予防のための医薬の製造のためのIL−18阻害剤の使用に関する。
本明細書の文脈内において、「過敏性疾患」および「アレルギー性疾患」という表現は同義的に使用される。両用語は、不適切な適応的免疫応答によって生じる疾患または反応に関する。過敏症反応は、本来は有益な免疫応答が、通常環境巨大分子などの外来抗原に対し不適切に作用する結果であり、炎症反応や組織の損傷を誘導し得る。過敏性疾患においては、本来は無害な刺激物、すなわちアレルゲンが免疫応答を誘導し、再度さらされると活性化され病的損傷を生じる。
過敏性疾患は、それらの臨床症状ならびに臨床的意義は、「発明の背景」に詳細に記載されており、本発明の使用は、そこに記載されている過敏性疾患に関するが、それらに限定されるものではない。
本発明の好ましい態様において、過敏性疾患は、I型過敏症反応を伴う疾患、II型過敏症反応を伴う疾患、III型過敏症反応を伴う疾患およびIV型過敏症反応を伴う疾患からなる群より選択される。
I型過敏症を伴う疾患はまた、即時型過敏症とも呼ばれ、アレルギーとしてよく知られている。その過敏症は、IgEに媒介される。即時型過敏症(I型)反応は、抗原と肥満細胞または好塩基球上のIgEとの結合によるものである。I型過敏症反応を伴う疾患は、その意味において、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性外因性喘息、蕁麻疹、全身性アナフィラキシーなどのアトピー性疾患であるがこれらに限定されない。アナフィラキシーは、I型(即時型)過敏症に起因する、危険で生命にかかわるアレルギー反応である。
II型または細胞障害性過敏症は、抗体、補体および/または細胞性機序によって媒介される細胞溶解作用を含む。細胞に結合した抗原に対する抗体(II型)は、補体を活性化するか、または食細胞活動を促進することによって細胞の破壊を引き起こす。本発明の範囲内で、II型過敏症を伴う疾患は、たとえば、クームス陽性溶血性貧血、抗体誘導血小板減少性紫斑病、白血球減少症、天疱瘡、類天疱瘡、グットパスチャー症候群、および悪性貧血である。これらの反応は、不適合輸血を受けた患者、新生児溶血性疾患、および新生児血小板減少症において生じる。そして、それらはまた、たとえば多重全身性過敏性疾患(たとえば、全身性エリテマトーデスすなわちSLEなど)においても役割を果たし得る。
III型過敏症反応を伴う疾患は、抗体が抗原と免疫複合体を形成する反応を含む。複合体の循環は、補体を活性化し、赤血球に付着し、そして脾臓において食菌され、血液の循環から離れ、組織空間に炎症を引き起こす。この反応はアルツス反応と呼ばれる。あるいは、複合体は、抗原を提示し、サイトカインを放出し、そしてB細胞およびT細胞を活性化するマクロファージにより貪食される。IgE、IgA、IgGおよびIgMはすべて抗原と複合体を形成する。III型反応は、通常免疫複合体の組織、特に皮膚、間接および腎臓への沈着により生じる。慢性免疫複合体腎炎は、ヒトにおける糸球体腎炎のほとんどのケースを占める。本発明によれば、III型過敏性疾患は、たとえば、血清、薬物もしくはウイルス性肝炎抗原による血清病;SLE;慢性間接リウマチ(RA);多発動脈炎;クリオグロブリン血症;過敏性肺炎;気管支肺アスペルギルス症;急性糸球体腎炎;慢性膜性増殖性糸球体腎炎;ならびに関連腎臓疾患を含む。
IV型過敏症を伴う疾患は、細胞介在性反応を含み、通常発症まで12時間以上かかる。IV型過敏性疾患は、炎症を含み得、そして慢性炎症性疾患がその結果であり得る。IV型過敏症はまた、遅延型過敏症、すなわちDTHとも呼ばれる。一旦T細胞が最初の暴露により感作されると、2回目の攻撃ののち遅延型過敏症反応が起こる。この反応は、局所的炎症応答であり、時々、臨床的に発症するまで2〜3日かかる。
本発明の好ましい態様において、過敏性疾患は遅延型過敏症である。したがって、本発明は、好ましくは、たとえば遅延型接触過敏症、皮膚炎、接触性皮膚炎、過敏症肺炎、同種移植の拒絶反応、細胞内有機体による肉腫、ある形態の薬物感受性、甲状腺炎および狂犬病のワクチン接種後の脳脊髄炎などのIV型反応が重要であるすべての種類の臨床症状に関する。
DTHは、ウイルス、菌類およびある種のバクテリア、とりわけヒト結核菌およびらい菌による感染に対する正常な細胞介在性免疫応答に起因し得る。DTHを導くさらに外部の因子は、植物、動物、昆虫もしくは爬虫類の分泌物、化学抗原または生物抗原であり得る。それらは合成または天然源に由来し得る。手術用手袋に使用されるラテックスなどの様々な種類の繊維、布などは、特定の個人にT細胞介在性過敏症反応を生じさせ得る。有害外部因子は、たとえば、環境、採鉱、治金および化学の製造作業において遭遇する溶解性塩(dissolved salts)やミネラルなどの水系因子(water-borne agent)であり得る。
本発明のその他の好ましい態様において、過敏性疾患は、接触性皮膚炎または接触過敏症である。接触性皮膚炎はIV型反応でもあり、職業性抗原およびその他の抗原に対する反応である。接触性皮膚炎を誘発する因子は、通常比較的低分子量(<1kD)であり、それ自身で免疫原性ではないが、それらは、皮膚または組織部分に共有結合する非常に反応性の高い分子である。感作性化学物質は、ハプテンと呼ばれ、それと組み合わせるホストタンパク質はキャリアーと呼ばれる。接触性皮膚炎を誘発する多くのハプテンが知られている。ある個体が所定の感作物質に対して接触性皮膚炎を発症するかどうかを調査するために、予想される接触性感作物質をその患者の背中に適用し、48時間覆う。反応部位は、2時間後および24時間後に検査される。陽性応答においては、試験部位に炎症および硬結が見られる。
遅延型過敏症もまた、移植される試験臓器の拒絶反応を測定する重要な機序である。したがって、本発明はさらに、移植拒絶反応の予防のためのIL−18阻害剤の使用に関する。
「IL−18の阻害剤」という用語は、本発明の文脈において、IL−18産生および/または作用を、IL−18産生および/または作用が弱められ(attenuated)、削減され(reduced)、または部分的に、実質的にもしくは完全に妨げられ、または遮断されるように調節するあらゆる分子を意味する。「IL−18阻害剤」という用語は、IL−18産生の阻害剤ならびにIL−18作用の阻害剤を包含することを意味する。
産生阻害剤は、IL−18の合成、プロセッシングまたは成熟に否定的に影響する任意の分子であり得る。本発明において考慮される阻害剤は、たとえば、インターロイキンIL−18の遺伝子発現のサプレッサー、IL−18mRNAの転写を減じるかもしくは妨げるか、または結果としてmRNAの分解をもたらすアンチセンスmRNA、正しい折り畳みを阻害する、または部分的にもしくは実質的にIL−18の分泌を妨げるタンパク質、いったん合成されたIL−18を分解するプロテアーゼ、プロ−IL−18を切断し成熟IL−18を産生するカスパーゼ−1の阻害剤などのプロテアーゼの阻害剤などである。
IL−18作用の阻害剤は、たとえばIL−18アンタゴニストであり得る。アンタゴニストは、IL−18分子自身に充分な親和性と特異性で結合するかまたはIL−18分子自身を充分な親和性と特異性で隔離するかのいずれかにより、IL−18またはそのリガンド(たとえば、その受容体に)へのIL−18結合を担うIL−18結合部位を部分的にもしくは実質的に中和させ得る。アンタゴニストはまた、IL−18/受容体結合の際に細胞内において活性されるIL−18シグナル伝達経路を阻害し得る。
Il−18作用の阻害剤はまた、可溶性IL−18受容体もしくはその受容体の擬似分子、またはIL−18受容体遮断剤、またはポリクローナルもしくはモノクローナル抗体などのIL−18抗体、またはIL−18のその標的への結合を妨げ、よって、IL−18によって媒介される細胞内もしくは細胞外反応の誘発を減少もしくは妨げる任意の他の物質もしくは分子であり得る。
本発明の好ましい実施態様において、IL−18の阻害剤は、カスパーゼ−1(ICE)阻害剤、IL−18に対する抗体、IL−18受容体サブユニットのいずれかに対する抗体、IL−18シグナル伝達経路の阻害剤、IL−18と競争し、かつIL−18受容体を遮断するIL−18のアンタゴニスト、およびIL−18結合タンパク質、同様の活性を有するそのアイソフォーム、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分、循環置換誘導体(circularly permutated derivatives)から選択される。
「IL−18結合タンパク質類」という用語は、本明細書において、「IL−18結合タンパク質」または「IL18BP」と同義で使用される。それは、国際公開第99/09063号パンフレットまたはNovick et al., 1999に記載されているようなIL−18結合タンパク質を含み、Kim et al., 2000に記載されているようなIL−18に結合するIL−18結合タンパク質のスプライス変異体および/またはアイソフォームを含む。特に、IL−18BPのヒトアイソフォームaおよびcは本発明において有用である。本発明に基づいて有用なタンパク質は、グリコシル化されていてもまたはグリコシル化されていなくても良く、それらは尿などの天然源由来であっても良く、またはそれらは、好ましくは組換えにより生産されていても良い。組換え体発現は、大腸菌などの原核生物発現系で実施されても良く、または真核生物、好ましくは哺乳類の発現系で実施されても良い。
本明細書において使用される場合、「ムテイン」という用語は、IL−18BPの類似体またはウイルス性IL−18の類似体を意味し、該類似体においては、野生型IL−18BPもしくはウイルス性IL−18BPと比較して得られる産物の活性が目立って変化することなく、天然IL−18BPまたはウイルス性IL−18BPの1つ以上のアミノ酸残基が、異なるアミノ酸残基で置換されているか、もしくは欠失されているか、または1つ以上のアミノ酸残基がIL−18BPもしくはウイルス性IL−18BPの天然配列に付加されている。これらのムテインは、既知の合成法によっておよび/または位置指定突然変異誘発技術、またはそれに好適な任意の他の既知の技術によって製造される。
本発明にしたがってムテインは、IL−18BPをコードするかまたはウイルス性IL−18BPをコードするDNAもしくはRNAに、本発明にしたがってストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAまたはRNAなどの核酸によってコードされたタンパク質を含む。「ストリンジェントな条件」という用語は、当業者が従来から「ストリンジェント」と呼ぶ、ハイブリダイゼーションおよびその後の洗浄条件を意味する。Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, supra, Interscience, N.Y., §§6.3 and 6.4 (1987, 1992), および Sambrook et al., supra.参照。制限なく、ストリンジェントな条件の例は、たとえば2×SSCおよび0.5%のSDSを5分間、2×SSCおよび0.1%のSDSを15分間;0.1×SSCおよび0.5%のSDSを37℃で30〜60分間、ついで0.1×SSCおよび0.5%のSDSを68℃で30〜60分間において、試験下のハイブリッドの推定Tmの12〜20℃低い洗浄条件を含む。当業者であれば、ストリンジェントな条件がDNA配列、オリゴヌクレオチドプローブ(たとえば10〜40塩基)または混合オリゴヌクレオチドプローブの長さに依存することは理解される。もし混合プローブを用いる場合、SSCの代わりにテトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)を用いることが好ましい。Ausebel, supra参照。
同一性は、2つまたはそれ以上のポリペプチド配列間、または2つまたはそれ以上のポリヌクレオチド配列間の、該配列の比較によって決定された関係を反映する。一般的に、同一性は、比較されている配列の全長に渡って、それぞれ2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチド配列の、ヌクレオチド−ヌクレオチド、またはアミノ酸−アミノ酸間の正確な一致をいう。
正確な一致がない配列に対して、「%同一性」が決定され得る。一般的に、比較されるべき2つの配列は、該配列間に最大の相関関係が得られるように整列される。これは、整合の程度を高めるために、片方または両方の配列のいずれかにおける「ギャップ(gap)」の挿入を含む。%同一性は、比較される各配列の全長に渡って決定されても良く(いわゆるグローバルアラインメント)、またはより短く定義された長さに渡って決定されても良い(いわゆるローカルアラインメント)。グローバルアラインメントは、同じかまたは非常に類似した長さの配列に特に適しており、ローカルアラインメントは、不同の長さの配列により適している。
2つ以上の配列の同一性と相同性を比較する方法は、当該分野においてよく知られている。したがって、たとえば、ウィスコンシン シークエンス アナリシス パッケージ、バージョン9.1(Wisconsin Sequence Analysis Package, version 9.1)(Devereux J et al., 1984)で使用可能なプログラム、たとえばBESTFITおよびGAPなどのプログラムが、2つのポリヌクレオチド間の%同一性ならびに2つのポリペプチド間の%同一性および%相同性を決定するために使用され得る。BESTFITは、スミスとウォーターマン(Smith and Waterman)の「ローカルホモロジー」アルゴリズム(1981)を使用し、2つの配列間の相同性の最適な単一領域を見つける。配列間の同一性および/または相同性を決定するための他のプログラムも、当業者に知られており、たとえば、BLASTファミリーのプログラム(Altschul S F et al, 1990, Altschul S F et al, 1997, www.ncbi.nlm.nih.govでNCBIのホームページから利用可能である。)およびFASTA(Pearson W R, 1990; Pearson 1988)である。
任意のこのようなムテインは、好ましくは、IL−18BPと実質的に同様の活性を有するほど、IL−18BPの配列に充分に重複する、またはウイルス性IL−18BPに充分に重複するアミノ酸配列を有する。IL−18BPの1つの活性は、IL−18を結合するその能力である。ムテインがIL−18に実質的な結合活性を有する限り、IL−18の精製において(たとえば、アフィニティクロマトグラフィーの手段によって)使用することができ、そのため、IL−18BPと実質的に同様の活性を有すると考えられる。したがって、任意の所定のムテインが、IL−18BPと実質的に同じ活性を有するかどうかは、適切に標識されたIL−18に結合するか否かを決定するための、たとえば、単純なサンドイッチ阻害アッセイ(たとえば、放射免疫アッセイまたはELISAアッセイ)に、そのようなムテインを供することからなるルーチンの実験方法によって決定され得る。
好ましい態様において、任意のこのようなムテインは、国際公開第99/09063号パンフレットに記載されているように、IL−18BPまたはウイルスにコードされたIL−18BP相同物のいずれかの配列と少なくとも40%同一性または相同性を有する。より好ましくは、それは、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または最も好ましくは少なくとも90%同一性または相同性を有する。
本発明により使用され得るIL−18BPポリペプチドのムテインまたはウイルス性IL−18BPのムテイン、あるいはそれをコードする核酸は、本明細書中で示された技術および指導に基づいて、過度の実験をすることなく、当業者によって決まりきった手順で得られる置換ペプチドまたはポリヌクレオチドと実質的に一致する配列の有限の一群を含む。
本発明に従うムテインの好ましい変更は、「保存的(な)(conservative)」置換として公知である。IL−18BPポリペプチドもしくはタンパク質またはウイルス性IL−18BPの保存的なアミノ酸置換とは、充分に類似した物理化学的な特性を有する群の範囲内の同義アミノ酸を含み得るものであり、その群のメンバー間における置換は分子の生物学的機能を保存するものであろう(Grantham, 1974)。とくに挿入または欠失が、たとえば30以下、好ましくは10以下のわずかなアミノ酸を含むものであり、たとえばシステイン残基など機能的配座に重要なアミノ酸の除去または入れ替えをしない場合、アミノ酸の挿入および欠失もまた、その機能を変化させることなく前記配列内でなされることは明らかである。このような欠失および/または挿入によって産生されるタンパク質およびムテインは、本発明の範囲内である。
好ましくは、同義のアミノ酸群は、表1に規定される群である。より好ましくは、同義のアミノ酸群は、表2に規定される群である。そして、最も好ましくは、同義のアミノ酸群は、表3に規定される群である。
本発明における使用のための、IL−18BPポリペプチドもしくはタンパク質のムテイン、またはウイルスIL−18BPのムテインを得るために使用され得るタンパク質のアミノ酸置換の製造例としては、マーク(Mark)らによる米国特許第4,959,314号明細書、同第4,588,585号明細書および同第4,737,462号明細書;コース(Koths)らによる同第5,116,943号明細書、ナーメン(Namen)らによる同第4,965,195号明細書、コング(Chong)らによる同第4,879,111号明細書、リー(Lee)らによる同第5,017,691号明細書などにおいて示された周知の方法手順;および米国特許第4,904,584号明細書(Shaw et al)に示されたリジン置換タンパク質を含む。
用語「融合タンパク質」は、たとえば体液内において長期の滞留時間を有する他のタンパク質と融合された、IL−18BPまたはウイルス性IL−18BPまたはそのムテインもしくは断片からなるポリペプチドのことをいう。IL−18BPまたはウイルス性IL−18BPは、このようにたとえば免疫グロブリンまたはその断片といった他のタンパク質、ポリペプチドなどと融合され得る。
本明細書中で用いられる「機能的誘導体」は、本技術分野において周知の方法で、残基の側鎖またはN末もしくはC末基として存在する官能基から調整され得るIL−18BPまたはウイルス性IL−18BPの誘導体、ならびに、そのムテインおよび融合タンパク質を含み、薬学的に許容し得るかぎり、すなわちIL−18BPまたはウイルス性IL−18BPの活性と実質的に類似しているタンパク質の活性を破壊せず、それを含む組成物において毒性を与えないかぎり、本発明に含まれる。
これらの誘導体としては、たとえば、ポリエチレングリコール側鎖を含むことができ、該側鎖は、抗原部位を覆い、かつIL−18BPまたはウイルスIL−BPの体液中での滞留を拡大し得る。他の誘導体としては、カルボキシル基の脂肪族エステル、アンモニアまたは一級アミンもしくは二級アミンとの反応によるカルボキシル基のアミド、アシル部分(たとえば、アルカノイル基または炭素環式アロイル基)と形成されるアミノ酸残基の遊離アミノ基のN−アシル誘導体、あるいはアシル部分と形成される遊離ヒドロキシル基(たとえば、セリル基またはトレオニル基のヒドロキシル基)のO−アシル誘導体があげられる。
IL−18BPまたはウイルスIL−18BP、ムテインおよび融合タンパク質の「活性画分」に関して、本発明は、該画分が実質的にIL−18BPと同様の活性を有するという条件で、タンパク質分子単独、または関連分子もしくはそれに連結した残基(たとえば、糖残基またはリン酸残基)と組み合わせたタンパク質分子のポリペプチド鎖の任意のフラグメントまたは前駆体、タンパク質分子の凝集体、または糖残基自体を網羅する。
IL−18BPまたはウイルス性IL−18BP、ムテインおよび融合タンパク質の「活性画分」がIL−18BPと実質的に類似した活性を有する場合、本発明では、該画分として、タンパク質分子のポリペプチド鎖の断片または前駆体単独もしくはそれと結合する関連分子または残基(たとえば糖またはリン酸塩残基、もしくはタンパク質分子または糖残基自身の集合体)を伴うタンパク質分子のポリペプチド鎖の断片または前駆体を含む。
本明細書において、用語「塩」は、IL−18阻害剤分子のカルボキシル基の塩、およびIL−18阻害剤分子のアミノ基の酸付加塩の両方、またはそれらのアナログをいう。カルボキシル基の塩は、当業者に周知である手段によって形成され得、無機塩(たとえば、ナトリウム、カルシウム、アンモニウム、鉄、または亜鉛の塩など)、およびたとえばトリエタノールアミン、アルギニン、またはリジン、ピペリジン、プロカインなどのアミンを伴うように形成された有機塩基の塩などを含む。酸付加塩は、たとえば、塩酸または硫酸などの無機酸の塩、たとえば酢酸、シュウ酸などの有機酸の塩を含む。もちろん、それらの塩はいずれも、たとえばDHTに対して有益な効果を発揮するといった本発明に関するIL−18阻害剤の生物学的活性を保持していなければならない。
本発明のさらに好ましい実施態様において、IL−18阻害剤は、IL−18抗体である。抗IL−18抗体は、ポリクローナルもしくはモノクローナル、キメラ、ヒト化した、または完全にヒトのものであり得る。組換え抗体およびその断片は、インビボにおけるIL−18と結合する高い親和性、および低毒性によって特徴付けられる。本発明において用いることができる抗体は、病的な症状またはあらゆる徴候または病的な症状に関連する徴候群を極めて軽減または緩和するために充分な期間、患者を治療することができる能力、および低毒性によって特徴付けられる。
中和抗体は、IL−18で免疫されたウサギ、ヤギまたはマウスなどの動物によって容易に作製することができる。免疫されたマウスはとくに、ハイブリドーマを製造するためのB細胞の供給源を提供するのに有効であり、次には、ハイブリドーマは大量の抗IL−18モノクローナル抗体を産生するために培養される。
キメラ抗体は、さまざまな動物種由来の2つ以上の切片または一部によって特徴づけられた免疫グロブリン分子である。一般的に、キメラ抗体の可変領域は、マウスモノクローナル抗体のようなヒトではない哺乳動物の抗体由来であり、免疫グロブリンの定常領域はヒトの免疫グロブリン分子由来である。好ましくは、両方の領域およびその組み合わせは、決まりきった手順によって決定されたように低い免疫原性を有する(Elliott et al., 1994)。ヒト化抗体は、マウスの定常領域をマウスの抗原結合領域は残したままヒトの対応物で置き換えるという、遺伝子工学技術によって創出された免疫グロブリン分子である。得られるマウス−ヒトキメラ抗体は、ヒトにおいて、好ましくは免疫原性が減少し、薬物動態が改善される(Knight et al., 1993)。
したがって、さらに好ましい実施態様において、IL−18抗体はヒト化IL−18抗体である。ヒト化抗IL−18抗体の好ましい例は、たとえば欧州特許出願第0974600号明細書に記載されている。
さらになお好ましい実施態様において、IL−18抗体は、完全にヒト由来のものである。ヒト抗体を産生する技術は、たとえば国際公開第00/76310号パンフレット、国際公開第99/53049号パンフレット、米国特許第6,162,963号明細書またはオーストラリア特許第5336100号明細書に詳細に記載されている。完全なヒト抗体は、好ましくは、全てまたは一部の機能的なヒトイムノグロブリン遺伝子座を有するトランスジェニック動物(たとえば異種マウス(Xenomice))において産生される組換え抗体である。
本発明の非常に好ましい実施態様において、IL−18阻害剤は、IL−18BPまたはそのアイソフォーム、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分もしくは循環置換誘導体である。それらアイソフォーム、ムテイン、融合タンパク質または機能的な誘導体は、とくにIL−18と結合するというIL−18BPの生物学的活性を残し、好ましくは、本質的には少なくともIL−18BPと類似した活性を有する。理想的には、そのようなタンパク質は、非修飾のIL−18BPと比較して増大した生物学的活性を有する。好ましい活性画分は、IL−18BPの活性よりも優れた活性を有するか、もしくはより優れた安定性またはより低い毒性もしくは免疫原性などのさらなる利点を有し、または大量に産生することがより容易であるか、もしくは精製がより容易である。
IL−18BPおよびそのスプライシング変異体/アイソフォームの配列は、2000年のキム(Kim)らによるものだけでなく、国際公開第99/09063号パンフレットまたは1999年のノービック(Novick)らによって提供される。
IL−18BPの機能的誘導体は、安定性、半減期、バイオアベイラビリティー、人体による寛容または免疫原性などのタンパク質の性質を改善するために、ポリマーと結合されてもよい。これらの目標を達成するために、IL−18は、たとえばポリエチレングリコール(PEG)に結合しても良い。ポリエチレングリコール化(PEGylation)は、たとえば国際公開第92/13095号パンフレットに記載されている周知の方法によって行なわれる。
したがって、好ましい態様において、機能的誘導体は、アミノ酸残基の1つ以上の側鎖に存在し、1つ以上の官能基に結合される少なくとも1つの部分を含む。その部分がポリエチレングリコール(PEG)である態様が最も好ましい。
本発明のさらに好ましい実施態様において、IL−18の阻害剤は免疫グロブリン融合物、すなわち、免疫グロブリンの全てまたは一部に融合したIL−18結合タンパク質の全てまたは一部からなる融合タンパク質である。免疫グロブリン融合タンパク質を作製する方法は、たとえば国際公開第01/03737号パンフレットに記載されたもののように、当技術分野において公知である。当業者であれば、本発明の得られる融合タンパク質が、とくにIL−18への結合といったIL−18BPの生物学的活性を保持することを理解するだろう。融合は、直接または、1から3アミノ酸残基長の短いリンカーペプチド、またはより長いたとえば13アミノ酸残基長のリンカーペプチドを介してなるものであってよい。該リンカーは、たとえば配列E−F−M(Glu−Phe−Met)のトリペプチド、またはIL−18BP配列と免疫グロブリン配列とのあいだに導入されるGlu−Phe−Gly−Ala−Gly−Leu−Val−Leu−Gly−Gly−Gln−Phe−Metからなる13アミノ酸リンカー配列であり得る。得られる融合タンパク質は、体液内での長い滞留時間(半減期)、増大した特異的な活性、上昇した発現レベルまたは融合タンパク質の精製が容易になるなどの改善された性質を有する。
好ましい実施態様において、IL−18BPはIg分子の定常領域に融合される。好ましくは、それは、たとえばヒトのIgG1のCH2およびCH3ドメインのような重鎖領域に融合される。IL−18BPおよび免疫グロブリンの部分を含む特異的な融合タンパク質の産生は、たとえば国際公開第99/09063号パンフレットの実施例11に記載されている。IgG2もしくはIgG4、またはたとえばIgMもしくはIgAのような他のIgクラスのアイソフォームなど、Ig分子の他のアイソフォームもまた、本発明における融合タンパク質の産生に適する。融合タンパク質は、モノマーまたはマルチマー、ヘテロもしくはホモのマルチマーであり得る。
インターフェロンは、ウイルス複製および細胞増殖に対する阻害効果が広く知られている。インターフェロン−γは、たとえば、免疫および炎症応答の促進において重要な役割を果たす。インターフェロンβ(IFN−β、すなわちI型インターフェロン)は、抗炎症性の役割を果たすといわれている。
本発明は、したがって、過敏性疾患の治療用医薬の製造におけるIL−18阻害剤とインターフェロンとの組合わせの使用にも関する。
インターフェロンはまた、そのタンパク質の安定生を改善するために、ポリマーに共役し得る。インターフェロンβとポリオール ポリエチレングリコール(PEG)との間の共役は、たとえば、国際公開第99/55377号パンフレットに記載されている。
そのほかの本発明の好ましい実施態様において、インターフェロンは、インターフェロン−β(IFN−β)、より好ましくはIFN−β 1aである。
IL−18産生および/または作用の阻害剤は、好ましくは、インターフェロンと同時に、連続的または別々に使用される。
本発明のさらなる実施態様において、IL−18の阻害剤は、TNFアンタゴニストとの組合せで使用される。TNFアンタゴニストは、いくつかの方法でその活性を発揮する。まず、アンタゴニストはTNF分子自体に充分な親和性と特異性で結合するか、またはTNF分子を隔離し、TNF受容体結合を担うTNFエピトープを部分的または実質的に中和することができる(以下「隔離アンタゴニスト」という)。隔離アンタゴニストは、たとえばTNFに対する抗体であり得る。
あるいは、TNFアンタゴニストは、TNF結合の後に細胞表面の受容体によって活性化されるTNFシグナル伝達経路を阻害することができる(以下、「シグナルアンタゴニスト」という)。両群のアンタゴニストは、過敏性疾患の治療におけるIL−18阻害剤と組み合わせて、単独または一緒のいずれでも有用である。
TNFアンタゴニストは、候補を、インビボで、たとえば、TNFが増殖と免疫グロブリンの分泌を引き起こすヒトB細胞などの感受性細胞系における天然TNFの活性に対するそれらの効果について、ルーチンスクリーニングすることにより容易に同定および評価される。このアッセイは、候補アンタゴニストの希釈を、そのアッセイに用いるTNFのモル量の0.1倍〜100倍まで変化させた場合のTNF構築およびTNFなしまたはアンタゴニストのみの対照を含む(Tucci et al., 1992)。
隔離アンタゴニストが本発明にしたがって使用される好ましいTNFアンタゴニストである。隔離アンタゴニストの中でも、TNFに高い親和性で結合し、低い免疫原性を有するものが好ましい。可溶性TNF受容体分子およびTNFの中和抗体が特に好ましい。たとえば、可溶性TNF−RIおよびTNF−IIが本発明において使用される。これら受容体の切断形は、受容体の細胞外ドメインまたはその機能部分からなり、本発明のより特に好ましいアンタゴニストである。切断形可溶性TNFI型受容体およびII型受容体は、たとえば欧州特許出願第914431号明細書に記載されている。
TNF受容体の切断形は可溶性であり、尿および血清中に30kDaおよび40kDaのTNF阻害結合タンパク質として検出されており、それぞれTBPIおよびTBPIIと呼ばれている(Engelmann et al., 1990)。IL−18阻害剤と、TNFアンタゴニストおよび/またはインターフェロンとの同時、連続または個別使用は、本発明により好ましい。
本発明によれば、TBPIおよびTBPIIが、IL−18阻害剤と組み合わせて使用すべき好ましいTNFアンタゴニストである。受容体分子の誘導体、フラグメント、領域および生物学的活性部分は機能的に受容体分子と似ており、本発明において使用することができる。そのような生物学的に活性な等価物または受容体分子の誘導体は、充分な大きさで、膜結合TNF受容体との相互作用が阻害または遮断されるような親和性でTNFに結合できる、受容体分子のポリペプチドの部分、または受容体分子をコードする配列の部分を意味する。
さらに好ましい態様において、ヒト可溶性TNF−RI(TBPI)が本発明により使用されるTNFアンタゴニストである。天然のおよび組換えの可溶性TNF受容体分子とそれらの産生方法は、欧州特許出願第308378号明細書、同第398327号明細書および同433900号明細書に記載されている。
IL−18阻害剤は、TNF阻害剤と同時に、連続的または別々に使用され得る。
本発明のさらに好ましい実施態様において、医薬は、さらにNSAID(非ステロイド系抗炎症剤)などの抗炎症剤を含有する。好ましい実施態様においてはCOX−阻害剤、最も好ましくはCOX−2阻害剤が、IL−18阻害剤と組合わせて使用される。COX−阻害剤は、当技術分野に周知である。特定のCOX−2阻害剤は、たとえば国際公開第01/00229号パンフレットに記載されている。その活性成分は、同時、連続的または別々に使用され得る。
過敏症反応は、抗ヒスタミン剤、クロモリン、グルココルチコイドまたは交感神経興奮剤などの抗アレルギー薬で頻繁に治療される。したがって、本発明はさらに、IL−18阻害剤と抗アレルギー薬との組合せ治療に関する。IL−18阻害剤との抗ヒスタミン剤および/またはクロモリンおよび/またはグルココルチコイドおよび/または交感神経興奮剤との個別、連続または同時使用としての使用が本発明に基づき好ましい。
本発明のさらに好ましい実施態様において、IL−18阻害剤は、約0.0001〜1000mg/kg体重、または約0.001〜100mg/kg体重、または約0.01〜10mg/kg体重、または約0.1〜5mg/kg体重、または約1〜3mg/kg体重の量で使用される。
本発明によるIL−18阻害剤は、好ましくは局所的に(topically)、すなわち局所的に(locally)投与される。接触性皮膚炎に関しては、たとえば、IL−18阻害剤は直接皮膚の患部に投与され得る。
本発明の他の態様においては、IL−18阻害剤は、全身的に、好ましくは皮下または筋肉内に投与される。
本発明はさらに、過敏性疾患の治療および/または予防のための医薬の製造における、IL−18阻害剤のコード配列を含有する発現ベクターの使用に関する。したがって、遺伝子治療的アプローチが、IL−18阻害剤をそれが必要とされる部位へ送達するために考慮される。過敏性疾患を治療および/または予防するために、IL−18産生および/または作用の阻害剤の配列を含む遺伝子治療ベクターは、直接、たとえば患部組織に注射され得る。これにより、ベクターの希釈、標的細胞または組織への到達およびターゲッティングならびに副作用などの遺伝子治療ベクターの全身性投与に関わる問題を回避できる。
通常IL−18阻害剤が発現されていない細胞、または阻害剤の発現量が充分ではない細胞において、IL−18阻害剤の内因的な産生を誘導および/または増強するためのベクターの使用もまた、本発明より検討される。そのベクターは、IL−18阻害剤を発現することが所望される細胞において機能する調節配列からなる。そのような調節配列は、たとえばプロモーターまたはエンハンサーであり得る。その調節配列は、そののち相同組換えによってゲノムの適当な座に導入されてもよく、したがって作動可能に調節配列と遺伝子とを結合させることにより必要とされる発現が誘導または増強される。その技術は、通常「内在性遺伝子活性化」(EGA)と呼ばれ、たとえば国際公開第91/09955号パンフレットに記載されている。
同じ技術で、IL−18阻害剤を使用せずに直接IL−18の発現を抑えることが可能であることは、当業者によって理解されるであろう。そのようにするためには、たとえばサイレンシング因子のような負の調節因子をIL−18の遺伝子座に導入することによって、IL−18発現のダウンレギュレーションまたは予防を導くことができる。そのようなIL−18発現のダウンレギュレーションまたはサイレンシングが、疾患を予防および/または治療するためのIL−18阻害剤の使用と同じ効果を有することは、当業者に理解されるであろう。
本発明はさらに、特に過敏性疾患の治療および/または予防のための医薬の製造における、IL−18阻害剤を産生するために遺伝子的に改変された細胞の使用に関する。
本発明はさらに、特に過敏性疾患の予防および/または治療のために有用な医薬組成物であって、治療的有効量のIL−18阻害剤および/または治療的有効量のインターフェロンおよび/または治療的有効量のTNFおよび/または治療的有効量の抗炎症剤および/または治療的有効量の抗アレルギー剤、とくに抗ヒスタミンを含有する医薬組成物に関する。
IL−18阻害剤として、前記組成物は、カスパーゼ−1阻害剤、IL−18に対する抗体、IL−18受容体サブユニットのいずれかに対する抗体、IL−18シグナル伝達経路の阻害剤、IL−18と競争し、かつIL−18受容体を遮断するIL−18のアンタゴニスト、ならびにIL−18結合タンパク質、同じ活性を有するそれらのアイソフォーム、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分または循環置換誘導体を含有する。
IL−18BPおよびそのアイソフォーム、ムテイン、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分、または循環置換誘導体は、前記したように、医薬組成物の好ましい活性成分である。
医薬組成物に含有されるインターフェロンは、好ましくはIFN−βである。
さらにもう1つの好ましい態様において、医薬組成物は、治療的に有効量のTNFアルファの阻害剤を含有する。本発明による医薬組成物は、さらに1つ以上のCOX−阻害剤を含有し得る。
「薬学的に許容し得る」という定義は、活性成分の生物学的活性の有効性を妨害せず、投与されるホストに有害でない任意の担体を包含することを意味する。たとえば、非経口投与に対しては、活性タンパク質は、注射剤のため生理食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミンおよびリンガー溶液などのビヒクルの中で単位投与量形態に処方され得る。
る。
本発明の医薬組成物の活性成分は、多様な方法で個体に投与することができる。投与経路は、皮内、経皮(たとえば、徐放製剤で)、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、頭蓋内、硬膜外、局所、直腸および鼻腔内経路である。任意のほかの治療的に有効な投与経路、たとえば、上皮もしくは内皮組織を通した吸収、または活性薬剤をコードするDNA分子を患者に投与し(たとえば、ベクターを介し)、インビボで該活性薬剤が発現および分泌するようにした遺伝子治療などが使用できる。さらに、本発明のタンパク質は、薬学的に許容し得る界面活性剤、賦形剤、担体、希釈剤およびビヒクルなどのほかの生物学的に活性な薬剤成分と一緒に投与することができる。
非経口(たとえば、静脈内、皮下、筋肉内など)投与については、活性タンパク質は、薬学的に許容し得る非経口ビヒクル(たとえば、水、生理食塩水、デキストロース溶液)および等張性を維持する添加物(たとえばマンニトール)または化学安定性を維持する添加物(たとえば防腐剤および緩衝液)と共同して、溶液、懸濁液、エマルジョンまたは凍結乾燥粉末として製剤化され得る。製剤は、一般的に使用される技術により滅菌される。
本発明の活性タンパク質のバイオアベイラビリティーも、人体において分子の半減期を増加させる共役前駆体を使用すること、たとえば国際公開第92/13095号パンフレットに記載されているように分子をポリエチレングリコールに連結することなどにより改善することができる。
活性タンパク質の治療的有効量は、アンタゴニストのタイプ、アンタゴニストのIL−18に対する親和性、アンタゴニストによって示される任意の残留細胞毒性活性、投与経路、患者の臨床状態(内因性IL−18活性の非毒性レベルの維持の望ましさなど)などを含む多くの変数の関数となるであろう。
「治療的有効量」は、投与した際に、IL−18阻害剤が結果としてIL−18の生物学的活性の阻害を生じるようなものである。単回または複数回投与として個体に投与される服用量は、IL−18阻害剤の薬物動態特性、投与経路、患者の状態や特徴(性別、年齢、体重、健康状態、サイズ)、症状の程度、同時治療、治療の頻度ならびに望ましい効果などの多様な因子に依存して変化する。確立される服用量の範囲の調整や操作は、個体におけるIL−18の阻害のインビトロおよびインビボ測定法と同様に、当業者の能力の範囲内である。
本発明によれば、IL−18の阻害剤は、約0.001〜100mg/kg、または体重の約0.01〜10mg/kg、または体重の約0.1〜5mg/kg、または体重の約1〜3mg/kg、または体重の約2mg/kgで使用される。
本発明によって好ましい投与経路は、皮下経路による投与である。筋肉内投与は、本発明によればさらに好ましい。IL−18阻害剤を直接的にその作用箇所に投与するために、それを局所的に投与することもまた好ましい。
さらに好ましい態様において、Il−18の阻害剤は毎日または隔日に投与される。
1日用量は、通常、所望の結果を得るために有効な分割用量または徐放形態で投与される。2回目以降の投与は、個体に投与された開始または事前の用量と同じか、それより少ないかまたはそれより多い服用量で行われ得る。2回目以降の投与は、疾患の発症中またはそれより以前に投与され得る。
本発明によれば、IL−18阻害剤は、ほかの治療法または治療剤、特に、インターフェロンおよび/またはTNF阻害剤および/またはCOX阻害剤および/または抗アレルギー剤などのほかの抗炎症剤に先んじて、同時にまたは連続して(多剤療法)、治療的有効量で、予防的にまたは治療的に個体に投与され得る。ほかの治療的薬剤と同時に投与される活性薬剤は、同一のまたは異なる組成物で投与され得る。
本発明はさらに、有効量のIl−18阻害剤および/またはインターフェロンおよび/またはTNFアンタゴニストおよび/またはCOX阻害剤を薬学的に許容し得る担体と混合することからなる医薬組成物の製造方法に関する。
本発明はさらに、過敏性疾患の治療方法であって、その治療を必要とする患者に医薬的有効量のIL−18阻害剤を投与することからなる方法に関する。
ここまで本発明を充分に説明してきたので、同様のことが等しいパラメーター、濃度および条件の範囲内で、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、また過度の実験をすることなく行なうことができるということは当業者によって充分理解されるであろう。
本発明は、その特定の態様に関連して説明されているが、さらなる変更が可能であるということは理解されるであろう。この出願は、概して本発明の原理を受けて本発明の任意の変化、用途、適応を保護することを意図しており、本発明の属する技術分野の既知のまたは一般的な手法の範囲内となる本開示からの逸脱および下記の通り添付のクレームの範囲で前記の本質的な特徴にあてはまるような本発明からの逸脱も含む。
本明細書において引用される、雑誌の論文もしくは要旨、公開もしくは非公開の米国もしくは外国特許出願、公布された米国もしくは外国特許または任意のほかの参考文献などのすべての参考文献は、引用される参考文献に示されたすべてのデータ、表、図および文章を含めて、本明細書において完全に参考のために組み込まれる。さらに、本明細書において引用される参考文献中で引用される参考文献の全内容も、参考のために完全に組み込まれる。
既知の方法手段、常套的な方法手段、既知の方法または常套的な方法への言及は、本発明のあらゆる局面、記載または実施態様が関連技術において開示、教示または示唆されるものであると認めるものではない。
特定の実施態様の先行する記載は、第三者が、当業者の知識(本明細書で引用された参考文献の内容を含む)を適用することによって、過度の実験をすることなく、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、特定の実施態様などのさまざまな適用のために、容易に修飾および/または適応させることができるほど、本発明の全体的な性質を充分に示すものであろう。したがって、本明細書で紹介された教示および手引きに基づく、そのような適応および修飾は、開示された実施態様と同等の範囲の意味であると意図される。本明細書の表現または専門用語は、本明細書で紹介された教示および手引きによる見地と当業者の知識とを組み合わせて、当業者に理解されるものであるため、本明細書での表現または専門用語は、説明を目的とするものであって限定するためのものではない。
IL−18BP処置が接触過敏症を減少させる。
方法
実験的誘導接触過敏症(CHS)のマウスモデルを以下のすべての実施例において使用した。CHSの範囲は、局所的適用感作物質に対して、耳の腫れによって測定した。
図1〜3(以下を参照)に表わされたデータを出すために使用されたマウスの耳の腫れ試験は詳細に説明されている(Garrigue et al., 1994)。簡単には、マウスを、0.5%の2,4−ジニトロフルオロベンゼン(DNFB;シグマ ケミカル コーポレーション)のアセトン/オリーブオイル(4:1)溶液25μlを、剃毛した腹部に適用することにより局所的に感作させた(日数0)。5日後、同じビヒクル中の0.2%DNFB20μlを右耳に適用し、ビヒクルのみを左耳に適用した。
マウスは日数5〜8まで毎日、250μg/マウス/日のrhIL−18BP(組換えヒトIL−18BP)または対照群においては生理食塩水を、腹腔内(i.p.)投与されるか(図1A)、または日数0〜2までIL−18BPを投与された(図1B)。
耳の厚さはダイヤル式厚さゲージ(ミツトヨ コーポレーション、カワサキ、日本)で測定し、耳の腫れは、試験後の値から試験前の値を差し引き、さらにビヒクル試験された対側耳において検出された任意の腫れを差し引くことにより見積もった。
耳の腫れは日数0、5、6、7、8、9、12、14、16で測定した。
図4〜6に表わされたデータを出すためにもう1つのモデルを使用した(以下の実施例参照)。IL−18結合タンパク質(IL−18BP)は、2,4−ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)への接触過敏症(CHS)を実験的に誘導する間、IL−18を中和するために使用した。実験準備は以下の通りである。
1.日数0:感作
剃毛した背中に、25μl DNFB(0.5% アセトン/オリーブオイル(4/1)中(ビヒクルとして))
2.日数5:攻撃
右耳の背中側と腹側に、各5μl DNFB(0.2%)
左耳の背中側と腹側に、各5μl ビヒクル
3.日数6:読み出し
耳の厚さを炎症の尺度としてモニター
対照耳に対して試験耳の腫れの増加(μm)としてスコアを表現
4.日数6または7:分析のための耳の処理
このモデルにおいて、腫れは日数6〜日数7の間で最高となる。IL−18は、日数0、日数1および日数2での感作の間、あるいは日数4、日数5および日数6での攻撃の間、動物につき250μgのIL−18BP(生理食塩水中)を毎日注射することにより中和された。
結果
接触過敏症応答(CHS)は、T−細胞によって媒介されるハプテン特異的皮膚炎症である。多くのハプテンは、主にCD8+エフェクターT細胞からなるオリゴクローナルT細胞応答を生じるのに対し、CD4+T細胞は、CHS応答においてダウンレギュレーションの役割を有する(Bour, H., et al. 1995; Grabbe et al., 1998)。CHSにおけるIL−18の役割を調べるために、マウスをDNFBにより皮膚上で感作させ、ついで5日後、耳の皮膚へのハプテン塗布により攻撃した。ハプテン攻撃に付随して、マウスに250μg/マウス/日のrhIL−18BP、あるいは生理食塩水を腹腔注射した。IL−18BP、または対照としての生理食塩水を、最初のDNFB感作(日数0)ののち日数5〜8で3日間、毎日投与した。日数5でのDNFB攻撃は、両群において有意な耳の腫れを誘導した(図1A)。生理食塩水で処置したマウスにおける腫れの程度(三角)は、IL−18BPで処置し、すでに日数9でほとんど正常な状態に戻っていたマウス(四角)よりはるかに目立っていた。
日数0〜2でのIL−18BP処置で観察された耳の腫れの変化は、統計的に有意なものではなかった(図1B)。IL−18BP投与の時期は、IL−18BP処置の有益な効果を得るために重要な因子であると思われる。
結論
接触過敏症/接触性皮膚炎のこの確立されたマウスモデルにおいて、3日間のIL−18の阻害剤による処置は、ハプテンでの処置によって導き出される腫れ/炎症の程度に有意で有益な効果を有した。
IL−18BP処置は、2回目の攻撃後の接触過敏症を減少する。
方法
C57BL/6マウスを、25μlの0.5%DNFB溶液を剃毛した腹部に上皮塗布(epicutaneous application)することにより感作した(日数0)。マウスは、日数5で耳への20μlの0.2%DNFBによる第1回目の攻撃を受けた。日数19で、マウスはDNFBによる第2回目の攻撃を受けた。耳の腫れは、日数0(ハプテン感作)、5(第1回目のハプテン攻撃)、6、7、8、9、12、14、16、19(第2回目のハプテン攻撃)、20、21、22、23、26、28、30で測定した。各群に対する平均値とSDを図2に示す。マウスを、日数19〜日数23まで毎日250μg/マウス/日で、IL−18BP腹腔内(n=5;図2、白抜き四角)または生理食塩水(n=5;図2、黒塗り四角)のいずれかで処置した。
結果
図2に示すように、IL−18BP処置は、特に第2回目のハプテンによる攻撃後、有意に耳の腫れを減少させた。
したがって、IL−18BP治療は、特に患者が通常繰り返して同じアレルゲンに攻撃され、その攻撃により誘導される炎症反応を克服するために処置を必要とする過敏性疾患の治療に適している。
IL−18BPは、IL−18を中和することにより、CHSから保護する。
IL−18BP処置により観察される腫れからの保護がIl−18の中和によるものであったことを確認するために、IL−18欠損(KO)C57BL/6マウスと野生型C57BL/6マウスとを、それらのCHS応答を起こす能力に対して比較した。IL−18欠損マウスは、野生型マウスより目立たないが、DNFBに対してCHSを発症する。しかしながら、IL−18BP処置の効果は、IL−18欠損マウスでは図3に示すように観察されず、CHSにおけるIL−18BPの抗−炎症効果がIL−18の中和によるものであったということを示した(各群につきn=5マウス)。
IL−18BPは、血管漏出を減少しない。
方法
CHSをC57BL/6マウスに前記のように誘導した。CHSにより生じた浮腫をモニターするために、エバンスブルーを、DNFBによる攻撃の2時間前に静脈注射した。マウスは24時間後に殺され、血管から漏れて周囲の組織に蓄積された色素を抽出するために耳を処理した。血管漏出は、乾燥耳組織の1mg当たりの色素の量として評価し、血清中のエバンスブルーの濃度に対して補正し、そして対照の耳に対する攻撃した耳の比率として表わした。日数4および5でのIL−18BPによる処置ではビヒクル処置対照の56%まで腫れが減少した(図4、左パネル、p<0.01)が、これら2つの群の間に血管漏出における有意差はなかった(図4、右パネル)。両群は、非感作対照群と比較して、浮腫の有意な増加を示した(p<0.05およびp<0.01)。さらなる対照として、マウスを、1匹および1日当たり250μgの無関係なタンパク質であるBSAで処置した。これらのマウスは、ビヒクルで処理した対照動物と同様にCHSを発症した(1群につきn=10マウス)。
血管漏出に対するインビボアッセイ(エバンスブルー)
原理:エバンスブルーの注射(iv)および標的組織(耳)からの抽出
評価のための生データ:
・エバンスブルーの標準曲線(OD620/ng)
・血液中のエバンスブルー濃度(それぞれOD620/mlまたはμg/ml)
・耳の乾燥組織重量(同側および対側、mg)
・耳のエバンスブルー含量(同側および対側、それぞれOD620/ngまたはng/mg)
DNFB誘導CHSと組合せたプロトコール:
・実験的誘導CHSの日数5で、DNFBによるマウスの攻撃の2時間前にエバンスブルーα100μlをivで眼窩後(retroorbitally)に注射
・IL−18BPを攻撃の1時間前にipで注射
・日数6(DNFBによる耳の攻撃の24時間後)で腫れを測定し、動物を殺す
・血液試料を取り、以下の通り処理:
○ 血清30μlを970μlのホルムアミド中に添加(→1/33希釈)
○ 620nmでODを測定(→1OD620=33OD620/ml)
・同側および対側の耳を取り、以下の通り処理:
○ 80℃で24時間乾燥
○ 乾燥重量を測定
○ みじん切りにし、55℃で24時間緩やかに攪拌しながら1mlホルムアルデヒドで色素を抽出、
○ デブリβを除去するためにろ過し、キュベットに満たし、最上層に脂質を浮かべるために室温(RT)で数日間静置
○ 620nmでODを測定
計算すべき値:
結果
基本的には、浮腫の原因である血管から周囲の組織への液体の漏出と血管から組織損傷部位への炎症細胞の管外遊出との2つのプロセスがCHS反応の間に観察される腫れに寄与している。
エバンスブルーをトレーサーとして使用することにより、全体的な腫れの減少にもかかわらず、IL−18BPによる処置は血管漏出を減少しないと言うことが証明された(図4)。
α生理的NaCl中7.5mg/ml エバンスブルー(Σ2129)100μl、iv
β試料調製フィルターワットマン5μmPTEEメッシュ、#6984.0350
IL−18BP処置は、DNFB攻撃耳の炎症浸潤とIFNγ産生とを減少する。
方法
CHSは記載されたようにC57BL/6マウスで誘導された。動物を日数4〜6でIL−18BPまたはビヒクルで処置した。IL−18BP処置は、日数7でのビヒクル対照の58%まで腫れを減少した。マウスは日数7で殺し、攻撃された耳を回収し、群ごとにプールし(n=8)、そして酵素消化して単細胞懸濁液を得た。細胞を後のCD45陽性生細胞にゲートを設定するFACS分析により特徴づけた。耳調製物において検出されたαβT細胞、NK細胞、好中球および単球/マクロファージの数は、分析した全細胞の割合として表わす。ビヒクル対照と比較したIL−18BP処置後のこれらの種類の細胞の減少も計算された。
IFNγ産生の測定のために、DNFB攻撃耳から得られた細胞を、抗CD3抗体結合プレートを用いて1ウェル当たり2×105で再刺激した。その後24時間の培養期間のあいだに、さらにIL−18BPを添加することはなかった。IFNγ産生はELISAにより3点で(in triplicate)測定した。
DNFB攻撃耳からの細胞調製物を50ng/mlのPMA*および500ng/mlのロノマイシン(lonomycin)で4時間刺激した。サイトカインの分泌は2μg/mlのブレフェルジンAをインキュベーションの最後の2時間添加することにより阻害した。ついで細胞を、細胞内IFNγおよび表面抗原に対する多色免疫蛍光染色にかけた。IFNγはCD8T細胞により産生され、CD4T細胞によってはより少ない量であった。NK細胞およびγδT細胞ではIFNγは検出されなかった(n.d.、不検出;*ホルボール 12−ミリステート 13−アセテート)
単細胞懸濁液の調製
単細胞懸濁液を得るためのマウス耳の酵素消化は、Schuler, G. and Steunman, R.M. (1985)およびStingl et al. (1983)のプロトコールに基づいた。
1.耳を切り、調製物当たり5個の耳をプール
2.70%エタノールですすぎ洗い
3.ピンセットの補助により裂く
4.HBSS1 7.5mlの上に37℃で皮膚側を下に置く
5.最終濃度1%を得るために5mlの2.5%トリプシン2(10×)を添加
6.37℃で35分インキュベート
7.耳の半分の皮膚側(halves dermal side)を、氷上の10mlのHBSS/80%FCS中に置かれたナイロンの篩(細胞ストレーナー)まで移動させ、細胞外マトリックスから細胞を取り除くために徐々にメッシュ(mesh)した。
8.大きいデブリと共に篩を取り除く
9.冷HBSS/10%FCSで2回洗浄
10.細胞を計測
FACS分析
1.細胞をFACS染色緩衝液3に再懸濁、後の工程はすべて氷上で
2.染色当たり106個の細胞を使用
3.1μgのFC−ブラックを添加、10分
4.目的のマーカーに対する抗体と結合する抗−CD45抗体を添加、30分
5.2回洗浄
6.FACSにより0.5×106全イベントを得る
7.CD45+生細胞にゲートを設定したのち特異的マーカーを分析
結果
攻撃部位での炎症性浸潤を見積もるために、攻撃を受けていない耳と攻撃された耳とから調製した単細胞懸濁液を、CD45+生細胞にゲートを設定したFACSにより分析した(図5)。攻撃を受けていない耳に存在するCD45+細胞は、主にγδT細胞と皮膚の樹状細胞であることが示された。攻撃24時間後の炎症性浸潤は、CD8およびCD4T細胞、好中球、単球およびNK細胞で構成されており、耳におけるCD45+細胞の総数は約2倍に増加する。腫れの減少に対応して、IL−18BP処置は、攻撃部位に浸潤している白血球の総数を減少させた。これは、炎症性浸潤の種々の種類の細胞全てに影響した。その減少は、細胞の種類によって20%から40%の間になった。
IL−18BP処置マウスの耳から得られた浸潤の質のさらなる特徴付けによって、抗−CD3再刺激に際してIFNγの産生を損なうことを示した(図6)。FACS分析は、IFNγが主にCD8T細胞で産生され、CD4T細胞によってはより少ない量であった。興味深いことに、NK細胞およびγδT細胞はIFNγ産生に寄与していなかった(図7)。
1Ca2+およびMg2+不含ハンクス平衡塩溶液(ギブコ#14170.070)
22.5%トリプシン/EDTA(10×)(ギブコ#35400−027)
31%ウシ血清アルブミンリン酸緩衝生理食塩水
IL−18BPはランゲルハンス細胞の補充(recruitment)を損なわない。
方法
マウスをハプテンFITC(4mg/ml溶液50μl)またはビヒクル、アセトン/ジブチルフタレート(1:1)で、右と左のわき腹をそれぞれ染色した。鼠径部のリンパ節を染色後24時間で回収した。ハプテン結合ランゲルハンス細胞は、FACSにより、FITC染色わき腹を流れる(draining)リンパ節においてFITC+、CD11c+細胞として検出することができたが、ビヒクルのみで染色されたわき腹を流れる対側のリンパ節においては検出されなかった(1群につきn=5のドレーン(draining)リンパ節)。
結果
抗体を提示するランゲルハンス細胞(LC)の流れているリンパ節への移動は、前炎症性サイトカインIL−1βおよびTNFαに依存し、そしてカスパーゼ−1によって制御されている(Antonopoulos et al., 2001; Kimber et al., 1992)。したがって、IL−18はLC輸送に寄与することが示されている(Cumberbatch et al., 2001)。よって、IL−18BPによる処置は、LC補充を減じ、したがって攻撃期間のあいだDNFBに対する免疫応答が減少する可能性がある。この仮説を検討するために、マウスをハプテンFITCまたはビヒクルで右と左のわき腹をそれぞれ染色した。皮膚ドレーン鼠径部リンパ節を染色後24時間で回収し、リンパ節当たりのFITC+細胞の数を評価した。染色の24時間前および1時間前に行なったIL−18BPによる動物の処置では、染色後24時間でのドレーンリンパ節に存在するハプテン提示LCの数は変化しなかった(図8)。したがって、このモデルにおいてはLC輸送に対してIL−18の大きな寄与はない。
IL−18BPは、DHTのほかのマウスモデルにおいて遅延型過敏症の程度を減少させる。
方法
遅延型過敏症
マウスを106BALB/c脾臓細胞の静脈注射により感作し、日数5に、右支脚皿に13×106BALB/c脾臓細胞(50μlPBS)で攻撃した。対照の左支脚皿に50μlのPBSを投与した。右支脚皿の腫れは、攻撃後の値から攻撃前の値と左支脚皿で測定された任意の腫れを減じることにより種々の日数で計算する。
養子免疫伝達実験のために、BALB/c脾臓細胞感作動物または未処置対照動物のリンパ節からの細胞懸濁液は、ラット抗マウスB220−FITCおよびCD8FITCでのインキュベーションによりB220+およびCD8+細胞を消尽させ、ついで常磁性抗FITCマイクロビーズを用いたMACSカラム(Miltenyi Biotech、オーバーン、カリホルニア、USA)で分離する。溶出したCD4+T細胞リッチ調製物を、レシピエントのマウスの尾の静脈に注射する(2×107細胞/マウス)。16時間後、マウスを、右支脚皿への13×106BALB/c脾臓細胞(赤血球細胞不含)の注射により感作し、腫れを次の日(following days)を通してモニターする。
結果
遅延型過敏症(DHT)は、CD8+T細胞の明らかなダウンレギュレーション効果と共にCD4+T細胞によって誘導される(Grabbe et al., 1998)。IL−18BPで処置されたマウス由来のCD4+T細胞の挙動は、DTHモデルにおいて研究される。C57BL/6動物は、106同種BALB/c脾臓細胞の静脈注射によって感作される。5日後、13×106BALB/c脾臓細胞を、10mg/kg組換えヒトIL−18BPipまたはビヒクルのいずれかと共に右支脚皿に注射する。局所的炎症は、24時間で支脚皿の腫れを測定することにより評価される。
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攻撃のあいだのIL−18BPでの処置は、接触過敏症(CHS)から保護することを示す。マウスを日数0で背中でDNFBに感作させ、5日後には耳で攻撃した。耳の腫れを毎日測定し、ビヒクルで処置した対照耳に対するDNFB処置の腫れの増加として測定した。日数5〜8に毎日、マウス当たり250μgのIL−18BPによる(i.p.)処置は、耳の腫れが目に見えて減少し(A)、一方、日数0〜2での処置はこの実験的腫れを防げなかった(B)(n=5マウス/群)。四角:IL−18BP処置マウス、三角:対照、すなわち生理食塩水処置動物。 最初のハプテン攻撃を日数5に行ない、2回目の攻撃を日数19に行なったのちの、250μg/マウス/日でIL−18BP(白抜き四角)またはビヒクル(黒塗り四角)を日数19〜22まで全身性投与した、遅延型過敏症モデルにおける、日数5〜30までの耳の腫れの程度を示す。 IL−18BPは、IL−18を中和することによりCHSを防ぐことを示す。IL−18欠損(KO)および野生型C57BL/6マウスを、それらのCHSを起こす能力について比較した。IL−18欠損マウスは、野生型マウスよりはっきりとしていないけれども、DNFBに対してCHSを発症した。しかしながら、IL−18BP処置の効果は、IL−18欠損マウスにおいては観察されなかったことから、IL−18BPのCHSに対する抗炎症性効果はIL−18BPの中和によることが示唆された(1群当たりn=5マウス)。円:生理食塩水(IL−18KOマウス);菱形:IL−18BP(IL−18KOマウス);四角:IL−18BP(野生型(WT)マウス);三角:生理食塩水(WTマウス)。 IL−18BPは、CHSのあいだ血管漏出を減少しないということを示す。CHSは、C57BL/6マウスで誘導した。CHS反応により生じた浮腫を観察するために、エバンスブルーをDNFBによる攻撃の2時間前にivで注射した。マウスを24時間後に殺し、耳を処理し、血管から漏れて周りの組織に蓄積された色素を抽出した。血管漏出は、乾燥耳組織重量当たりの色素の含量として評価し、血清中のエバンスブルーの濃度に対して補正し、そして対照の耳に対する攻撃した耳の比率として表わした。日数4および5でのIL−18BPによる処置ではビヒクル処置対照の56%まで腫れが減少した(左パネル、p<0.01)が、これら2つの群の間に血管漏出における有意差はなかった。両群は、非感作対照群と比較して、浮腫の有意な増加を示した(p<0.05およびp<0.01)。さらなる対照として、マウスを、1匹および1日当たり250μgの無関係なタンパク質であるBSAで処置した。これらのマウスは、ビヒクルで処理した対照動物と同様にCHSを発症した(1群につきn=10マウス)。 IL−18BP処置は、DNFB攻撃耳の炎症浸潤を減少する。CHSは記載されたようにC57BL/6マウスで誘導された。動物を日数4〜6でIL−18BPまたはビヒクル処置した。IL−18BP処置は、日数7でのビヒクル対照の58%まで腫れを減少した。マウスは日数7で殺し、攻撃された耳を回収し、群ごとにプールし(n=8)、そして酵素消化して単細胞懸濁液を得た。細胞を後のCD45陽性生細胞にゲートを設定するFACS分析により特徴づけた。耳調製物において検出されたαβT細胞、NK細胞、好中球および単球/マクロファージの数は、分析した全細胞の割合として表わす(上部の値)。ビヒクル対照と比較したIL−18BP処置後のこれらの種類の細胞の減少も下の図に加えられた。 IL−18処置の際にT細胞の活性化が損なわれるということを示す。DNFB攻撃耳から得られた細胞を、抗CD3抗体結合プレートを用いて1ウェル当たり2×105で再刺激した。その後24時間の培養期間のあいだに、さらにIL−18BPを添加することはなかった。IFNγ産生はELISAにより3点で(in triplicate)測定した。IL−18BP処置マウス由来の細胞は、ビヒクル処置対照動物由来の細胞培養物において検出されたIFNγの45%のみ産生した。 IL−18BP処置は耳の炎症浸潤においてIFNγ産生細胞の数を減少させるということを示す。DNFB攻撃耳からの細胞調製物を50μg/mlのPMA*および500ng/mlのロノマイシンで4時間刺激した。サイトカインの分泌は2μg/mlのブレフェルジンAをインキュベーションの最後の2時間添加することにより阻害した。ついで細胞を、細胞内IFNγおよび表面抗原に対する多色免疫蛍光染色にかけた。IL−18BP処置は、IFNγ染色陽性細胞の総数をビヒクル対照の78%に減少させた。IFNγはCD8T細胞により産生され、CD4T細胞によってはより少ない量であった。NK細胞およびαβT細胞ではIFNγは検出されなかった(n.d.、不検出;*ホルボール 12−ミリステート 13−アセテート)。 IL−18BP処置はランゲルハンス細胞のドレーンリンパ節への補充を損なわない。マウスをハプテンFITCまたはビヒクル、アセトン/ジブチルフタレート(1:1)で、右と左のわき腹をそれぞれ染色した。鼠径部のリンパ節を染色後24時間で回収した。ハプテン結合ランゲルハンス細胞は、FACSにより、FITC染色わき腹を流れるリンパ節においてFITC+、CD11c+細胞として検出することができたが、ビヒクルのみで染色されたわき腹を流れる対側のリンパ節においては検出されなかった。ドレーンリンパ節におけるハプテン提示ランゲルハンス細胞の割合は、染色の24時間前および1時間前にIL−18BPで処置した動物における全リンパ節細胞の1.2%だった。これは、対照処置動物で得られた数と有意差がなかった(1群当たりn=5ドレーンリンパ節)。

Claims (18)

  1. 接触過敏症の治療および/または予防のための医薬の製造のためのIL−18に対する抗体、IL−18受容体サブユニットのいずれかに対する抗体、およびIL−18結合タンパク質、またはその免疫グロブリン融合を含有する融合タンパク質、ポリエチレングリコール(PEG)に結合した機能的誘導体もしくは塩から選択されるIL−18阻害剤の使用。
  2. IL−18阻害剤がIL−18抗体である請求項記載の使用。
  3. IL−18抗体がヒト化IL−18抗体である請求項記載の使用。
  4. IL−18抗体がヒトIL−18抗体である請求項記載の使用。
  5. IL−18阻害剤が、IL−18結合タンパク質、またはその免疫グロブリン融合を含有する融合タンパク質、ポリエチレングリコール(PEG)に結合した機能的誘導体もしくは塩である請求項記載の使用。
  6. 医薬が、同時、連続または個別使用としてインターフェロンをさらに含む請求項1、2、3、4または5記載の使用。
  7. インターフェロンがインターフェロン−βである請求項記載の使用。
  8. 医薬が、同時、連続または個別使用として腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤であるTBPIおよび/またはTBPIIをさらに含む請求項1、2、3、4、5、6または7記載の使用。
  9. 医薬が、同時、連続または個別使用として抗炎症剤をさらに含む請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の使用。
  10. 抗炎症剤がCOX阻害剤である請求項記載の使用。
  11. 医薬が、同時、連続または個別使用として抗アレルギー剤をさらに含む請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の使用。
  12. IL−18阻害剤が、0.001〜1000mg/kg体重、または0.01〜100mg/kg体重、または0.1〜10mg/kg体重、または5mg/kg体重の量で使用される請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の使用。
  13. IL−18阻害剤が皮下に投与される請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の使用。
  14. IL−18阻害剤が筋肉内に投与される請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載の使用。
  15. IL−18阻害剤が局所的に投与される請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の使用。
  16. 接触過敏症の治療および/または予防のための医薬の製造における、IL−18に対する抗体、IL−18受容体サブユニットのいずれかに対する抗体、およびIL−18結合タンパク質、またはその免疫グロブリン融合を含有する融合タンパク質、ポリエチレングリコール(PEG)に結合した機能的誘導体もしくは塩から選択されるIL−18阻害剤のコード配列を含有する発現ベクターの使用。
  17. 接触過敏症の治療および/または予防のための医薬の製造における、細胞でのIL−18に対する抗体、IL−18受容体サブユニットのいずれかに対する抗体、およびIL−18結合タンパク質、またはその免疫グロブリン融合を含有する融合タンパク質、ポリエチレングリコール(PEG)に結合した機能的誘導体もしくは塩から選択されるIL−18阻害剤の内在的産生を誘導および/または促進させるためのベクターの使用。
  18. 接触過敏症の治療および/または予防のための医薬の製造における、IL−18に対する抗体、IL−18受容体サブユニットのいずれかに対する抗体、およびIL−18結合タンパク質、またはその免疫グロブリン融合を含有する融合タンパク質、ポリエチレングリコール(PEG)に結合した機能的誘導体もしくは塩から選択されるIL−18阻害剤を産生するために遺伝的に改変された細胞の使用。
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