JP4301273B2 - 洗濯機の給水装置 - Google Patents

Description

本発明は、洗濯時やすすぎ時に整流された水を洗濯槽内に注ぐ洗濯機の給水装置に関するものである。

従来、洗濯機の給水装置は、洗剤投入蓋を開閉自在に設けた流出口より洗濯兼脱水槽内に注水する注水装置を備え、流出口に注水流を拡散するリブ等を設ける構成が一般的であった（例えば特許文献１参照）。

図４〜６は従来の洗濯機の給水装置を示すもので、以下その構成について説明する。図４に示すように、水受け槽１は、底部にパルセーター２を回転自在に配設した洗濯兼脱水槽３を内包し、吊り棒４によって外枠５に吊り下げられている。外枠５の上部に上部外装体６を装着し、上部外装体６の略中央部に布投入口７を形成し、蓋８で覆っている。

また、上部外装体６の後部には、給水弁１０に連通する注水装置１１を装着している。前記注水装置１１は、図５の分解斜視図に示すように、給水弁１０とは可撓性を有するゴムやプラスチック材で構成された注水ホース９にて水密的に連結するとともに、洗濯時やすすぎ時における水を流出口１２より洗濯兼脱水槽３内に注水するもので、洗剤投入蓋１５を装着し、図６の要部断面図に示すようにこの洗剤投入蓋１５ａの状態の一点鎖線で示すように、開閉可能としている。

洗剤投入蓋１５が閉状態では、洗剤投入蓋１５の下端部の流出口１２より洗濯兼脱水槽３内に注水され、洗剤投入蓋１５が開状態では、洗剤投入蓋１５上に洗剤を投入することにより、洗濯時の洗濯水とともに洗剤を溶解しながら洗濯兼脱水槽３内に注水する。

所定の水位に達すると、パルセーター２を駆動して洗濯する。洗濯が終了し高濃度の洗濯液を排水した後、すすぎ行程では、水受け槽１内に水を溜めて、衣類についている洗剤成分をすすぎ水の中で拡散し希釈を行っている。
特開平１０−１５６０８７号公報

しかしながら、このような従来の構成では、給水弁１０と給水装置１１を連結ホース９にて連結しているため、給水弁１０からの高水圧が連結ホース９に直接加わるので、注水ホース９の取付けのバラツキや材質の経年変化等によっては、外れて水漏れするなどの不具合が発生することがあった。

また、洗剤投入蓋１５を開状態とし、洗剤投入蓋１５上に洗剤を投入して、洗濯水とともに洗剤を溶解しながら洗濯兼脱水槽３内に注水するとき、使用する水道水圧により影響を受ける給水量の変化によって、例えば少ない場合、洗剤投入蓋１５の全面にわたって注水できない場合があり、洗剤投入蓋１５上に投入した洗剤の溶解残りが発生するという課題を有していた。

一方、流量が多い場合は、水流の勢いによって洗濯槽への給水時に片寄りが生じ、使用者の美観を損なうという課題も有していた。

また、風呂水の残り水を使用する為のバスポンプ（図示せず）を搭載する場合、バスポンプの呼び水を満たす機構や、バスポンプから供給される水を、給水弁１０からの給水と同様に、撥ね返り等が無いように整流し洗濯兼脱水槽に投入する機構が別途必要であった。

本発明は上記課題を解決するもので、給水弁から高水圧が流れても給水弁と注水装置との水密的に連結する構造が、外れるなどの可能性が無く、また給水量の多少に関係なく、投入洗剤の溶解残りや、給水の片寄りを解消するとともに、バスポンプを搭載可能な洗濯機の給水装置を得ることを目的としている。

前記従来の課題を解決するために、本発明の洗濯機の給水装置は、流出空間より洗濯槽
内に注水する注水装置と、前記注水装置に水道等より洗濯水を供給する給水弁と、前記注水装置の前面下部に回動自在に設けた洗剤投入蓋と、風呂水を前記洗濯槽内に給水するバスポンプとを備え、前記注水装置は、前記給水弁の流出口を直接差し込む差込口と、前記給水弁から吐出した水を高圧に保つ第１の空間と、前記第１の空間から前記第２の空間へ下方に水を流出する水路と、前記水路の前方に設けた前記第１の空間より内容積の大きい第２の空間と、前記第２の空間の前面に設けた流水方向と略直角に設けた壁とを有し、前記流出空間は、前記壁の下方に前記洗剤投入蓋の幅まで広がるように構成し、前記バスポンプは、前記第１の空間に設けた呼び水用の吐出口と、前記第２の空間の後面にその流水方向を前記壁に向けて設けた風呂水給水口に接続し、前記風呂水給水口から供給された風呂水が衝突するように、その下端を前記風呂水給水口より下方に位置させたしきり板を設け、前記風呂水給水口から供給された風呂水を前記しきり板により左右および下方に広げて、前記流出空間より洗濯槽内に注水するようにしたものである。

これによって、給水弁と注水装置との水密的に連結する構造が確実で、また給水量の多少に関係なく、投入洗剤の溶解残りや、給水の片寄りを解消するとともに、バスポンプを搭載可能にする事が出来る。

本発明の洗濯機の給水装置は、給水弁と注水装置との連結が外れること無く、また給水量の多少に関係なく、投入洗剤の溶解残りや、給水の片寄りを解消するとともに、バスポンプを搭載可能にする事が出来る。

第１の発明は、流出空間より洗濯槽内に注水する注水装置と、前記注水装置に水道等より洗濯水を供給する給水弁と、前記注水装置の前面下部に回動自在に設けた洗剤投入蓋と、風呂水を前記洗濯槽内に給水するバスポンプとを備え、前記注水装置は、前記給水弁の流出口を直接差し込む差込口と、前記給水弁から吐出した水を高圧に保つ第１の空間と、前記第１の空間から前記第２の空間へ下方に水を流出する水路と、前記水路の前方に設けた前記第１の空間より内容積の大きい第２の空間と、前記第２の空間の前面に設けた流水方向と略直角に設けた壁とを有し、前記流出空間は、前記壁の下方に前記洗剤投入蓋の幅まで広がるように構成し、前記バスポンプは、前記第１の空間に設けた呼び水用の吐出口と、前記第２の空間の後面にその流水方向を前記壁に向けて設けた風呂水給水口に接続し、前記風呂水給水口から供給された風呂水が衝突するように、その下端を前記風呂水給水口より下方に位置させたしきり板を設け、前記風呂水給水口から供給された風呂水を前記しきり板により左右および下方に広げて、前記流出空間より洗濯槽内に注水するようにしたことにより、注水装置は給水弁をねじ固定しているので給水弁から吐出した水圧が高い場合でも、注水装置と電磁給水弁が外れることは無く、また、給水弁から吐出した水を高圧に保つ第１の空間と、その第１の空間から下方に水を流出する水路と、その前方に第１の空間より断面積の大きい第２の空間を設けることによって、給水は整流され、さらに第２の空間の最前面には流水方向と略直角な壁を設けて水の流れの勢いを止め、その壁の下方には注水装置の幅まで広がる空間を設けることにより、投入洗剤の溶解残りや、給水の片寄りによる衣類から跳ね返り等を解消することができる。また、容易にバスポンプを搭載可能に構成できると共に、バスポンプから供給された水の勢いを止めるとともに左右および下方に水を広げて洗濯兼脱水槽に給水することが可能となる。

（実施の形態１）
図１は、本発明の第１の実施の形態における洗濯機の給水装置の分解斜視図、図２は、同洗濯機の給水装置の断面図、図３は同洗濯機の給水装置の後方から見た部分分解斜視図である。

図１〜図３に示すように、注水装置１９は、プラスチック成型品で構成される注水部材３５と蓋部材３６との組合せ、および洗剤投入蓋１７を開閉可能に設けて構成される。

そして、注水部材３５と蓋部材３６を組みたてた状態で形成される前方の流出空間１８より、前記洗濯槽（図示せず）内に注水すると共に、前記注水装置１９には、円筒状の防水用のゴムパッキン２０を介して円筒形の給水弁２１の流出口２２を挿入する差込口２３を設け、水密的に連結する。なお、上記差込口２３は、注水部材３５が構成する第１の空間２７の側壁に形成する。

さらに注水装置１９と給水弁２４とを固定する為に、給水弁２４に取付フランジ２１を形成し、注水装置１９側には、取付フランジ２１に対応する位置にボス２６を設け、流出口２２をゴムパッキン２０を介して差込口２３に挿入後、ねじ２５にて固定する。

注水装置１９の後方には、前記給水弁２４から吐出された水が一旦流入する第１の空間２７を注水部材３５に一体に設け、前記第１の空間２７の下方には図２で示した水路２８を形成し、その前方に第１の空間２７より内容積の大きい第２の空間２９を、注水部材３５と蓋部材３６との組合せにより構成する。

さらに第２の空間２９の最前面には流水方向と略直角に壁３０を蓋部材３６に一体に設け、その壁３０の下方には注水部材３５の横幅まで広がる流出空間１８を設ける。

洗剤投入蓋１７は、注水部材３５の前面下部に設けた略円筒計形の凸部４１に、洗剤投入蓋１７に設けたＣ字状の嵌合部４２を回動自在に装着させ、その横幅は前記流出空間の横幅と同等または若干大きい形状とする。

さらに、第１の空間２７にバスポンプ３１の呼び水用の吐出口３２を設け、第２の空間２９の後面３９にバスポンプ３１からの円筒状風呂水給水口３８を設け、風呂水給水口３８からの流水方向を、給水弁２４から第１の空間２７を通り第２の空間２９に流入する流水方向と同じになるように円筒状の風呂水給水口３８の軸方向を形成する。呼び水用の吐出口３２および風呂水給水口３８は、いずれも注水部材３５に一体形成する。

また、第２の空間２９内に、蓋部材３６から下方に垂下した形状のしきり板４０（図２、図４を参照）を一体に形成し、かつ前記しきり板４０の下端は、前記風呂水給水口３８より下方に位置するように構成する。

以上のように構成された洗濯機の給水装置について、以下、その動作、作用を説明する。給水弁２４と、注水装置１９とは、ねじ２５にてねじ止めされているので、給水弁２４から高い水圧の給水が作用しても、注水装置１９と給水弁２４が外れることはない。

また、給水弁２４を図１に示すように注水装置１９の後方側面に取付けることによって給水弁２４から吐出した水は、差込口２３面と反対の側面に激しく衝突し、勢いを弱める。

さらに吐出した水を高圧に保つ第１の空間２７と、その第１の空間から下方に水を流出する水路２８と、その前方に第１の空間より内容積の大きい第２の空間２９を設けることによって、給水は減圧整流され、さらに第２の空間２９の最前面には流水方向と略直角に壁３０を設け、その壁３０の下方には注水部材３５の幅まで広がる流出空間１８を設けているので、整流された水が幅広く洗剤投入蓋１７に流れるため、投入洗剤の溶解残りが解消され、また、給水の片寄りを解消することができるので、注水パターンが幅広くなり美観が優れていると共に、注水流が集中して衣類からの跳ね返りや水飛びも防止できる。

さらに、第１の空間２７にバスポンプ３１の呼び水用の吐出口３２を設け、第２の空間２９にバスポンプ３１からの風呂水給水口を設ける構成は、注水部材３５に一体形成しているので、バスポンプ３１が搭載可能な洗濯機の給水装置を簡単に構成することが可能となる。また、呼び水用の吐出口３２を第１の空間２７に設けて、高圧に保たれた水流をバスポンプに供給できるので、円滑な呼び水が可能となる。また、バスポンプ３１からの円筒状の風呂水給水口３８は注水装置１９の後面に設け円筒の軸方向を、流水方向と平行に設けているので、バスポンプ３１から給水された水は片寄ることなく注水装置１９前方に流すことができる。

さらに、第２の空間２９内に、バスポンプ３１から供給された風呂水が衝突する、しきり板４０を設けることにより、バスポンプ３１から供給された水の勢いを止めるとともに左右および下方に水を広げ、第２の空間２９の最前面に設けた壁３０によって見栄え良く、洗濯兼脱水槽に給水することが可能となる。

またこの注水装置１９は、注水部材３５と蓋部材３６で構成され、第１の空間２７から下方に水を抜く水路２８と、バスポンプ３１から供給された風呂水が衝突するしきり板４０を蓋部材にて構成することによって成形加工品にて容易に実現できる。

以上のように本実施の形態により、注水部材３５と蓋部材３６および洗剤投入蓋１７との組合せによる構成で、給水弁２４との確実な水密連結、第１の空間での注水圧力の減圧、第２の空間で給水弁２４からの給水および風呂水からの流水の拡散により幅広い注水流での洗剤溶解の向上と美観を損なわない注水パターン、バスポンプ３１への呼び水および風呂水給水口３８等の機能の一体構成、等が可能となる有効な提案が出来る。

以上のように本発明に係る洗濯機の給水装置は、水道からの給水と、風呂水等の残り水使用と、洗剤の溶解機能と一体に構成をすることが可能となるので、複数の水供給を洗剤投入と溶解に利用する機器に適用できる。

本発明の実施の形態１における洗濯機の給水装置の分解斜視図 同洗濯機の給水装置の断面図 同洗濯機の給水装置の後方から見た部分分解斜視図 従来の洗濯機の縦断面図 従来の洗濯機の給水装置の分解斜視図 従来の洗濯機の給水装置の要部断面図

符号の説明

１７ 洗剤投入蓋
１８ 流出空間
１９ 注水装置
２０ ゴムパッキン
２２ 流出口
２３ 差込口
２４ 給水弁
２６ ボス
２７ 第１の空間
２８ 水路
２９ 第２の空間
３０ 壁
３１ バスポンプ
３２ 吐出口
３５ 注水部材
３６ 蓋部材
３８ 風呂水給水口
４０ しきり板

Claims (1)

1. 流出空間より洗濯槽内に注水する注水装置と、前記注水装置に水道等より洗濯水を供給する給水弁と、前記注水装置の前面下部に回動自在に設けた洗剤投入蓋と、風呂水を前記洗濯槽内に給水するバスポンプとを備え、前記注水装置は、前記給水弁の流出口を直接差し込む差込口と、前記給水弁から吐出した水を高圧に保つ第１の空間と、前記第１の空間から前記第２の空間へ下方に水を流出する水路と、前記水路の前方に設けた前記第１の空間より内容積の大きい第２の空間と、前記第２の空間の前面に設けた流水方向と略直角に設けた壁とを有し、前記流出空間は、前記壁の下方に前記洗剤投入蓋の幅まで広がるように構成し、前記バスポンプは、前記第１の空間に設けた呼び水用の吐出口と、前記第２の空間の後面にその流水方向を前記壁に向けて設けた風呂水給水口に接続し、前記風呂水給水口から供給された風呂水が衝突するように、その下端を前記風呂水給水口より下方に位置させたしきり板を設け、前記風呂水給水口から供給された風呂水を前記しきり板により左右および下方に広げて、前記流出空間より洗濯槽内に注水するようにした洗濯機の給水装置。

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