JP4298562B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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Description

本発明は、パーキングブレーキ兼用型のディスクブレーキに関する。
従来、車両のディスクブレーキにおいては、ブレーキペダルの操作等に基づくマスタシリンダからの液圧により推進するピストンによってブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両の制動を行うとともに、パーキングブレーキレバーの操作等によりワイヤ等を介して駆動される押圧機構によってピストンを推進してブレーキパッドをディスクロータに押圧して車両の停止状態を維持するパーキングブレーキ兼用型のディスクブレーキがある。
このようなパーキングブレーキ兼用型のディスクブレーキでは、押圧機構で押圧されるプッシュロッドと、このプッシュロッドに螺合されるとともにピストンに当接するクラッチ部材とを有する摩耗補償機構が設けられている。この摩耗補償機構により、ブレーキパッドの摩耗でピストンの初期位置が前進したときでも、所定ストロークでパーキングブレーキを作動させることができる。
このような摩耗補償機構は、通常の液圧による制動時に作動することになるが、摩耗補償作動後の液圧上昇により摩耗補償分以上にピストンの初期位置を前進させてしまう過調整を防止するために、プッシュロッドをピストンとともに推進させるようになっている(過調整防止作動)。このとき、プッシュロッドにはシリンダの底部の貫通穴との隙間をシールするOリングが設けられており、上記過調整防止作動時のプッシュロッドの推進時に、このOリングの受圧面積で推進方向とは反対方向にも液圧による力がかかってしまう。これにより、ピストンの出力効率に影響を及ぼしてしまうことがある。
このため、プッシュロッドを軸方向において2分割して、上記Oリングの受圧面積に対しかかる液圧をピストンに作用させないようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
実開昭56−168633号公報
上記した特許文献1のものは、プッシュロッドの分割体同士の相対回転を防止する必要があるため、両分割体の分割面に凹凸を設けてこの凹凸をスプライン結合させたものとなっている。このような構造であると、凹部の底面と凸部の先端面とが密着状態となるため、凸部の先端面にはシリンダ内の液圧がかからず、過調整防止作動時の分割体同士の離れ始めが遅くなり、その分、ピストンの入力に対する出力効率が低下してしまうという問題があった。
したがって、本発明は、過調整防止作動時の分割体同士の離れ始めを早くすることができ、ピストンの入力に対する出力効率を向上させることができるディスクブレーキの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ディスクを介して両側に配置される一対のパッドと、ピストンを液圧が供給されるシリンダのボアに摺動可能に嵌合させるとともに前記ピストンの摺動によって前記一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、前記シリンダのボア外に配置され、前記ピストンの摺動方向に押圧力を発生する押圧機構と、前記シリンダ内に配置され、前記押圧機構で押圧される一端側分割体とオネジ部が形成される他端側分割体とに軸線方向において分割され、両分割体の分割面が平面で直接当接するプッシュロッドと、前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドの前記他端側分割体に螺合されるとともに前記ピストンに当接し、前記プッシュロッドで押圧されて前記ピストンを押圧するクラッチ部材と、前記押圧機構と前記プッシュロッドの両分割体の分割面との間に設けられ、前記シリンダと前記一端側分割体との隙間をシールするプッシュロッドシールと、を備え、前記プッシュロッドの前記一端側分割体と前記他端側分割体との分割面に、前記シリンダ内に常時開口する空間部設けられていることを特徴としている。
請求項2の発明は、前記空間部は、前記一端側分割体または前記他端側分割体の分割面に形成された溝であることを特徴としている。
請求項3の発明は、ディスクを介して両側に配置される一対のパッドと、ピストンを液圧が供給されるシリンダに摺動可能に嵌合させるとともに前記ピストンの摺動によって前記一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、前記シリンダのボア外に配置され、前記ピストンの摺動方向に押圧力を発生する押圧機構と、前記シリンダ内に配置され、前記押圧機構で押圧される一端側分割体とオネジ部が形成される他端側分割体とに軸線方向において分割されるプッシュロッドと、前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドの前記他端側分割体に螺合されるとともに前記ピストンに当接し、前記プッシュロッドで押圧されて前記ピストンを押圧するクラッチ部材と、を備え、前記プッシュロッドの前記一端側分割体と前記他端側分割体との分割面には、前記シリンダ内に常時開口し、前記分割面の中心を通る直径位置において前記分割面を横断し互いに直交する二ヵ所の溝を設けることを特徴としている
本発明によれば、シリンダへの高液圧負荷時に、ピストンに液圧が作用してディスクの方向への推進力が発生することになり、クラッチ部材にも液圧が作用してディスクの方向への推進力が発生することになる一方、プッシュロッドには、クラッチ部材がピストンを押圧する方向とは逆方向に液圧が作用することになる。このとき、プッシュロッドが、押圧機構で押圧される一端側分割体とクラッチ部材に螺合する他端側分割体とに二分割されていることから、これらの分割面間にクリアランスが生じて、一端側分割体のディスクに対し反対方向の推進力を、他端側分割体に生じるディスクの方向への推進力から分離できる。そして、このとき、一端側分割体と他端側分割体との分割面に、シリンダ内に常時開口する空間部が設けられているため、シリンダへの高液圧負荷時に、一端側分割体と他端側分割体とが密着状態になってしまうのを防止できる。したがって、過調整防止作動時の分割体同士の離れ始めを早くすることができ、ピストンの入力に対する出力効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態のディスクブレーキを図面を参照して以下に説明する。
本実施形態のディスクブレーキは、図1に示すように、車両の非回転部に固定されるキャリア11と、このキャリア11にディスク12を介して両側に配設された状態で摺動可能に支持される一対のパッド13と、キャリア11にディスク12の軸線方向に沿って摺動自在となるよう支持されて一対のパッド13を両側から挟持するキャリパ14とで主に構成されている。
キャリパ14は、一方のパッド13のディスク12に対し反対側に開口部17を対向させる有底筒状のシリンダ18と、このシリンダ18の半径方向における一側からディスク12の外周部を跨いで延出するディスクパス部19と、このディスクパス部19のシリンダ18に対し反対側から他方のパッド13のディスク12に対し反対側に対向するように延出する爪部20とを有するキャリパ本体21を有している。
また、キャリパ14は、有底筒状に形成されて底部24側をパッド13側に向けてキャリパ本体21のシリンダ18のボア25の内周面に摺動自在に嵌合されるピストン26と、ピストン26とシリンダ18のボア25の内周面との隙間をシールするリング状のピストンシール27とを有している。なお、ピストンシール27はシリンダ18に保持されている。
キャリパ14は、シリンダ18とピストン26との間に導入されるブレーキ液圧によって、ピストン26をパッド13の方向に突出させることによって、このピストン26と爪部20とで一対のパッド13を両側から把持することによりディスク12に接触させるものである。
上記のように、ピストン26は、ブレーキペダルへの踏み込み操作による通常制動時には、図示せぬマスタシリンダからシリンダ18内に導入されるブレーキ液圧でシリンダ18から爪部20の方向に突出させられることにより一対のパッド13をディスク12に押圧させて制動力を発生させるものであるが、シリンダ18内には、ピストン26をこのようなブレーキ液圧ではなく機械的に突出させることにより一対のパッド13をディスク12に押圧させて制動力を発生させるパーキングブレーキ機構30が設けられている。
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18のボア25の外側に配置され、ピストン26の摺動方向に押圧力を発生するカム機構(押圧機構)32を有している。
すなわち、シリンダ18の底部33には、ボア25の底面34から離間してこのシリンダ18の軸線方向に対し直交方向にカム穴35が形成されており、また、底面34の中央位置からカム穴35まで軸線上において貫通する底部穴36が形成されていて、これらカム穴35および底部穴36にカム機構32が設けられている。
このカム機構32は、カム穴35にベアリング38を介して回転可能に挿入された略円柱状のカム本体39を有している。カム本体39には、半径方向の外周面から中心方向に向けて略V字状に凹むカム凹部40が形成されている。このカム凹部40は、最も凹んだ位置をカム本体39の中心軸線に対しオフセットさせている。
カム機構32は、カム凹部40に一端側が挿入されるとともに他端側が底部穴36側に配置されるカムロッド42を有しており、このカムロッド42は、シリンダ18の軸線に直交する方向に沿う軸線回りにカム本体39が回転駆動されるとカム凹部40の形状によってカム本体39からの突出量を変化させる。なお、カム本体39は、図示せぬパーキングブレーキレバーの手動操作等により回転する。
また、シリンダ18内には、カム機構32のカムロッド42で押圧されてシリンダ18の軸線方向に移動するプッシュロッド44が設けられている。
本実施形態においては、プッシュロッド44が、前進時前側すなわちピストン26側の前部分割体(他端側分割体)45と、前進時後側すなわちシリンダ底部側の後部分割体(一端側分割体)46とに二分割されている。
プッシュロッド44の後部分割体46は、カム機構32で押圧されるもので、軸部48とこの軸部48の一端側から半径方向外方に広がるフランジ部49とを有している。また、軸線方向における軸部48のフランジ部49に対し反対側には軸線方向に凹む当接凹部51が形成されており、フランジ部49の軸部48とは反対側の外周部には軸線方向に凹む環状の段部50が形成されている。
この後部分割体46は、その軸部48がシリンダ18の底部穴36に摺動可能に嵌合させられることになる。後部分割体46は、上記のように軸部48が底部穴36に嵌合させられた状態で当接凹部51に上記カム機構32のカムロッド42の先端側を収納する。なお、軸部48とシリンダ18の底部穴36との間には、これらの隙間をシールするリング状のプッシュロッドシール52が設けられている。このプッシュロッドシール52は、後部分割体46の軸部48に保持されている。
プッシュロッド44の前部分割体45は、半径方向における外周面にオネジ部53が形成された軸部54とこの軸部54の一端側から半径方向外方に広がるフランジ部55とを有する形状をなしており、フランジ部55を後部分割体46のフランジ部49に当接させることになる。このとき、前部分割体45のフランジ部55の軸部54とは反対側の面がプッシュロッド44を分割する分割面56となり、これに対向する後部分割体46のフランジ部49の軸部48とは反対側の面もプッシュロッド44を分割する分割面57となって、前部分割体45および後部分割体46はこれら分割面56,57で当接する。
前部分割体45は、図2および図3に示すように、フランジ部55に半径方向外側に一部突出する複数具体的には二カ所の凸部59が180度異なる位置に形成されている。これら凸部59は、フランジ部55の軸線方向に直交する断面がフランジ部55の半径方向に凸状の略半円状をなしている。
これに対して、シリンダ18の底部33側のボア25の内周面には、シリンダ18の軸線方向に延びる凹部60が互いに180度異なる位置に形成されている。これら凹部60は、延在方向に直交する断面がシリンダ18の半径方向に凹状の略半円状をなしている。
そして、このシリンダ18の凹部60に、前部分割体45のフランジ部55の半径方向外側に突出する凸部59が摺動可能となるように嵌合させられる。この凸部59の凹部60への嵌合によって前部分割体45は、シリンダ18に対し軸回りの回転が規制された状態で軸方向に移動可能つまり後部分割体46に対し離間および近接可能となる。
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18内においてプッシュロッド44の前部分割体45の軸部54のオネジ部53に、内径側に形成されたメネジ部65で螺合される略円筒状のクラッチ部材66を有している。
ここで、ピストン26の内径側は、底部24側が小径の小径内径部68とされるとともに、小径内径部68よりも開口側がこれより大径の大径内径部69とされており、これら小径内径部68および大径内径部69の間には大径内径部69側が大径となるように傾斜するテーパ面部70が形成されている。
クラッチ部材66は、先端側がピストン26の小径内径部68に嵌合する嵌合部72とされており、この嵌合部72と隣り合ってテーパ面部70に当接するテーパ部73が形成されている。
ここで、カム機構32のカム本体39を回転運動させることにより、カムロッド42の突出量を小から大へ変化させると、プッシュロッド44の後部分割体46および前部分割体45とクラッチ部材66とが軸線方向に直線運動し、クラッチ部材66がテーパ部73においてピストン26のテーパ面部70に当接してこのピストン26をシリンダ18に対しパッド13側に摺動させる。
なお、プッシュロッド44の前部分割体45のオネジ部53とクラッチ部材66のメネジ部65とは、螺合部74を構成しており、この螺合部74には、前部分割体45とクラッチ部材66との間に互いに回転せずに所定量軸方向に移動可能なクリアランスを有している。
また、ピストン26の底部24側にはクラッチ部材66との隙間を大気開放させるための大気開放穴76が形成されている。
加えて、クラッチ部材66の嵌合部72とピストン26の小径内径部68との間には、これらの隙間をシールするリング状のクラッチ部材シール77が設けられている。このクラッチ部材シール77は、クラッチ部材66の嵌合部72に保持されている。
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18内においてクラッチ部材66とプッシュロッド44の前部分割体45との位置調整を行うアジャスト部80を有している。
このアジャスト部80は、ピストン26の大径内径部69に形成された係合溝81に係合される止め輪82によってピストン26とクラッチ部材66との間に支持されるもので、ピストン26がシリンダ18内に導入されたブレーキ液圧によって軸方向に移動する際には、実質的には停止状態にあるプッシュロッド44に対し、クラッチ部材66を回転させながらピストン26に追従させて軸方向に移動させる。
また、アジャスト部80は、プッシュロッド44の前部分割体45が軸線方向に直線運動する際には、クラッチ部材66を前部分割体45に対し回転させることがなく、その結果、オネジ部53とメネジ部65とからなる螺合部74によってクラッチ部材66をプッシュロッド44と一体に直線運動させる。
パーキングブレーキ機構30は、シリンダ18内において、クラッチ部材66の一部とプッシュロッド44の前部分割体45および後部分割体46の一部とを覆うように設けられたスプリングカバー84と、プッシュロッド44の前部分割体45のフランジ部55とスプリングカバー84のピストン26側との間に介装されたプッシュロッド付勢スプリング(プッシュロッド付勢部材)85とを有している。
スプリングカバー84は、内側にクラッチ部材66を挿入させるリング状部87と、このリング状部87の外径側から軸線方向一側に延出する円筒状部88と、円筒状部88のリング状部87に対し反対側から半径方向外側に切り起こされた複数の係止片部89と、円筒状部88のリング状部87に対し反対側からさらに軸線方向一側に延出する複数具体的には四カ所の延出片部90とを有している。
そして、スプリングカバー84は、各延出片部90が、プッシュロッド44の前部分割体45のフランジ部55の外周面の外側を通り、後部分割体46のフランジ部49の外周面の外側を通って、さらにこのフランジ部49から突出する部分が、半径方向内方に折り曲げられることになり、この折り曲げ後の折曲部91で後部分割体46のフランジ部49の軸部48側に係止される。
この状態で、プッシュロッド付勢スプリング85は、スプリングカバー84のリング状部87とプッシュロッド44の前部分割体45のフランジ部55との間に介装されることになり、言い換えれば、スプリングカバー84は、プッシュロッド付勢スプリング85をプッシュロッド44の前部分割体45との間で保持することになる。
上記したプッシュロッド44の前部分割体45と、プッシュロッド44の後部分割体46と、プッシュロッド付勢スプリング85と、スプリングカバー84とは、一つの組立体のカートリッジ93としてサブアセンブリ化され、その後、シリンダ18に組み付けられる。なお、カートリッジ93は、スプリングカバー84の係止片部89がシリンダ18の内周面に形成された嵌合溝94に嵌合される止め輪95で係止されることでシリンダ18から抜け止めされる。
そして、本実施形態においては、図1および図2等に示すように、前部分割体45のフランジ部55の分割面56と後部分割体46のフランジ部49の分割面57との間に、シリンダ18内に常時開口する空間部97が設けられている。
この空間部97は、図3および図4にも示すように前部分割体45の分割面56に分割面56から凹むように溝98を形成することで設けられている。溝98は、分割面56の中心を通る直径位置において分割面56を横断しており、互いに直交するように二カ所形成されている。ここで、これらの溝98は凸部59が設けられた位置とは位相をずらして形成されている。これらの溝98は、延在方向に直交する断面が図4に示すようにV字状をなしている。
このような構成のディスクブレーキでは、図示せぬパーキングブレーキレバーが操作されることによりカム機構32のカム本体39が回動させられると、カム機構32のカムロッド42が突出量を増やし、プッシュロッド44の後部分割体46をディスク12の方向に移動させる。すると、後部分割体46に当接する前部分割体45がディスク12の方向に移動し、これと一体にクラッチ部材66が移動して、ピストン26をディスク12の方向に移動させて、機械的に一対のパッド13をディスク12に押し付ける。
他方、通常のブレーキペダルによるブレーキ操作でブレーキ液圧がシリンダ18とピストン26との間に導入されると、ピストン26にはピストンシール27による受圧面積に対し液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生することになるが、クラッチ部材66にもクラッチ部材シール77による受圧面積に対し液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生し、初期においてはプッシュロッド44の前部分割体45との螺合部74における螺合のクリアランス分回転せずに軸線方向に移動してピストン26を押すことになる。
そして、さらにブレーキ液圧がシリンダ18内に導入されて、所定液圧以上になると、クラッチ部材66へ作用する液圧でクラッチ部材66がピストン26に押し付けられることになり、ピストン26に液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生することになって、クラッチ部材66にも液圧が作用してディスク12の方向への推進力が発生することになる。
一方で、プッシュロッド44の後部分割体46にも、プッシュロッドシール52による受圧面積に対し液圧が作用して、ディスク12に対し反対方向への推進力が発生することになるが、プッシュロッド44が、上記のように前部分割体45と後部分割体46とに二分割されていることから、後部分割体46のディスク12に対し反対方向の推進力を、前部分割体45に生じるディスク12の方向への推進力から分離できる。
このとき、本実施形態のディスクブレーキにおいては、前部分割体45と後部分割体46との分割面56,57に、上記したようにシリンダ18内に常時開口する空間部97が設けられているため、この空間部97からブレーキ液が行き渡り、前部分割体45と後部分割体46とが密着状態になってしまうのを防止できる。したがって、過調整防止作動時の前部分割体45および後部分割体46同士の離れ始めを早くすることができ、ピストン26の入力に対する出力効率を向上させることができる。
なお、以上の実施形態においては、プッシュロッド44の分割面56,57にシリンダ18内に常時開口する空間部97を形成するために、前部分割体45の分割面56に溝98を形成する場合を例にとり説明したが、後部分割体46の分割面57に溝98を形成しても良く、両方の分割面56,57に溝98を形成しても良い。つまり、前部分割体45の分割面56および後部分割体46の分割面57のうちの少なくともいずれか一方に溝98を形成すれば良い。
また、溝98の数および方向は適宜変更可能であり、例えば、図5に示すように一カ所としたり、図6に示すように互いに直交するように二カ所形成しこれらの中央位置にさらに一カ所形成するように三カ所形成する等の三カ所以上としたりすることができる。
さらに、いずれの場合も溝98の断面形状は、V字状に限らず、図7に示すように四角形状としたり、図8に示すように、略半楕円状としたりすることが可能である。
加えて、例えば後部分割体46の分割面57に図9に示すように突起状の加工残し部99が存在しても、この加工残し部99の位置に溝98の位置を合わせて形成するようにすれば、分割面56,57同士の当接時に加工残し部99を溝98内に収納させることができる。このため、加工残し部99の除去作業を不要にでき、コストダウンを図ることができる。
本発明の一実施形態のディスクブレーキを示す断面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキの図1におけるX−X線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキにおける前部分割体を示す図1におけるX−X線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキにおける前部分割体を示す部分側面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキにおける前部分割体の一の変形例を示す図1におけるX−X線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキにおける前部分割体の別の変形例を示す図1におけるX−X線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキにおける前部分割体の一の変形例を示す部分側面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキにおける前部分割体の別の変形例を示す部分側面図である。 本発明の一実施形態のディスクブレーキを示す部分断面図であって後部分割体のさらに別の変形例を示すものである。
符号の説明
12 ディスク
13 パッド
14 キャリパ
18 シリンダ
25 ボア
26 ピストン
32 カム機構(押圧機構)
44 プッシュロッド
45 前部分割体
46 後部分割体
56,57 分割面
66 クラッチ部材
97 空間部
98 溝

Claims (3)

  1. ディスクを介して両側に配置される一対のパッドと、
    ピストンを液圧が供給されるシリンダのボアに摺動可能に嵌合させるとともに前記ピストンの摺動によって前記一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、
    前記シリンダに配置され、前記ピストンの摺動方向に押圧力を発生する押圧機構と、
    前記シリンダ内に配置され、前記押圧機構で押圧される一端側分割体とオネジ部が形成される他端側分割体とに軸線方向において分割され、両分割体の分割面が平面で直接当接するプッシュロッドと、
    前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドの前記他端側分割体に螺合されるとともに前記ピストンに当接し、前記プッシュロッドで押圧されて前記ピストンを押圧するクラッチ部材と、
    前記押圧機構と前記プッシュロッドの両分割体の分割面との間に設けられ、前記シリンダと前記一端側分割体との隙間をシールするプッシュロッドシールと、
    を備え、
    前記プッシュロッドの前記一端側分割体と前記他端側分割体との分割面に、前記シリンダ内に常時開口する空間部設けられていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記空間部は、前記一端側分割体または前記他端側分割体の分割面に形成された溝であることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. ディスクを介して両側に配置される一対のパッドと、
    ピストンを液圧が供給されるシリンダに摺動可能に嵌合させるとともに前記ピストンの摺動によって前記一対のパッドをディスクに接触させるキャリパと、
    前記シリンダのボア外に配置され、前記ピストンの摺動方向に押圧力を発生する押圧機構と、
    前記シリンダ内に配置され、前記押圧機構で押圧される一端側分割体とオネジ部が形成される他端側分割体とに軸線方向において分割されるプッシュロッドと、
    前記シリンダ内に配置され、前記プッシュロッドの前記他端側分割体に螺合されるとともに前記ピストンに当接し、前記プッシュロッドで押圧されて前記ピストンを押圧するクラッチ部材と、
    を備え、
    前記プッシュロッドの前記一端側分割体と前記他端側分割体との分割面には、前記シリンダ内に常時開口し、前記分割面の中心を通る直径位置において前記分割面を横断し互いに直交する二ヵ所の溝を設けることを特徴とするディスクブレーキ。
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