JP4297627B2 - 繊維加工用水分散性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、適度のアルカリ増粘性を有すると共に、例えば室温などの比較的低い温度で成膜して柔軟な皮膜を形成するが、皮膜の加熱前には冷水でも容易に水再分散が可能であり、加熱することにより柔軟で、耐水性、耐溶剤性、耐熱性、耐久性などに優れた皮膜を形成することのできる繊維加工用水分散性樹脂組成物に関し、詳しくは、例えば、天然繊維、再生繊維、合成繊維からなる織布、編布、不織布、フェルト、紙などの繊維基材の処理に用いられる樹脂加工剤のバインダー、例えば、不織布バインダー、捺染バインダー、紙や織布等に対するコーティング剤用バインダー、カーペットバッキング剤バインダー、植毛加工用バインダー等として有用であり、中でも、宣伝広告などに用いられる旗・幟などの、特に精細な絵柄、例えば写真等を上記の繊維基材にプリント捺染するためのスクリーン捺染用バインダーとして特に有用な、繊維加工用水分散性樹脂組成物に関する。
【0002】
さらに詳しくは、特定の分子構造を有し、且つ常温の水100gに対する溶解量が1g未満である1種以上の疎水性単量体、不飽和カルボン酸、及びアクリルアミドである親水性単量体からなる必須単量体をそれぞれ特定量範囲ずつ含む単量体の混合物を乳化共重合してなる、特定のガラス転移点(Tg)範囲のアクリル系共重合体を含有してなる繊維加工用水分散性樹脂組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来から、各種の繊維基材の加工処理に際して、アクリル系共重合体エマルジョンに基づく各種の水分散性樹脂組成物が使用されている。
【0004】
しかしながら従来の水分散性樹脂組成物は、特に室温、例えば20℃程度の温度で柔軟な皮膜を形成するものでは、該組成物を繊維基材に塗布する際の塗布ロールやそれらを含浸させた時の絞りロールなどの表面に皮膜を形成し、その皮膜がそれら加工工程の中で剥がれて得られる繊維加工製品の表面に付着し、製品としての価値を低下させることがしばしばである。
【0005】
またこのような樹脂組成物を用いて前記の繊維基材にプリント捺染する場合には、皮膜の形成によって捺染用スクリーンの目を詰めてしまうため、一定時間毎にスクリーンを交換することが必要になり、交換したスクリーンの洗浄も容易ではない。特に、前記の広告宣伝用旗・幟など精細な絵柄のプリント捺染の場合には、通常用いられるスクリーンより遙かに目の細かい、例えば300メッシュ以上のスクリーンを使用するため、一層目詰まりを起こし易く、極めて頻繁なスクリーンの交換が必要となる。このような成膜性の抑制には、該組成物中に乾燥防止剤として、グリコール系溶剤、尿素などを添加することも知られているが、このような添加物は、得られる繊維加工製品の耐水性、耐ブロッキング性などの物性を低下させるなどの不都合が生じやすい。さらにグリコール系溶剤を添加するときには、この組成物を、例えば精細な絵柄をプリント捺染するためのスクリーン捺染用バインダーとして用いる場合、絵柄の鮮明性が損なわれやすく、また環境汚染等の問題も発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、前記の如く従来のアクリル系樹脂水性組成物を用いた樹脂加工では厄介な問題であった、加工工程中における樹脂の皮膜形成とその後処理に伴う様々な不都合を解消することのできるアクリル樹脂水性組成物、すなわち、加工工程での皮膜形成が比較的遅く、且つ形成された皮膜が容易に除去できるアクリル樹脂水性組成物を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、繊維加工製品の柔軟性を損なうことなく、耐洗濯性、耐溶剤性、耐熱性、堅牢度等の諸性質を保持することができる、加熱による皮膜強靱化が可能なアクリル樹脂水性組成物を提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、例えば捺染加工用などでの使用に際して、顔料や染料など着色料を配合して分散させるため、アクリル樹脂水性組成物のpHを中性に近い値にする場合に、該組成物の粘度が上昇しすぎることがなく、またさらなる増粘剤の添加を要しない程度に適度なアルカリ増粘性を有するようなアクリル樹脂水性組成物を提供することである。
【0009】
本発明者等は、上記の目的を達成するためにアクリル樹脂水性組成物の改良研究を行ってきた。その結果、例えば、2-エチルヘキシルアクリレート、スチレンなど、常温の水100gに対する溶解量が1g未満である1種以上の疎水性単量体、アクリル酸などの不飽和カルボン酸、及びアクリルアミドである親水性単量体からなる必須単量体をそれぞれ特定量範囲含む、単量体の混合物を乳化共重合してなり、そのガラス転移点(Tg)が−40〜10℃の範囲であるアクリル系共重合体水性分散液を主要成分とする水分散性樹脂組成物を用いて、例えば、前記の旗類を400メッシュのスクリーンを用いてプリント捺染を行ったところ、従来のものと比べて成膜が遅く1回のスクリーン交換で長時間プリントすることが可能となり、また交換のため取り外したスクリーンも、室温の水で単に洗浄するだけで極めて容易に再生させることができ、さらに得られた捺染加工布を加熱処理することにより、鮮明な絵柄を有する堅牢な捺染加工製品が得られるなど、上記の課題をことごとく解決しうることを見いだし、さらに研究を進めて本発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に従えば、下記単量体(a)〜(d)、(a) 下記一般式(1)、
【0011】
【化2】
【0012】
(ここで、R1は水素又はメチル基、XはCOOR2、OCOR3又はR4であって、R2は炭素数2〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基、R3は炭素数2〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基、R4は炭素数6〜8のアリール基を表す)
【0013】
で示され、その25℃における水100gに対する溶解量が1g未満である1種以上の疎水性単量体〔以下、疎水性単量体(a)又は単に単量体(a)ということがある〕20〜91重量%、
【0014】
(b) 炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸〔以下、不飽和カルボン酸(b)又は単に単量体(b)ということがある〕2〜10重量%、
【0015】
(c) アクリルアミドである親水性単量体〔以下、親水性単量体(c)又は単に単量体(c)ということがある〕3〜10重量%、及び、
【0016】
(d) 上記単量体(a)〜(c)と共重合可能で、その25℃における水100gに対する溶解量が1g以上である、単量体(b)及び(c)以外の共単量体〔以下、共単量体(d)ということがある〕0〜76重量%、
【0017】
〔但し、単量体(a)〜(d)の使用量の合計が100重量%であり、且つ単量体(b)と単量体(c)との使用量の合計が5〜20重量%である。〕
【0018】
を乳化共重合してなり、そのガラス転移点(Tg)が−40〜10℃の範囲であるアクリル系共重合体を含有してなることを特徴とする繊維加工用水分散性樹脂組成物が提供される。
【0019】
以下本発明を一層詳細に説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明におけるアクリル系共重合体は、前記一般式(1)で示され、その25℃における水100gに対する溶解量が1g未満である1種以上の疎水性単量体(a)を必須の単量体成分として含む組合せ単量体を乳化共重合してなるものである。
【0021】
このような疎水性単量体(a)としては、前記一般式(1)におけるR1が水素であり、XがCOOR2であって、R2が炭素数3〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基である単量体、具体的には、n-プロピルアクリレート、i-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、i-ブチルアクリレート、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ノニルアクリレート、i-ノニルアクリレート、n-デシルアクリレート、n-ドデシルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;前記一般式(1)におけるR1がメチル基であり、XがCOOR2であって、R2が炭素数2〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基である単量体、具体的には、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル単量体;前記一般式(1)におけるR1が水素又はメチル基であり、XがR4で、そのR4は炭素数6〜8のアリール基である単量体、具体的には、スチレン、α-メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノビニル単量体;前記一般式(1)におけるR1が水素であり、XがOCOR3であって、R3は炭素数2〜12の直鎖もしくは分枝アルキル基、プロピオン酸ビニル、「バーサチック酸ビニル」等の疎水性飽和脂肪酸ビニル単量体;などを挙げることができる。
【0022】
これら疎水性単量体(a)のうち、他の単量体との共重合性、重合安定性、得られる繊維加工製品の耐洗濯性などよさの観点から、2-エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、スチレンの使用が特に好ましい。
【0023】
上記の疎水性単量体(a)の合計の使用量は、単量体(a)〜(d)の合計100重量%に基づいて、20〜91重量%であることが必要であり、好ましくは25〜80重量%、更に好ましくは35〜70重量%であるのがよい。単量体(a)の使用量が該使用範囲を逸脱して少なすぎると、室温で乾燥させた皮膜(室温乾燥皮膜)の水再分散性が不十分となりがちになり好ましくない。また、単量体(a)の使用量が該上限量を超えて多すぎると、その結果として相対的に不飽和カルボン酸(b)、親水性単量体(c)又は、不飽和カルボン酸(b)と親水性単量体(c)との合計量が少なくなりすぎて、皮膜形成が速くなる傾向にあり、室温乾燥皮膜の水再分散性が不十分となりがちで、また得られる樹脂加工製品の耐ブロッキング性や耐溶剤性が不十分となることがあるので好ましくない。
【0024】
本発明におけるアクリル系共重合体は、前記の疎水性単量体(a)と共に、炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸(b)を必須の単量体成分として乳化共重合してなるものである。
【0025】
上記の不飽和カルボン酸(b)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、シトラコン酸、桂皮酸等を挙げることができる。これらのうち、重合安定性のよさ、他の単量体との共重合性のよさ、並びに、得られるアクリル系共重合体水性分散液の機械安定性及び貯蔵安定性に優れている等の理由から、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸の使用が特に好ましい。
【0026】
単量体(b)の使用量は、前記単量体(a)〜(d)の合計100重量%に基づいて、2〜10重量%であることが必要であり、好ましくは2.5〜9重量%、更に好ましくは2.8〜8重量%であるのがよい。単量体(b)の使用量が該上限値を超えて多すぎると、共重合成分である親水性単量体(c)の種類によっては、乳化共重合の際の重合安定性が損なわれたり、貯蔵時に得られる共重合体水性分散液がゲル化を起こしたりすることがあり、また架橋剤成分を併用する場合、その架橋成分の種類によってはポットライフに悪影響を及ぼすことがあり、さらに得られる繊維製品の耐洗濯性が不十分となることがあるので好ましくない。一方、該下限値未満と少なすぎては、重合安定性が不十分となりがちであり、また得られる水分散性樹脂組成物の皮膜形成が速くなる傾向にあり、形成される室温乾燥皮膜の水再分散性が低下する傾向があるので好ましくない。
【0027】
本発明におけるアクリル系共重合体は、前記の疎水性単量体(a)及び不飽和カルボン酸(b)と共に、アクリルアミドである親水性単量体 (c)を、必須の単量体成分として乳化共重合してなるものである。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
単量体(c)の使用量は、前記単量体(a)〜(d)の合計100重量%に基づいて、3〜10重量%であることが必要であり、好ましくは3.5〜9重量%であるのがよい。単量体(c)の使用量が該上限値を超えて多すぎては、重合安定性が損なわれたり、貯蔵時に得られる共重合体水性分散液がゲル化を起こしたり、また、得られる繊維製品の耐洗濯性が損なわれたりすることがあるので好ましくなく、該下限値未満と少なすぎては、得られる水分散性樹脂組成物の皮膜形成が速くなる傾向にあり好ましくない。
【0033】
さらに、単量体(b)及び単量体(c)の合計の使用量は、前記単量体(a)〜(d)の合計100重量%に基づいて、5〜20重量%であることが必要であり、好ましくは6〜18重量%、更に好ましくは8〜15重量%であるのがよい。単量体(b)及び単量体(c)の合計の使用量が該上限値を超えて多すぎては、重合安定性が損なわれたり、貯蔵時に得られる共重合体水性分散液がゲル化を起こしたり、また、得られる繊維製品の耐洗濯性が損なわれることがあり、また繊維製品が精細な絵柄のプリント捺染製品の場合、絵柄の鮮明性が損なわれたりすることがあるので好ましくなく、該下限値未満と少なすぎては、得られる水分散性樹脂組成物の皮膜形成が速くなる傾向にあり、また形成される室温乾燥皮膜の水再分散性が低下することがあり好ましくない。
【0034】
本発明におけるアクリル系共重合体の乳化共重合に際しては、前記の必須単量体(a)〜(c)と共に、必要に応じて、該単量体(a)〜(c)と共重合可能な、該単量体(a)〜(c)以外の共単量体(d)を組合せ単量体中に含有させることができる。
【0035】
このような共単量体(d)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート等の前記必須単量体(a)に含まれるもの以外のアクリル酸エステル単量体;例えば、メチルメタクリレート等の前記必須単量体(a)に含まれるもの以外のメタクリル酸エステル単量体;例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル等の前記必須単量体(a)に含まれるもの以外の不飽和脂肪酸エステル単量体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;などを例示することができる。
【0036】
単量体(d)の使用量は、前記単量体(a)〜(d)の合計100重量%に基づいて、75重量%以下であることが必要であり、好ましくは10〜69.5重量%、更に好ましくは20〜58.7重量%であるのがよい。単量体(d)の使用量が該上限値を超えて多すぎると、その結果として相対的に疎水性単量体(a)、不飽和カルボン酸(b)、親水性単量体(c)及び/又は、不飽和カルボン酸(b)と親水性単量体(c)との合計量が少なくなりすぎて、皮膜形成が速くなりがちで、室温乾燥皮膜の水再分散性が不十分となる傾向があり、また得られる繊維加工製品の耐洗濯性も不十分となりがちとなるので好ましくない。一方、該下限値以上用いることにより、得られる繊維加工製品に耐洗濯性、耐ブロッキング性などの所望の優れた物性を付与することが可能となるので好ましい。
【0037】
本発明におけるアクリル系共重合体のガラス転移点(Tg)は、−40〜10℃の範囲であることが必要である。Tgが該上限値を超えて高すぎては、得られる繊維加工製品の風合が損なわれがちとなるなので好ましくなく、該下限値未満と低すぎては、室温乾燥皮膜の水再分散性が不十分となりがちで、また得られる繊維加工製品の耐ブロッキング性、耐溶剤性、耐洗濯性が不十分となりがちなので好ましくない。
【0038】
なお、本発明において、アクリル系(共)重合体のガラス転移点(Tg)は下記により測定決定された値である。
【0039】
ガラス転移点(Tg):
厚さ約0.05mmアルミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型のセルに、アクリル系共重合体の水性分散液の試料約10mgを秤取し、100℃で2時間乾燥したものを測定試料とする。セイコー電子工業(株)製SSC-5000型示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter)を用い、−150℃から昇温速度10℃/minで測定する。
【0040】
また本発明におけるアクリル系共重合体は、その溶解性パラメータ(SP値)が9.5〜10.5の範囲であることが好ましく、9.7〜10.0の範囲であることがさらに好ましい。SP値が該上限値以下であれば、得られる繊維加工製品の耐洗濯性、室温乾燥皮膜の水分散性が優れているので好ましく、該下限値以上であれば、室温乾燥皮膜の水分散性が損なわれることがなく、耐洗濯性、耐溶剤性、耐ブロッキング性にも優れているので好ましい。
【0041】
なお本発明において、アクリル系共重合体の溶解性パラメータ(SP値)は、「ポリマーハンドブック 第2版(Polymer Handbook
Second Edition)」〔H.Burrell著:(1975年)〕のIV−337〜IV−359頁に記載の方法に従って測定又は算出される値である。
【0042】
本発明におけるアクリル系共重合体は、以上述べた必須単量体(a)〜(c)、又はこれら必須単量体(a)〜(c)と共に、必要に応じて、さらに単量体(d)を含む組合せ単量体を、水性媒体中で乳化共重合して得られるものである。
【0043】
本発明において使用することのできる界面活性剤は、特に限定されるものではなく、通常、乳化重合に用いられる各種界面活性剤を使用することができる。
【0044】
これら界面活性剤のうちノニオン系界面活性剤類としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキル(もしくはアルケニル)エーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;例えば、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー;等を例示することができる。
【0045】
またアニオン系界面活性剤類としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム等のアルキル(もしくはアルケニル)硫酸エステル塩類;例えば、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリエキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;等を例示することができる。
【0046】
さらに本発明の水性アクリル系重合体の乳化重合に際しては、アニオン系界面活性剤類として下記一般式(2)で示される、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル型アニオン系界面活性剤も使用することができる。
【0047】
【化3】
【0048】
(式中、R5は1つ以上の芳香環を含む炭化水素基、M+はNa+、K+又NH4 +等の対イオンを表す)
【0049】
上記一般式(2)におけるR5は、下記3種の構造式で示されるジスチリルの何れか又はそれらの混合物から誘導されたものであることが好ましい。
【0050】
【化4】
【0051】
上記のアニオン系界面活性剤におけるポリオキシエチレン鎖の長さ(nの値)としては、一般に4〜50の範囲であり、好ましく5〜45の範囲であるのがよい。これらアニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ハイテノールNF-13、ハイテノールNF-17〔商品名;以上第一工業製薬(株)製〕、ニューコール707SF、ニューコール710SF、ニューコール714SF、ニューコール723SF、ニューコール740SF〔商品名;以上日本乳化剤(株)製〕等を挙げることができる。
【0052】
また、これら乳化剤のアルキル基の水素の一部をフッ素で置換したものも使用可能である。
【0053】
さらに本発明に用いられるアクリル系共重合体の乳化共重合に際しては、必要に応じて、分子内にラジカル重合可能な不飽和基を有する、所謂「反応性乳化剤」を使用することができる。
【0054】
このような反応性乳化剤としては、例えば、「エレミノールJS-2」、「エレミノールRS-30」〔以上、三洋化成工業(株)製〕、「アクアロンHS-10N」、「アクアロンHS-20N」〔以上、第一工業製薬(株)製〕、「アデカリアソープSE-10N」〔旭電化工業(株)製〕、「ラテムルS-120」、「ラテムルS-120A」、「ラテムルS-180」、「ラテムルS-180A」〔以上、花王(株)製〕等のアニオン系反応性乳化剤;例えば、「アクアロンRN-20」、「アクアロンRN-30」、「アクアロンRN-50」〔以上、第一工業製薬(株)製〕、「アデカリアソープNE-10」、「アデカリアソープNE-20」、「アデカリアソープNE-30」〔旭電化工業(株)製〕、「RMA-564」、「RMA-568」、「RMA-1114」〔以上、日本乳化剤(株)製〕等のノニオン系反応性乳化剤;などを挙げることができる。
【0055】
さらにまた、最近、アクリル系共重合体の水性分散液中に汎用されているアルキルフェニル基を含む界面活性剤が、排水中に含まれて河川等に排出されたとき、それら界面活性剤の加水分解によって生じるアルキルフェノールが、それら河川及びそれが流入する海の中に生息する生物、特に魚貝類に取り込まれて、それら生物の内分泌機能(エンドクリン)破壊物質(所謂、環境ホルモン)として作用することが知られるようになった。このようなアルキルフェノールは、これら魚介類の摂取を通して、又は直接それら河川等の水を使用する上水道の水を通して、人の体内に入る危険性が高いことが指摘されている。
【0056】
本発明においては、前記のノニオン系及びアニオン系界面活性剤の中から、上記のようなアルキルフェニル基を含まないものを選んで用いることにより上記の問題点を解消したアクリル系共重合体の水性分散液を得ることもできる。
【0057】
このような界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤類として、ポリオキシエチレンアルキル(もしくはアルケニル)エーテル類、ソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、グリセリン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマーなどを使用することができ、またアニオン系界面活性剤類としては、高級脂肪酸塩類、アルキルアリールスルホン酸塩類、アルキル(もしくはアルケニル)硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキル(もしくはアルケニル)エーテル硫酸エステル塩類、アルキル(もしくはアルケニル)スルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類、前記一般式(2)のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル型界面活性剤などを使用することができる。
【0058】
これらの界面活性剤は適宜組合わせて使用するのがよく、その使用量としては一般に前記アクリル系共重合体100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは2〜8重量部程度の量で使用することができる。
【0059】
本発明に用いられるアクリル系共重合体の乳化重合に際しては、得られる共重合体の性能に悪影響を及ぼさない範囲において、前記のアニオン系及び/又はノニオン系乳化剤とともに水溶性保護コロイドを併用することもできる。
【0060】
上記の水溶性保護コロイドとしては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩等のセルロース誘導体;及びグアガムなどの天然多糖類;などが挙げられ、これらは、単独でも複数種併用の態様でも利用できる。水溶性保護コロイドの使用量としては、前記単量体(a)〜(d)の合計100重量部当り0〜0.5重量部程度である。
【0061】
更に乳化重合に際しては、通常、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類;t-ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p-メンタンヒドロパーオキシドなどの有機過酸化物類;過酸化水素;などの重合開始剤が使用される。これら重合開始剤も一種もしくは複数種併用のいずれの態様でも利用できる。これらの重合開始剤は、前記単量体(a)〜(d)の合計100重量部に対して、0.1〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
【0062】
また乳化重合に際して、所望により、重合開始剤とともに還元剤を併用することができる。このような還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物;チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物;を例示できる。これら還元剤は、前記単量体(a)〜(d)の合計100重量部に対して、0.1〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
【0063】
更にまた、乳化重合に際しては連鎖移動剤を使用することができる。このような連鎖移動剤としては、例えば、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、2-エチルヘキシルチオグリコレート、2-メルカプトエタノール、トリクロロブロモメタン等を挙げることができる。これら連鎖移動剤は、前記単量体(a)〜(d)の合計100重量部に対して0〜1重量部程度の量を用いるのが好ましい。
【0064】
なお前記の水性媒体とは、水、並びに、水及び水と相溶性を有する有機溶媒からなる混合溶媒をいう。このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン等を挙げることができる。本発明に用いるアクリル系共重合体の乳化共重合における水性媒体としては、水を主成分とするものを用いるのが好ましく、該水性媒体中に占める水溶性有機溶媒の含有量は、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下であるのがよい。
【0065】
本発明に用いるアクリル系共重合体の乳化共重合において好適に採用される共重合温度は、約40〜100℃、特には約50〜90℃である。
【0066】
かくして得られたアクリル系共重合体の水性分散液は、例えば顔料捺染用バインダーとして用いられる場合などにおいて、顔料等の分散性を向上させるため、必要に応じて、アンモニア水等によってpH調節されることができる。このような分散液は、通常、固形分濃度30〜50重量%、粘度10〜3000mPa・s(BH型回転粘度計、25℃、20rpm;粘度測定条件以下同様)、pH2〜9程度であるのが好ましい。
【0067】
また水性媒体中のアクリル系共重合体粒子の平均粒子径は、通常0.05〜0.5μmの範囲であるのが好ましいが、特に捺染用バインダーとして用いられる場合には、得られる捺染加工製品の絵柄の鮮明性などの観点から、0.2μm以下であることがより好ましく、0.15μm以下であることがさらに好ましく、0.05〜0.12μmであることが特に好ましい。
【0068】
一般に、(共)重合体のガラス転移点(Tg)が低く、且つその分散粒子の水系媒体中での粒子径が小さい(共)重合体水性分散液を用いた樹脂組成物は、比較的短時間で緻密な皮膜を形成するため、形成後の皮膜が水に再分散することは、通常、ほとんどあり得ないことである。それに対して、本発明の繊維加工用水分散性樹脂組成物が、アクリル系共重合体水性分散液として、前記のようにガラス転移点(Tg)が、一般に室温成膜が可能な−40〜10℃の範囲で且つ、例えば0.15μm以下という小さい粒子径を有するものを用いているにもかかわらず、成膜までの時間が比較的長く、形成された皮膜も室温程度の水に容易に再分散するということは、全く予想外のことであった。
【0069】
なお本明細書において、共重合体分散粒子の平均粒子径は、日本化学会編「新実験化学講座4 基礎技術3
光(II)」第725〜741頁(昭和51年7月20日丸善株式会社発行)に記載された動的光散乱法(以下、DLS法ということがある)により測定された値であり、具体的には以下に述べる方法で測定決定した値である。
【0070】
平均粒子径:
共重合体水性分散液を蒸留水で5万〜15万倍に希釈し、十分に攪拌混合した後、21mmφガラスセル中にパスツールピペットを用いて約10ml採取し、これを動的光散乱光度計「DLS-700」〔大塚電子(株)製〕の所定の位置にセットして、以下の測定条件下で測定し、測定結果をコンピュータ処理して平均粒子径を求める。
【0071】
〔測定条件〕
測定温度 24〜26℃
クロックレート(Clock Rate) 10μsec
コレレーションチャンネル(Corelation
Channel) 512
積算測定回数 200個
光散乱角 90゜
【0072】
本発明の繊維加工用水分散性樹脂組成物は、かくして得られたアクリル系共重合体の水性分散液をそのまま使用することもできるが、得られる繊維加工製品の強度、特に湿潤時の強度を向上させるため、該アクリル系共重合体水性分散液に、さらに必要に応じて、架橋剤成分を含有することができる。
【0073】
このような架橋剤成分は、前記の不飽和カルボン酸(b)及び/又は親水性単量体(c)と反応性を有するものであることが必要であり、従ってそれら単量体(b)及び単量体(c)の種類によって、また得られる繊維加工製品の外観のよさ等の観点から適宜選択されることができる。このような架橋剤成分としては、オキサゾリン系架橋剤又はブロック化イソシアネート系架橋剤を用いるのが好ましい。
【0074】
上記のオキサゾリン系架橋剤としては、下記一般式(3)で示されるオキサゾリン基含有単量体と、必要に応じてこれと共重合可能な他の単量体の少なくとも1種とを(共)重合してなる高分子化合物であり、前記アクリル系共重合体水性分散液と配合しやすい、水溶性又は水分散性の高分子化合物であることが好ましい。
【0075】
【化5】
【0076】
(式中、Yは下記式、
【0077】
【化6】
【0078】
を有する有機基であって、Zは単結合、-A1-OCO-、-A2-NHCO-、又は-A3-O-を表わし、A1〜A3はそれぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜3のアルキレン基、R10〜R12はそれぞれ独立して、水素又は炭素数1〜2のアルキル基であり;R6〜R9は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を表わす)
【0079】
上記のオキサゾリン基含有単量体におけるYとしては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、i-プロペニル基、α-ブテニル基、β-ブテニル基、γ-ブテニル基、i-ブテニル基等の炭素数2〜4のアルケニル基;例えば、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基等の(メタ)アクリロイル基含有基;例えば、ビニロキシ基、アリロキシ基等の炭素数2〜4のアルケニルオキシ基を挙げることができる。
【0080】
このようなオキサゾリン基含有単量体の具体例としては、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-i-プロペニル-2-オキサゾリン、2-i-プロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-i-プロペニル-5-エチル-2-オキサゾリンを例示することができ、入手の容易さ等の理由から2-ビニル-2-オキサゾリンの使用が好ましい。
【0081】
前記の、必要に応じて、オキサゾリン基含有単量体と共に用いる単量体としては、前記アクリル系共重合体において単量体(a)及び(d)として例示された単量体;親水性単量体(c)として例示された単量体のうち、例えば、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート等の親水性(メタ)アクリル酸エステル単量体、アクリルアミドなどが挙げられる。
【0082】
本発明においてオキサゾリン系架橋剤として用いることのできる、このようなオキサゾリン基含有高分子化合物に関する詳細については、例えば、特開平5-295275号公報に開示されており、該公報に開示された方法に従って製造して使用することができる。
【0083】
本発明で用いることのできるオキサゾリン系架橋剤中のオキサゾリン基の量は、該架橋剤100g当り0.1〜1当量であるのが好ましく、0.2〜0.6当量であるのがさらに好ましい。
【0084】
またオキサゾリン系架橋剤であるオキサゾリン基含有高分子化合物の重量平均分子量は、一般に500〜10,000であるのが好ましく、1,000〜7,000であるのがさらに好ましい。さらにオキサゾリン系架橋剤の水性液は、固形分濃度が一般に10〜50重量%程度であり、粘度10,000mPa・s以下、pH7〜9であるのが好ましい。
【0085】
このようなオキサゾリン系架橋剤の水性液としては、例えば「エポクロス WS-500」〔(株)日本触媒製〕として市販されているものが好適に使用できる。オキサゾリン系架橋剤は、前記アクリル系共重合体中の、不飽和カルボン酸(b)及び親水性単量体(c)などに由来するオキサゾリン基と反応性を有する官能基1当量に対して、該架橋剤中のオキサゾリン基が、一般に0.1〜3当量、好ましくは0.2〜2当量、さらに好ましくは0.3〜1.5当量となるように使用するのがよい。使用する架橋剤中のオキサゾリン基の量が該下限値以上であれば、形成される皮膜の架橋構造の形成が十分で、得られる繊維加工製品に十分な耐洗濯性、耐ブロッキング性、耐溶剤性を付与できるので好ましい。一方、該上限値以下であれば、十分な耐洗濯性、耐ブロッキング性、耐溶剤性を付与すると同時に得られる繊維加工製品に柔軟な風合を付与できるので好ましい。
【0086】
本発明においては、架橋剤成分としてブロック化イソシアネート系架橋剤を用いることもできる。このようなブロック化イソシアネート化合物とは、一般に、分子内にイソシアネート基を2つ以上含有するポリイソシアネート化合物に、加熱によって離脱し揮散する、揮発性低分子活性水素化合物(ブロック剤)を付加させたものである。
【0087】
本発明において好適に用いることのできるポリイソシアネート化合物としては、例えば、m-またはp-フェニレンジイソシアネート、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネート、m-またはp-キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物;例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、上記芳香族ジイソシアネート化合物の水素添加物、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ジイソシアネート化合物;これらイソシアネートの2量体又は3量体;これらイソシアネートと、例えば、エチレングリコール、トリメチロールプロパン等の2価または3価のポリオールとのアダクト体などを例示できる。
【0088】
これらのポリイソシアネート化合物のうち、得られる繊維加工製品の変色防止の観点から、脂肪族もしくは脂環族ジイソシアネート化合物、或いは、それらに由来する上記イソシアネート化合物の2量体もしくは3量体又はこれらイソシアネート化合物と、例えば、エチレングリコール、トリメチロールプロパン等の2価もしくは3価のポリオールとのアダクト体などの、非黄変型ブロック化イソシアネート化合物を用いるのが好ましい。反応性のよさ及び入手の容易さなどの観点から、ヘキサメチレンジイソシアネートなど脂肪族ジイソシアネートの2量体又は3量体を用いることが特に好ましい。
【0089】
前記揮発性低分子活性水素化合物としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、フェノール等の脂肪族、脂環族又は芳香族アルコール;例えば、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノールなどのヒドロキシ第3アミン;例えば、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム等のケトオキシム類;例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン酸エステル等の活性メチレン化合物;ε-カプロラクタム等のラクタム類;などを例示できる。
【0090】
本発明に用いることのできるブロック化イソシアネート系架橋剤としては、水分散性であることが好ましい。また本発明における主要成分であるアクリル系共重合体水性分散液が、通常、弱アニオン性を有しているので、これとの混和性の観点から、ブロック化イソシアネートはノニオン性又はアニオン性の分散液であり、アルキルフェニル系界面活性剤を含有していないものであることが特に好ましい。
【0091】
このようなブロック化イソシアネート系架橋剤の水性液としては、例えば、エラストロンBN-5、エラストロンBN-8、エラストロンBN-11〔以上第一工業製薬(株)製〕、プロミネートXC-915、プロミネートB830W、プロミネートXC-939〔以上武田薬品工業(株)製〕、コロネート2507、コロネート2513、コロネート2515〔以上日本ポリウレタン工業(株)製〕として市販されているものが好適に使用できる。
【0092】
ブロック化イソシアネート系架橋剤は、前記アクリル系共重合体中の、イソシアネート基と反応性を有する官能基1当量に対して、該架橋剤中のブロック化されたイソシアネート基が、一般に0.2〜2当量、好ましくは0.3〜1.2当量、さらに好ましくは0.5〜1当量となるように使用するのがよい。使用する架橋剤中のブロック化イソシアネート基の量が該下限値以上であれば、形成される皮膜の架橋構造の形成が十分で、得られる繊維加工製品に十分な耐洗濯性、耐溶剤性、耐ブロッキング性を付与できるので好ましい。一方、該上限値以下であれば、十分な洗濯性、耐溶剤性、耐ブロッキング性を付与すると同時に柔軟な風合を付与できるので好ましい。
【0093】
本発明の繊維加工用水分散性樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、可塑剤、溶剤、難燃剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、着色顔料、染料、乳化剤などのその他の添加剤を添加することができる。
【0094】
これらの添加剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース系誘導体、ポリカルボン酸系樹脂、アルキルフェニル系を除く界面活性剤系等の増粘剤及び粘性改良剤;例えば、無機質分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等)、有機質分散剤〔ノプコスパース 44C(商品名)、ポリカルボン酸系;サンノプコ(株)製〕などの分散剤;例えば、シリコーン系などの消泡剤;例えば、ターペン、エチレングリコール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート等の有機溶剤;老化防止剤;防腐剤・防黴剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;等を挙げることができる。
【0095】
以上述べた本発明の繊維加工用水分散性樹脂組成物は、天然繊維、再生繊維、合成繊維からなる織布、編布、不織布、フェルト、紙などの繊維基材の処理に用いられる樹脂加工剤のバインダー、例えば、不織布バインダー、捺染バインダー、紙や織布等に対するコーティング剤用バインダー、カーペットバッキング剤バインダー、植毛加工用バインダー等として好適に使用することができ、中でも、宣伝広告などに用いられる旗・幟などの、特に精細な絵柄、例えば写真等を上記の繊維基材にプリント捺染するためのスクリーン捺染用バインダーとして特に有用である。
【0096】
【実施例】
以下、実施例と共に比較例及び参考例を挙げて、本発明を一層詳細に説明する。なお、以下の実施例及び比較例において用いた各種の試験方法及び評価方法は、以下のとおりである。
【0097】
(1) 捺染糊の配合
レデューサー 63.5重量部
樹脂水性分散液 30重量部
5%アンモニア水 1.5重量部
青顔料ペースト 5重量部
【0098】
(2)成膜の速さ
幅15、縦10cmの清浄なガラス板に、ドクターブレードを用いて、幅10cm、膜厚約30μmになる様に前(1)項の配合に従って作成した捺染糊を塗布し、23℃、65%RHの室内に水平に置き、塗布面の中央部分に軽く指を触れて、指に樹脂が付着しなくなるまでの時間を成膜時間とし、成膜の速さを評価した。評価の基準は次のとおり。
○・・・・・・30分以内では成膜せず。
△・・・・・・15〜30分で成膜。
X・・・・・・15分以内に成膜。
【0099】
(3) 再乳化性
清浄なガラス板にドクターブレードを用い、膜厚が約30μmになる様に前(1)項の配合に従って作成した捺染糊を塗布し、25℃、24時間乾燥後、乾燥皮膜に水を滴下して、指でラビングテストを行い、再乳化性を評価した。評価の基準は次のとおり。
○・・・・・・ラビング部分の乾燥皮膜が水に再分散。
△・・・・・・ラビング部分の乾燥皮膜の一部が再分散。
X・・・・・・ラビング部分の乾燥皮膜は再分散せず。
【0100】
(4) 試験シートの作成
前(1)項の配合に従って作成した捺染糊を用い、100メッシュのシルクスクリーンを用いて24cmX36cm綿ブロードに捺染加工し、25℃で1時間乾燥後、140℃、5分間熱処理を行い試験用シートとした。
【0101】
(5) 摩擦堅牢度前
(4)項で作成した試験シートを水に10分間浸漬した後、学振型試験機を用いて摩擦堅牢度の測定を行った。
<摩擦条件>
摩擦子 45R、カナキン被覆(水で充分に濡らす。)
荷重 200g
回数 100回
【0102】
評価の基準は次のとおり。
◎・・・・・・摩擦子への色落ちが殆どなし。
○・・・・・・摩擦子への色落ちが少しあり。
△・・・・・・摩擦子への色落がやや多い。
X・・・・・・摩擦子への色落ちが多い。
【0103】
(6) 風合い
前(4)項で作成した試験シートについて手触りにより風合いを評価した。評価の基準は次のとおり。
○・・・・・・非常に柔軟。
△・・・・・・やや硬い。
X・・・・・・硬い
【0104】
(7) 耐ブロッキング性
前(4)項で作成した試験用シートについて加工面同士を合わせ、200g/cm2の荷重をかけて25℃、16時間放置した後剥離し、剥離抵抗により耐ブロッキング性を評価した。評価の基準は次のとおり。
○・・・・・・剥離時殆ど抵抗なし。
△・・・・・・剥離時やや抵抗あり。
X・・・・・・剥離時抵抗あり。
【0105】
(8) 顔料鮮明性
前(4)項で作成した試験シートの顔料鮮明性を目視で評価した。評価の基準はつぎのとおり。
○・・・・・・青顔料の鮮明性が良好
△・・・・・・青顔料の鮮明性がやや劣る
X・・・・・・青顔料の鮮明性が劣る
【0106】
アクリル系共重合体水分散液の調製
参考例1
温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えた反応器内にイオン交換水80重量部、乳化重合用の界面活性剤(以下、単に乳化剤ということがある)として、「モノゲンY-500」〔ラウリル硫酸エステルナトリウム塩型アニオン系界面活性剤(有効成分濃度100重量%);第一工業製薬(株)製〕(「Y-500」)0.125重量部、「DKS
NL-250」〔ポリオキシエチレン(n=25)ラウリルエーテル型ノニオン系界面活性剤(有効成分濃度100重量%);第一工業製薬(株)製〕(「NL-250」)0.5重量部を仕込み、内温を60℃に昇温させた。一方、別の容器にイオン交換水50.0重量部並びに、乳化剤として「Y-500」0.375重量部、「NL-250」5.0重量部、さらに親水性単量体(c)としてアクリルアミド(AAm)6.0重量部を仕込んで攪拌溶解し、次いでこれに、疎水性単量体(a)として2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)44.0重量部及びスチレン(St)10.0重量部、不飽和カルボン酸(b)としてアクリル酸(AA)5.0重量部、並びに共単量体(d)としてエチルアクリレート(EA)35.0重量部よりなる単量体混合物を加えて攪拌し、単量体乳化液を得た。
【0107】
反応器の内容物を窒素気流下に攪拌しながら加熱し、反応器内の水温が60℃に達した時点で、重合開始剤及び還元剤として過硫酸カリウム(KPS)及びメタ重亜硫酸ナトリウム(SMBS)をそれぞれ0.25g添加した後、単量体乳化液及び2.5%重量濃度の過硫酸カリウム水溶液40g、2.0%重量濃度のメタ重亜硫酸ナトリウム40gを逐次添加して60℃で約3時間重合反応を行った。重合反応終了後、同温度で約1時間攪拌を継続してから冷却し、アクリル系共重合体の水性分散液を得た。この水性分散液は、固形分40.1重量%、pH2.3、粘度140mPa・s(25℃、BH型回転粘度計20rpm)、平均粒子径約0.09μmであり、共重合体のTgは−16℃、SP値は9.9であった。
【0108】
参考例2〜4
参考例1において、使用する疎水性単量体(a)、不飽和カルボン酸(b)、親水性単量体(c)及び共単量体(d)を表1に示すとおり変更し、また参考例2における親水性単量体(c)のN-メチロールアクリルアミド(NMAm)は、乳化剤及びAAmと共に単量体乳化用の水溶液中に溶解する以外は参考例1と同様にして、アクリル系共重合体の水性分散液を得た。得られたアクリル系共重合体及びその水性分散液の特性値を表2に示す。
【0109】
比較参考例1〜9
参考例1において、使用した疎水性単量体(a)、不飽和カルボン酸(b)、親水性単量体(c)及び共単量体(d)を表1に示すとおり変更し、該疎水性単量体(a)、不飽和カルボン酸(b)、親水性単量体(c)、共単量体(d)及び親水性単量体(c)と共単量体(d)との合計量のうち何れかの使用量を、それぞれ本発明の使用量範囲から逸脱した量とし、又は得られるアクリル系共重合体のTgが本発明のTg範囲から逸脱するような単量体の組合せで乳化共重合を行う以外は参考例1と同様にして、アクリル系共重合体の水性分散液を得た。
【0110】
なお、比較参考例5における親水性単量体(c)の2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)は、疎水性単量体(a)、不飽和カルボン酸(b)及び共単量体(d)と共に単量体混合物としてから単量体乳化液とした。HEMAについては、以下の参考例5及び6についても同様に行った。得られたアクリル系共重合体及びその水性分散液の特性値を表2に示す。
【0111】
参考例5〜8
参考例1において、乳化剤として「NL-250」及び「Y-500」を用いる代わりに、表1に示す乳化剤を、表1に示す量及び割合に従って反応器内初期仕込みと単量体の乳化に用い、疎水性単量体(a)、不飽和カルボン酸(b)、親水性単量体(c)及び共単量体(d)の種類及び量を表1に示すとおり変更する以外は参考例1と同様にして、アクリル系共重合体の水性分散液を得た。なお、参考例8における不飽和カルボン酸(b)のイタコン酸(IA)は、乳化剤及びAAmと共に単量体乳化用の水溶液中に溶解した。得られたアクリル系共重合体及びその水性分散液の特性値を表2に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
なお、表1で用いた単量体及び界面活性剤の略称は以下の通りである。
EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
BA:ブチルアクリレート
St:スチレン
AA:アクリル酸IA:イタコン酸
AAm:アクリルアミド
NMAm:N-メチロールアクリルアミド
HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
MA:メチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
【0114】
Y-500:「モノゲンY-500」;ラウリル硫酸エステルナトリウム塩型アニオン系界面活性剤(有効成分濃度100重量%);第一工業製薬(株)製
No.6:「ネオペレックスNo.6」;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩型アニオン系界面活性剤(有効成分濃度60重量%);花王(株)製
Hi-18E:「ハイテノール18E」;ポリオキシエチレン(n=18)オレイルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩型アニオン系界面活性剤(有効成分濃度95重量%);第一工業製薬(株)製
Hi-N08:「ハイテノールN-08」;ポリオキシエチレン(n=8)ノニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩型アニオン系界面活性剤(有効成分濃度95重量%);第一工業製薬(株)製
NL-250:「DKS NL-250」;ポリオキシエチレン(n=25)ラウリルエーテル型ノニオン系界面活性剤(有効成分濃度100重量%);第一工業製薬(株)製
EA-160:「ノイゲンEA-160」;ポリオキシエチレン(n=17)ノニルフェニルエーテル型ノニオン系界面活性剤(有効成分濃度100重量%);第一工業製薬(株)製
【0115】
【表2】
【0116】
繊維加工用水分散性樹脂組成物の作成と物性試験
実施例1〜8及び比較例1〜9
参考例1〜8及び比較参考例1〜9で調製されたアクリル系共重合体水性分散液をそれぞれそのまま用いて、繊維加工用水分散性樹脂組成物とした。これらを用いて、前記の試験方法に従い性能試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0117】
実施例9
参考例1で調製されたアクリル系共重合体水性分散液100重量部に、5%アンモニア水2.0重量部、オキサゾリン系架橋剤〔エポクロスWS-500、(株)日本触媒製〕3.0重量部を攪拌しながら添加し、繊維加工用水分散性樹脂組成物を得た。この組成物は、固形分38.7重量%、pH6.1、粘度1200mPa・s(25℃、BH型回転粘度計20rpm)であった。この組成物を用いて、前記の試験方法に従い性能試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0118】
実施例10
参考例5で調製された樹脂水性分散液100重量部に5%アンモニア水2.0重量部、ブロックイソシアネート系架橋剤〔エラストロンBN-08、第一工業製薬(株)製〕3.0重量部を攪拌しながら添加し、繊維加工用水分散性樹脂組成物を得た。この組成物は、固形分38.0重量%、pH6.2、粘度1150mPa・s(25℃、BH型回転粘度計20rpm)であった。この組成物を用いて、前記の試験方法に従い性能試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0119】
比較例10
参考例6で調製されたアクリル系共重合体水性分散液100重量部に、乾燥防止剤として、エチレングリコール5重量部を添加して、繊維加工用水分散性樹脂組成物を得た。この組成物は、固形分39.4重量%、pH2.3、粘度480mPa・s(25℃、BH型回転粘度計20rpm)であった。この組成物を用いて、前記の試験方法に従い性能試験を行った。得られた結果を表3に示す。
【0120】
【表3】
【0121】
【発明の効果】
本発明は、特定の分子構造を有し、且つ常温の水100gに対する溶解量が1g未満である1種以上の疎水性単量体、不飽和カルボン酸、及びアクリルアミドである親水性単量体からなる必須単量体をそれぞれ特定量範囲ずつ含む単量体を乳化共重合してなる、特定のガラス転移点(Tg)範囲のアクリル系共重合体を含有する繊維加工用水分散性樹脂組成物に関するものである。
【0122】
このように構成することによって、本発明の繊維加工用水分散性樹脂組成物は、それを樹脂加工に用いるとき、適度のアルカリ増粘性を有すると共に、例えば室温などの比較的低い温度で成膜して柔軟な皮膜を形成するにも拘わらず、従来厄介な問題であった、加工工程中の樹脂の皮膜形成と、その皮膜の剥離による繊維加工製品表面への付着やプリント捺染におけるスクリーンの目詰まりなどの不都合、及びこれらの不都合を解消するための後処理に伴う煩雑さを解消すること、すなわち、加工工程での皮膜形成が遅く且つ形成された皮膜が加熱前には冷水でも容易に水再分散して除去することが可能となる。
Claims (6)
- 下記単量体(a)〜(d)
(a) 下記一般式(1)、
(b) 炭素数3〜5のα,β−不飽和モノ−又はジ−カルボン酸 2〜10重量%、
(c) アクリルアミドである親水性単量体3〜10重量%、及び、
(d) 上記単量体(a)〜(c)と共重合可能で、その25℃における水100gに対する溶解量が1g以上である、単量体(b)及び(c)以外の共単量体
0〜75重量%、
〔但し、単量体(a)〜(d)の使用量の合計が100重量%であり、且つ単量体(b)と単量体(c)との使用量の合計が5〜20重量%である。〕
を乳化共重合してなり、そのガラス転移点(Tg)が−40〜10℃の範囲であるアクリル系共重合体を含有してなることを特徴とする繊維加工用水分散性樹脂組成物。 - 疎水性単量体(a)が2-エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、スチレンよりなる群から選ばれる請求項1に記載の水分散性樹脂組成物。
- 乳化共重合がアルキルフェニル基を含有しない界面活性剤の存在下に行われる請求項1〜2のいずれかに記載の水性分散液。
- アクリル系共重合体の分散粒子の平均粒子径が0.15μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の水性分散液。
- さらに架橋剤成分を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の水性分散液。
- 架橋剤成分が、オキサゾリン系架橋剤、ブロック化イソシアネート系架橋剤より選ばれるものである請求項5に記載の水性分散液。
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