JP4297166B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に係り、更に詳しくは、耐漏液性を有し、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池に関するものである。
近年、カメラ一体型VTR(videotape recorder)、携帯電話や携帯用コンピューターなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。それに伴い、電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池の開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を実現できるものとして注目されている。
また、近時では、電池外装材であるアルミニウムや鉄製の金属製の電池缶に替えて、ラミネートフィルム等を使用することにより、電池の更なる小型化や軽量化、薄型化が進められている。
一方、エネルギー密度を高めるためには、充放電反応に作用する活物質をより多く充填する必要があり、これに伴って、リチウムイオンを正負極間で移動させるための十分な量の電解液も必要になる。電解液量が十分ではなく、電解液が活物質の周囲を完全に満たしていないと、電解液に接していない部分が反応せず、十分な電池容量が得られないのである。
さらには、充放電の繰り返しが進むに伴って正負極間の電解液が消費されるため、正負極活物質が劣化に至る以前に徐々に電池の放電容量が低下し、電解液不足によるサイクル特性の低下や内部短絡の発生といった問題も生じる。
このような問題に対し、金属製の電池缶を用いた電池においては、放電容量に対する非水電解液の体積を制御することにより、サイクル特性を改良し得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2−148576号公報
しかしながら、上記したようなラミネートフィルムを用いた非水電解質二次電池においては、上記問題が十分に解決されているとは言い難い。
即ち、ラミネートフィルムはダメージを受けると、強固な金属製の缶に比べて破れ易く、その破裂部分からの漏液が起こり易い。従って、サイクル特性を高めようとして電解液量を増加すると、漏液し易くなってしまうという問題があった。
本発明は、従来技術における上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、耐漏液性及びサイクル特性に優れる非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、非水電解液に用いる非水溶媒を所定の成分構成のものを適用することによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解液と、上記両極間に配置されたセパレータと、これらを収容するラミネートフィルム製の外装部材を備えた非水電解質二次電池において、上記正極及び負極の少なくとも一方と上記セパレータとの間に高分子支持体が介在し、該高分子支持体が正極及び負極の少なくとも一方とセパレータとに密着しており、非水電解液を構成する非水溶媒が、質量比で20〜50%の環状カーボネートと、50〜80%の低粘度非水溶媒を含有していると共に、この非水電解液二次電池内に存在する上記非水電解液が、当該非水電解質二次電池の容積1cmあたり0.26〜0.35gであることを特徴とする。
本発明によれば、所定の高分子支持体を配設すると共に、所定の成分構成の非水溶媒を電解液に用いるようにしたため、耐漏液性及びサイクル特性に優れる非水電解質二次電池を提供することができる。
次に、本発明の非水電解質二次電池について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
図1は、本発明の非水電解質二次電池の一実施形態であって、ラミネート材を用いた巻回型電池の一例を示す分解斜視図である。
上図において、この二次電池は、正極端子11と負極端子12が取り付けられた巻回電池素子20をフィルム状の外装部材30(30A,30B)の内部に封入して構成されている。正極端子11及び負極端子12は、外装部材30の内部から外部に向かって、例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極端子11及び負極端子12は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)又はステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成される。
外装部材30は、例えばナイロンフィルム、アルミニウム箔及びポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えばポリエチレンフィルム側と電池素子20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着又は接着剤により互いに接合されている。
外装部材30と正極端子11及び負極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極端子11及び負極端子12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば正極端子11及び負極端子12が上述した金属材料から構成される場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン又は変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
なお、外装部材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造、例えば金属材料を有さないラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルム又は金属フィルムなどにより構成してもよい。
ここで、外装部材の一般的な構成は、外装層/金属箔/シーラント層の積層構造で表すことができ(但し、外装層及びシーラント層は複数層で構成されることがある。)、上記の例では、ナイロンフィルムが外装層、アルミニウム箔が金属箔、ポリエチレンフィルムがシーラント層に相当する。
なお、金属箔としては、耐透湿性のバリア膜として機能すれば十分であり、アルミニウム箔のみならず、ステンレス箔、ニッケル箔及びメッキを施した鉄箔などを使用することができるが、薄く軽量で加工性に優れるアルミニウム箔を好適に用いることができる。
外装部材として、使用可能な構成を(外装層/金属箔/シーラント層)の形式で列挙すると、Ny(ナイロン)/Al(アルミ)/CPP(無延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)/Al/CPP、PET/Al/PET/CPP、PET/Ny/Al/CPP、PET/Ny/Al/Ny/CPP、PET/Ny/Al/Ny/PE(ポリエチレン)、Ny/PE/Al/LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、PET/PE/Al/PET/LDPE(低密度ポリエチレン)、及びPET/Ny/Al/LDPE/CPPなどがある。
図2は、図1に示した電池素子20のII−II線に沿った模式的な断面図である。同図において、電池素子20は、正極21と負極22とが非水電解液を保持した高分子支持体層(後述する)23及びセパレータ24を介して対向して位置し、巻回されているものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
ここで、図3に本発明の非水電解質二次電池の他の実施形態を示す。即ち、図3は、本発明の非水電解質二次電池の他の実施形態であって、ラミネート材を用いた積層型電池を示す分解斜視図である。なお、上述した巻回型二次電池と実質的に同一の部材には同一符号を付し、その説明を省略する。
同図に示したように、この電池は、上記の巻回電池素子20の代わりに積層電池素子20’を備える以外は、図1に示す巻回型電池と同一の構成を有する。
積層電池素子20’は、シート状をなす正極と負極とが上述のような非水電解液を保持した高分子支持体層及びセパレータを介して対向して位置しており、例えば、負極シート、高分子支持体層、セパレータ、高分子支持体層及び正極シートの順で積層された積層構造を有している。
図3に示す実施形態においては、積層電池素子20’は、シート状の負極(負極シート)とシート状の正極(正極シート)とがセパレータを介して交互に積層されたものである。そして更に、正極シートとセパレータ、負極シートとセパレータの間には、高分子支持体層が配設されている。
この点以外については、図1に示す巻回型電池と実質的に同一の構成を有するので、以下、再び上記巻回型電池を例に採って、本発明の非水電解質二次電池の説明を続行する。
図2に示すように、正極21は、例えば対向する1対の面を有する正極集電体21Aの両面又は片面に正極活物質層21Bが被覆された構造を有している。正極集電体21Aには、長手方向における一方の端部に正極活物質層21Bが被覆されずに露出している部分があり、この露出部分に正極端子11が取り付けられている。
正極集電体21Aは、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な正極材料のいずれか1種又は2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材及び結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極材料としては、例えば硫黄(S)や、二硫化鉄(FeS)、二硫化チタン(TiS)、二硫化モリブデン(MoS)、二セレン化ニオブ(NbSe)、酸化バナジウム(V)、二酸化チタン(TiO)及び二酸化マンガン(MnO)などのリチウムを含有しないカルコゲン化物(特に層状化合物やスピネル型化合物)、リチウムを含有するリチウム含有化合物、並びに、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリピロールなどの導電性高分子化合物が挙げられる。
これらの中でも、リチウム含有化合物は、高電圧及び高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えばリチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物や、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられるが、より高い電圧を得る観点からは、特にコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、チタン(Ti)又はこれらの任意の混合物を含むものが好ましい。
かかるリチウム含有化合物は、代表的には、次の一般式(1)又は(2)
Li…(1)
LiIIPO…(2)
(式中のM及びMIIは1種類以上の遷移金属元素を示し、x及びyの値は電池の充放電状態によって異なるが、通常0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。)で表され、(1)式の化合物は一般に層状構造を有し、(2)式の化合物は一般にオリビン構造を有する。
また、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi1−zCo(0<z<1)、スピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などが挙げられる。
リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばオリビン構造を有するリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)又はリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−vMnPO(v<1))が挙げられる。
これらの複合酸化物において、構造を安定化させる等の目的から、遷移金属の一部をAlやMgその他の遷移金属元素で置換したり結晶粒界に含ませたもの、酸素の一部をフッ素等で置換したもの等も挙げることができる。更に、正極活物質表面の少なくとも一部に他の正極活物質を被覆したものとしてもよい。また、正極活物質は、複数種類を混合して用いてもよい。
一方、負極22は、正極21と同様に、例えば対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面又は片面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。負極集電体22Aには、長手方向における一方の端部に負極活物質層22Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に負極端子12が取り付けられている。
負極集電体22Aは、例えば銅箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な負極材料、金属リチウムのいずれか1種又は2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材及び結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、例えば炭素材料、金属酸化物及び高分子化合物が挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素材料、人造黒鉛材料や黒鉛系材料などが挙げられ、より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭及びカーボンブラックなどがある。
このうち、コークス類にはピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄、酸化ルテニウム及び酸化モリブテンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンやポリピロールなどが挙げられる。
更に、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、リチウムと合金を形成可能な金属元素及び半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。この負極材料は金属元素又は半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。
なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物又はこれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような金属元素又は半金属元素としては、例えばスズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)及びイットリウム(Y)が挙げられる。
中でも、長周期型周期表における14族の金属元素又は半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素又はスズである。ケイ素及びスズは、リチウムを吸蔵及び放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えばスズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、マグネシウム(Mg)、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン(Ti)、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロム(Cr)から成る群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えばケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、マグネシウム、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロムから成る群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物又はケイ素の化合物としては、例えば酸素(O)又は炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
次に、高分子支持体層23は、イオン伝導性を有し、非水電解液を保持することが可能である。図2に示す実施形態において、この高分子支持体層23は、セパレータ24に密着ないし接着しているが、セパレータ24と正極21、セパレータ24と負極22のように、セパレータと電極とに密着ないし接着していてもよいし、セパレータに密着ないし接着せず、正極21又は負極22のいずれか一方又は両方にのみ密着ないし接着していてもよい。
ここで、「密着」とは、高分子支持体層23とセパレータ24や正極21、負極22とが、所定の力を加えなければ互いに相対的に移動しない程度まで隙間なく接していることをいう。
高分子支持体層23とセパレータ24と、又は高分子支持体層23と正極や負極とが密着ないし接着していることにより、高分子支持体層23が非水電解液を保持しゲル状の非水電解質層となった状態において、正極21又は負極22とセパレータ24とがこの非水電解質層を介して接着された状態となる。この接着の程度は、例えば、正極21及び負極22のうち活物質層が設けられておらず集電体が露出している露出部とセパレータとの剥離強度が5mN/mm以上となる程度が好ましい。なお、剥離強度は、集電体を支持台上に配置し、10cm/分の速度で180゜方向に引っ張り、セパレータから集電体を剥離して、引っ張り始めてから6秒から25秒の間に、剥離するのに必要とされた力の平均値である。
かかる密着ないし接着により、本発明の非水電解質二次電池では、電池反応に実質的に関与しない余剰の非水電解液を低減することができ、非水電解液が電極活物質の周囲に効率よく供給される。従って、本発明の非水電解質二次電池は、非水電解液量が従来よりも少量であっても優れたサイクル特性を発揮し、また、使用する非水電解液量が少量であるので耐漏液性にも優れることになる。
上記の高分子支持体層を構成する高分子支持体としては、非水電解液を保持してイオン伝導性を発揮する限り特に限定されるものではないが、アクリロニトリルの共重合量が50%以上、特に80%以上のアクリロニトリル系重合体、芳香族ポリアミド、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリレート又はメタクリレートの単独重合体又は共重合体よりなるアクリル系重合体、アクリルアミド系重合体、フッ化ビニリデン等の含フッ素ポリマー、ポリスルホン、ポリアリルスルホン等を挙げることができる。特にアクリロニトリルの共重合量が50%以上の重合体はその側鎖にCN基を有しているため誘電率が高く、イオン伝導性の高い高分子ゲル電解質を作れる。
これら重合体に対する非水電解液の担持性向上やこれら重合体よりの高分子ゲル電解質のイオン伝導性を向上させるため、アクリロニトリルとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のビニルカルボン酸、アクリルアミド、メタクリルスルホン酸、ヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、各種(メタ)アクリレート等を好ましくは50%以下、特に20%以下の割合で共重合したものも用いることができる。
また、芳香族ポリアミドは、高耐熱性ポリマーであることより、自動車用バッテリーの如く高耐熱性が要求される高分子ゲル電解質が求められる場合には好ましい高分子重合体である。また、ブタジエン等を共重合せしめ架橋構造を有する重合体も用い得る。
特に、構成成分としてフッ化ビニリデンを含む重合体、即ち単独重合体、共重合体及び多元共重合体が好ましく、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP)、及びポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(PVdF−HEP−CTFE)を挙げることができる。
また、セパレータ24は、例えばポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂から成る多孔質膜、又はセラミック製の不織布などの無機材料から成る多孔質膜など、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の薄膜から構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよい。特に、ポリオレフィン系の多孔質膜を含むものは、正極21と負極22との分離性に優れ、内部短絡や開回路電圧の低下をいっそう低減できるので好適である。
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解液を構成する非水溶媒としては、20〜50%の環状カーボネートと50〜80%の低粘度非水溶媒を含むものが用いられる。
ここで、上記低粘度非水溶媒としては、特に沸点が130℃以下の鎖状カーボネートであることが望ましい。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネート等を好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(フルオロエチレンカーボネート)、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(クロロエチレンカーボネート)、トリフルオロメチルエチレンカーボネートなどを挙げることができ、これらを単独で、あるいはこれらの2種以上を任意に混合して用いることができる。
これら環状カーボネートは、上記したように質量比で20〜50%の範囲、好ましくは25〜40%の範囲で混合して使用されるが、これは、環状カーボネートの混合量が20%未満では、後述する低粘度非水溶媒の割合が相対的に増加して、リチウムイオンの解離度が低下し、それにより電解液の導電率が低下してしまうこととなり、50%を超えると、低粘度非水溶媒の割合が相対的に減少して粘度が増加し、電解液の導電率が低下してしまうことによる。
一方、低粘度非水溶媒としては、ジエチルカーボネートやエチルメチルカーボネートを好適に使用することができるが、これ以外にもジメチルカーボネートやメチルプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、N,N−ジメチルアセトアミド等の鎖状アミド、N,N−ジエチルカルバミン酸メチル、N,N−ジエチルカルバミン酸エチル等の鎖状カルバミン酸エステル、さらには1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン等のエーテルを挙げることができ、これらを単独で、あるいはこれらの2種以上を任意に混合して用いることができる。
これら低粘度非水溶媒は、上記したように質量比で50〜80%の範囲、好ましくは60〜75%の範囲で混合して使用される。
上記低粘度非水溶媒としては、沸点が130℃以下の鎖状カーボネートを用いることが望ましく、これによって非水電解液の導電率を向上させることができる。このような鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどを例示することができる。
なお、低粘度非水溶媒としての鎖状カーボネートの沸点が130℃を超えると、電池の作動温度範囲をせばめてしまうという不都合が生じる可能性がある。
このような非水電解液を用いることにより、少量の非水電解液で、高分子支持体を良好に膨潤させることができ、電池の膨れ抑制や漏れ防止と、高い導電性との一層の両立を図ることができる。
また、非水電解液中に、環状カーボネートとしてハロゲン原子を有する環状炭酸エステル誘導体が含まれていると、サイクル特性が改善されるのでより好ましい。
このような環状炭酸エステル誘導体としては、上記したように4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンや、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどを挙げることができ、これらをそれぞれ単独、又は組み合わせて使用することができる。なお、含有量としては、合計量で0.5〜2%程度が望ましく、含有量が少ないとサイクル特性の向上効果が十分に得られず、逆に多すぎると高温保存時の膨れが大きくなってしまう傾向がある。
非水電解液に含まれる電解質塩としては、上記非水溶媒に溶解ないしは分散してイオンを生ずるものであればよく、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を好適に使用することができるが、これに限定されないことはいうまでもない。
即ち、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、六フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl)等の無機リチウム塩や、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド(LiN(CFSO)、リチウムビス(ペンタフルオロメタンスルホン)イミド(LiN(CSO)、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホン)メチド(LiC(CFSO)等のパーフルオロアルカンスルホン酸誘導体のリチウム塩なども使用可能であり、これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
なお、このような電解質塩の含有量は、5〜25%とすることが好ましい。5%未満では、十分な電導度が得られないことがあり、25%を超えると、粘度が上昇し過ぎることがある。
本発明の非水電解質二次電池に用いる非水電解液は、上記したように、所定成分構成の非水溶媒中に電解質塩を含むものであるが、当該電池内への非水電解液の充填量については、電池容量1cmあたり0.26〜0.35g、さらには0.26〜0.32gの範囲とすることが好ましい。
すなわち、非水電解液の充填量が単位容量あたり0.26gに満たないと、所期の電池性能が得られず、0.35gを超えると耐漏液性が劣化することによる。
次に、上述した二次電池の製造方法の一例につき説明する。
上記ラミネート型二次電池は、以下のようにして製造することができる。
まず、正極21を作製する。例えば粒子状の正極活物質を用いる場合には、正極活物質と必要に応じて導電材及び結着剤とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて正極合剤スラリーを作製する。
次いで、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成する。
また、負極22を作製する。例えば粒子状の負極活物質を用いる場合には、負極活物質と必要に応じて導電材及び結着剤とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて負極合剤スラリーを作製する。この後、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成する。
そして、高分子支持体層23をセパレータ24上に形成する。高分子支持体層23をセパレータ24に形成する手法としては、セパレータ24の表面に高分子支持体を含有する溶液を塗布してその溶媒を除去する手法、及び別途形成した高分子支持体層をセパレータ24表面に密着固定する手法が挙げられる。
高分子支持体を含有する溶液をセパレータ24表面に塗布する手法としては、セパレータを高分子支持体含有溶液に浸漬する手法、Tダイ押出法等により供給塗布する手法、スプレー法・ロールコーター・ナイフコーター等により溶液を基材表面に塗布する手法などが挙げられる。
溶媒を除去する脱溶媒処理の手法としては、乾燥除去する手法、高分子支持体の貧溶媒に浸漬して溶媒を抽出除去した後、貧溶媒を乾燥除去する手法、又はこれらの組合せによる手法等を用いることができる。
別途形成した高分子支持体層をセパレータ24の表面に密着固定させる手法としては、接着剤により接着することも可能であるが、この場合、使用する電解液の種類(酸、アルカリ、有機溶剤など)に応じて接着剤を適当に選定する必要があり、また目詰まりを生じないようにする必要がある。
また、セパレータ上に形成された高分子支持体層を密着させる手法としては、ゲル転移点以上の温度による熱融着が挙げられる。特に、熱ロール圧縮等の、加圧しながらの熱融着が好ましい。
次いで、正極21に正極端子11を取り付けるとともに、負極22に負極端子12を取り付けた後、高分子支持体層23付のセパレータ24、正極21、同様のセパレータ24及び負極22を順次積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体を形成する。更に、この巻回電極体を外装部材30(30Aと30B)で挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とする。
しかる後、六フッ化リン酸リチウムなどの電解質塩と、エチレンカーボネートなどの非水溶媒を含む非水電解液を準備し、外装部材30の開口部から巻回電極体の内部に注入して、外装部材30の開口部を熱融着し封入する。これにより、非水電解液が高分子支持体層23に保持され、図1及び図2に示した二次電池が完成する。
このように高分子支持体層を形成し収納した後に、電解液を膨潤させて電解質を形成する手法では、高分子支持体を形成する原料となる前駆体や溶媒を予め除去し電解質内にほとんど残さないようにすることができ、また、高分子支持体形成工程を良好に制御できる。そのため、セパレータや正極、負極と、高分子支持体とを、密着させることが可能である。
以上に説明した二次電池では、充電を行うと、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、高分子支持体層23に保持された非水電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。放電を行うと、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、高分子支持体層23及び非水電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
以下、本発明を、図面を参照し、実施例及び比較例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1)
まず、炭酸リチウム(LiCO)0.5molに対して炭酸コバルト(CoCO)を1molの割合で混合し、空気中において900℃で5時間焼成することによって、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を得た。
次いで、得られたリチウムコバルト複合酸化物85質量部と、導電剤である黒鉛5質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して正極合剤を調製し、さらにこれを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔から成る正極集電体21Aの両面に均一に塗布し、乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成形して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。そののち、正極21に正極端子11を取り付けた。
一方、負極活物質として粉砕した黒鉛粉末を用意し、この黒鉛粉末90質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製し、さらにこれを分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させ負極合剤スラリーとした。
次いで、この負極合剤スラリーを厚み15μmの銅箔から成る負極集電体22Aの両面に均一に塗布し、乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成形して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。その際、負極の容量に対する正極の容量の比率を1.5とした。続いて、負極22に負極端子12を取り付けた。
また、高分子支持体層23に用いる高分子化合物としてはポリフッ化ビニリデンを用いた。N−メチル−2−ピロリドン溶液に15質量部となるように溶解した当該ポリマー溶液を厚み20μmの微孔性ポリエチレンフィルムから成るセパレータ24の両面にコーティング装置を用いて塗布した。
ポリマー溶液を塗布した上記ポリエチレンフィルムを脱イオン水に浸漬し、その後、乾燥することにより厚み5μmの高分子支持体層23をポリエチレンフィルム製のセパレータ24に作製した。
以上のようにして作製した正極21および負極22を、高分子支持体層23を形成したセパレータ24を介して密着させた後、長手方向に巻き回し、最外周に保護テープ25を貼付することにより、巻回電池素子20を作製した。
さらに、作製した上記電池素子20を外装部材30Aと30Bで挟み、3辺を熱融着した。なお、外装部材30(30A、30B)としては、最外層から順に25μm厚のナイロンフィルムと40μm厚のアルミニウム箔と30μm厚のポリプロピレンフィルムとが積層されて成る防湿性のアルミラミネートフィルムを用いた。
そして、電池素子20を収容した外装部材30内に、セル内の電解液重量が1.85gとなるように非水電解液を注入し、減圧下で外装部材30の残りの1辺を熱融着して密封した。
上記電解液としては、環状カーボネートであるエチレンカーボネート(EC)及びプロピレンカーボネート(PC)と、鎖状カーボネートであるジエチルカーボネート(DEC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)を使用し、これらをEC:PC:DEC:EMC=20:10:40:30の質量比で混合した溶媒に、1.2mol/Lの割合で六フッ化リン酸リチウムを溶解させたものを用いた。なお、ジエチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートの沸点は、それぞれ127℃及び108℃である。
しかる後、得られた密封体を鋼板に挟み、70℃で3分間加熱することによって、高分子支持体層23を介して、正極21及び負極22にセパレータ24を接着させた。
以上により、セルサイズが4×35×50mm(7cm)であって、図1及び図2に示したような非水電解質二次電池を得た。
(実施例1−2)
電解液の非水溶媒比をEC:DEC=20:80としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例1−3)
電解液の非水溶媒比をEC:DEC=30:70としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例1−4)
電解液の非水溶媒比をEC:PC:DEC:EMC=30:10:40:20としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例1−5)
電解液の非水溶媒比をEC:DEC=40:60としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例1−6)
電解液の非水溶媒比をEC:PC:DEC:EMC=40:10:30:20としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例1−7)
電解液の非水溶媒比をEC:DEC=50:50としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例1−1)
電解液の非水溶媒比をEC:DEC:EMC=15:60:25としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例1−2)
電解液の非水溶媒比をEC:PC:DEC:EMC=5:5:60:30としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例1−3)
電解液の非水溶媒比をEC:PC:DEC:EMC=50:5:30:15としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例1−4)
電解液の非水溶媒比をEC:PC:DEC=30:25:45としたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(放電容量評価)
上記により得られた実施例1−1〜1−7及び比較例1−1〜1−4の各二次電池について、23℃で200mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで7時間行い、次に200mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、初回放電容量を求めた。
そののち、各二次電池に対して、23℃で500mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで2時間行い、引き続き500mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行うという充放電を300サイクル行い、500mA放電における1サイクル目の放電容量を100%としたときの300サイクル目の容量維持率を求めた。表1に、初回放電容量、300サイクル目の容量維持率を示す。
(電解液重量の測定)
また、上記実施例及び比較例により得られた二次電池について、セル内の電解液重量を測定した。
すなわち、初回放電容量を求めた後の二次電池について、電池重量を測定後、電極体を取り出し、電極体を正極、負極、セパレータに分解した後、正極、負極、セパレータ及び外装部材をジメチルカーボネート溶液中に2日間浸漬させた後にろ過し、真空乾燥を3日間行い、最初の重量から真空乾燥後の重量を差し引いて電解液重量を求めた。その結果を表1に逢せて示す。
Figure 0004297166
表1に示したように、実施例1〜7の二次電池は、サイクル特性が優れていたのに対して、比較例1−1〜1−4の二次電池ではサイクル特性が悪かった。このことは、比較例1−1〜1−4の電池では、溶媒組成の範囲が20%以上50%以下の環状カーボネート、50%以上80%以下の低粘度非水溶媒から外れていたために、電極とセパレータの密着性が十分ではなく、サイクル特性が低下したものと思われる。
すなわち、正極21とセパレータ24及び負極22とセパレータ24との間に、非水電解液を保持した高分子支持体層23が介在しており、かつ非水電解液には溶媒として20%以上50%以下の環状カーボネートと50%以上80%以下の低粘度非水溶媒が含まれていれば、サイクル特性が優れることが分かった。
(実施例2−1)
セパレータ24の高分子支持体層23を片面のみに形成し、高分子支持体層23を形成した面が負極22に対面するようように巻回電池素子20を作製したこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例2−2)
セパレータ24の高分子支持体層23を片面のみに形成し、高分子支持体層23を形成した面が正極21に対面するようように巻回電池素子20を作製したこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例2−
セル内の電解液重量が2.45gとなるように非水電解液を注入したこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例2−1)
セル内の電解液重量が0.93gとなるように非水電解液を注入したこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例2−2)
セル内の電解液重量が2.57gとなるように非水電解液を注入したこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例2−3)
セル容量を9.0cmとすると共に、セル内の電解液重量が1.17gとなるように非水電解液を注入したこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(比較例2−4)
セル容量を6.0cmとすると共に、セル内の電解液重量が2.34gとなるように非水電解液を注入したこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(放電容量評価及び電解液重量の測定)
上記により得られた実施例2−1〜2−及び比較例2−1〜2−4の各二次電池について、上記実施例1−1と同様に、初回放電容量と300サイクル目の容量維持率を測定すると共に、電解液重量の測定を行った。これらの結果を実施例1−1の結果と併せて表2に示す。
(漏液試験)
上記実施例及び比較例により得られた各二次電池と、実施例1の二次電池について、漏液試験を行った。
まず、これらの二次電池をそれぞれ10セルずつ作製し、外装部材30Aに直径0.5mmの孔を開け、5MPaの圧力でプレスし、これによって電解液が漏れた電池の数を求めた。その結果を表2に併せて示す。
Figure 0004297166
表2から分るように、実施例1〜1、2−1〜2−の二次電池は、サイクル特性が優れており、かつ漏液が確認されなかったのに対して、比較例2−1、2−3の二次電池ではサイクル特性が悪く、比較例2−2、2−4の電池においては漏液セル数が多かった。これは、比較例2−1、2−3の電池では、電解液が不足したためにサイクル特性が低下し、比較例2−2、2−4の電池では余剰な電解液が生じたために漏液セル数が多かったものと考えられる。
すなわち、正極21及び/又は負極22とセパレータ24との間に、非水電解液を支持した高分子支持体23が介在しており、かつ電池内に存在する非水電解液量が電池容積1cmあたり0.26g〜0.35gであれば、サイクル特性が優れ、かつ耐漏液性を有することが分かった。
(実施例3−1)
高分子支持体層23を形成する高分子化合物として、フッ化ビニリデン91質量部と、ヘキサフルオロプロピレン4質量部と、クロロトリフルオロエチレン5質量部とを共重合させた共重合体を用いたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例3−2)
高分子支持体層23を形成する高分子化合物として、ポリメチルメタクリル酸を用いたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例3−3)
高分子支持体層23を形成する高分子化合物として、ポリビニルホルマールを用いたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(実施例3−4)
高分子支持体層23を形成する高分子化合物として、スチレンブタジエンゴムを用いたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、本例の非水電解質二次電池を得た。
(放電容量評価)
上記により得られた実施例3−1〜3−4の各二次電池について、上記実施例1−1と同様に、初回放電容量と300サイクル目の容量維持率を測定した。これらの結果をポリフッ化ビニリデンを用いた実施例1−1の結果と併せて表3に示す。
Figure 0004297166
表3に示したように、実施例1〜1、3−1〜3−4による二次電池は、サイクル特性が優れていた。
すなわち、高分子化合物として、ポリフッ化ビニリデンを成分として含む重合体、ポリメタクリル酸、ポリビニルアセタール、スチレンブタジエンゴムを使用すればサイクル特性が優れることが分かった。
(実施例4−1〜4−7)
電解液の非水溶媒比をEC:DEC=30:70とすると共に、電解液に対して4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)及び4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(CEC)を表4に示したように加えたこと以外は、実施例1−1と同様の操作を繰り返し、これら各例の二次電池をそれぞれ作製した。
作製した実施例4−1〜4−7の二次電池について、実施例1−1と同様の方法によって初回放電容量、容量維持率を測定した。これらの結果を実施例1−3の結果と共に表4に示す。
Figure 0004297166
表4から分かるように、電解液に4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン及び4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンのうちの少なくとも一方を含む実施例4−1〜4−7においても、実施例1−3と同様にサイクル特性が優れており、しかも実施例1−1よりも容量維持率が優れていることが確認された。
すなわち、電解液に4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン及び4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの一方又は両方を添加することがサイクル特性向上の観点からより好ましいことが分かった。
本発明の非水電二次電池の一実施形態であって、ラミネート型電池の一例を示す分解斜視図である。 図1に示した電池素子のII−II線に沿った断面図である。 本発明の非水電解質二次電池の他の実施形態であって、ラミネート型電池の他の例を示す分解斜視図である。
符号の説明
11…正極端子、12…負極端子、20…巻回電池素子、20’…積層電池素子、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…高分子支持体層、24…セパレータ、25…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム。

Claims (9)

  1. 正極と、負極と、非水電解液と、上記両極間に配置されたセパレータと、これらを収容するラミネートフィルム製の外装部材を備えた非水電解質二次電池において、上記正極及び負極の少なくとも一方と上記セパレータとの間に高分子支持体が介在し、該高分子支持体が正極及び負極の少なくとも一方とセパレータとに密着しており、上記非水電解液を構成する非水溶媒が、質量比で20〜50%の環状カーボネートと、50〜80%の低粘度非水溶媒を含有すると共に、この非水電解液二次電池内に存在する上記非水電解液が、当該非水電解質二次電池の容積1cm当たり0.26〜0.35gであることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 上記低粘度非水溶媒が沸点130℃以下の鎖状カーボネートであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 上記高分子支持体がポリフッ化ビニリデンを成分として含む重合体を含有していることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  4. 上記高分子支持体がポリメタクリル酸であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  5. 上記高分子支持体がポリビニルアセタール及び/又はその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  6. 上記高分子支持体がスチレンブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  7. 上記ラミネートフィルムがアルミニウムと樹脂から成るものであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  8. 上記非水電解液がハロゲン原子を有する環状炭酸エステル誘導体を含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  9. 上記非水電解液が環状炭酸エステル誘導体として、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン及び4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オンの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項8に記載の非水電解質二次電池。
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