JP4297149B2 - 車両の操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に対して付与する反力を調整するための反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動して前記反力の大きさを調整するとともに前記転舵アクチュエータを駆動して前記転舵輪の転舵を制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置に関する。
近年、この種のステアリングバイワイヤ方式の操舵装置の開発は、積極的に行なわれるようになった。例えば、下記特許文献1には、車両の走行状態に応じて操舵装置を制御するために、各時点の走行状態における運転者の運転技量を推定し、同推定した運転技量に応じて操舵装置に対する制御特性を変化させることにより、運転技量の影響が大きい車両の操舵装置を常に最適に制御する車両操舵装置の制御装置が示されている。そして、この車両操舵装置の制御装置においては、車両の旋回挙動から車両の実軌跡を求めるとともに、運転者の操作または車両の地図上の走行経路から目標軌跡を求め、実軌跡と目標軌跡との変化の積分値を所定時間単位で所定値と比較して運転者の運転技量を推定することにより、車両の走行状態によらず運転者の運転技量を常に最適に推定できるようになっている。
特開平7−47970号公報
ところで、一般的に、操舵ハンドルの操作量に対して機械的に決定される一定の転舵量で転舵輪を転舵させる操舵装置(以下、通常の操舵装置という)の搭載された車両を長く運転した運転者は、操舵ハンドルの操作量に対して転舵輪の転舵量を変更可能な操舵装置(以下、転舵量可変操舵装置という)の搭載された車両に乗り換えた場合には、これら操舵装置の操舵特性の差異に対して違和感を覚える可能性が高い。すなわち、転舵量可変操舵装置においては、例えば、運転者による操舵ハンドルの操作量が小さくても、大きな転舵量で転舵輪を転舵させることができる。このことは、転舵量可変操舵装置の操舵特性を熟知した言い換えれば操舵特性に慣れた運転者にとっては、操舵ハンドルの操作量を小さくできるため、極めて良好な操作性を得ることができる。
しかし、転舵量可変操舵装置の操舵特性を熟知していない言い換えれば操舵特性に慣れていない運転者にとっては、このような転舵輪の転舵動作に対して違和感を覚える場合がある。すなわち、いくら運転技量の高い運転者であっても、通常の操舵装置における操舵特性から転舵量可変操舵装置における特有の操舵特性(転舵動作)に慣れるまでは、操舵特性に対して違和感を覚えて車両の運転が難しいと感じる可能性がある。したがって、違和感を解消するとともに運転が簡単であると感じるためには、転舵量可変操舵装置の特有の操舵特性に慣れることが肝要である。
ところが、転舵量可変操舵装置の特有の操舵特性に慣れるまでの期間(時間)や特有の操舵特性に対する慣れ度合いは、これまでの車両の運転経験など個々の運転者の運転環境の差に依存して大きく異なる。具体的には、運転技量が高くて車両の運転自体に慣れている運転者にとっては、転舵量可変操舵装置の特有の操舵特性に早く慣れる可能性が高く、車両を運転する機会が少ない運転者にとっては、転舵量可変操舵装置の特有の操舵特性に慣れるまで時間がかかる可能性が高い。したがって、転舵量可変操舵装置においては、車両を運転する運転者ごとに慣れ度合いが異なることを考慮して、全ての運転者にとって良好な操作性が得られること、言い換えれば、車両の運転が簡単になることが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、操舵装置の操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを考慮することによって、車両の運転を易しくした車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に対して付与する反力を調整するための反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動して前記反力の大きさを調整するとともに前記転舵アクチュエータを駆動して前記転舵輪の転舵を制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記制御装置を、前記操舵ハンドルに対する運転者の操作量を検出する操作量検出手段と、前記操作量検出手段によって検出された操舵ハンドルの操作量の大きさと同検出された操作量の時間微分値の大きさとに基づいて、前記操舵ハンドルの操作と同操舵ハンドルの操作に応じた前記反力アクチュエータによる反力の反力特性および前記転舵アクチュエータによる前記転舵輪の転舵特性との関係を表す操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定する慣れ度合い決定手段と、前記決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記操舵特性を変更する操舵特性変更手段と、前記操舵特性変更手段によって変更された操舵特性に基づいて、前記反力アクチュエータおよび転舵アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御手段とで構成したことにある。
また、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に対して付与する反力を調整するための反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動して前記反力の大きさを調整するとともに前記転舵アクチュエータを駆動して前記転舵輪の転舵を制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記制御装置を、前記操舵ハンドルの操作に起因して変化する車両の運動状態量を検出する運動状態量検出手段と、前記運動状態量検出手段によって検出された車両の運動状態量の大きさと同検出された車両の運動状態量の時間微分値の大きさとに基づいて、前記操舵ハンドルの操作と同操舵ハンドルの操作に応じた前記反力アクチュエータによる反力の反力特性および前記転舵アクチュエータによる前記転舵輪の転舵特性との関係を表す操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定する慣れ度合い決定手段と、前記決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記操舵特性を変更する操舵特性変更手段と、前記操舵特性変更手段によって変更された操舵特性に基づいて、前記反力アクチュエータおよび転舵アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御手段とで構成したことにある。
さらに、車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に対して付与する反力を調整するための反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動して前記反力の大きさを調整するとともに前記転舵アクチュエータを駆動して前記転舵輪の転舵を制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記制御装置を、前記操舵ハンドルに対する運転者の操作量を検出する操作量検出手段と、前記操作量検出手段によって検出された操舵ハンドルの操作量の時間微分値の大きさと前記検出された操舵ハンドルの操作量に基づいて計算される車両の目標横加速度の大きさまたは車両の目標ヨーレートの大きさに基づいて、前記操舵ハンドルの操作と同操舵ハンドルの操作に応じた前記反力アクチュエータによる反力の反力特性および前記転舵アクチュエータによる前記転舵輪の転舵特性との関係を表す操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを表す慣れ度合いを決定する慣れ度合い決定手段と、前記決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記操舵特性を変更する操舵特性変更手段と、前記操舵特性変更手段によって変更された操舵特性に基づいて、前記反力アクチュエータおよび転舵アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御手段とで構成したことにある。
れらの場合、前記操舵特性変更手段を、前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に対して不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作に対して付与する反力が大きくなる反力特性に変更する反力特性変更手段と、前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に対して不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作に対する前記転舵輪の転舵動作が緩やかになる転舵特性に変更する転舵特性変更手段との少なくとも一方を備えて構成するとよい。そして、この場合、前記転舵特性変更手段は、前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に対して不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作量に対する前記転舵輪の転舵量の比が小さくなるとともに前記操舵ハンドルの操作に応じて駆動する前記転舵アクチュエータの時定数が大きくなる転舵特性に変更するとよい。
これらによれば、操舵ハンドルの操作に対して転舵輪を独立的に転舵させることができる操舵装置を運転する場合、この操舵装置の操舵ハンドルを操作した経験の差、より具体的には、この操舵装置の搭載された車両を運転した経験の差に応じて変化する物理量(例えば、操舵ハンドルの操作量や横加速度、ヨーレートなどの車両の運動状態量など)に基づいて、操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定することができる。そして、この決定した慣れ度合いに応じて操舵特性を変更することができる。
これにより、例えば、運転者が操舵特性に対して不慣れであれば、操舵ハンドルの大きな操作を抑制するために大きな反力を付与する反力特性に変更したり、転舵輪が緩やかに転舵する転舵特性に変更したりすることができる。一方、運転者が操舵特性に対して慣れていてば、操舵ハンドルを軽快に操作できるように小さな反力を付与する反力特性に変更したり、転舵輪が速やかに転舵する転舵特性に変更したりすることができる。そして、この変更した操舵特性に基づいて反力アクチュエータおよび転舵アクチュエータの作動を制御することができる。したがって、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて適切な操舵特性を設定することができ、運転者は簡単に車両を運転することができる。
また、前記慣れ度合い決定手段は、例えば、前記操作量検出手段によって検出された操舵ハンドルの操作量の時間変化におけるピーク値の大きさと前記操作量の時間微分値の時間変化におけるピーク値の大きさ、または、前記運動状態量検出手段によって検出された車両の運動状態量の時間変化におけるピーク値の大きさと前記車両の運動状態量の時間微分値の時間変化におけるピーク値の大きさ、もしくは、前記操作量検出手段によって検出された操舵ハンドルの操作量の時間微分値の時間変化におけるピーク値の大きさと前記計算された車両の目標横加速度または車両の目標ヨーレートの時間変化におけるピーク値の大きさに基づいて前記運転者の慣れ度合いを決定することもできる。
れによれば、操舵ハンドルの操作量の時間変化におけるピーク値と操作量の時間微分値の時間変化におけるピーク値、または、車両の運動状態量の時間変化におけるピーク値と車両の運動状態量の時間微分値の時間変化におけるピーク値、もしくは、操舵ハンドルの操作量の時間微分値の時間変化におけるピーク値と車両の目標横加速度または車両の目標ヨーレートの時間変化におけるピーク値を考慮して、操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定することができる。これにより、慣れ度合いの決定精度を大幅に向上させることができ、より運転者に適した操舵特性に変更することができる。
そして、前記慣れ度合い決定手段は、例えば、前記操舵ハンドルの操作状態が、前記操作量検出手段によって検出された操作量の絶対値が増加する切込み操作状態であるときに、前記運転者の慣れ度合いを決定するとよい。これによれば、運転者が安定して操舵ハンドルを操作できる状態で慣れ度合いを決定することができるため、より正確な慣れ度合いを決定することができる。その結果、より運転者に適した操舵特性に変更することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記制御装置は、さらに、車両を運転する運転者を特定する運転者特定手段と、前記運転者特定手段によって特定された運転者ごとに、前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いを記憶する運転者別慣れ度合い記憶手段と、前記運転者別慣れ度合い記憶手段に記憶された慣れ度合いを用いて、前記運転者特定手段によって特定された運転者ごとの慣れ度合いを初期設定する慣れ度合い設定手段とを備えて構成されることにもある。
この場合、前記制御装置は、さらに、車両に設けられたイグニッションスイッチの操作状態を検出するイグニッションスイッチ操作状態検出手段と、前記運転者特定手段によって特定された運転者の操作に応じて、前記イグニッションスイッチ操作状態検出手段により前記イグニッションスイッチのオフ状態からオン状態への移行が検出されたとき、同イグニッションスイッチがオフ状態とされていたオフ状態時間を検出するオフ状態時間検出手段と、前記オフ状態時間検出手段によって検出されたオフ状態時間が長くなるのに伴って、前記慣れ度合い設定手段によって初期設定された慣れ度合いを、前記操舵ハンドルの操作と同操舵ハンドルの操作に応じた反力の反力特性および前記転舵輪の転舵特性との関係を表す操舵特性に対して運転者が不慣れであることを表す側に補正する運転者別慣れ度合い補正手段とを備えるとよい。
これらによれば、車両を運転する運転者ごとに慣れ度合いを記憶しておくことができ、次回運転が開始されたときには、この記憶した慣れ度合いを用いて、運転者にとって適切な慣れ度合いを設定することができる。さらに、運転者が車両を運転する間隔に応じて、記憶した慣れ度合いを補正することもできる。したがって、運転者ごとの慣れ度合いに基づき、最適な操舵特性に変更することができて、運転者はより簡単に車両を運転することができる。
さらに、本発明の他の特徴は、前記制御装置が、さらに、運転者による前記操舵ハンドルの操作状態が緊急回避操作状態であるか否かを判定する緊急回避操作状態判定手段と、前記緊急回避操作状態判定手段によって前記操舵ハンドルの操作状態が緊急回避操作状態であると判定されると、前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いを、前記操舵特性に対して運転者が十分に慣れていることを表す側に補正する緊急回避操作時慣れ度合い補正手段とを備えて構成されることにもある。
これによれば、例えば、車両と衝突対象物との衝突を回避するために、操舵ハンドルの操作状態が緊急回避操作状態である場合には、操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを、一時的に、運転者が操舵特性に対して十分に慣れていることを表すように補正することができる。これにより、操舵ハンドルの大きな操作を可能とするために小さな反力を付与する反力特性に変更したり、操舵ハンドルの回動操作に対して転舵輪が速やかに転舵する転舵特性に変更したりして、緊急回避時における車両の旋回性能を向上させることができる。したがって、運転者は、極めて容易に車両を緊急回避状態で運転することができる。
a.第1実施形態
以下、本発明の実施形態に係る車両の操舵装置について図面を用いて説明する。図1は、第1実施形態ないし第4実施形態に係る共通のステアリングバイワイヤ方式を採用した車両の操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵するために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は操舵入力軸12の上端に固定され、操舵入力軸12の下端は電動モータおよび減速機構からなる反力アクチュエータ13に接続されている。反力アクチュエータ13は、運転者の操舵ハンドル11の回動操作に対して反力を付与する。
また、この操舵装置は、電動モータおよび減速機構からなる転舵アクチュエータ21を備えている。この転舵アクチュエータ21による転舵力は、転舵出力軸22、ピニオンギア23およびラックバー24を介して左右前輪FW1,FW2に伝達される。この構成により、転舵アクチュエータ21からの回転力は転舵出力軸22を介してピニオンギア23に伝達され、ピニオンギア23の回転によりラックバー24が軸線方向に変位して、このラックバー24の軸線方向の変位により、左右前輪FW1,FW2は左右に転舵される。
次に、これらの反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御する電気制御装置30について説明する。電気制御装置30は、操舵角センサ31、転舵角センサ32、車速センサ33、横加速度センサ34およびヨーレートセンサ35を備えている。
操舵角センサ31は、操舵入力軸12に組み付けられていて、操舵ハンドル11の中立位置からの回転角を検出して操舵角θとして出力する。転舵角センサ32は、転舵出力軸22に組み付けられていて、転舵出力軸22の中立位置からの回転角を検出して実転舵角δ(左右前輪FW1,FW2の転舵角に対応)として出力する。ここで、本明細書において、中立位置とは、車両が直進状態を維持するための操舵ハンドル11、操舵入力軸12、転舵出力軸22および左右前輪FW1,FW2の作動位置をいう。そして、操舵角θおよび転舵角δは、中立位置を「0」とし、左方向の回転角を正の値で表すとともに、右方向の回転角を負の値でそれぞれ表す。
車速センサ33は、車速Vを検出して出力する。横加速度センサ34は、車両の実横加速度Gを検出して出力する。ヨーレートセンサ35は、車両の実ヨーレートγを検出して出力する。なお、実横加速度Gおよび実ヨーレートγも、左方向の加速度およびヨーレートを正の値で表し、右方向の加速度およびヨーレートを負の値で表す。
これらのセンサ31〜35は、電子制御ユニット36に接続されている。電子制御ユニット36は、CPU、EEPROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、後述するプログラムを含む各種プログラムの実行により、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動をそれぞれ制御する。電子制御ユニット36の出力側には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21を駆動するための駆動回路37,38がそれぞれ接続されている。駆動回路37,38内には、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21内の電動モータに流れる駆動電流を検出するための電流検出器37a,38aが設けられている。電流検出器37a,38aによって検出された駆動電流は、両電動モータの駆動を制御するために、電子制御ユニット36にフィードバックされている。
次に、上記のように構成したステアリングバイワイヤ方式の操舵装置、より詳しくは、操舵入力軸12の回転に対して転舵出力軸22を相対的に回転可能な操舵装置の動作について説明する。一般的に、操舵入力軸と転舵出力軸とが相対回転しない通常の操舵装置の操作経験の長い運転者がステアリングバイワイヤ方式の操舵装置を操作する場合、これら操舵装置における操舵ハンドルの操作と反力特性および転舵特性との関係を表す操舵特性の違いに慣れる必要がある。そして、この操舵特性の違いに慣れる度合い(以下、慣れ度合いという)は、運転者によって異なる。
このため、電子制御ユニット36は、運転者の慣れ度合いを考慮してステアリングバイワイヤ方式の操舵特性を適宜変更するために、図2に示す操舵特性変更プログラムを実行する。以下、この操舵特性変更プログラムを具体的に説明する。
電子制御ユニット36は、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、操舵特性変更プログラムを所定の短時間の経過ごとに繰り返し実行する。すなわち、電子制御ユニット36は、ステップS10にて、操舵特性変更プログラムの実行を開始し、ステップS11にて、各センサ31〜35によって検出されたそれぞれの検出値を入力する。そして、電子制御ユニット36は、各検出値を入力すると、ステップS12に進む。
ステップS12においては、電子制御ユニット36は、乗車した運転者のステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いを表す慣れ度合い係数Nk_0を推定して決定する。ただし、慣れ度合い係数Nk_0は、「0」から「1」まで変化する変数であり、乗車した運転者が操舵特性に不慣れなほど「0」に近い値に決定され、運転者が操舵特性に慣れているほど「1」に近い値に決定される。
ここで、電子制御ユニット36は、運転者がステアリングバイワイヤ方式の操舵装置を操作して車両を運転した走行距離および走行時間や、車両旋回時における操舵ハンドル11の修正回動操作回数、操舵ハンドル11の回動操作に伴う車両の挙動変化量など、主として運転者の運転経験に関連する物理量に総合的に基づいて慣れ度合い係数Nk_0を推定して決定する。このため、本発明者は、乗車した運転者の慣れ度合い係数Nk_0をより精度よく推定して決定するために、走行距離および走行時間、修正回動操作回数や、挙動変化量と慣れ度合い係数Nk_0との関係を得るべく、男女、年齢、車両の運転歴などの異なる種々の人間に対して実験を行った。その結果、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置が搭載された車両を運転した走行距離および走行時間が短いほど、旋回時における操舵ハンドル11の修正回動操作回数が多いほど、あるいは、車両の挙動変化量が大きいほど、操舵特性に慣れていないことが分かった。
したがって、電子制御ユニット36は、例えば、現在の車両の走行距離や走行時間、旋回時における操舵ハンドル11の修正回動操作回数、前記ステップS11にて横加速度センサ34およびヨーレートセンサ35から入力した実横加速度Gおよび実ヨーレートγの変化量などに基づき、慣れ度合い係数Nk_0を推定して決定する。そして、電子制御ユニット36は、ステップS12にて慣れ度合い係数Nk_0を決定すると、ステップS13に進む。
ステップS13においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS11にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θの絶対値が減少する状態、言い換えれば、操舵ハンドル11が切戻し操作状態であるか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、検出操舵角θの絶対値が減少していれば、「Yes」と判定してステップS14に進む。
ステップS14においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS12にて決定した慣れ度合い係数Nk_0を切戻し操作状態に対応して補正する。具体的に説明すると、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置のように、操舵入力軸12に対して転舵出力軸22が相対的に回転可能である場合には、操舵入力軸12の回転量と転舵出力軸22の回転量との比(例えば、ギア比)を適宜変更することができる。これにより、操舵ハンドル11の回動操作量に対して左右前輪FW1,FW2の転舵量を変更して車両を容易に旋回させたり、旋回挙動を安定化させたりすることができる。しかし、このような転舵特性においては、特に、操舵ハンドル11を切戻し操作したときには、左右前輪FW1,FW2の転舵動作が速やかになる場合があり、その結果、ステアリングバイワイヤ方式における操舵特性に慣れた運転者であっても、左右前輪FW1,FW2の転舵動作に違和感を覚える可能性がある。
このため、電子制御ユニット36は、操舵ハンドル11が切戻し操作状態にあるときには、図3に示すように、前記ステップS12にて決定した慣れ度合い係数Nk_0の値が小さくなるように補正した補正慣れ度合い係数Nk_1を設定する。そして、電子制御ユニット36は、補正慣れ度合い係数Nk_1を設定すると、ステップS16に進む。
一方、前記ステップS13にて、検出操舵角θの絶対値が増加する状態、言い換えれば、操舵ハンドル11が切込み操作状態であれば、電子制御ユニット36は「No」と判定して、ステップS15に進む。ステップS15においては、電子制御ユニット36は、以降の各ステップ処理に対応させるために、前記ステップS12にて決定した慣れ度合い係数Nk_0を補正慣れ度合い係数Nk_1として決定する。そして、電子制御ユニット36は、切込み操作状態における補正慣れ度合い係数Nk_1を決定すると、ステップS16に進む。
ステップS16においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS12にて決定した慣れ度合い係数Nk_0に応じて左右前輪FW1,FW2を転舵させるために、例えば、べき乗関数的に変化する目標転舵角δdを下記式1に従って計算する。
δd=(1/Kg)・a・θI …式1
ただし、前記式1中のaは、前記ステップS11にて車速センサ33から入力した検出車速Vに応じて変化する車速係数であり、図4に示すように、検出車速Vが小さい範囲内で「1」よりも大きく、検出車速Vが大きい範囲内で「1」よりも小さく、検出車速Vの増加に伴って「1」を挟んで非線形に減少する特性を有している。なお、車速係数aとしては、操舵入力軸12の回転量に対する転舵出力軸22の回転量の比、例えば、伝達比やギア比などを採用することも可能である。
また、前記式1中のθは、前記ステップS11にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θの絶対値を表しており、検出操舵角θが正の値であれば車速係数aを正の値とするとともに検出操舵角θが負の値であれば車速係数aの値を前記正の値と同じ絶対値を有する負の値とする。さらに、前記式1中のIは、べき指数を表す定数であり、「1」よりも大きな値に設定されるものである。
また、前記式1中のKgは、前記ステップS12にて決定した慣れ度合い係数Nk_0に応じて変化する転舵量補正係数であり、図5に示すように、慣れ度合い係数Nk_0が小さくなるのに伴ってすなわち運転者が操舵特性に不慣れなほど大きな値Kg0まで変化し、慣れ度合い係数Nk_0が大きくなるのに伴ってすなわち運転者が操舵特性に慣れるほど小さな値(例えば、「1」)に変化する特性を有している。このように転舵量補正係数Kgが慣れ度合い係数Nk_0に応じて変化することにより、運転者によるステアリングバイワイヤ方式の操舵特性の慣れ具合に応じて、左右前輪FW1,FW2を転舵させることができる。
具体的に説明すると、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に不慣れな運転者すなわち慣れ度合い係数Nk_0が「0」に近い値に決定されている場合には、転舵量補正係数Kgは大きな値に設定される。これにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作より詳しくは検出操舵角θの変化に対してべき乗関数的に変化する目標転舵角δdの値が相対的に小さく計算され、この結果、左右前輪FW1,FW2を緩やかに転舵させることができる。したがって、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていない運転者であっても、容易に車両を旋回させることができる。
一方、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者すなわち慣れ度合い係数Nk_0が「1」に近い値に決定されている場合には、転舵量補正係数Kgは小さな値に設定される。これにより、べき乗関数的に変化する目標転舵角δdの値が相対的に大きく計算され、この結果、左右前輪FW1,FW2を速やかに転舵させることができる。したがって、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者である場合には、例えば、低速域において小さな操舵ハンドル11の回動操作量で車両を容易に旋回させることができる。そして、電子制御ユニット36は、目標転舵角δdを計算すると、ステップS17に進む。
ステップS17においては、電子制御ユニット36は、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対する左右前輪FW1,FW2の転舵動作の応答性を、前記ステップS14またはステップS15にて決定した補正慣れ度合い係数Nk_1の値に応じて変更する。すなわち、電子制御ユニット36は、駆動回路38内に設けられるソフトフィルタの時定数τを補正慣れ度合い係数Nk_1の値に応じて変更する。ここで、時定数τは、図6に示すように、補正慣れ度合い係数Nk_1の値が小さくなるのに伴って大きな値τ0まで変化し、補正慣れ度合い係数Nk_1の値が大きくなるに伴って小さな値に変化する特性を有している。
具体的に説明すると、電子制御ユニット36は、補正慣れ度合い係数Nk_1が小さい、言い換えれば、運転者がステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に不慣れであれば、時定数τを大きな値に設定する。これにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に応じて駆動制御される転舵アクチュエータ21(より詳しくは電動モータ)の作動開始時期を若干遅らせることができ、左右前輪FW1,FW2の転舵動作の応答性を鈍くすることができる。したがって、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に不慣れな運転者が比較的速く操舵ハンドル11を回動操作した場合であっても、左右前輪FW1,FW2の急激な転舵動作が抑制され、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に起因する車両の挙動乱れを良好に抑制することができる。
一方、電子制御ユニット36は、補正慣れ度合い係数Nk_1が大きい、言い換えれば、運転者がステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていれば、時定数τを小さな値に設定する。これにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対する転舵アクチュエータ21(より詳しくは電動モータ)の作動開始時期を早くすることができ、左右前輪FW1,FW2の転舵動作の応答性を機敏にすることができる。したがって、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者は、自身の操舵ハンドル11の回動操作に応じて車両をきびきびと旋回させることができる。このように、時定数τを設定すると、電子制御ユニット36は、ステップS18に進む。
ステップS18においては、電子制御ユニット36は、ステップS14またはステップS15にて決定した補正慣れ度合い係数Nk_1の値に応じて運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する目標反力トルクTzを下記式2に従って計算する。
Tz=Ks・Ts+Kf・Tf+Kr・Tr …式2
ただし、前記式2中のTsは前記ステップS11にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θの大きさに応じて変化するバネ項成分トルクを表し、Tfは検出操舵角θの時間微分値dθ/dt(以下、この微分値を操舵角速度dθ/dtという)の大きさに応じて変化する摩擦項成分トルクを表し、Trは操舵角速度dθ/dtの大きさに応じて変化する粘性項成分トルクを表す。
ここで、バネ項成分トルクTs、摩擦項成分トルクTfおよび粘性項成分トルクTrについて簡単に説明しておく。バネ項成分トルクTsは検出操舵角θに比例するものであり、電子制御ユニット36は、図7に示すような特性の変換テーブルを用いて、検出操舵角θに対するバネ項成分トルクTsを計算する。摩擦項成分トルクTfは操舵角速度dθ/dtの大きさに依存するとともにヒステリシス特性を有するものであり、電子制御ユニット36は、図8に示すような特性の変換テーブルを用いて、操舵角速度dθ/dtに対する摩擦項成分トルクTfを計算する。粘性項成分トルクTrは操舵角速度dθ/dtに比例するものであり、電子制御ユニット36は、図9に示すような特性の変換テーブルを用いて、操舵角速度dθ/dtに対する粘性項成分トルクTrを計算する。
また、前記式2中の係数Ks,Kf,Krは、前記ステップS14またはステップS15にて決定した補正慣れ度合い係数Nk_1に応じて変化する補正係数である。より具体的に説明すると、補正係数Ksは、バネ成分項トルクTsを補正するための補正係数であり、図10に示すように、補正慣れ度合い係数Nk_1が小さくなるのに伴って大きな値Ks0まで変化し、補正慣れ度合い係数Nk_1が大きくなるのに伴って小さな値に変化する特性を有している。また、補正係数Kfは、摩擦成分項トルクTfを補正するための補正係数であり、図11に示すように、補正慣れ度合い係数Nk_1が小さくなるのに伴って大きな値Kf0までに変化し、補正慣れ度合い係数Nk_1が大きくなるのに伴って小さな値に変化する特性を有している。さらに、補正係数Krは、粘性成分項トルクTrを補正するための補正係数であり、図12に示すように、補正慣れ度合い係数Nk_1が小さくなるのに伴って大きな値Kr0までに変化し、補正慣れ度合い係数Nk_1が大きくなるのに伴って小さな値に変化する特性を有している。
そして、電子制御ユニット36は、前記ステップS14またはステップS15にて決定した補正慣れ度合い係数Nk_1に応じた目標反力トルクTzを計算する。すなわち、電子制御ユニット36は、補正慣れ度合い係数Nk_1が小さければ、補正係数Ks,Kf,Krを大きな値に設定して、前記式2に従って計算される目標反力トルクTzを大きくする。これにより、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に不慣れな運転者による操舵ハンドル11の大きな回動操作を抑制することができる。一方、電子制御ユニット36は、補正慣れ度合い係数Nk_1が大きければ、補正係数Ks,Kf,Krを小さな値に設定して、前記式2に従って計算される目標反力トルクTzを小さくする。これにより、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者は、操舵ハンドル11を軽快に回動操作することができる。このように、補正慣れ度合い係数Nk_1に応じた目標反力トルクTzを計算すると、電子制御ユニット36は、ステップS19に進む。
ステップS19においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS16にて計算した目標転舵角δd、前記ステップS17にて設定した時定数τおよび前記ステップS18にて計算した目標反力トルクTzに基づいて、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御する。以下、反力制御から具体的に説明する。
電子制御ユニット36は、駆動回路37内に設けられた電流検出器37aから反力アクチュエータ13内の電動モータに流れる駆動電流を入力し、同電動モータに目標反力トルクTzに対応した駆動電流が流れるように駆動回路37をフィードバック制御する。この反力アクチュエータ13内の電動モータの駆動制御により、同電動モータは、操舵入力軸12を介して操舵ハンドル11に目標反力トルクTzに対応した反力を付与する。
次に、転舵制御を具体的に説明する。電子制御ユニット36は、転舵角センサ32によって検出された実転舵角δを入力し、転舵出力軸22が前記ステップS16にて計算した目標転舵角δdに回転するように、転舵アクチュエータ21内の電動モータの回転をフィードバック制御する。このとき、電子制御ユニット36は、駆動回路38内に設けられた電流検出器38aから転舵アクチュエータ21内の電動モータに流れる駆動電流を入力し、同電動モータに転舵力に対応した大きさの駆動電流が適切に流れるように駆動回路38をフィードバック制御する。
また、電子制御ユニット36は、前記ステップS17にて設定した駆動回路38内に設けられたソフトフィルタの時定数τに基づいて転舵アクチュエータ21内の電動モータが駆動力を発生するように駆動回路38を制御する。これにより、転舵出力軸22に一体的に組み付けられたピニオンギア23が回転し、このピニオンギア23の回転によってラックバー24が軸線方向に変位する。そして、このラックバー24の軸線方向への変位により、左右前輪FW1,FW2は目標転舵角δdに対応して転舵される。
このように、電子制御ユニット36が反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御することにより、反力アクチュエータ13は、補正慣れ度合い係数Nk_1(すなわち慣れ度合い係数Nk_0)に応じて適切な反力を運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して付与することができる。また、転舵アクチュエータ21は、慣れ度合い係数Nk_0に応じて適切に左右前輪FW1,FW2を転舵させることができる。したがって、ステアリングバイワイヤ方式を採用した操舵装置、言い換えれば、操舵入力軸12と転舵出力軸22とが相対回転可能な操舵装置が搭載された車両を運転する場合には、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じた最適な転舵特性および反力特性を提供することができ、運転者は、乗り換えに伴う違和感を覚えることなく、極めて簡単に車両を運転することができる。
そして、電子制御ユニット36は、ステップS19にて反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御すると、ステップS20に進む。ステップS20においては、電子制御ユニット36は、操舵特性変更プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、電子制御ユニット36は、ふたたび、ステップS10にて、操舵特性変更プログラムに実行を開始して、慣れ度合い係数Nk_0(補正慣れ度合い係数Nk_1)に応じて、反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21を作動させる。
以上の説明からも理解できるように、この第1実施形態によれば、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置を運転する場合、操舵ハンドル11を操作した経験の差、より具体的には、この操舵装置の搭載された車両を運転した走行距離や走行時間など運転経験の差に応じて変化する物理量としての、操舵ハンドル11の修正回動操作回数や横加速度G、ヨーレートγの変化量などに基づいて、操舵特性に対する運転者の慣れ度合い係数Nk_0を決定することができる。そして、この決定した慣れ度合い係数Nk_0に応じて、運転者が操舵特性に対して不慣れであれば、操舵ハンドル11の大きな操作を抑制するために大きな反力トルクTzを付与する反力特性に変更したり、左右前輪FW1,FW2が緩やかに転舵する転舵特性に変更したりすることができる。さらに、この変更した操舵特性に基づいて反力アクチュエータ13および転舵アクチュエータ21の作動を制御することができる。したがって、運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて適切な操舵特性を設定することができ、運転者は簡単に車両を運転することができる。
b.第2実施形態
次に、車両を運転する運転者ごとの操舵特性に対する慣れ度合いを考慮して、ステアリングバイワイヤ方式の転舵特性および反力特性すなわち操舵特性を最適に変更する第2実施形態を説明する。上記第1実施形態においては、運転者のステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に対する一般的な慣れ度合いを表す慣れ度合い係数Nk_0を推定して決定し、この慣れ度合い係数Nk_0に基づいて転舵特性および反力特性を変更するように実施した。しかし、車両を運転する機会は運転者によって様々であり、一時的に操舵特性に慣れて慣れ度合い係数Nk_0の値が大きくなったとしても、次回車両を運転するまでの期間が長くなれば、ふたたび、慣れ度合い係数Nk_0が小さくすなわち不慣れな状態となる可能性がある。したがって、この第2実施形態においては、慣れ度合い係数Nk_0を個々の運転者の状況に対応して決定する。なお、この第2実施形態の説明においては、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第2実施形態においては、電子制御ユニット36は、図13に示す操舵特性変更プログラムを実行する。この第2実施形態における操舵特性変更プログラムは、上記第1実施形態にて説明した操舵特性変更プログラムに対して、ステップS30,32,33およびステップS34が追加されるとともに、前記ステップS12がステップS31に変更されている。すなわち、電子制御ユニット36は、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、第2実施形態に係る操舵特性変更プログラムを所定の短い時間ごとにステップS10にて繰り返し実行を開始する。そして、電子制御ユニット36は、ステップS30にて、現在車両を運転している運転者を特定する。
具体的に説明すると、電子制御ユニット36は、乗車している運転者を特定するために、図示しない受信機を介して、運転者を特定し得る情報、例えば、運転者が所持する携帯電話から出力される特定電波、運転者が所持するスマートキーから出力される特定電波、あるいは、運転者ごとに割り当てられたイグニッションキーから出力される特定電波などを受信する。また、電子制御ユニット36は、イグニッションスイッチがオン状態とされた時点で運転者が交代したか否かを判定するために、例えば、車速センサ33による検出車速Vや、図示しない車両のサスペンション装置に設けられた車高検出センサによって検出される車高を表す車高情報、図示しないシートに設けられた着座検出センサから出力される着座情報、図示しないドアに設けられたの開閉検出センサから出力される開閉情報などを入力する。
そして、電子制御ユニット36は、運転者が交代したと判定した場合には、受信した特定電波によって表される運転者特定情報と、例えば、EEPROM内に予め登録された運転者登録情報とを比較する。この比較によって、電子制御ユニット36は、現在車両を運転している運転者を特定する。なお、電子制御ユニット36は、イグニッションスイッチがオフ状態とされた場合、検出車速V、車高情報、着座情報または開閉情報などに基づいて運転者が交代したと判定した場合にのみ、ステップS30を実行して運転者を特定するように実施可能であることはいうまでもない。このように、運転者を特定すると、電子制御ユニット36は、上記第1実施形態と同様にステップS11を実行して各センサからそれぞれの検出値を入力し、ステップS31に進む。
ステップS31においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS30にて特定した運転者の慣れ度合い係数Nk_0を決定するための慣れ度合い係数決定ルーチンを実行する。以下、この慣れ度合い係数決定ルーチンを具体的に説明する。
この慣れ度合い係数決定ルーチンは、図14に示すように、ステップS50にてその実行が開始され、ステップS51にて、電子制御ユニット36は、イグニッションスイッチがオン状態とされた後、今回の慣れ度合い係数決定ルーチンの実行が初回であるか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行が初回であれば「Yes」と判定して、ステップS52に進む。一方、今回の慣れ度合い係数決定ルーチンの実行が2回目以降であれば「No」と判定して、後述するステップS55に進む。
ステップS52においては、電子制御ユニット36は、操舵特性変更プログラムにおける前記ステップS30にて特定した運転者に関連して、前回、イグニッションスイッチがオフ状態とされたときに、例えば、EEPROM内の所定記憶位置に記憶された慣れ度合い係数Nk_0の記憶値(以下、この記憶値を慣れ度合い係数記憶値Nk_Igoffという)を読み出す。ここで、慣れ度合い係数記憶値Nk_Igoffの記憶に際しては、電子制御ユニット36は、記憶した時刻を表す時刻情報を合わせて記憶するようになっている。なお、慣れ度合い係数記憶値Nk_IgoffのEEPROM内への記憶については、後に詳述する。このように、慣れ度合い係数記憶値Nk_Igoffを読み出すと、電子制御ユニット36はステップS53に進む。
ステップS53においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS30にて特定した運転者によって、前回、イグニッションスイッチがオフ状態とされてから、今回、イグニッションスイッチがオン状態とされるまでの経過時間(以下、この経過時間をオフ状態時間T_Igoffという)を計算する。すなわち、電子制御ユニット36は、前記ステップS52にて読み出した慣れ度合い係数記憶値Nk_Igoffに合わせて記憶された時刻情報により表されるイグニッションスイッチオフ時刻と、イグニッションスイッチがオン状態とされた時点のイグニッションスイッチオン時刻とを比較する。そして、イグニッションスイッチオフ時刻とイグニッションスイッチオン時刻との差分値から、前回イグニッションスイッチがオフ状態とされてから今回イグニッションスイッチがオン状態とされるまでのオフ状態時間T_Igoffを計算する。このように、オフ状態時間T_Igoffを計算すると、電子制御ユニット36はステップS54に進む。
ステップS54においては、電子制御ユニット36は、今回、イグニッションスイッチがオン状態とされた時点における慣れ度合い係数の初期値(以下、この初期値を慣れ度合い初期値係数Nk_Igonという)を、下記式3に従って計算する。
Nk_Igon=Nk_Igoff・K_time …式3
ただし、前記式3中の係数K_timeは、オフ状態時間T_Igoffに応じて変化する時間係数であり、例えば、図15に示すように、オフ状態時間T_Igoffの増加に伴って「1」から非線形的に減少する特性を有するものである。そして、電子制御ユニット36は、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonを計算すると、ステップS55に進む。なお、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonの大きさに関しては、例えば、運転席周辺に配置した調整スイッチを操作することによって、運転者自身が設定することも可能である。
ステップS55においては、電子制御ユニット36は、イグニッションスイッチがオン状態とされた後、車両が走行した走行距離Dis_Igonを計算する。すなわち、電子制御ユニット36は、操舵特性変更プログラムの前記ステップS11にて車速センサ33から入力した検出車速Vを走行時間によって積分することによって走行距離Dis_Igonを計算する。なお、走行距離Dis_Igonの計算に際しては、例えば、車両に設けられたトリップメータなどの値を用いて計算してもよい。そして、電子制御ユニット36は、走行距離Dis_Igonを計算すると、ステップS56に進む。
ステップS56においては、電子制御ユニット36は、イグニッションスイッチがオン状態とされてからの運転者による操舵ハンドル11の回動操作回数N_Igonを計算する。すなわち、電子制御ユニット36は、操舵特性変更プログラムの前記ステップS11にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θの絶対値の大きさと、操舵ハンドル11が回動操作されたことを判定するために予め設定された所定値の大きさとを比較する。そして、電子制御ユニット36は、操舵ハンドル11の回動操作状態に関し、検出操舵角θの絶対値が所定値以下の状態から所定値よりも大きな状態となったときの回数をカウントし、このカウント値を回動操作回数N_Igonとして計算する。このように、回動操作回数N_Igonを計算すると、電子制御ユニット36はステップS57に進む。
ステップS57においては、電子制御ユニット36は、特定した運転者の慣れ度合い係数Nk_0を計算する。具体的に説明すると、電子制御ユニット36は、前記ステップS54にて計算した慣れ度合い初期値係数Nk_Igon、前記ステップS55にて計算した走行距離Dis_Igonおよび前記ステップS56にて計算した回動操作回数N_Igonを用いた下記式4に従って慣れ度合い係数Nk_0を計算する。
Nk_0=Nk_Igon+K_dis・Dis_Igon+K_N・N_Igon …式4
ただし、前記式4中のK_disおよびK_Nは、予め設定された正の小さな定数である。
このように、前記式4に従って計算される慣れ度合い係数Nk_0は、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonが大きいほど、「1」に近い値として計算される。すなわち、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonは、前記式3によって示されるように、オフ状態時間T_Igoffが大きいほど小さな値に設定される時刻係数K_timeに基づいて計算される。言い換えれば、前回、車両の運転を終了してから今回車両を運転するまでの間の期間が短ければ慣れ度合い初期値係数Nk_Igonはある程度大きな値に計算され、期間が長ければ慣れ度合い初期値係数Nk_Igonはより小さな値に計算される。これにより、前回までの運転経験により、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者であっても、オフ状態時間T_Igoffが長い場合には、一時的に慣れ度合い係数Nk_0を「0」に近づけることにより、操舵特性に関する違和感を覚えにくくすることができる。
また、前記式4に従って計算される慣れ度合い係数Nk_0は、走行距離Dis_Igonが長いほど、「1」に近い値として計算される。すなわち、今回の車両の運転において、走行距離Dis_Igonが長くなればなるほど、運転者はステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れるため、「1」により近い慣れ度合い係数Nk_0の値が計算される。さらに、前記式4に従って計算される慣れ度合い係数Nk_0は、操舵ハンドル11の回動操作回数N_Igonが多いほど、「1」に近い値として計算される。すなわち、今回の車両の運転において、操舵ハンドル11回動操作回数N_Igonが多くなればなるほど、運転者はステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れるため、「1」により近い慣れ度合い係数Nk_0の値が計算される。
これにより、オフ状態時間T_Igoffに応じて慣れ度合い初期値係数Nk_Igonを計算するとともに走行距離Dis_Igonおよび回動操作回数N_Igonを考慮して慣れ度合い係数Nk_0を計算することにより、例えば、図16に概略的に示すように、慣れ度合い係数Nk_0は、走行距離Dis_Igonが長くなるほどまた回動操作回数N_Igonが多くなるほど、言い換えれば、イグニッションスイッチがオン状態とされる時間が長いほど、「1」に近い値に変化するようになる。したがって、運転者は、車両を走行させて操舵ハンドル11を回動操作するほどに、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れることになる。そして、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数Nk_0を計算すると、ステップS58にて、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行を一旦終了する。
ふたたび、第2実施形態における操舵特性変更プログラムの説明に戻り、電子制御ユニット36は、前記計算した慣れ度合い係数Nk_0を用いて、上述した第1実施形態と同様に、操舵特性変更プログラムのステップS13からステップS19までの各ステップ処理を実行する。これにより、上述した第1実施形態と同様に、運転者のステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて転舵特性および反力特性を変更することができる。そして、電子制御ユニット36は、ステップS19の処理後、ステップS32に進む。
ステップS32においては、電子制御ユニット36は、運転者によってイグニッションスイッチがオフ状態とされたか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、イグニッションスイッチがオン状態に維持されていれば、「No」と判定してステップS20に進み、操舵特性変更プログラムに実行を一旦終了する。そして、所定の短時間の経過後、ふたたび、ステップS10にて同プログラムの実行を開始する。
一方、運転者によってイグニッションスイッチがオフ状態とされると、電子制御ユニット36は「Yes」と判定して、ステップS33に進む。ステップS33においては、電子制御ユニット36は、図示しない所定の終了プログラムを実行し、イグニッションスイッチがオフ状態とされた時点における慣れ度合い係数Nk_0を慣れ度合い係数記憶値Nk_IgoffとしてEEPROMの所定記憶位置に記憶するとともに、イグニッションスイッチがオフ状態とされた時刻情報を合わせて記憶する。この場合、電子制御ユニット36は、前記ステップS30にて特定した運転者を特定するために用いる運転者登録情報と、前記慣れ度合い係数記憶値Nk_Igoffおよび時刻情報とを互いに関連付けて記憶する。そして、電子制御ユニット36は、ステップS34に進み、操舵特性変更プログラムの実行を完全に終了する。
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態によれば、車両を運転する運転者ごとに適切な慣れ度合い係数Nk_0を設定することができる。したがって、運転者ごとの慣れ度合い係数Nk_0に基づき、最適な操舵特性に変更することができて、運転者はより簡単に車両を運転することができる。また、各運転者が車両を運転する間隔を考慮して、慣れ度合い係数Nk_0を補正することができる。そして、この慣れ度合い係数Nk_0の補正に関しては、運転者が車両を運転する間隔が長くなればなるほど、不慣れであることを表すように「0」に近い値に補正することができる。これにより、運転者が操舵特性に一旦慣れた状態であっても、例えば、長期間車両を運転しなかった場合には、操舵特性に対して違和感を覚える可能性があるものの、運転しなかった期間に基づいて慣れ度合い係数Nk_0を補正することにより、現在の運転者の操舵特性に対する慣れ度合いに応じた操舵特性に変更することができる。したがって、このような場合であっても、運転者は簡単に車両を運転することができる。その他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
c.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態を説明する。この第3実施形態においても、上記第2実施形態と同様に、車両を運転する運転者ごとの操舵特性に対する慣れ度合いを考慮して、ステアリングバイワイヤ方式の転舵特性および反力特性を適正に変更する。ただし、上記第2実施形態において説明した慣れ度合い係数決定ルーチンとこの第3実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンとは異なる。以下、第3実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンを詳細に説明し、他の部分については、上記第2実施形態と同様であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
この第3実施形態においても、上記第2実施形態と同様に、電子制御ユニット36は、図13に示す転舵制御プログラムを実行する。すなわち、電子制御ユニット36は、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、操舵特性変更プログラムを所定の短い時間ごとにステップS10にて繰り返し実行する。そして、電子制御ユニット36は、上記第2実施形態と同様に、ステップS30にて、現在車両を運転している運転者を特定する。そして、電子制御ユニット36は、ステップS11にて各センサからそれぞれの検出値を入力すると、ステップS31にて慣れ度合い係数決定ルーチンを実行する。
この第3実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンは、運転者による操舵ハンドル11の回動操作状態に応じて変化する車両の旋回状態に基づいて、慣れ度合い係数Nk_0を決定するものである。以下、具体的に、第3実施形態に係る慣れ度合い係数決定ルーチンを説明する。
この慣れ度合い係数決定ルーチンは、図17に示すように、ステップS70にてその実行が開始され、ステップS71にて、電子制御ユニット36は、イグニッションスイッチがオン状態とされた後、今回の慣れ度合い係数決定ルーチンの実行が初回であるか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行が初回であれば「Yes」と判定して、ステップS72に進む。一方、今回の慣れ度合い係数決定ルーチンの実行が2回目以降であれば、電子制御ユニット36は「No」と判定して、後述するステップS75に進む。
ステップS72においては、電子制御ユニット36は、操舵特性変更プログラムの前記ステップS30にて特定した運転者に関連して、前回、イグニッションスイッチがオフ状態とされたときに、EEPROM内の所定記憶位置に記憶された慣れ度合い係数記憶値Nk_Igoffを読み出す。そして、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数記憶値Nk_Igoffを読み出すと、ステップS73に進む。
ステップS73においては、電子制御ユニット36は、前回、イグニッションスイッチがオフ状態とされてから、今回、イグニッションスイッチがオン状態とされるまでのオフ状態時間T_Igoffを計算する。なお、このオフ状態時間T_Igoffの計算については、上述した第2実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンのステップS53と同様であるため、詳細な説明を省略する。そして、電子制御ユニット36は、オフ状態時間T_Igoffを計算すると、ステップS74に進む。
ステップS74においては、電子制御ユニット36は、電子制御ユニット36は、上述した第2実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンのステップS54と同様に、前記式3に従って慣れ度合い初期値係数Nk_Igonを計算する。なお、この場合においても、例えば、運転者自身が調整スイッチを操作することによって慣れ度合い初期値係数Nk_Igonの大きさを適宜設定可能であることはいうまでもない。そして、電子制御ユニット36は、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonを計算すると、ステップS75に進む。
ステップS75においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS11にてヨーレートセンサ35から入力した検出ヨーレートγの時間微分値dγ/dt(以下、この微分値をヨーレート微分値dγ/dtという)を計算する。そして、電子制御ユニット36は、ヨーレート微分値dγ/dtを計算すると、ステップS76に進む。
ステップS76および後述するステップS78においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS11にて入力した検出ヨーレートγの絶対値と前記ステップS71にて計算したヨーレート微分値dγ/dtの絶対値とによって決定される点が、図18に示す領域判定マップのいずれの領域に属するかを判定する。ここで、領域判定マップについて説明しておく。
領域判定マップは、図18に示すように、領域A、領域Bおよび領域Cの3つの領域から構成されている。領域Aは、検出ヨーレートγの絶対値の変化量に対して、ヨーレート微分値dγ/dtの絶対値の変化量が大きい領域であり、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がギクシャクした旋回状態となる領域である。また、領域Cは、検出ヨーレートγの絶対値の変化量に対して、ヨーレート微分値dγ/dtの絶対値の変化量が小さい領域であり、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がスムーズな旋回状態となる領域である。さらに、領域Bは、検出ヨーレートγの絶対値の変化量に対するヨーレート微分値dγ/dtの絶対値の変化量が、領域Aにおける変化量と領域Cにおける変化量のほぼ中間となる領域である。なお、領域判定マップは、例えば、EEPROM内の所定記憶位置に予め記憶されているものである。
そして、電子制御ユニット36は、ステップS76にて、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域判定マップにおける領域Aに属するか否か、言い換えれば、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がギクシャクした旋回状態となっているか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、図18に示す領域判定マップを用いて、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域A内にあれば「Yes」と判定し、ステップS77に進む。
ステップS77においては、電子制御ユニット36は、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が属する領域に応じて変化し、前記ステップS74にて計算された慣れ度合い初期値係数Nk_Igonに対して加算される慣れカウンタN_countの値から「1」を減ずる。すなわち、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域Aに属する場合には、運転者による操舵ハンドル11の回動操作によって車両がギクシャクして旋回している状態である。そして、このようなギクシャクした車両の旋回状態は、運転者がステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れていないときに発生する可能性が高い。
このため、電子制御ユニット36は、後述するように計算される慣れ度合い係数Nk_0の値が小さくなるように、慣れカウンタN_countの値から「1」を減ずる。ここで、慣れカウンタN_countは、イグニッションスイッチがオン状態とされた時点で初期化されるカウンタ値であり、「0」が最小値として設定されるものである。そして、電子制御ユニット36は、慣れカウンタN_countの値から「1」を減ずると、ステップS80に進む。
一方、前記ステップS76にて、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域判定マップの領域Aに属しなければ、電子制御ユニット36は「No」と判定してステップS78に進む。ステップS78においては、電子制御ユニット36は、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域判定マップの領域Cに属するか否か、言い換えれば、車両がスムーズな旋回状態となっているか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、図18に示す領域判定マップを用いて、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域C内にあれば「Yes」と判定し、ステップS79に進む。
ステップS79においては、電子制御ユニット36は、慣れカウンタN_countの値に「1」を加える。すなわち、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域Cに属する場合には、運転者による操舵ハンドル11の回動操作によって車両がスムーズに旋回している状態である。そして、このようなスムーズな車両の旋回状態は、運転者がステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れているときに生じるものである。このため、電子制御ユニット36は、後述するように計算される慣れ度合い係数Nk_0の値が大きくなるように、慣れカウンタN_countの値に「1」を加える。そして、電子制御ユニット36は、慣れカウンタN_countの値に「1」を加えると、ステップS80に進む。
一方、前記ステップS78にて、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域判定マップの領域Cに属しなければ、言い換えれば、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域判定マップの領域Bに属するときには、電子制御ユニット36は「No」と判定してステップS80に進む。このように、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域判定マップの領域Bに属するときには、運転者がステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に不慣れではないけれども、十分に慣れているわけでもない状態である。このため、電子制御ユニット36は、慣れカウンタN_countの値を加減することなく、ステップS80に進む。
なお、前記ステップS76および前記ステップS78の領域判定処理において、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値の大きさがともに小さい場合、言い換えれば、車両が略直進状態にある場合には、電子制御ユニット36は領域判定処理を行わない。このように、領域判定処理を行わないのは、車両が略直進状態にある状態では、運転者によって操舵ハンドル11が積極的に回動操作されていないため、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ不慣れを判定する必要がないからである。
ステップS80においては、電子制御ユニット36は、特定した運転者の慣れ度合い係数Nk_0を計算する。具体的に説明すると、電子制御ユニット36は、前記ステップS74にて計算した慣れ度合い初期値係数Nk_Igon、前記ステップS77または前記ステップS79にて加減した慣れカウンタN_countの値を用いた下記式5に従って慣れ度合い係数Nk_0を計算する。
Nk_0=Nk_Igon+K_count・N_count …式5
ただし、前記式5中のK_countは、予め設定された正の小さな定数である。
このように、前記式5に従って計算される慣れ度合い係数Nk_0は、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonが大きいほど、「1」に近い値として計算される。すなわち、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonは、前記式3によって示されるように、オフ状態時間T_Igoffが大きいほど小さな値に設定される時刻係数K_timeに基づいて計算される。言い換えれば、前回、車両の運転を終了してから今回車両を運転するまでの間の期間が短ければ慣れ度合い初期値係数Nk_Igonはある程度大きな値に計算され、期間が長ければ慣れ度合い初期値係数Nk_Igonはより小さな値に計算される。これにより、前回までの運転経験により、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者であっても、オフ状態時間T_Igoffが長い場合には、一時的に慣れ度合い係数Nk_0を「0」に近づけることにより、操舵特性に関する違和感を覚えにくくすることができる。
また、前記式5に従って計算される慣れ度合い係数Nk_0は、慣れカウンタN_countの値が大きいほど、「1」に近い値として計算される。すなわち、今回の車両の運転において、車両の旋回状態がスムーズであればあるほど、運転者はステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れているため、「1」により近い慣れ度合い係数Nk_0の値が計算される。
これにより、オフ状態時間T_Igoffに応じて慣れ度合い初期値係数Nk_Igonを計算するとともに慣れカウンタN_countの値を考慮して慣れ度合い係数Nk_0を計算することにより、運転者による実際の車両の旋回状態を反映して、慣れ度合い係数Nk_0は変化するようになる。そして、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数Nk_0を計算すると、ステップS81にて、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行を一旦終了する。
このように、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行を一旦終了すると、操舵特性変更プログラムを上記第1実施形態および上記第2実施形態と同様に実行する。したがって、その説明を省略する。
以上の説明からも理解できるように、この第3実施形態によれば、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値とに基づいて、慣れ度合い係数Nk_0を決定することができる。したがって、より正確に操舵特性に対する運転者の慣れ度合い係数Nk_0を決定することができ、その結果、運転者に対して適切な操舵特性を設定することができる。したがって、運転者は、より簡単に車両を運転することができる。その他の効果については、上記第1実施形態と同様である。
ここで、上述した慣れ度合い係数決定ルーチンのステップS76およびステップS78においては、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域判定マップのいずれの領域に属するかを判定するように実施した。これに代えて、または、加えて、横加速度センサ34によって検出された検出横加速度Gの絶対値と同検出横加速度Gの時間微分値dG/dt(以下、この微分値を横ジャークdG/dtという)の絶対値によって決定される点が図18に示す領域判定マップのいずれの領域に属するかを判定するように実施することも可能である。
この場合においても、検出横加速度Gの絶対値と横ジャークdG/dtの絶対値とによって決定される点が領域Aに属する場合には、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がギクシャクして旋回している状態であると判定することができる。また、検出横加速度Gの絶対値と横ジャークdG/dtの絶対値とによって決定される点が領域Cに属する場合には、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がスムーズに旋回している状態であると判定することができる。
また、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域判定マップのいずれの領域に属するかを判定することに代えて、または、加えて、操舵角センサ31によって検出された検出操舵角θの絶対値と操舵角速度dθ/dtの絶対値によって決定される点が図18に示す領域判定マップのいずれの領域に属するかを判定するように実施することも可能である。
この場合においても、検出操舵角θの絶対値と操舵角速度dθ/dtの絶対値とによって決定される点が領域Aに属する場合には、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がギクシャクして旋回している状態であると判定することができる。また、検出操舵角θの絶対値と操舵角速度dθ/dtの絶対値とによって決定される点が領域Cに属する場合には、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がスムーズに旋回している状態であると判定することができる。
さらに、検出ヨーレートγの絶対値とヨーレート微分値dγ/dtの絶対値によって決定される点が領域判定マップのいずれの領域に属するかを判定することに代えて、または、加えて、検出操舵角θに基づいて計算される目標横加速度Gdの絶対値と操舵角速度dθ/dtの絶対値によって決定される点、あるいは、検出操舵角θに基づいて計算される目標ヨーレートγdの絶対値と操舵角速度dθ/dtの絶対値によって決定される点が図18に示す領域判定マップのいずれの領域に属するかを判定するように実施することも可能である。
この場合においても、目標横加速度Gdの絶対値または目標ヨーレートγdの絶対値と操舵角速度dθ/dtの絶対値とによって決定される点が領域Aに属する場合には、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がギクシャクして旋回している状態であると判定することができる。また、目標横加速度Gdの絶対値または目標ヨーレートγdと操舵角速度dθ/dtの絶対値とによって決定される点が領域Cに属する場合には、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がスムーズに旋回している状態であると判定することができる。
また、上述した領域判定を実行する場合には、操舵ハンドル11の操舵状態が切込み操作状態のときに実行するとよい。これは、上記第1実施形態において説明したように、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置においては、操舵特性に慣れた運転者であっても、切戻し操作状態における左右前輪FW1,FW2の速やかな転舵動作に違和感を覚える可能性があり、その結果、操舵ハンドル11の回動操作が不安定となる場合がある。これに対し、切込み操作状態においては、操舵ハンドル11の回動操作に対して左右前輪FW1,FW2の転舵変化量が比較的緩やかに増加して変化するため、運転者は操舵ハンドル11を安定して回動操作することができる。したがって、電子制御ユニット36は、操舵ハンドル11が切込み操作状態であるときに、上述した領域判定を実行する。
d.第3実施形態の変形例
上述した第3実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンにおいては、検出ヨーレートγの絶対値とこの検出ヨーレートγを時間微分したヨーレート微分値dγ/dtの絶対値とによって決定される点が領域判定マップの領域Aないし領域Cのいずれの領域に属するか否かを判定するように実施した。しかし、一般的に、ヨーレートγの時間変化とヨーレート微分値dγ/dtの時間変化との間には、図19にて時系列を概略的に示すように、時間遅れ(位相ずれ)が生じる。したがって、この第3実施形態に変形例においては、電子制御ユニット36は、この時間遅れ(位相ずれ)を考慮して、より正確な領域判定が可能な慣れ度合い係数決定ルーチンを実行する。以下、この変形例に係る慣れ度合い係数決定ルーチンを詳細に説明するが、上記第3実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンと同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第3実施形態の変形例における慣れ度合い係数決定ルーチンは、図20に示すように、上述した第3実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンのステップS75からステップS80が変更される。すなわち、電子制御ユニット36は、上記第3実施形態の慣れ度合い係数決定ルーチンと同様に、ステップS70にてその実行を開始し、ステップS71にて、電子制御ユニット36は、イグニッションスイッチがオン状態とされた後、今回の慣れ度合い係数決定ルーチンの実行が初回であるか否かを判定する。そして、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行が初回であれば「Yes」と判定して、上記第3実施形態の慣れ度合い係数決定ルーチンと同様に、ステップS72からステップS74の各ステップ処理を実行する。これにより、電子制御ユニット36は、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonを計算し、ステップS90に進む。一方、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行が2回目以降であれば電子制御ユニット36は「No」と判定して、ステップS90に進む。
ステップS90においては、電子制御ユニット36は、前記操舵特性変更プログラムにおけるステップS11にてヨーレートセンサ35から入力した検出ヨーレートγに基づき、ヨーレート微分値dγ/dtを計算する。そして、電子制御ユニット36は、ヨーレート微分値dγ/dtを計算すると、ステップS91に進む。
ステップS91においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS90にて計算したヨーレート微分値dγ/dtの絶対値が予め設定された所定の基準ヨーレートγoよりも大きいか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、ヨーレート微分値dγ/dtの絶対値が基準ヨーレートγoよりも大きければ「Yes」と判定してステップS92に進む。ここで、基準ヨーレートγoは、車両が実際に旋回を開始したときに検出される実ヨーレートγの大きさに基づいて予め設定されるものである。
ステップS92においては、電子制御ユニット36は、ヨーレート微分値dγ/dtのピーク値(dγ/dt)_maxを下記式6に示す関係式に従って計算する。
(dγ/dt)_max=MAX((dγ/dt)_new,(dγ/dt)_old) …式6
ただし、前記式6中の(dγ/dt)_newは今回の慣れ度合い係数決定ルーチン実行時において前記ステップS90にて計算されたヨーレート微分値dγ/dtを表し、(dγ/dt)_oldは前回の慣れ度合い係数決定ルーチン実行時において前記ステップS90にて計算されたヨーレート微分値dγ/dtを表す。そして、電子制御ユニット36は、ヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_maxを計算すると、ステップS101に進み、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行を一旦終了する。
一方、電子制御ユニット36は、前記ステップS91にて、ヨーレート微分値dγ/dtの絶対値が基準ヨーレートγo以下であれば「No」と判定してステップS93に進む。ステップS93においては、電子制御ユニット36は、前回の慣れ度合い係数決定ルーチン実行時における前記ステップS91にてヨーレート微分値dγ/dtが基準ヨーレートγoよりも大きいか否か、言い換えれば、(dγ/dt)_oldが基準ヨーレートγoよりも大きいか否かを判定する。以下、この判定について具体的に説明する。
上述したように、検出ヨーレートγの時間変化とヨーレート微分値dγ/dtの時間変化との間には、より詳しくは、検出ヨーレートのピーク値γ_maxの出現タイミングとヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_maxの出現タイミングとの間には、時間遅れ(位相ずれ)が生じる。具体的に説明すると、基準ヨーレートγoよりも大きなヨーレート微分値dγ/dtは、図19にて破線で示すように、検出ヨーレートのピーク値γ_maxの出現タイミングよりも早くピーク値を迎え、その後、減少に転じて基準ヨーレートγo以下まで変化する。一方、検出ヨーレートγは、図19にて実線で示すように、ヨーレート微分値dγ/dtの値が減少に転じた後にピーク値γ_maxを迎える。このとき、検出ヨーレートのピーク値γ_maxは、図19に示すように、ヨーレート微分値dγ/dtが基準ヨーレートγo以下となった時点に出現するとみなして差し支えない。
このことに基づき、前記ステップS91における判定処理に基づいて現在のヨーレート微分値(dγ/dt)_newが基準ヨーレートγo以下となっている状況において、電子制御ユニット36は、ステップS93にて、前回のヨーレート微分値(dγ/dt)_oldの絶対値が基準ヨーレートγoよりも大きいか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、ステップS93にて、ヨーレート微分値(dγ/dt)_oldの絶対値が基準ヨーレートγoよりも大きければ、検出ヨーレートのピーク値γ_maxが出現しているため、「Yes」と判定してステップS94に進む。
一方、電子制御ユニット36は、前記ステップS91における判定処理に基づいて現在のヨーレート微分値(dγ/dt)_newの絶対値が基準ヨーレートγo以下となっている状況において、ヨーレート微分値(dγ/dt)_oldの絶対値が基準ヨーレートγo以下であれば、車両は実質的な旋回状態にないため、「No」と判定してステップS95に進む。ステップS95においては、電子制御ユニット36は、前回までの慣れ度合い係数決定ルーチンのステップS92の計算処理によって計算されたヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_maxを「0」に設定し、ステップS81にて慣れ度合い係数決定ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS94においては、電子制御ユニット36は、前記ステップS91の判定処理に基づき、今回のヨーレート微分値(dγ/dt)_newが基準ヨーレートγo以下となった時点における検出ヨーレートのピーク値γ_maxを決定する。そして、電子制御ユニット36は、検出ヨーレートのピーク値γ_maxを決定すると、ステップS96に進む。
ステップS96においては、電子制御ユニット36は、検出ヨーレートのピーク値γ_max(絶対値)と前記ステップS92にて計算したヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_max(絶対値)によって決定される点が図18に示した領域判定マップにおける領域Aに属するか否か、言い換えれば、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して車両がギクシャクした旋回状態となっているか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、図18に示した領域判定マップを用いて、検出ヨーレートのピーク値γ_max(絶対値)とヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_max(絶対値)によって決定される点が領域A内にあれば「Yes」と判定し、ステップS97に進む。
ステップS97においては、上述した第3実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンのステップS77と同様に、慣れカウンタN_countの値から「1」を減ずる。そして、電子制御ユニット36は、慣れカウンタN_countの値から「1」を減ずると、ステップS100に進む。
一方、前記ステップS96にて、検出ヨーレートのピーク値γ_max(絶対値)とヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_max(絶対値)によって決定される点が領域判定マップの領域Aに属しなければ、電子制御ユニット36は「No」と判定してステップS98に進む。ステップS98においては、電子制御ユニット36は、検出ヨーレートのピーク値γ_max(絶対値)とヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_max(絶対値)によって決定される点が領域判定マップの領域Cに属するか否か、言い換えれば、車両がスムーズな旋回状態となっているか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、図18に示した領域判定マップを用いて、検出ヨーレートのピーク値γ_max(絶対値)とヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_max(絶対値)によって決定される点が領域C内にあれば「Yes」と判定し、ステップS99に進む。
ステップS99においては、上述した第3実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンのステップS79と同様に、慣れカウンタN_countの値に「1」を加える。そして、電子制御ユニット36は、慣れカウンタN_countの値に「1」を加えると、ステップS100に進む。
一方、前記ステップS98にて、検出ヨーレートのピーク値γ_max(絶対値)とヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_max(絶対値)によって決定される点が領域判定マップの領域Cに属しなければ、言い換えれば、検出ヨーレートのピーク値γ_max(絶対値)とヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_max(絶対値)によって決定される点が領域判定マップの領域Bに属するときには、電子制御ユニット36は「No」と判定してステップS100に進む。このように、検出ヨーレートのピーク値γ_max(絶対値)とヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_max(絶対値)によって決定される点が領域判定マップの領域Bに属するときには、運転者がステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に不慣れではないけれども、十分に慣れているわけでもない状態である。このため、電子制御ユニット36は、慣れカウンタN_countの値を加減することなく、ステップS100に進む。
ステップS100においては、電子制御ユニット36は、特定した運転者の慣れ度合い係数Nk_0を計算する。すなわち、電子制御ユニット36は、前記ステップS74にて計算した慣れ度合い初期値係数Nk_Igon、前記ステップS97または前記ステップS99にて加減した慣れカウンタN_countの値を用いて、上述した第3実施形態における慣れ度合い係数決定ルーチンのステップS80と同様に、前記式5に従って慣れ度合い係数Nk_0を計算する。
そして、この第3実施形態の変形例においても、前記式5に従って計算される慣れ度合い係数Nk_0は、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonが大きいほど、「1」に近い値として計算される。すなわち、慣れ度合い初期値係数Nk_Igonは、前記式3によって示されるように、オフ状態時間T_Igoffが大きいほど小さな値に設定される時刻係数K_timeに基づいて計算される。言い換えれば、前回、車両の運転を終了してから今回車両を運転するまでの間の期間が短ければ慣れ度合い初期値係数Nk_Igonはある程度大きな値に計算され、期間が長ければ慣れ度合い初期値係数Nk_Igonはより小さな値に計算される。これにより、前回までの運転経験により、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れた運転者であっても、オフ状態時間T_Igoffが長い場合には、一時的に慣れ度合い係数Nk_0を「0」に近づけることにより、操舵特性に関する違和感を覚えにくくすることができる。
また、前記式5に従って計算される慣れ度合い係数Nk_0は、慣れカウンタN_countの値が大きいほど、「1」に近い値として計算される。すなわち、今回の車両の運転において、車両の旋回状態がスムーズであればあるほど、運転者はステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れているため、「1」により近い慣れ度合い係数Nk_0の値が計算される。
これにより、オフ状態時間T_Igoffに応じて慣れ度合い初期値係数Nk_Igonを計算するとともに慣れカウンタN_countの値を考慮して慣れ度合い係数Nk_0を計算することにより、運転者による実際の車両の旋回状態を反映して、慣れ度合い係数Nk_0は変化するようになる。そして、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数Nk_0を計算すると、ステップS81にて、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行を一旦終了する。
このように、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数決定ルーチンの実行を一旦終了すると、操舵特性変更プログラムを上記第1実施形態ないし上記第3実施形態と同様に実行する。したがって、その説明を省略する。
以上の説明からも理解できるように、この第3実施形態の変形例によれば、検出ヨーレートのピーク値γ_max(絶対値)とヨーレート微分値のピーク値(dγ/dt)_max(絶対値)に基づいて、慣れ度合い係数Nk_0を決定することができる。これにより、検出ヨーレートγとヨーレート微分値dγ/dtとの間の時間遅れ(位相ずれ)を考慮して、より正確に慣れ度合い係数Nk_0を決定することができる。したがって、運転者に対して適切な操舵特性を設定することができ、運転者は、より簡単に車両を運転することができる。その他の効果については、上記第1実施形態と同様である。
e.第4実施形態
上記第1実施形態においては、運転者の慣れ度合いに応じて、転舵特性および反力特性すなわち操舵特性を適宜変更し、運転者がステアリングバイワイヤ方式の操舵装置を違和感なく操作できるように実施した。しかし、上述したように、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置は、操舵入力軸12と転舵出力軸22とが相対回転可能に構成されており、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して左右前輪FW1,FW2を速やかに転舵させることができる。この操舵特性は、例えば、運転者が障害物との衝突を回避するために操舵ハンドル11を回動操作する場合(以下、この回動操作を緊急回避操作という)に極めて有効となる。
したがって、この第4実施形態においては、運転者によって操舵ハンドル11が緊急回避操作された場合に、左右前輪FW1,FW2を応答性よく転舵させるように実施する。以下、この第4実施形態を詳細に説明するが、上記第1実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、以下の説明においては、上記第1実施形態を例示的に挙げて説明するが、上記第2実施形態、第3実施形態およびその変形例においても実施可能であることはいうまでもない。
この第4実施形態においては、電子制御ユニット36は、図21に示す操舵特性変更プログラムを実行する。この第4実施形態における操舵特性変更プログラムは、上記第1実施形態にて説明した操舵特性変更プログラムに対して、ステップS35が追加されて変更されている。すなわち、電子制御ユニット36は、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、第4実施形態に係る操舵特性変更プログラムを所定の短い時間ごとにステップS10にて繰り返し実行を開始する。そして、電子制御ユニット36は、上記第1実施形態と同様に、ステップS11にて各センサからそれぞれの検出値を入力し、ステップS12にて運転者の慣れ度合い係数Nk_0を推定して決定する。
そして、電子制御ユニット36は、続くステップS35にて、緊急回避操作対応ルーチンを実行する。以下、この緊急回避操作対応ルーチンを詳細に説明する。
緊急回避操作対応ルーチンは、図22に示すように、ステップS120にてその実行が開始され、電子制御ユニット36は、ステップS121にて、現在、運転者によって操舵ハンドル11が緊急回避操作されているか否かを判定する。具体的に説明すると、電子制御ユニット36は、前記操舵特性変更プログラムのステップS11にて操舵角センサ31から入力した検出操舵角θの絶対値が予め設定された基準操舵角θkよりも大きく、かつ、検出操舵角θを時間微分した操舵角速度dθ/dtの絶対値が予め設定された基準操舵角速度dθk/dtよりも大きく、かつ、車速センサ33から入力した検出車速Vが予め設定された基準車速Vkよりも大きいか否か(以下、これらの条件をまとめて緊急回避操作成立条件という)を判定する。
すなわち、電子制御ユニット36は、緊急回避操作成立条件が成立していれば、現在、運転者によって操舵ハンドル11が緊急回避操作されているため、「Yes」と判定してステップS122に進む。ステップS122においては、電子制御ユニット36は、運転者による操舵ハンドル11の緊急回避操作が終了した後に運転者の慣れ度合いに応じた転舵特性および反力特性に戻すために、前記操舵特性変更プログラムのステップS12にて決定した慣れ度合い係数Nk_0を一時的にEEPROM内の所定記憶位置に記憶する。なお、以下の説明においては、一時的に記憶された慣れ度合い係数Nk_0を一時記憶値Nk_memoという。そして、電子制御ユニット36は、一時記憶値Nk_memoを記憶すると、ステップS123に進む。
ステップS123においては、電子制御ユニット36は、運転者の慣れ度合い係数Nk_0を、ステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に慣れたことを表す「1」に設定し、ステップS127にて、緊急回避操作対応ルーチンの実行を一旦終了する。このように、緊急回避操作対応ルーチンの実行によって慣れ度合い係数Nk_0が「1」に設定された後、上記第1実施形態と同様に、操舵特性変更プログラムのステップS13以降の各ステップ処理が実行されると、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して左右前輪FW1,FW2が応答性よく大きく転舵されるとともに、回動操作に対して小さな反力トルクTzが付与される。
具体的に説明すると、慣れ度合い係数Nk_0が「1」に設定されることにより、補正慣れ度合い係数Nk_1がより「1」に近い値に設定(切込み操作時においては補正慣れ度合い係数Nk_1が「1」に設定)される。これにより、転舵量補正係数Kgが小さな値に計算され、時定数τが小さな値に設定される。これにより、転舵アクチュエータ21は、応答性よく転舵出力軸22を操舵入力軸12対して相対的に大きく回転させるため、左右前輪FW1,FW2は速やかに転舵される。言い換えれば、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して、車両を速やかに旋回させることができる。したがって、例えば、車両前方に存在する衝突対象物と車両との衝突を速やかに回避することができる。
また、補正慣れ度合い係数Nk_1がより「1」に近い値に設定(切込み操作時においては補正慣れ度合い係数Nk_1が「1」に設定)されることにより、反力トルクTzを形成するバネ成分項トルクTs,摩擦成分項トルクTfおよび粘性項成分トルクTrの大きさをそれぞれ補正する補正係数Ks,Kf,Krが小さな値に設定される。これにより、操舵ハンドル11の回動操作に対して付与される反力トルクTzの大きさが小さくなり、その結果、運転者は操舵ハンドル11を軽快に回動操作することができる。したがって、運転者は、操舵ハンドル11を良好に緊急回避操作することができる。
一方、前記ステップS121にて緊急回避操作成立条件が成立しなければ、電子制御ユニット36は「No」と判定してステップS124に進む。ステップS124においては、電子制御ユニット36は、前回、緊急回避操作対応ルーチンを実行したときに前記ステップS121にて緊急回避操作成立条件が成立したか否かを判定する。すなわち、電子制御ユニット36は、前回のルーチン実行時に緊急回避操作成立条件が成立していれば、「Yes」と判定してステップS125に進む。
ステップS125においては、電子制御ユニット36は、緊急回避操作成立条件が成立したと判定してから予め設定された所定時間だけ経過したか否かを判定する。なお、予め設定される所定時間は、衝突対象物との衝突を回避するために必要な時間に基づいて設定されるものである。そして、電子制御ユニット36は、緊急回避操作成立条件が成立したと判定してから所定時間だけ経過していれば、既に衝突対象物との衝突が回避されていると判断し、「Yes」と判定してステップS126に進む。
ステップS126においては、電子制御ユニット36は、「1」に設定された慣れ度合い係数Nk_0の値を、前記ステップS122にてEEPROMに記憶した一時記憶値Nk_memoすなわち前記操舵特性変更プログラムのステップS12にて決定された慣れ度合い係数Nk_0の値に戻して設定する。そして、電子制御ユニット36は、ステップS127にて、緊急回避操作対応ルーチンの実行を一旦終了する。
このように、緊急回避操作対応ルーチンの実行によって慣れ度合い係数Nk_0の値が一時記憶値Nk_memoの値に再度設定された後、上記第1実施形態にて説明したように、操舵特性変更プログラムのステップS13以降の各ステップ処理が実行されると、運転者のステアリングバイワイヤ方式の操舵特性に対する慣れ度合いに応じて転舵特性および反力特性が適宜変更される。すなわち、慣れ度合い係数Nk_0(補正慣れ度合い係数Nk_1)に応じて、操舵ハンドル11の回動操作に対して左右前輪FW1,FW2が転舵されるとともに、回動操作に対して適切な大きさの反力トルクTzが付与される。これにより、運転者が操舵ハンドル11を通常の回動操作状態で操作する場合には、違和感を覚えることなく運転することができる。
一方、前記ステップS124にて、前回のルーチン実行時に緊急回避操作成立条件が成立していなければ、電子制御ユニット36は「No」と判定し、ステップS127にて緊急回避操作対応ルーチンの実行を一旦終了する。この場合には、運転者によって操舵ハンドル11が緊急回避操作されていないため、電子制御ユニット36は、慣れ度合い係数Nk_0の値として、前記操舵特性変更プログラムのステップS12にて決定した値を維持する。そして、電子制御ユニット36は、上記第1実施形態と同様に、前記操舵特性変更プログラムのステップS13以降の各ステップ処理を実行する。
以上の説明からも理解できるように、この第4実施形態によれば、車両と衝突対象物との衝突を回避するために、操舵ハンドル11が緊急回避操作状態である場合には、操舵特性に対する運転者の慣れ度合い係数Nk_0を、一時的に、運転者が操舵特性に対して十分に慣れていることを表す「1」に補正することができる。これにより、操舵ハンドル11の大きな操作を可能とする反力特性に変更したり、操舵ハンドル11の回動操作に対して左右前輪FW1,FW2が速やかに転舵する転舵特性に変更したりして、緊急回避時における車両の旋回性能を向上させることができる。したがって、運転者は、極めて容易に車両を緊急回避状態で運転することができる。
f.その他の変形例
さらに、本発明の実施にあたっては、上記第1実施形態ないし第4実施形態およびそれらの変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記第1実施形態ないし第4実施形態およびそれらの変形例においては、操舵入力軸12と転舵出力軸22とが相対回転可能な操舵装置としてステアリングバイワイヤ方式の操舵装置を用い、慣れ度合い係数Nk_0の大きさに応じて操舵特性を適宜変更するように実施した。しかし、操舵入力軸と転舵出力軸とが相対回転可能な操舵装置として、例えば、伝達比可変方式の操舵装置の操舵特性を慣れ度合い係数Nk_0に応じて適宜変更することも可能である。
この場合、例えば、慣れ度合い係数Nk_0に応じて、伝達比可変機構によって操舵入力軸の回転量に対する転舵出力軸の回転量の比(伝達比)を連続的に変更することにより、運転者の伝達比可変方式の操舵装置に対する慣れ度合いに応じて転舵特性を適宜変更することができる。また、例えば、運転者による操舵ハンドル11の回動操作力を低減するためのアシスト機構(電動モータや油圧機構)のアシスト量を慣れ度合い係数Nk_0に応じて変更することにより、運転者の伝達比可変方式の操舵装置に対する慣れ度合いに応じて反力特性を適宜変更することができる。したがって、ステアリングバイワイヤ方式以外の他方式を採用する操舵装置であっても、運転者が違和感を覚えることなく運転することができる。
また、上記第1実施形態ないし第4実施形態およびそれらの変形例における慣れ度合い係数Nk_0の決定に関しては、各実施形態および変形例において説明した決定方法を適宜組み合わせて実施することも可能である。この場合であっても、適切に慣れ度合い係数Nk_0を適切に決定し、この決定した慣れ度合い係数Nk_0に応じて操舵特性を最適に変更することができる。
また、上記第1実施形態ないし第4実施形態およびそれらの変形例においては、車両を旋回させるために回動操作される操舵ハンドル11を用いるようにした。しかし、これに代えて、例えば、直線的に変位するジョイスティックタイプの操舵ハンドルを用いてもよいし、その他、運転者によって操作されるとともに車両に対する操舵を指示できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
また、上記第1実施形態ないし第4実施形態およびそれらの変形例においては、転舵アクチュエータ21を用いて転舵出力軸22を回転させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにした。しかし、これに代えて、転舵アクチュエータ21を用いてラックバー24をリニアに変位させることにより、左右前輪FW1,FW2を転舵するようにしてもよい。
本発明の第1ないし第4実施形態に共通の車両の操舵装置の概略図である。 本発明の第1実施形態に係り、図1の電子制御ユニットによって実行される操舵特性変更プログラムを示すフローチャートである。 慣れ度合い係数と補正慣れ度合い係数の関係を示すグラフである。 車速と車速係数の関係を示すグラフである。 慣れ度合い係数と転舵量補正係数の関係を示すグラフである。 補正慣れ度合い係数と時定数の関係を示すグラフである。 操舵角とバネ項成分トルクの関係を示すグラフである。 操舵角速度と摩擦項成分トルクの関係を示すグラフである。 操舵角速度と粘性項成分トルクの関係を示すグラフである。 補正慣れ度合い係数とバネ項成分トルクを補正する補正係数の関係を示すグラフである。 補正慣れ度合い係数と摩擦項成分トルクを補正する補正係数の関係を示すグラフである。 補正慣れ度合い係数と粘性項成分トルクを補正する補正係数の関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係り、図1の電子制御ユニットによって実行される操舵特性変更プログラムを示すフローチャートである。 図13の操舵特性変更プログラムにおける慣れ度合い係数決定ルーチンを示すフローチャートである。 オフ状態時間と時間係数の関係を示すグラフである。 イグニッションスイッチの操作状態に対応して変化する慣れ度合い係数を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係り、図1の電子制御ユニットによって実行される慣れ度合い係数決定ルーチンを示すフローチャートである。 領域判定マップを示す概略的なグラフである。 本発明の第3実施形態の変形例に係り、検出ヨーレートとヨーレート微分値との間の遅れを説明するための図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係り、図1の電子制御ユニットによって実行される慣れ度合い係数決定ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係り、図1の電子制御ユニットによって実行される操舵特性変更プログラムを示すフローチャートである。 図21の操舵特性変更プログラムにおける緊急回避操作対応ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…反力アクチュエータ、21…転舵アクチュエータ、22…転舵出力軸、31…操舵角センサ、32…転舵角センサ、33…車速センサ、34…横加速度センサ、35…ヨーレートセンサ、36…電子制御ユニット

Claims (10)

  1. 車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に対して付与する反力を調整するための反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動して前記反力の大きさを調整するとともに前記転舵アクチュエータを駆動して前記転舵輪の転舵を制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記制御装置を、
    前記操舵ハンドルに対する運転者の操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記操作量検出手段によって検出された操舵ハンドルの操作量の大きさと同検出された操作量の時間微分値の大きさとに基づいて、前記操舵ハンドルの操作と同操舵ハンドルの操作に応じた前記反力アクチュエータによる反力の反力特性および前記転舵アクチュエータによる前記転舵輪の転舵特性との関係を表す操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定する慣れ度合い決定手段と、
    前記決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記操舵特性を変更する操舵特性変更手段と、
    前記操舵特性変更手段によって変更された操舵特性に基づいて、前記反力アクチュエータおよび転舵アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に対して付与する反力を調整するための反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動して前記反力の大きさを調整するとともに前記転舵アクチュエータを駆動して前記転舵輪の転舵を制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記制御装置を、
    前記操舵ハンドルの操作に起因して変化する車両の運動状態量を検出する運動状態量検出手段と、
    前記運動状態量検出手段によって検出された車両の運動状態量の大きさと同検出された車両の運動状態量の時間微分値の大きさとに基づいて、前記操舵ハンドルの操作と同操舵ハンドルの操作に応じた前記反力アクチュエータによる反力の反力特性および前記転舵アクチュエータによる前記転舵輪の転舵特性との関係を表す操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定する慣れ度合い決定手段と、
    前記決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記操舵特性を変更する操舵特性変更手段と、
    前記操舵特性変更手段によって変更された操舵特性に基づいて、前記反力アクチュエータおよび転舵アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  3. 車両を操舵するために運転者によって操作される操舵ハンドルと、同操舵ハンドルの操作に対して付与する反力を調整するための反力アクチュエータと、転舵輪を転舵するための転舵アクチュエータと、前記操舵ハンドルの操作に応じて前記反力アクチュエータを駆動して前記反力の大きさを調整するとともに前記転舵アクチュエータを駆動して前記転舵輪の転舵を制御する制御装置とを備えた車両の操舵装置において、前記制御装置を、
    前記操舵ハンドルに対する運転者の操作量を検出する操作量検出手段と、
    前記操作量検出手段によって検出された操舵ハンドルの操作量の時間微分値の大きさと前記検出された操舵ハンドルの操作量に基づいて計算される車両の目標横加速度の大きさまたは車両の目標ヨーレートの大きさに基づいて、前記操舵ハンドルの操作と同操舵ハンドルの操作に応じた前記反力アクチュエータによる反力の反力特性および前記転舵アクチュエータによる前記転舵輪の転舵特性との関係を表す操舵特性に対する運転者の慣れ度合いを決定する慣れ度合い決定手段と、
    前記決定された運転者の慣れ度合いに応じて、前記操舵特性を変更する操舵特性変更手段と、
    前記操舵特性変更手段によって変更された操舵特性に基づいて、前記反力アクチュエータおよび転舵アクチュエータの作動を制御するアクチュエータ作動制御手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵装置。
  4. 請求項ないし請求項のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
    前記慣れ度合い決定手段は、
    前記操作量検出手段によって検出された操舵ハンドルの操作量の時間変化におけるピーク値の大きさと前記操作量の時間微分値の時間変化におけるピーク値の大きさ、または、前記運動状態量検出手段によって検出された車両の運動状態量の時間変化におけるピーク値の大きさと前記車両の運動状態量の時間微分値の時間変化におけるピーク値の大きさ、もしくは、前記操作量検出手段によって検出された操舵ハンドルの操作量の時間微分値の時間変化におけるピーク値の大きさと前記計算された車両の目標横加速度または車両の目標ヨーレートの時間変化におけるピーク値の大きさに基づいて前記運転者の慣れ度合いを決定することを特徴とする車両の操舵装置。
  5. 請求項1または請求項3に記載した車両の操舵装置において、
    前記慣れ度合い決定手段は、
    前記操舵ハンドルの操作状態が、前記操作量検出手段によって検出された操作量の絶対値が増加する切込み操作状態であるときに、前記運転者の慣れ度合いを決定することを特徴とする車両の操舵装置。
  6. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
    前記制御装置は、さらに、
    車両を運転する運転者を特定する運転者特定手段と、
    前記運転者特定手段によって特定された運転者ごとに、前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いを記憶する運転者別慣れ度合い記憶手段と、
    前記運転者別慣れ度合い記憶手段に記憶された慣れ度合いを用いて、前記運転者特定手段によって特定された運転者ごとの慣れ度合いを初期設定する慣れ度合い設定手段とを備えることを特徴とする車両の操舵装置。
  7. 請求項に記載した車両の操舵装置において、
    前記制御装置は、さらに、
    車両に設けられたイグニッションスイッチの操作状態を検出するイグニッションスイッチ操作状態検出手段と、
    前記運転者特定手段によって特定された運転者の操作に応じて、前記イグニッションスイッチ操作状態検出手段により前記イグニッションスイッチのオフ状態からオン状態への移行が検出されたとき、同イグニッションスイッチがオフ状態とされていたオフ状態時間を検出するオフ状態時間検出手段と、
    前記オフ状態時間検出手段によって検出されたオフ状態時間が長くなるのに伴って、前記慣れ度合い設定手段によって初期設定された慣れ度合いを、前記操舵ハンドルの操作と同操舵ハンドルの操作に応じた反力の反力特性および前記転舵輪の転舵特性との関係を表す操舵特性に対して運転者が不慣れであることを表す側に補正する運転者別慣れ度合い補正手段とを備えることを特徴とする車両の操舵装置。
  8. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
    前記操舵特性変更手段を、
    前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に対して不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作に対して付与する反力が大きくなる反力特性に変更する反力特性変更手段と、
    前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に対して不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作に対する前記転舵輪の転舵動作が緩やかになる転舵特性に変更する転舵特性変更手段との少なくとも一方を備えて構成することを特徴とする車両の操舵装置。
  9. 請求項に記載した車両の操舵装置において、
    前記転舵特性変更手段は、
    前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いに基づいて、運転者が前記操舵特性に対して不慣れであるほど、前記操舵ハンドルの操作量に対する前記転舵輪の転舵量の比が小さくなるとともに前記操舵ハンドルの操作に応じて駆動する前記転舵アクチュエータの時定数が大きくなる転舵特性に変更することを特徴とする車両の操舵装置。
  10. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載した車両の操舵装置において、
    前記制御装置は、さらに、
    運転者による前記操舵ハンドルの操作状態が緊急回避操作状態であるか否かを判定する緊急回避操作状態判定手段と、
    前記緊急回避操作状態判定手段によって前記操舵ハンドルの操作状態が緊急回避操作状態であると判定されると、前記慣れ度合い決定手段によって決定された慣れ度合いを、前記操舵特性に対して運転者が十分に慣れていることを表す側に補正する緊急回避操作時慣れ度合い補正手段とを備えることを特徴とする車両の操舵装置。
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