JP4297119B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源と変速機とで構成されるパワートレーンが搭載された車両の駆動力制御装置に関し、特に、速やかに変速制御を終了させるとともに、駆動系のねじり振動を抑制するように車両の駆動力を制御する装置に関する。
車両においては、エンジン負荷が増大される加速時に、駆動系から不快な振動を発生することが多い。この不快な振動は、駆動系のうちドライブシャフトがねじり振動されることを主要因としており、エンジン負荷の増大に伴って増大されるエンジントルクが駆動系の共振周波数成分を含むときに発生する。そして、このねじり振動は、要求される駆動力(目標駆動力)が大きいほど顕著になる。
特開2003−41987号公報(特許文献1)は、このような駆動系の共振周波数を含む加速態様であることを確実に検出して、振動を低減する制御装置を開示する。この制御装置は、アクセル開度に関する値を検出するアクセル開度検出手段と、エンジン回転数に関連した値を検出するエンジン回転数検出手段と、アクセル開度検出手段の検出結果に基づいてドライバーによるアクセル開度の増大操作が行われたことが検出されたとき、エンジン回転数に関する値及びアクセル開度に関する値に基づき、アクセル開度の増大操作から所定期間範囲におけるエンジン負荷に関連した値の時間変化を予測するエンジン負荷変化予測手段と、エンジン負荷変化予測手段で予測されたエンジン負荷に関する値の時間変化から、車両の駆動系の共振周波数成分を抽出するフィルタ手段と、フィルタ手段によって抽出された共振周波数成分に対応するタイミングにおいて、共振周波数成分に対応するエンジントルクを低減させるトルク低減手段とを含む。
この制御装置によると、実現が予測されるエンジン負荷に関する値の時間変化の中から駆動系の共振周波数成分を抽出して、この抽出された共振周波数成分を低減するようにエンジントルクを低減するので、共振周波数成分を含むために駆動系の振動が発生することになる加速時というものを確実に把握しつつ、共振周波数成分に起因する駆動系の振動を確実に低減することができる。
特開2003−41987号公報
しかしながら、上述した特許文献1においては、駆動系のねじり振動を抑制するためには、共振周波数成分に対応するエンジントルクを低減させるようにしている。変速制御中(特にパワーオンダウンシフト)であっても、このエンジントルクの低減による駆動系のねじり振動抑制制御を実行すると、エンジントルクが不足する可能性がある。このため、変速制御中においてイナーシャ相に移行しても速やかにエンジン回転数が上昇しないで、変速後の同期回転数に到達するまでに時間がかかる。その結果、良好な変速制御を実現できないで、変速時間の遅延、変速中の息つき感、変速後の応答遅れ等の問題を発生させる可能性がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、良好な変速特性を実現でき、かつ駆動系の振動を抑制することができる、車両の駆動力制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の駆動力制御装置は、有段式の自動変速機を備えた車両に発生すべき目標駆動力を設定するための設定手段と、目標駆動力の発生により車両に発生する振動を予測するための予測手段と、予測された振動の周波数成分を低減するように、目標駆動力に対してフィルタ処理して、目標駆動力を補正するための補正手段と、自動変速機の変速動作を検知するための検知手段と、変速動作に応じて、フィルタ処理を反映させる度合いを変更するための変更手段とを含む。
第1の発明によると、アクセルペダル開度等に基づいて要求される駆動力として車両に発生すべき目標駆動力が設定される。この目標駆動力を発現させることにより発生する振動(特に、共振周波数による駆動系のねじり振動)が予測される。予測された振動の周波数成分を低減するように、目標駆動力が補正されて、発生される駆動力が低下される。このとき、変速動作中であると、特にダウンシフトのイナーシャ相移行後においては、駆動源からの発生駆動力の低下により有段式自動変速機への入力軸回転数が上昇しづらくなる。このため、入力軸回転数が変速後の同期回転数に到達するのに時間がかかり変速時間の遅延を招く。このような変速動作が検知された場合には、変速レスポンスを優先させるように(振動抑制を優先させないで)、フィルタ処理を反映させる度合いを小さくする。これ以外の場合(変速動作が検知されていない場合)には、振動抑制を優先させて、フィルタ処理を反映させる度合いを大きくする。その結果、良好な変速特性を実現でき、かつ駆動系の振動を抑制することができる、車両の駆動力制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の駆動力制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、検知手段は、自動変速機のダウンシフト変速におけるイナーシャ相への移行を検知するための手段を含む。変更手段は、イナーシャ相への移行を検知すると度合いが低下するように変更するための手段を含む。
第2の発明によると、ダウンシフトのイナーシャ相移行後において、フィルタ処理を反映させる度合いを小さくすると、駆動源からの発生駆動力の低下することが回避されて、有段式自動変速機への入力軸回転数が速やかに上昇する。このため、入力軸回転数が変速後の同期回転数に速やかに到達するので変速時間の遅延を発生させない。
第3の発明に係る車両の駆動力制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、変更手段は、フィルタ処理後の駆動力に対するゲインを低下させることにより、度合いが低下するように変更するための手段を含む。
第3の発明によると、フィルタ処理後の駆動力に対するゲインを、たとえば0〜1の間で変更することにより、フィルタ処理を反映させる度合いを変更することができる。すなわち、ゲインを低下させて、フィルタ処理を反映させる度合いを低下させることができる。
第4の発明に係る車両の駆動力制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、変更手段は、イナーシャ相への移行を検知するとゲインが低下するように変更して、変速終了時にはゲインが0になるように変更するための手段を含む。
第4の発明によると、変速終了時にはゲインを0とするので、変速終了時のねじり振動抑制制御によるトルク変動をなくしておくことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に、本発明の実施の形態に係る制御装置であるECUを含む車両のパワートレーンについて説明する。
図1に示すように、この車両には、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)500と、ECU500にアクセルペダルの開度を示す信号を入力するアクセルペダル開度センサ600とを含む。ECU500には、車両情報として、車速情報、自動変速機300のギヤ段情報等が入力される。
なお、以下の説明においては、図1に示すようにエンジン100、トルクコンバータ200および自動変速機300を有するパワートレーンについて適用される駆動力制御について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。エンジン100をアシストするモータがあるものであってもよい。なお、この場合、モータは、モータジェネレータであって、駆動輪やエンジン100により駆動される発電機としても機能する。
ECU500は、エンジン100に対して、スロットル開度指令信号などの制御信号を出力し、エンジン回転数信号などの検知信号を受信する。
また、ECU500は、トルクコンバータ200のロックアップクラッチに係合または開放(スリップを含む)を指令する制御信号を出力する。また、ECU500は、自動変速機300に対して油圧指令信号である制御信号を出力したり、自動変速機300から出力軸回転数信号などの検知信号が入力されたりする。ECU500は、この出力軸回転数信号に基づいて車速を検知することができる。
自動変速機は、流体継手と、歯車式の有段変速機構とから構成されるものが多い。図1においては、変速機構を自動変速機300として記載する。また、流体継手としては、トルクコンバータ200があり、このトルクコンバータ200は、ロックアップクラッチを備える。ロックアップクラッチはトルクコンバータ200の駆動側の部材(エンジン100側のポンプインペラー)と従動側の部材(自動変速機300側のタービンランナ)とを機械的に直接連結するものである。そのため、燃費の向上と乗心地とを両立させることができる。このようなロックアップクラッチを係合させるロックアップ領域を、通常、たとえば車速とスロットル開度とに基づいて設定している。
アクセルペダル開度センサ600は、運転者により操作されるアクセルペダルの開度を検知するものである。このアクセルペダル開度センサ600の代わりに、スロットルバルブ開度センサであってもよい。
ECU500は、上述のような検知信号が入力されたり、制御信号が出力されたりするので、変速制御中であることを検知でき、かつ、イナーシャ相への移行時点を判断できる。たとえば、出力軸回転数にギヤ比を乗算した変速前の入力軸回転数と、実際の入力軸回転数(タービン回転数)との差が予め定められたしきい値よりも大きくなったときに、イナーシャ相へ移行したと判断する。また、ECU500から自動変速機300への変速指令(油圧指令値)に対しては、クラッチ容量による応答遅れが発生する。この応答遅れを、たとえば実験的に同定してこの応答遅れを加味して、実際にクラッチ容量が切り替わったときに、イナーシャ相へ移行したと判断するようにしてもよい。さらに、ECU500から自動変速機300への変速指令(油圧指令値)が出力されてから予め定められた時間が経過したときに、イナーシャ相に移行したと判断するようにしてもよい。
ECU500は、加速時のねじり振動抑制制御を実行する。以下、この加速時のねじり振動抑制制御について説明する。なお、加速時のねじり振動抑制制御は、以下に説明する制御態様に限定されるものではない。
車両のアクセルペダルをステップ応答的に踏み込んだときは、エンジン100の発生トルクには実質的に全ての周波数成分を含む。したがって、加速時における駆動系の共振周波数成分をも含む。一方、ギア比毎に、駆動系の共振周波数が存在する。共振周波数は、1速では2Hz付近であり、2速では4Hz付近であり、3速では6Hz付近であり、4速では8Hz付近であり、5速では10Hz付近であると想定できる。このような2Hz〜10Hzの共振周波数は、アクセルペダルをステップ的に踏み込んだときは全て含まれることになる。
ECU500は、加速時の駆動系の振動防止のために、たとえば、加速開始時における車速およびギア比に基づいて、その加速により実現されるであろうエンジン100の負荷の時間変化を予測して、それにより発生する振動の周波数成分を予測する。発生する振動の周波数成分の中からギヤ比に応じた共振周波数成分を抽出し、この共振周波数成分のみを通さないフィルタ(以下、ノッチフィルタと記載する場合がある)でフィルタリング処理を行なう。共振周波数除去のためのフィルタリング対象駆動力と、フィルタリング処理された駆動力との差分に、車両状態により変更されるゲイン(以下、ノッチフィルタゲインと記載する場合がある)を乗算することにより、共振周波数除去のためのフィルタリング処理の作用を調整する。なお、抽出された共振周波数成分のトルク分だけエンジン100のトルク(駆動力)が低減するように制御されることになる。実際には、スロットルバルブの開度が小さくされてエンジン100のトルクが低減される。
本実施の形態に係る制御装置であるECU500においては、上述したねじり振動抑制制御を、変速制御中のイナーシャ相中以外において実行する。このため、イナーシャ相中においてはねじり振動抑制制御の結果であるエンジン100のトルクダウンが発生しないようにして、たとえば、ダウンシフト変速の場合にはタービン回転数が速やかに変速後の同期回転数まで上昇するようにしている。
この場合において、イナーシャ相への移行とともにねじり振動抑制制御の反映度合いを急激に0とすると、たとえば、別制御として実行されている変速中のエンジン100のトルクダウン制御と干渉する等の問題がある。このため、イナーシャ相への移行後、速やかにねじり振動抑制制御の反映度合いを0とするのであるが、上記干渉を回避するために、後述するノッチフィルタゲインGを初期値(最大でも1)から0に緩やかに変化させている。そして、遅くとも変速終了時(イナーシャ相終了時)にノッチフィルタゲインGが0になるようにして、ねじり振動抑制制御の反映度合いを緩やかに(漸近的に)0になるまで変化させている。このような点が本実施の形態に係る制御装置であるECU500で実行される制御の特徴である。
図2を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU500で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU500は、アクセル開度に基づくベース要求駆動力F(base)を算出する。なお、ベース要求駆動力F(base)は、アクセル開度に基づいて算出される場合に限定されない。たとえば、ベース要求駆動力F(base)は、クルーズコントロールシステムからの要求駆動力に基づいて算出されるものであってもよい。さらに、ベース要求駆動力F(base)は、これらを調停した結果に基づいて算出されるものであっても構わない。
S200にて、ECU500は、基準駆動力Fを算出する。この基準駆動力Fは、要求駆動力に対して実際にタイヤ軸上の駆動力として伝達されるまでの経路の応答性(エンジン100の応答性)により決定される。たとえば、ねじり剛性が低いほど振動が吸収されて応答がなまされるため、基準駆動力Fが大きく算出できる。エンジン100の応答性が高いほど小さな駆動力要求でも応答に反映され易くなるため、基準駆動力Fが小さく算出される。エンジン100の応答性は、エンジン回転数によっても異なるため、車速とギヤ比とから決定される応答性の高い領域ほど基準駆動力Fが小さく算出される。より具体的には、エンジン回転数をパラメータとして基準駆動力Fを実験的に算出しておいてマップ化(適合)したり、自動変速機300の出力軸回転数をパラメータとして基準駆動力Fを実験的に算出しておいてマップ化(適合)したりされる。
S300にて、ECU500は、ベース要求駆動力F(base)が基準駆動力Fよりも大きいか否かを判断する。ベース要求駆動力F(base)が基準駆動力Fよりも大きいと(S300にてYES)、処理はS310へ移される。もしそうでないと(S300にてNO)、処理はS500へ移される。
S310にて、ECU500は、変速制御実行中であって、かつ、イナーシャ相に移行しているか否かを判断する。変速制御実行中であって、かつ、イナーシャ相に移行していると(S310にてYES)、処理はS320へ移される。もしそうでないと(S310にてNO)、処理はS400へ移される。
S320にて、ECU500は、ノッチフィルタゲインGを減少させる。イナーシャ相の開始時(イナーシャ相への移行時)のノッチフィルタゲインGを初期値(G=1とは限らない)として、その初期値から0にまで変化させる。このノッチフィルタゲインGの初期値(≠0)を0にまで緩やかに変更させる点についての詳細については後述する。その後、処理はS400へ移される。
S400にて、ECU500は、最終要求駆動力F(final)を、{ベース要求駆動力F(base)−ゲイン反映後の要求駆動力差分F(3)}として算出する。この場合、応答性よりも車両に発生する振動を抑制することが優先されることになる。なお、このS400の処理の詳細については図3を用いて説明する。
S500にて、ECU500は、最終要求駆動力F(final)を、ベース要求駆動力F(base)として算出する。すなわち、ベース要求駆動力F(base)が基準駆動力F以下であるときには、最終要求駆動力F(final)=ベース要求駆動力F(base)となり、ねじり振動抑制制御が実行されないことになる。すなわち、要求されている駆動力(ベース要求駆動力F(base)が小さいので、車両として問題となるレベルの振動が発生しないので、ねじり振動抑制制御が実行されない。逆に、このような場合でもねじり振動抑制制御を実行してノッチフィルタリング処理を実行すると、フィルタリング処理によるなまし処理が行なわれてさらに駆動力が小さくなり、運転者がアクセルペダルを踏んでも車両が反応しないか、反応しても応答性が悪くなり、ドライバビリティの悪化を招く。
図3を用いて、図2のS400における、加速時のねじり振動抑制制御を含む駆動力制御について説明する。
図3に示すように、まず、アクセル開度等に基づくベース要求駆動力F(base)が算出される。加速時のねじり振動抑制のために共振周波数成分を除去するための振動抑制ノッチフィルタの対象となる駆動力が、共振周波数除去フィルタリング対象駆動力F(0)として算出される。この共振周波数除去フィルタリング対象駆動力F(0)は、{ベース要求駆動力F(base)−基準駆動力F}として算出される。図2のS400の処理が実行される条件は、ベース要求駆動力F(base)が基準駆動力Fよりも大きい場合であるので、この共振周波数除去フィルタリング対象駆動力F(0)は必ず正の値となる。
この共振周波数除去フィルタリング対象駆動力F(0)を対象として、振動抑制ノッチフィルタ(ねじり振動の要因となる特定周波数成分のみを通さないフィルタ)を用いてフィルタリング処理が行なわれる。このフィルタリング処理の結果、共振周波数除去フィルタリング後の駆動力F(1)が、filter(F(0))として算出される。フィルタリング処理で通さない周波数帯域(車両のねじり振動の要因となる周波数帯域)は、車両情報(たとえば、車速とギヤ比)により決定される。
フィルタリング後の駆動力差分F(2)が、{共振周波数除去フィルタリング対象駆動力F(0)−共振周波数除去フィルタリング後の駆動力F(1)(=filter(F(0))}により算出される。このフィルタリング後の駆動力差分F(2)にノッチフィルタゲインG(0≦G≦1)が乗算されて、ゲイン反映後の要求駆動力差分F(3){=フィルタリング後の駆動力差分F(2)×G}が算出される。このノッチフィルタゲインGは、ノッチフィルタの効き具合を調整するものであって、車速、エンジン回転数等の車両状態により決定される。なお、ノッチフィルタゲインGが0の場合、フィルタリング処理していない場合と同じことになる。
このノッチフィルタゲインGの値は、基準駆動力Fと同様にエンジン100の応答性により設定される。たとえば、ねじり剛性が低いほど振動が吸収されて応答がなまされるため、ノッチフィルタゲインGが小さく設定される。エンジン100の応答性が高いほど小さな駆動力要求でも応答に反映され易くなるため、ノッチフィルタゲインGが大きく設定される。エンジン100の応答性は、エンジン回転数によっても異なるため、車速とギヤ比とから決定される応答性の高い領域ほどノッチフィルタゲインGが大きく算出される。
さらに、変速制御中におけるイナーシャ相への移行後は、ノッチフィルタゲインGが、イナーシャ相への移行時の初期値(≠0)から0になるように緩やかに変化される。この状態を図4に示す。
図4に示すように、イナーシャ相への移行時(時刻t(1))において初期値であったノッチフィルタゲインGは、イナーシャ相への移行が検知されると(S310にてYES)、たとえば、時刻t(1)(このt(1)はイナーシャ相終了(変速終了)時の時刻t(2)よりも早い)においてノッチフィルタゲインGが0になるように変化される(図4の実線)。このため、少なくとも変速終了時においては、ノッチフィルタゲインGが0であるので、ねじり振動抑制による影響が排除されることになる。
変速制御の特性をより向上させるためには、図4の点線のように、さらに速やかにノッチフィルタゲインGが0になるように変化されることが好ましい。このノッチフィルタゲインGの減少の傾きは、駆動力要求の上昇(たとえば、パワーオンダウンシフト変速時におけるタービン回転数上昇のため)と変速過渡期に実行されるエンジン100のトルクダウン制御(変速特性(特に変速時間短縮)の向上)との干渉が発生しないように設定される。
なお、図3の変速進行情報とは、イナーシャ相への移行を判断するための情報である。イナーシャ相への移行時点の判断については上述した通りであるので、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
最終供給駆動力F(final)が、{ベース要求駆動力F(base)−ゲイン反映後の要求駆動力差分F(3)}により算出される。この最終要求駆動力F(3)をトルク変換して、エンジン100がそのトルクを出力するようにスロットルバルブ開度が制御される。
このように、最終要求駆動力F(final)は、ゲイン反映後の要求駆動力差分F(3)を用いて算出されるので、共振周波数除去フィルタリングによる影響をノッチフィルタゲインGにより調整されていることになる。
さらに、変速制御中でイナーシャ相に移行しているときには、ノッチフィルタゲインGが0になるように変化される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU500の動作について説明する。なお、以下においては、ECU500の動作を、ベース要求駆動力F(base)が基準駆動力Fよりも大きい場合であってパワーオンダウンシフト変速制御中のイナーシャ相中であることを前提として(すなわち、S300およびS310にてYESでS320の処理が実行される場合)、説明する。
車両の走行中において、運転者がアクセルペダルを比較的大きく踏み込むと(なお、ステップ状にアクセルペダルが踏み込まれたとする)、そのアクセル開度に基づくベース要求駆動力F(base)が算出される(S100)。さらに、このとき、変速線図におけるダウンシフト変速線(車速とスロットル開度により設定されたマップ)を跨いだので、ダウンシフト変速を行なうことがECU500により判断される。
この説明の前提が、ベース要求駆動力F(base)が基準駆動力Fよりも大きいので(S300にてYES)、フィルタリング対象駆動力F(0)が、{ベース要求駆動力F(base)−基準駆動力F}(>0)として算出される。
このフィルタリング対象駆動力F(0)に対してノッチフィルタリング処理が行なわれて、フィルタリング後の駆動力F(1)がfilter(F(0))として算出される。
このフィルタリング後の駆動力F(1)とフィルタリング対象駆動力F(0)との差分{F(0)−F(1)}が、フィルタリング後の駆動力差分F(2)として算出される。
このフィルタリング後の駆動力差分F(2)にノッチフィルタゲインGを乗算した値{F(2)×G}が、ゲイン反映後の要求駆動力差分F(3)として算出される。
このとき、この説明の前提がパワーオンダウンシフト変速制御中のイナーシャ相中であるので(S310にてYES)、ノッチフィルタゲインGが、イナーシャ相への移行時を初期値として、その初期値から0に向かって漸近的に減少されて、図4に示すように、イナーシャ相の終了(変速終了)時には0になる。
このゲイン反映後の要求駆動力差分F(3)とベース要求駆動力F(base)との差分{=F(base)−F(3)}が、最終要求駆動力F(final)として算出される。
このように制御されたときの車両加速度、タービン回転数、要求駆動力およびアクセル開度の時間変化を、図5(A)および図5(B)に示す。図5(A)が本発明の場合であって、図5(B)が本発明でない比較技術の場合である(すなわち、比較技術は図2のS320の処理を実行しない)。
図5(A)に示すように、イナーシャ相への移行(時刻t(11))とともに、ノッチフィルタゲインGを漸近的にイナーシャ相への移行時における値(初期値)から0に低下させた場合には(S320)、ねじり抑制制御の反映度合いが低下されて、ねじり振動抑制のためのエンジン100のトルクダウン制御が大きく影響するようには実行されなくなる。このため、アクセル開度に対して要求された駆動力が速やかに上昇する。その結果、タービン回転数がダウンシフト変速後の変速ギヤ段の同期回転数に速やかに到達して(時刻t(12))、変速が終了する。すなわち、図5(A)の矢印に示すように駆動系ねじり振動抑制制御を実行している時間が短くなって、エンジン100のトルクが速やかに上昇して、このトルク上昇によりタービン回転数が速やかに上昇されて、変速が速やかに終了する。
一方、図5(B)に示すように、イナーシャ相へ移行(時刻t(11))しても、ノッチフィルタゲインGを本発明のように変化させない場合には、ねじり抑制制御の反映度合いが低下されることなく、エンジン100のトルク抑制制御が変速制御中以外と同じように実行される。このため、アクセル開度に対して要求された駆動力が速やかに上昇しない。その結果、タービン回転数がダウンシフト変速後の変速ギヤ段の同期回転数に速やかに到達しない。図5(B)に示すように、時刻t(12)よりも遅い時刻t(13)において、変速が終了する。すなわち、図5(B)の矢印に示すように駆動系ねじり振動抑制制御を実行している時間が長く、エンジン100のトルクが速やかに上昇しないので、このトルク上昇の遅れによりタービン回転数が速やかに上昇しないので、変速が速やかに終了しない。
なお、ベース要求駆動力F(base)が基準駆動力F以下の場合には、このベース要求駆動力F(base)が基準駆動力F以下であるので(S300にてNO)、最終要求動力F(final)が、ベース要求駆動力F(base)として算出される。これは、ねじり振動抑制制御が実行されないことを示す。このため、フィルタリング処理により、応答がなまされることがなく、少しのアクセル開度変化であっても車両に駆動力が発生させることができ、ドライバビリティを悪化させないようにてきる。
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置によると、要求された目標駆動力(ベース要求駆動力)が基準駆動力以下の時には、振動が大きく発生する領域ではないので、振動抑制制御処理(ノッチフィルタリング処理)を行なわないで、振動抑制よりも応答性を優先させることができる。要求された目標駆動力(ベース要求駆動力)が基準駆動力よりも大きく、ノッチフィルタリング処理を行なうときでも、変速制御中であってイナーシャ相へ移行していると、ノッチフィルタゲインが0になるように変化される。このようにイナーシャ相移行後にはノッチフィルタゲインGが低下されて調整された、最終要求駆動力が算出される。車両の変速進行状態に応じた振動抑制の効き具合を調整することができる。すなわち、駆動系ねじり振動の影響が小さい領域である、要求される駆動力が小さな領域では、振動抑制ノッチフィルタリング処理を行なわないことで、たとえばアクセル開度が小さい場合における応答性を確保でき、駆動系ねじり振動の影響が大きな領域である、要求される駆動力が大きな領域では、振動抑制ノッチフィルタリング処理を行なうことで、たとえばアクセル開度が比較的大きい場合における振動を抑制できる。さらに、振動抑制ノッチフィルタリング処理を実行する場合であっても、変速制御中のイナーシャ相への移行後においては、ノッチフィルタゲインGを0に向かって変化させるので、駆動系ねじり振動抑制制御によるエンジントルク低減制御が緩和されて、タービン回転数が速やかに変速後の同期回転数に到達して、速やかに変速が終了する。
なお、図2のS500における処理については、ノッチフィルタリング処理を行なっていないことになるので、図3および図4のノッチフィルタゲインGを0として行なわせることもできる。
また、上述した説明においては、変速の一例として(パワーオン)ダウンシフトを採用して説明したが、本発明がダウンシフト変速時のみに限定されるものではない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る車両の駆動力制御装置であるECUを含む制御ブロック図である。 ECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図2のS400における最終要求駆動力算出処理の手順を表わす図である。 イナーシャ相への移行後のノッチフィルタゲインの時間変化を示す図である。 ステップ状に要求駆動力が増加した場合のタイミングチャートである。
符号の説明
100 エンジン、200 トルクコンバータ、300 自動変速機、500 ECU、600 アクセルペダル開度センサ。

Claims (2)

  1. 有段式の自動変速機を備えた車両に発生すべき目標駆動力を設定するための設定手段と、
    前記目標駆動力の発生により前記車両に発生する振動を予測するための予測手段と、
    前記予測された振動の周波数成分を低減するように、前記目標駆動力に対してフィルタ処理して、前記目標駆動力を補正するための補正手段と、
    前記自動変速機のダウンシフト変速におけるイナーシャ相への移行を検知するための検知手段と、
    前記ダウンシフト変速における前記イナーシャ相への移行に応じて、前記フィルタ処理を反映させる度合いを変更するための変更手段とを含み、
    前記補正手段は、
    前記目標駆動力が、前記車両の内燃機関の前記目標駆動力に対する応答性に基づいて設定された基準駆動力よりも小の場合には、前記フィルタ処理を実行しないための手段と、
    前記目標駆動力が前記基準駆動力よりも大の場合には、前記フィルタ処理を実行することによって前記目標駆動力を補正するための手段とを含み、
    前記目標駆動力を補正するための手段は、
    前記目標駆動力と前記基準駆動力との差分のうち、前記予測された振動の周波数成分に対応する成分を抽出するための手段と、
    前記抽出された成分にゲインを乗算することによって前記目標駆動力の補正量を算出するための手段と、
    前記目標駆動力から前記補正量を減じることにより、補正された前記目標駆動力を算出するための手段とを含み、
    前記変更手段は、
    前記イナーシャ相への移行を検知すると、前記度合いとしての前記ゲインが初期値から低下するように変更して、前記変速終了時に前記ゲインが0になるように変更するための手段を含む、車両の駆動力制御装置。
  2. 前記初期値は、前記内燃機関の前記応答性が高いほど大きくなる一方、前記応答性が低いほど小さくなるように設定される、請求項1に記載の車両の駆動力制御装置。
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