JP4294941B2 - 車載ドアの動作システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載ドアを閉位置と開位置との間で開閉駆動可能な駆動機構を備え、前記駆動機構による駆動が働く駆動状態で、前記車載ドアを動作制御する動作制御手段を備えるとともに、少なくとも前記車載ドアの位置もしくは移動速度を第一出力として導出する車載ドア位置導出手段を備え、前記動作制御手段が前記第一出力に基づいて、前記動作制御を実行する車載ドアの動作システムに関し、さらに、前記車載ドア位置導出手段における車載ドア位置導出のための原点をリセットする原点位置リセット手段を備えた車載ドアの動作シテムに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明は、例えば、車載用パワーバックドアの動作システムを対象とする。
ここで、「パワー」とは、ドアの位置、速度制御等に関して、ドア駆動用の駆動源を備え、この駆動源からの駆動力により自動的にドアの開閉を実行することを意味し、通常、駆動源からの駆動力によりドアが開閉されている状態(駆動状態)と、この駆動が切り離され、マニュアルでの開閉が可能な状態(非駆動状態)との間での切替制御が実行される。
【0003】
このような車載用パワーバックドアにおいては、ドアの位置、移動速度等が検出されて開閉動作制御に使用される。この種の車載ドア位置検出は、例えば、エンコーダで採用される技術により実行される。さらに具体的には、駆動用のモータあるいはこれに付属の減速機器に備えられる矩形波出力機構等によって、矩形波が検出され、これをソフト的に処理することにより、前記ドアの位置、移動速度を得る。この処理に際しては、ドア位置検出のための原点が適切に設定される必要がある。
【0004】
このようにして検出されるドアの位置、移動速度を使用して、上記の動作制御が実行される。例えば、ドアが所定位置まで開いた場合に、駆動状態から非駆動状態に切り替え、切り替え後は、マニュアル、あるいはダンパーによるドアの開動作に任せる。
【0005】
さて、上記ドア位置等の検出において、電気的ノイズ等によりドアの位置情報が真の位置に対してずれる場合がある。特に、長期間では、この種のずれが無視できない程、蓄積される場合がある。このようなずれが蓄積されると、駆動状態から非駆動状態への切替位置である、駆動用モータ出力停止位置が誤認識され、ドアの機構的な全開位置より大きい位置まで開動作してしまう恐れがある。この場合、ドア本体やヒンジ、駆動機構を損傷してしまう。
また、ドア移動速度の切替位置がずれると、見栄えが悪化したり、閉じ際でドアが減速しない等の要因により、挟み込みの危険が増加する。
【0006】
このような、ドア位置検出上の問題を防止するために、ドアに対して設けられているクローザが働き、ドアが全閉位置にある状態で、この全閉位置をドア位置検出の原点とする原点リセットを繰り返すことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、ドアが全閉位置にある状態の認識は、クローザのラッチに対して設けられるスイッチ出力によっており、この種のスイッチがONされている場合に、原点リセットが可能な状態とする。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−199243号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のスイッチは、クローザが本来的に動作可能なドアが閉位置(半ドア位置もしくは全閉位置)にある場合にONされる他、閉位置以外の位置にある場合にONされる可能性がある。
例えば、クローザに備えられるスイッチの場合、これらスイッチの故障や、ドアが閉位置を除く中間位置や開位置にある状態でクローザが操作された(ストライカ以外でクローザのラッチが押される場合であり、例えば、異物あるい人為的に押される)場合が、これに当たる。このような場合は、ドアが中間位置にあるのにドアの位置認識がリセットされてしまう。さらに、何らかの事情で、上記原点位置が真の原点位置を代表していない状況が生じてしまう場合もある。
【0009】
このような不正な原点位置に基づいて、ドア位置検出を実行し、その検出結果に基づいて動作制御を実行すると、誤った原点位置から自動開閉の動作制御が実行されることとなる。結果、ドアの動作は、不正なものとなり、上記した累積されたずれが発生している状況と同様な問題を生じる。
【0010】
従って、本発明の目的は、車載ドア位置検出による検出情報の信頼性が低い場合に問題を発生しない様、適切な処理を実行するとともに、動作制御を適切に再開することができる車載ドアの動作システムを得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明に係る車載ドアの動作システムの特徴構成は、
車載ドアを閉位置と開位置との間で開閉駆動可能な駆動機構と、前記車載ドアの位置もしくは移動速度を第一出力として導出する車載ドア位置導出手段と、前記駆動機構による駆動が働く駆動状態で前記車載ドアを前記第一出力に基づいて動作制御する動作制御手段と、 前記車載ドア1が前記閉位置又は半ドア位置にあるかを検知可能な付属機器12の状態に基づいて、前記車載ドア1の状態が、その移動が拘束される拘束状態又は拘束を受けない非拘束状態であるかを認識・特定し、第二出力として出力する車載ドア状態特定手段C2と、前記第一出力及び前記第二出力に基づいて、前記動作制御手段による動作制御の必要性を判定し、前記動作制御の必要性がない場合は前記動作制御手段による動作制御を禁止する禁止判定手段とを備えることにある。
【0012】
このシステムにあっては、車載ドア状態特定手段が設けられ、この手段により、車載ドア1が前記閉位置又は半ドア位置にあるかを検知可能な付属機器12の状態に基づいて、前記車載ドア1の状態が、その移動が拘束される拘束状態又は拘束を受けない非拘束状態であるかを認識・特定する。例えば、クローザに備えられるスイッチがONされている場合に、車載ドアはその閉位置にあるとして、その車載ドアが拘束状態にあると認識、特定する。
一方、禁止判定手段にあっては、前記車載ドア位置導出手段からの第一出力、前記車載ドア状態特定手段からの第二出力との両方に基づいて、制御禁止が必要かどうかを判定し、所定の場合は、制御を禁止する。例えば、第一出力、第二出力が、現実には発生することがない、相矛盾する出力関係となっている場合に、スイッチが故障している、もしくは、スイッチに対して不正な操作が掛かっていると判定し、両出力間の関係からそれらの信頼性を確認し、信頼性が低い場合に、自動的な動作制御を禁止する。
このようにすることで、車載ドア位置導出手段による検出情報、車載ドア状態特定手段の検出情報間に齟齬が生じている場合に、正常な状況に無いと判断して、動作制御を実行して問題を生じることを回避することができる。
【0013】
さて、このようにして生じることがある、動作制御が禁止された禁止状態において、請求項2に記載されているように、
前記動作制御が禁止された禁止状態において、前記第二出力として特定される前記車載ドアの状態が、前記拘束状態から前記非拘束状態に替わり、さらに前記拘束状態に復帰した場合に、復帰後の前記拘束状態で、前記車載ドア位置導出手段におけるドア位置導出のための原点をリセットし、前記動作制御手段による動作制御を許可する許可判定手段を備えることが好ましい。
【0014】
動作制御が禁止される禁止状態にあっては、ドアが駆動から切り離され自由に手動可能な、非駆動状態でドアが移動されることとなる。
この場合、禁止状態で認識・特定されている拘束状態は、誤って認識・特定されたものであり、これが一旦、非拘束状態に替わったということは、実際上、マニュアル等により誤った状態が解除され、引き続いて、ドアが閉位置(ドア位置検出の原点位置)に戻されたものである。通常、人為的に、二度にわたってクローザを誤操作することは、行われない。さらに、拘束状態と非拘束状態との間で、ドアの状態が変化したことは、実際上、スイッチは正常に働いている。
【0015】
従って、拘束状態への復帰が発生した場合に、原点リセットを、復帰後の拘束状態にあるドア位置で実行し、正常に設定された原点に基づく、動作制御の実行許可を行う。結果、的確な動作制御許可を実行できる。
【0016】
さて、制御禁止指令の生成に関しては、請求項3に記載されているように、
前記第二出力として特定される前記車載ドアの状態が前記拘束状態にあり、且つ、前記第一出力が導出され前記車載ドアの移動が認められた場合に、前記禁止判定手段が、前記動作制御を禁止することが好ましい。
【0017】
ドアの移動が拘束される状態とは、例えば、車輛に備えられるストライカのラッチに対する相対移動がある程度拘束される状態、或いは完全に止められる状態に維持されている場合が挙げられるが、この状態では、本来、ドアの移動が実質的に発生することはない。これに対して、第一出力が存在する場合は、実質的な移動が起こっていると考えられ、相矛盾する状態である。
従って、両出力間で本来あり得ない矛盾した出力を得ていることとなり、このような状況で、本願の課題である問題を起こす可能性がある。従って、動作制御手段による動作を禁止する。
このようにすることで、動作システムが問題を発生することは避けられる。
【0018】
さらに、請求項4に記載されているように、
前記第二出力として特定される前記車載ドアの状態が前記非拘束状態から前記拘束状態に切り替わり、且つ、前記第一出力として導出される前記車載ドアの位置が前記閉位置から前記開位置側への一定範囲である擬似閉判定位置内にない場合に、前記禁止判定手段が、前記動作制御を禁止することが好ましい。
【0019】
この場合も、第二出力からすると、車載ドアが本来拘束状態となるべき位置近傍、即ち擬似閉判定位置に来ているはずのものが、第一出力からすると、そのような位置に到達していないことを意味しており、矛盾する。よって、動作制御を禁止する。
【0020】
さて、原点リセットに関しては、以下の構成を採用する必要がある。
即ち、車載ドアを閉位置と開位置との間で開閉駆動可能な駆動機構と、前記車載ドアの位置もしくは移動速度を第一出力として導出する車載ドア位置導出手段と、前記駆動機構による駆動が働く駆動状態で前記車載ドアを前記第一出力に基づいて動作制御する動作制御手段と、前記車載ドア1が前記閉位置又は半ドア位置にあるかを検知可能な付属機器12の状態に基づいて、前記車載ドア1の状態が、その移動が拘束される拘束状態又は拘束を受けない非拘束状態であるかを認識・特定し、第二出力として出力する車載ドア状態特定手段C2と、前記車載ドア位置導出手段における車載ドア位置導出のための原点をリセットする原点位置リセット手段と、前記第一出力及び前記第二出力に基づいて、前記原点位置リセット手段のリセット動作の必要性を判定し、前記リセット動作の必要性がない場合は前記原点位置リセット手段のリセット動作を禁止するリセット判定手段とを備える構成とする。
【0021】
先に説明した様に、リセット動作は、例えば、第二出力として特定される車載ドアの状態が拘束状態である場合に、現状でドアがある位置を原点としてリセットすることとなるが、第一出力、第二出力間で、現実にはあり得ない相矛盾する出力が得られている場合には、車載ドアの状態情報もしくは車載ドアの位置情報に信頼がおけない状況と考えられる。
よって、原点リセットを実行すると、本願の問題が発生することとなるため、原点リセットを禁止することで、車載ドア位置検出手段の出力を正しいものに維持することができる。
【0022】
上記判定手段に入力されてくる情報としては、請求項6に記載されているように、
前記第二出力として特定される前記車載ドアの状態が前記非拘束状態から前記拘束状態に切り替わり、且つ、前記第一出力として導出される前記車載ドアの位置が前記閉位置から前記開位置側への一定範囲である擬似閉判定位置内にない場合に、前記リセット判定手段が、前記リセット動作を禁止することが好ましい。
この状況は、先に説明した請求項4に記載の状況に対応するものであり、この状況で、原点をリセットする場合は、誤った原点にリセットされることとなり、本願の問題を発生することとなるためである。
従って、リセットを禁止することで、問題の発生を回避することができる。
【0023】
さて、請求項7に記載されているように、
前記拘束状態と前記非拘束状態との間で状態切替がなされる切替スイッチを備え、前記切替スイッチの出力に基づいて、前記車載ドア状態特定手段が、前記車載ドアの状態を特定することが好ましい。
【0024】
ドアに対して定義される拘束状態、非拘束状態は、ドアの自由な動きが規制されるか否かの状態であるため、前記切替スイッチはドアの拘束状態の特定に利用できる。一方、第一出力として、ドアの位置、移動速度等を得ることができるため、これら出力間における矛盾するか否かの判断を良好に実行できる。
【0025】
この種の切替スイッチとしては、クローザに対して備えられるスイッチを挙げることができる。
【0026】
さらに、請求項8に記載されているように、
前記動作制御手段を働かせて、前記拘束状態から一旦前記非拘束状態に動作制御した後、再度前記拘束状態に復帰させる疑似動作制御を実行可能に構成されていることが好ましい。
【0027】
一度、拘束状態から非拘束状態に動作させて、第二出力を得るためのスイッチの動作確認を実行できる。さらに、復帰後の前記拘束状態で先に説明した判定を実行することで、システムが正常な状態にあるかどうかを判断でき、問題がある場合は動作制御もしくはリセットを禁止できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本願の実施形態を、バックドア1を例に採って説明する。
図1は、本願の車載ドアの動作システムを採用する車輌2のバックドア側斜視図である。
この図及び図2に基づいてバックドア回りに装備される動作機器の概要を説明する。先にも説明したように、バックドア1に対して、その駆動機構3を構成する駆動ユニット3a、そのアーム3bに一端が取付けられるロッド4が備えられている。さらに、バックドア1に対してダンパ30が備えられている。
【0029】
駆動ユニット3aに対するコントローラ5が車体側部に備えられるとともに、自動開閉動作の可否(駆動機構を働かせて、所定時に自動的な開閉の実行を許可するかどうか)切替え用のメインスイッチ6が座席近傍に備えられている。
このメインスイッチ6をON状態とすることで、駆動機構3によるドア開閉(ユーザが操作した場合にその方向へ駆動する)の実行が可能となる。OFF状態にあっては、マニュアル操作のみが可能とされる。
【0030】
ドア1の駆動開閉は、閉位置から開位置への動作については、ハンドル7に設けられるハンドルスイッチ8の操作によって開始可能に構成されている。一方、開位置から閉位置への動作については、バックドア1の下端に設けられているバックドアスイッチ9の操作により開始可能に構成されている。
【0031】
また、このドア1の駆動開閉にあっては、ドア1がユーザによるマニュアル操作により一定速度以上で移動された場合に、その方向へ補助的な駆動開閉動作を実行する。
【0032】
さらに、ドア1の自動開閉を車外から実行するために、リモコンキー10が用意されており、このキー10の操作により、コントローラ5を介して駆動機構3を作動させて、自動開、自動閉動作を行うことも可能となっている。
【0033】
バックドア1のハンドル7近傍には、ブザー11が設けられており、バックドア1が自動開閉される場合に、所定の警告音を発生させる。
【0034】
バックドア1と車体2との間にはバックドア用のクローザ12が設けられており、確実なドア1の閉状態を確保することが可能とされている。このクローザ12は、車体側に備えられるストライカ12a、ドア側に備えられるクローザ本体12bを備えて構成されており、よく知られているように、クローザ本体12bには、ストライカ12aと係合する係合凹部13を備えたラッチ12c、このラッチ12cの回転を所定姿勢で止めるポール12dが備えられている。図6に、係合動作に伴う、これら部材の相対位置関係を示した。
【0035】
本願の車載ドアの動作システムは、上記したコントローラ5、コントローラ5による制御を受ける駆動機構3及びクローザ12により主に構成される。
説明にあたり、ハード側の機器構成をまず説明するとともに、その後、マイクロコンピュータを主として構成されるコントローラ5と、このコントローラ5内に格納されるソフトウェアとにより構築され、本願所定の動作を達成するための制御手段Cの働きについて説明する。
【0036】
図2は、閉状態にあるバックドア1を示しており、図3は開状態にあるバックドア1を示している。
1 バックドア1と駆動ユニット3aとの取り合い
図2、3、4、5に示すように、駆動機構3に備えらえる駆動ユニット3aは、駆動用モータMと前記ロッド4がその他端部に接続されるアーム3bとの間に、クラッチQを備えて構成されており、クラッチQを断続することで、アーム3bを駆動回動する駆動状態と、駆動が解除される非駆動状態を実現することが可能とされている。さらに、図4、5に示す様に、駆動用モータ軸mとアーム3bの基端側に備えられるアーム軸aとの間に、前記クラッチQとともに減速機構Rを介挿して、ドア1の揺動に必要な十分な力を得ることが可能とされている。
【0037】
図3において、一点鎖線がアーム3bの揺動に伴うロッド先端(ドア接続位置)の軌跡を示しており、長破線がアーム3bの揺動に伴うロッド基端(アーム接続位置)を示している。図から判明するように、ロッド先端(ドア接続位置)は、所定ヒンジ回りに揺動する軌跡を描く。
【0038】
同図3に、本願にいう「駆動状態での動作が行われる領域」と、「駆動が解除された非駆動状態での動作が行われる領域」とを、ドアの「閉位置」、「開位置」に対応させて細実線で示した。ここで、「閉位置」には、所謂ドアが半ドアの状態にある「半ドア位置」と、ドアが固定される「全閉位置」とが含まれる。
【0039】
さらに、本願にあっては、後述する判定手段による判定に使用される「閉位置」近傍の位置(この位置は、ドアが「閉位置」に位置する可能性がある所定範囲内の位置)が予め設定されるが、この位置を「疑似閉判定位置」として示した。
【0040】
(ドア位置検出)
図4、5に示すように、クラッチQの出力側(アーム側)部材の外周部位に異なった極性のマグネットが交互に周方向に配置される検出用マグネットs1が備えられており、この検出用マグネットs1に対して、位置固定されたホールICs2を備え、アーム3bの揺動量(ドアの移動量)が検出可能に構成されている。
アーム3bの揺動に従って、ホールICs2により矩形波が検出され、この波数を計数することで、アーム3bの揺動量(ドアの位置)を検出することができる。また、揺動速度(ドアの移動速度)に関しては、矩形波の一波長が伸びることで、これを検出することが可能となる。この種の情報処理は、後述するコントローラ5内に備えられる車載ドア位置導出手段C1における処理で実行される。
【0041】
(ドア拘束状態検出)
クローザ12は、上述のように、ラッチ12cとストライカ12aとを備えて構成されており、ラッチ12cに対してポール12dが設けられている。これら部材の相対位置関係に従って、ドアは所定の状態を取る。
図6(イ)(ロ)(ハ)に、ストライカ12a(換言するとドア)が「フリー状態」、ストライカ12aの相対移動がある程度拘束される所謂「半ドア状態」、ストライカ12aの相対移動が完全に止められる所謂「全閉状態」における、各部材の相対位置関係を示した。同図において矢印が、ストライカ12aの侵入方向と、ラッチ12cの回転方向を示しており、ストライカ12aのラッチ12cに設けられた係合凹部13内への侵入の程度に従って、ドアの状態が替る。
【0042】
本願にあっては、上記「半ドア状態」「全閉状態」において、それぞれドアの移動が拘束されるため、これら状態を「拘束状態」と呼び、この拘束が働かない状態を「非拘束状態」と呼ぶ。
【0043】
さて、図6に示すように、前記のラッチ12cの姿勢に対応して、切り替わる切替スイッチ14が設けられている。切替スイッチ14としては、ハーフスイッチ14a、カーテシスイッチ14b、フルスイッチ14cが備えられており、これらスイッチ14が、前述の「フリー状態」、「半ドア状態」、「全閉状態」に従って好適に切り替わるように構成されている。図7に、機構的な位置(メカハーフ位置及びメカフル位置)と、各スイッチ14のON、OFF状態との関係を示した。同図が横軸がラッチの回転位相を、縦軸が各スイッチ14の状態を示している。さらに、同図最下欄に、ドアの状態である本願にいう「拘束状態」と「非拘束状態」との一例を、対応づけて示した。
【0044】
2 コントローラ5
イ 基本動作
コントローラ5は、その基本動作として、前記したように駆動機構3を動作制御を実行するとともに、ドア位置に対応して、前記クローザ12を動作制御する。
【0045】
図8に示すように、このコントローラ5は制御手段Cを構成しており、前記メインスイッチ6、ハンドルスイッチ8、バックドアスイッチ9、リモコンキー10からの信号が入力される。
【0046】
閉位置から開位置への動作に関しては、判定手段C3からの割り込みが無い基本動作制御においては、メインスイッチ6がON状態で、ハンドルスイッチ8がON操作された場合に、動作制御手段C4が働き、クローザ12を開動作させるとともに、駆動機構3を働かせて、所定位置まで、バックドア1を開動作する。バックドアスイッチ9に関しては、逆の動作を実行する。
【0047】
また、同図に示すように、ドア位置検出機構Sからの検出信号が入力され、車載ドア位置導出手段C1の働きにより、この信号に対する所定の処理を実行し、制御手段C側で、ドア位置(即ち、バックドアの開閉位置)さらには、ドアの移動速度が導出される。
【0048】
さらに、このコントローラ5には、クローザ12に対して備えられるハーフスイッチ14a,カーテシスイッチ14b、フルスイッチ14cからの信号も入るように構成されている。結果、これら切替スイッチ14の状態から、車載ドア状態特定手段C2に基づいてドアの状態が「拘束状態」か否かが認識・特定される。
【0049】
以下、制御手段Cの具体的構成に関して説明する。
図8に示すように、制御手段Cは、車載ドア位置検出用の車載ドア位置導出手段C1、車載ドア状態特定手段C2、判定手段C3、動作制御手段C4を主な手段として備えている。
【0050】
車載ドア位置導出手段C1は、原点位置リセット手段C1aを備えている。
判定手段C3は、同図に示すように、禁止判定手段C3a、リセット判定手段C3b、許可判定手段C3cを備えて構成されている。
【0051】
(動作制御手段C4)
この手段C4は、クローザ12及び駆動機構3の動作制御を実行するものであり、全閉状態から開位置までの制御に関して説明すると、ドア開指令の入力に伴って、クローザ12を開制御するとともに、駆動機構3による開動作制御を行う。
【0052】
この開動作制御は、駆動が働く駆動状態と、駆動が解除された非駆動状態との間で実行され、先にも説明したように、ドアが所定の開度に到達した状態で駆動を解除する。
この動作制御は、後述の禁止判定手段C3aによる動作制御禁止がかからない場合に実行され、さらに、許可判定手段C3cによる動作制御許可がなされた場合にも、実行される。
【0053】
(車載ドア位置導出手段C1)
この手段C1は、前述のドア位置検出機構Sからの出力信号に基づいて、現在のドア位置及び移動速度を導出する。現在のドア位置は、出力信号(アームの回動に伴う矩形波出力信号)に対する公知の累積演算処理(基本的には矩形波の波数カウント処理と、1カウントに対応する回転角の積算処理)により得ることができる。移動速度は、得られる矩形波出力の矩形幅を検出・処理することで、公知の手法により得ることができる。
【0054】
さらに、この車載ドア位置導出手段C1からの第一出力で、ドアが閉位置もしくはこれに近接した疑似閉判定位置内にあるかどうかを知ること、さらには移動速度を知ることができる。第一出力は、動作制御手段C4、判定手段C3において利用される。
【0055】
図8に示すように、この手段C1には、原点位置リセット手段C1aが備えられており、車載ドア位置導出の原点が、この手段C1aによって適宜、リセットされる。
原点位置リセット手段C1aによる原点リセットは、現在あるドア位置を、ドア位置導出の原点とするものであり、後述のリセット判定手段C3bによる禁止がかからない限りにおいて、ドアが閉位置にある場合に、現状の位置を原点位置としてリセットする。リセット動作以降のドア位置の検出は、リセット後の原点に従うものとなる。即ち、クローザ12に備えられるスイッチのON出力で、原点リセットが掛かる。また、これ以外にもドアが「拘束状態」となったことにより、原点リセットが掛かるようにすることもできる。
【0056】
(車載ドア状態特定手段C2)
車載ドア状態特定手段C2は、ドアが前記閉位置にいるとか、前記クローザ12が掛かっているといった、ドアの位置、ドアに関係する付属機器(例えばクローザ12)の状態に従って、車載ドアの状態を認識・特定し、第二出力として、判断手段側に出力する。ここで、ドアの状態とは、具体的にはドアが先に説明した「拘束状態」もしくは「非拘束状態」にあることに対応する。
【0057】
切替スイッチ14による特定
さらに具体的には、クローザ12に対応して備えられる切替スイッチ14からの出力信号に基づいてドアの状態を特定する構成を採用している。
先に説明したように、クローザ近傍には複数の切替スイッチ14が備えられており、これらスイッチ14の切替状態に基づいて、図7の最下段に示されるように、ドアが「拘束状態」もしくは「非拘束状態」にあることを、認識・特定する。この結果は、第二出力として出力され、判定手段C3での判定に使用される。
【0058】
クローザ12の動作状態による特定
別な構成例としては、クローザ12の動作状態に基づいてドアの状態を特定する構成を採用することもできる。但し、この特定手法では、これまで説明してきたドア全閉状態において「拘束状態」を特定することとなる。
図9に示すように、ドア全閉状態とそれ以外の状態(この状態をドア非全閉状態)との間における、クロザーモータ(図外)の動きは、以下の過程を経る。
即ち、同図の最上部位に示すように、ドア全閉状態が認識されている状態から、クローザ12に対するリリーストリガ入力、クローザモータ逆転、クローザモータ正転を経て、クローザ中立位置に復帰した場合に、ドアは、そのドア非全閉状態と認識できる。
逆に、ドア非全閉状態から、クローズトリガ入力、クローザモータ正転、クローザモータ逆転を経て、クローザ中立位置に復帰した場合に、ドアは、そのドア全閉状態と認識できる。
【0059】
従って、クローザ12の動作状態に伴うコントローラ側の認識に基づいて、ドアの全閉状態、非全閉状態を認識・特定し、全閉状態にある場合を「拘束状態」と、非全閉状態にある場合を「非拘束状態」とすることも可能である。
【0060】
(判定手段C3)
判定手段C3には、前述のように禁止判定手段C3a、リセット判定手段C3b,許可判定手段C3cが備えられている。
動作制御禁止判定
禁止判定手段C3aは、第一出力及び第二出力に基づいて、動作制御手段C4における動作制御禁止指令を生成し、動作制御を禁止するものである。禁止された場合は、車載ドアはフリーに動く、実質的な非駆動状態となる。
【0061】
判定は、第二出力として特定される車載ドアの状態が、車載ドアの移動が拘束される「拘束状態」にあり、且つ、第一出力である車載ドアの移動速度が有限値である場合に、動作制御を禁止する。また、前記第二出力として特定される車載ドアの状態が、車載ドアの移動が拘束されない「非拘束状態」から、拘束される「拘束状態」に切り替わり、且つ、第一出力である車載ドアの位置が、閉位置もしくは疑似閉判定位置内にない場合に、動作制御を禁止する。
【0062】
原点リセット禁止判定
リセット判定手段C3bは、車載ドア位置導出手段C1に備えられる原点位置リセット手段C1aによるリセット動作を許容するかどうかの判定を行い、所定の条件を満たす場合は、リセット禁止指令を発生し、原点リセットを禁止する。
具体的には、第二出力で特定されるドアの状態が、「非拘束状態」から、「拘束状態」に切り替わり、且つ、第一出力である車載ドアの位置が、閉位置もしくは疑似閉判定位置内にない場合に、原点リセットを禁止する。
【0063】
動作制御許可判定
許可判定手段C3cは、禁止判定手段により動作制御手段C4による動作制御が禁止された禁止状態において、第二出力として特定される車載ドアの状態が、「拘束状態」から「非拘束状態」に替わり、さらに「拘束状態」に復帰した場合に、動作制御許可指令を生成し、動作制御手段C4による動作制御を許可する。この許可の前に、復帰後の「拘束状態」で、現在ドアがある位置を原点としてリセットする。
ここで、許可とは、動作制御手段C4による動作制御が掛かる状態を意味し、必要な場合は、駆動状態でのドアの移動を実行させるものとなる。
【0064】
ロ 詳細動作
コントローラ5によって制御される基本的な動作を先に説明したが、本願発明に係る動作の詳細を、図10〜16に示す動作フローを使用して説明する。
これらフローは、第一出力、第二出力の両方を判断して、所定の処理を実行するかどうかを示すものであり、図10、11に示す例は、動作制御を禁止する例であり、図12に示す例は、原点リセットを禁止する例であり、図13は、動作制御許可の基本フローを、図14〜16に示す例は、その具体例を示すものである。
【0065】
(1)禁止判定手段C3aによる動作制御を禁止する例
a 図10に示すように、 ステップ1において、車載ドア状態特定手段C2により認識・特定されるドアの状態が、「拘束状態」か否かを判断する。具体的には、クローザ12に備えられるスイッチ14が入っている場合は、「拘束状態」にあるとされる。
一方、ステップ2において、車載ドア位置導出手段C1側からのドアの移動速度が参照され、ドアが拘束された状態を示しているにもかかわらず、このドアが移動速度を有することを検出した場合に、ステップ3において、その後のドアの動作制御(自動開閉)を禁止する。なお、ステップ2において、ドアの移動速度ではなくドアの移動量を参照し、ドアの移動量を検出した場合に、その後のドアの動作制御を禁止するようにしてもよい。
【0066】
b 図11に示すように、ステップ1において、車載ドア状態特定手段C2により認識・特定されるドアの状態が、「非拘束状態」から「拘束状態」に替わったかどうかを判断する。
一方、ステップ2において、車載ドア位置導出手段C1側からのドアの位置が、前述の疑似閉判定位置内にあるかどうかが参照される。そして、ドアが「非拘束状態」から「拘束状態」に替わっているにもかかわらず、ドアの位置が、全閉位置近傍(疑似閉判定位置内)にない場合は、ステップ3において、その後のドアの動作制御(自動開閉)を禁止する。
【0067】
(2) リセット判定手段C3bによる原点リセットを禁止する処理
図12に示すように、ステップ1において、車載ドア状態特定手段C2により認識・特定されるドアの状態が、「非拘束状態」から「拘束状態」に替わったかどうかを判断する。
一方、ステップ2において、車載ドア位置導出手段C1側からのドアの位置が、前述の疑似閉判定位置内にあるかどうかが参照される。そして、ドアが「非拘束状態」から「拘束状態」に替わっているにもかかわらず、このドアの位置が、全閉位置近傍(疑似閉判定位置内)にない場合は、ステップ3における、原点リセットをバイパスする。
【0068】
この処理は、ドア位置が、原則、毎回「拘束状態」でリセットされるシステムでは、ドア位置の認識ずれが大きくならないため、ドアが真の「拘束状態」になるのはドア位置が閉位置近傍にあった場合だけだという理解に基づいている。
【0069】
(3) 許可判定手段C3cによる動作制御禁止後の動作制御許可
この処理は、先に(1)で説明した動作制御禁止後に動作制御を復帰許容する場合の処理である。
その基本構造は、図13に示す、「拘束状態」が確からしいかどうかの判断を実行した後、原点リセットを実行し、その後、自動的な動作制御に復帰させるものである。
【0070】
上記の確からしさの判断を、「拘束状態」からの離脱、復帰をへて行う例を図14に、離脱、復帰を伴う判定にあって、復帰後の拘束状態の維持時間を加味する例を図15に、復帰後の車輌の走行状態を加味する例を図16に示した。
【0071】
a 基本構成
図13に示すように、 ステップ1は、本願にいう動作制御(自動開閉)が禁止されている状態であるかどうかを判断する。
禁止されている場合に、ステップ2において、第二出力として得られている「拘束状態」の確からしさが判断される。具体的には、図14に示すフローのステップ2〜ステップ5が、図15、16に示すフローのステップ2〜ステップ9が、この工程に該当する。
この判断において、「拘束状態」が確からしいと判断された場合に、ステップ3においてドアの現状位置をドア位置検出の原点とする原点リセット処理を施す。その後、ステップ4において動作制御を許可する。
このようにすることで、ドア位置検出の原点を正しく設定して、以降の動作制御を問題なく実行できる。
【0072】
b 拘束状態、非拘束状態、拘束状態復帰を経る動作制御許可
図14に、この処理を示した。同図において、ステップ1は図13に示すフローのステップ1に、ステップ7、8は、それぞれ、図13に示すフローのステップ3、4に対応している。
【0073】
また、このフローにおいてAは制御変数であり、動作制御が禁止されていない状態でA=0に設定され、動作制御が禁止され、ドア状態が「拘束状態」から「非拘束状態」に替わった場合にA=1とされる。判定待機では、A=0とされる(ステップ9)。
【0074】
フローからも判明するように、ステップ2において、「拘束状態」から「非拘束状態」への切り替わりが判断されるとともに、ステップ3、4、5において、この状況下で、さらに「拘束状態」に復帰したかが判断される。
そして、これら条件を満足する場合は、原点リセット(ステップ7)を実行し、さらに動作制御(ステップ8)を実行許可する。
【0075】
結果、ドア状態特定手段の基礎となるクローザ12に備えられる切替スイッチ14の動作確認(ONとOFFが切替ることの確認)と原点再リセットを実行して、正常な動作制御を実行することができる。
【0076】
c 拘束状態復帰を、復帰後の拘束状態維持時間で判定する動作制御許可
図15に、この処理を示した。同図において、ステップ1は図13に示すフローのステップ1に、ステップ10、11は、それぞれ、図13に示すフローのステップ3、4に対応している。
また、このフローにおいてA、Bは制御変数であり、動作制御が禁止されていない状態でA=B=0に設定され、動作制御が禁止され、ドア状態が拘束状態から非拘束状態に替わった場合にA=1とされ、「拘束状態」へに復帰が起こった場合にB=1となる。判定待機では、A=B=0とされる(ステップ12)。
【0077】
フローからも判明するように、ステップ2において、「拘束状態」から「非拘束状態」への変更が判断されるとともに、ステップ3においてA=1とされ、ステップ4、5において、この条件を満たす条件下で、さらに「拘束状態」に復帰したかが判断される。さらに、この復帰状況で、ステップ6、7において、B=1とされ、この条件が満足されるかどうかが判定される。そして、ステップ8、9においてドアの「拘束状態」が維持される時間が判定され、所定時間以上、復帰後に拘束状態が維持された場合に、許可可能と判断する。
これら条件を満足する場合は、原点リセット(ステップ10)を実行し、さらに動作制御(ステップ11)を実行許可する。
ステップ12にあっては、A、Bを待機状態に戻す。
結果、ドア状態特定手段C2の基礎となるクローザ12に対して備えられる切替スイッチ14の動作確認と原点再リセットを実行して、良好な動作制御を実行することとなる。
【0078】
d 拘束状態復帰を、復帰後の走行状態で判定する動作制御許可
この処理は、図15に示す処理に対して、ステップ9のみが異なる。従って、この例にあっては、このステップに関してのみ説明を加える。
即ち、図15に示す処理にあっては、「拘束状態」への復帰後の継続時間によってクローザが働いた状態にあり「拘束状態」にあると判断したが、この例では、車輌の走行に伴う関連情報により車輌が走行状態にあるとされる場合は、ドアは閉状態、即ち、「拘束状態」が確立されているとみなす。
図8に示すように、車輌が走行状態にあることを示す情報(車速、アクセル状態、シフト状態、ブレーキ状態等から走行中かどうかを判定することができる情報)を外部より取り込み、ドアの状態が「拘束状態」から、「非拘束状態」に切り替わり、再び「拘束状態」に復帰した後、車輛が走行状態にあると認識した場合に、ドアの拘束状態が確からしいと推定する。
この推定を使用することで、前例と同様に、ドア状態特定手段C2の基礎となるクローザ12に対して備えられる切替スイッチ14の動作確認と原点再リセットを実行して、良好な動作制御を実行することとなる。
【0079】
〔別実施の形態〕
(1) 上記の実施の形態にあっては、バックドアを閉状態から開状態に動作する場合の例を示したが、機構的な駆動状態を所定位置で解除して、ドアがマニュアル操作となる任意の車載ドアの動作システムにおいて、本願を採用することができる。
例えば、スライドドアに対して、このスライドドアを自動的に開閉する駆動機構と、スライドドア用のクローザを備えた動作システムにおいて、有効である。
(2) 車載ドアの位置あるいは移動速度検出に関しては、公知の技術を採用することができる。即ち、ロータリーエンコーダやポテンショメータを採用するのも一つの方法である。
(3) 上記の実施の形態にあっては、第一出力、第二出力の取り込みは、ドアの実際の動きに従ったものとしたが、これをテスト的に動作システム内で自動的に実行可能としてもよい。
即ち、図17に示すように、制御手段に、疑似動作開始指令発生手段C5を設け、この手段C5により発生されるトリガ出力を受けた場合に、ドアを「全閉状態」から「半ドア状態」を経て、一旦、「非拘束状態」とし所定小量の開動作の後、再度、「全閉状態」に復帰させるものとする。
このようにして擬似動作制御を実行した後の復帰後の「拘束状態」で第一出力、第二出力に基づいて判定を実行するとともに、許可判定手段C3cを働かせて、正常な動作を確保するものとすることもできる。
(4) 上記の実施の形態にあっては、車載ドア状態特定手段におけるドア状態の認識・特定にクローザ周りに備えられるスイッチ、クローザの動作状態を使用する例を示したが、クローザ以外であってもよい。
例えば、車輌が走行状態にある場合は、本願にいう「拘束状態」となっているものと特定することも可能である。
さらに、先にも示したように、「拘束状態」の認識は、半ドア状態から初めても、あるいは、全閉状態でのみ「拘束状態」と認識・特定するものであってもよい。後者の構造を採る場合は、先に説明したクローザに備えられるフルスイッチの出力信号により、あるいはクローザに備えられるモータの動作を、認識・特定の基準とすることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の車載ドアの動作システムを採用する車両のバックドア側斜視図
【図2】閉状態にあるバックドアを示す図
【図3】開状態にあるバックドアを示す図
【図4】駆動ユニットの内部構造を説明するための分解斜視図
【図5】駆動ユニットの断面詳細図
【図6】クローザにおけるストライカとラッチとの相対位置関係の説明図
【図7】切替スイッチの切替状態と拘束状態、非拘束状態の関係を示す図
【図8】コントローラ周りの構成を示す図
【図9】クローザの動作を基礎とする全閉状態認識の説明図
【図10】自動開閉禁止のフローの一実施例を示す図
【図11】自動開閉禁止のフローの一実施例を示す図
【図12】原点リセット禁止のフローの一実施例を示す図
【図13】自動開閉許可の基本フローを示す図
【図14】自動開閉許可の詳細フローの一実施例を示す図
【図15】自動開閉許可の詳細フローの一実施例を示す図
【図16】自動開閉許可の詳細フローの一実施例を示す図
【図17】疑似開閉動作制御を実行する動作システムの構成図
【符号の説明】
1 バックドア
3 駆動機構
5 コントローラ
12 クローザ
14 切替スイッチ
C 制御手段
C1 車載ドア位置導出手段
C1a原点位置リセット手段
C2 車載ドア状態特定手段
C3 判定手段
C3a禁止判定手段
C3bリセット判定手段
C3c許可判定手段
C4 動作制御手段
C5 疑似動作開始指令発生手段
S ドア位置検出機構
Claims (8)
- 車載ドア1を閉位置と開位置との間で開閉駆動可能な駆動機構3と、
前記車載ドア1の位置もしくは移動速度を第一出力として導出する車載ドア位置導出手段C1と、
前記駆動機構3による駆動が働く駆動状態で前記車載ドア1を前記第一出力に基づいて動作制御する動作制御手段C4と、
前記車載ドア1が前記閉位置又は半ドア位置にあるかを検知可能な付属機器12の状態に基づいて、前記車載ドア1の状態が、その移動が拘束される拘束状態又は拘束を受けない非拘束状態であるかを認識・特定し、第二出力として出力する車載ドア状態特定手段C2と、
前記第一出力及び前記第二出力に基づいて、前記動作制御手段C4による動作制御の必要性を判定し、前記動作制御の必要性がない場合は前記動作制御手段C4による動作制御を禁止する禁止判定手段C3aとを備える車載ドアの動作システム。 - 前記動作制御が禁止された禁止状態において、
前記第二出力として特定される前記車載ドア1の状態が、前記拘束状態から前記非拘束状態に替わり、さらに前記拘束状態に復帰した場合に、
復帰後の前記拘束状態で、前記車載ドア位置導出手段C1におけるドア位置導出のための原点をリセットし、前記動作制御手段C4による動作制御を許可する許可判定手段C3cを備える請求項1記載の車載ドアの動作システム。 - 前記第二出力として特定される前記車載ドア1の状態が前記拘束状態にあり、且つ、前記第一出力が導出され前記車載ドア1の移動が認められた場合に、
前記禁止判定手段C3aが、前記動作制御を禁止する請求項1記載の車載ドアの動作システム。 - 前記第二出力として特定される前記車載ドア1の状態が前記非拘束状態から前記拘束状態に切り替わり、且つ、前記第一出力として導出される前記車載ドア1の位置が前記閉位置から前記開位置側への一定範囲である擬似閉判定位置内にない場合に、
前記禁止判定手段C3aが、前記動作制御を禁止する請求項1記載の車載ドアの動作システム。 - 車載ドアを閉位置と開位置との間で開閉駆動可能な駆動機構3と、
前記車載ドア1の位置もしくは移動速度を第一出力として導出する車載ドア位置導出手段C1と、
前記駆動機構3による駆動が働く駆動状態で前記車載ドアを前記第一出力に基づいて動作制御する動作制御手段C4と、
前記車載ドア1が前記閉位置又は半ドア位置にあるかを検知可能な付属機器12の状態に基づいて、前記車載ドア1の状態が、その移動が拘束される拘束状態又は拘束を受けない非拘束状態であるかを認識・特定し、第二出力として出力する車載ドア状態特定手段C2と、
前記車載ドア位置導出手段C1における車載ドア位置導出のための原点をリセットする原点位置リセット手段C1aと、
前記第一出力及び前記第二出力に基づいて、前記原点位置リセット手段C1aのリセット動作の必要性を判定し、前記リセット動作の必要性がない場合は前記原点位置リセット手段C1aのリセット動作を禁止するリセット判定手段C3bとを備える車載ドアの動作システム。 - 前記第二出力として特定される前記車載ドア1の状態が前記非拘束状態から前記拘束状態に切り替わり、且つ、前記第一出力として導出される前記車載ドア1の位置が前記閉位置から前記開位置側への一定範囲である擬似閉判定位置内にない場合に、
前記リセット判定手段C3bが、前記リセット動作を禁止する請求項5記載の車載ドアの動作システム。 - 前記拘束状態と前記非拘束状態との間で状態切替がなされる切替スイッチ14を備え、
前記切替スイッチ14の出力に基づいて、前記車載ドア状態特定手段C2が、前記車載ドア1の状態を特定する請求項1〜6のいずれか一項記載の車載ドアの動作システム。 - 前記動作制御手段C4を働かせて、前記拘束状態から一旦前記非拘束状態に動作制御した後、再度前記拘束状態に復帰させる疑似動作制御を実行可能に構成されている請求項7記載の車載ドアの動作システム。
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