JP4294454B2 - 羽ばたき装置 - Google Patents

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Description

本発明は、羽ばたき飛行する羽部を有する羽ばたき装置に関するものであり、特に、1自由度のアクチュエータ2機を用いて、羽ばたきの打ち上げと打ち下ろしとの切り替わり時に、羽の捻り角(羽面に沿った羽弦方向の傾き)を変化させることが可能な羽ばたき装置に関するものである。
昨今、家庭内で使用可能なロボットなど、様々なロボットが開発されているが、羽ばたき飛行によって移動するマイクロロボットについても、その研究が盛んになりつつある。羽ばたき運動をさせる機構についても、3自由度のアクチュエータまたは1自由度のアクチュエータを2機を用いた機構などが提案されている。
特開2002−326599号公報
これまでに提案されている3自由度のアクチュエータは、非常に精密な加工精度が要求されるため、小型化することが困難である。
また、1自由度のアクチュエータを2機を用いた羽ばたき装置は、羽部を駆動させる2つの羽軸が羽部の前縁部および後縁部のそれぞれに設けられている。そのため、羽部を大きく捻るためには、2本の羽軸の往復運動の位相差を大きく変化させねばならない。その結果、アクチュエータの駆動負荷が大きくなってしまう。
本発明の目的は、上記従来の問題を解消するためになされたものであり、その目的は、アクチュエータの駆動負荷を小さくすることができる羽ばたき装置を提供することである。
本発明の一の局面の羽ばたき装置は、流体が存在する空間を羽ばたくための羽部であって、その羽部の外周縁を構成する羽縁部と、その羽縁部の内側に張られた膜部とを含み、少なくとも流体から力を受ける側における羽縁部の弾性率が膜部の弾性率よりも高い羽部を備えている。また、羽ばたき装置は、羽部を支持するように、膜部に取り付けられた第一の羽軸部と、羽部を支持するように、膜部に取り付けられた第二の羽軸部とを備えている。さらに、羽ばたき装置は、第一の羽軸部の一端と接続され、第一の羽軸部を往復運動させる第一の駆動部と、第一の駆動部とは独立して駆動することが可能であ駆動部であって、第二の羽軸部の一端と接続され、第二の羽軸部を往復運動させる第二の駆動部とを備えている。前述の構成の羽ばたき装置において、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の距離が、羽部の幅よりも小さい。
上記構成によれば、第一の羽軸部が羽部の前縁部設けられ、かつ、第二の羽軸部が後縁部に設けられている従来の羽ばたき装置に比較して、羽部の幅を変更することなく、すなわち、羽部の全体の面積を変更することなく、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の距離を小さくすることができる。その結果、羽部を捻るために必要となる第一の羽軸部の往復運動と第二の羽軸部の往復運動との間の位相差の変化の幅を小さくすることができる。したがって、第一駆動部および第二の駆動部の負荷を低減することができる。
また、本発明の他の局面の羽ばたき装置は、前述の第一の局面の羽ばたき装置において、少なくとも流体から力を受ける側における羽縁部の弾性率が膜部の弾性率よりも高くなっておらず、第一の羽軸部が、膜部に取り付けられる代わりに、少なくとも第一の羽軸部の一部が羽縁部に取り付けられている。
上記構成によれば、一の局面の羽ばたき装置により得られる効果に加えて、羽部のフラッタリング(流体から受ける力によって、羽部の固有振動数で羽部が振動してしまう共振現象)を防止することができるため、羽ばたき飛行を安定化させることができる。
また、本発明の一の局面または他の局面の羽ばたき装置は、好ましくは、第一の羽軸部と第二の羽軸部の間に挟まれた膜部がコルゲーション構造を有している。
上記構成によれば、第一の羽軸部の往復運動の位相と第二の羽軸部の往復運動の位相との差によって羽部が捻られたときに、コルゲージョンが伸縮する。それにより、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間に挟まれた膜部に生じる面内方向の応力を小さくすることができる。その結果、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間に挟まれた膜部が第一の羽軸部と第二の羽軸部とを引き寄せ合う力が減少する。したがって、第一の駆動部および第二の駆動部の負荷が低減される。
また、本発明の一の局面または他の局面の羽ばたき装置は、好ましくは、第一の羽軸部と第二の羽軸部の間に挟まれた膜部のヤング率が、第一の羽軸部と第二の羽軸部の間に挟まれていない膜部のヤング率より小さい値である。
上記の構成によれば、第一の羽軸部の往復運動の位相と第二の羽軸部の往復運動の位相との差によって羽部が捻られたときに、第一の羽軸部と第二の羽軸部の間に挟まれた膜部に生じる面内方向の応力を小さくすることができる。したがって、上記のように、第一の駆動部および第二の駆動部の負荷が低減される。
また、本発明の一の局面または他の局面の羽ばたき装置は、好ましくは、第一の羽軸部が、第一の駆動部に接続された第一の中軸部と、膜部に取り付けられ、第一の中軸部が挿入された第一の筒部と、を有し、羽ばたき運動中において、第一の筒部が、第一の中軸部が延びる方向を回転軸として、回転する。
また、本発明の一の局面または他の局面の羽ばたき装置は、好ましくは、第一の羽軸が第二の羽軸よりも前縁に近い位置に設けられ、第二の羽軸部が、第二の駆動部に接続された第二の中軸部と、膜部に取り付けられ、第二の中軸部が挿入された第二の筒部と、を有し、羽ばたき運動中において、第二の筒部が、第二の中軸部が延びる方向を回転軸として、回転する。
上記構成によれば、第一の羽軸部の往復運動の位相と第二の羽軸部の往復運動の位相との間の差によって羽部が捻られたときに、第一の羽軸部と第二の羽軸部の間に挟まれた膜部が第一の羽軸部および第二の羽軸部の運動に追随する。そのため、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間に挟まれた膜部に生じる面内方向の応力を小さくすることができる。したがって、上記のように、第一の駆動部および第二の駆動部の負荷が低減される。
また、本発明の一の局面または他の局面の羽ばたき装置は、羽部が静止している状態においては、第一の羽軸部または第二の羽軸部にほぼ平行な第一方向に沿って膜部を切ったときの断面形状の曲率よりも、第一方向にほぼ垂直な第二方向に沿って膜部切ったときの断面形状の曲率の方が大きい。
上記構成によれば、たとえば、羽部の打ち上げ方向に凸状にすれば、打ち上げ時に羽部の幅(翼弦長)が小さくなり、かつ、羽部が羽部の上面側(凸面側)から受ける流体力を低減させることができるとともに、打ち下ろし時に羽部の幅(翼弦長)が大きくなり、羽部が羽部の下面側(凹面側)から受ける流体力を増加させることができる。したがって、上記の構成によれば、羽ばたき装置の浮上力が増大する。さらに、滑空飛行時等には、通常の羽ばたき飛行で利用している抗力だけでなく、羽部が流体から受ける揚力を大きくすることができるため、羽ばたき飛行に必要なエネルギーを低減することができる。
本発明の羽ばたき装置は、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の距離をaとし、羽部の長さをlとしたときに、l/aが4以上であることが望ましい。さらに、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の距離をaとし、羽部の長さをlとしたときに、l/aが8以上であることが望ましい。また、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の距離をaとし、羽部の長さをlとしたときに、l/aが12以上であることがより望ましい。加えて、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の距離をaとし、羽部の長さをlとしたときに、l/aが16以上であることが望ましい。また、さらに、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の距離をaとし、羽部の長さをlとしたときに、l/aが20以上であることが最も望ましい。
l/aの値を大きくすると、羽ばたき飛行に必要な、第一の羽軸部の第二の羽軸部との間の位相差の絶対値を小さくすることができる。また、l/aの値を大きくすると、打ち上げ時の第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の位相差と、打ち下ろし時の第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の位相差と、の間の相違量(打ち上げと打ち下ろしとの間の位相差の変化の度合)も小さくすることができる。その結果、第一および第二の駆動部の負荷を低減することができる。
また、第一および第二の駆動部の負荷を低減するという観点では、羽部の幅をwとし、第一の羽軸部と第二の羽軸部との間の距離をaとしたときに、w/a=5以上であることが望ましい。
以下、本発明の実施の形態の羽ばたき装置を、図を用いて、詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の羽ばたき装置の駆動部、羽軸部、および羽部を説明するための図である。
羽部100は、羽の形状を形成する、すなわち、羽部100の外周縁を構成する羽縁部101と、羽縁部101の内部に張られた膜部102とを有している。羽部100は、羽ばたき運動において、流体に対して力を及ぼし、その力の反作用として、飛行に必要な浮上力(抗力および揚力を含む)を受け取る部分である。
第一の羽軸部103および第二の羽軸部104としては、長さが40mmであり、かつ、厚さおよび幅のそれぞれが150μmであるステンレス製の角材が用いられている。ただし、第一の羽軸部103および第二の羽軸部104の材質および形状は、前述の材質および形状に限定されない。
また、羽縁部101には、厚さが20μmであり、かつ、幅が200μmであるステンレス製の角材が用いられている。それにより、前述の第一の羽軸部103および第二の羽軸部104のそれぞれを構成する角材よりも変形量の大きな柔らかい縁取りにすることができる。もちろん、飛行に適した軽くて強度の高い材質であれば、カーボングラファイトまたはキトサンなどの有機材料を羽縁部101の材料として用いることができる。
ただし、羽縁部101は、膜部102と異なる材料を用いて構成されるものではなく、単に膜部102の縁取り部、すなわち膜部102の外周部により構成されていてもよい。その場合には、膜部102は弾性率が高い材質で構成されることが望ましい。
また、膜部102は、模型飛行機などで使われている厚さが4μm程度のポリエチレンフィルムまたはポリイミドのような樹脂を用いて形成されている。ただし、膜部102には、いわゆる膜状の材質であるため、その面内方向の張力が主な内部応力として発生する。したがって、弾性率が低い場合は、羽縁部101に膜部102より高い弾性率の材質を用いるか、または、羽縁部101の縁縁取り部の形状を工夫することにより、縁取り部の弾性率が膜部102の内部の弾性率よりも高くすることが望ましい。このとき、羽縁部101は、その縁取り部の全周にわたって、同じ弾性率を有している必要はない。実際の羽ばたき装置の主たる飛行方向の側のみが、膜部102の内部より高い弾性率を有するだけで、羽部100が流体から受ける力によってフラッタリング(流体から受ける力によって、羽部がその固有振動数で振動してしまう共振現象)することを防止することができる。
また、羽部100には、第一の羽軸部103および第二の羽軸部104が取り付けられている。第一の羽軸部103の一端には、第一の羽軸部103を駆動させる第一の駆動部105が接続されている。第二の羽軸部104の一端には、羽軸部104を駆動させる第二の駆動部106が接続されている。
これら駆動部および羽軸部については、後述する「浮上方法」および「羽ばたき制御」の項目において、詳細に説明する。本実施の形態においては、羽を捻るために、第一の羽軸部103の往復運動の位相と第二の羽軸部104の往復運動の位相との間に位相差φが存在するが、一般的に打ち上げ時の第一の羽軸部103と第二の羽軸部104との間の位相差φ↑と打ち下ろし時の第一の羽軸部103と第二の羽軸部104との間の位相差φ↓とは異なる。
本実施の形態では、2本の羽軸部103および104が膜部102に取り付けられているため、実施の形態3において述べるように、従来の2本の羽軸が膜部の前縁と後縁とに設けられている場合に比較して、羽部100の全体の面積を保持したまま、第一の羽軸部103と第二の羽軸部104との間の距離aが羽幅w(翼弦長)よりも小さくなるように、第一の羽軸部103および第二の羽軸部104を羽部100に取り付けることができる(例えば、羽の長さl=40mm、かつ、羽の幅(翼弦長)w=10mmに対して、第一の羽軸部103と第二の羽軸部104との間の距離a=2mmである。これは、図5のl/a=20の場合に相当する。)。
このl/aの値を大きくすると、羽ばたき飛行に必要な、第一の羽軸部103の第二の羽軸部104との間の位相差φの絶対値を小さくすることができる。また、l/aの値を大きくすると、打ち上げ時の第一の羽軸部103と第二の羽軸部104との間の位相差φ↑と打ち下ろし時の第一の羽軸部103と第二の羽軸部104との間の位相差φ↓との間の相違量(打ち上げと打ち下ろしとの間の位相差の変化の度合)も小さくすることができる。その結果、アクチュエータの駆動負荷を低減することができる。なお、アクチュエータの駆動負荷を低減するという観点から、w/a=5以上であることが望ましい。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2の羽ばたき装置の第一の駆動部205、第二の駆動部206、第一の羽軸部203、第二の羽軸部204、および羽部200(羽縁部201,膜部202)を示す図である。これら各部位のそれぞれの構造は、基本的には、実施の形態1の第一の駆動部105、第二の駆動部106、第一の羽軸部103、第二の羽軸部104、および羽部100(羽縁部101,膜部102)のそれぞれの構造とほぼ同様である。本実施の形態の羽ばたき装置が実施の形態1の羽ばたき装置と異なるところは、第一の羽軸部203が、前縁部の一部の羽縁部201上に取り付けられていることである。
本実施の形態の羽ばたき装置によっても、実施の形態1と同様に、羽部200の全体の面積を保持したまま、第一の羽軸部203と第二の羽軸部204との間の距離aを羽幅w(翼弦長)よりも小さくすることができる。その結果、本実施の形態の羽ばたき装置によれば、従来の2本の羽軸が膜部の前縁と後縁とに設けられている場合に比較して、羽部100に捻りを生じさせる、第一の羽軸部203の往復運動と第二の羽軸部204の往復運動との間の位相差に関して、打ち上げ時の位相差と打ち下ろし時の位相差との間の相違量を小さくすることができる。したがって、本実施の形態の羽ばたき装置によれば、実施の形態1の羽ばたき装置と同様の理由で、アクチュエータの駆動負荷を低減することができる。
また、実施の形態1の羽ばたき装置では、羽部100(特に、羽軸部よりも飛行方向前方側の羽部)において、流体から受ける力によって羽部の固有振動数で羽部100が振動してしまう共振現象、いわゆるフラッタリングが生じる。しかしながら、本実施の形態の羽ばたき装置によれば、第一の羽軸部203が、羽の前縁部の一部の羽縁部201上に形成されているため、フラッタリングの発生を防止することができる。その結果、実施の形態1の羽ばたき装置よりも、本実施の形態の羽ばたき装置の方が、羽ばたき飛行を安定させることができる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3の羽ばたき装置の第一の駆動部305、第二の駆動部306、第一の羽軸部303、第二の羽軸部304、および羽部300(羽縁部301,膜部302)を示す図である。これら各部位のそれぞれの構造は、基本的には、実施の形態2の第一の駆動部205、第二の駆動部206、第一の羽軸部203、第二の羽軸部204、および羽部200(羽縁部201,膜部202)のそれぞれの構造とほぼ同様である。
本実施の形態の羽ばたき装置が、実施の形態2の羽ばたき装置と異なるところは、第一の羽軸部303と第二の羽軸部304とが、互いに平行に配置され、第一の羽軸部303および第二の羽軸部304のそれぞれの長さが、羽部300の長さl(すなわち前縁の長さ)と一致していることである。
以下では、説明を分かりやすくするため、図3を用いて本発明の主旨を述べる。
「浮上方法」および「羽ばたき制御」の項で後述するように、羽ばたき運動によって飛行する場合、打ち下ろし時と打ち上げ時で、羽部300が影響を及ぼす流体の体積を異ならせる必要がある。そのため、膜部302の平面が羽ばたき運動面(ストローク面)となす角(捻り角)αを、打ち上げ時と打ち下ろし時で変えなければならない。
そこで、第一の羽軸部303の往復運動と第二の羽軸部304の往復運動とが位相差φを有するようにする。この場合、羽先端部における捻り角αは、およそ次の式で表される。
α=(l/a)・{sin[γ・cosτ]−sin[γ・cos(τ+φ)]}
ここで、aは羽軸間距離、lは羽の長さ、γは羽ばたき角、τは羽ばたき運動の位相を表す(図3および「羽ばたき制御」の項を参照のこと)。
この式から、第一の羽軸部303と第二の羽軸部304との間の距離aが、羽部300の長さlより小さいほど、同じ位相差φに対して、より大きな捻り角αが得られることが分かる。つまり、第一の羽軸部303と第二の羽軸部304との間の距離aが、羽部300の長さlより小さいほど、実際の羽ばたき飛行において、打ち上げ時の羽部300の捻り角αと打ち下ろし時の羽部300の捻り角αとの差、すなわち、打ち上げ時の位相差φ↑と、打ち下ろし時の位相差φ↓と間の相違量を小さくすることができる。したがって、駆動部305および306の負荷を減らせることができる。
例えば、後に「羽ばたき制御」で述べる図10に示す羽ばたき飛行の例と同じ浮上力を得るためには、l/a=4である場合、打ち下ろし時の位相差φ↓=1°であり、打ち上げ時の位相差φ↑=4°であればよい。この場合、位相差の相違量は、3°であり、図10を用いて後述する羽ばたき飛行の例の場合の位相差の相違量が12°(打ち下ろし時の位相差φ↓=4°であり、打ち上げ時の位相差φ↑=16°である)である場合に比べて、非常に小さい。
図5は、前述のαの式をグラフで表したものである。図5では、位相差は、φ=4°に固定されており、捻り角αとl/aの値との関係が示されている。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4の羽ばたき装置の第一の駆動部405、第二の駆動部406、第一の羽軸部403、第二の羽軸部404、および羽部400(羽縁部401,膜部402)を示す図である。これら各部位のそれぞれの構造は、基本的には、実施の形態3の第一の駆動部305、第二の駆動部306、第一の羽軸部303、第二の羽軸部304、および羽部300(羽縁部301,膜部302)のそれぞれの構造とほぼ同様である。
実施の形態3の羽ばたき装置においては、第一の羽軸部303の往復運動と第二の羽軸部304の往復運動との間に位相差φがある場合、2本の羽軸の間の部分の膜部302aには、それ以外の膜部302bよりも大きな張力がかかるという問題がある。
そこで、本実施の形態の羽ばたき装置は、図4に示すように、第一の羽軸部403と第二の羽軸部403との間の膜部402aにコルゲーション構造408が設けられている。本実施の形態の羽ばたき装置は、膜部402aにコルゲージョン構造408が設けられている。なお、コルゲーション構造408に代えて、第一の羽軸部403と第二の羽軸部404の間に挟まれた膜部402のヤング率が、第一の羽軸部403と第二の羽軸部404の間に挟まれていない膜部402のヤング率より小さい値である構造が用いられてもよい。これらの構造によれば、前述の位相差φがあることに起因して膜部402aに生じる張力を低減させることができる。その結果、第一の駆動部405および第二の駆動部406にかかる負荷を低減することができる。
また、実施の形態3の羽ばたき装置では、羽ばたき運動時のひねりによって、第一の羽軸部303と第二の羽軸部304の間の膜部402aに捻じれが生じる。そのため、本実施の形態では、図4に示すように、第一の羽軸部403が中軸410aと中軸410aを外装する筒部411aとにより構成され、中軸410aと筒部411aとが中軸410aが延びる方向を中心軸として相対的に回転し得るように構成されている。
また、第二の羽軸部404が中軸410bと中軸410bを外装する筒部411bとにより構成され、中軸410bと筒部411bとが筒部411bが延びる方向を中心軸として相対的に回転し得るように構成されている。そのため、膜部402aの捻じれによって膜部402aと第一および第二の羽軸部403および404とに生じる歪み量が小さい。その結果、第一の駆動部405および第二の駆動部406にかかる負荷を低減することができる。
また、本実施の形態の羽ばたき装置は、図4に示すように、膜部402bの断面形状が所定の曲線で構成されている。例えば、この曲線を打ち上げ方向に凸状の曲線にすれば、打ち上げ時においては、羽幅(翼弦長)wが減少するように羽部400が撓み、羽部400の上側(突出する側)から羽部400が受ける流体力が減少する。また、打ち下ろし時においては、羽幅(翼弦長)wが増加するように羽部400が広がり、羽部400がその下面(凹面側)から受ける流体力が増加する。
したがって、羽部400が打ち上げ方向に凸状の曲線となる断面形状を有していれば、羽ばたき装置の浮上力が増加する。さらに、羽部400が羽ばたき運動を行なわずに滑空飛行する場合には、羽部400に揚力を生じさせることが可能になる。別な観点から言えば、羽部400が静止している状態においては、第一の羽軸部403または第二の羽軸部4004にほぼ平行な第一方向に沿って膜部402aおよび402bを切ったときの断面形状の曲率よりも、第一方向にほぼ垂直な第二方向に沿って膜部402aおよび402b切ったときの断面形状の曲率の方が大きいことが望ましい。
(羽ばたき装置の構成)
図6(a)および図6(b)を用いて、上述の実施の形態1〜4のそれぞれにおいて用いられる羽ばたき装置の基本構造を説明する。ただし、以下に説明する羽ばたき装置の羽部には、前述の実施の形態1〜4のそれぞれの羽ばたき装置の羽部、駆動部、および羽軸部が取り付けられるものとする。したがって、以下に示す羽ばたき装置の動作を上記実施の形態1〜4の羽ばたき装置が実行するものとする。
図6(a)および図6(b)に示す羽ばたき装置の駆動部には、1自由度の往復運動が可能な振動型アクチュエータが用いられている。図6(a)では、羽ばたき装置の前方正面部分が示され、図6(b)では、羽ばたき装置の前方正面に向かって左側面部分が示されている。
なお、図6(a)、および図6(b)では、羽ばたき装置の前方正面に向かって左羽しか示されていないが、実際には、胴体部705の中心軸709を挟んで左右対称に右羽も形成されている。また、説明を簡単にするため、胴体部705が延びる方向に沿った軸(胴体軸708)は水平面内にあり、重心を通る中心軸709は、鉛直方向に保たれているとものとする。
図6(a)および図6(b)に示すように、羽ばたき装置の胴体部705には、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704と、それらの間に張られた羽部(ここでは図を見易くするために、羽軸間の膜部706のみを示す)とを有する羽(左羽)が取り付けられている。
また、胴体部705には、第1の羽軸部703を駆動するための振動型アクチュエータ701と、第2の羽軸部704を駆動するための振動型アクチュエータ702とが搭載されている。このようなアクチュエータ701および702の配置、ならびに、第1の羽軸部703、第2の羽軸部704、および両羽軸間の膜部706を含む羽全体(ここでは図示されていない)の形状は、飛行の性能が損なわれないならば、図6に示されるものに限られない。
さらに、この羽ばたき装置の場合、羽の断面形状を鉛直上方に凸となるようにしておけば、水平方向へ飛行するときに、抗力だけでなく、揚力も発生し、より大きな浮上力が得られることになる。
また、この羽ばたき装置の重心の位置は、羽ばたき装置の安定性を重視する場合には、羽が周囲の流体から羽部が受ける力がアクチュエータに作用するアクチュエータの回転中心点の位置よりも下方に存在するように設定されていことが望ましい。一方、羽ばたき装置がその姿勢を容易に変更することができるということを重視する場合には、重心の高さと前述のアクチュエータの回転中心点の高さとを略一致させておくことが望ましい。この場合には、羽ばたき装置の姿勢を制御するために必要とされる、左の羽が流体から受ける力と右の羽が流体から受ける力との差が小さくてもよいため、羽ばたき装置の姿勢の変更を容易に行なうことができる。
2つの振動型アクチュエータ701および702は、互いに振動軸700(振動型アクチュエータの振動の固定点、すなわち回転中心点を通る軸)を共有している。この振動軸700と胴体軸708とは、所定の角度(90°−θ)をなしている。第1および第2の羽軸部703および704のそれぞれは、振動型アクチュエータ701および702のそれぞれの回転中心軸を支点として振動軸700と直交する平面内を往復運動する。この振動軸700と直交する平面と胴体軸708とのなす角度が仰角θとなる。
胴体部705としては、機械的強度を確保するととも、十分な軽量化を図るために、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを円筒状に成形したものが用いられることが望ましいが、胴体部705の材料および形状は、前述のような材料および形状に限定されるものではない。
さて、図6(a)および図6(b)に示された羽ばたき装置では、振動型アクチュエータ701には羽軸部703が取り付けられ、振動型アクチュエータ702には羽軸部704が取り付けられている。
第1の羽軸部703と第2の羽軸部704との間には、膜部706が張られている。膜部706は、その面内において収縮する方向に自発的な張力を有しており、その張力は、羽全体の剛性を高める働きをしている。
軽量化のため、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704のそれぞれは、中空構造であり、カーボングラファイトを用いて形成されている。このため、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704のそれぞれには弾力性を有しており、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704のそれぞれは、膜部706の面内に生じている張力に応じて変形する。
図7は、本羽ばたき装置の全体の構造を示す図である。なお、前方方向(紙面に向かって上方向)に向かって左側の羽は省略されている。
胴体部705には、加速度センサ1003および角加速度センサ1004が設けられている。これらのセンサによる検出結果は、演算部で処理された後、羽ばたき制御部1005に送られる。演算部では、羽ばたき装置の浮上状態および姿勢などの情報が処理される。羽ばたき制御部1005では、左右のアクチュエータ701,702および重心制御部1007の駆動制御の態様が決定される。
なお、ここでは、本羽ばたき装置の浮上状態および姿勢などを検出する手段として、加速度センサ1003および角加速度センサ1004を用いたが、本羽ばたき装置の浮上状態および姿勢が計測可能なセンサであれば、羽ばたき装置に用いられるセンサは、前述のセンサに限定されない。
たとえば、直交する3軸方向の加速度を測定可能な加速度センサ2つをそれぞれ胴体部1000の異なる位置に配置し、その2つの加速度センサにより得られる2つの加速度情報を用いても、本実施の形態の羽ばたき装置の姿勢を特定することは可能である。また、本実施の形態の羽ばたき装置が移動する空間内に磁場分布を設けておき、磁気センサによって、この磁場分布を検知することで、本実施の形態の羽ばたき装置の位置および姿勢を特定することも可能である。
また、図7においては、加速度センサ1003および角加速度センサ1004のようなセンサ類は、演算部および羽ばたき制御部1005とは別部品として示されている。しかしながら、羽ばたき装置の重量の軽減を図るということを考慮すれば、たとえば、マイクロマシニング技術により、加速度センサ1003および角加速度センサ1004は一体的に同一基板上に形成されていてもよい。
また、本羽ばたき装置では、羽を駆動するために、オープンループ制御が用いられているが、羽の付け根に羽の角度センサが設けられ、この角度センサによって得られる角度情報を用いて、クローズドループ制御が行なわれてもよい。
なお、浮上する空間における流体の流れが既知であり、予め定められた羽ばたき方によって浮上することが可能であるならば、ここに挙げたセンサ類は必須のものではない。
羽ばたき制御部1005は、メモリ部1008にアクセス可能に接続されており、羽ばたき制御に必要な既存のデータをメモリ部1008から読み出すことができる。また、羽ばたき制御部1005は、各センサによって得られた情報をメモリ部1008に送信し、必要に応じて、メモリ部1008の情報を書き換えることが可能であり、それにより、羽ばたき装置に学習機能を持たせることができる。
なお、各センサによって得られた情報をメモリ部1008に蓄積するだけであれば、羽ばたき制御部1005を介さずに、メモリ部1008とセンサのそれぞれとが、直接接続されていてもよい。また、羽ばたき制御部1005は、通信制御部1009に電気的に接続されており、羽ばたき制御部105と通信制御部1009との間でデータの入出力が行なわれる。通信制御部1009は、アンテナ部1010を介して、外部の装置(他の羽ばたき装置またはベースステーションなど)とデータの送受信を行なう。
このような通信機能により、羽ばたき装置が取得してメモリ部1008に蓄えられたデータを速やかに外部の装置に転送することができる。また、羽ばたき装置では、入手できない情報を外部の装置から受け取り、そのような情報をメモリ部1008に蓄積する。それにより、羽ばたき装置は、このような外部から送信されてきた情報を羽ばたき飛行の制御に利用することができる。たとえば、羽ばたき装置は、メモリ部1008に大きなマップ情報の全てを記憶させておかなくても、随時、必要な範囲のマップ情報をベースステーションなどから入手することなどが可能となる。
なお、図8では、アンテナ部1010は、胴体部1000の端から突き出た棒状のものとして示されているが、アンテナ部は、アンテナ部としての機能を有するものであれば、その形状および配置などは、図8に示すものに限定されない。たとえば、羽部714の羽縁部が利用され、羽縁上にループ状のアンテナ部が形成されていてもよい。また、胴体部1000にアンテナ部を内蔵した形態の羽ばたき装置であっても、または、アンテナ部1010と通信制御部1009とを一体化させた形態の羽ばたき装置であってもよい。
加速度センサ1003、角加速度センサ1004、演算部、羽ばたき制御部1005、左右のアクチュエータ701,702、重心制御部1007、メモリ部1008、通信制御部1009、およびアンテナ部1010などは、電源部1011により供給される電流によって駆動される。
ここでは、駆動エネルギーとして電力を用いたが、駆動エネルギーとして燃料を用いてもよく、その場合には、振動型アクチュエータの代わりに内燃機関が用いられる。また、昆虫の筋肉に見られるような、生理的酸化還元反応を利用したアクチュエータを用いることも可能である。また、駆動エネルギーを羽ばたき装置の内部に有する手法ではなく、アクチュエータの駆動エネルギーを外部から取得する手法が用いられてもよい。たとえば、外部の駆動エネルギーを利用して電力を得るための手段として、熱電素子または電磁波などが用いられてもよい。
(浮上方法)
説明の簡便のため、本羽ばたき装置に作用する外力は、羽が流体から受ける流体力および羽ばたき装置に作用する重力(羽ばたき装置の質量と重力加速度との積)のみであるとする。本羽ばたき装置が恒常的に浮上するためには、1回の羽ばたき動作の間の時間平均において、次の関係、
(羽に作用する鉛直上方向の流体力)>(本羽ばたき装置に作用する重力)
を満たすことが必要とされる。1回の羽ばたき動作とは、羽を打ち下ろし動作とその直後の羽を打ち上げる動作とからなる動作を言う。
さらに、鉛直上向きの流体力を羽ばたき装置に作用する重力より大きくして、羽ばたき装置を上昇させるためには、
(打ち下ろし動作において羽に作用する鉛直上向きの流体力)
>(打ち上げ動作において羽に作用する鉛直下向きの流体力)
となる必要がある。
ここでは、昆虫の羽ばたき方を単純化した羽ばたき方法により、打ち下ろし動作において羽に作用する鉛直上向きの流体力(以下、「打ち下ろし時の流体力」と言う。)を、打ち上げ動作において羽に作用する鉛直下向きの流体力(以下、「打ち上げ時の流体力」と言う。)より大きくする方法について説明する。
説明の簡便のため、流体の挙動および流体が羽に及ぼす力については、その主要成分を挙げて説明する。また、前述の羽ばたき方法により得られた浮上力と、本羽ばたき装置に作用する重力(以下「重量」と記す。)との大小関係については後述する。
打ち下ろし時の流体力を、打ち上げ時の流体力よりも大きくするためには、打ち下ろし時に羽部714が移動する空間の体積が最大になるように、羽部714を打ち下ろせばよい。そのためには、羽部714を水平面と略平行に打ち下ろせばよく、これにより、羽部714に及ぼされる流体力はほぼ最大となる。
反対に、打ち上げ時には、羽部714が移動する空間の体積が最小になるように羽部714を打ち上げればよい。そのためには、羽部714を水平面に対して略直角に近い角度で打ち上げればよく、これにより、羽部714に及ぼされる流体力はほぼ最小となる。
そこで、振動型アクチュエータ701および702のそれぞれが駆動することによって、振動軸700の周りに両羽軸部703および704のそれぞれが往復運動する際に、羽軸部703および704のそれぞれが、水平面と略一致する位置を中心として上方と下方とにそれぞれ角度γの回転角だけ、往復運動するものとする。さらに、図9の第1の羽軸部の角度801および第2の羽軸部の角度802に示すように、第1の羽軸部703の往復運動の位相に対して、第2の羽軸部704の往復運動の位相をφだけ遅れさせる。
これにより、図8(ここではφ=20°として描いた)に示す一連の羽の往復運動のうち、τ=0°〜180°の打ち下ろし時においては、より高い位置にある振動型アクチュエータ701の第一の羽軸部703が先に打ち下ろされるため、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704の先端と羽軸間の膜部706(従って、図示されていないがその延長上にある羽部714)とが、水平に近づく。
一方、τ=180°〜315°の打ち上げ時においては、第1の羽軸部703の先端と第2の羽軸部704の先端との高さの差が拡大されて、両羽軸間の膜部706も垂直に近づく。その結果、第1の羽軸部703と第2の羽軸部704との間に張られた羽軸間の膜部706の延長上にある羽部714が流体を押し下げまたは押し上げる量に差異が生じる。それにより、本実施の形態の羽ばたき装置の場合には、打ち下ろし時の流体力の方が、打ち上げ時の流体力よりも大きくなって浮上力が得られることになる。
この浮上力のベクトルは、位相差φを変化させることにより、前後に傾く。浮上力のベクトルが、前方に傾けば推進運動、後方に傾けば後退運動、真上に向けば、停空飛翔(ホバリング)状態となる。なお、実際の羽ばたき飛行では、位相差φ以外にも、羽ばたき周波数fまたは羽ばたき角γを制御することによって、前進、後退、およびホバリングの制御を行なうことが可能である。また、この羽ばたき装置では、羽ばたき仰角θを固定しているが、この羽ばたき装置に仰角θを変化させる機構をさらに追加すれば、羽ばたき方の制御の自由度を増加させることができる。
(羽ばたき制御)
実際の羽ばたき制御について、さらに詳細に説明する。上述した羽ばたき装置では、打ち下ろし動作または打ち上げ動作の際に、羽の先端部がなす捻り角α(図8参照)は、羽の長さをl、羽の幅をw、羽ばたき角をγ、羽ばたき運動の位相をτ(最も打ち上げた瞬間を0°、最も打ち下ろした瞬間を180°とする)、第1の羽軸部703と第2の羽軸部704の位相差をφとすれば(図8を参照)、次の式で表わされる。
α=(l/w)・{sin[γ・cosτ]−sin[γ・cos(τ+φ)]}
実際には、前羽軸(第1の羽軸部703)および後羽軸(第2の羽軸部704)のいずれも弾性変形するため、捻り角αは、多少違った値を取る。また、第1の羽軸部703および第2の羽軸部704のそれぞれは、根元ほど、捻り角αが小さい。しかしながら、以下の議論では簡便のため、上の式のαを用いて説明する。
捻りを加えていない羽に作用する流体力の鉛直方向成分Fは、流体の密度をρ、羽ばたき角をγ、羽ばたき周波数をfとすれば、
F=(4/3)・π2・ρ・w・γ2・f2・3・sin2τ・cos[γ・cosτ]
となる。
なお、羽に作用する流体力の水平方向成分は、左右の羽が同じ運動をすれば、互いに打ち消し合うことになる。
羽が捻り角αを有すると、上記の鉛直方向成分Fの羽ばたき運動平面に垂直な成分Lおよび水平な成分Dはそれぞれ次のようになる。
L=F・cosα・sinα
D=F・cos2α
さらに、羽ばたき仰角θを考慮すると、重量と釣り合うべき鉛直方向の成分Aおよび前後運動の推進力となる水平方向成分Jは、打ち下ろし時では、
A↓=−L・cosθ+D・sinθ
J↓=−L・sinθ−D・cosθ
打ち上げ時では、
A↑=L・cosθ−D・sinθ
J↑=L・sinθ+D・cosθ
となる。
実際の浮上力および推進力のそれぞれは、羽ばたき運動の1周期の期間において上述の式を積分したものとなる。
以上より、この飛行制御の一例として、羽ばたき装置の羽の長さl=4cm、羽の幅w=1cm、羽ばたき仰角θ=30°、羽ばたき角γ=60°、羽ばたき周波数f=50Hz、打ち下ろし時の位相差φ↓=4°、打ち上げ時の位相差φ↑=16°とした場合における鉛直方向成分Aと水平方向成分Jの変化と各角度の変化との関係を、図10に示す。
横軸は羽ばたき運動の1周期分(360°)が、位相τを用いて表わされている。横軸の位相は、前半(0°〜180°)が打ち下ろしを示し、後半(180°〜360°)が打ち上げを示している。各グラフの曲線は、前羽軸の羽ばたき角γf、後羽軸の羽ばたき角γb、水平面からの羽の捻り角(θ−α)、流体力の鉛直方向成分A、および水平方向成分Jの時間変化をそれぞれ示している。
この例では、単位時間当たりの流体力の鉛直方向成分Aにおいては、打ち下ろし時の方が、打ち上げ時より大きいため、羽ばたき運動の1周期の平均で、約500dynの鉛直上向きの流体力が1枚の羽で得られる。従って、2枚の羽では、羽ばたき装置の重量が約1g以下であれば、浮上することができることになる。また、単位時間当たりの流体力の水平方向成分Jは、1周期の間にほぼ打ち消されるため、重量1g程度の羽ばたき装置であれば、ホバリング可能となる。
本実施の形態の羽ばたき装置によれば、打ち下ろし時の位相差φ↓を大きくし、もしくは、打ち上げ時の位相差φ↑を小さくすれば、前進することができる。この時、水平に前進させるためには、周波数fを少し小さくすることが望ましい。逆に、打ち下ろし時の位相差φ↓を小さくし、もしくは、打ち上げ時の位相差φ↑を大きくすれば、後退することができる。この時、水平に後退させるには、周波数fを少し大きくすることが望ましい。
この羽ばたき装置では、例えば、打ち上げ時の位相差φ↑を16°に保ったまま、打ち下ろし時の位相差φ↓を7°のように大きくするか、打ち下ろし時の位相差φ↓を4°に保ったまま、打ち上げ時の位相差φ↑を11°のように小さくし、羽ばたき周波数f=48Hzに下げることで、最初の1秒間におよそ1mの速度で、水平に前進することができる。
また、例えば、打ち上げ時の位相差φ↑を16°に保ったまま、打ち下ろし時の位相差φ↓を1°のように小さくするか、打ち下ろし時の位相差φ↓を4°に保ったまま、打ち上げ時の位相差φ↑を24°のように大きくし、羽ばたき周波数f=54Hzに上げることで、最初の1秒間におよそ1mの速度で、水平に後退することができる。
ホバリング状態のまま、羽ばたき装置を上昇または下降させるためには、周波数fを上げるか、または、下げるか、すればよい。
水平飛行中でも、上昇および下降については、主に周波数fによって制御が可能である。周波数fを上げることで羽ばたき装置は上昇し、周波数fを下げることで羽ばたき装置は下降する。
この例では、打ち上げ動作中、もしくは、打ち下ろし動作中にも、羽の捻り角αをゆっくり変化させているが、これは、アクチュエータへの負荷を減らすためである。浮上力を得るための羽ばたき運動としては、打ち上げ動作中や打ち下ろし動作中は羽の捻り角αを一定の値に設定して、打ち下ろし動作から打ち上げ動作、もしくは、打ち上げ動作から打ち下ろし動作への変化点において、捻り角αを急激に変化させるようにしてもよい。
羽ばたき仰角θ=0°とした場合の鉛直方向成分Aと水平方向成分Jの時間変化を各角度の時間変化とともに図11に示す。この場合は、ハチドリのホバリングにヒントを得た羽ばたき運動である。なお、左右方向へ旋回するための舵取りは、左右の羽の羽ばたき運動を別々に制御できる場合、左の羽の羽ばたき運動によって生じる推進力と右の羽の羽ばたき運動によって生じる推進力とに差を持たせればよい。例えば、前方へ飛行中に、右方向へ旋回するためには、右羽の羽ばたき角γを左羽よりも小さくするか、もしくは、右羽の前羽軸と後羽軸の位相差を左羽よりも大きくするか、または、羽ばたき仰角θが制御できるような場合には、右羽のθを左羽よりも小さくするといった制御を行なう。これにより、右羽の推進力が左羽の推進力に比べて相対的に小さくなり、右に旋回することができる。羽ばたき装置を左へ旋回させる場合には、前述の制御と左右逆の制御を行えばよい。
さらに、図9に示された重心制御部1007を用いて、羽ばたき装置の重心を左右にずらすことで左右への旋回を行ってもよい。
例えば、重心を羽ばたき装置の中心軸より右側にずらして、右羽を下方へ傾け、かつ、左羽を上方へ傾けるとともに左右羽の周波数fを大きくすることで、羽ばたき装置を右へ旋回させることができる。また、重心を羽ばたき装置の中心軸より左側へずらすとともに左右羽の周波数fを大きくすることで、羽ばたき装置を左に旋回させることができる。ただし、いずれの場合でも、姿勢の安定を保つために、左の羽の羽ばたきの周波数fと右の羽の羽ばたき周波数fとを同じ値に設定しておくことが望ましい。
以上の説明では、第1および第2の羽軸部703および704のそれぞれの往復運動する2つの平面のそれぞれが、振動軸700と直交する場合について述べた。したがって、この場合は、これら2つの平面が、互いに平行な関係となる。しかしながら、図7に示したように、羽軸部703が往復運動する平面と羽軸部704が往復運動する平面とが所定の角度を有するように交差する羽ばたき装置であってもよい。このようにすることによって、第1および第2の羽軸部703および704のそれぞれの弾性力および羽部714の張力を用いて、打ち上げ運動から打ち下ろし運動、または、打ち下ろし運動から打ち上げ運動に移る際の、羽の捻り角αの正値から負値、または、負値から正値への変化を高速化できる。
また、図12に示すように、第1の羽軸部703が延びる方向と第2の羽軸部704が延びる方向とが、互いに平行な位置から角度εだけ外側を向いている場合、羽軸部の付け根703aと羽軸部の付け根703bと間の幅をw、羽軸部の長さを1として、
sinε>[(w2+8・l21/2−w]/4・l
を満たすεであれば、羽の捻り角α=0°(γf=γb)における羽軸部の先端703bと羽軸部の先端703bとの間の距離Woが最大となる。このとき、羽軸部の弾性力および膜部の張力も最大となるため、捻り角αの変化を高速化することができる。また、|α|>0の状態の方が羽ばたき装置が安定する。
なお、上式を満たすεは、羽のアスペクト比Ap(l/w)=1の時、ε>30°、Ap=4の時、ε>17.2°、Ap=10の時、ε>11.5°である。
さらに、第1および第2の羽軸部703および704のそれぞれが、それぞれが延びる方向の軸の周りに回転できれば、第1の羽軸部703と第2の羽軸部704との位置関係が変化しても、常に、羽部714が第1および第2の羽軸部703および704に固定されている部分同士を互いに略向かい合わせにすることが可能となる。そのため、アクチュエータ701,702にかかる負荷が軽減されるため、高い効率で羽ばたき装置を制御することが可能となる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、産業用または家庭用のロボットに用いられる。
実施の形態1の羽ばたき装置を示す図である。 実施の形態2の羽ばたき装置を示す図である。 実施の形態3の羽ばたき装置を示す図である。 実施の形態4の羽ばたき装置を示す図である。 捻り角と羽ばたき運動の位相との間の関係を示す図である。 羽ばたき装置の一例の羽ばたき装置の駆動部の構造を示す図である。 図6に示す羽ばたき装置の駆動部において、第1の羽軸部の往復運動と第2の羽軸部の往復運動とが、位相差を有することを説明するための図である。 羽ばたき装置の一例の羽ばたき装置の全体の構成を示す図である。 図6および図7に示す羽ばたき装置の飛行態様の一例を示す図である。 図6および図7に示す羽ばたき装置に所定の羽ばたき方をさせたときの浮上力および推進力を示す図である。 図6および図7に示す羽ばたき装置に他の所定の羽ばたき方をさせたときの浮上力および推進力を示す図である。 図6に示す羽ばたき装置において、第1の羽軸部が延びる方向と第2の羽軸部が延びる方向とが、互いに平行な位置から角度εずつ外側に向けられたときの2本の羽軸部の状態を示す図である。
符号の説明
100,200,300,400,714 羽部、101,201,301,401 羽縁部、102,202,302a,302b,402a,402b 膜部、103,203,303,403,703 第一の羽軸部、104,204,304,404,704 第二の羽軸部、105,205,305,405 第一の駆動部、106,206,306,406 第二の駆動部、700 振動軸、701,702 振動型アクチュエータ、705 胴体部、706 羽軸間の膜部、707 羽の先端部、708 胴体軸、709 中心軸、801 第一の羽軸部の角度、802 第二の羽軸部の角度、1001 CCD、1002 GPS、1003 加速度センサー、1004 角加速度センサー、1005 羽ばたき制御部、1007 重心制御部、1008 メモリ部、1009 通信制御部、1010 アンテナ部、1011 電源部、703a,704a 羽軸部の付け根、703b,704b 羽軸部の先端。

Claims (9)

  1. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部であって、該羽部の外周縁を構成する羽縁部と、該羽縁部の内側に張られた膜部とを含み、少なくとも前記流体から力を受ける側における前記羽縁部の弾性率が前記膜部の弾性率よりも高い羽部と、
    該羽部を支持するように、前記膜部に取り付けられた第一の羽軸部と、
    前記羽部を支持するように、前記膜部に取り付けられた第二の羽軸部と、
    前記第一の羽軸部の一端と接続され、該第一の羽軸部を往復運動させる第一の駆動部と、
    第一の駆動部とは独立して駆動することが可能であ駆動部であって、前記第二の羽軸部の一端と接続され、該第二の羽軸部を往復運動させる第二の駆動部とを備え、
    前記第一の羽軸部と前記第二の羽軸部との間の距離が、前記羽部の幅よりも小さい、羽ばたき装置。
  2. 流体が存在する空間を羽ばたくための羽部であって、該羽部の外周縁を構成する羽縁部と、該羽縁部の内側に張られた膜部とを有する羽部と、
    該羽部を支持するように、少なくとも一部が前記羽縁部のうちの前縁部に取り付けられた第一の羽軸部と、
    前記羽部を支持するように、前記膜部に取り付けられた第二の羽軸部と、
    前記第一の羽軸部の一端と接続され、該第一の羽軸部を往復運動させる第一の駆動部と、
    第一の駆動部とは独立して駆動することが可能であ駆動部であって、前記第二の羽軸部の一端と接続され、該第二の羽軸部を往復運動させる第二の駆動部とを備え、
    前記第一の羽軸部と前記第二の羽軸部との間の距離が、前記羽部の幅よりも小さい、羽ばたき装置。
  3. 前記第一の羽軸部と前記第二の羽軸部の間に挟まれた前記膜部がコルゲーション構造を有している、請求項1または2に記載の羽ばたき装置。
  4. 前記第一の羽軸部と前記第二の羽軸部の間に挟まれた前記膜部のヤング率が、前記第一の羽軸部と前記第二の羽軸部の間に挟まれていない前記膜部のヤング率より小さい値である、請求項1または2に記載の羽ばたき装置。
  5. 前記第一の羽軸部が、前記第一の駆動部に接続された第一の中軸部と、前記膜部に取り付けられ、該第一の中軸部が挿入された第一の筒部と、を有し、
    羽ばたき運動中において、前記第一の筒部が、該第一の中軸部が延びる方向を回転軸として、回転する、請求項1または2に記載の羽ばたき装置。
  6. 前記第一の羽軸が前記第二の羽軸よりも前縁に近い位置に設けられ、
    前記第二の羽軸部が、前記第二の駆動部に接続された第二の中軸部と、前記膜部に取り付けられ、該第二の中軸部が挿入された第二の筒部と、を有し、
    羽ばたき運動中において、前記第二の筒部が、該第二の中軸部が延びる方向を回転軸として、回転する、請求項1または2に記載の羽ばたき装置。
  7. 前記羽部が静止している状態においては、前記第一の羽軸部または前記第二の羽軸部にほぼ平行な第一方向に沿って前記膜部を切ったときの断面形状の曲率よりも、前記第一方向にほぼ垂直な第二方向に沿って前記膜部切ったときの断面形状の曲率の方が大きい、請求項1または2に記載の羽ばたき装置。
  8. 前記第一の羽軸部と前記第二の羽軸部との間の距離をaとし、前記羽部の長さをlとしたときに、l/aが4以上である、請求項1または2に記載の羽ばたき装置。
  9. 前記羽部の幅をwとし、前記第一の羽軸部と前記第二の羽軸部との間の距離をaとしたときに、w/a=5以上である、請求項1または2に記載の羽ばたき装置。
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