JP4291797B2 - 環状ワークの加工方法 - Google Patents

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本発明は、環状ワーク、例えば手動変速機のハブスリーブの真円度を高めることができる加工方法に関する。
ハブスリーブを一例とする内周部に歯面を持つ環状ワークの製造工程中には、焼き入れ工程など、残留応力に起因する歪を発生する工程が含まれる場合には、最終的な部品精度の低下を防ぐために、歪の除去工程を設けるなどの製造上の工夫が必要とされる。この環状ワークの一例としては、内周部に高さの異なる歯を所定の周期で形成した環状ワークの手動変速機用ハブスリーブが挙げられる。
例えば、図5は手動変速機の概略を示す斜視図であり、ハブスリーブ21とシフトフォーク20が図示されている。前記ハブスリーブ21には外周面に溝部22が形成され、この溝部22に前記シフトフォークの凸部25が係合し、この状態で前記シフトフォーク20を矢印方向に移動せしめることで、前記ハブスリーブ21の前後に配置されたギヤーの歯と前記ハブスリーブ21の内周部に形成した歯とを噛合させることにより、図示した以外の手動変速機の構成部品であるインナーボークリング、アウターボークリング或いはシンクロハブなどに選択的に係合させるようにしている。
ここで、前記ハブスリーブ21の真円度が悪いと、円周方向の歪みを生じ、シフトレバーの操作時に良好なレバー操作感を損なうという不具合が生じる。
一方、前にも述べた通り、自動車の手動変速機に用いられるハブスリーブの製造工程には、焼き入れ工程等の熱処理工程があり、この熱処理及び冷却処理時に、残留応力に起因する歪が発生する。ここで、前記ハブスリーブはチャンファー加工、ブローチ加工、ストッパー加工などによってスプライン形状が成形されるが、これら一連の機械加工が前記熱処理工程の前にあるか後にあるかで生産効率および製品歩留り(特に真円度精度の歩留り)が異なる。前記熱処理工程を前記機械加工の前に行えば、機械加工後の精度を確保することは出来るが、熱処理した為に材質硬度が硬くなっていて機械加工に時間を要する。
よって、例えば、4種類のスプライン形状(舟底高歯、中歯、低歯、ストッパー)を持つような複雑な形状をしたハブスリーブの機械加工を熱処理工程と組み合わせて高精度かつ高いスループットで製造することは容易ではない。
一方もし、前記機械加工を前記熱処理の前に行えば、ハブスリーブの材質は硬化していないので機械加工が短時間で完了し、生産効率は良くなるが、機械加工で得られた加工精度(特に真円精度)は加工後の前記熱処理で発生する歪により真円度が劣化してしまい、最終の完成工程検査で不良品が多く発生する。
特に、機械加工において、スリーブの内径に形成されるスプライン形状が単一でない場合には、質量の小さい歯ほど冷却速度が速いため、質量の大きな引き込み変形が生じる。従来より、この変形によって元々は真円度があったスリーブ円周が変形して真円度が悪化し、完成工程で真円度不良が増加することは知られていて、検査で不合格になった不良品に対しては後工程で歪取り装置を使って歪除去作業が行われていた。
上記課題を解決する方法として、歯車の歪を効率的に除去するために、歯車のOBRを測定し、OBRから仮想される円の真円度を求め、該真円度が規格公差内にあるとき、該軸の振れ量および振れ方向を規格公差内へと矯正する方法が知られている(特許文献1)。
また、スプラインブローチ加工を行ってハブスリーブ半加工品に歯厚の等しい内歯を複数形成し、前記複数の内歯に対して逆テーパプレス加工を施して内歯の各々の歯面に逆テーパ面を形成した後、所定の内歯に対して欠歯用あるいは歯厚減少用のブローチ加工を行って前記内歯を除去した欠歯部分あるいは前記内歯の歯厚を減少させた薄歯部分を形成する手動変速機用ハブスリーブを製造する方法も知られている。(特許文献2)
特開2002−277237号公報 特開平05−104324号公報
特許文献1には、軸一体型歯車のOBRを測定し、OBRから仮想される円の真円度を求め、該真円度が規格公差内にあるとき、OBRから軸の振れ量および振れ方向を求め、該軸の振れ量および振れ方向を規格公差内へと矯正する方法についての記載がある。しかし、一方向だけのOBRの振れ方向および振れ量を測定した矯正についてしか記載が無く、複数種類の歯を持ち、熱処理によって楕円以外に変形する場合については記載も示唆も無い。
特許文献2には、複数の内歯に対して逆テーパプレス加工を施して前記内歯の各々の歯面に逆テーパ面を形成した後、内歯を除去した欠歯部分あるいは前記内歯の歯厚を減少させた薄歯部分を形成する技術についての記載がある。しかし、複数種類の歯を持つ環状ワークについても、スプラインブローチ加工と熱処理加工の順番についても何ら記載も示唆も無い。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加熱冷却処理を受ける、内周部に異なる高さの歯を有する環状ワークの加工方法において、スループットを落とさずに高い真円度を維持できるようにすることにある。
上記課題を解決するために本発明では、内周部に異なる高さの歯を有する環状ワークの加工方法において、円環状素材の内周部にブローチ加工より等しい高さの歯を複数個形成し、更に各歯に対して逆テーパー加工とチャンファー加工を施した後、ワークの周方向に沿って高さの異なる歯の周期が3回繰り返されるように再度ブローチ加工を施し、次いで、抜け防止の為のストッパー加工を周方向に沿って3ヶ所にて切削加工した後、薄肉のストッパー加工部で加熱冷却時に生じる収縮歪みにより形成される三角形と略点対称で、しかも最も高さが高くなっている3箇所の歯またはその近傍を頂点とする三角形状に逆歪加工を施し、この後、加熱冷却処理を施すようにした。
これにより、熱処理及び冷却処理前の柔らかい素材をスプラインブローチ加工できるので生産スピードが高くなり、また逆歪加工するので熱処理及び冷却処理後の真円度不良を減らすことが出来るので、歪みの少ない環状ワークを加工することが可能となる。
また、内周部に異なる高さの歯を有する環状ワークの加工方法において、前記環状ワークは舟底高歯、中歯、低歯及びストッパーの4種類のスプラインを内周部に有する手動変速機のハブスリーブとした。
これにより、前記ハブスリーブを組み込んだ手動変速機では細かなシフトアップが出来るので、シフトチェンジ時のシフトショックが改善される効果がある。
本発明による環状ワークの加工方法は、例えば、ニッケルクロムモリブデン鋼など熱処理及び冷却処理後に高い硬度を持つ金属を使ったハブスリーブの真円度保証加工などにおいて、熱処理及び冷却処理前に複雑な成形、例えば、4種類のスプライン形状(舟底高歯、中歯、低歯、ストッパー)などを成形できるので、生産スピードが上がり、しかも熱処理の前に逆歪加工を施すことにより熱処理の後に冷却処理しても高い真円度水準を確保できるので、例えば、前記ハブスリーブを手動変速機に組み込むと良好なレバー操作を向上させることができる効果がある。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明方法を工程順に説明した図、図2は逆歪加工装置の断面図、図3は逆歪加工装置の平面図、図4は逆歪加工装置の拡開部材ベース部の断面図である。
図1(a)に示すの素材リングW1から加工を始めて同図(c)に示すストッパー5の切削加工までの工程は従来と同じで、この工程内であれば従来から真円度規格70μmに対して、5〜15μmの実力値を持っている。
前記工程において、ハブスリーブ加工に使う素材リングW1としては、例えば直径を83mmとし、材料は、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM420H)を使用する。
前記素材リングW1に対して溝入れ及びブローチ加工を行ったものが同図(b)である。この状態では、内周に形成された全ての歯は同一形状であり、前記の真円度は保たれている。前記ブローチ加工の後、各歯に対して逆テーパー加工とチャンファー加工を施す。
更に、同図(c)に示すように、素材リングW1の内周に形成された全歯に対して、仕上げブローチ加工を施し、各歯に逆テーパー加工とチャンファー加工を施した後、ワークの周方向に沿って舟底高歯2、中歯3、低歯4の3種類の異なる質量のスプライン形状で高さの異なる歯の周期が3回繰り返されるように再度ブローチ加工を施し、次いで、抜け防止の為のストッパ加工を周方向に沿って3ヶ所を切削加工してストッパー5を追加する。
ここで、ブローチ加工した前記舟底高歯2、中歯3、低歯4とは異なり、前記ストッパー5については切削加工を行っているが、この切削加工後の状態で、舟底高歯2の内周からの高さが2mmであるのに対し、ストッパー5の高さは1.4mmまで切削加工を加工する。つまり、舟底高歯2の高さを100%とするとストッパー5の高さは70.0%となり、体積比では舟底高歯2を100%とするとストッパーは34.3%となり、体積比に大きな差があり、熱容量も体積に比例する。しかし、この状態においても、熱処理は行っていないので真円度は実力値である5μm〜15μmに保たれている。
次に、本発明の発明特定要件となる逆歪み加工方法を説明する。本発明実施例の実施前において、この状態のままで加熱冷却処理を行うと、ストッパー加工部が薄肉の為、歪みが発生し、スループットの低下を余儀なくされた。この課題を解決するために、加熱冷却により最も大きな歪みが発生する部位に対して、効果的な逆歪み加工位置を設定する。本実施例においては、、薄肉のストッパー加工部で加熱冷却時に生じる収縮歪みにより形成される三角形と略点対称で、しかも最も高さが高くなっている3箇所の歯またはその近傍を頂点とする三角形状に逆歪加工を施している。具体的には、事前に行った実験データから、前記加工位置に対して、逆歪加工を施さない場合に生じた熱処理収縮量を見込み、舟底高歯2の中間にある舟底点p近傍を頂点とした逆三角形状に歪み加工している。
図1(d)では説明のために環状ワークを極端に三角形に変形させているが、実際には、例えば内径Φ70mmに対して60μmの逆歪加工を行えば、直径に対して0.086%の逆歪加工を実施したことになり、目視では確認が難しいレベルの逆歪加工である。この逆加工には再現性があり、製品毎に最適逆歪加工率を設定すれば逆歪加工率は変更する必要はなく、10個未満のサンプルによる経験値から設定値を決めることが出来る。例えば、経験値として、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM420H)を材料とするハブスリーブ1の逆歪加工範囲としては、0.1〜0.05%が好ましい。逆歪加工の応力は、ハブスリーブの内径の中心から円を3等分した位置にある舟底高歯2を半径方向に押し出すことにより逆歪加工応力を発生させる。
前記逆歪加工を施した後での熱処理プロセスにおいては、熱処理により、熱容量の小さい歯ほど冷却速度が速いため、2本の舟底高歯2の中間点である舟底点pに収縮応力が発生し、質量の大きな舟底高歯2を引き込む方向に変形が発生するが、前記逆歪加工で舟底高歯2を半径方向に伸張しているので、収縮応力による変形分と前記逆歪加工量とが相殺する形となる。
次いで図1(e)に示すように、逆歪加工後に、ハブスリーブの中間加工品を前記熱処理の後に冷却し、室温に戻してハブスリーブ1を得る。前述の通り、熱処理工程における収縮応力による変形分が前記逆歪加工における補正量と相殺されているので、従来工法と比較して真円精度が改善される。
ここで、もし逆歪加工を行わない場合においては、熱処理及び冷却処理前に5μm〜15μmあった真円度実力値が、熱処理及び冷却処理過程において平均値で60.5μm(事前の実験データによる)にまで悪化してしまい、ハブスリーブの完成品のうち3.5〜4.5%が真円度不良(真円度規格の70μm超)となってしまう。しかし、逆歪加工を行うことにより、熱処理後の完成品状態でも平均値で28μmの真円度水準に向上し、この値は前記真円度規格の70μmと比較しても十分に規格をクリアーする値である。
図2は、真円度を保証する加工方法としての逆歪加工について詳細を説明するための逆歪加工装置の断面図である。構造的には、上段部の拡開部機構、中段部の本体ケース機構、下段部のシリンダ機構の3つに大別できる。
同図において、シリンダ11内はピストン15にて上下の油室に分けられ、これら上限の油室に対して作動油を給排油することでピストン15が移動する。また、前記ピストン15にはロッド16が取付けられ、このロッド16をケース組立のケース下段部10に組み込むと共に、ロッド先端の雄ネジ部16aにドローバーの雌ネジ部17aを螺着している。
ケース中段部12には拡開部材ベース14が結合され、この拡開部材ベース14の上面には経方向に弾性を持つスタッド部14bが設けられ、このスタッド部14bにて120°毎に配置された拡開部材先端部14cをそれぞれ支持し、この拡開部材先端部14c上にプッシュピン14を取り付けている。前記拡開部材14の先端部にある拡開部材内周テーパ面14aは、ドローバー先端外周テーパ面17bと当接している。
前記ケース上段部13には突起部13aが設けられていて、作業時には前記突起部13aの先端にハブスリーブ1がセットされる。
次に、逆歪加工について説明する。逆歪加工は、次の4ステップの工程で行われる。
第1ステップ:(作業者またはロボットにより)ハブスリーブ1を定位置にセッティングする。
第2ステップ:ドローバー17が下降し、ドローバー先端外周テーパ面17bが拡開部材内周テーパ面14aと接触し、前記ドローバー17上の二股状プッシュピン19の片側の楔が対峙する舟底高歯2、2の間に割り込み、一方の舟底高歯2の左右側面に接触する。(逆歪加工開始)
第3ステップ:前記ドローバー17が前記拡開部材先端部14cを押し広げることにより、プッシュピン19を介して2つの舟底高歯2、2の対峙する側面にそれぞれ応力を伝達し、舟底点pを頂点とした逆三角形状に変形せしめる。
第4ステップ:ロッド16は所定の時間経過後に上昇を始め、拡開部材先端部14cの外径がハブスリーブ1の内径よりも小さくなる位置までドローバー17を上昇させ、(作業者またはロボットによる)ハブスリーブ1を取り出す。
以下に、各ステップについて詳細を説明する。まず、第1ステップにおいて、ハブスリーブ1のセッティング位置は、拡開部材先端部14c上に取付けられたプッシュピン19の先端が、対峙する舟底高歯2側面の間に入るようにセッティングする。これにより、全ての舟底高歯2の側面にプッシュピン19を介してドローバー17の逆歪加工応力が均一に伝達されるようになる。
第1ステップにおいては、ピストン15が上昇していて、拡開部材内周テーパ面14aとドローバー先端外周テーパ面17bが離れた状態で停止している。
次に、第2ステップにおいて、ピストン15(ロッド16)、ドローバーベース14を下降させ、ドローバー先端外周テーパ面17bを拡開部材内周テーパ面14aに当接させる。
すると、前記拡開部材先端部14cはドローバー17の中心から外側に向かって押し出され、プッシュピン19は、ハブスリーブ1内周面に形成された舟底高歯2側面と接触するようになる。舟底高歯2は2個ずつ対をなし、3対ある。この合計6個の舟底高歯2の部分は、前記拡開部材先端部14cに設けられたプッシュピン19によって同心円の中心から均一な応力で外側に押し出される。前述したように、舟底高歯2は2個で一対になっていて、対をなす2個の舟底高歯2に同じ応力が加わるように設計されているので、ハブスリーブ1から見た応力の中心は、対を成す舟底高歯2の中間点、つまり舟底点pの位置になる。
次に、第3ステップでは、ドローバー17が下降を続けることにより、プッシュピン19がハブスリーブ1の舟底高歯2側面を押し続ける。そして、前記ドローバー17が下方に引かれると同時に、ロッド16も下方に下がり、ピストン15が所定位置になるまで下降を続ける。
前記ピストン15の停止位置は、ロッド16に接続された、くさび高さ調整手段18によって、前記拡開部材先端部14cからハブスリーブ1の舟底高歯2に加える応力が、逆歪加工を施さない場合に生じた熱処理収縮量を見込んで設定した応力を発生する位置に調整する。この位置にてプッシュピン19からハブスリーブ1の舟底高歯2に加わる応力によって、ハブスリーブ1は、前記舟底高歯2の中間点である舟底点pを頂点とした逆三角形状に歪み加工される。
次に第4ステップにて、ドローバー17を上昇させる。すると、ドローバー先端外周テーパ面17bは拡開部材内周テーパ面14aと離脱し、拡開部材ベース14はフリーになる。この状態で、拡開部材外周部14bとハブスリーブ1の舟底高歯2は接触が解除されるので、ハブスリーブ1は簡単に支持部材から取り外すことができるようになる。
ここで、逆歪加工の動力源としては、上記のピストンを油圧制御する方法に限定するものではなく、舟底高歯2に安定して均一な応力を与えることが出来れば、例えば電動モーターとギヤーを組み合わせた装置などを使うことも考えられるし、これら以外の動力源でも良い。
図3は、逆歪加工装置の平面図である。ピストン15が下降することにより、ドローバー17が下降し、前記ドローバー先端外周テーパ面17bが拡開部材内周テーパ面14aを摺動することにより前記拡開部材外周部14bは円の中心から半径方向に広がり、ハブスリーブ1の舟底高歯2と点接触して円形のハブスリーブ1の舟底点pを頂点とした逆三角形の形状に押し広げることにより逆歪加工する。
上記の逆歪加工が終了すると、前記ピストン15が上昇し、ドローバー17が紙面手前方向に上昇するので、前記拡開部材内周テーパ面14aと前記ドローバー先端外周テーパ面17bが離れ、前記拡開部材先端部はフリーとなるので、前記拡開部材外周部14bと舟底高歯2の接触は解消され、ハブスリーブ1は容易にセット座11から外すことが出来るようになる。
ここで、舟底高歯2を押し出すことにより逆歪加工を行う方法としては、上記のプッシュピン19を使う方法に限定されるものではなく、舟底点pに応力を集中できる方法であれば良いので、例えば、C型ではなくE型のプッシュピンにして対を成す舟底高歯2、2の全ての側面を同時に押す方法や、また対を成す舟底高歯2に挟まれた舟底部に直接ロッドを押しつける方法などでも良い。
図4は、逆歪加工装置の拡開部材ベース部の断面図である。拡開部材ベース14の上には弾性をもつスタッド部を介して拡開部材先端部14cが支持され、この拡開部材先端部14cの上にはプッシュピン19が取付けられている。合計3個ある前記プッシュピン19は取付け位置の微調整が可能となっていて、前記プッシュピン19の先端部が舟底高歯2の側面に与える圧力が全ての舟底高歯2に対して均一になるように標準治具を使って位置調整されている。
熱処理冷却工程と機械切削工程を持つプロセスにおいて、熱処理により発生する収縮応力による歪分をあらかじめ逆歪補正することにより、熱処理冷却加工前に前記切削加工を行うことができるようになり、しかも真円精度を保証できるので、素材レース加工から熱処理冷却加工までを含んだシステム全体の生産効率が向上しスループットが高くなる効果がある。
本発明方法を工程順に説明した図 逆歪加工装置の断面図 逆歪加工装置の平面図 逆歪加工装置の拡開部材ベース部の断面図 手動変速機のハブスリーブの概略を示す斜視図
符号の説明
1… ハブスリーブ、
W1… 素材リング
2… 舟底高歯、
3… 中歯、
4… 低歯、
5… ストッパー、
10… ケース下段部、
11… シリンダ、
12… ケース中段部、
13… ケース上段部、
13a…突起部、
14… 拡開部材ベース、
14a…拡開部材内周テーパ面、
14b…拡開部材外周部、
14c…拡開部材先端部、
15… ピストン、
16… ロッド、
16a…ロッド先端雄ネジ部、
17… ドローバー、
17a…ドローバー雌ネジ部、
17b…ドローバー先端外周テーパ面、
18… ドローバー高さ調整手段、
19… プッシュピン、
20… シフトフォーク、
21… ハブスリーブ、
22… 溝部、
23… 内歯、
24… 欠歯部分、
25… シフトフォーク凸部、
p… 舟底点。

Claims (2)

  1. 内周部に異なる高さの歯を有する環状ワークの加工方法であって、円環状素材の内周部にブローチ加工より等しい高さの歯を複数個形成し、更に各歯に対して逆テーパー加工とチャンファー加工を施した後、ワークの周方向に沿って高さの異なる歯の周期が3回繰り返されるように再度ブローチ加工を施し、次いで、抜け防止の為のストッパー加工を周方向に沿って3ヶ所にて切削加工した後、薄肉のストッパー加工部で加熱冷却時に生じる収縮歪みにより形成される三角形と略点対称で、しかも最も高さが高くなっている3箇所の歯またはその近傍を頂点とする三角形状に逆歪加工を施し、この後、加熱冷却処理を施すようにしたことを特徴とする環状ワークの加工方法。
  2. 請求項1に記載の環状ワークの加工方法において、前記ワークは舟底高歯、中歯、低歯及びストッパーの4種類のスプラインを内周部に有する手動変速機のハブスリーブであることを特徴とする環状ワークの加工方法。
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