JP4291760B2 - 吸音構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車や鉄道車両、建築物、汎用機械等の構造部材、パネル、防音カバーとして好適なものであり、音圧加振に対して防音性能を発揮する吸音構造体およびその製造方法に関するものである。
従来、下記特許文献1に記載のように、パネルの下面側に空気層を介して穿孔板を設置すると共に、穿孔板の厚み、孔の径、ピッチ、および空気層の厚みを調整することによって、所定周波数域の騒音を吸音するようにした車両用吸音部材が知られている。この構成によれば、ヘルムホルツの共鳴原理を利用して、穿孔板の厚み、孔の径、ピッチ、及び前記空気層の厚みを調整することにより特定周波数の騒音を有効に吸音することが可能である。
特開平6−298014号公報
しかしながら、上記従来の構成では、吸音率がヘルムホルツの共鳴周波数付近でしか大きくならず、吸音性能を広帯域にすることが難しいという問題がある。
第1の本発明は、凹凸部と開口部とを有する凹凸板と、前記開口部を介して外部空間と連通する第1中空部分を前記凹凸部の一方を閉塞することにより形成するように前記凹凸板に接合された閉塞板と、前記凹凸板の凸部に挿通する支持穴を有し、前記支持穴を画定する壁により前記凸部の側面で支持されると共に、前記第1中空部分を2以上の第1の区分空間に仕切る第1の仕切部材とを備えた構成である。この構成によれば、吸音率の高い周波数帯域が拡大した優れた吸音性能を得ることができる。
第2の発明は、第1の発明の前記凹凸板において、前記第1中空部分と隣接すると共に前記閉塞板とは反対側に開口した開放部分を閉塞することにより、前記外部空間と隔たれた第2中空部分を形成する閉塞部材をさらに備える構成である。の発明は、第の発明の前記凹凸板において、前記第2中空部分2以上の第2の区分空間に仕切る第2の仕切部材をさらに備える構成である。この構成によれば、一層高い吸音率を得ることができる。第の発明は、第の発明において、2以上に仕切られた前記第2の区分空間の1つのみが前記外部空間と連通している構成である。これによると、構成が簡単になる。
また、第の発明は、吸音率の高い周波数帯域が拡大した優れた吸音性能を得るために、第3又は第4の発明の前記第1及び第2の仕切部材の少なくとも1つが、多数の貫通孔を有する多孔板を有する構成である。また、第の発明は、第〜第の何れかの発明の前記第1及び第2の仕切部材の少なくとも1つが、振動または擦れ可能に設けられた箔を有している構成でもよい。この場合、前記箔は、多数の貫通孔を有していもよいし(第の発明)、前記箔は、凹凸部を有していてもよい(第の発明)。
また、第の発明は、第〜第の発明において、2以上に仕切られた前記第1及び第2の区分空間の少なくとも一つに、吸音材が設けられている構成である。この構成によれば、吸音率の高い周波数帯域が一層拡大した優れた吸音性能を得ることができる。
また、第10の発明は、第1〜第の発明において、2以上に仕切られた前記第1の区分空間の1つのみが前記外部空間と連通している構成である。これによると、構成が簡単になる。
また、第1の発明は、凹凸部と開口部とを有する凹凸板と、前記開口部を介して外部空間と連通する中空部分を前記凹凸部の一方を閉塞することにより形成するように前記凹凸板に接合された閉塞板と、前記中空部分を2以上の区分空間に仕切る仕切部材とを備えた吸音構造体の製造方法であって、前記仕切部材に支持穴を形成し、該支持穴を前記凹凸板の凸部に挿通し、挿通途中で前記凸部により前記支持穴を支持および固定させることによって、前記仕切部材を前記中空部分に設ける構成である
第12の発明は、さらに、前記仕切部材に多数の貫通孔を設ける構成である。これにより、区分空間を有した吸音構造体を容易且つ高精度に作することができる。
本発明は、中空部分を2以上の区分空間に仕切る仕切部材を備えるため、吸音率の高い周波数帯域が拡大した優れた吸音性能を得ることができるという利点を有している。
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1ないし図4に基づいて以下に説明する。
本実施形態に係る吸音構造体は、例えば自動車や鉄道車両、建設車両、船舶、自動搬送装置のように内部にエンジン等の駆動機構を備えた移動装置、モータやギヤ等の駆動機構を内部に備えた設備機械の防音カバーや構造部材、パネルまたは建築物の床、壁、天井として好適に使用される。
吸音構造体は、図1に示すように、例えば騒音が問題となるような外部に面した平板状の閉塞板1と、エンジン等の駆動機構等からなる騒音を発生する音源側に面した凹凸板2とを有している。これらの閉塞板1および凹凸板2は、鉄やアルミニウム等の金属や樹脂材料により形成されている。尚、閉塞板1および凹凸板2は、リサイクル時の分別処理を不要にするように、同一の材質で形成されていることが望ましい。
上記の凹凸板2は、平部4と、平面部4から閉塞板1方向に突出され、閉塞板1に接合された複数の凸部3とを有している。平面部4には、多数の開口部5が形成されている。また、凸部3は、所定距離を隔てて分散配置されている。また、凸部3は、一端から他端にかけて繞設されたものであっても良い。また、開口部5は、さらに凸部3に形成されていても良い。
上記の凸部3は、平坦な頂部3aと、頂部3aの周縁から径を拡大させながら傾斜された側面部3bとを備えた円錐形状に形成されている。凸部3の頂部3aには、平面部4を底面、凸部3の側面部3bを側面とした部を閉塞するように、上述の閉塞板1が接合されている。これにより、閉塞板1と凹凸板2との間には、平面部4と閉塞板1と凸部3とで囲まれ、開口部5を介して外部空間に連通された第1中空部分6が形成されている。
第1中空部分6には、第1多孔板11及び第2多孔板12(第1の仕切部材)が設けられている。第1および第2多孔板11・12は、平面部4に対して平行に配置されており、第1中空部分6を3層の区分空間8・9・10に音源側からこの順に仕切っている。各多孔板11・12は、多数の貫通孔11a・12aを備えていると共に、支持穴11b・12bを備えている。支持穴11b・12bは、凸部3の配設位置に一致した位置関係となるように配置されていると共に、凸部3の側面部3bで支持される穴径に設定されている。即ち、支持穴11b・12bの穴径は、音源側に近い第1多孔板11と、音源側に遠い第2多孔板12とで異なった値、即ち、第1多孔板11の支持穴11bの穴径が第2多孔板12の支持穴12bの穴径よりも拡大されている。そして、これらの第1および第2多孔板11・12は、径の異なる支持穴11b・12bが凸部3への挿通途中における凸部3の側面部3bの異なる部分でそれぞれ当接および支持されることによって、区分空間8・9・10の層厚d1・d2・d3をそれぞれ設定している。
上記の各区分空間8・9・10内の空気がバネ、多孔板11・12の貫通孔11a・12aにある空気が質量として、多自由度振動系を形成している。この共振系の共振周波数の音が開口部5より入射すると多孔板11・12の貫通孔11a・12aにある空気が激しく振動し、摩擦損失による大きな吸音力を持つようになっている。
開口部5を有する凹凸板2並びに貫通孔11a・12aを有する第1および第2多孔板11・12の少なくとも一つの部材における、開口率β、板厚tおよび(開口部5又は貫通孔11a・12aの)穴径bからなるパラメータは、単独で吸音率が0.3以上発揮する組み合わせであることが好ましい。
さらに、層厚d1・d2・d3、開口率β、板厚tおよび穴径bからなるパラメータは、凹凸板2の開口部5並びに第1および第2多孔板11・12の貫通孔11a・12aの少なくともいずれかを通過する空気に対して粘性作用を生じさせるように設定されていることが好ましい。この理由は、これらのパラメータで吸音構造体を形成すると、空気に粘性作用を生じさせることにより振動と減衰性を発生させ、吸音率が0.3以上となる周波数帯域幅が共鳴周波数fに対して10%以上となる吸音特性を発揮させることができるからである。
即ち、吸音構造体のパラメータは、上記の吸音特性を有するように、凹凸板2および多孔板11・12の少なくともいずれかの開口率βが3%以下、各板厚tが0.3mm以上であり、開口部5および貫通孔11a・12aの穴径bが0.8mm以下の設計条件に設定されていることが好ましい。
また、開口部5および貫通孔11a・12aの穴径は、特に範囲が限定されるものではないが、いずれかの穴径は5mm以下、好ましくは3mm以下、より好ましくは1mm以下であることが望ましい。さらに、開口部5および貫通孔11a・12aの穴径にのみ着目して吸音構造体が構成されていても良い。即ち、吸音構造体は、直径が1mm以下の多数の貫通孔11a・12aを有した第1および第2多孔板11・12を有した構成であっても良い。そして、このように貫通孔11a・12aの穴径を1mm以下に設定した場合には、貫通孔11a・12aを流動する空気に粘性作用を確実に発生させることができる。
尚、開口部5および貫通孔11a・12aの直径の下限値は、0.2mmであることが好ましい。この理由は、貫通孔11a・12aの直径が0に近づくと、その吸音率のピークが理論上1.0になるが、現実的には1.0に至ることはなく、直径が0.2mm以下のように極めて小さくなると、貫通孔11a・12aの空気の粘性が大きくなりすぎるため、貫通孔11a・12aの空気の流れに対する抵抗が大きくなり、吸音率が却って低下すると考えられるからである。また、直径が0.2mm以下のように極めて小さくなると、製造が大幅に困難となり、使用環境によってはゴミや埃等により貫通孔11a・12aが閉塞し易くなるからである。
また、開口部5および貫通孔11a・12aは、楕円形状や矩形状、多角形状、スリット状であっても良いし、各種の形状が開口部5および貫通孔11a・12aの間や内部で混在していても良い。さらに、開口部5および貫通孔11a・12aは、同一のサイズおよび径に設定されていても良いし、各種のサイズや径が開口部5および貫通孔11a・12aの間や内部で混在していても良い。各種のサイズや径が混在している場合には、十分な吸音性能を発揮する周波数帯域幅を拡大することができる。
また、本実施形態における吸音構造体は、各層の区分空間8・9・10が平行に配置された構成にされているが、これに限定されるものもない。即ち、吸音構造体の区分空間8・9・10は、第1中空部分6を仕切る仕切部材により第1中空部分6内で任意の形状および容積に分割や区画されていても良い。例えば、区分空間8・9・10の層厚が均等になるように各多孔板11・12を等間隔に設けるようにしても良いし、層厚が不均等になるように不等間隔に設けるようにしても良い。この場合には、吸音性能を仕切部材の変更により容易に調整することが可能になる。
本実施形態では、多孔板11・12が第1中空部分6に設けられているが、図11に示すように、第1中空部分6と隣接する、凸部3の頂部3aと側面部3bとにより囲まれた開部分7にも、多孔板14(第2の仕切部材)及び多孔板15(閉塞部材)を設けるようにしても良い。この場合、多孔板14及び/又は多孔板15は、空気層を大きく取るために、凸部3と反対方向に盛り上がった構造であっても良い。さらに、これとは逆に、多孔板14及び/又は孔板15は、高い周波数を吸音する場合、空気層が薄くて良いため、凸部3方向に窪んだ構造であっても良い。また、多孔板14を設けず、多孔板15のみを設けるようにしても良い。さらに、多孔板14・15は、金属箔、薄膜であってもよい。この場合、金属箔、薄膜は、貫通孔を有していても良いし、有していなくても良い。
上記の構成において、吸音構造体の製造方法について説明する。
先ず、吸音対象となる騒音が、どのような周波数特性を有しているのかが実測または推定される。そして、複数のピーク成分を含む周波数帯域幅の吸音率が0.3以上となる吸音特性となるように、層厚d1・d2・d3が1mm〜50mm、凹凸板2並びに第1および第2多孔板11・12において、開口率βが15%以下、板厚tが0.3mm以上、開口部5および貫通孔11a・12aの穴径bが0.8mm以下の設計条件を基準とし空気粘性を考慮してパラメータが求められる。
次に、図2に示すように、上記のパラメータでもって吸音構造体が作される。具体的には、所定厚の鉄やアルミニウム等の金属板が用意され、プレス加工機にセットされる。そして、金属板がプレス加工され、開口部5が打ち抜かれると同時に凸部3が形成されることによって、凹凸板2が作される。また、予め小径の貫通孔11a・12aが形成された金属板が準備され、凹凸板2と同様にプレス加工により支持穴11b・12bがそれぞれ形成されることによって、第1多孔板11および第2多孔板12がそれぞれ作される。尚、貫通孔11a・12aが支持穴11b・12bと同時にプレス加工により形成されても良い。
次に、凹凸板2が台上にセットされた後、この凹凸板2の上方から第1多孔板11が被せられ、凸部3が支持穴11bに挿通される。そして、この挿通途中で支持穴11bが凸部3の側面部3bに当接して支持されると、上方から第1多孔板11が凹凸板2方向に所定圧で押圧されることによって、支持穴11bが凸部3に圧接されることにより固定される。尚、固定を確実なものとするため、凸部3と支持穴11bとの当接部が接着材や溶接により固着されても良いし、螺子止めにより締結されても良い。また、第1中空部分6は、閉塞板1と凹凸板2とにより完全に密閉された状態であっても良いし、閉塞板1と頂部3aとの接着部分が一点のみである場合は、完全密閉されていなくても良い。つまり、隣接する第1中空部分6同士が閉塞板1と頂部3aとの間に生じる隙間を介して連通した状態であっても良い。
この後、第2多孔板12が第1多孔板11の上方から被せられ、第1多孔板11の場合と同様に、挿通途中の凸部3により第2多孔板12の支持穴12bが支持および固定される。そして、第2多孔板12の支持穴12bから突出した凸部3の頂部3aに閉塞板1が載置され、接着材等により固定される。これにより、第1および第2多孔板11・12は、径の異なる支持穴11b・12bが凸部3の側面部3bの異なる部分でそれぞれ固定されると共に、凸部3の頂部3aに閉塞板1が固定されることによって、層厚d1・d2・d3の区分空間8・9・10を有した吸音構造体が容易且つ高精度に作される。
尚、開部分7に多孔板14・15を設ける場合において、例えば、直径の異なる多孔板14・15を作し、直径の小さなものから順に凸部3の頂部3a側から開口に向かって設置していくことにより吸音構造体が作される。
次に、吸音構造体の動作について説明する。音源が騒音を発生すると、この騒音は、音源に対向配置された吸音構造体に進行して到達する。この際、吸音構造体は、所要の性能を満たすように構成された開口率や内装板の板厚、穴径、空気層厚でもって形成されており、吸音特性が複数の共鳴周波数の周辺帯域において高い吸音率を示した3層の区分空間8・9・10を備えた構成にされている。従って、騒音が吸音構造体に到達すると、複数の共鳴周波数の周辺帯域の騒音成分が高い吸音率で吸音されるため、エンジン等の音源が発生する主要および広い周波数帯域の騒音を吸音することができる。これにより、吸音構造体は、主要な広い周波数帯域の騒音を吸音することができる。
以上のように、本実施形態の吸音構造体は、凹部と開口部5とを有する凹凸板2と、開口部5を介して外部空間と連通する第1中空部分6を凸部3および凹部の一方を閉塞することにより形成するように凹凸板2に接合された閉塞板1と、多数の貫通孔11a・12aを有し、第1中空部分6を2以上の区分空間8・9・10に仕切る第1および第2多孔板11・12とを備えた構成にされている。そして各多孔板11・12は、凸部3に挿通する支持穴11b・12bを有し、支持穴11b・12bを画定する壁により凸部3の側面で支持される。
尚、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。
例えば本実施形態においては、閉塞板1や平面部4等は全体的に平板状としているが、これに限定することはなく、局所的に凹凸や曲面を有していても良いし、一部に段差を有していても良い。また、本実施の形態では、分散配置された複数の凸部3を有すると共に、第1中空部分6に2枚の多孔板11・12を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではない。即ち、図3に示すように、第1中空部分6に3枚以上の多孔板21を設けた構成であっても良い。この場合には、多孔板21により多数の区分空間8・9…・10が形成されるため、より一層数多くのピーク周波数を実現し吸音性能の広帯域化ができる。もちろん、多孔板21は、1枚であっても良い。また、各多孔板21の貫通孔21aは、楕円形状や矩形状、多角形状、スリット状等の各種の形状および径が各多孔板21の間および内部で同一に存在していても混在していても良い。
さらに、吸音構造体は、図4に示すように、図3の構成が一列状や縦横のマトリックス状に並列配置された構成にされていても良い。この構成の場合には、吸音力を向上させることができる。尚、凹凸板2の開口部5および各多孔板21の貫通孔21aは、並列配置された第1中空部分6の間および内部で各種の形状や径が同一にされていても良いし、混在されていても良い。これにより、より一層広いピーク周波数の吸音性能を得ることができる。また、開口率β、厚層d、板厚tなどの数値を具体的に述べているが、これに限定されることはない。これらの数値は、本実施の形態に係る吸音構造体を設置する環境や、必要とされる強度、形態などにより決定される。
参考例1
次に、本発明の参考例1を図5および図6に基づいて以下に説明する。尚、実施形態1と同一の部材には、同一の符号を付記してその説明を省略する。
参考例1に係る吸音構造体は、図5に示すように、実施形態1と同様の閉塞板1と凹凸板2とを有している。第1中空部分6には、第1多孔板31と第2多孔板32とが設けられている。第1多孔板31は、多数の貫通孔31a・32aを備えていると共に、嵌合凸部31b・32bを備えている。
嵌合凸部31b・32bは、凸部3の配設位置に一致した位置関係となるように配置されていると共に、凸部3の側面部3bおよび頂部3aで支持される外形状で深さの異なった円錐形状に設定されている。即ち、嵌合凸部31b・32bは、音源側に近い第1多孔板31と、音源側に遠い第2多孔板32とで異なった深さ、即ち、第1多孔板31の嵌合凸部31bの深さが第2多孔板32の嵌合凸部32bの深さよりも拡大されている。そして、これらの第1および第2多孔板31・32は、深さの異なる嵌合凸部31b・32bが凸部3に嵌合され、嵌合途中で凸部3の側面部3bおよび頂部3aでそれぞれ当接および支持されることによって、区分空間8・9・10の層厚d1・d2・d3をそれぞれ設定している。各多孔板31・32は、実施形態1と同様、層厚d1・d2・d3が均等になるように等間隔に設けるようにしても良いし、不均等になるように不等間隔に設けるようにしても良い。その他の構成は、実施形態1と同一であり、上述した実施形態1の構成やその変形例の構成などを適宜適用した構成であっても良い。
上記の構成において、吸音構造体の製造方法について説明する。
図6に示すように、予め実施形態1の方法で決定されたパラメータでもって吸音構造体が作される。具体的には、鉄やアルミニウム等の金属板がプレス加工され、開口部5が打ち抜かれると同時に凸部3が形成されることによって、凹凸板2が作される。また、予め小径の貫通孔31a・32aが形成された金属板が準備され、凹凸板2と同様にプレス加工により嵌合凸部31b・32bがそれぞれ形成されることによって、第1多孔板31および第2多孔板32がそれぞれ作される。尚、貫通孔31a・32aが嵌合凸部31b・32bと同時にプレス加工により形成されても良い。
次に、凹凸板2の上方から第1多孔板31が被せられ、凸部3が嵌合凸部31bに嵌合される。そして、嵌合凸部31bが凸部3の頂部3aおよび側面部3bに当接して支持されると、続いて第2多孔板32が第1多孔板31の上方から被せられる。そして、第1多孔板31の嵌合凸部31bが第2多孔板32の嵌合凸部32bに嵌合されることによって、第1多孔板31および第2多孔板32が位置決めおよび固定される。尚、固定は、接着材により行われても良い。この後、第2多孔板32の嵌合凸部32bに閉塞板1が載置され、接着材等により固定される。これにより、第1および第2多孔板31・32は、サイズ(深さ)の異なる嵌合凸部31b・32bが凸部3で固定されると共に、嵌合凸部32bの頂部に閉塞板1が固定されることによって、層厚d1・d2・d3の区分空間8・9・10を有した吸音構造体が容易且つ高精度に作される。その他の製造方法は、実施形態1と同一である。
上記のようにして製造および構成された本参考例1に係る吸音構造体によれば、実施形態1の場合と同様に、複数の共鳴周波数の周辺帯域の騒音成分が高い吸音率で吸音されるため、エンジン等の音源が発生する主要および広い周波数帯域の騒音を遮音することができる。
(実施形態
次に、本発明の実施形態を図7に基づいて以下に説明する。尚、実施形態1と同一の部材には、同一の符号を付記してその説明を省略する。
本実施形態に係る吸音構造体は、図7に示すように、第1中空部分6に3以上の多孔板41が設けられている。尚、多孔板41は、実施形態1と同様に、多数の貫通孔41aを有していると共に、各層に応じた穴径に設定された支持穴41bを備えている。これら多孔板41、等間隔に設けても、不等間隔に設けても良い。さらに、第1中空部分6には、薄膜吸音体44が設けられている。尚、薄膜吸音体44は、孔板41の間に設けられていても良いし、多孔板41と凹凸板2との間や、多孔板41と閉塞板1との間であっても良く、吸音対象となる音源に応じた最適な配置状態にされることが望ましい。
上記の薄膜吸音体44は、2枚の薄膜42・43からなっている。これらの薄膜42・43は、表面が平面状に形成されており、これらの表面同士が僅かに離隔し、振動時に接触可能な状態で隣接されている。尚、薄膜42・43は、アルミ箔等の金属製の薄膜や塩化ビニルなどの樹脂製の薄膜等を使用できるが、これらに限定されるものではない。その他の構成は、実施形態1と同一であり、上述した実施形態1の構成やその変形例の構成などを適宜適用した構成であっても良い。
このように、本実施形態の吸音構造体は、第1中空部分6を区分した区分空間の少なくとも一つに、1枚以上の薄膜吸音体44(箔)が振動または擦れ可能に設けられた構成にされている。この構成によれば、吸音構造体は、実施形態1と同じ吸音性能を発揮する動作に加えて、音波の入射により二枚の薄膜42・43が振動し、これに伴って両薄膜42・43が接触し擦れ合うことで音波エネルギーを消耗させることができる。これにより、共振現象を用いてエネルギーを消散させる構成に比べて、広い帯域で優れた吸音性能を発揮させることができる。また、吸音構造体は、アルミ箔などの金属製のものや塩化ビニルなどの樹脂製の薄膜吸音体44を使用できるため、従来シュレッダーダスト等として処分せざるを得なかったグラスウール等の難リサイクル材に比し、リサイクルが容易である。
尚、薄膜42・43は、当該薄膜は多数の微小な凸部を有し、その凸部により他の薄膜と接触するように積層されていても良い。この場合には、音波が入射すると、薄膜42・43が振動して、重なり合った部分が接触して擦れ合いを起こすため、音波のエネルギー消散が生じて吸音を実現させることができる。
また、薄膜吸音体44の薄膜42・43は、厚み方向に微細な貫通孔が形成され、これらの貫通孔が両薄膜42・43の積層方向で見たときに、両者が重複しても良いし、重複しない位置に形成されていても良い。重複している場合には、薄膜42・43が振動して擦れ合うことによる広帯域での優れた消音効果を奏するほか、音波が貫通孔を通過する際に更に音波が減衰するため、一層優れた消音効果を発揮させることができる。
また、一方の薄膜42・43の貫通孔が対向する他方の薄膜43・42の貫通孔と重複しない位置に形成されている場合は、音波は入射側から一方の薄膜43の貫通孔を通過し、二枚の薄膜42・43の間を通って、他方の薄膜42の貫通孔を通過して抜けることになる。従って、音波は二枚の薄膜42・43の内面に沿って伝播する形となるので、貫通孔を通過する際の減衰作用と薄膜42・43の表面を音波が伝播する際の粘性減衰作用とが相まって、更に一層の消音効果が発揮されることになる。さらに、薄膜吸音体44は、上記の貫通孔が微細孔とされることによって、減衰効果が一層優れたものとなり、消音効果の向上が顕著となる。尚、薄膜吸音体44は、貫通孔を有していなくても良い。
また、薄膜吸音体44は、凸部を有する代わりに、互いに接触しながら重なり合う部位を有するように折り畳まれていても良い。この場合には、重なり合う部位同士が接触して擦れ合うことで、音波エネルギーを消耗させることができ、広帯域において高い吸音率を実現できる。さらに、2枚の薄膜42・43を一枚に削減しても、重なり合う部分で吸音構造を達成できるので、コストを低減できる。
また、本実施の形態では、多孔板41と薄膜吸音体44とが設けられた吸音構造体であるが、薄膜吸音体44自体が吸音効果を有しているため、薄膜吸音体44のみが設けられた吸音構造体であっても良い。さらに、実施形態1と同様に、図12に示すように、開放部分7に薄膜吸音体45を設けるようにしても良い。この場合、薄膜吸音体45は、多孔板41と同様の多孔板であっても良いし、薄膜吸音体45及び多孔板の両方が設けられていても良い。
(実施形態
次に、本発明の実施形態を図8に基づいて以下に説明する。尚、実施形態1および実施形態と同一の部材には、同一の符号を付記してその説明を省略する。
本実施形態に係る吸音構造体は、図8に示すように、第1中空部分6に3以上の多孔板41が設けられている。また、実施形態と同様、これら多孔板41、等間隔に設けても、不等間隔に設けても良い。さらに、第1中空部分6には、吸音材51が設けられている。吸音材51は、第1中空部分6の任意の部位(区分空間)に設けられている。例えば多孔板41と閉塞板1との間や多孔板41・41間、多孔板41と凹凸板2との間の全部または一部に設けられている。また、吸音材51の設けられる部位は、各第1中空部分6において同一であっても異なっていても良い。
上記の吸音材51は、多孔質体からなっている。多孔質体は、例えばアルミニウム、ステンレス、グラスウール、ペット繊維等の金属繊維または短冊状金属を圧縮して形成されていても良いし、不織布からなっていても良い。また、金属や樹脂材料の発泡体でも良い。尚、多孔質体は、閉塞板1および凹凸板2が金属製であれば、良好なリサイクル性が得られるように、同一の金属で形成されていることが望ましい。その他の構成は、実施形態1および実施形態と同一であり、上述した実施形態1および実施形態の構成やその変形例の構成などを適宜適用した構成であっても良い。
上記の構成によれば、吸音構造体は、吸音材51がヘルムホルツ共鳴原理で十分に吸収可能な周波数帯域よりも広い帯域の騒音を吸収することができるため、防音性能を一層向上させることが可能である。
尚、第1中空部分6内に、本実施形態の吸音材51と実施形態の薄膜吸音体44と共に設けられていても良い。また、吸音構造体は、吸音材51が凹凸板2の周囲に設けられた構成であっても良い。さらに、実施形態1と同様に、図13に示すように、開放部分7に吸音材52を設けるようにしても良い。
参考例2
次に、本発明の参考例2を図14に基づいて以下に説明する。尚、実施形態1〜実施形態と同一の部材には、同一の符号を付記してその説明を省略する。
参考例2に係る吸音構造体は、図14に示すように、多数の開口部5を有した平板状の内装板2a(内装部材)と、この内装板2aと間隔をおいて対向配置される閉塞板1(外装部材)と、内装板2aと閉塞板1とを連結して、中空部分6を形成する連結部材13とを有している。閉塞板1や内装板2aは、板部材であり、鉄やアルミニウム等の金属や樹脂材料や、箔等である。連結部材13は、平坦な頂部13aと、頂部13aの周縁に設けられた側面部13bとを備えた円柱形状に形成されている。即ち、実施形態1の凸部3と同様の構成となっている。そして、頂部13a側を閉塞板1と接合するようにして内装板2aと閉塞板1とを連結することで、各連結部材13の間に中空部分6を形成するようになっている。尚、連結部材13は、頂部13aを有さない形状、即ち側面部13bのみを有する円筒状であっても良い。
中空部分6は、開口部5を介して外部空間と連通するようになっており、中空部分6には、第1多孔板61及び第2多孔板62が設けられている。第1および第2第1多孔板61・62は、多数の貫通孔61a・62aを備え、内装板2aに対して平行に配置されており、中空部分6を3層の区分空間8・9・10に音源側からこの順に仕切っている。また、各多孔板61・62は、区分空間8・9・10の厚層を均等にするように等間隔に設けても良いし、厚層を不均等にするように不等間隔に設けても良い。尚、かかる吸音構造体の動作については、実施形態1と同様であるため説明は省略する。
このように、本参考例の吸音構造体は、開口部5を備えた内装板2a(内装部材)と、内装板2aと間隔をあけて対向配置される閉塞板1(外装部材)と、内装板2aと閉塞板1とを連結して、開口部5を介して外部空間と連通する中空部分6を形成する連結部材13と、中空部分6を2以上の区切空間に仕切る第1及び第2多孔板61・62とを備えた構成にされている。この構成によると、実施形態1と同様に、吸音率の高い周波数帯域が拡大した優れた吸音性能を得ることができるという効果を得ることができる。また、連結部材13と、内装板2aとを別に構成することで、互いに別の部材で構成することができる。
尚、本参考例の連結部材13は、円筒形状としているが、これ以外の形状であってもよく、閉塞板1と内装板2aとを連結して、中空部分6を形成するものであれば良い。例えば、円錐形状や断面が多角形を有する筒状としてもよい。また、図14に描かれている連結部材13を板状としても良い。連結部材13を板状とする場合、図15に示すように、連結部材13・13間に第1多孔板61・62を設けるようにしても良い。この場合、一層高い吸音率を得ることができる。さらに、2枚以上の多孔板を設けるようにしても良い。この場合、多孔板21により多数の区分空間8・9・・・10が形成されるため、より一層数多くのピーク周波数を実現し、吸音性能の広帯域化ができる。さらに、多孔板61・62は、中空部分6に設けられているが、中空部分6と隣接する、連結部材13の頂部13aと側面部13bとにより囲まれた開口部分に多孔板を設けるようにしても良い。また、閉塞板1や内装板2aを平板状としているが、局所的に凹凸や曲面を有していても良いし、一部に段差を有していても良い。
また、内装板2aと連結部材13とを一体化して、一つの部材とするようにしてもよい。即ち、内装板2aは、連結部材13と一体化し、該連結部材13により構成された凹凸部を有する凹凸板であり、閉塞板1は、凹凸部の一方を閉塞するように接合された構成であってもよい。この場合、内装板2aと連結部材13とを一度に製造することができるため、容易に吸音構造体を製造することができる。また、この場合、連結部材13の頂部13aと側面部13bとにより囲まれた開口部分が開放するように、内装板2aに連結部材13の開口部分と同じ幅を有する開口を設けても良い。さらに、連結部材13を、閉塞板1、内装板2a又は多孔板61・62等を折り曲げることで構成するようにしても良い。また、連結部材13に複数の貫通孔を設けるようにしてもよく、この場合、閉塞板1や内装板2aと平行な方向に生じる共鳴を防止することができる。また、貫通孔を通過する際の減衰効果を向上させることができる。
また、中空部分6の区分空間8・9・10の何れかに、施形態で説明したように、吸音部材51・52を配置するようにしても良い。また、第1多孔板61・62は、金属箔や、実施形態で説明した薄膜42・43等であってもよい。この場合、金属箔、薄膜は、貫通孔を有していても良いし、有していなくても良い。その他、上述した実施形態1〜の構成やその変形例の構成などを適宜適用した構成であっても良い。
上記の構成において、吸音構造体の製造方法について説明する。尚、以下で説明する製造方法は、内装板2aと連結部材13とが一体化し、連結部材13が凹凸部を形成する吸音構造体の製造方法である。
まず、実施形態1の製造方法と同様に、各パラメータ(区分空間8・9・10の厚層、開口部5の穴径等)が求められる。次に、図16に示すように、求めたパラメータでもって吸音構造体が作される。具体的には、所定厚の鉄やアルミニウム等の金属板が用意され、プレス加工機にセットされる。そして、金属板がプレス加工され、開口部5が打ち抜かれると同時に連結部材13(頂部13a及び側面部13b)が形成されることによって、内装板2aが作される。また、予め小径の貫通孔61a・62aが形成された金属板が準備され、内装板2aと同様にプレス加工により支持穴61b・62bがそれぞれ形成されることによって、第1多孔板61および第2多孔板62がそれぞれ作される。
連結部材13及び支持穴61b・62bは、図16に示すように、一方向に長くなるように形成されている。また、連結部材13は、金属板から遠ざかる方向に徐々に径が小さくなる形状となっている。そして、支持穴61b・62bは、連結部材13を挿入でき、挿入途中で連結部材13の側面部13bが係合する大きさを有している。尚、貫通孔61a・62aが支持穴61b・62bと同時にプレス加工により形成されても良い。
次に、内装板2aが台上にセットされた後、この内装板2aの上方から第1多孔板61が被せられ、連結部材13が支持穴61bに挿通される。そして、この挿通途中で支持穴61bが連結部材13の側面部13bに当接して支持されると、上方から第1多孔板61が内装板2a方向に所定圧で押圧されることによって、支持穴61bが連結部材13に圧接されることにより固定される。尚、固定を確実なものとするため、連結部材13と支持穴61bとの当接部が接着材や溶接により固着されても良いし、螺子止めにより締結されても良い。また、中空部分6は、閉塞板1と内装板2aとにより完全に密閉された状態であっても良いし、閉塞板1と頂部13aとの接着部分が一点のみである場合は、完全密閉されていなくても良い。つまり、隣接する中空部分6同士が閉塞板1と頂部13aとの間に生じる隙間を介して連通した状態であっても良い。
この後、第2多孔板62が第1多孔板61の上方から被せられ、第1多孔板61の場合と同様に、挿通途中の連結部材13により第2多孔板62の支持穴62bが支持および固定される。そして、第2多孔板62の支持穴62bから突出した連結部材13の頂部13aに閉塞板1が載置され、接着材等により固定される。これにより、第1および第2多孔板61・62は、径の異なる支持穴61b・62bが連結部材13の側面部13bの異なる部分でそれぞれ固定されると共に、連結部材13の頂部13aに閉塞板1が固定されることによって、層厚の区分空間8・9・10を有した吸音構造体が容易且つ高精度に作される。
以上のように、本参考例の吸音構造体の製造方法は、開口部5を備えた内装板2a(内装部材)と、内装板2aと間隔をあけて対向配置される閉塞板1(外装部材)と、内装板2aと閉塞板1とを連結して、開口部5を介して外部空間と連通中空部分を形成する連結部材13と、中空部分6を2以上の区切空間に仕切る多孔板61・62とを備え、内装板2aは、連結部材13と一体化し、該連結部材13により構成された凹凸部を有する凹凸板であり、閉塞板1は、凹凸部の一方を閉塞するように接合された閉塞板である吸音構造体の製造方法であって、多孔板61・62に支持穴61b・62bを形成し、該支持穴61b・62bを凹凸板の凸部に挿通し、挿通途中で凸部により支持穴を支持及び固定させることによって、多孔板61・62を中空部分6に設けている。
また、本参考例2の製造方法の変形例として、参考例1における製造方法と同様、図17に示すように、第1多孔板61及び第2多孔板62に嵌合凸部61c・62cを形成するようにしても良い。具体的には、鉄やアルミニウム等の金属板がプレス加工され、開口部5が打ち抜かれると同時に連結部材13が形成されることによって、内装板2aが作される。尚、連結部材13は、金属板の一端から他端まで形成された平板状である。また、予め小径の貫通孔61a・62aが形成された金属板が準備され、内装板2aと同様にプレス加工により嵌合凸部61c・62cがそれぞれ形成されることによって、第1多孔板61および第2多孔板62がそれぞれ作される。嵌合凸部61cは、連結部材13を嵌合でき、嵌合凸部62cは、連結部材13及び嵌合凸部61cを嵌合できる大きさを有している。尚、貫通孔16a・62aが嵌合凸部61c・62cと同時にプレス加工により形成されても良い。
次に、内装板2aの上方から第1多孔板61が被せられ、連結部材13が嵌合凸部61cに嵌合される。そして、嵌合凸部61cが連結部材13の頂部13aおよび側面部13bに当接して支持されると、続いて第2多孔板62が第1多孔板61の上方から被せられる。そして、第1多孔板61の嵌合凸部61cが第2多孔板62の嵌合凸部62cに嵌合されることによって、第1多孔板61および第2多孔板62が位置決めおよび固定される。尚、固定は、接着材により行われても良い。この後、第2多孔板62の嵌合凸部62cに閉塞板1が載置され、接着材等により固定される。これにより、第1および第2多孔板61・62は、サイズ(深さ)の異なる嵌合凸部61c・62cが連結部材13で固定されると共に、嵌合凸部62cの頂部に閉塞板1が固定されることによって、層厚の区分空間8・9・10を有した吸音構造体が容易且つ高精度に作される。また、嵌合凸部61c・62cで連結部材13を固定する場合は、支持穴61b・62bで連結部材13を固定する場合と異なり、連結部材13を平板状とすることができ、状況に応じた吸音構造体が作できる。
このように、本参考例の吸音構造体の別の製造方法(図17参照)は、開口部5を備えた内装板2a(内装部材)と、内装板2aと間隔をあけて対向配置される閉塞板1(外装部材)と、内装板2aと閉塞板1とを連結して、開口部5を介して外部空間と連通中空部分を形成する連結部材13と、中空部分6を2以上の区切空間に仕切る多孔板61・62とを備え、内装板2aは、連結部材13と一体化し、該連結部材13により構成された凹凸部を有する凹凸板であり、閉塞板1は、凹凸部の一方を閉塞するように接合された閉塞板である吸音構造体の製造方法であって、多孔板61・62に嵌合凸部61c・62cを形成し、該嵌合凸部61c・62cを凹凸板の凸部に嵌合し、嵌合途中で凸部により嵌合凸部61c・62cを支持及び固定させることによって、多孔板61・62を中空部分6に設ける。
図1及び図2に示す実施形態1の吸音構造体について、吸音特性をシミレーションした。具体的には、図1に示すように、区分空間8・9の層厚d1・d2が8mm・8mm、多孔板11・12の貫通孔11a・12aの開口率βが1%、各多孔板11・12の板厚tが0.3mm貫通孔11a・12aの穴径が0.5mm、凹凸板2における開口部5の開口率βが7.3%、凹凸板2の板厚tが0.7mm、凹凸板2における開口部5の穴径が2mmのパラメータに設定した場合には、図9に示すように、1800Hz近辺の共鳴周波数の他に、4050Hz近辺の共鳴周波数を有することになり、多孔板を設けない場合と比較して、複数の周波数周辺の広い範囲で、高い吸音率を有することなる。
図7に示す実施形態に近似の吸音構造体について、吸音特性をシミレーションした。具体的には、実施例1のパラメータに設定すると共に、薄膜吸音体44の薄膜42・43として二重アルミ箔を使用した場合には、図10に示すように、1950Hz近辺の共鳴周波数から3200Hz近辺の共鳴周波数の範囲で高い吸引率を有することになり、多孔板を設けない場合と比較して、非常に広い範囲で高い吸音率を有することなる。
本発明の実施形態1に係る吸音構造体の概略構成図である。 本発明の実施形態1に係る吸音構造体の分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る吸音構造体の一変形例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態1に係る吸音構造体の別の変形例を示す概略構成図である。 本発明の参考例1に係る吸音構造体の概略構成図である。 本発明の参考例1に係る吸音構造体の分解斜視図である。 本発明の実施形態2に係る吸音構造体の概略構成図である。 本発明の実施形態3に係る吸音構造体の概略構成図である。 本発明の実施形態1に係る吸音構造体の吸音特性を示すグラフである。 本発明の実施形態2に近似の吸音構造体の吸音特性を示すグラフである。 本発明の実施形態1に係る吸音構造体のさらなる変形例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態2に係る吸音構造体の一変形例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態3に係る吸音構造体の一変形例を示す概略構成図である。 本発明の参考例2に係る吸音構造体の概略構成図である。 本発明の参考例2に係る吸音構造体の一変形例を示す概略構成図である。 本発明の参考例2に係る吸音構造体の分解斜視図である。 本発明の参考例2に係る吸音構造体の別の変形例を示す分解斜視図である。
1 閉塞板
2 凹凸板
3 凸部
平面
5 開口部
第1中空部分
7 開放部分
11 第1多孔板(第1の仕切部材)
11b 支持穴
12 第2多孔板(第1の仕切部材)
12b 支持穴

Claims (12)

  1. 凹凸部と開口部とを有する凹凸板と、
    前記開口部を介して外部空間と連通する第1中空部分を前記凹凸部の一方を閉塞することにより形成するように前記凹凸板に接合された閉塞板と、
    前記凹凸板の凸部に挿通する支持穴を有し、前記支持穴を画定する壁により前記凸部の側面で支持されると共に、前記第1中空部分を2以上の第1の区分空間に仕切る第1の仕切部材と
    を備えることを特徴とする吸音構造体。
  2. 前記凹凸板において、前記第1中空部分と隣接すると共に前記閉塞板とは反対側に開口し開放部分を閉塞することにより、前記外部空間と隔たれた第2中空部分を形成する閉塞部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の吸音構造体。
  3. 前記凹凸板において、前記第2中空部分を2以上第2の区分空間に仕切る第2の仕切部材をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の吸音構造体。
  4. 2以上に仕切られた前記第2の区分空間の1つのみが前記外部空間と連通していることを特徴とする請求項に記載の吸音構造体。
  5. 前記第1及び第2の仕切部材の少なくとも1つは、多数の貫通孔を有する多孔板を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の吸音構造体。
  6. 前記第1及び第2の仕切部材の少なくとも1つは、振動または擦れ可能に設けられた箔を有することを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の吸音構造体。
  7. 前記箔は、多数の貫通孔を有することを特徴とする請求項に記載の吸音構造体。
  8. 前記箔は、凹凸部を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の吸音構造体。
  9. 2以上に仕切られた前記第1及び第2の区分空間の少なくとも1つに、吸音材が設けられていることを特徴とする請求項〜8の何れか1項に記載の吸音構造体。
  10. 2以上に仕切られた前記第1の区分空間の1つのみが前記外部空間と連通していることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の吸音構造体
  11. 凹凸部と開口部とを有する凹凸板と、前記開口部を介して外部空間と連通する中空部分を前記凹凸部の一方を閉塞することにより形成するように前記凹凸板に接合された閉塞板と、前記中空部分を2以上の区分空間に仕切る仕切部材とを備えた吸音構造体の製造方法であって、
    記仕切部材に支持穴を形成し、該支持穴を前記凹凸板の凸部に挿通し、挿通途中で前記凸部により前記支持穴を支持および固定させることによって、前記仕切部材を前記中空部分に設けることを特徴とする吸音構造体の製造方法。
  12. 記仕切部材に、多数の貫通孔を設けることを特徴とする請求項11に記載の吸音構造体の製造方法。
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