JP4291178B2 - 3次元形状測定システム、同測定方法および3次元形状測定用ステージ装置 - Google Patents

3次元形状測定システム、同測定方法および3次元形状測定用ステージ装置 Download PDF

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Description

本発明は、一つまたは複数の3次元形状測定装置により複数の異なる位置で測定した物体の3次元立体形状を用いて、測定対象空間内に位置する物体の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元画像データを生成する3次元形状測定システムおよび同測定方法、並びに前記3次元形状測定システムおよび前記3次元形状測定方法に用いられる3次元形状測定用ステージ装置に関する。
従来から、異なる位置に配置した複数の3次元形状測定装置、または測定対象の物体に対し測定位置が相対的に移動される3次元形状測定装置により、対象物体の3次元立体形状を複数の異なる位置で測定して各測定位置ごとの立体形状データ群を合成し、対象物体の立体形状を任意の方向から見て表示できるようにした3次元表面形状の測定方法はよく知られている。この測定においては、立体形状データ群を高精度に合成するために、測定対象物の立体形状を測定する前に、複数の特徴点を有する基準物体を測定対象空間に配置する。そして、この基準物体の3次元表面形状を測定し、同測定によって得た立体形状データ群の中から前記特徴点の座標値を各測定位置ごとに検出し、この検出した座標値を用いて各測定位置における立体形状データ群を基準座標系の座標値に変換するための座標変換係数を計算し、この座標変換係数により各測定位置の立体形状データ群を基準座標系の座標値に変換することが行われている(特許文献1参照)。
特開平9−53914号公報
また、測定対象物の3次元表面形状を測定する前に、予め決められた形状の基準物体を測定対象空間に配置して、この3次元表面形状を測定し、同測定した3次元表面形状を表す立体形状データ群を用いて予め基準物体内に設定してある定点の座標値を各測定位置ごとに計算し、この計算した座標値を用いて各測定位置における立体形状データ群を基準座標系に変換するための座標変換係数を計算し、この座標変換係数により各測定位置における測定対象物の3次元表面形状を表す立体形状データ群を基準座標系に変換することも行われている(特許文献2参照)。
特開2002−328014号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法では、定点がある程度の大きさをもつために定点の座標値を点として正確に求めることができず、また立体形状データ群の一つ一つにはノイズが含まれているため、そのデータに基づいて検出した複数の特徴点の座標値にもノイズが含まれており、これらの特徴点の座標値を用いて座標変換係数を計算すると精度のよい座標変換係数を得ることができないという問題がある。
また、上記特許文献2に記載の方法では、座標変換係数を計算するには3つ以上の定点を設定する必要があるため、1つの基準物体に1つの定点を設定した場合、基準物体の位置を変えて3回以上測定しなければならない。また、1つの基準物体に3つの定点を設定した場合、あるいは1つの定点を持つ3つの基準物体を配置した場合、作業者が各定点の座標値を計算するために用いる立体形状データ群をそれぞれ指定する必要があるため、作業効率が悪くなるという問題がある。さらに、基準物体としては、定まった形状のものしか用いることができず、基準物体を破損、紛失した場合には、代替えを早期に用意することができないという問題もある。また、測定対象物が固定されている場合には、測定対象物の物体の測定領域内に基準物体を配置して測定する必要があるが、測定対象物の形状に適した形状の基準物体を選定できないという問題もある。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、複数の測定位置における立体形状データ群を合成するための座標変換係数を作業効率よく、かつ高精度で得ることが可能な3次元形状測定システムおよび同測定方法、並びに前記3次元形状測定システムおよび前記3次元形状測定方法に用いられる3次元形状測定用ステージ装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の特徴は、1つまたは複数の3次元形状測定装置により測定対象物の3次元表面形状を同測定対象物に対して相対的に異なる複数の位置で測定し、測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元形状測定システムにおいて、複数の基準物体を上面に固定したステージを用意しておくとともに、複数の基準物体をそれぞれ識別するための識別パラメータと、複数の基準物体によって特定される各定点の位置を表す第1座標系の座標値とを記憶手段に予め記憶しておき、前記ステージの上面に測定対象物を載せた状態で、1つまたは複数の3次元形状測定装置に、測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を同測定対象物および複数の基準物体に対して相対的に異なる複数の位置で測定させ、同測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を表す複数組の立体形状データ群を生成する立体形状データ群生成手段と、生成した各立体形状データ群から前記識別パラメータを用いて複数の基準物体を抽出する抽出手段と、各立体形状データ群に対し、前記抽出した複数の基準物体に対して予め記憶されている各定点の位置を表す第1座標系の座標値と、前記抽出された複数の基準物体に関する立体形状データ群を用いて計算された各定点の位置を表す第2座標系の座標値とにより、第2座標系の座標値を第1座標系の座標値に変換するための座標変換係数を計算する座標変換係数計算手段と、測定された測定対象物の3次元表面形状を表す各立体形状データ群を、前記計算した座標変換係数を用いて第1座標系の座標値により表された各立体形状データ群に座標変換する座標変換手段と、座標変換された複数の立体形状データ群を合成する合成手段とを設けたことにある。
この場合、前記抽出手段は、少なくとも3つの基準物体を抽出するとよい。また、前記抽出手段は、例えば、立体形状データ群生成手段により生成された各立体形状データ群から、前記識別パラメータを用いて複数の基準物体を抽出する際に、同抽出される各基準物体の定点の位置を表す第2座標系の座標値を計算することを含み、前記座標変換手段は、予め記憶されている定点の位置を表す第1座標系の座標値と、前記抽出手段にて計算された各基準物体の定点の位置を表す第2座標系の座標値とを用いて座標変換係数を計算させるとよい。
また、前記ステージを、例えば、前記複数の基準物体の定点が同一な円の円周線上にあり、前記円の中心と前記複数の基準物体の各定点を通るとともに、互いに隣り合う一対の直線がなす角度はそれぞれ異なるように構成するとよい。この場合、ステージの上面は平面状に形成され、前記円はステージの上面に平行である。
また、これに代えて、前記複数の基準物体の配置は任意とし、それらの形状、大きさおよび反射率のうちのいずれか1つをそれぞれ異ならせるようにしてもよい。また、前記ステージの上面を、垂直軸線回りに回転可能に構成するとよい。さらに、前記複数の基準物体を球体とし、前記定点は前記球体の中心とするとよい。
また、前記本発明の特徴に代えて、ステージの上面を平面に形成し、記憶手段にはさらにステージの上平面に関する情報を記憶させておき、また前記生成した各立体形状データ群からステージの上平面を表す情報を計算するようにする。そして、座標変換係数計算手段は、各立体形状データ群に対し、前記抽出した複数の基準物体に対して予め記憶されている各定点の位置を表す第1座標系の座標値および前記予め記憶されているステージの上平面に関する情報と、抽出された複数の基準物体に関する立体形状データ群を用いて計算された各定点の位置を表す第2座標系の座標値および前記計算したステージの上平面に関する情報とにより、第2座標系の座標値を第1座標系の座標値に変換するための座標変換係数を計算するようにしてもよい。
この場合、前記抽出手段は、少なくとも2つの基準物体を抽出するとよい。また、前記記憶手段に記憶されているステージの上平面に関する情報および前記情報計算手段によって計算されるステージの上平面に関する情報は、共に前記ステージの上平面の法線ベクトルを表すベクトル値とするとよい。
また、前記第1座標系の座標値を、ステージ上に固定した複数の基準物体を予め測定することにより得て、記憶手段に記憶しておくとよい。この場合、前記複数の基準物体の測定を、例えば、3次元測定機、多関節3次元測定機および3次元形状測定装置等により行うとよい。
さらに、測定対象物の3次元表面形状を同測定対象物に対して相対的に異なる複数の位置で測定する1台の3次元形状測定装置を測定対象物を上面に載せたステージ近傍に配置し、同ステージの上面を回転させる等、3次元形状測定装置に対して測定対象物を相対的に移動させるようにするとよい。また、複数の3次元形状測定装置を、測定対象物を上面に載せたステージ近傍に配置するようにしてもよい。さらに、1台の3次元形状測定装置を測定対象物を上面に載せたステージ近傍にて移動させるようにしてもよい。
このように構成した本発明においては、ユーザは測定対象物の立体形状を測定する操作を行うのみで、測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元画像データが自動生成されるので、3次元画像データを作成する作業が良好となる。また、大きさを有さない定点を指定でき、定点の座標値を多数の立体形状データ群を用いて計算するので、高精度な座標変換係数が得られ、ひいては測定対象物を任意の方向から見て表示可能な3次元画像データの精度が良好になる。
また、本発明は前記3次元形状測定システムに限定されるものではなく、3次元形状測定方法によっても実施できるものである。
また、本発明の他の特徴は、1つまたは複数の3次元形状測定装置により測定対象物の3次元表面形状を同測定対象物に対して相対的に異なる複数の位置で測定し、測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元形状測定に利用され、測定対象物を載せるためのステージを有する3次元形状測定用ステージ装置において、前記ステージの上面に複数の基準物体を固定してなり、前記複数の基準物体によって特定される各定点は同一な円の円周線上にあり、前記円の中心と前記複数の基準物体の各定点を通るとともに、互いに隣り合う一対の直線がなす角度はそれぞれ異なっているように構成したことにある。
また、これに代えて、前記複数の基準物体の配置は任意とし、それらの形状、大きさおよび反射率のうちのいずれか1つをそれぞれ異ならせて構成してもよい。また、前記複数の基準物体を球体とし、前記定点は前記球体の中心とするとよい。また、前記ステージの上面を、垂直軸線回りに回転可能に構成するとよい。
この本発明の他の特徴によれば、ステージ上における基準物体の識別パラメータと各基準物体の定点座標値を予め求めておけば、その後はこのステージを用いることにより基準物体および測定対象物の3次元表面形状測定が前述した3次元形状測定システムまたは3次元形状測定方法により同時に行うことができるとともに、この3次元表面形状測定を行う操作のみで測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元画像データが自動的に生成されるので、3次元表面形状測定作業が極めて効率よく行うことができる。なお、この場合、ステージ上に複数の基準物体が配置されているため、同時に載置される測定対象物の死角にすべての基準物体が入ることがなく、3次元形状測定装置から出力される立体形状データ群には必ずいずれかの基準物体に関する立体形状データ群が含まれることから、測定対象物を載置する場合、その位置関係を気にする必要がないため、さらに効率的な3次元表面形状測定作業を行うことができる。
以下、本発明に係る3次元形状測定システムおよび同測定方法、並びに前記3次元形状測定システムおよび前記3次元形状測定方法に用いられる3次元形状測定用ステージ装置の一実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の同実施形態に係る3次元形状測定システムの基本構成を示す概略図である。
この3次元形状測定システムは、被測定対象物(以下、「ワーク」という)WKを載置する円盤状のステージ装置10を備えている。ステージ装置10は、詳しくは図2に示すように、基台10Aと可動台10Bとからなり、可動台10Bが基台10Aに対して垂直軸線回り(図2中矢印方向)に回動可能な状態で基台10A上に載置されて一体的に構成されている。このステージ装置10の可動台10Bの上面周縁部には8つの球状の基準物体OBが配置され固定されている。基準物体OBは、後述する座標変換係数を算出する際に利用されるそれぞれ同一径に形成された真球体群であり、詳しくは図3に示すように、8つの基準物体OBが可動台10Bの中心を略中心とする円の同一円周上であって、かつ隣り合う各一対の基準物体OBと、前記円の中心とを結ぶ各一対の線がなす角度(以下、「基準物体間角度」という)は、それぞれ異なるように略均等に配置されている。なお、図3に示す各基準物体間角度は一例であって、この角度に限定されるものではない。また、この可動台10Bの側面には、可動台10Bを回動させるための回動棒10Cも設けられている。
このステージ装置10の斜め上方には、ステージ装置10に形成された測定対象空間に向けて3次元形状測定装置20が設けられている。3次元形状測定装置20は、ステージ装置10上に形成された測定対象空間内に存在する基準物体OBおよびワークWKの3次元表面形状を測定するもので、同測定結果を表す測定情報を出力する。この3次元形状測定装置20としては、基準物体OBおよびワークWKの3次元表面形状を測定するとともに同測定した3次元表面形状を表す信号を出力するものであれば、いかなる3次元形状測定装置をも利用できる。本実施形態においては、レーザ光を用いて3角測量法に従って物体の3次元表面形状を測定するものを簡単に紹介しておく。
この3次元形状測定装置においては、レーザ光源から物体に向けて出射されるレーザ光の進行方向にほぼ垂直な仮想平面を想定するとともに、同仮想平面上にて互いに直交するX軸方向およびY軸方向に沿って分割した多数の微小エリアを想定する。そして、3次元形状測定装置は、前記多数の微小エリアにレーザ光を順次照射し、物体からの反射光によって前記微小エリアが規定する物体表面までの距離をZ軸方向距離として順次検出して、物体の表面を微小エリアずつに分割した各分割エリア位置を表すX,Y,Z座標に関する情報を得て、同3次元形状測定装置に面した物体表面の形状を測定するものである。
したがって、この3次元形状測定装置は、出射レーザ光の向きをX軸方向に変化させるX軸方向走査器と、出射レーザ光の向きをY軸方向に変化させるY軸方向走査器と、物体表面にて反射された反射レーザ光を受光して物体表面までの距離を検出する距離検出器とを備えている。X軸方向走査器およびY軸方向走査器としては、レーザ光源からの出射レーザ光の光路をX軸方向およびY軸方向に独立に変化させ得る機構であればよく、例えば、レーザ光源自体をX軸方向およびY軸方向の軸線回りに電動モータによって回転させたり、出射レーザ光の光路に設けられてその方向を変更するガルバノミラーをX軸方向およびY軸方向の軸線回りに電動モータによって回転させる機構を利用できる。距離検出器としては、前記出射レーザ光の光路に追従して回転し、物体表面にて反射された反射レーザ光を集光する結像レンズおよび同集光したレーザ光を受光するCCDなどの複数の受光素子を一列に配置させたラインセンサからなり、ラインセンサによる反射レーザ光の受光位置によって物体表面までの距離を検出する機構を利用できる。
したがって、このような3次元形状測定装置は、物体の表面を微小エリアずつに分割した各分割エリア位置を表すX,Y,Z座標に関する情報として、X軸方向走査器による出射レーザ光の基準方向に対するX軸方向への傾きθx、Y軸方向走査器による出射レーザ光の基準方向に対するY軸方向への傾きθy、および距離検出器による物体表面までの距離Lzとが、前記仮想したX軸方向およびY軸方向に沿って分割した多数の微小エリアごとに出力される。より具体的には、X軸およびY軸方向への傾きθx,θyは、電動モータの基準位置からの回転角である。また、物体表面までの距離Lzは、ラインセンサにおける反射レーザ光の受光位置である。
この3次元形状測定装置20には、コントローラ31および3次元画像処理装置32が接続されている。コントローラ31は、キーボードからなる入力装置33からの指示に従って、3次元形状測定装置20の作動を制御する。また、コントローラ31は、入力装置33からの指示に従って3次元画像処理装置32の作動を制御するとともに、同入力装置33にて入力されたデータを3次元画像処理装置32に供給する。
3次元画像処理装置32は、コンピュータ装置によって構成されて図6〜8のプログラムの実行により、3次元形状測定装置20からの3次元形状に関する情報(立体形状データ群)を入力して、測定対象空間内に位置する物体の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元画像データを生成する。この3次元画像処理装置32には、表示装置34が接続されている。表示装置34は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRTディスプレイなどを備えており、3次元画像処理装置32からの3次元画像データに基づいて測定対象空間内に位置する物体の3次元画像を表示する。
次に、上記のように構成した3次元形状測定システムの作動について説明する。ユーザは、ステージ装置10上に配置されている8つの基準物体OBのそれぞれの中心座標および球半径、基準物体OBの中心を通る円の半径(以下、「基準物体中心円半径」という)および基準物体間角度とを算出する作業を行う。なお、以下、これらの中心座標、球半径、基準物体中心円半径および基準物体間角度を「基準物体情報」という。具体的には、図4に示す3次元測定機により行う。この3次元測定機は、測定対象空間内に位置する物体の座標位置や物体の大きさなどを3次元的に計測することができる測定機であり、測定部41、コントローラ42、座標計算処理装置43、入力装置44および表示装置45から構成されている。測定部41は、ベース46上に載置された被測定対象物の表面に、アーム47およびコラム48により図示X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の3軸方向に摺動可能に支持されているプローブ49を接触させて、その接触点における各座標値(以下、「測定座標情報」という)を座標計算処理装置43に出力する。
この測定部41には、コントローラ42および座標計算処理装置43が接続されている。コントローラ42は、キーボードからなる入力装置44からの指示に従って、測定部41の作動を制御する。また、コントローラ42は、入力装置44からの指示に従って座標計算処理装置43の作動を制御するとともに、同入力装置44にて入力されたデータを座標計算処理装置43に供給する。
座標計算処理装置43は、コンピュータ装置によって構成され、所定のプログラムの実行により前記測定部41から出力された測定座標情報と前記コントローラ42から供給されるデータとを用いて各種の計測値の演算を行い、その結果を表示装置45に出力する。表示装置45は、液晶ディスプレイなどから構成されており、前記座標計算処理装置43による演算結果を表示する。
このように構成された3次元測定機のベース46上の測定対象空間内に、ユーザはステージ装置10をセットした後、入力装置44を操作して基準物体情報の演算を指示する。この基準物体情報の演算の指示は、コントローラ42を介して座標計算処理装置43に伝達され、座標計算処理装置43は図5の基準物体情報演算プログラムの実行をステップS10にて開始して、ステップS12にてユーザによる基準物体OBの特徴の入力を待つ。ユーザが入力装置44を操作して基準物体OBの特徴を入力すると、同入力情報はコントローラ42を介して座標計算処理装置43に供給される。ここで基準物体OBの特徴とは、本実施例においては、基準物体OBが球体であることを表すデータである。なお、以前に入力された基準物体OBの特徴が変更されない場合には、このステップS12の処理をスキップさせてもよい。このステップS12の処理後、座標計算処理装置43は、ステップS14にて測定部41による基準物体OBの測定座標情報の入力を待つ。
一方、ユーザは、測定部41のプローブ49を操作して測定対象となるいずれか一つの基準物体OBの表面を4箇所接触させる。これにより、測定部41は前記4箇所の接触点に対応する4組の測定座標情報(各点は、座標値x,y,zで表される)を座標計算処理装置43に出力する。ここで、この測定座標情報は、ステージ装置10に関する座標系(以下、「固定座標系」という)であって、本実施形態においては、円形に形成されたステージ装置10の上面中心点付近であって、基準物体OBの表面にプローブ49を接触させる前に予め決められる点を原点とするX,Y,Z座標の3次元座標における座標値である。座標計算処理装置43は、ステップS16にて、この4組の測定座標情報を用いて、測定対象となっている基準物体OBの中心座標値および球半径を計算する。具体的には、球体の表面は下記数1によって表されることから、前記4組の測定座標情報を下記数1の方程式のX,Y,Zにそれぞれ代入することにより算出することができる。なお、下記数1において、a,b,cは球体の中心座標を表す未知数であり、dは球体の半径を表す未知数である。
Figure 0004291178
したがって、このステップS16の処理では、前記ステップS14の処理によって得られた4組の測定座標情報を各測定座標情報ごとに前記数1の左辺に代入して、4つの連立方程式を作成し、この連立方程式を解くことでa,b,c,dが計算される。これにより、基準物体OBの中心位置を表す座標値x,y,zがa,b,cとして算出されるとともに球半径Krがdとして算出される。
なお、本実施形態においては、一つの基準物体OBに対してプローブ49を4箇所接触させるようにしたが、4箇所以上の接触を行って、補正を含む高精度の中心座標値(x,y,z)および球半径Krの計算を行うようにしてもよい。また、各球体の半径dが既知である場合には、接触点を3点にしても基準物体OBの中心座標値(x,y,z)および球半径Krを求めることができる。さらにまた、一つの基準物体OBに対して複数の測定座標情報を取得し、それぞれについて中心座標値(x,y,z)および球半径Krの計算を行い、それらの平均した値を中心座標値(x,y,z)および球半径Krとしてもよい。これにより、さらに高精度な基準物体OBの中心座標値(x,y,z)および球半径Krを求めることができる。
そして、座標計算処理装置43はステップS18にて、すべての基準物体OBについて中心座標値(x,y,z)および球半径Krが得られたか否かを判定する。この判定において、すべての基準物体OBの中心座標値(x,y,z)および球半径Krが得られていないと判定、すなわち「No」と判定された場合には、ステップS14に戻って未だ得られていない基準物体OBについて、その中心座標値(x,y,z)および球半径Krの求める処理を繰り返し行う。一方、すべての基準物体OBの中心座標値(x,y,z)および球半径Krが得られたと判定、すなわち「Yes」と判定された場合には、ステップS20に進む。なお、この処理により8つの基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)および球半径Kri(i=1〜8)がそれぞれ得られたことになるが、基準物体OBはすべて同一径に形成されているため、いずれか1つの球半径Kri(i=1〜8)を球半径Krとする。また、これらの球半径Kri(i=1〜8)の平均値を球半径Krとしてもよい。
次に、ステップS20では、前記ステップS16で得られた基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)を用いて基準物体中心円半径および基準物体間角度の算出を行う。ここで、基準物体中心円半径は、下記数2の方程式により求めることができる。数2中、x,y,zは、8つの基準物体OBの各中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)を通る円(以下、「基準物体中心円」という)の円周上の座標値を示し、rは同基準物体中心円の半径を示している。また、ベクトルPは同円の中心座標値を示し、ベクトルuおよびベクトルvは数3に示す2つの単位ベクトルをx軸およびz軸回りにそれぞれα,βだけ回転することによりできるベクトルであり、行列式で表すと数4に示すようになる。この数2の方程式を用いて基準物体中心円半径を求めるには、数2中、x,y,zに前記ステップS16で得られた基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)のいずれか3つの中心座標値をそれぞれ代入して9つの連立方程式をたて、これを解くことにより基準物体中心円の中心座標値x,y,zをa,b,cとして、中心円半径Brをrとして求めることができる。なお、基準物体OBは8つあるので、3つの基準物体OBのすべての組み合わせにより基準物体中心円の中心座標値x,y,zと基準物体中心円半径Brをそれぞれ算出して、これらの平均値により基準物体中心円の中心座標値x,y,zと基準物体中心円半径Brを求めてもよい。これにより、さらに高精度な基準物体中心円の中心座標x,y,zと基準物体中心円半径Brを求めることができる。
Figure 0004291178
Figure 0004291178
Figure 0004291178
次に、前記算出された基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)を基準物体中心円の円周上に実際に基準物体OBが並んでいる順になるように並び替える。具体的には、基準となる1つの基準物体OBを選定し、この基準物体OBの中心座標値と基準物体中心円の中心座標値とを結ぶベクトル(以下、「基準ベクトル」という)と、同基準物体OB以外の基準物体OBの中心座標値と同基準物体中心円の中心座標値とを結ぶベクトル(以下、「従ベクトル」)がなす角度を下記数5に示すベクトルの内積の式を用いて計算し、両ベクトルがなす角度を算出するとともに、同両ベクトルの外積により形成されるベクトルの向きが、基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)を含む平面に対して上向きか下向きかを判定する。これにより、基準ベクトルに対する従ベクトルの向きを特定することができる。そして、同従ベクトルの向きが同じものを前記算出した両ベクトルのなす角度が小さい順に並べる。
Figure 0004291178
そして、隣り合った基準物体OB間の角度(図3参照)を前記数5を用いて再び計算する。この隣り合った基準物体OB間の角度の計算は、隣り合う一対の基準物体OB間すべてについて行うため、8つの基準物体間角度Bαi(i=1〜8)が得られることになる。なお、3次元測定機による測定を、基準物体OBが基準物体中心円の円周上に並んでいる順に行えば、基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)を並び替える必要はなく、隣り合った基準物体OB間の角度の計算を行えばよい。
以上の処理により求められた各基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)、球半径Kr、基準物体中心円半径Brおよび基準物体間角度Bαi(i=1〜8)からなる基準物体情報をステップS22にて、それぞれ表示装置45上に表示させる。そして、ステップ24にて、この基準物体情報演算プログラムの実行を終了する。これにより、ユーザはステージ装置10に配置されている基準物体OBの基準物体情報を得たことになる。なお、このようにして求められた基準物体情報のうち、基準物体OBの各中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)を定点と呼ぶ。定点とは、3次元形状測定装置20の3次元表面形状の測定に基づいて生成される立体形状データ群の属する座標値を、共通の基準座標系に変換するために用いられる測定対象空間内の特定の位置である。この定点としては種々のものが考えられるが、本実施形態においては前記の通り、基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)を定点とする。
次に、ユーザは基準物体の特徴および前記基準物体情報(各定点、球半径Kr、基準物体中心円半径Br、基準物体間角度Bαi(i=1〜8))を3次元形状測定装置20に入力する。ここで基準物体の特徴とは、基準物体OBが球体であることを表すデータである。ユーザが入力装置33を操作して基準物体の特徴および基準物体情報を入力すると、同入力情報はコントローラ31を介して3次元画像処理装置32に供給される。なお、本実施形態においては、ユーザの操作により基準物体の特徴および基準物体情報の入力を行ったが、3次元測定機の座標計算処理装置43と3次元画像処理装置の3次元画像処理装置32を信号ケーブルなどで結ぶことにより、座標計算処理装置43から直接、3次元画像処理装置32に基準物体の特徴および基準物体情報を供給するようにしてもよい。また、以前に入力された基準物体の特徴および基準物体情報が変更されない場合には、この操作は省略してもよい。
次に、ユーザは、前記ステージ装置10を3次元形状測定システムの所定の位置にセットするとともにステージ装置10上に測定対象であるワークWKを載置する(図1参照)。ここで、3次元形状測定システムの所定の位置とは、3次元形状測定装置20により3次元表面形状測定が可能な範囲内(測定対象空間)の位置である。この状態で、ユーザは、入力装置33を操作して3次元形状測定装置20による測定を指示すると、同指示はコントローラ31に伝達されて、コントローラ31は3次元形状測定装置20に対して3次元表面形状の測定を指示する。これにより、3次元形状測定装置20は、ステージ装置10上の基準物体OBおよびワークWKの3次元表面形状すなわち測定対象空間内に位置するすべての基準物体OBおよびワークWKの3次元表面形状を測定し始める。
これにより3次元形状測定装置20は、測定対象空間内に位置するすべての基準物体OBおよびワークWKの3次元形状を表す立体形状データ群を生成して、同立体形状データ群を3次元画像処理装置32に出力する。すなわち、すべての基準物体OBおよびワークWKの表面を微小エリアずつに分割した各分割エリア位置を表すX,Y,Z座標に関する立体形状データ群(具体的には、傾きθx,θyおよび距離Lz)を3次元画像処理装置32に出力する。3次元画像処理装置32は、3次元形状測定装置20から出力された立体形状データ群を入力する。この立体形状データ群は、3次元形状測定装置20の特定位置を原点にしたX,Y,Z座標系(以下、「カメラ座標系」という)に関する3次元データであり、各座標軸は図1に示す方向に設定されている。
次に、ユーザは、入力装置33を操作することにより測定対象であるワークWKの3次元画像の生成を3次元画像処理装置32に指示する。この指示に応答して、3次元画像処理装置32は、図6に示す3次元画像生成プログラムの実行をステップS30にて開始して、ステップS32にて、前記3次元形状測定装置20から入力された立体形状データ群の中から基準物体OBの3次元表面形状を表す立体形状データ群の抽出処理を行う。具体的には、図7に示す基準物体抽出サブプログラムの実行をステップS60にて開始する。
3次元画像処理装置32は、ステップS62にて、前記入力された基準物体の特徴および基準物体情報中の基準物体OBの球半径Krを用いて、単位ブロックおよび探索ブロックのサイズ設定処理を実行する。単位ブロックは、基準物体OBの存在位置を特定するために探索ブロックを移動させる最小のブロックであり、本実施形態では立方体に形成されているが、直方体などの他の形状でもよい。また、単位ブロックのサイズは、基準物体OBの一部が存在することを確認可能である程度に小さく設定される。探索ブロックは、基準物体OBをその内部に包含する位置を特定するために利用されるもので、本実施形態では立方体に形成されるが、直方体などの他の形状でもよい。また、この探索ブロックのサイズは、基準物体OBのすべてを包含できるとともに、なるべく小さく設定される。ただし、この基準物体OBを包含できるとは、基準物体OBの一部でも含む単位ブロックのすべてを含むことを意味する。なお、本実施形態においては、ステップS62において、単位ブロックおよび探索ブロックのサイズを設定するようにしたが、基準物体OBの変更がなければ予め設定されている単位ブロックおよび探索ブロックのサイズをそのまま利用すればよいので、このステップS62の処理は不要である。
この単位ブロックおよび探索ブロックの寸法について、具体例を挙げて説明しておく。例えば、前記球半径Krが12.5mmであれば、基準物体OBの球径は25mmであり、単位ブロックのサイズとして立方体の1辺の長さ4mmが設定されるとともに、探索ブロックのサイズとして立方体の1辺の長さ32mmが設定される。これによれば、探索ブロックは、8×8×8個の単位ブロックを含むことになり、直径25mmのうちの24mmが6個の単位ブロックに完全に包含され、残りの1mmが1個または2個の単位ブロックに含まれることになる。図9は、単位ブロックと探索ブロック関係を斜視図により示している。
次に、3次元画像処理装置32は、ステップS64にて探索領域のブロック化処理を実行する。この探索領域のブロック化処理は、測定対象空間内で基準物体OBの含まれる可能性のある領域を単位ブロックで分割する処理である。基本的には、基準物体OBおよびワークWKに関する立体形状データ群に基づき、測定対象空間内のうち立体形状データ群が存在する空間を単位ブロックで立体的に分割する。分割は、前記X,Y,Z座標の各座標軸に沿って単位ブロックを並べていく方法で行う。図10は図1の測定対象空間内に置かれた基準物体OBおよびワークWKに関する立体形状データ群に基づき本処理を行った結果を示す2次元の概念図である。図10中、二点鎖線は測定対象空間内の境界(測定対象領域)を示している。そして、分割後の各単位ブロックBLはX,Y,Z方向の位置i,j,kを用いた座標(i,j,k)によって表される。ただし、i,j,kの各値は整数である。なお、このステップS64の探索領域のブロック化処理においては、基準物体OBの存在しない連続領域、すなわち基準物体OBに関する立体形状データ群の含まれない連続領域を単位ブロックによる分割領域外としたが、測定対象領域の全域に渡って単位ブロックによる分割を行うようにしてもよい。
次に、3次元画像処理装置32は、ステップS66にて、前記ステップS64の処理によって分割した各単位ブロックごとに立体形状データ群が所定個数以上あるかを調べる。そして、立体形状データ群が所定個数以上ある単位ブロックを抽出する。図11(A)〜(D)は、前述した基準物体OBを25mmの球体にした場合の例を採用して、抽出された単位ブロックを3次元形状測定装置20に視点をおいてZ軸方向から見たときの概念図である。ただし、外枠は探索ブロックに対応しており、ハッチング部分が抽出された単位ブロックである。
次に、3次元画像処理装置32は、ステップS68にて、基準物体OBを含む可能性のある探索ブロック位置の検出を行う。この探索ブロック位置の検出処理においては、前記ステップS64の処理により単位ブロックに分割した領域にて、前記ステップS62の処理により設定した探索ブロックを単位ブロックを単位として、X軸、Y軸およびZ軸方向に順次移動させる。そして、各移動ごとに移動後の探索ブロック内に含まれるとともに前記ステップS66の処理によって抽出された単位ブロックの個数を計算する。前記単位ブロックの数が所定の範囲内であれば、該当する探索ブロック位置であるとして同位置が検出される。図12の(A)〜(D)は、この探索ブロックの移動の状態を2次元的に示す概念図である。
この場合、基準物体OBは球体であるので、3次元形状測定装置20と対向する側に位置して立体形状データ群が得られる箇所と、3次元形状測定装置20と対向しない側に位置して立体形状データ群が得られない箇所の割合は、ほぼ同じであるので、球体の直径が特定されれば探索ブロック内に含まれる単位ブロックの数は設定される。その結果、図11(A)に示す球体が基準物体OBであれば、図11(B)に示すような基準物体OBより直径の小さな球体を、単位ブロックの数が所定範囲外であるとして除外することができる。
ただし、図11(C)に示すような基準物体OBより直径の大きな球体は、探索ブロックの位置によって抽出された単位ブロックの数が所定の範囲内になることがあるため、該当する探索ブロックの位置として検出される。また、図11(D)に示すように基準物体OBの他に測定対象たるワークWKを探索ブロック内に含まれる単位ブロックの数が所定の範囲内であるとして検出する場合もある。このため、立体形状データ群を所定数以上含む単位ブロックの数に代えまたは加えて、同単位ブロックの分布に基づいて該当探索ブロック位置の抽出処理を行えば基準物体OB以外の物体を除外することができる。
具体的には、図11のように探索ブロックを3次元形状測定装置20から見て(すなわち、Z軸方向からみて)、Z軸方向のいずれかの面で単位ブロックが抽出された箇所を、X,Y軸の平面内で抽出された単位ブロックとして、X,Y軸の平面の単位ブロック各列で抽出された数が設定数の範囲内であることを条件に探索ブロック位置を検出すればよい。このようにすれば、図11(A)が基準物体OBを示すとすれば、図11(B)(C)に示すような基準物体OBと直径の異なる球体や図11(D)に示すような球体以外の物体は、X,Y軸の平面の単位ブロック各列で抽出された数が設定数の範囲外であるとして除外することができる。さらに、前記処理において検出された物体を、X,Y軸の平面の単位ブロックにおける各列のX,Z平面またはY,Z平面で抽出した単位ブロックが、円状に分布していることを条件にして追加の検出を行えば、円柱または円錐で直径が等しく、中心軸がZ軸方向に向いているため検出されたもの除外することができる。
次に、3次元画像処理装置32は、ステップS70にて、前記ステップS68の処理によって検出した位置の探索ブロック内に含まれる立体形状データ群が、基準物体OBの形状に合致するか否かを判定し、合致すると判定したとき探索ブロック内の立体形状データ群を抽出する立体形状データ群抽出処理を行う。
具体的には、該当する探索ブロック内のすべての立体形状データ群(X,Y,Z座標値)を、球体を表す式である前記数1の左辺のX,Y,Zにそれぞれ代入し、最小2乗法を用いて未知数a,b,c,dを計算する。この場合、a,b,cは、立体形状データ群により表された球体中心のx,y,z座標値をそれぞれ表し、dは球体の半径を表す。次に、前記該当する探索ブロック内の各立体形状データ群(X,Y,Z座標値)ごとに、同立体形状データ群(X,Y,Z座標値)と前記計算した値a,b,cを前記数1に代入して、各立体形状データ群ごとに値d(球体中心からの距離)を計算する。そして、前記計算した値d(球の半径)と前記入力した基準物体OBの球半径Krとの差が所定の判別値以内であり、かつ各立体形状データ群の球体中心からの距離の偏差が所定の判別値以内であれば、前記探索ブロック内の立体形状データ群は合致するとして、同立体形状データ群に基づく前記球体中心(X,Y,Z座標値)および球の半径dを抽出基準物体データとして記憶する。一方、前記差または偏差が所定の判別値以内でなければ、前記探索ブロック内の立体形状データ群は合致しないとして、抽出基準物体データの記憶はしない。このステップS70の処理後、ステップS72にて、基準物体抽出サブプログラムの実行を終了して、再び3次元画像生成プログラムのステップS32に戻る。
次に3次元画像処理装置32は、ステップS34にて前記ステップS32によって抽出された抽出基準物体データおよび前記入力した基準物体情報を用いて基準物体OBを特定する処理を行う。具体的には、図8に示す基準物体特定サブプログラムの実行をステップS80にて開始する。3次元画像処理装置32は、ステップS82にて、前記ステップS32において抽出した抽出基準物体データの球体中心(X,Y,Z座標値)データのうち3組を選び、それぞれ前記数2のx,y,zに代入して、同3組の球体中心(X,Y,Z座標値)データにより形成される円の半径rを計算する。なお、この円の半径rの算出は、同球体中心(X,Y,Z座標値)データのすべての組み合わせ(1〜n)について行われる(円の半径ri(1〜n))。そして、これらの円の半径ri(i=1〜n)と基準物体情報の基準物体中心円半径Brとをそれぞれ比較して、円の半径ri(i=1〜n)と同基準物体中心円半径Brとの差が所定の判別値以内である球体中心(X,Y,Z座標値)データの組み合わせをすべて抽出し記憶する。
次に3次元画像処理装置32は、ステップS84にて、前記ステップS82により抽出された球体中心(X,Y,Z座標値)データの組み合わせを用いて、基準物体情報の基準物体間角度Bαi(i=1〜8)と一致する球体中心(X,Y,Z座標値)データの組み合わせを抽出する。具体的には、前記ステップS82により抽出された球体中心(X,Y,Z座標値)データの組み合わせの中から、最も基準物体中心円半径Brに近い円の半径ri(i=1〜n)を形成する球体中心(X,Y,Z座標値)データの組み合わせを選択し、この3組の球体中心(X,Y,Z座標値)が形成する円の同一円周上に、先に基準物体間角度Bαi(i=1〜8)を求める際に行った方法と同じ方法により同球体が順番に並ぶように並び替えた後、互いに隣り合う球体中心(X,Y,Z座標値)と同円の中心とを結ぶ線がなす角度を、前記数5に同3組の球体中心(X,Y,Z座標値)データと同円の中心座標のデータをそれぞれ代入することにより求める。なお、この角度の計算は、3組の球体の隣り合う球体間について行うので、2つの角度が計算されることになる。
そして、この3組の球体中心(X,Y,Z座標値)から算出された2つの角度と基準物体情報の基準物体間角度Bαi(i=1〜8)との差が所定の判別値以内であって連続して配置されている3組の基準物体OBを特定する。ここで、前記算出された2つの角度と基準物体間角度Bαi(i=1〜8)との差が所定の判別値以内でなければ、前記ステップS82により抽出された球体中心(X,Y,Z座標値)データの組み合わせの中から、次に基準物体中心円半径Brに近い円の半径ri(i=1〜n)を形成する球体中心(X,Y,Z座標値)データの組み合わせを選択し、同様の処理を実行して3組の基準物体OBの特定を繰り返し行う。すなわち、このステップS84の処理によって、3次元形状測定装置32から出力された立体形状データ群が、ステージ装置10に配置されている8つの基準物体OBのうち、いずれの基準物体OBについての立体形状データ群であるのかを特定している。なお、この特定された3組の基準物体OBを基準物体OB1,OB2,OB3とする。このステップS84の処理後、ステップS86にて、基準物体特定サブプログラムの実行を終了して、再び3次元画像生成プログラムのステップS34に戻る。
次に3次元画像処理装置32は、ステップS36にて、座標変換係数(座標変換パラメータ)の計算処理を実行する。この座標変換係数の計算処理は、1つの座標系の立体形状データ群を他の座標系の立体形状データ群に変換するための変換係数を計算するものである。本実施形態においては、ステージ装置10に関する座標系である固定座標系を基準座標系とし、3次元形状測定装置20に関する座標系であるカメラ座標系の各座標値を前記固定座標系に変換する。
このステップS36による座標変換係数の計算処理に先立ち、座標変換について簡単に説明しておく。X,Y,Z座標からなる第1座標系と、同第1座標系をX軸、Y軸およびZ軸回りにそれぞれα,β,γだけ回転させるとともに、同第1座標系の原点をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向にそれぞれa,b,cだけ移動させた第2座標系を想定する。第1座標系における一点の座標値(x’,y’,z’)とし、第2座標系における同一点の座標値を(x,y,z)とすると、下記数6が成立するとともに、同数6中の行列Mは下記数7によって表される。
Figure 0004291178
Figure 0004291178
前記ステップS36の座標変換係数の計算は、前記数6および数7中の行列値g11,g12,g13,g21,g22,g23,g31,g32,g33および行列値a,b,cを計算することを意味する。まず、カメラ座標系(前記第2座標系に相当)における座標値(x,y,z)を、基準座標系である固定座標系(前記第1座標系に相当)における座標値(x’,y’,z’)に変換するための座標変換係数を計算する。特定された基準物体OBである基準物体OB1,OB2,OB3の定点に対応した固定座標系におけるデータセットPa1,Pa2,Pa3を(xa1,ya1,za1),(xa2,ya2,za2),(xa3,ya3,za3)とし、同基準物体OB1,OB2,OB3の定点に対応したカメラ座標系におけるデータセットPb1,Pb2,Pb3を(xb1,yb1,zb1),(xb2,yb2,zb2),(xb3,yb3,zb3)とすると、下記数8〜10の関係が成立する。
Figure 0004291178
Figure 0004291178
Figure 0004291178
前記数8を変形すると、下記数11の連立方程式が成立する。
Figure 0004291178
また、基準物体OB1,OB2,OB3のすべての定点を含む平面の法線ベクトルのカメラ座標系における成分を(α,β,γ)とし、固定座標系における同平面の法線ベクトルを(α’,β’,γ’)とすると、2つの法線ベクトルの大きさが同じであれば一般的には次の数12が成立する。なお、同数12中の行列Mは、前記数7によって表される。
Figure 0004291178
固定座標系およびカメラ座標系における基準物体OB1,OB2,OB3のすべての定点を含む平面の法線ベクトルを、基準物体OB2の定点から基準物体OB1の定点に向かうベクトルと、基準物体OB3の定点から基準物体OB2の定点に向かうベクトルとの外積により成立するベクトルとすると、固定座標系における法線ベクトルおよびカメラ座標系における法線ベクトルは下記数13によって表される。
Figure 0004291178
前記数13を前記数12に当てはめると、下記数14が成立する。
Figure 0004291178
前記数14の1番目の式を前記数11に加えれば、下記数15の連立方程式となる。
Figure 0004291178
この数15の連立方程式を解くことにより、行列値g11,g12,g13を計算することができる。また、前記数9および数10に関しても、前記数11の連立方程式のように変形し、数14の2番目の式または3番目の式を加えれば、行列値g21,g22,g23および行列値g31,g32,g33を計算できる。そして、これらの計算した行列値を前記数8〜10に代入すれば、行列値a,b,cを計算できる。これにより、カメラ座標系における座標値(x,y,z)を、基準座標系である固定座標系における座標値(x’,y’,z’)に変換するための座標変換係数が計算される。
次にステップS38にて、前記ステップS36の座標変換係数の計算処理によって得られた座標変換係数(g11,g12,g13,g21,g22,g23,g31,g32,g33,a,b,c)を用いて、カメラ座標系におけるワークWKの立体形状データ群を基準座標系である固定座標系における立体形状データ群に変換する。この場合、前述した数6の演算の実行によって変換は行われる。そして、この固定座標系に変換されたワークWKの立体形状データ群は、ステップS40にて記憶される。
次にステップS42にて、ステージ装置10上の基準物体OBおよびワークWKの3次元表面形状測定を継続するか否かをユーザに確認する。これは、正確なワークWKの3次元画像を生成するためには、1回目の3次元表面形状測定では得られないワークWKの立体形状データ群(3次元形状測定装置20に対して裏側に位置するワークWKの外表面の立体形状データ群)を得る必要があるからである。したがって、引き続きワークWKの3次元表面形状測定が必要であると判断される場合には、ユーザは入力装置33を操作して3次元表面形状測定の「継続」を指示する。これにより、3次元画像処理装置32は前記ステップS32に戻って再びステージ装置10上の基準物体OBおよびワークWKの3次元表面形状測定の実行を行う。この場合、ユーザは、ステージ装置10の回転棒10Cを操作することにより、必要な方向に必要な量だけ可動台10Bを回転させて、3次元形状測定装置20に対してワークWKの向きを調整する。また、これまでの3次元表面形状測定によってワークWKの3次元画像が生成できると判断される場合には、ユーザは入力装置33を操作して3次元表面形状測定の「終了」を指示する。これにより、3次元画像処理装置32は、基準物体OBおよびワークWKの3次元表面形状測定の処理を終了してステップS44の処理に移る。
ステップS44では、それぞれ異なる方向から3次元表面形状測定されたワークWKの固定座標系における立体形状データ群を一組の3次元画像データに合成する。この合成においては、異なる方向から3次元表面形状測定されたワークWKの立体形状データ群が基準座標系である固定座標系における座標値で表されているので、一方向からの3次元表面形状測定では得られないワークWKの立体形状データ群(3次元形状測定装置20に対して裏側に位置するワークWKの外表面の立体形状データ群)を互いに補うことによって、一組の3次元画像データが得られることになる。
次に3次元画像処理装置32は、ステップS46にて、前記合成された3次元画像データを用いてワークWKを表示装置34にて立体表示させる。この場合、ユーザは入力装置33を操作することによりワークWKの表示方向を指示することができ、コントローラ31および3次元画像処理装置32は表示装置34にて表示されるワークWKの表示方向を変更する。これにより、ワークWKを任意の方向から見た画像を表示させることができる。その後、ステップS48にて3次元画像生成プログラムの実行を終了する。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、基準物体情報演算プログラムの実行により、ステージ装置10上に配置されている基準物体OBの定点などの基準物体情報を予め求めておく。その後、3次元画像生成プログラムの実行により、この基準物体OBと測定対象であるワークWKとを同時に3次元表面形状測定して、基準物体OBに関する立体形状データ群を抽出するとともに、この立体形状データ群を用いてステージ装置10上の基準物体OBを特定し座標変換係数が計算される。そして、この座標変換係数を用いてワークWKの固定座標系における立体形状データ群に変換された後、異なる方向から同様にして得られた立体形状データ群を合成することにより3次元画像データを生成している。
したがって、上記実施形態によれば、ユーザはステージ装置10上における基準物体OBの基準物体情報を予め求めておけば、その後はこのステージ装置10を用いることにより基準物体OBおよびワークWKの3次元表面形状測定が同時に行うことができるとともに、この3次元表面形状測定を行う操作のみでワークWKの3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元画像データが自動的に生成されるので、3次元表面形状測定作業が極めて効率よく行うことができる。なお、この場合、ステージ装置10上の周縁部に基準物体OBが配置され、その内側にワークWKを載置して3次元表面形状測定を行うため、ワークWKの死角にすべての基準物体OBが入ることはなく、3次元形状測定装置32から出力される立体形状データ群には必ずいずれかの基準物体OBに関する立体形状データ群が含まれることから、ワークWKを載置する場合、その位置関係を気にする必要がないため、さらに効率的な3次元表面形状測定作業を行うことができる。また、大きさを有さない定点を指定できるので、高精度な座標変換係数が得られ、これによりワークWKを任意の方向から見て表示可能な3次元画像データの生成精度が良好になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。以下、変形例について説明する。
a.第1変形例
上記実施形態においては、基準物体OBに関する基準物体情報の算出を3次元測定機により行っていたが、これに限定されるものではなく、例えば以下に示す変形実施形態によっても基準物体情報の算出を行うことができる。
第1の変形実施形態として、多関節3次元測定機を用いた例を図13に示す。この多関節3次元測定機は、測定空間内に位置する物体の座標位置や大きさなどを3次元的に計測することができる測定機であり、基台50上に固定して先端部を測定対象空間内において自由に変移させる支持機構60と、支持機構60の先端部に取り付けた触針70とを備えている。支持機構60は、3つの連結部61a,61b,61cによりそれぞれ図示矢印方向に回転可能に組み付けられた第1アーム62、第2アーム63、第3アーム64が、基台10上に立設固定された固定ポール65の上端に、図示矢印方向に回転可能に支持された回転ロッド66を介して組み付けられて構成されている。この支持機構60の第3アーム64の先端部には、先端を尖らせて形成した触針70が組み付けられている。また、支持機構60内には、回転角センサ67a,67b,67c,67dが設けられており、これら各回転角センサ67a,67b,67c,67dは、回転ロッド66および連結部61a,61b,61cのそれぞれの軸線回りの回転角を検出する。
また、この多関節3次元測定機には、コントローラ81、座標計算処理装置82、入力装置83および表示装置84も備えている。コントローラ81は、キーボードからなる入力装置83からの指示に従って座標計算処理装置82の作動を制御するとともに、同入力装置83にて入力されたデータを座標計算処理装置82に供給する。座標計算処理装置82は、コンピュータ装置によって構成され、所定のプログラムの実行により前記回転角センサ67a,67b,67c,67dから検出された回転角のデータと前記コントローラ81から供給されるデータを用いて各種の計測値の演算を行い、その結果を表示装置84に出力する。表示装置84は、液晶ディスプレイなどから構成されており、前記座標計算処理装置82による演算結果を表示する。なお、座標計算処理装置82のメモリ装置には、第1アーム62、第2アーム63、第3アーム64、固定ポール65、回転ロッド66および触針70の長さが予め記憶されている。
このように構成された多関節3次元測定機の基台50上の測定対象空間内に、ユーザはステージ装置10をセットした後、入力装置44を操作して基準物体情報の演算を指示する。この基準物体情報の演算の指示は、コントローラ81を介して座標計算処理装置82に伝達され、座標計算処理装置82は所定のプログラムの実行により、基準物体情報の演算を開始する。そして、ユーザは、支持機構60の先端に組み付けられた触針70を操作して測定対象となるいずれか一つの基準物体OBの表面を4箇所接触させる。これにより、回転角センサ67a,67b,67c,67dは、前記4箇所の接触点に対応する4組の検出回転角情報を座標計算処理装置82に出力する。
座標計算処理装置82は、この検出回転角情報と、前記座標計算処理装置82のメモリ装置内に記憶されている第1アーム62、第2アーム63、第3アーム64、固定ポール65、回転ロッド66および触針70の長さを用いて、触針70の基準物体OBへの接触点を表す座標であって、固定座標系における座標値を計算する。ここで、固定座標系とは、基台50に関する座標系であって、本第1の変形実施形態においては、固定ポール65の基台50への固定部における予め決められた点を原点とするX,Y,Z座標の3次元座標である。従って、座標計算処理装置82は、固定座標系における座標の計算を4つの各接触点ごとに行って、それぞれの接触点に対応した4組の座標データ(各点は、x,y,zで表される)(以下、「測定座標情報」という)を算出することになる。なお、この各座標の原点位置およびその方向は、本第1の変形実施形態に示される原点位置および方向に限定されるものではなく、例えば、ステージ装置10の上面中心であって適当な方向に設定されている座標軸であってもよい。
次に、座標計算処理装置82は、前記4組の測定座標情報を用いて、測定対象となっている基準物体OBの中心座標値(x,y,z)および球半径Krを計算するが、その計算方法は上記実施形態と同様(前記数1を用いる)であるので説明を省略する。そして、このような基準物体OBに関する中心座標値(x,y,z)および球半径Krの計算処理をすべての基準物体OBに対して行うとともに、上記実施形態と同様な方法(前記数2、数3、数4を用いる)により基準物体中心円半径Brおよび基準物体間角度Bαi(i=1〜8)の算出処理を行う。これにより、ユーザはステージ装置10上の基準物体OBについて基準物体情報を取得することができる。
また、第2の変形実施形態として、基準物体OBに関する基準物体情報の算出作業を上記実施形態による3次元形状測定システムにより行うこともできる(図1参照)。すなわち、上記実施形態における3次元形状測定システムによって、基準物体情報の算出とワークWKの3次元表面形状測定を兼用させることもできる。具体的には、ユーザは、ワークWKの存在しないステージ装置10を、3次元形状測定装置20の測定対象空間内にセットするとともに、入力装置33を操作して基準物体OBの3次元表面形状を表す立体形状データ群の抽出を3次元画像処理装置32に指示する。この指示に応答して、3次元画像処理装置32は図14に示す基準物体情報演算プログラムの実行をステップS90にて開始して、ステップ92にてユーザによる基準物体OBの特徴の入力を待つ。
基準物体OBの特徴とは、基準物体OBが球体であることを表すデータと、基準物体OBの直径を表すデータである。ユーザは、これらのデータを入力装置33を操作して入力すると、同入力情報は3次元画像処理装置32に供給される。このステップS92の処理後、3次元画像処理装置32は、ステップS94にて3次元形状測定装置20による測定情報の入力を待つ。
一方、3次元形状測定装置20は、コントローラ31によって制御され、測定対象空間内に位置するすべての物体の3次元表面形状の測定を開始する。そして、3次元形状測定装置20は、同測定によって得られた物体の3次元表面形状を表す立体形状データ群を生成して、同立体形状データ群を3次元画像処理装置32に出力する。すなわち、測定対象空間内に位置するすべての物体の表面を微小エリアずつに分割した各分割エリア位置を表すX,Y,Z座標に関する立体形状データ群(具体的には、傾きθx,θyおよび距離Lz)を3次元画像処理装置32に出力する。この立体形状データ群は、3次元形状測定装置20の特定位置を原点にしたX,Y,Z座標系(以下、「カメラ座標系」という)に関する3次元データであり、本第2の変形実施形態においては図1に示す方向に各座標位置が設定されている。なお、この各座標の原点位置およびその方向は、図1に示される原点位置および方向に限定されるものではなく、例えば、ステージ装置10の上面中心であって適当な方向に設定されている座標軸であってもよい。
次に、3次元画像処理装置32は、ステップS96にて、前記ステップS94により入力された測定対象空間内に位置する物体の立体形状データ群から基準物体OBを抽出する処理を行う。この処理は、上記実施形態における図7に示す基準物体抽出サブプログラムと同様の処理であるので説明は省略するが、このステップS96の処理により、ステージ装置10上のすべての基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)および球半径Krが得られることになる。そして、ステップS98にて、ステップS96により得られた基準物体OBの中心座標値(xi,yi,zi)(i=1〜8)および球半径Krを用いて、基準物体中心円半径Brおよび基準物体間角度Bαi(i=1〜8)の算出処理を行う。この算出処理は、上記実施形態における図5に示す基準物体情報演算プログラムのステップS20と同様の処理であるので説明を省略するが、このステップS98の処理により、基準物体中心円半径Brおよび基準物体間角度Bαi(i=1〜8)が求められる。これらステップS96およびステップS98の処理により、基準物体OBに関する基準物体情報が得られたことになる。そして、同基準物体情報をステップS100にて表示装置34に表示させるとともに、3次元画像処理装置内のメモリに記憶して、ステップS102にて基準物体情報プログラムの実行を終了する。
b.第2変形例
上記実施形態における図6に示す3次元画像生成プログラムのステップS36による座標変換係数の算出処理では、ある特定された3つの基準物体OBである基準物体OB1,OB2,OB3の定点に対応した固定座標系における座標値を表すデータセット(xa1,ya1,za1),(xa2,ya2,za2),(xa3,ya3,za3)と、同基準物体OB1,OB2,OB3の定点に対応したカメラ座標系における座標値を表すデータセット(xb1,yb1,zb1),(xb2,yb2,zb2),(xb3,yb3,zb3)とを用いて座標変換係数の算出を行った。しかし、この方法に代えて、例えば、ある特定された2つの基準物体OBの定点の座標値と1つの平面の式とを用いることにより座標変換係数を算出することもできる。
この場合、まず、図4に示す3次元形状測定機により基準物体情報の取得を行う際、基準物体OBを上面に固定したステージ装置10の上面の任意の点をプローブ49にて3点以上接触させて、同接触点における各座標値を測定する。そして、同各座標値を用いて下記数16で表されるステージ装置10の上面に対応する平面の式を算出し、同平面の法線ベクトル(α’,β’,γ’)を他の基準物体情報とともに記憶しておく。
Figure 0004291178
次に、ワークWKを測定する際に、上述した基準物体OBの立体形状データ群を抽出することに加えて、同ステージ装置10の上面の立体形状データ群を抽出する。このステージ装置10の上面の立体形状データ群の抽出においては、まず、3次元形状測定装置20から見て最も近いステージ装置10の上面縁部の立体形状データを抽出する。具体的には、図1の座標系において、Y―Z平面内における3次元形状測定装置20からの角度が正方向(ステージ装置10側)に最大となる付近の立体形状データ群であって、かつ3次元形状測定装置20に最も近い立体形状データを抽出する。さらに、この抽出した立体形状データ付近の立体形状データ群であって、抽出した立体形状データより、Y軸座標値が小さい立体形状データ群(ステージ装置10の上面に相当)を抽出する。そして、この立体形状データ群を用いて、最小2乗法により下記数17で表される平面の式を計算する。
Figure 0004291178
そして、前記数17で表される平面の式に、前記数17の平面の式を計算するために用いた立体形状データ群の個々の値を代入して、左辺と右辺の差の標準偏差を計算し、前記計算した標準偏差が所定の判別値以内であるか否かを判定する。同偏差が所定の判別値以内であれば同立体形状データ群はステージ装置10の上面のデータであると判定するとともに同偏差が所定の判別値以内でなければ、ステージ装置10の上面のデータではないと判定し同立体形状データ群の近傍の立体形状データ群により再度前述した平面の式の計算を行う。この計算は同偏差が所定の判別値以内になるまで行い、同偏差が所定の判別値以内になった段階で前記平面の式にすべての立体形状データ群を代入して、左辺と右辺の差が所定の判別値以内にある立体形状データを抽出する。そして、前記抽出された立体形状データ群を用いて前記数17の平面の式を再度計算し、この平面の法線ベクトル(α,β,γ)を得る。
座標変換係数の計算においては、カメラ座標系におけるある2つの基準物体OBの定点の座標値を表すデータセットである(x,y,z),(x,y,z)およびステージ装置10の上面の法線ベクトルである(α,β,γ)と、固定座標系における基準物体OBの座標値を表すデータセットである(x’,y’,z’),(x’,y’,z’)およびステージ装置10の上面の法線ベクトルである(α’,β’,γ’)を使用する。この場合、両法線ベクトルの大きさは同じである必要があるので、これらの法線ベクトルの座標変換は下記数18に示されるように行われるとする。
Figure 0004291178
このカメラ座標系および固定座標系における2つの基準物体OBの定点の座標値の座標変換を前記数6に適用し、前記数18の座標変換を前記数12に適用すると下記数19に示すようになる。
Figure 0004291178
前記数19により、下記数20に示す3つの連立方程式が成立する。
Figure 0004291178
前記数20を変形すると、下記数21,数22,数23に示す式となる。
Figure 0004291178
Figure 0004291178
Figure 0004291178
一方、カメラ座標系における基準物体OBの一方の定点の座標値(x,y,z)から他方の定点の座標値(x,y,z)に向かうベクトルAと、前記法線ベクトル(α,β,γ)のベクトルの外積とにより、前記ベクトルAと法線ベクトル(α,β,γ)に垂直なベクトルを求めると下記数24に示すようになる。
Figure 0004291178
前記数24を前記数12に適用すると下記数25が成立する。
Figure 0004291178
前記数25の1番目の式を前記数21に、前記数25の2番目の式を前記数22に、前記数25の3番目の式を前記数23に加えることにより3組の連立方程式が成立する。そして、この3組の連立方程式を解くことによりg11〜g33の行列値を算出することができるとともに、この行列値g11〜g33を前記数20にそれぞれ代入することで行列値a,b,cを算出することができる。これにより、カメラ座標系における座標値(x,y,z)を、基準座標系である固定座標系における座標値(x’,y’,z’)に変換するための座標変換係数が計算される。
c.その他の変形例
上記実施形態および第1の変形実施形態においては、基準物体OBとして球径25mmの8つの球体を用いたが、プローブ49または触針70の接触によって定点などの基準物体情報が特定でき、かつ3次元形状測定装置20による外形形状の測定によって物体が特定できるとともに同物体によって規定される定点の座標値が特定できるものであれば、球体の径および個数は限定されるものではなく、さらには、球体以外の物体を基準物体OBとして利用することもできる。例えば、立方体、直方体、円柱体、円錐体など、物体および定点を特定し易い物体を基準物体として利用できる。
また、上記実施形態および各変形実施形態においては、基準物体OBを特定するために基準物体間角度Bαi(i=1〜8)を用いたが、基準物体OBを特定することができればどのようなパラメータを用いてもよく、例えば、基準物体OBの形状、大きさおよび反射率などのいずれか一つをそれぞれ異ならせ、これにより基準物体OBを特定できるようにしてもよい。
また、上記実施形態および各変形実施形態においては、ステージ装置10上の基準物体OBの基準物体情報を3次元測定機などにより予め算出したが、同基準物体情報が既知であれば3次元測定機などによる基準物体情報の算出作業を省くことができる。
また、上記実施形態および各変形実施形態においては、3次元形状測定装置20に対する基準物体OBおよびワークWKの向きの変更を、ステージ装置10を回転させることにより行ったが、3次元形状測定装置20をステージ装置10に対して変移にさせて3次元形状測定装置20に対する基準物体OBおよびワークWKの向きの変更させるようにしてもよい。
また、上記実施形態および各変形実施形態においては、1つの3次元形状測定装置20を用いて複数の基準物体OBおよびワークWKを同時に3次元表面形状測定し、同3次元表面形状測定によって得られた立体形状データ群の中から基準物体OBに関する立体形状データ群を抽出する3次元形状測定システムに本発明を適用した。しかし、本発明は、複数の3次元形状測定装置20A,20B,20Cを用いた多視点形状測定においても適用できる。
すなわち、複数の3次元形状測定装置20A,20B,20Cによりそれぞれ測定した複数の基準物体OBに関する複数組の立体形状データ群を取得し、各組ごとに同一の基準物体OBに関する立体形状データ群を抽出するとともに、同抽出した立体形状データ群に基づいて基準物体OBの定点を表す座標値を計算し、同計算した各定点を表す座標値を、基準物体情報に基づいて予め記憶されている各定点の座標値に割り当て、これらの座標値により同一の基準座標系である固定座標系に変換するための座標変換係数を計算する。そして、この計算した座標変換係数を用いて、3次元形状測定装置20A,20B,20Cにより取得した各ワークWKの立体形状データ群を前記固定座標系の立体形状データ群に変換すれば、多視点による3次元表面形状測定結果を1つの固定座標系として扱うことができるようになる。
本発明の一実施形態に係る3次元形状測定システムの全体を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る3次元形状測定用ステージの全体を示す斜視図である。 図2に示す3次元形状測定用ステージにおける基準物体OBの配置例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に使用される3次元測定機の全体を示す概略図である。 図4の座標計算処理装置によって実行される基準物体情報演算プログラムのフローチャートである。 図1の3次元画像処理装置によって実行される3次元画像生成プログラムのフローチャートである。 図1の3次元画像処理装置によって実行される基準物体抽出サブプログラムのフローチャートである。 図1の3次元画像処理装置によって実行される基準物体特定サブプログラムのフローチャートである。 基準物体OB、単位ブロックおよび探索ブロックを立体的に示す概念図である。 探索領域を2次元的に示す概念図である。 (A)〜(D)は、探索ブロックと抽出された単位ブロックの関係を2次元的に示す概念図である。 (A)〜(D)は、探索領域内における探索ブロックの移動を2次元的に示す概念図である。 本発明の第1の変形実施形態に使用される多関節3次元測定機の全体を示す概略図である。 本発明の第2の変形実施形態に使用される3次元画像処理装置によって実行される基準物体情報演算プログラムのフローチャートである。
符号の説明
OB…基準物体、WK…ワーク、10…ステージ、10A…基台、10B…可動台、10C…回動棒、20…3次元形状測定装置、31…コントローラ、32…3次元画像処理装置、33…入力装置、34…表示装置、41…測定部、42…コントローラ、43…座標計算処理装置、44…入力装置、45…表示装置、46…ベース、47…アーム、48…コラム、49…プローブ

Claims (24)

  1. 1つまたは複数の3次元形状測定装置により測定対象物の3次元表面形状を同測定対象物に対して相対的に異なる複数の位置で測定し、測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元形状測定システムにおいて、
    複数の基準物体を上面に固定したステージを用意しておくとともに、複数の基準物体をそれぞれ識別するための識別パラメータと、前記複数の基準物体によって特定される各定点の位置を表す第1座標系の座標値とを記憶手段に予め記憶しておき、
    前記ステージの上面に測定対象物を載せた状態で、前記1つまたは複数の3次元形状測定装置に、測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を同測定対象物および複数の基準物体に対して相対的に異なる複数の位置で測定させ、同測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を表す複数組の立体形状データ群を生成する立体形状データ群生成手段と、
    前記生成した各立体形状データ群から前記識別パラメータを用いて複数の基準物体を抽出する抽出手段と、
    前記各立体形状データ群に対し、前記抽出した複数の基準物体に対して予め記憶されている各定点の位置を表す第1座標系の座標値と、前記抽出された複数の基準物体に関する立体形状データ群を用いて計算された各定点の位置を表す第2座標系の座標値とにより、第2座標系の座標値を第1座標系の座標値に変換するための座標変換係数を計算する座標変換係数計算手段と、
    前記測定された測定対象物の3次元表面形状を表す各立体形状データ群を、前記計算した座標変換係数を用いて第1座標系の座標値により表された各立体形状データ群に座標変換する座標変換手段と、
    前記座標変換された複数の立体形状データ群を合成する合成手段と
    を含むことを特徴とする3次元形状測定システム。
  2. 前記抽出手段は、少なくとも3つの基準物体を抽出する請求項1に記載した3次元形状測定システム。
  3. 1つまたは複数の3次元形状測定装置により測定対象物の3次元表面形状を同測定対象物に対して相対的に異なる複数の位置で測定し、測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元形状測定システムにおいて、
    複数の基準物体を上平面に固定したステージを用意しておくとともに、複数の基準物体をそれぞれ識別するための識別パラメータと、前記ステージの上平面に関する情報と、前記複数の基準物体によって特定される各定点の位置を表す第1座標系の座標値とを記憶手段に予め記憶しておき、
    前記ステージの上平面に測定対象物を載せた状態で、前記1つまたは複数の3次元形状測定装置に、測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を同測定対象物および複数の基準物体に対して相対的に異なる複数の位置で測定させ、同測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を表す複数組の立体形状データ群を生成する立体形状データ群生成手段と、
    前記生成した各立体形状データ群から前記識別パラメータを用いて複数の基準物体を抽出する抽出手段と、
    前記生成した各立体形状データ群から前記ステージの上平面を表す情報を計算する情報計算手段と、
    前記各立体形状データ群に対し、前記抽出した複数の基準物体に対して予め記憶されている各定点の位置を表す第1座標系の座標値および前記予め記憶されているステージの上平面に関する情報と、前記抽出された複数の基準物体に関する立体形状データ群を用いて計算された各定点の位置を表す第2座標系の座標値および前記計算したステージの上平面に関する情報とにより、第2座標系の座標値を第1座標系の座標値に変換するための座標変換係数を計算する座標変換係数計算手段と、
    前記測定された測定対象物の3次元表面形状を表す各立体形状データ群を、前記計算した座標変換係数を用いて第1座標系の座標値により表された各立体形状データ群に座標変換する座標変換手段と、
    前記座標変換された複数の立体形状データ群を合成する合成手段と
    を含むことを特徴とする3次元形状測定システム。
  4. 前記抽出手段は、少なくとも2つの基準物体を抽出する請求項3に記載した3次元形状測定システム。
  5. 前記記憶手段に記憶されているステージの上平面に関する情報および前記情報計算手段によって計算されるステージの上平面に関する情報は、共に前記ステージの上平面の法線ベクトルを表すベクトル値である請求項3または請求項4に記載した3次元形状測定システム。
  6. 前記抽出手段は、前記立体形状データ群生成手段により生成された各立体形状データ群から、前記識別パラメータを用いて複数の基準物体を抽出する際に、同抽出される各基準物体の定点の位置を表す第2座標系の座標値を計算することを含み、
    前記座標変換手段は、予め記憶されている定点の位置を表す第1座標系の座標値と、前記抽出手段にて計算された各基準物体の定点の位置を表す第2座標系の座標値とを用いて座標変換係数を計算するものである請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定システム。
  7. 前記ステージを、前記複数の基準物体の定点が同一な円の円周線上にあり、前記円の中心と前記複数の基準物体の各定点を通るとともに、互いに隣り合う一対の直線がなす角度はそれぞれ異なるように構成した請求項1ないし請求項6のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定システム。
  8. 前記複数の基準物体は、それらの形状、大きさおよび反射率のうちのいずれか1つをそれぞれ異ならせた請求項1ないし請求項6のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定システム。
  9. 前記複数の基準物体は球体であり、前記定点は前記球体の中心である請求項1ないし請求項8のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定システム。
  10. 前記ステージの上面を、垂直軸線回りに回転可能に構成した請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定システム。
  11. 1つまたは複数の3次元形状測定装置により測定対象物の3次元表面形状を同測定対象物に対して相対的に異なる複数の位置で測定し、測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元形状測定方法において、
    複数の基準物体を上面に固定したステージを用意しておくとともに、複数の基準物体をそれぞれ識別するための識別パラメータと、前記複数の基準物体によって特定される各定点の位置を表す第1座標系の座標値とを記憶手段に予め記憶しておき、
    前記ステージの上面に測定対象物を載せた状態で、前記1つまたは複数の3次元形状測定装置に、測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を同測定対象物および複数の基準物体に対して相対的に異なる複数の位置で測定させ、同測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を表す複数組の立体形状データ群を生成する立体形状データ群生成ステップと、
    前記生成した各立体形状データ群から前記識別パラメータを用いて複数の基準物体を抽出する抽出ステップと、
    前記各立体形状データ群に対し、前記抽出した複数の基準物体に対して予め記憶されている各定点の位置を表す第1座標系の座標値と、前記抽出された複数の基準物体に関する立体形状データ群を用いて計算された各定点の位置を表す第2座標系の座標値とにより、第2座標系の座標値を第1座標系の座標値に変換するための座標変換係数を計算する座標変換係数計算ステップと、
    前記測定された測定対象物の3次元表面形状を表す各立体形状データ群を、前記計算した座標変換係数を用いて第1座標系の座標値により表された各立体形状データ群に座標変換する座標変換ステップと、
    前記座標変換された複数の立体形状データ群を合成する合成ステップと
    を含むことを特徴とする3次元形状測定方法。
  12. 前記抽出ステップは、少なくとも3つの基準物体を抽出する請求項11に記載した3次元形状測定方法。
  13. 1つまたは複数の3次元形状測定装置により測定対象物の3次元表面形状を同測定対象物に対して相対的に異なる複数の位置で測定し、測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元形状測定方法において、
    複数の基準物体を上平面に固定したステージを用意しておくとともに、複数の基準物体をそれぞれ識別するための識別パラメータと、前記ステージの上平面に関する情報と、前記複数の基準物体によって特定される各定点の位置を表す第1座標系の座標値とを記憶手段に予め記憶しておき、
    前記ステージの上平面に測定対象物を載せた状態で、前記1つまたは複数の3次元形状測定装置に、測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を同測定対象物および複数の基準物体に対して相対的に異なる複数の位置で測定させ、同測定対象物および複数の基準物体の3次元表面形状を表す複数組の立体形状データ群を生成する立体形状データ群生成ステップと、
    前記生成した各立体形状データ群から前記識別パラメータを用いて複数の基準物体を抽出する抽出ステップと、
    前記生成した各立体形状データ群から前記ステージの上平面を表す情報を計算する情報計算ステップと、
    前記各立体形状データ群に対し、前記抽出した複数の基準物体に対して予め記憶されている各定点の位置を表す第1座標系の座標値および前記予め記憶されているステージの上平面に関する情報と、前記抽出された複数の基準物体に関する立体形状データ群を用いて計算された各定点の位置を表す第2座標系の座標値および前記計算したステージの上平面に関する情報とにより、第2座標系の座標値を第1座標系の座標値に変換するための座標変換係数を計算する座標変換係数計算ステップと、
    前記測定された測定対象物の3次元表面形状を表す各立体形状データ群を、前記計算した座標変換係数を用いて第1座標系の座標値により表された各立体形状データ群に座標変換する座標変換ステップと、
    前記座標変換された複数の立体形状データ群を合成する合成ステップと
    を含むことを特徴とする3次元形状測定方法。
  14. 前記抽出ステップは、少なくとも2つの基準物体を抽出する請求項13に記載した3次元形状測定方法。
  15. 前記記憶手段に記憶されているステージの上平面に関する情報および前記情報計算ステップによって計算されるステージの上平面に関する情報は、共に前記ステージの上平面の法線ベクトルを表すベクトル値である請求項13または請求項14に記載した3次元形状測定方法。
  16. 前記抽出ステップは、前記立体形状データ群生成ステップにより生成された各立体形状データ群から、前記識別パラメータを用いて複数の基準物体を抽出する際に、同抽出される各基準物体の定点の位置を表す第2座標系の座標値を計算することを含み、
    前記座標変換ステップは、予め記憶されている定点の位置を表す第1座標系の座標値と、前記抽出ステップにて計算された各基準物体の定点の位置を表す第2座標系の座標値とを用いて座標変換係数を計算するものである請求項11ないし請求項15のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定方法。
  17. 前記ステージを、前記複数の基準物体の定点が同一な円の円周線上にあり、前記円の中心と前記複数の基準物体の各定点を通るとともに、互いに隣り合う一対の直線がなす角度はそれぞれ異なるように構成した請求項11ないし請求項16のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定方法。
  18. 前記複数の基準物体は、それらの形状、大きさおよび反射率のうちのいずれか1つをそれぞれ異ならせた請求項11ないし請求項16のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定方法。
  19. 前記複数の基準物体は球体であり、前記定点は前記球体の中心である請求項11ないし請求項18のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定方法。
  20. 前記ステージの上面を、垂直軸線回りに回転可能に構成した請求項11ないし請求項19のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定方法。
  21. 1つまたは複数の3次元形状測定装置により測定対象物の3次元表面形状を同測定対象物に対して相対的に異なる複数の位置で測定し、測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元形状測定に利用され、測定対象物を載せるためのステージを有する3次元形状測定用ステージ装置において、
    前記ステージの上面に複数の基準物体を固定してなり、前記複数の基準物体によって特定される各定点は同一な円の円周線上にあり、前記円の中心と前記複数の基準物体の各定点を通るとともに、互いに隣り合う一対の直線がなす角度はそれぞれ異なっている3次元形状測定用ステージ装置。
  22. 1つまたは複数の3次元形状測定装置により測定対象物の3次元表面形状を同測定対象物に対して相対的に異なる複数の位置で測定し、測定対象物の3次元画像を任意の方向から見て表示可能な3次元形状測定に利用され、測定対象物を載せるためのステージを有する3次元形状測定用ステージ装置において、
    前記ステージの上面に複数の基準物体を固定してなり、前記複数の基準物体は、それらの形状、大きさおよび反射率のうちのいずれか1つをそれぞれ異ならせた3次元形状測定用ステージ装置。
  23. 前記複数の基準物体は球体であり、前記定点は前記球体の中心である請求項21に記載した3次元形状測定用ステージ装置。
  24. 前記ステージの上面を、垂直軸線回りに回転可能に構成した請求項21ないし請求項23のうちのいずれか一つに記載した3次元形状測定用ステージ装置。
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