JP4289521B2 - 耐スクラッチ性化粧板 - Google Patents

耐スクラッチ性化粧板 Download PDF

Info

Publication number
JP4289521B2
JP4289521B2 JP02506199A JP2506199A JP4289521B2 JP 4289521 B2 JP4289521 B2 JP 4289521B2 JP 02506199 A JP02506199 A JP 02506199A JP 2506199 A JP2506199 A JP 2506199A JP 4289521 B2 JP4289521 B2 JP 4289521B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
pattern layer
decorative board
scratch
conduit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02506199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000218755A (ja
Inventor
誠一 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP02506199A priority Critical patent/JP4289521B2/ja
Publication of JP2000218755A publication Critical patent/JP2000218755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4289521B2 publication Critical patent/JP4289521B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種家具類や建築内装材等に装飾あるいは表面保護の目的で貼着される化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種家具類や建築内装材等の表面に装飾あるいは表面保護の目的で貼着される化粧シートとしては、紙質系シート、熱可塑性樹脂系シート等からなる着色基材シートに印刷模様層を設け、その上から透明樹脂による表面保護層を設けたものが知られている。また、これらの化粧シートは、合板、MDF、パーチクルボード等の木質板に貼着されて化粧板として用いられているが、その使用条件によっては、Vカット、ラッピング等2次加工作業時に発生し易い金型の当たりによる加工傷、または、机、椅子の足、花瓶の底、コイン等の硬い鈍器で表面を擦る等の取扱傷、引っ掻き傷等によって印刷模様層が削られ、基材シート面が露出して、傷痕が目立ち易い、即ち、スクラッチ性が悪いという問題が発生するものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、加工工程、または使用時等に、化粧板の表面を引っ掻いてもインキ層が取られることのない、耐スクラッチ性に優れた化粧板を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の解決手段は、着色ポリエステル樹脂フィルムからなる基材シートの一方の面に、着色下地層、絵柄模様層、トップコート層を順次積層して形成された化粧シートを木質系基材上に接着剤層を介して貼着した化粧板において、前記木質系基材のバーコル硬度が25〜40であって、前記化粧板の表面のバーコル硬度が40〜50であることを特徴とする耐スクラッチ性化粧板とすることである。この構成とすることにより、花瓶の底、コイン等の硬い鈍器で化粧板の表面を擦っても、木質系基材により、上面からの力を吸収し、反発することがなくなるので、化粧シートの表面に傷がついて部分的に絵柄模様層が取られることがないものであり、傷の部分がすじ状に目立つことが少なく、従って、意匠性を損なうことが少ないものである。尚、ここでバーコル硬度計(機種GYZJ934−1)を用いて、JIS−K7060に規定された試験方法にしたがって行うもので、スプリングで保持された圧子カバー内の円錐状の圧子を試料面に押しつけ、圧子の侵入度合いをダイヤルゲージで読み取り、硬度を測定する方法をいうものである。
【0005】
また、絵柄模様層が木肌模様層と導管模様層からなり、前記導管模様層を前記木肌模様層上に撥液性を有する硬化型インキにより形成した後、前記導管模様層によりはじかれる性質を有する透明インキを用いてトップコート層を施すことにより、前記導管模様層を形成した部分の前記トップコート層がはじかれ凹状部が形成されていることを特徴とする積層構成の耐スクラッチ性化粧板のように、導管凹状部を有することにより、耐スクラッチ性に劣る可能性の高いものに、最も大きな効果を発揮するものである。
【0006】
また、基材シートを撥液性を有する硬化型インキ及び透明インキを吸収すること無く、撥液効果を大きく、立体感に優れた意匠とする点では優れているが、インキの密着性の面では比較的弱い着色ポリエステル樹脂フイルムを用いたとしても、耐スクラッチ性が問題となることのない優れた化粧板とでき、また、強度、耐熱性、特に耐熱寸法安定性に優れるので、印刷時やトップコート層硬化時にもシートの寸法が安定しており非常に意匠性の高い化粧板とすることが可能であり、燃焼等により容易に廃棄処理のできる化粧板とできる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の耐スクラッチ性化粧板の第1の実施形態の積層構成を示す断面図、図2は本発明の耐スクラッチ性化粧板の第2の実施形態の積層構成を示す断面図であり、1、10は耐スクラッチ性化粧板、2は木質系基材、3は接着剤層、4は化粧シート、5は基材シート、6は着色下地層、7は絵柄模様層、7aは木肌模様層、7bは導管模様層、7cは撥液導管模様層、8はトップコート層をそれぞれ表している。
【0008】
本発明の耐スクラッチ性化粧板1の基本的な構成は図1に示すように、木質系基材2の上面に接着剤層3を介して、基材シート5の面に着色下地層6と絵柄模様層7とトップコート層8を設けた化粧シート4を貼着した構成であり、その耐スクラッチ性化粧板1の表面硬度が木質系基材2の表面硬度と同じか、あるいはそれ以上であるとともに、バーコル硬度が65以下であり、化粧板として、実用上使用可能レベルの表面物性を維持することができるものである。
【0009】
本発明の耐スクラッチ性化粧板1は、木質系基材2の表面に基材シート5として、熱可塑性合成樹脂フイルム等からなる化粧シート4を酢酸ビニル樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂などの接着剤層3を使用して積層したもので、木質系基材2としては、例えば、合板、ムク板、集成材、木質系ボードからなるもの等を用いることができる。ここで、合板としては、公知の普通合板、例えばラワン、カポール等の下級木材からなる複数枚の単板を接着剤によって繊維方向が互いに直交するように貼合せたものなどを使用することができ、ムク材としては、例えばラミン、ゴム、ラワン、カポールといった下級木材のムク板等を挙げることができ、集成材としては、例えばラミン、ゴム、ラワン、カポールといった下級木材のひき板あるいは小角材等を繊維方向を互いにほぼ平行にして集成接着したもの等を挙げることができ、木質系ボードとしては、木材小片に接着剤を加えて高温・高圧でプレスしたパーティクルボード、木材繊維を成形して造ったファイバーボードなどを好適に用いることがてきる。これらの内、ファイバーボードとしては、ハードボード(硬質繊維板)、MDF(中質繊維板)、インシュレーションボード(軟質繊維板)等を挙げることができ、中でも表面のバーコル硬度が65以下のラワン合板、MDF(中質繊維板)が好ましく用いられるものである。
【0010】
木質系基材2の表面のバーコル硬度としては、耐スクラッチ性化粧板1の表面のバーコル硬度65を上限として、それより低めに設定することが好ましいものである。
【0011】
耐スクラッチ性化粧板1に絵柄模様を形成するための化粧シート4の構成としては、基材シート5の片面に着色下地層6と木肌模様層7aと導管模様層7bからなる絵柄模様層7を設け、その上からトップコート層8を積層したものである。基材シート5としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメタクリ酸メチル等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、フッ素樹脂等からなる着色熱可塑性樹脂フイルムや薄葉紙、紙間強化紙等の紙等が挙げられ、基材シート5の厚さは用途に応じて適宜選択されるが、一般に20〜100μm、好ましくは30〜50μmの着色ポリエステル樹脂フイルムが、表面が平滑で、強度、耐熱性、特に耐熱寸法安定性に優れている点で好ましいものである。
【0012】
ここで、ポリエステル樹脂フイルムとは、いわゆる押出口金から溶融押し出されたフイルムであって、通常、縦方向および横方向の二軸方向に配向させたフイルムであり、ジカルボン酸とグリコールとから縮重合によって得られたポリマーであり、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸などが挙げられ、またグリコールとしては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。具体的には例えばポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられる。本発明の場合、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0013】
また、ポリエステル樹脂フイルムとしては、顔料および/または染料を配合されていることにより着色フイルムとされているものが好ましく、その顔料としては、無機顔料と有機顔料とに分類することができ、無機顔料としては、酸化チタン白、亜鉛華、鉛白、がーボンブラック、弁柄、朱、黄鉛、群青、コバルト青、コバルト紫、ジンククロメートなどが挙げられる。有機顔料としては、フタロシアニン系、ジオキサジン系、アントラキノン系などの顔料で代表的なものとして、キナクリドン、ウォッチアングレッド、ジオキサジンバイオレット等が挙げられる。また染料としては、天然染料と合成染料に分類することができ、天然染料としては、インジゴ(藍)等が代表される。合成染料としては、アゾ染料、インジゴイド染料、硫化染料、ニトロ染料、ニトロソ染料等が挙げられる。これらの顔料および染料は、1種または2種以上併用して使用することができ、耐光性に優れ、基材シートに隠蔽性を持たすようにするためには、無機顔料が最適である。
【0014】
また、基材シート5の上面には、着色下地層6、及び、例えば、オーク、チーク、ウォルナット等の柾目、板目状の絵柄模様層7を現出する木肌模様層7aおよび導管模様層7bがグラビア印刷によって形成されており、着色下地層6を形成するインキとしては、基材シート5としての着色ポリエステル樹脂フイルムとその上面に設けられる絵柄模様層7との密着性、および化粧シート4に柔軟性、可撓性を付与するために、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましいものであり、塗膜厚としては、1.5〜3.5μmの範囲が好ましいものである。また、絵柄模様層7を形成するインキとしては、従来のセルロース系、塩−酢ビ系、アクリル系、アクリルポリオール系のバインダー用樹脂を利用したものが用いられ、木肌模様層7aの木目の「照り」を良く表現できるようにするためには、パール顔料や金属粉などの光輝性顔料を添加したものが好ましく、絵柄模様層7は天然木の導管の色調に近づけるためカーボンブラック等の着色顔料を添加したインキを使用し、明度を低く設けることが望ましいものである。さらに、必要によって、基材シート5と着色下地層6との間にプライマー層を設けてもよいものである。
【0015】
本発明のトップコート層8に用いられる樹脂としては、多塩基性有機酸と多価アルコールとの重縮合反応によって得られるポリエステルポリオールを主成分とする主剤と、ポリイソシアネート化合物を主剤とする硬化剤からなるポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましいものであり、多塩基性有機酸としては、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ピメリン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸、フマール酸等の不飽和脂肪酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸等の芳香族酸が挙げられ、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のジオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、グリセリン等のトリオール、ソルビトール等のヘキサオールが挙げられ、また、硬化剤として用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、1,4シクロヘキサジイソシアネート、1−メチル2,4−シクロヘキサジイソシアネート、1−メチル−2,6−シクロヘキサジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物が挙げられ、本発明では芳香族ポリイソシアネート化合物と脂肪族ポリイソシアネート化合物の混合系が好ましく、Vカット加工性等の2次加工に対応できるものとなる。
【0016】
また、本発明の他の実施形態の耐スクラッチ性化粧板10の構成を図2に示す。以下既に説明した構成要素と同一の符号によって表記し、重複する説明は省略する。耐スクラッチ性化粧板10は木質系基材2の上面に接着剤層3を介して化粧シート4’を積層したもので、化粧シート4’は基材シート5の表面に着色下地層6を形成し、しかるのちに前記着色下地層6面に通常インキによる木肌模様層7aを設け、その上面に撥液性を有する硬化型インキによる撥液導管模様層7cを設け、次いで前記撥液導管模様層7cを含む全面に前記硬化型インキによりはじかれる性質を有する透明インキを塗装し、撥液導管模様層7cによりはじかれた凹凸を有するトップコート層8’を形成する構成とすることも出来る。即ち基材シート5が撥液性を有する硬化型インキおよび透明インキを吸収することが無いため、撥液効果が大きく立体感に優れた意匠性を発現する化粧シートとすることができる。このとき撥液導管模様層7cを木肌模様層7aに同調させて設けることにより、さらに優れた意匠性を有するものとすることができる。
【0017】
撥液導管模様層7cを形成するのに用いる硬化型インキとしては、硬化のときに、収縮を伴う熱硬化性組成物、印刷した模様層に可塑剤又は溶剤を含みその揮発や遊離のときに収縮する組成物等を使用する。上記硬化のときに収縮を伴う熱硬化性組成物としては、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化性樹脂のなかから選択できる。これらのなかでも硬化のときに脱水縮合反応を伴う熱硬化性組成物である尿素あるいはその誘導体とホルムアルデヒドからなる尿素樹脂、メラミンあるいはその誘導体とホルムアルデヒドからなるメラミン樹脂、更に前記の尿素樹脂又はメラミン樹脂の初期生成物に変性アルキド樹脂を加えた尿素アルキド樹脂、メラミンアルキド樹脂などのアミノアルキド樹脂が好ましい。
【0018】
撥液導管模様層7cはトップコート層8’を弾かせて、凹部を有する導管模様を形成するために、シリコーン樹脂やフッ素樹脂などの撥液剤を含む印刷インキを用いて設けられる。撥液剤としては、公知のもの、例えば、シリコーン、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、アマイドワックス、ろうワックス、フッ化ビニル化合物等の撥液性物質を使用することができ、その中でもシリコーンが最も適したものである。その添加量はインキ組成物中に該組成物に対して4〜10重量%混入するのが好ましい。
【0019】
また、撥液導管模様層7cはその部分が凹部で有るように見るものにより強く感じさせるためにトップコート層8’よりも艶消し度の高いインキを用いて設けることが好ましく、天然木の導管の色調に近づけるためカーボンブラック等の着色顔料を添加したインキを使用してもよい。また、撥液導管模様層7cは、ほぼ最表面に位置することから、使用するインキとしては、化粧シートの表面に好ましい意匠性を現出すると共に、耐溶剤性、耐汚染性、耐油性等の化学的性質に優れた性能を備えていることが望ましく、ベヒクルとして使用する樹脂は、アミノアルキッド樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の硬化性樹脂が良好に用いられる。
【0020】
本発明のトップコート層8’をシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ワックス等からなるスリップ剤を全く添加しない組成とした透明インキで形成することで、撥液性物質を含む硬化型インキによる撥液導管模様層7cとの臨界表面張力の差をより大きなものとすることができるものである。即ち、表面の凹凸模様がより深いものとなり、立体感をさらに強調した意匠性の発現が可能となる。即ち、トップコート層8’を形成する樹脂ワニスの表面張力の値が、上記撥液物質を含んだ模様層の臨界表面張力の値より大きくなるものを使用すればよくポリオール化合物とイソシアネート化合物とからなるウレタン系樹脂が使用できる。また、トップコート層8、8’には、シリカ、プラスチックビーズなどの無機および/又は有機系の微粒子を艶消し剤及び表面強化剤として添加してもよい。
【0021】
実施例1
厚さ50μmの着色ポリエステル樹脂フイルムの表面にポリエステル系ウレタン樹脂よりなる着色下地層を2.0g/m2 (ドライ)塗布し、次いで、ニトロセルロース・アルキッド系樹脂からなるインキを使用して木目模様絵柄層をグラビア印刷し、さらに木目模様絵柄層に同調した木目導管模様を撥液剤を含有するアミノアルキッド系樹脂インキでグラビア印刷し150℃、20秒間の加熱により溶剤を除去するとともに、木目導管模様層を硬化する。さらに、その印刷面全面に透明ポリエステル系ウレタン樹脂塗料を6.5〜8.0g/m2 (ドライ)塗布して、170℃で20秒間の加熱により乾燥させ巻き取った後、70℃で24時間加熱養生して化粧シートを得た。
【0022】
上記で得た化粧シートを表1に示す、バーコル硬度の異なる各化粧板用木質系基材にウレタン系接着剤(日本NSC社製、RL−96)を用いて貼合せて化粧板を作製した。そして、得られた化粧板について、コインスクラッチ試験を行い、その結果を表1にまとめて示した。また、それぞれの木質系基材、及び化粧板についてもバーコル硬度計を用いて表面硬度を測定しその結果を示す。
〔コインスクラッチ性試験〕
得られた各化粧板の塗膜面に対し、10円硬貨を45度の角度で押しつけるようにエッジを塗膜面に当て、500gの荷重を掛けながら、10円硬貨の平面と直角の方向に引っ張り、化粧板表面の外観を観察評価する。
コインスクラッチ性評価基準
A:傷つき及び絵柄剥離無し。
B:傷つき軽微及び絵柄剥離無し。
C:傷つき有り但し絵柄剥離無し。
D:絵柄剥離有り。
実用上評価基準
◎:外観上全く違和感無し。
○:外観上問題なし。
×:絵柄剥離により外観上問題有り。
【0023】
〔表1〕
Figure 0004289521
上記結果から判るように試験例1〜3はいずれも化粧板用木質系基材の硬度がバーコル硬度65以下で、その化粧板の表面硬度がバーコル硬度65以下にあり、コインスクラッチ試験で実用上使用可能レベルにある良好な結果が得られた。これに対し、試験例4はコインスクラッチ試験において実用上使用不可能レベルであった。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、化粧板の表面硬度が、木質系基材と同じか、あるいはそれ以上であるとともに、バーコル硬度が65以下とすることで、花瓶の底、コイン等の硬い鈍器で化粧板の表面を擦っても、木質系基材の表面が凹状に凹み、上面からの力を吸収し、反発することがなくなるので、化粧シートの表面に傷がついて部分的に絵柄模様層が取られることがないものとなり、傷の部分がすじ状に目立つことが少なく、従って、意匠性を損なうことが少ない耐スクラッチ性に優れた化粧板を得ることができる。
【0025】
また、絵柄模様層が木肌模様層と導管模様層からなり、前記導管模様層を前記木肌模様層上に撥液性を有する硬化型インキにより形成した後、前記導管模様層によりはじかれる性質を有する透明インキを用いてトップコート層を施すことにより、前記導管模様層を形成した部分の前記トップコート層がはじかれ凹状部が形成されていることを特徴とする積層構成の耐スクラッチ性化粧板のように、導管凹状部を有することにより、耐スクラッチ性に劣る可能性の高いものには、最も効果の大きいものである。また、基材シートが撥液性を有する硬化型インキ及びトップコート層用インキを吸収することが無いため、撥液効果が大きく、立体感に優れた意匠性を有する化粧板となる。
【0026】
さらに、基材シートが着色ポリエステル樹脂フイルムからなることにより、燃焼等により容易に廃棄処理のできる化粧板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐スクラッチ性化粧板の第1の実施形態の積層構成を示す断面図である。
【図2】本発明の耐スクラッチ性化粧板の第2の実施形態の積層構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1、10 耐スクラッチ性化粧板
2 木質系基材
3 接着剤層
4、4’ 化粧シート
5 基材シート
6 着色下地層
7 絵柄模様層
7a 木肌模様層
7b 導管模様層
7c 撥液導管模様層
8、8’ トップコート層

Claims (2)

  1. 着色ポリエステル樹脂フィルムからなる基材シートの一方の面に、着色下地層、絵柄模様層、トップコート層を順次積層して形成された化粧シートを木質系基材上に接着剤層を介して貼着した化粧板において、前記木質系基材のバーコル硬度が25〜40であって、前記化粧板の表面のバーコル硬度が40〜50であることを特徴とする耐スクラッチ性化粧板
  2. 前記絵柄模様層が木肌模様層と導管模様層からなり、前記導管模様層を前記木肌模様層上に撥液性を有する硬化型インキにより形成した後、前記導管模様層によりはじかれる性質を有する透明インキを用いてトップコート層を施すことにより、前記導管模様層を形成した部分の前記トップコート層がはじかれ凹状部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の耐スクラッチ性化粧板。
JP02506199A 1999-02-02 1999-02-02 耐スクラッチ性化粧板 Expired - Fee Related JP4289521B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02506199A JP4289521B2 (ja) 1999-02-02 1999-02-02 耐スクラッチ性化粧板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02506199A JP4289521B2 (ja) 1999-02-02 1999-02-02 耐スクラッチ性化粧板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000218755A JP2000218755A (ja) 2000-08-08
JP4289521B2 true JP4289521B2 (ja) 2009-07-01

Family

ID=12155416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02506199A Expired - Fee Related JP4289521B2 (ja) 1999-02-02 1999-02-02 耐スクラッチ性化粧板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4289521B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000218755A (ja) 2000-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5003086B2 (ja) 化粧シート
US6641629B2 (en) Abrasion resistant coatings
JPH0822586B2 (ja) 塗装感を有する化粧シートおよびその製造方法
JP6428186B2 (ja) 化粧シート
US20020098328A1 (en) Wrappable decorative film
CN1856620B (zh) 铜版纸
JP4289521B2 (ja) 耐スクラッチ性化粧板
WO2020196377A1 (ja) 化粧材
JP6421553B2 (ja) 化粧シート
JP3981579B2 (ja) 電子線硬化型樹脂含浸床材
JP2000117926A (ja) 化粧シート
JP2000127299A (ja) 化粧シート
JPH08174783A (ja) 化粧シートとその製造方法
EP4052897A1 (en) Resin impregnated decorative paper sheet and resin impregnated decorative panel
KR20190070315A (ko) 화장 시트 및 그 제조 방법, 그리고 화장재
JP4319717B2 (ja) Vカット加工適性を有する化粧板
JP2010006083A (ja) 化粧シート
JP4289516B2 (ja) 化粧シート
JP4319714B2 (ja) 木目化粧シート
JP2000351178A (ja) 化粧材
JP2001199028A (ja) 化粧材
JP2000168013A (ja) 化粧シート
JP6736844B2 (ja) 化粧シート及び化粧板
JP4226119B2 (ja) 化粧シート
JPH09277449A (ja) 熱硬化性樹脂化粧材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080723

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090325

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140410

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees