JP4289126B2 - データ処理装置およびその方法と符号化装置 - Google Patents
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Description
JVT方式では、MPEGと同様に、動き予測・補償処理において、動きベクトルを基にした動き予測・補償を行う。
ところで、JVT方式の符号化装置では、参照画像データの所定の探索範囲内で動きベクトルを動き補償ブロックデータMCBを単位として探索(生成)する場合に、当該動き補償ブロックデータMCBに隣接する他の動き補償ブロックデータについて既に生成された動きベクトルMVを用いて予測動きベクトルPMVを生成する。
そして、当該符号化装置は、予測動きベクトルPMVの情報量を小さくするように、動き補償ブロックデータの動きベクトルMVを生成する。
このような場合には、予測動きベクトルPMVを生成できず、当該動き補償ブロックデータを符号化できないという問題がある。
動きベクトル生成部が、第1の動き補償ブロックデータの動きベクトルを生成する際に前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にある第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルが未生成である場合に、前記予測動きベクトルを、前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にあり既に生成された第3の動き補償ブロックデータの動きベクトルを前記第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルの代わりに用いて生成し、前記予測動きベクトルとの差分動きベクトルの情報量を示す情報量データと、前記第1の動き補償ブロックデータと前記動画像データの参照画像データにおける補償ブロックデータとの差分の総和に応じた指標データと、の総和を示すデータが最小になる動きベクトルを探索することにより、前記第1の動き補償ブロックデータの動きベクトルを生成する。
先ず、第1の工程において、前記第1の動き補償ブロックデータの予測動きベクトルを生成する際に前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にある第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルが未生成であるか否かを判断する
次に、第2の工程において、前記第2の動き補償ブロックデータの前記動きベクトルが未生成であると前記第1の工程で判断した場合に、前記予測動きベクトルを、前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にあり既に生成された第3の動き補償ブロックデータの動きベクトルを前記第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルの代わりに用いて生成し、前記予測動きベクトルとの差分動きベクトルの情報量を示す情報量データと、前記第1の動き補償ブロックデータと前記動画像データの参照画像データにおける補償ブロックデータとの差分の総和に応じた指標データと、の総和を示すデータが最小になる動きベクトルを探索することにより、前記第1の動き補償ブロックデータの動きベクトルを生成する。
先ず、動きベクトル生成手段が、動画像データ内の第1の動き補償ブロックデータの予測動きベクトルを生成する際に、当該第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にある第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルが未生成である場合に、前記予測動きベクトルを、前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にあり既に生成された第3の動き補償ブロックデータの動きベクトルを前記第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルの代わりに用いて生成し、前記予測動きベクトルとの差分動きベクトルの情報量を示す情報量データと、前記第1の動き補償ブロックデータと前記動画像データの参照画像データにおける補償ブロックデータとの差分の総和に応じた指標データと、の総和を示すデータが最小になる動きベクトルを探索することにより、前記第1の動き補償ブロックデータの動きベクトルを生成する。
そして、予測画像生成手段が、前記動きベクトル生成手段により生成された前記動きベクトルを基に予測画像データを生成する。
次に、符号化手段が、前記動画像データと前記予測画像生成手段により生成された前記予測画像データとの差分を符号化する。
<第1実施形態>
以下、図1〜図11を参照して本発明の実施形態を説明する。
先ず、本発明の構成要素と本実施形態の構成要素との対応関係を説明する。
第1実施形態は、第1〜3の発明に対応している。
図1および図2に示す符号化装置2が第3の発明の符号化装置に対応し、図2および図3に示す動き予測・補償回路46が第1の発明のデータ処理装置および第3の発明の動き予測・補償手段に対応している。
また、図3に示すMV生成部51および予測ベクトル生成部52が第1の発明の生成手段に対応している。
また、演算回路24および可逆符号化回路27が第3の発明の符号化手段に対応している。
また、本実施形態の動き補償ブロックデータMCBが、本発明のブロックデータに対応している。
図3に示す動き予測・補償回路46の予測ベクトル生成部52は、例えば、図7に示すマクロブロックデータMB_X内の動き補償ブロックデータAの予測動きベクトルPMVを生成する際に、その周囲の動き補償ブロックデータB1 ,B2 ,B3 の動きベクトルMVが未生成である場合に、隣接するマクロブロックデータMB_Y内の動き補償ブロックデータC1 ,C2 ,C3 の既に生成された動きベクトルMVを代わりに用いて、動き補償ブロックデータAの予測動きベクトルPMVを生成する。
図1は、本実施形態の通信システム1の概念図である。
図1に示すように、通信システム1は、送信側に設けられた符号化装置2と、受信側に設けられた復号装置3とを有する。
通信システム1では、送信側の符号化装置2において、離散コサイン変換やカルーネン・レーベ変換などの直交変換と動き補償によって圧縮したフレーム画像データ(ビットストリーム)を生成し、当該フレーム画像データを変調した後に、衛星放送波、ケーブルTV網、電話回線網、携帯電話回線網などの伝送媒体を介して送信する。
受信側では、受信した画像信号を復調した後に、上記変調時の直交変換の逆変換と動き補償によって伸張したフレーム画像データを生成して利用する。
なお、上記伝送媒体は、光ディスク、磁気ディスクおよび半導体メモリなどの記録媒体であってもよい。
図1に示す復号装置3は符号化装置2の符号化に対応した復号を行う。
図2は、図1に示す符号化装置2の全体構成図である。
図2に示すように、符号化装置2は、例えば、A/D変換回路22、画面並べ替えバッファ23、演算回路24、直交変換回路25、量子化回路26、可逆符号化回路27、バッファ28、逆量子化回路29、逆直交変換回路30、フレームメモリ31、レート制御回路32、デブロックフィルタ37、イントラ予測回路41、選択回路44、フレームメモリ45、動き予測・補償回路46を有する。
符号化装置2は、その処理の一部をパイプライン処理によって実現する。
A/D変換回路22は、入力されたアナログの輝度信号Y、色差信号Pb,Prから構成される原画像信号S10をデジタルのフレームデータS22に変換し、これを画面並べ替えバッファ23に出力する。
画面並べ替えバッファ23は、A/D変換回路22から入力したフレームデータS22を、そのピクチャタイプI,P,BからなるGOP(Group Of Pictures) 構造に応じて、符号化する順番に並べ替えたフレームデータS23を演算回路24、イントラ予測回路41および動き予測・補償回路46に出力する。
直交変換回路25は、画像データS24に離散コサイン変換やカルーネン・レーベ変換などの直交変換を施して画像データ(例えばDCT係数)S25を生成し、これを量子化回路26に出力する。
量子化回路26は、レート制御回路32から入力した量子化スケールで、画像データS25を量子化して画像データS26を生成し、これを可逆符号化回路27および逆量子化回路29に出力する。
このとき、可逆符号化回路27は、選択データS44がインター予測符号化を選択したことを示す場合に、動き予測・補償回路46から入力した動きベクトルMVを符号化してヘッダデータに格納する。
逆量子化回路29は、画像データS26を逆量子化した信号を生成し、これをデブロックフィルタ37に出力する。
デブロックフィルタ37は、画像データS26のブロック歪みを除去した画像データを、逆直交変換回路30に出力すると共に、フレームメモリ45に書き込む。
逆直交変換回路30は、デブロックフィルタ37から入力した画像データに、直交変換回路25における直交変換の逆変換を施して生成した画像データをフレームメモリ31に書き込む。
レート制御回路32は、バッファ23から読み出した画像データを基に量子化スケールを生成し、これを量子化回路26に出力する。
そして、イントラ予測回路41は、上記複数のイントラ予測モードについてそれぞれ生成した上記差分のうち最小の差分に対応するイントラ予測モードによる予測画像データPIと、上記差分DIFとを選択回路44に出力する。
選択回路44は、上記比較によりイントラ予測回路41から入力した差分DIFの方が小さいと判断すると、イントラ予測回路41から入力した予測画像データPIを選択して演算回路24に出力する。
選択回路44は、上記比較により動き予測・補償回路46から入力した差分DIFの方が小さいと判断すると、動き予測・補償回路46から入力した予測画像データPIを選択して演算回路24に出力する。
また、選択回路44は、イントラ予測回路41からの予測画像データPIを選択した場合にはインター予測符号化を選択したことを示す選択データS44を可逆符号化回路27に出力し、動き予測・補償回路46からの予測画像データPIを選択した場合にはイントラ予測符号化を選択したことを示す選択データS44を可逆符号化回路27に出力する。
図3は、図2に示す動き予測・補償回路46の構成図である。
図3に示すように、動き予測・補償回路46は、例えば、MV生成部51、予測ベクトル生成部52、MCB選択部53および予測画像生成部54を有する。
動き予測・補償回路46は、マトリックス状に位置して1画面を構成する複数の2次元領域の各々にマクロブロックデータMBが対応付けられている場合に、上記マトリックスを構成する各ライン毎にマクロブロックデータMBの動き予測・補償処理を順に行う。
すなわち、動き予測・補償回路46は、例えば、画面のラスタスキャンの順序に応じて、各ライン毎にマクロブロックデータMBの動き予測・補償処理を行う。
また、MV生成部51は、予測ベクトル生成部52からの予測ベクトルPMVと、参照画像データREFの探索範囲SR内の動き補償ブロックデータMCBの位置に応じた動きベクトルMVとの差分動きベクトルDMVの情報量を示す情報量データRを生成する。
そして、MV生成部51は、指標データSADと情報量データRとの総和を示すデータJ1を最小にする動き補償ブロックデータMCBを参照画像データREFの探索範囲SR内で探索し、当該探索された動き補償ブロックデータMCBの位置に応じた動きベクトルMVを生成する。
ここで、JVTで規定されている動き補償ブロックデータMCBの予測動きベクトルPMVについて説明する。
JVTでは、例えば、図6に示す動き補償ブロックデータMCB_Eの予測動きベクトルPMVを、その周囲にあり動き補償ブロックデータMCB_Eに対して所定の位置関係にある動き補償ブロックデータMCB_A,B,Cの動きベクトルMVを基に生成する。
ところで、前述したように、図6に示す動き補償ブロックデータMCB_Eの予測動きベクトルPMVを生成する際に、動き補償ブロックデータMCB_A,B,Cの動きベクトルMVが、動き予測・補償回路46のパイプライン処理のタイミングに起因して未だ生成されていない場合がある。
以下、例えば、予測動きベクトルPMVの生成対象となる動き補償ブロックデータMCB(以下、第1の動き補償ブロックデータMCBとも記す)と、それに対して予め決められた所定の位置関係にある動き補償ブロックデータMCB(以下、第2の動き補償ブロックデータMCBとも記す)が同じマクロブロックデータMBに属する場合を考える。
この場合には、第1の動き補償ブロックデータMCBの予測動きベクトルPMVを生成する際に、第2の動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルMVが生成されていない可能性がある。
すなわち、図7に示す例では、予測ベクトル生成部52が、第1の動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成する際に、第2の動き補償ブロックB1 ,B2 ,B3 の動きベクトルMVが生成されていない場合がある。
その一方、図7に示すマクロブロックデータMB_XとMB_Yの処理が、図8に示すタイミングでパイプライン処理される場合には、マクロブロックデータMB_X内の第1の動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成する際に、マクロブロックデータMB_Yに属する動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルMVは既に生成されている。
この場合に、予測ベクトル生成部52は、例えば、図7に示すように、第2の動き補償ブロックB1 ,B2 ,B3 が上記第1の動き補償ブロックAに対して、これらの動き補償ブロックA,B1 ,B2 ,B3 が含まれるマクロブロックデータMB_X(本発明の第2のマクロブロックデータ)が位置する第1のラインL1より、先に動き予測・補償処理される第2のラインL2側(Upper側)に位置し、しかも、第2の動きベクトルB1 ,B2 ,B3 が未生成の場合に、第2のラインL2上のマクロブロックデータMB_Y(本発明の第1のマクロブロックデータ)内のマクロブロックデータMB_Xに隣接する第3の動き補償ブロックC1 ,C2 ,C3 を用いて、第1の動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成する。
ここで、動き予測・補償回路46は、図9に示すマクロブロックデータMB_T,MB_SおよびMB_Xの順で動き予測・補償処理を行う。
一方、パイプライン処理のタイミングによって、上記第1の動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成する際に、マクロブロックデータMB_Sを介在してラインL1上に位置するマクロブロックデータMB_Tに属する動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルMVは既に生成されている。
この場合に、予測ベクトル生成部52は、図9に示すように、マクロブロックデータMB_T内のマクロブロックデータMB_Sに隣接する第3の動き補償ブロックCを用いて、第1の動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成する。
また、MCB選択部56は、上記選択した動きベクトルMV、並びにそれに対応する動き補償ブロックデータMCBの種別を示すデータを予測画像生成部54に出力する。
また、予測画像生成部54は、フレームデータS23と、予測画像データPIとの差分DIFを生成する。
図10および図11は、当該動作例を説明するためのフローチャートである。
ステップST1:
動き予測・補償回路46は、画面並べ替えバッファ23から入力したフレームデータS23内の未処理のマクロブロックデータMBを処理対象として選択する。
ステップST2:
動き予測・補償回路46は、図4に示す動き補償ブロックデータMCBのうち未指定の動き補償ブロックデータMCBを指定する。
MV生成部51は、画面並べ替えバッファ23からのフレームデータS23内の各マクロブロックデータMB毎に、ステップST2で選択された動き補償ブロックデータMCBを単位として、図5に示すように、当該動き補償ブロックデータMCBと、フレームメモリ31からの参照画像データREFの探索範囲SR内の動き補償ブロックデータMCBとの間で、画素データ間の差分の総和を示す指標データSADを算出する。
ステップST4:
予測ベクトル生成部52が、既に生成された他の動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルMVを基に、処理対象の動き補償ブロックデータMCBの予測動きベクトルPMVを算出する。
ステップST5:
MV生成部51は、予測ベクトル生成部52からの予測ベクトルPMVと、参照画像データREFの探索範囲SR内の動き補償ブロックデータMCBの位置に応じた動きベクトルMVとの差分動きベクトルDMVの情報量を示す情報量データRを算出する。
ステップST6:
MV生成部51は、ステップST3で算出した指標データSADとステップST5で算出した情報量データRとの総和を示す指標データJ1を算出する。
ステップST7:
MV生成部51は、ステップST6で算出した指標データJ1を最小にする動き補償ブロックデータMCBを参照画像データREFの探索範囲SR内で探索し、当該探索された動き補償ブロックデータMCBの位置に応じた動きベクトルMVを特定し、これをMCB選択部53に出力する。
MCB選択部53は、ステップST7で入力した動きベクトルMVを基に所定の演算を行って、フレームデータS23と、動きベクトルMVを基に再構成されて得られた画像データとの画素データ間の差分の総和に応じた値を示す指標データJ2を算出し、これを動きベクトルMVと共に予測画像生成部54に出力する。
ステップST9:
MCB選択部53は、図4に示す全ての動き補償ブロックデータMCBについてステップST2〜ST8の処理を行ったか否かを判断し、行っていない場合には、未選択の動き補償ブロックデータMCBについて上記ステップST2〜ST8の処理を行わせる。
一方、MCB選択部53は、図4に示す全ての動き補償ブロックデータMCBについてステップST2〜ST8の処理を行ったと判断すると、ステップST10に進む。
MCB選択部53は、図4に示す全ての動き補償ブロックデータMCBについてステップST8で算出された指標データJ2のうち最小のものを特定し、当該特定した指標データJ2に対応する動きベクトルMVと、それに対応する動き補償ブロックデータMCBの種別を示すデータを予測画像生成部54に出力する。
ステップST11:
予測画像生成部54は、画面並べ替えバッファ23から入力したフレームデータS23内の全てのマクロブロックデータMBの処理を終了したか否かを判断し、終了したと判断するとステップST12に進み、そうでない場合にはステップST1に戻る。
ステップST12:
予測画像生成部54は、フレームデータS23を構成する全てのマクロブロックデータMBについて、MCB選択部53から入力した動きベクトルMVおよび動き補償ブロックデータMCBの種別を示すデータを基に、参照画像データREFを用いて予測画像データPIを生成する。
また、予測画像生成部54は、フレームデータS23と、予測画像データPIとの差分DIFを生成し、これを選択回路44に出力する。
また、予測画像生成部54は、動きベクトルMVを可逆符号化回路27に出力する。
図11は、当該動作例を説明するためのフローチャートである。
ステップST21:
予測ベクトル生成部52は、予測動きベクトルPMVの生成対象となる第1の動き補償ブロックデータMCBに対して予め決められた所定の位置関係にある第2の動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルMVが既に生成されているか否かを判断し、生成されていると判断すると、ステップST22に進み、そうでない場合にはステップST23に進む。
図7に示す例では、予測ベクトル生成部52は、第1の動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成する場合に、第1の動き補償ブロックAに対して、Upper(上),UpperLeft(左上),UpperRight(右上)に位置する第2の動き補償ブロックB1 ,B2 ,B3 の動きベクトルMVが既に生成されているか否かを判断する。
予測ベクトル生成部52は、第2の動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルMVを用いて、第1の動き補償ブロックデータMCBの予測動きベクトルPMVを生成する。
図7に示す例では、予測ベクトル生成部52は、第2の動き補償ブロックB1 ,B2 ,B3 の動きベクトルMVを用いて、第1の動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成する。
予測ベクトル生成部52は、第2の動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルMVの代わりに、既に生成されている第3の動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルMVを用いて、第1の動き補償ブロックデータMCBの予測動きベクトルPMVを生成する。
図7に示す例では、予測ベクトル生成部52は、第2の動き補償ブロックB1 ,B2 ,B3 の動きベクトルMVの代わりに、マクロブロックデータMB_Xが属するラインL_1に対して先に動き予測・補償処理されるラインL_2上に位置し、マクロブロックデータMB_Xに隣接するマクロブロックデータMB_Y内のマクロブロックデータMB_Xに隣接する動き補償ブロックC1 ,C2 ,C3 を用いて、第1の動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成する。
原画像信号S10が入力されると、原画像信号S10がA/D変換回路22においてデジタルのフレームデータS22に変換される。
次に、出力となる画像圧縮情報のGOP構造に応じ、画面並べ替えバッファ23においてフレームデータS22内のピクチャの並べ替えが行われ、それによって得られたフレームデータS23が演算回路24、イントラ予測回路41および、動き予測・補償回路46に出力される。
次に、演算回路24が、画面並べ替えバッファ23からのフレームデータS23と選択回路44からの予測画像データPIとの差分を検出し、その差分を示す画像データS24を直交変換回路25に出力する。
次に、量子化回路26が、画像データS25を量子化し、量子化された変換係数S26を可逆符号化回路27および逆量子化回路29に出力する。
次に、可逆符号化回路27が、変換係数S26に可変長符号化あるいは算術符号化等の可逆符号化を施して画像データを生成し、これをバッファ28に蓄積する。
また、レート制御回路32が、バッファ28から読み出した画像データを基に、量子化回路26における量子化レートを制御する。
デブロックフィルタ37は、逆量子化回路29から入力した変換係数のブロック歪みを除去した画像データを、逆直交変換回路30に出力すると共に、フレームメモリ45に書き込む。
逆直交変換回路30は、デブロックフィルタ37から入力した画像データに、直交変換回路25における直交変換の逆変換を施して生成したフレームデータをフレームメモリ31に書き込む。
また、動き予測・補償回路46において、図10および図11を用いて説明したように、動きベクトルMVの生成が行われる。
また、動き予測・補償回路46において、予測画像データPIおよび差分DIFの生成が行われ、これらが選択回路44に出力される。
そして、選択回路44において、イントラ予測回路41から入力した差分DIFと、動き予測・補償回路46から入力した差分DIFとのうち小さい方の差分DIFに対応する予測画像データPIが演算回路24に出力される。
そのため、動き予測・補償回路46によれば、第1の動き補償ブロックデータMCBの予測動きベクトルPMVを常に生成できる。
そのため、動き予測・補償回路46によれば、全ての動き補償ブロックデータの予測動きベクトルPMVを生成でき、全ての動き補償ブロックデータを適切に符号化できる。
以下、図12および図13を用いて本発明の第2実施形態を説明する。
当該実施形態は、第4〜第6の発明に対応している。
ここで、図12に示す間引き部61が第4および第6の発明の間引き手段に対応し、1/4解像度MV生成部63、フル解像度MV生成部64および予測ベクトル生成部65が第4〜第6の発明の生成手段に対応している。
また、予測画像生成部54が第6の発明の予測画像生成手段に対応し、演算回路24および可逆符号化回路27が第6の発明の符号化手段に対応している。
図12は、本実施形態の動き予測・補償回路46aの構成図である。
図12に示すように、動き予測・補償回路46aは、例えば、間引き部61、フレームメモリ62、1/4解像度MV生成部63、フル解像度MV生成部64、予測ベクトル生成部65、MCB選択部53および予測画像生成部54を有する。
図12において、図3と同じ符号を付したMCB選択部53および予測画像生成部54は、第1実施形態で説明したものと同じである。
動き予測・補償回路46aでは、先ず、間引き部61が、図2に示すフレームメモリ31から読み出したフル解像度の参照画像データREF(本発明の第1の参照画像データ)を間引いて1/4解像度の参照画像データREFa(本発明の第2の参照画像データ)を生成し、これをフレームメモリ62に書き込む。
次に、1/4解像度MV生成部63が、画面並べ替えバッファ23からのフレームデータS23と、フレームメモリ62からの1/4解像度の参照画像データREFaとを基に、フレームデータS23内の動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルMV63(本発明の第1の動きベクトル)を1/4解像度で探索する。
次に、予測ベクトル生成部65が、例えば、フル解像度MV生成部64において処理対象となっている動き補償ブロックデータMCBの予測動きベクトルPMVを生成する。
このとき、予測ベクトル生成部65は、例えば、予測動きベクトルPMVの生成対象となる動き補償ブロックデータMCB(本発明の第1の動き補償ブロックデータ)に対して予め決められた所定の位置関係にある動き補償ブロックデータMCB(本発明の第2の動き補償ブロックデータ)のフル解像度の動きベクトルMV(本発明の第2の動きベクトル)が未だ生成されていない場合に、その代わりに、既に生成されている当該所定の位置関係にある動き補償ブロックデータMCBの1/4解像度の動きベクトルMV63を用いる。
すなわち、動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成するタイミグで、動き補償ブロックB1 ,B2 ,B3 のフル解像度での動きベクトルMVは生成されていないが、動き補償ブロックB1 ,B2 ,B3 の1/4解像度の動きベクトルMV63は既に生成されている。
従って、予測ベクトル生成部65は、図7に示す動き補償ブロックAの予測動きベクトルPMVを生成する場合に、動き補償ブロックB1 ,B2 ,B3 のフル解像度の動きベクトルMVではなく、1/4解像度MV生成部63が既に生成した動き補償ブロックB1 ,B2 ,B3 の1/4解像度の動きベクトルMV63を用いる。
そのため、動き予測・補償回路46aによれば、全ての動き補償ブロックデータの予測動きベクトルPMVを生成でき、全ての動き補償ブロックデータを適切に符号化できる。
上述した第1実施形態では、図7および図9に示すように、第3の動き補償ブロックデータMCBとして、マクロブロックデータMB_Y,MB_T内のマクロブロックデータMB_X側の動き補償ブロックデータC1 ,C2 ,C3 ,Cの動きベクトルMVを用いる場合を例示したが、マクロブロックデータMB_Y,MB_T内のそれ以外の動き補償ブロックデータMCBの動きベクトルを用いてもよい。
Claims (6)
- 動画像データ内の処理対象の動き補償ブロックデータの動きベクトルを生成するデータ処理装置であって、
第1の動き補償ブロックデータの予測動きベクトルを生成する際に前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にある第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルが未生成である場合に、前記予測動きベクトルを、前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にあり既に生成された第3の動き補償ブロックデータの動きベクトルを前記第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルの代わりに用いて生成し、前記予測動きベクトルとの差分動きベクトルの情報量を示す情報量データと、前記第1の動き補償ブロックデータと前記動画像データの参照画像データにおける補償ブロックデータとの差分の総和に応じた指標データと、の総和を示すデータが最小になる動きベクトルを探索することにより、前記第1の動き補償ブロックデータの動きベクトルを生成する動きベクトル生成部、
を有するデータ処理装置。 - 前記動きベクトル生成部は、前記第1の動き補償ブロックデータに対して前記第2の動き補償ブロックデータ側に位置する前記第3の動き補償ブロックデータを用いて、前記第1の動き補償ブロックデータの前記予測動きベクトルを生成する
請求項1に記載のデータ処理装置。 - 前記動きベクトル生成部は、前記第2の動き補償ブロックデータの前記動きベクトルが生成されているか否かを判断し、当該動きベクトルが既に生成されていると判断した場合に、当該第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルを用いて、前記第1の動き補償ブロックデータの前記予測動きベクトルを生成し、当該動きベクトルが生成されていないと判断した場合に、前記第3の動き補償ブロックデータの動きベクトルを用いて、前記第1の動き補償ブロックデータの前記予測動きベクトルを生成する
請求項1に記載のデータ処理装置。 - 前記動きベクトル生成部は、複数の動き補償ブロックデータから構成されるマクロブロックデータを単位として処理を行って前記予測動きベクトルを生成し、前記第3の動き補償ブロックデータを含む第1の前記マクロブロックデータの処理を完了した後に、前記第1の動き補償ブロックデータおよび前記第2の動き補償ブロックデータを含む第2の前記マクロブロックデータの処理を行う
請求項1に記載のデータ処理装置。 - 動画像データ内の処理対象の動き補償ブロックデータの動きベクトルを生成するデータ処理装置によるデータ処理方法であって、
第1の動き補償ブロックデータの予測動きベクトルを生成する際に前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にある第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルが未生成であるか否かを判断する第1の工程と、
前記第2の動き補償ブロックデータの前記動きベクトルが未生成であると前記第1の工程で判断した場合に、
前記予測動きベクトルを、前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にあり既に生成された第3の動き補償ブロックデータの動きベクトルを前記第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルの代わりに用いて生成し、前記予測動きベクトルとの差分動きベクトルの情報量を示す情報量データと、前記第1の動き補償ブロックデータと前記動画像データの参照画像データにおける補償ブロックデータとの差分の総和に応じた指標データと、の総和を示すデータが最小になる動きベクトルを探索することにより、前記第1の動き補償ブロックデータの動きベクトルを生成する第2の工程と、
を有するデータ処理方法。 - 動画像データを符号化する符号化装置であって、
前記動画像データ内の第1の動き補償ブロックデータの予測動きベクトルを生成する際に、当該第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にある第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルが未生成である場合に、前記予測動きベクトルを、前記第1の動き補償ブロックデータに対して所定の位置関係にあり既に生成された第3の動き補償ブロックデータの動きベクトルを前記第2の動き補償ブロックデータの動きベクトルの代わりに用いて生成し、前記予測動きベクトルとの差分動きベクトルの情報量を示す情報量データと、前記第1の動き補償ブロックデータと前記動画像データの参照画像データにおける補償ブロックデータとの差分の総和に応じた指標データと、の総和を示すデータが最小になる動きベクトルを探索することにより、前記第1の動き補償ブロックデータの動きベクトルを生成する動きベクトル生成手段と、
前記動きベクトル生成手段により生成された前記動きベクトルを基に予測画像データを生成する予測画像生成手段と、
前記動画像データと前記予測画像生成手段により生成された前記予測画像データとの差分を符号化する符号化手段と
を有する符号化装置。
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