JP4287781B2 - 測定システム用基準フレームを有する位置決め装置 - Google Patents

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本発明は物品テーブルと、この物品テーブル上に設置すべき物品を処理するサブシステムと、このサブシステムに対し相対的に物品テーブルを移動させる駆動ユニットと、サブシステムに対する相対的な物品テーブルの位置を測定する測定システムとを具える位置決め装置であって、駆動ユニットがこの位置決め装置の機械フレームに固定された静止部を具え、測定システムが静止部と、この静止部に協働するため物品テーブルに固定された移動部とを具える位置決め装置に関するものである。
更に、本発明は放射源と、マスクテーブルと、主軸を有する投影システムと、基材テーブルと、少なくともこの主軸に垂直な方向に投影システムに対し相対的に基材テーブルを移動させる駆動ユニットと、投影システムに対する基材テーブルの相対位置を測定する測定装置とを具えるリソグラフ装置であって、駆動ユニットがこのリソグラフ装置の機械フレームに固定された静止部を具え、測定システムが静止部と、この静止部に協働するため基材テーブルに固定された移動部とを具えるリソグラフ装置に関するものである。
ヨーロッパ特許公告第0250031 号は頭書に記載した種類の位置決め装置を具える頭書に記載した種類のリソグラフ装置を開示している。この既知の位置決め装置の物品テーブルはこの既知の基材テーブルに相当しており、この既知の位置決め装置のサブシステムはこの既知のリソグラフ装置の投影システム、マスクテーブル、及び放射源を具えるサブシステムに相当している。この既知のリソグラフ装置は光学リソグラフ法によって集積半導体回路の製作に使用されている。この既知のリソグラフ装置の放射源は光源であり、投影システムは光学レンズシステムに相当しており、リソグラフ装置のマスクテーブル上に設置するマスクの集積半導体回路の部分パターンはリソグラフ装置の基材上に設置された半導体基材上にこの光学レンズシステムによって縮小して投影される。このような半導体基材は同一半導体回路を設ける非常に多くのフィールドを有する。半導体基材の個々のフィールドは連続して露光、即ち露出される。この目的のため、個々のフィールドの露出中、半導体基材はマスクと投影システムとに対し一定位置にあり、2つの連続する露出工程の間に、リソグラフ装置の駆動ユニットによって焦点合わせシステムに対する所定位置に半導体基材の次のフィールドをもたらす。異なるマスク、異なる部分パターンについてこのプロセスを多数回繰り返し、比較的複雑な集積半導体回路を製作することができる。このような集積半導体回路はミクロン以下の範囲の微細な寸法を有する。従って、連続するマスク上にある部分パターンはミクロン以下の範囲の相対的な精度で半導体基材の上記フィールド上に映像を結ばなければならない。それ故、半導体基材もミクロン以下の範囲の精度で、駆動ユニットによりマスクと投影システムに対し位置決めされなければならない。このような高い位置決め精度を達成するため、投影システムに対する基材テーブルの位置は上記の精度に対応する精度でリソグラフ装置の測定システムによって測定される必要がある。この目的のため、この既知のリソグラフ装置の測定装置はレーザ干渉システムを具えている。このレーザ干渉システムの移動部は基材テーブルに固定された鏡から成り、またレーザ干渉システムの静止部はこの既知のリソグラフ装置の機械フレームの4個の垂直支柱に取り付けられたガラス板に固定されたレーザ干渉計を具える。
この既知のリソグラフ装置、及びそれに適用される既知の位置決め装置の欠点は機械フレームの機械的な振動や変形によって測定システムの精度が悪影響を受けることである。駆動ユニットの静止部は機械フレームに固定されているから、駆動ユニットによって基材テーブルに加えられる駆動力から発生する反力が駆動ユニットの静止部に加わり、その影響を受けて振動と変形とが発生する。これ等の振動と反力との結果、投影システムに対する測定システムの静止部の位置は正確に画成されない。特に、既知のリソグラフ装置、及び位置決め装置に使用されている通常の機械フレームの特性である自然周波数に相当する周波数を反力が有する時、機械フレームの振動は比較的大きい。このような状態下で、反力は機械フレームを共振させるから、たとえ駆動ユニットの静止部に作用する反力が比較的小さくとも、機械フレーム、及び測定システムの静止部を支持するガラス板に比較的強い機械的振動が発生する。
本発明の目的は上述の従来技術の欠点をできるだけ防止した頭書に記載した種類の位置決め装置、及びリソグラフ装置を得るにある。
この目的のため本発明位置決め装置は前記位置決め装置の機械フレームから動的に絶縁された基準フレームを前記位置決め装置に設け、前記測定システムの前記静止部をこの基準フレームに固定したことを特徴とする。
また本発明リソグラフ装置は前記リソグラフ装置の機械フレームから動的に絶縁された基準フレームを前記リソグラフ装置に設け、前記測定システムの静止部をこの基準フレームに固定したことを特徴とする。
基準フレームは機械フレームから動的に絶縁されているから、駆動ユニットの反力によって機械フレームに生ずる機械的振動は基準フレームに伝わらず、基準フレーム及びこの基準フレームに固定された測定システムの静止部は上記反力によって生ずる機械振動を免れる。従って、基準フレームは上記反力の比較的高い周波数成分による共振を起こすことを防止され、測定システムの静止部は位置決め装置のサブシステム、及び物品テーブルに対し、又はリソグラフ装置の投影システム、及び基材テーブルに対して精密に画成された基準位置を有する。このようにして、それぞれサブシステム、又は投影システムに対して物品テーブル、又は基材テーブルが測定される精度は、上記の機械的振動から生ずる測定システムの静止部の位置の不正確さによって悪影響を受けない。
本発明位置決め装置の特別な実施例は少なくともX方向に平行に前記物品テーブルを案内する案内部を前記基準フレームに固定して設けたことを特徴とする。
また、本発明リソグラフ装置の特別な実施例は前記投影システムの主軸に垂直に延在するよう前記基準フレームに固定された案内部を設け、前記基材テーブルをこの案内部上に移動させるよう構成したことを特徴とする。
位置決め装置、又はリソグラフ装置の駆動ユニットによって物品テーブル、又は基材テーブルに加わる駆動力が案内部にほぼ平行に指向しており、また、案内部と物品テーブル、又は基材テーブルとの間にほぼ機械的摩擦が無ければ、駆動力は物品テーブル、又は基材テーブルの加速、又は減速のために純粋に使用され、駆動力から生ずる反力が案内部上の物品テーブル、又は基材テーブルに作用しない。例えば流体静力学軸受による案内部に沿って、物品テーブル、又は基材テーブルが案内される時、案内部と物品テーブル、又は基材テーブルとの間にほぼ機械的摩擦は存在しない。位置決め装置、及びリソグラフ装置のこの特別な実施例では、案内部を基準フレームに固定するから、駆動ユニットの反力による機械的振動、又は変形は案内部に生じない。案内部が上記反力から生ずる機械的振動から免れている事実は、物品テーブル、又は基材テーブルを支持する案内部内に機械的振動がないことに起因して位置決め精度、及び位置決めに必要な時間が改善されるだけでなく、物品テーブル、又は基材テーブルの位置決め中に駆動ユニットの駆動力の周波数が比較的高くても許容されるようになるため必要な時間が一層短縮される。
本発明位置決め装置の特別な実施例は電気制御ユニットによって制御され、作動中に前記基準フレームに補正力を作用させる力アクチュエータシステムを位置決め装置に設け、前記補正力が有する前記基準フレームの基準点の周りの機械的モーメントの値が、前記物品テーブルに作用する重力の前記基準フレームの基準点の周りの機械的モーメントの値に等しく、方向が反対であることを特徴とする。
本発明リソグラフ装置の特別な実施例は電気制御ユニットによって制御され、作動中に前記基準フレームに補正力を作用させる力アクチュエータシステムをリソグラフ装置に設け、前記補正力が有する前記基準フレームの基準点の周りの機械的モーメントの値が、前記物品テーブルに作用する重力の前記基準フレームの基準点の周りの機械的モーメントの値に等しく、方向が反対であることを特徴とする。
位置決め装置の物品テーブル、及びリソグラフ装置の基材テーブルを基準フレームに固定された案内部上に静止させ、これにより物品テーブル、及び基材テーブル上に作用する重力によって決定される支持力を物品テーブル、及び基材テーブルによって案内部、及び基準フレームにそれぞれ作用させる。物品テーブル、又は基材テーブルが移動する時、案内部上の上記支持力の着力点も基準フレームに対して移動する。上記の力アクチュエータシステムの使用によって、物品テーブル、又は基材テーブル、及び上記の着力点の基準フレームに対する比較的大きな、又は迅速な移動に起因して基準フレームが振動又は揺動するのを防止する。制御ユニットは基準フレームに対する物品テーブル、又は基材テーブルの位置の関数として力アクチュエータシステムの補正力を制御する。この補正力に起因して、この移動可能な物品テーブル、又は基材テーブルは、基準フレームに対して一定位置を有するいわゆる仮想重心を有する。従って、位置決め装置、及びリソグラフ装置のこの特別な実施例では、基準フレーム、及び測定システムは駆動ユニットの反力に起因する機械的振動と変形とから免れるだけでなく、基準フレームにそれぞれ対する物品テーブル、及び基材テーブルの実際の重心の移動に起因する機械的振動と変形とからも免れることができる。このようにして、位置決め装置、及びリソグラフ装置の位置決め精度と、物品テーブルと基材テーブルとをそれぞれ希望する目標位置に移動させるのに要する時間とを更に改善することができる。
本発明リソグラフ装置の他の実施例は前記主軸に垂直な走査方向に前記投影システムに対し前記マスクテーブルを移動させる別個の駆動ユニットを前記リソグラフ装置に設け、前記機械フレームに固定された静止部を前記別個の駆動ユニットに設け、少なくとも前記走査方向に平行に前記投影システムに対し前記基材テーブルを移動可能にし、更に前記測定システムには前記基準フレームに固定された別個の静止部と、前記投影システムに対する前記マスクテーブルの位置を測定するため、又は前記基材テーブルに対する前記マスクテーブルの位置を測定するため前記測定システムの前記別個の静止部に協働させるよう前記マスクテーブルに固定された別個の移動部とを設けたことを特徴とする。本発明リソグラフ装置のこの実施例では、半導体基材の単一フィールドの露出中は、製作される半導体基材はマスクと投影システムとに対し一定位置にないが、代わりに、露出中、半導体基材、及びマスクはそれぞれ駆動ユニット、及び別個の駆動ユニットによって走査方向に平行に投影システムに対し同期して移動する。このようにして、マスク上にあるパターンは走査方向に平行に走査され、半導体基材上に同期して映像となる。このようにして、投影システムによって半導体基材上に映像を結ぶマスクの最大表面積が投影システムの孔の寸法によって受ける制約が少なくて済む。製作すべき集積半導体回路の微細な寸法はミクロン以下の範囲にあるから、露出中、半導体基材、及びマスクも投影システムに対しミクロン以下の範囲の精度で移動しなければならない。半導体回路の製作のために必要な時間を減らすため、露出中、半導体基材、及びマスクは比較的高速で相互に更に動き、位置決めしなければならない。マスク上にあるパターンは半導体基材上に縮小されて映像を結ぶから、マスクが移動する速度、及び距離は半導体基材が移動する速度、及び距離より大きく、両者の速度の比、及び距離の比は共に投影システムの縮小率に等しい。リソグラフ装置のこの実施例では、基材テーブルに固定された測定システムの移動部に協働する測定装置の静止部、及びマスクテーブルに固定された測定システムの他の移動部に協働する測定装置の他の静止部は共に基準フレームに固定されているから、測定システムの両方の静止部と他の静止部とは基材テーブルの駆動ユニットの反力と、マスクテーブルの別個の駆動ユニットの比較的大きな反力とによって生ずる機械的振動から免れる。このようにして、測定システムの静止部、及び他の静止部は相互に正確に明確にされた位置と、投影システム、基材テーブル、及びマスクテーブルに対し正確に明確にされた基準位置を有する。従って、投影システムに対して基材テーブル、及びマスクテーブルの位置が測定される精度、又は基材テーブルに対してマスクテーブルの位置が測定される精度は測定システムの静止部、及び他の静止部の位置の不正確さによって悪影響を受けない。
移動可能な基材テーブル、移動可能なマスクテーブル、及び投影システムに対する基材テーブルの位置、及びマスクテーブルの位置を測定するレーザ干渉システムを有するリソグラフ装置は米国特許第5194893 号から既知である。しかし、この米国特許第5194893 号はレーザ干渉計システムの静止部をどのようにして既知のリソグラフ装置のフレームに固定するかを開示していない。
本発明リソグラフ装置の更に他の実施例は前記走査方向に平行に延在する第1案内部上に前記マスクテーブルを移動可能にすると共に、前記主軸に垂直に延在する第2案内部上に前記基材テーブルを移動可能にし、前記第1案内部と第2案内部とを前記基準フレームに固定したことを特徴とする。駆動ユニット、及び他の駆動ユニットによって基材テーブル、及びマスクテーブルに作用する駆動力が第1案内部、及び第2案内部にそれぞれほぼ平行に指向しており、更に、第1案内部と基材テーブルとの間、及び第2案内部とマスクテーブルとの間にほぼ機械的摩擦がないとすると、駆動力は基材テーブル、及びマスクテーブルを加速し、又は減速するために純粋に使用され、上記駆動力から生ずる反力は基材テーブル、及びマスクテーブルによって第1案内部、及び第2案内部に作用しない。例えば流体静力学軸受によって案内部に沿いテーブルが案内される時は、案内部とテーブルとの間にはほぼ機械的摩擦は存在しない。リソグラフ装置のこの実施例では、第1案内部、及び第2案内部を基準フレームに固定するから、駆動ユニット、及び他の駆動ユニットの反力に起因する機械的振動、又は変形は案内部に生じない。案内部が上記反力に起因する機械的振動を免れていることは、案内部内に機械的振動が無いことによって基材テーブル、及びマスクテーブルの位置決め精度が向上するだけでなく、基材テーブル、及びマスクテーブルの走査移動中に、駆動ユニットと他のユニットとの比較的高い周波数、及び高い値の駆動力を使用することが許されるから、位置決め精度が更に向上し、テーブルの走査速度も増大する。
本発明リソグラフ装置の特殊な実施例は電気制御ユニットによって制御され、作動中に前記基準フレームに補正力を作用させる力アクチュエータシステムをリソグラフ装置に設け、前記補正力が有する前記基準フレームの基準点の周りの機械的モーメントの値が、前記基材テーブルに作用する重力の前記基準フレームの基準点の周りの機械的モーメントと、前記マスクテーブルに作用する重力の前記基準フレームの基準点の周りの機械的モーメントとの和の値に等しく、方向が反対であることを特徴とする。基準フレームに固定された第1案内部と第2案内部とにそれぞれ基材テーブルとマスクテーブルとを静止させ、これにより基材テーブル、及びマスクテーブルに作用する重力によって決定される支持力を基材テーブル、及びマスクテーブルによって第1案内部、及び第2案内部にそれぞれ作用させる。基材テーブルとマスクテーブルとを移動させる時、案内部上の上記支持力の着力点も基準フレームに対し移動する。上記力アクチュエータシステムを使用すれば、基準フレームに対する基材テーブル、及びマスクテーブルの比較的大きな、又は迅速な移動に起因して基準フレームが振動し、又は揺動するのを防止する。制御ユニットは基準フレームに対する基材テーブルの位置、及びマスクテーブルの位置の関数として力アクチュエータシステムの補正力を制御する。上記の補正力により、移動可能な基材テーブル、及びマスクテーブルは基準フレームに対して一定位置を有するいわゆる仮想重心を有する。従って、リソグラフ装置のこの特別な実施例では、基準フレーム、及び測定システムは駆動ユニット、及び別個のユニットの反力によって生ずる機械的振動、及び変形を免れるだけでなく、基準フレームに対する基材テーブル、及びマスクテーブルの実際の重心の移動によって生ずる機械的振動、及び変形からも免れている。このようにして駆動ユニットの位置決め精度は更に向上する。
本発明位置決め装置の特殊な実施例はサブシステムを基準フレームに固定したことを特徴とする。
本発明リソグラフ装置の特殊な実施例は投影システムを基準フレームに固定したことを特徴とする。
位置決め装置、及びリソグラフ装置のこれ等特殊な実施例では、それぞれサブシステム、及び投影システム、及び静止部、又は測定システムの一部を支持する基準フレームは共に剛強ユニットを構成しており、このユニットは駆動ユニットの反力から生ずる機械的振動、及び変形を免れている。その結果、サブシステムと投影システムとにそれぞれ対する測定システムの静止部、又は一部の位置は特に良好に明確にされ、物品テーブルと基材テーブルとの位置、及びサブシステムと投影システムとに対するマスクテーブルの位置を非常に正確に測定することができる。
図1、図2、及び図3に示す本発明リソグラフ装置は光学リソグラフ法によって集積半導体回路の製作に使用される。図2に線図的に示すように、このリソグラフ装置は順次Z方法に平行な方向に見て、基材テーブル1、投影システム3、マスクテーブル5、及び放射源7を有する。図1、図2、及び図3に示すリソグラフ装置は光学リソグラフ装置であり、放射源7は光源9、ダイアフラム11、及び鏡13、15を有する。基材テーブル1はZ方向に垂直な支持面17を具え、この支持面17上に半導体基材19を設置することができ、X方向(Z方向に垂直)に平行に、またY方向(X方向、及びZ方向に垂直)に平行に、投影システム3に対し相対的に、この支持面17はリソグラフ装置の駆動ユニット21によって移動可能である。投影システム3は映像システムであって、光学レンズ系23を具え、この光学レンズ系はZ方向に平行な主光学軸25を有し、例えば4、又は5の光学縮小率を有する。マスクテーブル5はZ方向に垂直な支持面27を有し、この支持面27上にマスク29を置くことができ、このマスクテーブル5はリソグラフ装置の他の駆動ユニット31によって投影システム3に対し相対的にX方向に平行に移動することができる。マスク29は集積半導体回路のパターン、又は部分パターンを有する。作動中、光源9から発生した光ビーム33はダイアフラム11と鏡13、15を経てマスク29に通り、投影システム3によって半導体基材19上に投影する。マスク29上にあるパターンは縮小した大きさで半導体基材19上に映像となる。半導体基材19は非常に多くの個々のフィールド35を有し、これ等フィールド上に同一の半導体回路を設ける。この目的のため、マスク29を通して半導体基材19のフィールド35を連続的に露光、即ち露出する。即ち駆動ユニット21によってX方向、及び/又はY方向に平行に基材テーブル1を動かし、個々のフィールド35を露出する度に、次のフィールド35を投影システム3に対し位置決めする。このプロセスを多数回繰り返し、その各回毎に異なるマスクを使用し、層付き構造の比較的複雑な集積半導体回路を製作する。
図2が示すように、半導体基材19の個々のフィールド35を露出中、X方向に平行に、即ち走査方向に平行に、半導体基材19とマスク29とを投影システム3に対し相対的に駆動ユニット21、31によって同期させて移動させる。従って、マスク29上にあるパターンは走査方向に平行に走査され、半導体基材19上に同期して映像を形成する。このようにして、図2に明らかなように、投影システム3によって半導体基材19上に映像となるY方向に平方な方向のマスク29の最大幅Bは、図2に線図的に示された投影システム3の孔37の直径Dによって制限される。投影システム3によって半導体基材19上に映像となることができるマスク29の許容できる長さLは上記直径Dより大きい。いわゆる「ステップ・アンド・スキャン」原理に従うこの映像法では、投影システム3によって半導体基材19上に映像となり得るマスク29の最大表面積は投影システム3の孔37の直径Dによって制限されるが、その制限の程度はいわゆる「ステップ・アンド・レピート」原理に従う従来の映像法におけるより少ない。この従来の映像法は例えばヨーロッパ特許公開第0250031 号から既知のリソグラフ装置に使用されており、半導体基材を露出中、マスクと半導体基材とは投影システムに対し相対的な一定位置にある。マスク29上にあるパターンは縮小されて半導体基材9上に映像となるから、マスク29の長さLと幅Bとは半導体基材19上のフィールド35の対応する長さL′と幅B′とより大きく、長さLとL′との間、及び幅BとB′との間の比は投影システム3の光学縮小率に等しい。また、その結果、露出中、マスク29が移動する距離と、露出中、半導体基材19が移動する距離との比、及び露出中、マスク29が移動する速度と、露出中、半導体基材19が移動する速度との比は共に投影システム3の光学縮小率に等しい。図2に示すリソグラフ装置においては、露出中、半導体基材19とマスク29とが移動する方向は相互に反対方向である。しかし、マスクのパターンの映像が反転して投影しない異なる投影システムをリソグラフ装置が有する場合には、半導体基材19とマスク29とが移動する方向は同一方向になる。
このリソグラフ装置によって製造すべき集積半導体回路はミクロン以下の範囲の微細な寸法の構造を有する。半導体基材は多数の異なるマスクを通じて連続して露出されるから、マスク上にあるパターンはこれもミクロン以下の範囲、場合によりナノメートルの範囲の精度で相互に相対的に半導体基材19上に映像を結ぶ必要がある。従って、半導体基材19の露出中、半導体19とマスク29とはこのような精度で投影システム3に対し相対的に移動しなければならず、駆動ユニット21、31の位置決め精度に比較的高い精度が要求される。
図2に線図的に示すように、投影システムに対する基材テーブル1の位置を測定し、投影システムに対するマスクテーブル5の位置を測定するための測定システム39をリソグラフ装置に設ける。この測定システム39はリソグラフ装置の位置制御システム(図示せず)に協働し、駆動ユニット21、31を制御する。図2に線図的に示す既知の通常のレーザ干渉計システム41を測定システム39に設ける。レーザ干渉計システム41は基材テーブル1に取り付けられた移動部43、45を具え、移動部43はY方向に垂直に延びる基材テーブル1の第1反射側壁47を具え、移動部45はX方向に垂直に延びる基材テーブル1の第2反射側壁49を具える。更にレーザ干渉計システム41は図2に線図的にのみ示す静止部51、53、55を具える。静止部51は投影システム3に対する基材テーブル1のX位置を測定するため移動部45に協働するレーザ干渉計57を具え、静止部53、55は投影システム3に対する基材テーブル1のY位置と、Z方向に平行に指向する回転軸線の周りの基材テーブル1の回転角θとを測定するため移動部43に協働するレーザ干渉計59、61をそれぞれ具える。図2が更に示すように、レーザ干渉計システム41はマスクテーブル5に固定された移動部63、65と、Y方向に垂直に延びるマスクテーブル5の第1反射側壁67を有する他の移動部63と、X方向に垂直に延びるマスクテーブル5の第2反射側壁69を有する移動部65とを具える。レーザ干渉計システム41は図2に線図的にのみ示す他の静止部71、73、75を具える。静止部71は投影システム3に対するマスクテーブル5のX位置を測定する移動部に協働するレーザ干渉計77を具え、静止部73、75は投影システム3に対するマスクテーブル5のY位置と、Z方向に平行に指向する回転軸線の周りのマスクテーブル5の回転角θ′とを測定するため移動部63に協働するレーザ干渉計79、81をそれぞれ具える。
図1、及び図3が示すように、ベース83は機械フレーム85の一部を形成しており、機械フレーム85に属している垂直な比較的剛強な支柱87をベース83に固定する。更に、リソグラフ装置は三角形の比較的剛強な金属主板91を有する基準フレーム89を具える。この金属主板91は投影システム3の光学主軸25に対し横方向に延在し、図1には図示しないが光を通過させる中心開口を有する。主板91は3個の隅角部93を有し、ベース83に固定された後に説明する動的絶縁装置95上にこれ等隅角部を静止させる。図1、及び図3では主板91の隅角部93の2個のみと、動的絶縁装置95の2個のみを示すが、3個の全部の動的絶縁装置95を図4、及び図5に示す。投影システム3の下部付近に取付けリング97を設け、このリングにより投影システム3を主板91に固定する。基準フレーム89も主板91に固定された垂直な比較的剛強な金属支柱99を有する。更に、投影システム3の上部に近く、マスクテーブル5用の支持部材101を設ける。この支持部材101も基準フレーム89に属しており、基準フレーム89の主柱99に固定されており、これについては以下に説明する。基準フレーム89に属するものとして、それぞれ3個の隅角部93に隣接して主板91の下側に固定された3個の垂直懸垂板103を設ける。図1、及び図3では2個の懸垂板103の一部のみを示し、図4、及び図5では3個の全部の懸垂板103を示す。図5に示すように、基準フレーム89に属している基材テーブル1用の水平支持板105を3個の懸垂板103に固定する。図1には支持板105は見えないが、図4には一部が見えている。
基準フレーム89はリソグラフ装置の主要構成部分、即ち基材テーブル1、投影システム3、及びマスクテーブル5を垂直なZ方向に平行な方向に支持していることは明らかである。以下に更に説明するように、動的絶縁装置95は比較的機械的剛性が小さい。それにより、例えば床の振動のようなベース83内にある機械的振動をこの動的絶縁装置95を介して基準フレーム89内に伝えない。その結果、駆動ユニット21、31はベース83内にある機械的振動によって悪影響を受けない位置決め精度を有する。機械フレーム85の機能を以下に一層詳細に説明する。
図1、及び図6が示すように、マスクテーブル5はブロック107を具え、その上に上記支持面27がある。基準フレーム89に属するマスクテーブル5の支持部材101は図6に示す中心光通過開口109と、2個の平坦案内部111とを有する。この平坦案内部111はX方向に平行に延び、Z方向に垂直な共通平面内にある。マスクテーブル5のブロック107を空気静力学軸受(図示せず)によって多数の運動の自由度により支持部材101の平坦案内部111上に案内する。これ等の運動の自由度はX方向に平行な運動の自由度、Y方向に平行な運動の自由度、及びZ方向に平行に指向するマスクテーブル5の回転軸線113の周りの回転の自由度である。
更に図1、及び図6に示すように、マスクテーブル5を移動させる駆動ユニット31は第1リニアモータ115と第2リニアモータ117とを有する。既知の通常のものである第2リニアモータ117は機械フレーム85の支柱87に固定された静止部119を有する。駆動ユニット31の静止部119はX方向に平行に延びる案内部121を有し、この案内部に沿って第2リニアモータ117の移動部123が移動可能である。この移動部123はY方向に平行に延びる連結アーム125を具え、第1リニアモータ115の電気コイルホルダ127をこの連結アーム125に固定する。第1リニアモータ115の永久磁石ホルダ129をマスクテーブル5のブロック107に固定する。第1リニアモータ115はヨーロッパ特許公告第0421527 号から既知のもので第1Xモータ131、第2Xモータ133、第3Xモータ135、第4Xモータ137、及びYモータ139を有する。マスクテーブル5はXモータ131、133、135、137によってX方向に平行に移動可能であり、回転軸線113の周りに回転可能であり、マスクテーブル5はYモータ139によりY方向に平行に移動可能である。
半導体基材19を露出中、マスクテーブル5はX方向に平行に投影システム3に対し相対的に比較的大きな距離を高い位置決め精度で移動しなければならない。これを達成するため、第1リニアモータ115のコイルホルダ127をX方向に平行に第2リニアモータ117によって移動させ、第1リニアモータ115のXモータ131、133、135、137の適切なローレンツ力によって第2リニアモータ117の移動部123に対し相対的にマスクテーブル5を随伴させ、これにより第2リニアモータ117によりマスクテーブル5の希望する移動を達成する。投影システム3に対するマスクテーブル5の上述の希望する移動は、マスクテーブル5の移動中、リソグラフ装置の位置制御システムによってXモータ131、133、135、137のローレンツ力を制御して、達成することができ、投影システム3に対するマスクテーブル5の位置は位置制御システムに協働するレーザ干渉計システム41のレーザ干渉計77、79、81により測定する。半導体基材19の露出中、第1リニアモータ115はX方向に平行なマスクテーブル5の移動を制御するだけでなく、Y方向に平行な方向のマスクテーブル5の位置と、回転軸線113の周りのマスクテーブル5の回転角とを制御する。マスクテーブル5はY方向に平行に位置することができ、第1リニアモータ115によって回転軸線113の周りに回転するから、マスクテーブル5の移動はX方向に対して平行度を有しており、この平行度は第1リニアモータ115の位置決め精度によって決定される。従って、X方向に対する第2リニアモータ117の案内部121の平行度からのずれはY方向に平行なマスクテーブル5の移動を通じて補正される。マスクテーブル5の希望する移動は第2リニアモータ117のみによってほぼ達成する必要があり、しかもX方向に対する案内部121の平行度には特に高い精度は要求されないから、比較的簡単な通常の一元リニアモータを第2リニアモータ117として使用でき、これにより、比較的長い距離にわたり、比較的低い精度でマスクテーブル5は移動可能である。第1リニアモータ115によって第2リニアモータ117の移動部123に対してマスクテーブル5を比較的僅かな距離にわたり移動させて、マスクテーブル5の移動の希望する精度が達成される。第2リニアモータ117の移動部123に対してマスクテーブル5が移動する距離は僅かなものに過ぎないから、第1リニアモータ115は比較的小さい寸法である。それ故、第1リニアモータ115の電気コイル内の電気抵抗損失は最小となる。
上述したように、第2リニアモータ117の静止部119はリソグラフ装置の機械フレーム85に固定されている。これにより、移動部123に作用する第2リニアモータ117の駆動力から発生し、第2リニアモータ117の移動部123によって静止部119に作用する反力は機械フレーム85に伝導する。更に、第1リニアモータ115のコイルホルダ127は第2リニアモータ117の移動部123に固定されているから、マスクテーブル5に作用する第1リニアモータ115のローレンツ力から発生し、マスクテーブル5によって移動部123に作用する反力も第2リニアモータ117の移動部123と静止部119とを通じて機械フレーム85に伝導する。従って、作動中、他の駆動ユニット31によってマスクテーブル5に作用する駆動力から発生し、マスクテーブル5によって他の駆動ユニット31に作用する反力は機械フレーム85に専ら導入される。上述の反力は、第2リニアモータ117の比較的大きな移動から生ずる低周波の成分と、希望する位置決め精度を達成するため第1リニアモータ115によって遂行される比較的僅かな移動から生ずる高周波成分とを有する。機械フレーム85は比較的剛強で、無垢のベース83上に設置されているから、機械フレーム85内の反力の低周波成分によって引き起こされる機械的振動は無視し得る程小さい。反力の高周波成分は小さい値を有するが、通常、この成分は、使用される機械フレーム85のような形式のフレームの共振周波数特性に匹敵する周波数を有する。その結果、この反力の高周波成分は機械フレーム内に無視できない程の高周波機械振動を発生させる。機械フレーム85は基準フレーム89から動的に絶縁されている。即ち、機械フレーム85内にある例えば10Hzのような或る限界値を越える周波数を有する機械的振動は基準フレーム89内に伝導されない。これは基準フレーム89は専ら低周波動的絶縁装置を介して機械フレームに結合しているからである。これにより、駆動ユニット31の反力によって機械フレーム85内に引き起こされる高周波機械振動は上述の床の振動と同様、基準フレーム85に伝導されない。支持部材101の平坦案内部111がZ方向に対し垂直に延在し、駆動ユニット31によってマスクテーブル5に作用する駆動力もZ方向に対し垂直に指向しているから、上記駆動力は平坦案内部111に対しほぼ平行に指向している。ブロック107に設けた空気静力学軸受によって案内部111上をマスクテーブル5が案内されるから、案内部111とブロック107との間には機械的摩擦が実質的に存在しない。その結果、案内部111に対し平行に指向する駆動ユニット31の駆動力はマスクテーブルを加速し、減速するために純粋に使用され、上記駆動力から発生する反力がマスクテーブル5によって案内部111や基準フレーム89に直接作用することはない。更に、機械フレーム85内にある機械的振動は第2リニアモータ117の静止部119と移動部123とを通じて基準フレーム89に伝導することはない。これは、上述したところから明らかなように、第1リニアモータ115の電気コイルシステム、及び磁石システムのロレンツ力によって専らマスクテーブル5は第2リニアモータ117の移動部123に結合しており、しかもマスクテーブル5はロレンツ力と関係がない第2リニアモータ117の移動部123から物理的に分離しているからである。上述したところは、駆動ユニット31の駆動力や反力によって引き起こされる機械的振動や変形から基準フレーム89は実質的に分離していることを示している。その利点を以下に更に説明する。
図4、及び図5が示すように、基材テーブル1は上記支持面17を有するブロック141と、空気静力学軸受を設けた空気静力学的に支持される脚部143とを具える。基材テーブル1は花崗岩支持体147の上面145によって形成された平坦案内部上を空気静力学的に支持された脚部143によって案内される。上記上面145はZ方向に対し垂直に延在しており、上記花崗岩支持体147は基準フレーム89の支持板105上に設けられている。基材テーブル1はX方向に平行な運動の自由度と、Y方向に平行な運動の自由度と、Z方向に平行に指向する基材テーブルの回転軸線149の周りの回転の自由度とを有する。
図1、図4、及び図5に更に示すように、基材テーブル1の駆動ユニット21は第1リニアモータ151、第2リニアモータ153、及び第3リニアモータ155を具える。駆動ユニット21の第2リニアモータ153、及び第3リニアモータ155は他の駆動ユニット31の第2リニアモータ117と同一種類である。第2リニアモータ153は機械フレーム85に属するベース83に固定されているアーム159に固定された静止部157を有する。静止部157はY方向に平行に延在する案内部161を具え、この案内部161に沿って第2リニアモータ153の移動部163が移動可能である。第3リニアモータ155の静止部165を第2リニアモータ153の移動部163上に配置し、X方向に対し平行に延びる案内部167を静止部165に設け、第3リニアモータ155の移動部169をこの案内部167に沿って移動可能にする。図5に示すように、第3リニアモータ155の移動部169は連結片171を具え、第1リニアモータ151の電気コイルホルダ173をこの連結片171に固定する。駆動ユニット21の第1リニアモータ151は他の駆動ユニット31の第1リニアモータ115と同様、ヨーロッパ特許公告第0421527 号から既知のものである。他の駆動ユニット31の第1リニアモータ115は詳細に説明してあるので駆動ユニット21の第1リニアモータ151の詳細な説明は省略する。作動中、Z方向に垂直なロレンツ力のみによって第3リニアモータ155の移動部169に基材テーブル1が結合されていることに注目すれば十分である。しかし、駆動ユニット21の第1リニアモータ151と他の駆動ユニット31の第1リニアモータ115との間の相違は駆動ユニット21の第1リニアモータ151は定格出力が同等のXモータとYモータとを具えているのに対し、他の駆動ユニット31の第1リニアモータ115の単一Yモータ139はXモータ131、133、135、137の定格出力に比較し相対的に低い定格出力を有する。このことは、基材テーブル1は第1リニアモータ151によって比較的大きな距離をX方向に平行に移動するだけでなく、Y方向にも平行に移動することを意味する。更に、基材テーブル1は第1リニアモータ151によって回転軸線149の周りに回転可能である。
半導体基材19を露出している間、基材テーブル1はX方向に平行に高い位置決め精度で投影システム3に対し移動すべきであり、一方、半導体基材19の次のフィールド35を露出のため投影システム3に対して所定位置に位置させた時、基材テーブル1はX方向、及び/又はY方向に移動すべきである。基材テーブル1をX方向に平行に移動させるため、第1リニアモータ151のコイルホルダ173を第3リニアモータ155によってX方向に平行に移動させ、基材テーブル1を第3リニアモータの移動部169に対し相対的に第1リニアモータ151の適切なロレンツ力によって動かし、これにより基材テーブル1の希望する移動を第3リニアモータ155によってほぼ達成する。同様に、コイルホルダ173を第2リニアモータ153によってY方向に平行に移動させ、基材テーブル1を第1リニアモータ151の適切なロレンツ力によって第3リニアモータ155の移動部169に対し相対的に移動させて、Y方向に平行な基材テーブル1の希望する移動を達成する。X方向、又はY方向に平行な基材テーブル1の上記の希望する移動は基材テーブル1の移動中、上述のリソグラフ装置の位置決め制御システムによって制御される第1リニアモータ151のロレンツ力により達成され、投影システム3に対する基材テーブル1の位置は上記位置決め制御システムに協働するレーザ干渉計システム41のレーザ干渉計57、59、61によって測定される。基材テーブル1の希望する移動は第2リニアモータ153、及び第3リニアモータ155によってのみほぼ達成する必要があり、従って第2リニアモータ153、及び第3リニアモータ155の位置決め精度に特に高い精度要求が課されないから、第2リニアモータ153、及び第3リニアモータ155は、他の駆動ユニット31の第2リニアモータ117におけるように、Y方向、及びX方向に平行に比較的大きな距離にわたり、比較的低い精度で、基材テーブル1を移動させることができる比較的簡単な、通常の、一元リニアモータである。基材テーブル1の移動の希望する精度は、第1リニアモータ151によって第3リニアモータ155の移動部169に対して相対的に、比較的僅かな距離だけ基材テーブル1を移動させることによって達成される。
基材テーブル1の駆動ユニット21がマスクテーブル5の駆動ユニット31に類似する種類のものであり、駆動ユニット21の第2リニアモータ153の静止部157が、他の駆動ユニット31の第2リニアモータ117の固定部119と同様に、リソグラフ装置の機械フレーム85に固定されているから、作動中、駆動ユニット21によって基材テーブル1に作用する駆動力から生じ、基材テーブル1によって駆動ユニット21に作用する反力は専ら機械フレーム85に伝導される。このことにより、駆動ユニット21の反力、及び他の駆動ユニット31の反力が機械フレーム85内に機械的振動を発生させるが、この振動は基準フレーム89内に伝わらない。基材テーブル1を案内する花崗岩支持体47の上面145はZ方向に垂直に延びており、駆動ユニット21によって基材テーブル1上に作用する駆動力もZ方向に垂直に指向しているから、上記駆動力は上面145に対しほぼ平行に指向する。基材テーブル1は空気静力学的に支持される脚部143によって上面145上を案内されるから、上面45と脚部143との間には実質的に機械的摩擦は存在しない。その結果、上面145に対し平行に指向する駆動ユニット21の駆動力は基材テーブル1を加速し、又は減速するために純粋に使用され、上記駆動力から発生する反力が基材テーブル1によって上面145と基準フレーム89とに直接作用することはない。
上述したように、半導体基材19を支持する基材テーブル1、及びマスク29を支持するマスクテーブル5を、半導体基材19の露出中、投影システム3に対し相対的に、ミクロン以下の範囲の精度で同期して移動させる必要がある。このような位置決め精度を得るため、投影システム3に対する基材テーブル1とマスクテーブル5との位置は半導体基材19の露出中、ミクロン以下の範囲の精度で、又はナノメートルの範囲内にすらある非常に高い精度で、測定システム39によって測定される必要がある。上述したように、投影システム3に対する基材テーブル1の位置は測定システム39の静止部51、53、55、及び移動部43、45によって測定されると共に、投影システム3に対するマスクテーブル5の位置は測定システム39の他の静止部71、73、75、及び他の移動部63、65によって測定される。図3に線図的に示すように、測定システム39の静止部51、53、55、及び他の移動部71、73、75はリソグラフ装置の基準フレーム89に固定されているが、この基準フレーム89は動的絶縁装置95によって機械フレーム85から動的に絶縁されている。上に説明し図3に線図的に示したように、リソグラフ装置の投影システム3も基準フレーム89に固定されている。上に説明したように、駆動ユニット21、及び他の駆動ユニット31の反力、及び床振動によって機械フレーム85内に発生する機械的振動は基準フレーム89に伝わらず、従って基準フレーム89は反力、及び床振動によって発生する機械的振動を受けることがない。測定システム39の静止部51、53、55、及び他の静止部71、73、75、及び投影システム3は基準フレーム89に固定されているから、静止部51、53、55、及び他の静止部71、73、75は投影システム3に対する基準位置を正確に画成し、この基準位置は基準フレーム89内の機械的振動によって生ずる基準フレーム89の変形により悪影響を受けることがない。レーザ干渉計システム41を有する測定システム39の精度は上述の基材テーブル1とマスクテーブル5との必要な位置決め精度を得るためそれ自体十分な精度である。基準フレーム89内の機械的振動によって生ずる基準フレーム89の変形の結果として、投影システム3に対するレーザ干渉計システム41の静止部51、53、55、及び他の静止部71、73、75の基準位置が不正確になることがあるが、上記の測定システム39の精度はこの不正確さによって悪影響を受けない。マスクテーブル5を案内する案内部111、及び基材テーブル1を案内する上面145も基準フレーム89に固定されているから、案内部111、及び上面145も駆動ユニット21、及び他の駆動ユニット31の反力、及び床振動によって生ずる機械的振動を受けることはない。このようにして、基材テーブル1、マスクテーブル5の位置決め精度、及びこの位置決め精度を達成するために必要な時間は一層改善される。
図7、及び図8は3個の動的絶縁装置95のうちの1個を断面にて示す。図示の動的絶縁装置95は取付け板175を具え、動的絶縁装置95上に休止させる基準フレーム89の主板91の隅角部93をこの取付け板に固定する。更に、動的絶縁装置95にハウジング177を設け、このハウジングを機械フレーム85のベース83に固定する。Z方向に平行に指向する連結ロッド179を介して取付け板175を中間板181に連結する。3個の平行引張りロッド185によって円筒容器183内に中間板181を懸垂させる。図7では唯1個の引張りロッド185のみが見えており、図8では3個の全ての引張りロッド185が見えている。ハウジング177の円筒室187内に同心に円筒容器183を位置させる。円筒容器183と円筒室187との間にある空間189は空気ばね191の一部を形成しており、供給弁193を通じて圧縮空気で充填されている。円筒容器183の第1部分197と第2部分199との間、及びハウジング177の第1部分201と第2部分203との間に固定された環状可撓性ゴム隔膜195によって空間189をシールする。従って、基準フレーム89、及びこの基準フレーム89によって支持されるリソグラフ装置の構成部分は3個の動的絶縁装置95の空間189内の圧縮空気によってZ方向に平行な方向に支持されており、円筒容器183、従って基準フレーム89は隔膜195の可撓性の結果として円筒室187に対する運動の或る自由度を有する。3個の動的絶縁装置95の空気ばね191により、また基準フレーム89、及びこの基準フレーム89によって支持されるリソグラフ装置の構成部により形成されている質量ばねシステムが例えば3Hzのような比較的低い共振周波数を有するようになるような剛性を空気ばね191が有する。このようにして、例えば10Hzのような或る限界値より高い周波数を有する機械的振動に関して、基準フレーム89は機械フレーム85から動的に絶縁されている。図7に示すように、狭い通路207を通じて、空間189を空気ばね191の側室205に連結する。この狭い通路207は円筒室187に対する円筒容器183の周期的運動を減衰させるダンパとして作用する。
更に図7、及び図8に示すように、各動的絶縁装置95はこの動的絶縁装置95に合体させた力アクチュエータ209を有する。この力アクチュエータ209はハウジング177の内壁213に固定された電気コイルホルダ211を有する。図7に示すように、このコイルホルダ211は図面に破線にて示したZ方向に垂直に延びる電気コイル215を有する。取付け板175に固定された2個の磁気ヨーク217、219間にコイルホルダ211を配置する。更に、1対の永久磁石(221、223)、(225、227)を各ヨーク217、219に固定し、電気コイル215の平面に垂直になる度に、対をなす磁石(221、223)、(225、227)を反対方向に磁化させる。電流をコイル215に通した時、コイル215と磁石(221、223、225、227)とはZ方向に平行に指向するロレンツ力を相互に作用させる。このロレンツ力の値は後に一層詳細に説明するようにリソグラフ装置の電気制御器(図示せず)によって制御される。
動的絶縁装置95に合体した力アクチュエータ209は図9に線図的に示す力アクチュエータシステムを形成する。更に図9は基準フレーム89と、基材テーブル1と、基準フレーム89に対して移動可能なマスクテーブル5と、ベース83と、3個の動的絶縁装置95とを線図的に示す。図9は更に基準フレーム89の基準点Pを示す。基材テーブル1の重心GS はこの基準点Pに対するX位置のXS 、及びY位置のYS を有し、マスクテーブル5の重心GM は基準点Pに対するX位置のXM 、及びY位置のYM を有する。上記重心GS 、及びGM は半導体基材19を有する基材テーブル1の全運動質量体の重心と、マスク29を有するマスクテーブル5の全運動質量体の重心とをそれぞれ表している。図9に更に示すように、3個の力アクチュエータ209のロレンツ力FL1、FL2、FL3は基準フレーム89への力の作用点を有し、基準点Pに対するこれ等の力の作用点の位置はそれぞれX位置のXF1、XF2、XF3、及びY位置のYF1、YF2、YF3である。基準フレーム89は垂直なZ方向に平行に基材テーブル1とマスクテーブル5とを支持しているから、基材テーブル1とマスクテーブル5とは基準フレーム89にそれぞれ支持力FS とFM とを作用させており、その値は基材テーブル1とマスクテーブル5に作用する重力の値に対応する値である。支持力FS 、及びFM は基準フレーム89に対する着力点を有し、その着力点のX位置、及びY位置は基材テーブル1、及びマスクテーブル5の重心GS 、及びGM のX位置、及びY位置に対応する。半導体基材19の露出中、基材テーブル1とマスクテーブル5とが基準フレーム89に対し移動すると、基材テーブル1とマスクテーブル5との支持力FS とFM との着力点も基準フレーム89に対して移動する。リソグラフ装置の上記電気制御器はロレンツ力FL1、FL2、FL3の値を次のような関係が成立するように制御する。即ち、基準フレーム89の基準点Pの周りのロレンツ力FL1、FL2、FL3の機械的モーメントの合計が基準点Pの周りの基材テーブル1とマスクテーブル5との支持力FS とFM との機械的モーメントの合計に等しく、方向反対であるように制御する。
L1+FL2+FL3=FS +FM
L1×XF1+FL2×XF2+FL3×XF3=FS ×XS +FM ×XM
L1×YF1+FL2×YF2+FL3×YF3=FS ×YS +FM ×YM
ロレンツ力FL1、FL2、FL3を制御するこの制御器は例えばそれ自身既知の通常の並列前送り制御ループを具える。この制御器はリソグラフ装置の位置制御システムから基材テーブル1の位置XS 、YS に関する情報、及びマスクテーブル5の位置XM 、YM に関する情報を受理するが、この受理された情報は基材テーブル1とマスクテーブル5との希望する位置に関する情報であり、基材テーブル1とマスクテーブル5との位置を制御する。また、代わりにそれ自身既知の通常のフィードバック制御ループをこの制御器に設けてもよく、この場合、この制御器はリソグラフ装置の測定システム39から基材テーブル1の位置XS 、YS に関する情報、及びマスクテーブル5の位置XM 、YM に関する情報を受理するが、この受理された情報は基材テーブル1とマスクテーブル5との測定された位置に関する情報である、また代案として、この制御器は並列前進送り制御ループとフィードバック制御ループとを組み合わせて有していてもよい。力アクチュエータシステムのロレンツ力FL1、FL2、FL3は補正力を形成し、これにより基準フレーム89に対する基材テーブル1とマスクテーブル5との重心GS 、GM の移動を補正する。ロレンツ力FL1、FL2、FL3と支持力FS 、FM との基準フレーム89の基準点Pの周りの機械的モーメントの和は一定値と一定方向とを有するから、基材テーブル1とマスクテーブル5とは基準フレーム89に対してほぼ一定値を有するいわゆる仮想重心をそれぞれ有する。これにより、半導体基材19の露出中、基材テーブル1とマスクテーブル5との実際の重心GS とGM との移動を基準フレーム89が感じないようにすることができる。上述の力アクチュエータシステムが無いと、基材テーブル1、又はマスクテーブル5の移動は基準点Pの周りの支持力FS 、又はFM の機械的モーメントの補正できない変化を生ぜしめ、その結果、基準フレーム89は動的絶縁装置95上で低周波の振動を行い、又は基準フレーム89内に弾性変形、又は機械的振動が発生する。
3個の力アクチュエータ209を3個の動的絶縁装置95に合体させているから、力アクチュエータシステムとリソグラフ装置とをコンパクトで簡単な構造にすることができる。更に動的絶縁装置95を三角形に配設することによって力アクチュエータシステムの特に安定した作動を達成する。力アクチュエータシステムの補正力は専らロレンツ力から成るから、ベース83と、機械フレーム85とに存在する機械的振動は力アクチュエータ209を通じて基準フレーム89に伝わらない。
上述の本発明リソグラフ装置は、駆動ユニット21の静止部157、及び他の駆動ユニットの静止部119を支持する機械フレーム85と、測定システム39の静止部51、53、55、及び他の静止部71、73、75、投影システム3、及びマスクテーブル5、及び基材テーブル1の案内部111、145を支持する基準フレーム89とをそれぞれ有する。このリソグラフ装置のフレーム構造を図3に線図的に示す。また、本発明はリソグラフ装置を設ける他のフレーム構造を使用することもできる、そのような代わりのフレーム構造の例を図10A〜図10Dに示し、次に説明する。
図10Aは機械フレーム231と、動的絶縁装置235によって機械フレーム231から動的に絶縁した基準フレーム233とを設けた本発明リソグラフ装置233を線図的に示す。図10Aが示すように、基準フレーム233は測定システムの静止部51、53、55、及び71、73、75のみを支持している。機械フレーム231は投影システム3、駆動ユニット21、31、及びマスクテーブル5、及び基材テーブル1の案内部111、145のようなリソグラフ装置の主要構成部分を支持する。この実施例では、測定システムはマスクテーブル5に対する基材テーブル1の位置を測定する。代わりに、リソグラフ装置229の測定システムには基準フレーム233に固定された他の静止部237を設け、基準フレーム233に対する投影システム3の位置を測定する。このようにして、この測定システムは投影システムに対するマスクテーブル5の位置と、投影システム3に対する基材テーブル1の位置とを測定する。この実施例では、基材テーブル1とマスクテーブル5との重心の移動を補正する力アクチュエータシステムを基準フレーム233に設ける必要がない。
図10Bは機械フレーム241と、動的絶縁装置245によって機械フレーム241から動的に絶縁した基準フレーム243とを設けた本発明リソグラフ装置239を線図的に示す。図10Bが示すように、基準フレーム243は測定システムの静止部51、53、55、及び71、73、75のみを支持している。機械フレーム241はベースフレーム247と、いわゆる力フレーム249とを具え、この力フレーム249を他の動的絶縁装置251によってベースフレーム247から動的に絶縁する。力フレーム249によって駆動ユニット21、31の静止部157、119を支持し、ベースフレーム247によって投影システム3と、マスクテーブル5、及び基材テーブル1の案内部111及び145とをそれぞれ支持する。この実施例では、駆動ユニット21、31の反力は力フレーム249に伝わる。基準フレーム243とベースフレーム247とは共に上記反力によって生ずる機械的な振動と変形とから無関係である。
図10Cは機械フレーム255と、動的絶縁装置259によって機械フレーム255から動的に絶縁した基準フレーム257とを設けた本発明リソグラフ装置253を線図的に示す。図10Cが示すように基準フレーム257は測定システムの静止部51、53、55、及び71、73、75と、投影システム3とを支持する。機械フレーム255は駆動ユニット21、31と、マスクテーブル5、及び基材テーブル1の案内部111、145とをそれぞれ支持する。この実施例では、基材テーブル1とマスクテーブル5との重心の移動を補正する力アクチュエータシステムを基準フレーム257に設ける必要がない。測定システムの静止部51、53、55、及び71、73、75、及び投影システム3は相互の位置を正確に画成しており、従って測定システムは投影システム3に対する基材テーブル1とマスクテーブル5との位置を正確に測定する。
図10Dは機械フレーム263と、動的絶縁装置267によって機械フレーム263から動的に絶縁した基準フレーム265とを設けた本発明リソグラフ装置261を線図的に示す。図10Dが示すように基準フレーム265は測定システムの静止部51、53、55、及び71、73、75と、投影システム3とを支持する。機械フレーム263はベースフレーム269と、動的絶縁装置273によってベースフレーム269から動的に絶縁した力フレーム271とを具える。ベースフレーム269はマスクテーブル5、及び基材テーブル1の案内部111、及び145をそれぞれ支持し、力フレーム271はそれぞれの駆動ユニット21、31の静止部157、119を支持する。駆動ユニット21、31の反力は力フレーム271に作用するから、ベースフレーム269と基準フレーム265とは共に反力から生ずる機械的な振動、及び変形から無関係である。基材テーブル1とマスクテーブル5との重心の移動を補正する力アクチュエータシステムを基準フレーム265に設ける必要がない。
上述の本発明リソグラフ装置は半導体基材19の露出中、基材テーブル1とマスクテーブル5とを投影システム3に対し同期して移動させる「ステップ・アンド・スキャン」原理によって作動する。しかし、本発明は投影システムに対し静止しているマスクテーブルを設ける上述した「ステップ・アンド・レピート」原理によって作動するリソグラフ装置をも包含する。本発明に包含されるこのようなリソグラフ装置は、例えばヨーロッパ特許公開第250031号から既知のマスクホルダのような、投影システム3に対し静止している通常のマスクホルダによって、上述のリソグラフ装置内の他の駆動ユニットを有するマスクテーブル5に置き換えることにより得られる。本発明によれば、「ステップ・アンド・レピート」原理によって作動するこのようなリソグラフ装置に基準フレームを設け、投影システムに対する基材テーブルの位置を測定する測定システムの静止部を基準フレームによって支持する。また、本発明によれば「ステップ・アンド・レピート」原理のリソグラフ装置の基準フレームにリソグラフ装置の投影システムを支持してもよく、又は投影システムと静止マスクホルダとを支持してもよい。この場合、基材テーブルの移動を補正する力アクチュエータシステムを基準フレームに設ける必要がない。更に、「ステップ・アンド・レピート」原理をリソグラフ装置のフレームに案内部を支持し、この案内部に沿って基材テーブルを案内してもよい。この最後の実施例において、基準フレームに対する基材テーブルの重心の移動を補正するため基準フレームに力アクチュエータシステムを設けることもできる。このような力アクチュエータシステムは基準フレームの基準点の周りに機械的モーメントを有する補正力を基準フレームに加える。この機械的モーメントの値は基材テーブルに作用する重心の基準点の周りの機械的モーメントの値に等しく方向反対である。
上述の本発明リソグラフ装置は集積電子半導体回路の製作に半導体基材を露出するために使用される。代わりにこのようなリソグラフ装置は基材上にマスクの映像を結ばせて、ミクロン以下の微細な寸法の構造を有する他の製品を製作するのに使用することができる。これに関連するのは集積光学システム、又は磁区メモリの導電、及び検出パターンの構造、及び液晶ディスプレイパターンである。
基材テーブル1のX位置、Y位置、及び回転角θを測定するための3個のレーザ干渉計57、59、61と、マスクテーブル5のX位置、Y位置、及び回転角θ′を測定するための3個のレーザ干渉計77、79、81とを有するレーザ干渉計システム41を具える測定システム39を上述のリソグラフ装置に設ける。レーザ干渉計システム41に種々の数のレーザ干渉計を設けることができる。また、例えば、マスクテーブル5の他の駆動ユニット31にモータを設け、このモータによりマスクテーブル5をX方向に平行な方向に移動させてもよい。この場合、測定システム39の他の静止部にはマスクテーブル5のX位置を測定する単一のレーザ干渉計のみを設ける。レーザ干渉計システムの代わりに、基材テーブル1、及び/又はマスクテーブル5の位置を測定する例えば誘導測定システムのような他の種類のシステムを測定システムに設けてもよい。
上述のリソグラフ装置は物品テーブルを構成する基材テーブル1を有する位置決め装置と、基材テーブル1上に設置する半導体基材19を露出する位置決め装置のサブシステムを共に構成している投影システム3、マスクテーブル5、及び放射源7と、駆動ユニット21と、測定システム39と、機械フレーム85と、基準フレーム89とを具える。また、物品テーブルを有する位置決め装置と、この物品テーブル上に置かれる物品を処理するサブシステムと、物品テーブルをサブシステムに対し移動させる駆動ユニットと、サブシステムに対する物品テーブルの位置を測定する測定システムとを具え、駆動ユニットの静止部を機械フレームに固定し、機械フレームから動的に絶縁された基準フレームに測定システムの静止部を固定した種類の装置も本発明に包含される。例えば、物品、又は材料を測定システム、又は走査システムに対し正確に位置決め、又は移動させて、物品、又は材料を分析し、又は測定する装置である。本発明位置決め装置の他の用途は例えばミクロン以下の範囲の精度で工作物、例えばレンズを機械加工できる例えば精密工作機械である。この場合、本発明位置決め装置の駆動ユニットは回転工具に対する工作物の位置決めのため、又は回転する工作物に対する工具の位置決めのため使用される。従って、請求の範囲、及び説明中に記載した「物品処理用サブシステム」の語は物品を機械加工する機械加工システムだけでなく、サブシステムと処理すべき物品との間に機械的接触、又は物理的接触が存在しない測定システム、走査システム、又は露出システムをも包含する。
本発明リソグラフ装置を示す。 図1のリソグラフ装置の線図である。 図1のリソグラフ装置の機械フレームと基準フレームとの線図である。 図1のリソグラフ装置のベースと基材テーブルとを示す。 図4のリソグラフ装置のベースと基材テーブルとの平面図である。 図1のリソグラフ装置のマスクテーブルの平面図である。 図1のリソグラフ装置の動的絶縁装置の断面図である。 図7のVIII-VIII 線上の横断面図である。 図1のリソグラフ装置の力アクチュエータシステムを線図的に示す。 本発明リソグラフ装置の代案としてのフレーム構造を線図的に示した図である。 本発明リソグラフ装置の代案としてのフレーム構造を線図的に示した図である。 本発明リソグラフ装置の代案としてのフレーム構造を線図的に示した図である。 本発明リソグラフ装置の代案としてのフレーム構造を線図的に示した図である。
符号の説明
1 基材テーブル
3 投影システム
5 マスクテーブル
21 駆動ユニット
39 測定システム
51 静止部
53 静止部
55 静止部
85 機械フレーム
89 基準フレーム
95 動的絶縁装置
111 案内部
145 案内部

Claims (12)

  1. X−Y−Z直角座標系で、Z軸方向に垂直なX軸及びY軸方向に位置決めすべきマスクを位置決めするための、リソグラフ装置の位置決め装置にして、静止機械フレームと、該マスクに放射ビームを照射する投影システムと、該マスクを載置してX軸及びY軸方向に移動し得る移動テーブルと、前記静止機械フレームに連結された静止部と該移動テーブルに連結された移動部とを有して該移動テーブルを移動させ前記投影システムに対して該マスクを位置決めする駆動手段と、該移動テーブルの位置を測定するために該移動テーブルに固定された移動部及び静止部を有する測定システムとを含む位置決め装置において、
    該位置決め装置に設けられた基準フレームに前記測定システムの静止部が固定され、該基準フレームは前記機械フレームから動的および静的に絶縁されていることを特徴とする位置決め装置。
  2. 前記機械フレームは前記位置決め装置の唯一の機械フレームである、請求項1に記載の装置。
  3. 前記機械フレームは前記基準フレームを支持する複数のダンパを備えている、請求項1又はに記載の装置。
  4. 前記投影システムは前記基準フレームに固定されている、請求項1からまでのいずれか1つに記載の装置。
  5. 前記移動テーブルは少なくともX軸方向に平行に前記基準フレームに備えられているガイド上を移動し得る、請求項1からまでのいずれか1つに記載の装置。
  6. 前記位置決め装置は力作動システムを備えており、該力作動システムは電気的制御ユニットによって制御され且つ作動中に前記基準フレームに補正力を作用させており、この補正力は前記基準フレームの基準点のまわりで機械的モーメントを有しており、この機械的モーメントは、基準点のまわりで前記移動テーブル上に作用する重力の機械的モーメントの値とほぼ等しい値を有し、その方向は、重力の機械的モーメントとは反対方向である、請求項1からまでのいずれか1つに記載の装置。
  7. 放射源と、マスクテーブルと、主軸を有する投影システムと、物品テーブルと、該物品テーブルを該投影システムに対して移動させる第1駆動ユニットと、該主軸に対して少なくとも垂直な方向に該投影システムに対して該マスクテーブルを移動させ、該マスクテーブルを該投影システムに対して位置決めする第2駆動ユニットと、該投影システムに対して該物品テーブルの位置を測定する第1測定システムと、該投影システムに対して該マスクテーブルの位置を測定する第2測定システムとを含み、該第1及び第2駆動ユニットの各々は、リソグラフ装置の機械フレームに固定された静止部を有し、該第1測定システムは該第1測定システムの静止部と協働するように該物品テーブルに固定された移動部と静止部とを含み、該第2測定システムは該第2測定システムの静止部と協働するように該マスクテーブルに固定された移動部を含むリソグラフ装置において、
    前記第1及び第2測定システムの各々の静止部は、リソグラフ装置に設けた基準フレームに固定されており、該基準フレームは前記機械フレームから動的および静的に絶縁されていることを特徴とするリソグラフ装置。
  8. 前記機械フレームはリソグラフ装置の唯一の機械フレームである、請求項に記載の装置。
  9. 前記機械フレームには前記基準フレームを支持する複数のダンパが備えられている、請求項又はに記載の装置。
  10. 前記投影システムは前記基準フレームに固定されている、請求項からまでのいずれか1つに記載の装置。
  11. 前記物品テーブル及び前記マスクテーブルのうちの少なくとも1つはガイド上を移動可能であり、このガイドは前記主軸に対して垂直にリソグラフ装置に備えられており、このガイドは前記基準フレームに固定されている、請求項から10までのいずれか1つに記載の装置。
  12. リソグラフ装置には電気的制御ユニットによって制御されて、作動中前記基準フレーム上に補正力を作用させる力作動システムが備えられており、この補正力は前記基準フレームの基準点のまわりの機械的モーメントを有しており、このモーメントは前記基準点のまわりで前記物品テーブル上に作用する重力の機械的モーメントの値とほぼ等しい値であるか、或いは前記基準点のまわりで前記マスクテーブル上に作用する重力の機械的モーメントの値とほぼ等しい値であり、その方向は前記機械的モーメントの方向と反対方向である、請求項から10までのいずれか1つに記載の装置。
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