JP4286964B2 - ミシンの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メス機構等の穴開け手段により被縫製物に穴(切り込み)の形成を行うと共に、上記縫製物の上記穴の周縁部にかがり縫いを実行するミシンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、被縫製物である布に滴状の穴である穴部とこれに連続する直線状の切込みとからなるボタン穴(以下鳩目穴という)を形成すると共に、布の鳩目穴の周囲に対し、一連のかがり縫いを自動的に実行して縫い目を形成する鳩目穴かがりミシンが供されている。
該ミシンは、図示しないが、アーム部に駆動機構により上下動及び左右動させられる針棒と、ベッド部の針棒の下側に備えられてこの針棒と同期駆動させられるルーパーと、ベッド部上に備えられ、かつ、被縫製物がセットされるとともに、送り機構により移動させられる送り台と、布を送り台に押え付ける押えとを有するものである。
【0003】
また、ベッド部には、鳩目穴の形状に対応したメスと、該メスに対向して配置されたメス受部とを備えるとともに、メスとメス受部との間に布を配置した状態で、メスとメス受部とのうちの一方を他方に向かって移動させることにより、布に鳩目穴を形成するメス機構が備えられている。
そして、上記ミシンにおいては、マイコンからなる制御装置により上記各機構が制御され、送り台上に固定的にセットされた布に対しメス機構により鳩目穴を形成し、針棒が布の鳩目穴の周囲に沿って移動するように送り台(布)を移動させつつ、駆動機構により針棒及びルーパーを駆動させてかがり縫いを実行するようになっている。また、鳩目穴の鳩目部(滴状の穴部の円弧状の部分)にかがり縫いを行なうときには、縫い目を放射状とするように、ルーパー及び針棒を垂直な回転軸回りに回転させるようになっている。また、これにより、鳩目穴の切り込みの左右に形成される縫い目は、切込みの一方の側縁側と他方の側縁側とで左右が逆転するようになっている。
【0004】
そして、このような穴かがり縫いを行うにあたっては、基本的に、まず、穴開け手段であるメス機構により鳩目穴を形成し、この後、針棒及びルーパーとこれらを駆動する駆動手段とからなる縫い手段により縫い目を形成するようになっている。このように先に鳩目穴を開ければ、布の鳩目穴の周縁に沿って縫い目が形成されることになる。そして、かがり縫いの前に鳩目穴をあけることを先メスと称している。
【0005】
しかし、布の種類によっては(例えば、ニットなど)、先に鳩目穴を開けるとうまくかがり縫いができないものがあり、このような布においては、かがり縫いを行なってから布に鳩目穴をあけるようになっている。この際には、鳩目穴を開ける際にかがり縫いの縫い目の糸を切ってしまわないように、布の鳩目穴の周縁の部分と、かがり縫いの縫い目の部分との間に間隔を開けるように、かがり縫いを行なっている。このようにすると、布の鳩目穴の周縁から縫い目が少し離れた状態となってしまうが、ニット等の布においても鳩目穴かがり縫いを行なうことができるようになる。そして、かがり縫いの後に鳩目穴をあけることを後メスと称している。
【0006】
従来、このような鳩目穴かがり縫いミシンにおいては、鳩目穴の長さ等の形状や縫い目の数(針数)等の縫い目のパターンを示すための各種設定を行なうとともに、後メスにするか先メスにするかを設定するようになっていた。また、先メスの場合には、鳩目穴と縫い目との距離を近くするように設定し、後メスの場合には、鳩目穴と縫い目との距離を遠くするように設定していた。
【0007】
そして、近年のミシンにおいては、例えば、鳩目穴の長さ等の一連の縫い目のパターンを示す設定が予め複数種類記憶されており、これらの中から一種類の縫い目のパターンを選択することで、一度に複数の設定ができるようになっていた。また、先メス及び後メスの設定については、先メス及び後メスを選択する選択スイッチが設けられ、この選択スイッチを操作するだけで、先メス、後メスを選択できるようになっていた。また、選択スイッチにより先メス及び後メスを決定した際に、先メスの場合は、布の鳩目穴の周縁と縫い目との距離を近づけるよにする設定を自動的に行い、後メスの場合は、布の鳩目穴の周縁と縫い目との距離を遠ざけるようにする設定を自動的に行なうようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のミシンでは、予め、複数記憶された縫いパターンのデータから一つのデータを選択する操作を行なうとともに、先メスと後メスとを選択する選択スイッチの操作を行なう必要があり、操作が煩雑なものとなっていた。
また、ミシンの制御においても、単に縫いパターンのデータを選択しただけでは、布の鳩目穴の周縁と縫い目との距離が決まらないので、送り台による布の移動経路を確定するには、縫いパターンの選択と、後メス及び先メスの選択との両方のデータが入力される必要があり、処理を煩雑なものとしていた。
【0009】
また、鳩目穴の直線部の周縁と縫い目との距離は、選択スイッチにより先メスか後メスかを選択することにより決められる二種類の距離をそれぞれ個別に設定できるようになっていたが、鳩目部の周縁部と縫い目との距離は、2種類のみであり個別に設定することはできなかった。従って、布(被縫製物)や糸等の素材の違いに対応して、布の鳩目穴の鳩目部の周縁と縫い目との距離を適切な距離に設定することができなかった。すなわち、布や糸等の素材の変更に対応して、布の鳩目穴の鳩目部の周縁と縫い目との距離を適切なものとしていないので、最適な縫い形状を形成することができないといった問題があった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、先メス、後メスの選択を含む縫いパターンの選択を容易なものとすることができるとともに、縫いパターンに基づく制御の処理を簡便なものとすることができるミシンの制御装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のミシンの制御装置(8)は、
被縫製物(例えば、布15)に対してボタン穴等の穴(例えば、鳩目穴16)のかがり縫いを行なう縫い手段(例えば、針6、針棒10、ルーパー部11a、ルーパー土台11等)と、
上記被縫製物に上記穴を開ける穴開け手段(例えば、可動メス26等)とを備えたミシンの制御装置であって、
上記穴開け手段により被縫製物に穴開けを行なわせるに際し、上記縫い手段によるかがり縫いより先に穴を開けるのかもしくはかがり縫いより後に穴を開けるのかを示す後先データと、かがり縫いの縫いパターンを示すパターンデータと、上記穴開け手段に開けられる穴の縁と縫い目との距離を示す距離データとしての直線部メススペースと鳩目部メススペースと、をそれぞれ含む複数種類の制御データを記憶した記憶手段(例えば、RAM33)と、
該記憶手段に記憶された複数種類の制御データから一つの制御データを選択させるための選択手段(例えば、操作パネル7)と、
上記選択手段で選択された制御データに基づいて、かがり縫いと穴開けのどちらを先に行なうかを決定し、この決定に基づいて上記縫い手段による被縫製物へのかがり縫いと上記穴開け手段による被縫製物への穴開けを行なわせる制御手段(例えば、CPU32)と、
上記選択手段で選択された上記制御データとしての直線部メススペースと鳩目部メススペースを個別に変更させる変更手段(例えば、操作パネル7)と、を有し、
上記制御手段は、上記変更手段により制御データが変更された場合に、変更された制御データに基づいて上記縫い手段と、上記穴開け手段とを制御することを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、複数種類の制御データから一つの制御データを選択することにより、制御データに含まれる先メスか後メスかを示す後先データと、縫いパターンを示すパターンデータとに基づいて、先メスか、後メスかが決定されるとともに、縫い目のパターンが決定されることになり、ミシンの操作を容易なものとすることができる。
また、制御データに含まれる縫い目のパターンを示すパターンデータは、同じ制御データに含まれる後先データにより、先メスか後メスかが決まっているので、被縫製物の穴の周縁とかがり縫いの縫い目との距離を先メス用もしくは後メス用のどちかに決めてしまうことができる。従って、制御データを選択しただけで、縫い目のパターンが決定されてしまうことになり、制御の処理を容易なものとすることができる。
【0013】
さらに、被縫製物の穴の周縁とかがり縫いの縫い目との距離以外のデータ(後先データを含む)が同じ制御データ(例えば、後メスで、鳩目穴の形状が同じもの)を複数記憶するものとし、これらの制御データにおいて、被縫製物の穴の周縁とかがり縫いの縫い目との距離が異なるようにすれば、被縫製物や糸等の素材の性状(厚みや太さ等のサイズや、柔らかさ等の特性)の違いに対応して、被縫製物の穴の周縁とかがり縫いの縫い目との距離を適切なものとすることも可能である。
【0015】
上記構成によれば、制御データの内容を変更手段により変更可能となっており、特に、穴開け手段に開けられる穴の縁と縫い目との距離を示す距離データを変更可能なので、制御データにおいて、被縫製物や糸等の素材に対応して上記距離データが異なる設定となっていなくとも、変更手段により上記距離データを変更することで、被縫製物や糸等の素材の性状(厚みや太さ等のサイズや、柔らかさ等の特性)の違いに対応して、被縫製物の穴の周縁とかがり縫いの縫い目との距離を適切なものとすることが可能である。
【0016】
本発明の請求項に記載のミシンの制御装置は、請求項に記載のミシンの制御装置において、上記選択手段において選択された制御データの後先データに基づいて、ミシンに設けられた表示手段(例えば、先メス後メス表示部44)に、穴開けがかがり縫いの先に行なわれるのか後に行なわれるのかを示す表示を行なわせる表示制御手段(例えば、CPU32)を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、請求項に記載のミシンの制御装置のように、制御データを選択することにより、後メスか先メスかが決定されてしまい、後メスか先メスかを選択する選択スイッチがない場合に、作業者がミシンの外観を見ただけで、現在の設定が後メスか先メスかを判断することができないが、表示制御手段が選択されている制御データに基づいて、ミシンの表示手段に現在の設定が先メスか後メスかを表示するようになっているので、作業者がミシンの表示手段を見るだけで、現在の設定が先メスか後メスかを判断することができる。
【0017】
すなわち、後メスか先メスかを選択する選択スイッチがあれば、選択スイッチを見ることにより、現在の設定が先メスか後メスかを判断することができるが、本発明のミシンにおいては、制御データを選択するだけで先メスか後メスかが決定されてしまうので、上記選択スイッチを設ける必要がなく、現在の設定が先メスか後メスかを判断することができないが、このようなミシンに現在の設定が後メスか先メスかを表示する表示手段を設けることにより、現在の設定を容易に認識することができる。
【0018】
また、このように表示手段に現在の設定が先メスか後メスかを表示することにより、制御データの選択時に、後メスと先メスとの設定を間違える選択ミスの防止を計ることができるとともに、縫製作業中において、後メスの設定で作業中か先メスの設定で作業中かを勘違いするのを防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の一例のミシンの制御装置を図面を参照して説明する。
図1は、この一例のミシンの制御装置を備えた鳩目穴かがり縫いミシンを示すものであり、図2は、この一例のミシンの制御装置とミシンの各部との関係を示すブロック図である。
【0020】
図1及び図2に示すように、この一例の制御装置が備えられたミシン1は、鳩目穴かがり縫いを行なうミシンとしての基本構成を備えているものである。
そして、ミシン1は、略矩形箱状をなすベッド部2と、該ベッド部2の後部に設けられた縦胴部3と、該縦胴部から前方に延出して設けられたアーム部4とを備えたミシン本体5と、該ミシン本体5が載置されるミシンテーブルとを備えたものである。そして、ミシン1には、後述する操作パネル7、制御装置8を備えるものであるが、これらをミシン本体5側に設けるものとしても、ミシンテーブル側に設けるものとしても良い。
【0021】
そして、ミシンテーブルには、例えば、足踏み式のスタートスイッチ9(図2に図示)などが設けられている。前記アーム部4の先端部には、下方に延出するように、下端部に縫い針6を備えた針棒10が上下動及び左右への振れ移動が可能に設けられている。また、前記ベッド部2には、この針棒10に対向してルーパー(図示略と該ルーパーを補助するスプレッダーとを有するルーパー部11aを上部に備えたルーパー土台11が設けられている。そして、ミシン本体5内には、それら針棒10を上下動及び左右動させると共に、それと同期してルーパー及びスプレッダーを駆動させるための各駆動機構が次のようにして設けられている。
【0022】
すなわち、ベッド部2内において、ルーパー及びスプレッダーを駆動するための下軸(図示略)に、主軸サーボモータ12が接続され、下軸が回転駆動されるようになっている。なお、ルーパー及びスプレッダーは、図示しないルーパー駆動機構、スプレッダ駆動機構を介して下軸に接続されている。また、下軸はアーム部4内の上軸にタイミングベルトを備えた伝動機構を介して接続され、下軸から伝動して上軸を駆動するようになっている。
そして、上軸は、図示しない針棒上下駆動機構及び針棒振り機構を介して針棒10に接続され、針棒10を上下に駆動するとともに左右に振るようになっている。
【0023】
また、針棒10及びルーパー土台11は、Z軸パルスモータ14(図2に図示)とタイミングベルトを備えた伝動手段とを有する回動機構に接続されており、針棒10とルーパー土台11が同期して垂直な回転軸回りを回転するようになっている。これは、図5に示すように、後述する布15の鳩目穴16の鳩目部17(鳩目穴16の滴状の穴16aの半円状の部分、すなわち、滴状の穴16aの直線状の切込み16bの反対側の周縁部)の周囲をかがり縫いする際に縫い目を放射状とするための機構である。また、上述のように回動機構により回転させられる針棒10及びルーパー土台11は、Z軸原点センサ24(図2に図示)により、原点位置にあるか否かが検知されるようになっている。
【0024】
そして、ベッド部2の上面部には布15がセットされる送り台18(図1に断面で図示)が設けられていると共に、この送り台18の上面部分には布15を押えるための一対の布押え19(上げた状態で図示)が設けられている。この送り台18は、全体として下面が開放した薄形の矩形箱状をなし、その上面には、前記一対の布押え19間に位置して前後方向に長い開口部が設けられている。そして、この送り台18は、ベッド部2内に設けられたX軸パルスモータ20(図2に図示)及びY軸パルスモータ21(図2に図示)などからなる送り機構により、X方向(左右方向)及びY方向(前後方向)に水平移動されるようになっている。
また、上述のように送り機構により移動させられる送り台18は、X軸原点センサ22(図2に図示)及びY軸原点センサ23(図2に図示)により、原点位置にあるか否かが検知されるようになっている。
【0025】
また、ミシン1には、布15に鳩目穴16をあける穴開け手段であるメス機構が設けられている。メス機構は、ベッド部2側に設けられたメス受台(図示略)と、メス受台(図示略)の上方側に上下動自在に設けられた可動メス26と、該可動メス26を上下動させるための布切りシリンダ27(図2に図示、エアシリンダ)を備えたメス駆動機構とを備えたものである。なお、この例のメス機構においては、可動メス26が円弧に沿って上下動するのではなく、直線状に上下動するようになっている。
また、布切りシリンダ27には、布切りシリンダ27を作動させるためのシリンダ駆動電磁弁28が接続されている。そして、メス機構は、メス受台と可動メス26との間に布15をセットした状態で、可動メス26をメス受台に向かって降ろすことで、布15を押し切りするようになっている。
【0026】
なお、ミシン1には、説明及び図示を省略するが、布押え19を駆動するアクチュエータや、糸切りや、該糸切りを駆動するアクチュエータ等や、これらのアクチュエータ等の動作を検知するセンサ等が備えられている。また、上記ミシン1においては、送り台の移動がX方向とY方向との移動からなるものとしたが、送り台の移動を半径方向(r方向)と、角度によって決められる円弧方向(θ方向)とにしても良い。
また、上述したミシン1の構成において、針6を備えた針棒10と、これを駆動する機構と、ルーパー及びスプレッダーと、これをを支持及び駆動する機構と、送り台18と、これを駆動する機構と、布押え19と、その他のこれらに付随する機構とが、かがり縫いを行なうための縫い手段となる。また、上記メス機構が鳩目穴16を開ける穴開け手段となる。
【0027】
次に、図2のブロック図を参照してミシンの制御装置の構成と機能を説明する。
まず、制御装置8は、その基本構成として、予めミシンを制御するためのプログラムや、該プログラムで使用されるデータが記憶されたROM31と、ROM31から読み出したデータ、操作パネル7から入力もしくは設定されたデータ、プログラムに基づいて後述するCPU32により算出されたデータ等が記憶されるRAM33と、プログラムに基づく各種処理を行なう上記CPU32とを備えるものである。
上記ROM31には、後述する縫いパターンの設定から穴開け及びかがり縫いまでのCPU32での処理をCPU32に行なわせるためのプログラムが記憶されるている。上記RAM33には、図3の図表1に示される六つのデータからなる制御データが、図4の図表2に示されるようにパターンNo.1からNo.9までの9種類記憶されている。
【0028】
なお、上記制御データは、鳩目穴かがり縫いの基本的なパターンを示す図5を参照して説明すると、矢印aで示される部分に対応する穴かがり長さ(鳩目穴16の長さ)と、矢印bで示される部分に対応する鳩目穴の直線部の針数と、矢印cで示される部分に対応する鳩目部17の針数と、先メスか後メスかを示す後先データと、矢印bで示される直線部における布15の鳩目穴16の周縁からかがり縫いの位置までの距離を示す直線部メススペースdと、矢印cで示される部分に対応する鳩目部17における布15の鳩目穴16の周縁からかがり縫いの位置までの距離を示す鳩目部メススペースeとからなる。すなわち、これらの6項目のデータを一組としたものが一つの制御データとなっている。
なお、上記直線部とは、鳩目穴の周縁のうちの滴状の穴の半円状の部分を除く部分であり、この部分の周縁は、複数の直線からほぼ形成されている(実際には、鳩目部17の近傍が円弧となっている)。また、上記制御データのうちの後先データを除くデータはかがり縫いのパターンのパラメータであり、かがり縫いのパターンを示すパターンデータである。そして、各データには、データ項目No.が付けられており、1が穴かがり長さ、2が直線部針数、3が鳩目部針数、4が後先データ(先メス/後メス)、5が直線部メススペース、6が鳩目部メススペースとなっている。そして、これらのデータの少なくとも一部異なる制御データがRAM33に記憶されるとともに、各制御データには、パターンNo.1〜パターンNo.9までの番号が付けられている。
【0029】
上記RAM33に記憶された制御データのうちの後述するように選択された制御データが後述するように変更された場合に、変更された制御データを再度記憶するようになっている。また、RAM33には、上記制御データから後述するように算出された針落ち点の座標等のデータからなる縫い目データが記憶されるようになっている。また、RAM33に、ROM31に記憶されたプログラムデータを読み出して実行するものとしても良い。
【0030】
CPU32は、鳩目穴16のかがり縫いに際し、操作パネル7からの入力に基づき、RAM33に記憶された制御データから一つの制御データを読み出し、操作パネル7から制御データを変更するデータの入力があった場合に、RAM33に記憶された制御データを書き換える処理を行なう。
次に、RAM33に記憶された制御データから縫い目データの作成処理を行なう。
そして、CPU32にインターフェース35を介して接続されたスタートスイッチ9から縫製の開始を指示する信号が入力された場合に、針棒10、ルーパー、スプレッダ等に上下、左右、回転等の駆動を行なわせる各種駆動機構を制御してかがり縫いを行なわせる処理を行なう。
なお、上記処理において、CPU32は、詳細には記載しないが、ミシンに備えられた各種センサによる各種部材の動作の確認処理や、かがり縫いに付随する押えの駆動や糸切りの駆動やその他の部材の駆動を制御する処理を行なう。
【0031】
そして、上述のような処理を行なう制御装置8のCPU32は、図2に示すようにインターフェース35を介して、操作パネル7に接続され、操作パネル7から入力されるデータに基づき制御データの選択及び変更を行なう。また、CPU32は、インターフェース35を介して、主軸サーボモータ12を駆動するサーボモータドライブ回路36に接続され、主軸サーボモータ12の回転を制御することにより、上軸や下軸を含む針棒、ルーパー及びスプレッダの駆動機構を介して、針棒10、ルーパー及びスプレッダの動作を制御する。
【0032】
また、CPU32は、インターフェース35を介して、送り台18の送り機構に備えられるX軸パルスモータ20及びY軸パルスモータ21をそれぞれ駆動するパルスモータドライブ回路37,38に接続され、送り台18のX軸方向及びY軸方向の動作を制御する。また、CPU32は、インターフェース35を介して、鳩目部17において縫い目を放射状とするために針棒10とルーパー土台11とを回転させるZ軸パルスモータ14を駆動するパルスモータドライブ回路39に接続され、針棒10とルーパー土台11の回転を制御する。また、CPU32は、インターフェース35を介して、送り台18の原点位置を検知するためのX軸原点センサ22及びY軸原点センサ23に接続され、送り台18が原点位置に戻っているか否かを示す信号を入力されて、該信号に基づく制御を行なう。
【0033】
また、CPU32は、インターフェース35を介して、針棒10及びルーパー土台11の回転角度が原点位置となっているか否かを検知するZ軸原点センサ24に接続され、針棒10及びルーパー土台11の回転角度が元に戻っているか否かを示す信号を入力されて、該信号に基づく制御を行なう。また、CPU32は、インターフェース35を介して、メス機構の可動メスを駆動させる布切りシリンダ27を駆動させるためのシリンダ駆動電磁弁28に接続され、メス機構による鳩目穴16の形成を制御する。
【0034】
次に、オペレータが制御データの選択及び変更を行なうための操作パネル7について図6の操作パネル7を示す図面を参照して説明する。
操作パネル7には、複数ある制御データから一つの制御データを選択するための制御データ選択部41と、選択された制御データの各項目のデータを変更するための制御データ変更部42と、制御データが設定された際に、設定された制御データに基づいて上述の縫い目データの算出を行なわせる場合、すなわち、縫製の準備となる作業をCPU32に行なわせる場合に操作する準備スイッチ43と、一つの制御データが選択された際に、該制御データの後先データが先メスとなっているか後メスとなっているかを表示する先メス後メス表示部44とが備えられている。
【0035】
そして、制御データ選択部41は、現在選択されている制御データを上述のパターンNo.で示す制御データ表示部41aと、押される度に制御データ表示部41aに表示されている制御データNo.に1を加算して選択される制御データを変更するパターンプラススイッチ41bと、押される度に制御データ表示部に表示されている制御データNo.に1を減算して選択される制御データを変更するパターンマイナススイッチ41cとを備えている。
【0036】
また、制御データ変更部42は、制御データ内にある複数のデータ項目のうちのどのデータ項目を変更するかをデータ項目No.で示すデータ項目表示部42aと、押される度にデータ項目表示部42aに表示されているデータ項目No.に1を加算して選択されるデータ項目を変更するデータ項目プラススイッチ42bと、押される度にデータ項目表示部42aに表示されているデータ項目No.に1を減算して選択されるデータ項目を変更するデータ項目マイナススイッチ42cとを備えている。
【0037】
さらに、制御データ変更部42は、制御データ表示部41aに表示されたパターンNo.の制御データのうちのデータ項目表示部42aに表示されたデータ項目No.に対応するデータ項目のデータを表示するデータ表示部42dと、押される度にデータ表示部42dに表示されているデータの最も下の桁に1を加算してデータの値を変更するデータプラススイッチ42eと、押される度にデータ表示部42dに表示されているデータの最も下の桁に1を減算してデータの値を変更するデータマイナススイッチ42fと、選択された制御データの変更及び更新を指示するデータ設定スイッチ42gとを備えている。
【0038】
次に、図7のフローチャートを参照して、制御データの設定から鳩目穴の切断及びかがり縫いまでのCPU32における処理を説明する。
まず、操作パネル7のパターンプラススイッチ41b及びパターンマイナススイッチ41cが押されることを示す信号が入力されたか否かを判断し(ステップA1)、信号が入力された場合には、パターンプラススイッチ41b及びパターンマイナススイッチ41cの操作に対応してパターンNo.を更新するとともに、制御データ表示部41aに更新されたパターンNo.を表示する(ステップA2)。なお、パターンNo.が更新される前とパターンNo.が更新されなかった場合には、制御データ表示部41aには、前回のかがり縫いにおいて選択されていたパターンNo.もしくはデフォルトのパターンNo.が表示されている。また、変更されたパターンNo.もしくは変更されなかったパターンNo.はRAM33に記憶された状態となる。
【0039】
次に、パターンプラススイッチ41b及びパターンマイナススイッチ41cが押されない状態もしくは上述のようにパターンNo.が更新された際に、データ設定スイッチ42gが押されたか否かを判断し(ステップA3)、データ設定スイッチ42gが押された場合には、後述するデータ設定処理(データ変更処理)を行なう(ステップA4)。すなわち、RAM33に記憶された複数の制御データから選択された一つの制御データに含まれる複数のデータ項目のうちの一つもしくは複数のデータ項目のデータを変更する処理を行なう。
次に、データ設定スイッチ42gが押されない状態もしくはデータ設定処理が終了した際に、準備スイッチ43が押されたか否かが判断され(ステップA5)、準備スイッチ43が押された場合には、次の処理に進み、押されなかった場合には、ステップA1に戻る。
【0040】
すなわち、準備スイッチ43が押されるまでは、パターンプラススイッチ41b及びパターンマイナススイッチ41cを押して、パターンNo.の変更がいつでも可能であるとともに、データ設定スイッチを押すことにより、パターンNo.で示される一つの制御データ中の任意のデータ項目のデータの変更が可能である。そして、準備スイッチ43を押すことにより、予め記憶された複数の制御データから一つの制御データを選択する処理と、選択された制御データ内のデータを変更する処理とが終了することになる。
【0041】
そして、上述のように準備スイッチ43が押された場合には、制御データが確定され、確定された制御データがRAM33に記憶された状態となる。
【0042】
そして、確定された制御データに基づいて、縫い目データが作成される(ステップA6)。この際には、図8に示される鳩目穴16の実線で示される予め登録されたメス形状に対して、直線部メススペース、及び鳩目部メススペースのデータ設定値分だけオフセットされた破線部で示される縫い目形状を算出する。なお、図8において、O点はXY座標の原点位置であり、A点は鳩目穴16の直線状の切込み16b部分の縫い目の経路の始点であり、B点は上記切込み16b部分の縫い目の終点、すなわち、鳩目穴16の周囲の縫い目において直線状の切込み16bと滴状の穴16aとの境となる点であり、C点は滴状の穴16aの外側の縫い目の円弧状の部分と直線状の部分との境となる点であり、D点及びE点は、上述の鳩目部17に対応する縫い目の始点と終点を示すものである。なお、上記C点は、鳩目部17の外側の半円状の縫い目を含む円のB点を通る接線を求め、該接線と上記円との交点を求めることにより求められる。また、E点からH点(縫い目の終点)の間のC点に対応するF点も同様に求められる。従って、A点、B点、G点、H点は、メス形状に対して直線部メススペースだけオフセットされ、C点、D点、E点、F点は、メス形状に対して鳩目部メススペースだけオフセットされた点となる。さらに、B点からC点の間のメススペースは、B点とC点を結んだ直線状にある縫い目線によって決定され、同様にF点からG点の間のメススペースは、F点とG点とを結んだ直線上にある縫い目線によって決定されることになる。
【0043】
そして、破線部で示されるような縫い目の経路に対して、最初にA点からD点までのY方向の移動量が求められる。ここで、A点からD点までのY軸方向の移動量に対して直線部針数により均等分割して各針落ち点のY座標(原点OからのY軸方向の位置)を求め、求められたY座標に対して、A点からB点及びB点からC点までの破線で示される直線状の縫い目上のX座標(原点OからX軸方向の位置)を算出する。また、上述のように求められたY座標に対してC点からD点までの破線で示される円弧状の縫い目上のX座標を算出する。
また、鳩目部17に対応する半円状の縫い目上のDからEにおいては、鳩目部針数により、半円状の縫い目を均等に分割して、XY座標を算出する。
【0044】
また、E点からF点までは、上述のA点からD点までの場合と同様(逆方向で)に、XY座標を求める。また、針棒10及びルーパー土台11の各位置における回転角度(Z回動量)は、A点からD点を0度とし、E点からH点までを180度とし、鳩目部17に対応するD点からE点においては、180度を鳩目部針数により均等に分割した角度を回転角度とする。このよに求められた各針落ち点のXY座標と、針棒10及びルーパー土台11の回転角度により、各針落ち点のXY座標と、Z回転角度の差分を算出することによって、各針落ち点間のXY移動量及びZ回動量が求められ、これが、図9に示すように、X移動量、Y移動量、Z回動量として、データテーブルTにまとめられてRAM33に記憶される。
【0045】
次に、送り台18が原点位置に移動されるとともに、針棒10及びルーパー土台11が原点位置(原点角度)に回転移動される(ステップA7)。そして、スタートスイッチ9がONにされるか否かを判断する(ステップA8)。すなわち、スタートスイッチ9が押されるまで待機状態となる。そして、スタートスイッチ9が押された場合には、設定された制御データの後先データが先メスになっているか否かが判定される(ステップA9)。そして、後先データが先メスとなっている場合には、メス機構を駆動させてかがり縫いの前に、鳩目穴16を形成する(ステップA10)。
【0046】
そして、後先データが後メスの場合もしくは鳩目穴16の形成が終わった場合に、送り台18を縫いはじめ位置に移動する(ステップA11)。そして、針棒10、ルーパー、スプレッダ及び送り台18等を駆動して鳩目穴かがり縫いの動作を行なう(ステップA12)。次に、かがり縫いが終了した後に、送り台18を原点位置に戻すとともに、針棒10及びルーパー土台11の回転角度を原点位置に戻す(ステップA13)。
【0047】
次に、設定された制御データの後先データが後メスになっているか否かが判定される(ステップA14)。そして、後先データが後メスとなっている場合には、メス機構を駆動させてかがり縫いの後に、鳩目穴16を形成する(ステップA15)。そして、後先データが先メスの場合もしくは鳩目穴16の形成が終わった場合に、ステップA8に戻り、スタートスイッチ9が押されるまで待機状態となり、スタートスイッチ9が押された場合には、上述の動作を繰り返して次の鳩目穴かがり縫いが行なわれる。
【0048】
次に、図10のフローチャートを参照して、上述のデータ設定処理を説明する。図7のフローチャートのステップA3において、データ設定スイッチ42gが押された段階で、その際に制御データ表示部41aに表示されているパターンNo.に対応する制御データがROM31からRAM33に読み出された状態となっている。そして、データ設定処理においては、デフォルトの値としてデータ項目No.が1とされ(ステップB1)、このデータ項目No.がデータ項目表示部42aに表示される。そして、データ項目No.1のデータが読み出されて、データ表示部42dに表示される。
【0049】
この状態で、データプラススイッチ42eもしくはデータマイナススイッチ42fが操作されるか否かが判定され(ステップB2)、操作された場合には、上記スイッチの操作に基づいてRAM33に記憶されたデータが書き換えられる(ステップB3)。この際には、データ表示部42dの表示も変更される。また、データの書き換えにおいては、上述のように、データプラススイッチ42eもしくはデータマイナススイッチ42fを押す度に、データの下一桁を1ずつ加算もしくは減算することになる。また、先メス、後メスの変更においては、例えば、先メスを1とし、後メスを2として、1を加算するか減算することにより、1と2を切り替えるものとする。
次に、データプラススイッチ42eもしくはデータマイナススイッチ42fが操作されない状態か、データが書き換えらた際に、データ項目プラススイッチ42bもしくはデータ項目マイナススイッチ42cが操作されるか否かが判定され(ステップB4)、操作された場合には、データ項目番号を更新する(ステップB5)。
【0050】
そして、データ項目プラススイッチ42bもしくはデータ項目マイナススイッチ42cが操作されない状態、もしくはデータ項目番号が変更された後に、データ設定スイッチ42gが押されたか否かが判定され(ステップB6)、データ設定スイッチ42gが押された場合には、データの更新を終了してデータを確定した状態とし(ステップB7)、上述の処理のステップA5の処理に進む。
また、データ設定スイッチ42gが押されない場合には、ステップB2に戻り、データ項目No.が更新されていれば、更新されたデータ項目No.のデータの変更が可能な状態となり、データ項目No.が更新されていなければ、前と同じデータ項目No.のデータが変更可能な状態となる。
【0051】
すなわち、データ設定処理においては、再び、データ設定スイッチ42gが押されるまで、任意にデータ項目No.を変更して、任意のデータ項目No.のデータを変更することができる。
以上のようなミシンの制御装置によれば、予め、記憶された複数の制御データから一つの制御データを選択するだけで、かがり縫いのパターンと、鳩目穴16の形成をかがり縫いの前にするか後にするかが決定されることになる。従って、ミシンの操作を容易なものとすることができるとともに、制御装置における制御データの設定処理を容易なものとすることができる。
【0052】
また、この例のミシンの制御装置によれば、上述のようにそれぞれ個別に設定可能な直線部のメススペースと鳩目部のメススペースデータを含めて、制御データに含まれるデータを全て変更できるので、布や糸等の素材の種類(材質の違いの他に厚み、太さ等の違いも含まれる)に、対応してよりきめ細かな制御データの設定を行なうことも可能となっており、メススペース等の設定を最適化することにより、より好ましい縫製形状で鳩目穴かがり縫いを行なうことができる。
【0053】
また、この例では、複数の制御データから一つの制御データを選択することにより、後メスか先メスかを決めることができるので、先メスと後メスを切り替える切り替えスイッチがなく、作業者が切り替えスイッチの状態を見て、データ設定が先メスで行なわれているのか、後メスで行なわれているのか、もしくは現在先メスの状態でミシンが動作しているのか、後メスの状態でミシンが動作しているのかを判断できない。しかし、この例においては、先メス後メス表示部44があるので、これを見ることにより、現在の設定が後メスか先メスを判断することができる。
【0054】
従って、複数種類の制御データから一種類の制御データを選択することで、先メスか後メスかが決められるものとなっていても、データ設定時に先メスと後メスを間違えて設定したり、ミシンの動作中に先メスと後メスとを勘違いして作業ミスをしたりするのを防止することができる。
なお、図6において、先メス後メス表示部44は、「先メス」と固定的に表示された部分の下と、「後メス」と固定的に表示された部分の下とに、それぞれLED等の発光体44a、44bを配置したものとしている。そして、設定が先メスの場合は、「先メス」の下の発光体を発光させ、設定が後メスの場合は、「後メス」の下の発光体を発光させるものとしている。しかし、先メス後メス表示部44の表示は、これに限定されるものではなく、例えば、先メス後メス表示部44をLCDディスプレイとして、直接文字で、「後メス」もしくは「先メス」等と表示させるものであっても良い。
【0055】
また、上記例の縫い目データの作成においては、送り台18の移動をX軸方向とY軸方向との移動で行なうものとして説明したが、送り台18の移動を半径方向(r方向)の直線移動と、角度θによる円弧方向の移動を組み合わせたものとしても、ほぼ同様に縫い目データの作成を行なうことができる。
【0056】
また、制御データの任意のデータ項目のデータを変更する際に、データプラススイッチ42e及びデータマイナススイッチ42fを押す度にデータとなる数値の下一桁を1ずつ加算もしくは減算するものとしたが、例えば、予め設定できるデータを複数個決めるとともに、各データに順番を付け、データプラススイッチ42eを押した場合には、上述の順番に従って、一つずつデータを変更し、データマイナススイッチ42fを押した場合には、上述の順番の逆順に従って、一つずつデータを変更するものとしても良い。
【0057】
例えば、メススペースのデータを以下のようにしても良い
先メスの場合 −2 −1 0 1 2
直線部メススペース −0.2 −0.1 0.0 0.1 0.2
鳩目部メススペース −0.4 −0.3 −0.2 −0.1 0.0
後メスの場合
直線部メススペース 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
鳩目部めすスペース 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4
なお、真ん中のデータが標準のデータ、すなわち、予め、記憶された制御データにおけるデータであり、その左側及び右側は、それぞれ変更可能なデータの候補である。従って、データ変更前は、左側から三つ目の標準のデータが設定されている。そして、データプラススイッチ42e及びデータマイナススイッチ42fを操作することにより、ここでは、五つのデータからひとつのデータを選択できるようになっている。また、メススペースのデータとしてマイナスの数値があるが、これは、予め決められた縫い目の基準位置に対して鳩目穴16に近づく方向にオフセットするものであり、プラスのデータは、鳩目穴16から遠ざかる方向にオフセットするものである。
【0058】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のミシンの制御装置によれば、複数種類の制御データから一つの制御データを選択することにより、制御データに含まれる先メスか後メスかを示す後先データと、縫いパターンを示すパターンデータとに基づいて、先メスか、後メスかが決定されるとともに、縫い目のパターンが決定されることになり、ミシンの操作を容易なものとすることができる。
また、制御データに含まれる縫い目のパターンを示すパターンデータは、同じ制御データに含まれる後先データにより、先メスか後メスかが決まっているので、被縫製物の穴の周縁とかがり縫いの縫い目との距離を先メス用もしくは後メス用のどちかに決めてしまうことができる。従って、制御データを選択しただけで、縫い目のパターンが決定されてしまうことになり、制御の処理を容易なものとすることができる。
【0059】
本発明の請求項に記載のミシンの制御装置によれば、制御データの内容を変更手段により変更可能となっており、特に、穴開け手段に開けられる穴の縁と縫い目との距離を示す距離データを変更可能なので、制御データにおいて、被縫製物や糸等の素材に対応して上記距離データが異なる設定となっていなくとも、変更手段により上記距離データを変更することで、被縫製物や糸等の素材の性状(厚みや太さ等のサイズや、柔らかさ等の特性)の違いに対応して、被縫製物の穴の周縁とかがり縫いの縫い目との距離を適切なものとすることが可能である。
【0060】
本発明の請求項に記載のミシンの制御装置によれば、請求項に記載のミシンの制御装置のように、制御データを選択することにより、後メスか先メスかが決定されてしまい、後メスか先メスかを選択する選択スイッチがない場合には、作業者がミシンの外観を見ただけで、現在の設定が後メスか先メスかを判断することができないが、表示制御手段が選択されている制御データに基づいて、ミシンの表示手段に現在の設定が先メスか後メスかを表示するようになっているので、作業者がミシンの表示手段を見るだけで、現在の設定が先メスか後メスかを判断することができる。
【0061】
また、このように表示手段に現在の設定が先メスか後メスかを表示することにより、制御データの選択時に、後メスと先メスとの設定を間違える選択ミスの防止を計ることができるとともに、作業中において、後メスの設定で作業中か先メスの設定で作業中かを誤解するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例のミシンの制御装置を備えたミシンを示す一部を破断した側面図である。
【図2】上記例のミシンの制御装置を説明するためのブロック図である。
【図3】上記例のミシンの制御装置で用いられる制御データの内容を示す図表である。
【図4】上記例のミシンの制御装置のROMに記憶されている制御データのメモリ領域を示す図面である。
【図5】上記例のミシンの制御装置の制御データを説明するための鳩目穴かがり縫いの図面である。
【図6】上記例のミシンの操作パネルを示す正面図である。
【図7】上記例のミシンの制御装置の処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】上記例のミシンの制御装置における縫い目データの作成を説明するための鳩目穴かがり縫いの図面である。
【図9】上記例のミシンの制御装置のおける縫い目データのデータテーブルを示す図面である。
【図10】上記例のミシンの制御装置のデータ設定処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
6 針(縫い手段の一部)
7 操作パネル(選択手段、変更手段)
8 制御装置
10 針棒(縫い手段の一部)
11 ルーパー土台(縫い手段の一部)
11a ルーパー部(縫い手段の一部)
15 布(被縫製物)
16 鳩目穴(穴)
18 送り台(縫い手段の一部)
19 布押え(縫い手段の一部)
26 可動メス(穴開け手段の一部)
31 ROM(記憶手段)
32 CPU(制御手段、表示制御手段)
33 RAM(記憶手段)
44 先メス後メス表示部(表示手段)

Claims (2)

  1. 被縫製物に対してボタン穴等の穴のかがり縫いを行なう縫い手段と、
    上記被縫製物に上記穴を開ける穴開け手段とを備えたミシンの制御装置であって、
    上記穴開け手段により被縫製物に穴開けを行なわせるに際し、上記縫い手段によるかがり縫いより先に穴を開けるのかもしくはかがり縫いより後に穴を開けるのかを示す後先データと、かがり縫いの縫いパターンを示すパターンデータと、上記穴開け手段に開けられる穴の縁と縫い目との距離を示す距離データとしての直線部メススペースと鳩目部メススペースと、をそれぞれ含む複数種類の制御データを記憶した記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された複数種類の制御データから一つの制御データを選択させるための選択手段と、
    上記選択手段で選択された制御データに基づいて、かがり縫いと穴開けのどちらを先に行なうかを決定し、この決定に基づいて上記縫い手段による被縫製物へのかがり縫いと上記穴開け手段による被縫製物への穴開けを行なわせる制御手段と、
    上記選択手段で選択された上記制御データとしての直線部メススペースと鳩目部メススペースを個別に変更させる変更手段と、を有し、
    上記制御手段は、上記変更手段により制御データが変更された場合に、変更された制御データに基づいて上記縫い手段と、上記穴開け手段とを制御することを特徴とするミシンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のミシンの制御装置において、
    上記選択手段において選択された制御データの後先データに基づいて、ミシンに設けられた表示手段に、穴開けが、かがり縫いの先に行なわれるのか後に行なわれるのかを示す表示を行なわせる表示制御手段を備えていることを特徴とするミシンの制御装置。
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