JP4285888B2 - 揺動式両面研磨装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハやガラス基板等の実質的に円板形をしたワークの両面を研磨するための装置に関するものであり、更に詳しくは、ワークより小径の2つの研磨用定盤を使用して該定盤とワークとを相対的に揺動させながら研磨する揺動式の両面研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワークより小径の2つの定盤を使用して該ワークの両面を研磨する両面研磨装置は、例えば特開平10−80861号公報や特開平10−217113号公報等に記載されているように公知である。これらの研磨装置は、図8及び図9に原理的に示すように、外周を複数の支持ローラー3で回転自在に支持された円板形ワーク1の両面に、該ワーク1の半径とほぼ等しい直径を持つ2つの定盤2,2を一端寄りの位置で押し付け、上記ワーク1を一部の支持ローラーか又はその他の駆動ローラー4で強制的に回転させながら、該ワーク1の両面を回転する2つの定盤2,2で研磨するものである。
【0003】
このような研磨装置は、大径のワーク1を小径の定盤2,2を使用して研磨することができるため、半導体ウエハの大径化と共に研磨装置の大形化が避けられなくなって来た近年では、小形の研磨装置で大径の半導体ウエハを研磨できるものとして注目されつつある。
【0004】
ところが、本発明者らが行った実験によると、このように小径の定盤を大径のワークの一端寄りの位置に押し付けて研磨する方法は、両者が常に一定の位置関係を保ったまま摺接するため、ワークの半径方向の各点において定盤との摺接長さに差が生じ、半径方向に凸形の部分と凹形の部分とが交互に形成されて均一な平坦度が得られにくいということが分かった。
【0005】
一方、特開平11−291165号公報には、小径の定盤をワークの径方向に往復動させながら研磨する方式について記載されている。このような方式によれば、ワークの半径方向の各点に摺接長の差が生じるのを防止することができるため、上述した研磨むらの問題を解消することができるものと考えられる。
【0006】
ところが上記方式を用いた従来の研磨装置は、2つの定盤にそれぞれ個別の往復動用ガイドを取り付け、これらの往復動用ガイドで2つの定盤を同期的に往復動させるようにしているため、2組の往復動用ガイドを必要とし、これらの往復動用ガイドの組み込みによって装置が大形化すると共に、装置全体の構造も複雑化し、しかも、これら2組の往復動用ガイドを同期的に駆動するための複雑で高価な制御機構を必要とするという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は、ワークより小径の2つの定盤により該ワークの両面を研磨する両面研磨装置において、上記ワークと定盤とを1つの簡単な揺動機構によって相対的に揺動させることができるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の両面研磨装置は、円板形ワークの外周に当接して該ワークを中心軸線の回りに回転自在に支持する複数の支持ローラーと、上記ワークの両面を端部寄りの位置で研磨する該ワークより小径の相対する一対の研磨用定盤と、これらの定盤から延びる駆動軸と、該駆動軸を介して各定盤を駆動回転させるモーターと、上記ワークと定盤とをワークの半径方向に相対的に揺動させる1組の揺動機構とを有し、上記揺動機構が、研磨装置の機体に取り付けられてワークの半径に沿う方向に延びるリニアガイドと、該リニアガイドに沿って移動自在の揺動テーブルと、該揺動テーブルを上記リニアガイドに沿って往復揺動させるテーブル駆動手段とを有していて、上記揺動テーブルに上記各支持ローラー又は一対の定盤が、該揺動テーブルと一緒に揺動するように支持されている揺動式両面研磨装置において、上記研磨装置が、上記ワーク及び定盤の回りを取り囲む研磨槽を備えることにより、該研磨槽内においてワークを研磨するように構成され、該研磨槽に上記各支持ローラーが取り付られると共に、該研磨槽と該研磨槽を貫通して槽外に延出する少なくとも一方の定盤の駆動軸とが、シール状態で相対的に移動自在なるように関係付けられ、これらの研磨槽又は定盤の何れかが上記揺動テーブルに支持されていることを特徴とするものである。
【0009】
上記構成を有する本発明の両面研磨装置において、2つの定盤によるワークの研磨中に、テーブル駆動手段で揺動テーブルをリニアガイドに沿って往復移動させることにより、上記ワークと定盤とを該ワークの半径方向に相対的に揺動させることができる。この場合、1組の揺動機構だけを設け、この揺動機構の揺動テーブルに各支持ローラーか又は一対の定盤を支持させるようにしているため、2組の往復動用ガイドで2つの定盤を個別にかつ同期的に揺動させる従来方式に比べ、研磨装置の小形化と構造の簡略化とを図ることができるばかりでなく、2組の往復動用ガイドを同期的に駆動するための複雑で高価な制御機構も必要なく、簡単で安価な研磨装置を得ることができる。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記 研磨槽を揺動テーブルに連結することにより、該研磨槽を介してワークを揺動させるように構成されている。
【0012】
本発明の研磨装置には、ワークの外周エッジを研磨するためのエッジ研磨機構を付設することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2には本発明に係る両面研磨装置の第1実施例が示されている。この研磨装置10Aは、鉛直な中心軸線の回りに回転自在に支持された円板形のワークWの両面を、その半径方向一端寄りの相対する位置において、鉛直な中心軸線の回りに駆動回転される上下一対の研磨用定盤11a,11bで研磨すると共に、上記ワークWの面取り加工された外周エッジを、エッジ研磨機構12で研磨するように構成されたもので、その具体的構成は次のとおりである。
【0014】
上記研磨装置10Aは、種々の断面形状の型材を組み合わて形成された機体13を有し、この機体13に、上述した上下一対の定盤11a,11bが支持されている。これらの定盤11a,11bは、金属製又はセラミック製の基板の表面全体に研磨パッドを貼着したもので、その直径が、ワークWの半径よりは大きいが直径よりは小さく形成されている。好ましくは、ワークWの半径とほぼ同じか又はそれより僅かに大きい直径とすることである。
【0015】
上記2つの定盤11a,11bのうち下方に位置する第1定盤11aは、下向きに延びる駆動軸15aを有し、この駆動軸15aが機体13に固定された支持部材16に回転自在に支持されると共に、該支持部材16に取り付けられた駆動用のモーター17に連結され、このモーター17により定位置で駆動回転されるようになっている。
【0016】
また、上方に位置する第2定盤11bは、上向きに延びる駆動軸15bを有していて、この駆動軸15bが支持部材19に回転自在に支持されると共に、該支持部材19に取り付けられた駆動用のモーター20に連結されて該モーター20で駆動回転されるようになっており、さらに、上記支持部材19が定盤昇降機構21に支持されることにより、この定盤昇降機構21で昇降させられるようにもなっている。
【0017】
上記定盤昇降機構21は、機体13上に立設された支持フレーム23と、この支持フレーム23に固定的に取り付けられて鉛直方向に延びるレール状のリニアガイド24と、このリニアガイド24に沿って移動自在のスライドテーブル25と、該スライドテーブル25を上記リニアガイド24に沿って昇降させる駆動手段26とで構成されている。この駆動手段26はエアシリンダーにより構成されていて、ワークWの搬入時や搬出時に上記第2定盤11bを上下動させたり、研磨時に第2定盤11bを加圧することによって両定盤11a,11bに所要の加工圧を発生させたりするものである。従ってこの駆動手段26は、両定盤を必要な加工圧でワークWに押し付けるための加圧手段をも兼ねるものである。
【0018】
上記機体13にはまた、ワークWに隣接する位置に、該ワークWの面取り加工された外周エッジを研磨するための上記エッジ研磨機構12が設けられている。このエッジ研磨機構12は、鉛直軸線の回りに駆動回転される円筒形のエッジ研磨ドラム29を有していて、この研磨ドラム29の外周面の研磨パッドでワークWの外周エッジを研磨するものである。このエッジ研磨ドラム29は、下向きに延びるドラム軸29aを有し、このドラム軸29aが支持部材30に回転自在に支持されると共に、該支持部材30に取り付けられた駆動用のモーター31にクラッチ32を介して切り離し自在に連結されており、また、上記支持部材30がドラム昇降機構33に支持されることにより、ワークとの接触位置を変えるためにこのドラム昇降機構33で昇降自在となっている。上記研磨ドラムの外周面にはワークWの外周部が密に嵌合する研磨用の溝を複数本設け、これらの溝を選択的に使用してワークの外周エッジを研磨することもできる。
【0019】
上記ドラム昇降機構33は、機体13に回転自在に取り付けられて鉛直方向に延びるボールねじ34と、このボールねじ34に螺合してその回転により該ボールねじ34に沿って上下動するナット部材35と、上記ボールねじ34を回転させるモーター36とを有するもので、上記ナット部材35が上記支持部材30に結合されている。従ってこの構成により、上記ボールねじ34を駆動してナット部材35を昇降させることで、上記支持部材30すなわちエッジ研磨ドラム29をこのナット部材35と一緒に昇降させることができる。
【0020】
上記ワークWの研磨領域には、該ワークWと上記定盤11a,11b及びエッジ研磨ドラム29の回りを取り囲むように研磨槽39が設けられ、この研磨槽39の中でワークWの研磨が行われるようになっている。この研磨槽39はほぼ矩形に近い平面形状をしていて、その内部が深さの浅い第1部分39aと深さの深い第2部分39bとに区画され、第1部分39aに上記ワークWと上下の定盤11a,11bとが収容されると共に、第2部分39bに上記エッジ研磨ドラム29が収容されている。そして、第1定盤11aの駆動軸15aは、上記第1部分39aで研磨槽39の槽底をシール状態に貫通して槽外に延出し、またエッジ研磨ドラム29のドラム軸29aは、第2部分39bで同様に槽底をシール状態に貫通して槽外に延出し、それぞれモーターに連結されている。
【0021】
上記研磨槽39の内部には、上記ワークWの外周に接触して該ワークWを軸線の回りに回転自在に支持する複数の支持ローラー40が取り付けられている。これらの支持ローラー40は、それぞれアーム41の先端に回転自在なるように支持されていて、各アーム41が研磨槽39の槽底に取り付けられている。これらの支持ローラー40は、その少なくとも一部が、ワークWの搬入時や搬出時にその作業の邪魔にならないように、アーム41の旋回又は移動等によって非支持位置に変移できるようになっていることが望ましい。また、上記支持ローラー40は、外周にワークが嵌合する溝を備えた溝付きローラーであっても良い。
【0022】
上記研磨槽39とエッジ研磨ドラム29とは、共通の揺動機構43に取り付けられていて、この揺動機構43で一緒に揺動されるようになっており、この研磨槽39の揺動により、上記支持ローラー40に支持されたワークWが、図2に示すように、その中心O1 と定盤11a,11bの中心O2 とを結ぶ直線Lに沿って半径方向に揺動するようになっている。
【0023】
上記揺動機構43は、機体13に水平に取り付けられてワークWの半径(直線L)に沿う方向に延びるレール状のリニアガイド44と、該リニアガイド44に沿って移動自在の揺動テーブル45と、該揺動テーブル45を上記リニアガイド44に沿って往復揺動させるテーブル駆動手段46とを有するもので、上記揺動テーブル45上に上記研磨槽39とエッジ研磨機構12の支持部材30とが取り付けられている。従って、上記揺動テーブル45を駆動手段46で揺動させることにより、上記研磨槽39を介してワークWが所定のストローク揺動させられ、それと一緒に研磨ドラム29も揺動する。この場合、上記2つの定盤11a,11bは揺動しないため、研磨槽39と該研磨槽39の槽底を貫通して外部に延出している上記第2定盤11bの駆動軸15bとは、シール状態のまま相対的に移動できるように関係付けられている。
【0024】
上記テーブル駆動手段46は、機体13に回転自在に取り付けられて上記リニアガイド44と平行に延びるボールねじ47と、このボールねじ47に螺合してその回転により該ボールねじ47に沿って前後進するナット部材48と、上記ボールねじ47を回転させるモーター49とを有するもので、上記ナット部材48が上記揺動テーブル45に結合されている。従って、上記ボールねじ47を駆動してナット部材48を前後動させることで、上記揺動テーブル45を介して研磨槽39及びワークWをゆっくりと揺動させることができる。
【0025】
上記構成を有する両面研磨装置10Aにおいて、各支持ローラー40に支持されたワークWには、2つの定盤11a,11bによる上下両面の研磨と、エッジ研磨ドラム29による外周エッジの研磨とが施される。この場合、両方の研磨を同時に行っても、前後に時間をずらして別々に行っても良いが、ここでは外周エッジの研磨を先に行い、両面の研磨を後から行う場合について説明する。また、上記研磨を行う場合、加工部分には研磨液が供給されるが、この研磨液の供給機構については公知の機構が用いられているため、図示は省略されている。
【0026】
上記外周エッジの研磨に当たっては、上下2つの定盤11a,11bがワークWの中心部に同心状に当接するように上記揺動機構43で該ワークWの位置を調整し、その位置で両定盤11a,11bを互いに同じ方向に等速で回転させることにより、ワークWを回転させる。従ってこのエッジの研磨時には、上記2つの定盤11a,11bがワークWの駆動手段となる。そして、ワークWの外周に当接する上記エッジ研磨ドラム29をモーター31で駆動回転させることにより、該ワークWの外周エッジを研磨する。このとき、研磨ドラム29の回転方向はワークWの回転方向と同じであっても逆であっても良いが、逆方向に回転させる場合、つまり互いに摺接する外周部分の回転方向が同じである場合は、研磨ドラム29又はワークWのどちらかを他方より十分早い速度で回転させることが望ましい。
なお、このエッジの研磨時にワークWを回転させる場合、上述した例では、2つの定盤11a,11bをワークWの中心部に同心状に当接させているが、ワークの一端寄りの位置に偏心状態に押し付けて従動的に駆動回転させることもできる。
【0027】
上記外周エッジの研磨が終わると、クラッチ32を開放してドラム軸29aをモーター31から切り離し、エッジ研磨ドラム29をフリー回転できるようにする。そして、上記揺動機構43でワークWを移動させてその一端寄りの位置に2つの定盤11a,11bを偏心状態に当接させ、その位置で両定盤11a,11bを回転させることにより該ワークの両面の研磨を行う。このときワークWは、定盤11a,11bとの間の摩擦力で一定方向に従動回転しながら各定盤に摺接して研磨される。そしてさらに、上記テーブル駆動手段46で揺動テーブル45従って研磨槽39をリニアガイド44に沿ってゆっくり往復移動させることにより、この研磨槽39内の支持ローラー40に支持された上記ワークWを定盤11a,11bに対して半径方向に揺動させる。このとき研磨ドラム29も一緒に揺動する。これによりワークWと2つの定盤11a,11bとは、該ワークWの半径方向に相対的に位置を変えながら摺接するため、該ワークWの半径方向の各点における摺接長がほぼ均一化され、表面全体が均一に加工されることになる。
このワークの両面研磨時には、該ワークWが両定盤11a,11bに摺接しながら従動回転するため、これらのワークWと両定盤11a,11bとは互いに偏心状態を維持している必要があり、このため上記ワークWの揺動は、該ワークWと両定盤11a,11bとが同心位置を占めない範囲内で行われる。
【0028】
上記両面の研磨時にワークWに別の回転力を加える必要がある場合は、上記エッジ研磨ドラム29をクラッチ32によりモーター31に接続し、回転させることにより、このエッジ研磨ドラム29でワークWを強制的に回転させることができる。あるいは、このように研磨ドラム29でワークWを回転させる必要がない場合には、この研磨ドラム29をワークWから離間させておいても良い。この場合には、該研磨ドラム29をワークWに対して接離自在なるように構成しておく必要がある。
【0029】
かくして、上記ワークWと両定盤11a,11bとを該ワークWの半径方向に相対的に揺動させながら研磨することにより、該ワークWの両面を精度良い平面に仕上げることができる。しかも、研磨装置10Aに1組の揺動機構43だけを設け、この揺動機構43でワークWと2つの定盤11a,11bとを相対的に揺動させるようにしているため、2組の往復動用ガイドで2つの定盤11a,11bを個別にかつ同期的に揺動させる従来方式に比べ、研磨装置の小形化と構造の簡略化とを図ることができるばかりでなく、2組の往復動用ガイドを同期的に駆動するための複雑で高価な制御機構も必要なくなる。
【0030】
図3及び図4は本発明の第2実施例を示すもので、この第2実施例の研磨装置10Bが上記第1実施例と異なる点は、第1実施例ではワークWを揺動させるように構成しているのに対し、この第2実施例では、上下2つの定盤11a,11bを揺動させるように構成している点である。
【0031】
即ち、研磨槽39とエッジ研磨機構12とが機体13の定位置に固定され、上下2つの定盤11a,11bが1組の揺動機構50に支持されている。この揺動機構50は、機体13に水平に取り付けられてワークWの半径に沿う方向に延びるレール状のリニアガイド51と、このリニアガイド51に沿って移動自在の揺動テーブル52と、該揺動テーブル52を上記リニアガイド51に沿って往復揺動させるテーブル駆動手段53とを有し、上記揺動テーブル52に下方の第1定盤11a及びモーター17を支持する支持部材16と、上方の第2定盤11b及び定盤昇降機構21を支持する支持フレーム23とが載置されている。従って、上記揺動テーブル52を駆動手段53で揺動させることにより、2つの定盤11a,11bをワークWの半径方向に揺動させることができる。
【0032】
第2実施例の上記以外の構成及び作用については実質的に第1実施例と同じであるから、主要な同一構成部分に第1実施例と同じ符号を付してその説明は省略する。
【0033】
上記各実施例では、第1定盤11aと第2定盤11bとが互いに同じ大きさを有しているが、それらは必ずしも同じ大きさである必要はなく、図5に示すように何れか一方、例えば第2定盤11bを第1定盤11aより小さくすることもできる。このように一方の定盤を小径とした場合には、その側からのワークWの搬入及び搬出作業が容易になる。
【0034】
また、上記各実施例では、ワークW及び定盤11a,11bを水平に配置してそれぞれ鉛直軸線の回りに回転させながら研磨するように構成しているが、ワークWと両定盤11a,11bとを鉛直に配置してそれぞれ水平軸線の回りに回転させながら研磨するように構成することもできる。
【0035】
図6及び図7にはこのような縦形の研磨装置の要部が概略的に示されている。図中60は研磨槽で、その内部にワークWを縦向きに支持する支持ローラー61が取り付けられると共に、該ワークWの両面を研磨する第1及び第2の2つの定盤62a,62bが相対するように収容され、これらの定盤62a,62bの駆動軸63は、研磨槽60の槽壁を液密かつ相対的に移動自在なるように貫通して槽外に延出し、図示しないモーターに連結されている。また、上記研磨槽60の内部にはエッジ研磨ドラム64が水平軸線の回りで回転するように収容され、そのドラム軸64aが研磨槽60の槽壁を液密に貫通して槽外に延出し、図示しないモーターに連結されている。そして、上記研磨槽60及びエッジ研磨ドラム64を第1実施例と同様の揺動機構43に支持させて揺動させることにより、ワークWを揺動させることができ、2つの定盤62a,62bを第2実施例のような揺動機構(図示せず)に支持させて揺動させることにより、これらの定盤62a,62bを揺動させることができる。
【0036】
上記各実施例では、定盤11a,11b,62a,62bとして基板の表面全体に研磨パッドを貼着した円板形のものが例示されているが、定盤は円環状であっても良い。更に定盤は、研磨パッドの代わりに砥石を貼着した構造であっても良い。
また、上記各実施例において、研磨槽内にワーク及び上下の定盤が浸漬する程度に研磨液を収容し、この研磨液中でワークを研磨することもできる。
さらに、ワークの外周エッジを研磨する必要がない場合は、上記エッジ研磨機構を省略することもできる。
【0037】
【発明の効果】
このように本発明によれば、ワークより小径の2つの定盤により該ワークの両面を研磨する両面研磨装置において、上記ワークと定盤とを1つの簡単な揺動機構によって相対的に揺動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る両面研磨装置の第1実施例を示す要部断面図である。
【図2】上記研磨装置の要部の平面図である。
【図3】本発明に係る両面研磨装置の第2実施例を示す要部断面図である。
【図4】上記研磨装置の要部の平面図である。
【図5】定盤の変形例を示す要部側面図である。
【図6】本発明の係る両面研磨装置の第3実施例を概略的に示す要部断面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】従来の両面研磨装置を原理的に示す正面図である。
【図9】図8の側面図である。
【符号の説明】
10A,10B 研磨装置
11a,11b,62,62b 定盤
12 エッジ研磨機構
15a,15b,63 駆動軸
17,20 モーター
39,60 研磨槽
40,61 支持ローラー
43,50 揺動機構
44,51 リニアガイド
45,52 揺動テーブル
46,53 テーブル揺動手段
Claims (3)
- 円板形ワークの外周に当接して該ワークを中心軸線の回りに回転自在なるように支持する複数の支持ローラーと、上記ワークの両面を端部寄りの位置で研磨する該ワークより小径の相対する一対の研磨用定盤と、これらの定盤から延びる駆動軸と、該駆動軸に連結された駆動用のモーターと、上記ワークと定盤とをワークの半径方向に相対的に揺動させる1組の揺動機構とを有し、
上記揺動機構が、研磨装置の機体に取り付けられてワークの半径に沿う方向に延びるリニアガイドと、該リニアガイドに沿って移動自在の揺動テーブルと、該揺動テーブルを上記リニアガイドに沿って往復揺動させるテーブル駆動手段とを有していて、上記揺動テーブルに上記各支持ローラー又は一対の定盤が、該揺動テーブルと一緒に揺動するように支持されている揺動式両面研磨装置において、
上記研磨装置が、上記ワーク及び定盤の回りを取り囲む研磨槽を備えることにより、該研磨槽内においてワークを研磨するように構成され、該研磨槽に上記各支持ローラーが取り付られると共に、該研磨槽と該研磨槽を貫通して槽外に延出する少なくとも一方の定盤の駆動軸とが、シール状態で相対的に移動自在なるように関係付けられ、これらの研磨槽又は定盤の何れかが上記揺動テーブルに支持されていることを特徴とする揺動式両面研磨装置。 - 上記研磨槽を揺動テーブルに連結することにより、該研磨槽を介してワークを揺動させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の揺動式両面研磨装置。
- ワークの外周エッジを研磨するエッジ研磨機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の揺動式両面研磨装置。
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