JP4285795B2 - ポリウレア樹脂組成物及び塗装方法 - Google Patents

ポリウレア樹脂組成物及び塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装作業性に優れたポリウレア樹脂組成物及びその塗装方法に関する。
【0002】
【従来技術】
ポリウレア樹脂は、機械的強度、耐熱性、その他の物性に優れたものであり、さまざまな分野での利用が期待されている。このようなポリウレア樹脂は、平均分子量1500以上のアミン末端ポリオキシアルキレンポリアミンとアミン末端鎖延長剤とポリイソシアネートとを密閉金型内で反応させることよりなるポリウレア成形品を得る技術が知られて以来、優れた諸特性を活かして、より広い分野での用途展開がなされている。この技術は、特開昭58−188643号公報に開示されている。
【0003】
ポリウレア樹脂組成物は、アミン成分及びイソシアネート成分からなる無溶剤高粘度液体であり、特殊な衝突混合スプレー装置を用いてアミン成分とイソシアネート成分とを混合しながらスプレー塗装され、例えば、コンクリート、木材、鋼板の防食被覆材として適用されている。このようなポリウレア樹脂組成物は、硬度、強度、耐熱性等の優れた樹脂特性及び超速硬化性を有しているため、品質及び施工工期短縮の点で注目を集めている。
【0004】
しかしながら、ポリウレア樹脂組成物は、アミン成分とイソシアネート成分との反応性が高いために、塗装時にこれらの成分を混合しながら吹き付けるスプレー塗装によってしか塗装することができず、無溶剤高粘度液体をスプレー霧化させるためには、原料を60〜70℃まで加温する必要がある。また、100kg/cm2 以上の高圧で衝突混合しながら塗装ガンから混合液を放出する必要があるため、ダスト飛散も問題となっている。
【0005】
一方、ポリウレア樹脂組成物は、アミン成分とイソシアネート成分とを混合すると数秒で硬化するので、基材表面の面調整が充分でない場合、例えば、ピンホール、巣穴等が完全に除去されていないときには、被膜中に残存した空気が膨張し、爆裂することに起因するピンホールが多数発生し、防食の目的を達成することができず、多大の補修工程の必要があった。
【0006】
ポリウレア樹脂組成物は、上述したように高粘度の液体であり、超速硬化性を有しているので、従来よりハンドリングが困難とされていたが、アミン成分とイソシアネート成分との反応性を低減させ、混合後の硬化時間を確保したポリウレア樹脂組成物が知られている。特開昭55−40742号公報には、ポリアルキレン、ポリアルキレンエーテル又はアルキレンポリエステルを有し、芳香環に結合したアミノ基を有するアミンと、ポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタンウレア樹脂が開示されている。特開昭63−202612号公報には、ポリアルキレン、ポリアルキレンエーテル又はアルキレンポリエステルを有し、芳香環に結合したアミノ基を有するアミンと、芳香族ポリアミンと、ポリイソシアネートとを反応させて硬化させるポリウレア樹脂が開示されている。
【0007】
このようなポリウレア樹脂組成物は、アミン成分とイソシアネート成分とを混合した後から硬化するまでの時間を従来のポリウレア樹脂組成物よりも延長することが可能である。従って、このようなポリウレア樹脂組成物を上述の防食被覆材として使用した場合、基材表面の面調整状態に左右されることなく、巣穴等にまで充分にポリウレア樹脂組成物が入り込むので、ピンホールの発生はなくなる。しかしながら、このようなポリウレア樹脂組成物では、アミン成分とイソシアネート成分とを混合した際の混合初期の粘性が低いため、水平面の塗装では問題はないが、垂直面や天井面に塗装する場合には、タレが生じる問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ハンドリング性が良好であり、塗装時のタレを防止することができ、かつ、塗装作業時間を充分に確保することができ、数時間以内に指触乾燥が可能であり、硬化後の被膜物性に優れたポリウレア樹脂組成物及びその塗装方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アミン当量400〜800のポリアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖を有する芳香族ポリアミン(a−1)50重量%以上、及び、
アミン当量80〜300の分子内に少なくとも2個の脂肪族アミノ基を有するポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)1〜15重量%を含むポリアミン成分(A)、並びに、
ポリイソシアネート化合物(B)
からなるポリウレア樹脂組成物である。
また、本発明は、上記ポリウレア樹脂組成物のポリアミン成分(A)及びポリイソシアネート化合物(B)を混合した後、基材に延伸塗装するポリウレア樹脂組成物の塗装方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明のポリウレア樹脂組成物は、ポリアミン成分(A)及びポリイソシアネート化合物(B)からなる。
上記ポリアミン成分(A)は、アミン当量400〜800のポリアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を有する芳香族ポリアミン(a−1)、及び、アミン当量80〜300の脂肪族アミノ基を少なくとも2個有するポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)を含む。本発明において、上記芳香族ポリアミン(a−1)は、硬化速度を遅延させるために使用され、上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)は、硬化速度を速くするために使用される。
【0011】
本発明者らは、このように、ポリアミン成分(A)として、硬化速度を遅延させる成分と硬化速度を速くさせる成分とを混合して用いることにより、ポリウレア樹脂組成物の硬化速度を調節することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】
上記芳香族ポリアミン(a−1)は、アミン当量が400〜800である。400未満であると、ポリウレア樹脂組成物の硬化時間が速くなりすぎて、充分な作業時間を確保することができず、800を超えると、硬化時間が遅くなりすぎて、上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)と共存すると、イソシアネート基との反応に関与することができず、硬化時間を調節することができないので、上記範囲に限定される。好ましくは、500〜700である。
【0013】
上記芳香族ポリアミン(a−1)としては特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリエチレングリコールビス(2−アミノベンゾエート)、ポリエチレングリコールビス(3−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレングリコールビス(2−アミノベンゾエート)、ポリプロピレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレングリコールビス(2−アミノベンゾエート)、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリオキシブチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレングリコールビス(3,5−ジアミノベンゾエート)、ポリプロピレンエーテルグリセロールトリス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレンエーテルペンタエリスリトールテトラキス(4−アミノベンゾエート)、ポリオキシエチレンビス(4−アミノベンズアミド)、ポリオキシプロピレンビス(4−アミノベンズアミド)、ポリオキシブチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリオキシプロピレンビス(3,5−アミノベンズアミド)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
なかでも、ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリオキシブチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)が好ましい。
【0015】
上記芳香族ポリアミン(a−1)としては、市販されているものを使用してもよく、例えば、エラスマー1000(アミン当量約620、イハラケミカル社製)、エラスマー1000P(アミン当量約550、イハラケミカル社製)等を挙げることができる。
【0016】
上記芳香族ポリアミン(a−1)としては、分子内に芳香環に結合した第1級アミノ基を2個有する芳香族ジアミンが好ましい。芳香環に結合したアミノ基は、脂肪族アミノ基よりも反応性が低いので、イソシアネート基と充分に反応させるために、第1級アミノ基が好ましい。
【0017】
上記芳香族ポリアミン(a−1)は、例えば、ポリオール又は末端アミノ基含有ポリオールと、当量のニトロベンゾイルクロライド、ジニトロベンゾイルクロライド又はトリニトロベンゾイルクロライドとを脱塩酸剤の存在下で反応させて得られるニトロ化合物を公知の方法により還元する方法、ポリオール又は末端アミノ基含有ポリオールと、当量のイサト酸無水物とを反応させる方法等により得ることができる。
【0018】
上記ポリオールとしてはポリアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を有するものであれば特に限定されず、例えば、脂肪族グリコールをジカルボン酸と縮合させて鎖長を延長させて得られるポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート等の脂肪族ポリエステルグリコール;テトラメチレンエーテルグリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール;ε−カプロラクトンの開環重合によって得られるポリエステルグリコール;ポリブタジエンの末端基を水酸基化したもの;2種以上のアルキレンオキサイドの共重合物;2種以上のグリコールとジカルボン酸との共重合物及び芳香族グリコールの混合物等の長鎖状ジオール;グリセリン、トリメチロールプロパン等のポリオールと脂肪族グリコールとジカルボン酸とを共縮重合させて得られるポリエステルポリオール;ポリオールを開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させて得られるポリエーテルポリオール等を挙げることができる。なかでも、得られるポリウレア樹脂組成物に良好な物性を与えることができるので、ポリエーテルポリオールが好ましい。
【0019】
上記末端アミノ基含有ポリオールとしては特に限定されず、例えば、上記ポリオールの末端水酸基を公知のアミノ化法によりアミノ基に置換したもの等を挙げることができる。
【0020】
本発明で使用されるポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)は、アミン当量80〜300である。80未満であると、硬化速度が速すぎて塗装作業性が不充分となり、300を超えると、上記芳香族ポリアミン(a−1)と併用したときの硬化速度の調整が不充分となるので、上記範囲に限定される。好ましくは、100〜200である。
【0021】
上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)としては特に限定されないが、例えば、少なくとも2個の水酸基を有するポリオキシアルキレンポリオールの末端水酸基を、水素化−脱水素化触媒を用いて、高温高圧下にアンモニアと反応させる等の方法によって得られるアミン当量が80〜300、好ましくは、100〜200のものを好適に使用することができる。なお、上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)は、アンモニアと反応しなかったポリオキシアルキレンポリオールを不純物として含んでいても構わない。
【0022】
上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)としては、市販されているものを使用してもよく、例えば、ジェファーミンD−230(アミン当量約120、サン・テクノケミカル社製)、ジェファーミンD−400(アミン当量約200、サン・テクノケミカル社製)等を挙げることができる。
【0023】
上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)としては、イソシアネート基との反応速度を考慮して、分子内に第1級アミノ基を有するものが好ましい。また、得られるポリウレア樹脂塗膜の硬度を考慮して、上記第1級アミノ基を分子内に2個有するポリオキシアルキレンジアミンが好ましい。
【0024】
本発明で使用されるポリアミン成分(A)は、上記芳香族ポリアミン(a−1)50重量%以上、及び、上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)1〜15重量%を含む。上記芳香族ポリアミン(a−1)は、上記ポリアミン成分(A)において主成分であるので、その配合量は、50重量%以上、好ましくは70重量%以上に限定される。また、上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)は、配合量が1重量%未満であると、ポリイソシアネート化合物(B)と混合したときの混合初期粘性が小さく、塗装時にタレが生じたり、硬化速度が遅くなりすぎて速硬化性が得られず、15重量%を超えると、硬化速度が速くなり、塗装作業時間を確保することができないので、上記範囲に限定される。
【0025】
上記ポリアミン成分(A)は、上記芳香族ポリアミン(a−1)及び上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)以外のポリアミンを含んでいてもよい。上記ポリアミンとしては特に限定されず、例えば、ジエチルトルエンジアミン、トルエンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン;脂肪族ポリアミン等を挙げることができる。
【0026】
本発明で使用されるポリイソシアネート化合物(B)としては特に限定されず、公知のポリイソシアネート等を使用することができ、例えば、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。上記芳香族ポリイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、カルボジイミド変性することにより得られる液状ジフェニルメタンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートの部分プレポリマー;2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、粗製トリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート及びこれらのカルボジイミド化変性物;ビュレット化変性物;プレポリマー化変性物等を挙げることができる。なかでも、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4′−ジイソシアネート若しくはこれらのプレポリマー又は変性品が好ましい。
【0027】
上記脂肪族ポリイソシアネート化合物及び脂環族ポリイソシアネート化合物としては特に限定されず、例えば、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、これらのイソシアヌレート化変性物、カルボジイミド化変性物、プレポリマー化変性物等を挙げることができる。
【0028】
上記ポリイソシアネート化合物(B)としては、市販されているものも使用することができ、例えば、ミリオネートMLT(日本ポリウレタン工業社製)、ミリオネートMTL−S(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートMX(日本ポリウレタン工業社製)等を挙げることができる。
【0029】
本発明のポリウレア樹脂組成物においては、上記ポリアミン成分(A)及び上記ポリイソシアネート化合物(B)には、それぞれ必要に応じて、界面活性剤、発泡剤、フォーム安定剤、難燃剤、可塑剤、染料、充填剤、殺菌剤、殺バクテリア剤、各種補強剤、内部離型剤、酸化防止剤、耐候性安定剤等の添加剤が添加されていてもよい。また、これらの添加剤は、上記ポリアミン成分(A)及び上記ポリイソシアネート化合物(B)を混合した後に添加してもよい。
【0030】
本発明において、上記ポリアミン成分(A)及び上記ポリイソシアネート化合物(B)は、塗装前に混合される。上記ポリアミン成分(A)と上記ポリイソシアネート化合物(B)との混合比は、上記ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基に対する上記ポリアミン成分(A)中のアミノ基の当量比で、0.7〜1.5が好ましい。0.7未満であっても、1.5を超えても、諸特性に優れたポリウレア樹脂塗膜が形成されず、粘着性を有したままであったり、混合初期粘性が不充分となり、垂直面や天井面に塗装した際にタレが生じる。より好ましくは、0.95〜1.25であり、更に好ましくは、1.01〜1.10である。
【0031】
本発明のポリウレア樹脂組成物は、上記芳香族ポリアミン(a−1)及び上記ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)を含むポリアミン成分(A)、並びに、上記ポリイソシアネート化合物(B)からなるので、硬化時間を調節することが可能である。ポリアミン成分(A)中の主成分である芳香族ポリアミン(a−1)は、ポリイソシアネート化合物(B)との硬化速度が遅いため、従来のポリウレア樹脂組成物と比較して延伸塗装を行うのに充分な作業時間を確保することができる。しかしながら、上記芳香族ポリアミン(a−1)のみでは、延伸塗装作業に適した粘性を得ることが困難であり、硬化性にも問題が生じてしまう。そこで、上記ポリイソシアネート化合物(B)との硬化速度が速いポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)を所定量含有させることによって、延伸塗装作業に適した粘性と、約40〜90分で硬化する速硬化性とを有するポリウレア樹脂組成物を得ることができる。
【0032】
従って、本発明のポリウレア樹脂組成物は、塗装作業時間及び速硬化性の点で非常に優れたものであり、表面に凹凸が存在する基材の面調整やシーリング等に使用することができ、更に、衝突混合スプレー塗装のみでしか塗装が行えなかった従来のポリウレア樹脂組成物とは異なり、他の塗装方法でも塗装が可能である。
【0033】
また、本発明のポリウレア樹脂組成物は、従来のポリウレア樹脂組成物と比較して、ハンドリング性が良好であり、特に、手で攪拌してもゲル化しない手攪拌性に優れたものである。
【0034】
更に、本発明のポリウレア樹脂組成物は、ポリアミン成分(A)とポリイソシアネート化合物(B)とを混合したときの混合初期粘性が、垂直面や天井面に塗装してもタレを生じない程度のものである。従って、本発明のポリウレア樹脂組成物は、従来のポリウレア樹脂組成物では不可能であったコテやヘラによる塗装が可能となり、鋼板や木材等の防食被覆材、防水被覆材としてのみならず、コンクリート面やスレート面のように表面に凹凸が存在するような塗布面の面調整やシーリング、接着、補強の目的で使用することができる。
【0035】
本発明のポリウレア樹脂組成物の塗装方法は、上述した本発明のポリウレア樹脂組成物のポリアミン成分(A)及びポリイソシアネート化合物(B)を混合した後、基材に延伸塗装するものである。
【0036】
上記基材としては特に限定されず、例えば、コンクリート、スレート板等の建材;鋼板、木材等を挙げることができる。本発明においては、上記ポリウレア樹脂組成物を用いているので、コンクリート、スレート板等の表面に凹凸が存在するような基材であっても良好な塗膜を形成することができる。
【0037】
上記ポリアミン成分(A)及び上記ポリイソシアネート化合物(B)の混合方法としては特に限定されず、例えば、2液混合装置、ディスパー、手攪拌等を挙げることができる。なかでも、上記ポリアミン成分(A)及び上記ポリイソシアネート化合物(B)を充分に攪拌することができるので、スタティックミキサーを取り付けた2液混合装置を用いて混合することが好ましい。
【0038】
本発明においては、上記ポリアミン成分(A)及び上記ポリイソシアネート化合物(B)が混合されたポリウレア樹脂組成物を上記基材の表面に塗布した後、延伸塗装する。上記塗装方法としては特に限定されず、通常の塗装方法を適用することができる。本発明においては、上記ポリウレア樹脂組成物の硬化時間が充分な作業時間を確保することができる程度のものであるので、例えば、コテ、ヘラ等を用いる方法も適用することができる。
【0039】
本発明においては、上記ポリウレア樹脂組成物を塗布した後、延伸作業が可能である時間が10分以上あり、また、完全に硬化するまでに40〜90分の時間を要するので、その間に、延伸作業を行うことができる。上記延伸作業により、必要な箇所に必要量のポリウレア樹脂組成物を塗布することができ、基材の表面を被膜性能が優れたポリウレア樹脂塗膜により被覆することができる。
【0040】
本発明の塗装方法は、従来のポリウレア樹脂組成物を用いた場合には不可能であった手作業のような作業方法での塗装作業を行うことができ、優れた被膜性能を有するポリウレア樹脂塗膜で防食、防水等の目的を達成することができる。また、表面に凹凸を存在するようなコンクリートやスレート板の面調整も好適に行うことができ、シーリング材や接着、補強材としても好適である。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0042】
実施例1〜4、比較例1〜7
表1及び表2に示した配合組成に従って、アミン成分(A)及びイソシアネート化合物を配合し、各ポリウレア樹脂組成物を得た。得られたポリウレア樹脂組成物の手攪拌性、混合初期増粘性を以下に従って評価した。また、得られたポリウレア樹脂組成物をスレート板に塗装したときの塗布作業性及び硬化性を評価した。結果を表1及び表2に示した。
【0043】
手攪拌性
アミン成分(A)及びイソシアネート化合物をそれぞれポリプロピレンカップに所定量計り取り、イソシアネート化合物の入ったポリプロピレンカップからアミン成分(A)の入ったポリプロピレンカップへイソシアネート化合物を流し込み、直ちにスパテラで手攪拌を1分間行い、攪拌性を評価した。
○:混合中にゲル化せず、均一混合可能
×:混合中に均一ゲル化又は不均一ゲル化する
【0044】
混合初期増粘性
手攪拌性の評価の要領で1分間攪拌を行った混合物を垂直面に1×10cm(厚さ5mm)の帯状に塗布し、タレ状態を観察した。
○:タレが発生しない
×:タレが発生する
−−:混合中にゲル化し、評価不能
【0045】
塗布作業性
手攪拌性評価の要領で1分間攪拌を行った混合物をスレート板上にヘラで延伸塗布後、塗布面の延伸作業性を経時で観察し、延伸作業が困難になるまでの時間を測定した。
硬化性
塗布作業性の評価の要領で混合物をスレート板上に延伸塗布後、指触乾燥までの時間を測定した。
【0046】
【表1】
Figure 0004285795
【0047】
【表2】
Figure 0004285795
【0048】
表中、エラスマー1000Pは、芳香族ジアミン(アミン当量約550、イハラケミカル社製)であり、D−2000は、ポリオキシアルキレンジアミン(アミン当量約1040、サン・テクノケミカル社製)であり、D−230は、ポリオキシアルキレンジアミン(アミン当量約120、サン・テクノケミカル社製)であり、エタキュアー100は、芳香族ジアミン(アミン当量約89、浅野ケミカルズ社製)であり、ポリイソシアネート化合物は、MDIプレポリマー(イソシアネート当量約270)である。
【0049】
以上の結果から、実施例1〜4では、アミン成分(A)とイソシアネート化合物とを混合した後1分間は攪拌可能であり、ゲル化しなかった。また、実施例1〜4では、スレート板に塗布した後の延伸作業が可能である時間が10〜50分間であり、塗装の作業時間を充分に確保することができることが判った。更に、指触乾燥までの時間が90分以内であり、乾燥までに長時間を要することはなく、実用範囲内であった。
【0050】
【発明の効果】
本発明のポリウレア樹脂組成物は上述の構成よりなるので、ポリウレア樹脂塗膜の良好な被膜物性を有しており、また、ハンドリング性が良好であり、塗装時のタレを防止することができ、かつ、塗装作業時間を充分に確保することができ、数時間以内に指触乾燥が可能であるので、従来のポリウレア樹脂組成物では良好な塗膜を形成することができなかったコンクリートやスレート板のような表面に凹凸が存在する基材の表面にも良好なポリウレア樹脂塗膜を形成することができる。
【0051】
また、本発明のポリウレア樹脂組成物の塗装方法は、本発明のポリウレア樹脂組成物を用いているので、従来のポリウレア樹脂組成物を用いた場合と異なり、コテやヘラを使用した塗装が可能となり、基材の面調整やシーリングの目的で塗装することができる。

Claims (5)

  1. アミン当量400〜800のポリアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖を有する芳香族ポリアミン(a−1)をポリアミン(A)の合計量100重量%に対して50重量%以上、アミン当量80〜300の分子内に少なくとも2個の脂肪族アミノ基を有するポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)をポリアミン(A)の合計量100重量%に対して1〜15重量%、及び、前記(a−1)及び(a−2)以外のポリアミンのみからなるポリアミン成分(A)、並びに、
    ポリイソシアネート化合物(B)
    からなり、
    前記芳香族ポリアミン(a−1)は、ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)及びポリオキシブチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)からなる群より選択される少なくとも1つであり、
    前記ポリアミン成分(A)および前記ポリイソシアネート化合物(B)は、塗装前に混合されるものである
    ことを特徴とする塗料用ポリウレア樹脂組成物。
  2. アミン当量400〜800のポリアルキレン鎖又はポリオキシアルキレン鎖を有する芳香族ポリアミン(a−1)85〜99重量%、及び、アミン当量80〜300の分子内に少なくとも2個の脂肪族アミノ基を有するポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)1〜15重量%のみからなるポリアミン成分(A)、並びに、
    ポリイソシアネート化合物(B)
    からなり、
    前記芳香族ポリアミン(a−1)は、ポリテトラメチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリプロピレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)及びポリオキシブチレングリコールビス(4−アミノベンゾエート)からなる群より選択される少なくとも1つであり、
    前記ポリアミン成分(A)および前記ポリイソシアネート化合物(B)は、塗装前に混合されるものである
    ことを特徴とする塗料用ポリウレア樹脂組成物。
  3. ポリオキシアルキレンポリアミン(a−2)は、第1級ポリオキシアルキレンジアミンである請求項1又は2記載の塗料用ポリウレア樹脂組成物。
  4. ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基に対するポリアミン成分(A)中のアミノ基の当量比は、0.7〜1.5である請求項1、2又は3記載の塗料用ポリウレア樹脂組成物。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の塗料用ポリウレア樹脂組成物のポリアミン成分(A)及びポリイソシアネート化合物(B)を混合した後、基材に延伸塗装することを特徴とする塗料用ポリウレア樹脂組成物の塗装方法。
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