JP4283480B2 - 熱処理炉用シール装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の雰囲気ガス内で金属帯に熱処理を行う熱処理炉の金属帯出入口に設けられ、熱処理炉内と炉外とを遮蔽し、炉内の雰囲気ガスが炉外に大量に漏洩することおよび炉外のガスが炉内に侵入することを防止する熱処理炉用シール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図15は、従来の技術の金属帯に熱処理を行う熱処理炉1の出口部分を簡略化して示す断面図である。熱処理炉1は、ステンレス鋼帯などの金属帯3をその表面に酸化被膜を生成させない状態で、光輝焼鈍または歪取り焼きなましなどの熱処理を行う。熱処理炉1内には、炉外のガスとは異なる成分の雰囲気ガス(以下、単に炉内ガス2と言うことがある)が送気されている。
【0003】
このような熱処理炉1における入口および出口の金属帯3の通過部分4には、炉内ガス2と炉外5のガスとを遮断するための熱処理炉用シール装置6が設けられている。熱処理炉用シール装置6は、平行に並ぶ一対のシールロール7a,7bと、シールロール7a,7b毎に設けられ、各シールロール7a,7bを互いに近接する方向に押付けるエアシリンダ8a,8bとを有する。
【0004】
炉内の金属帯3は、熱処理炉1の出口側に設けられる熱処理炉用シール装置6の一対のシールロール7a,7b間を通過して、熱処理炉1から脱出する。
一対のシールロール7a,7bは、エアシリンダ8a,8bによって互いに近接する方向に力を受ける。これによって一対のシールロール7a,7bは、金属帯3を挟持し、熱処理炉1の出口に形成される間隙を小さくする。これによって熱処理炉1内の炉内ガス2が大量に炉外5に漏洩することを防止し、炉外ガスが炉内に侵入することを防止する。
【0005】
出口側熱処理炉用シール装置の金属帯進行方向A下流側には、ステアリングロール9が設けられる。ステアリングロール9は、金属帯3に転がり接触し、金属帯3の幅方向移動を修正する。金属帯3の幅方向および厚み方向は、金属帯3の進行方向に直交する方向であって、幅方向および厚み方向は、互いに直交する。金属帯3の幅方向は、各シールロール7a,7bの軸線方向に沿って延び、金属帯の厚み方向は、各シールロール7a,7bの軸線を結ぶ方向に延びる。
【0006】
ステアリングロール9の回転軸10は、金属帯3の幅方向に沿って延びる。たとえばステアリングロール9の軸線方向一端部を転がり接触する金属帯3に押付けることによって、ステアリングロール9は、金属帯3の幅方向一方側部分と他方側部分とで与える張力を変化させることができる。このようにステアリングロール9が、金属帯3に与える張力を金属帯幅方向で変化させることによって、金属帯3進行中における幅方向の変位である板寄りおよび蛇行を修正する。
【0007】
図16は、従来の技術の熱処理用シール装置6を示す側面図であり、図17は、熱処理用シール装置6を簡略化して示す側面図である。熱処理用シール装置6は、シール装置本体12と、一対のシールロール7a,7bと、一方のシールロール7aの両端部にそれぞれ設けられる第1レバー体11aと、他方のシールロール11bの両端部にそれぞれ設けられる第2レバー体11bと、各レバー体11a,11bごとに設けられるエアシリンダ8a,8bと、安全装置として働くバネ部材13とによって構成される。
【0008】
シール装置本体12には、金属帯3が通過するであろう経路を示すパスライン14に対して対称に、一対のシールロール7a,7bが設けられる。シールロール7a,7bは、互いに平行に配置され、パスライン14に垂直な方向、すなわちパスライン14を通過する金属帯3の幅方向に延びる。
【0009】
各シールロール7a,7bの各回転軸15a,15bの両端部には、シールロールを回転可能に保持する各レバー体11a,11bが連結される。各レバー体11a,11bの一端部15a,15bは、シール装置本体12に角変位可能に連結される。また各レバー体11a,11bの他端部16a,16bは、エアシリンダ8a,8bのピストンロッド17a,17bにそれぞれ連結される。またエアシリンダ8a,8bは、角変位可能にシール装置本体12に連結される。したがってエアシリンダ8a,8bのピストンロッド17a,17bが伸縮することによって、レバー体11a,11bはその一端部15a,15bまわりに角変位移動する。エアシリンダ8a,8bは、パスライン14に向かう方向F1,F2にレバー体11a,11bを押付ける。これによってレバー体11a,11bが保持するシールロール7a,7bは、互いに近接する方向に移動する。
【0010】
金属帯3は、パスライン14を通過し、シールロール間を通過する。このとき金属帯3は、シールロール7a,7bによって、厚み方向両側から押付け力を受ける。これによって、シールロール7a,7bと金属帯3との間の隙間を小さくすることができる。
【0011】
バネ部材13は、エアシリンダ8a,8bのエアー供給が停止した場合の安全装置として働く。バネ部材13は、一端部側のレバー体11a,11b同士を連結する圧縮バネと、他端部側のレバー対11a,11b同士を連結する圧縮バネから成る。エアー供給が停止した場合であっても、バネ部材13によって互いのシールロール7a,7bが近接する方向F1,F2に力が働き、各シールロール7a,7bのピストンロッド17a,17bが縮退して、シールロール間に隙間が生じることを防止する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図15および図16に示す従来の技術の熱処理炉用シール装置6では、バネ力およびエアー圧を用いて、一対のシールロール7a,7bを単に押付けている。金属帯3をシールロール間に通過させる場合、作業者が、エアシリンダ8a,8bに設けられる圧力ゲージを確認しながら、各シールロール7a,7bが金属帯3を押付ける押付け圧を調整することによって対応している。エアシリンダ8a,8bは、エアバルブの開度調整によって、ピストンロッド17a,17bの位置調整を行うことができず、圧力ゲージの値を指標として、シールロールの金属帯3幅方向押付け圧を平衡させている。しかしながら、エアシリンダ8a,8b毎の圧力ゲージ値を等しくしたとしても、必ずしも前記幅方向押付け圧を平衡させることができるとは限らないという問題がある。
【0013】
また圧力ゲージ値による調整では、一旦圧力ゲージ値を設定したあと、金属帯通過中に、板寄りまたは蛇行を停止するように微調整することが困難である。また仮に、圧力ゲージ値によって、エアシリンダ8a,8bの金属帯幅方向押付け圧を等しくすることができた場合であっても、シールロール間を通過する金属帯3の厚みの差異または曲りなどに起因して、幅方向の押付け圧が変動したとき、前述のように微調整することができないので、金属帯3が板寄りおよび蛇行するおそれがある。
【0014】
また通常、炉内の金属帯は単位断面積当たりの張力が等しくなるように、張力制御を行っている。このため、金属帯3の厚みが薄い場合には、ステアリングロール9での摩擦による拘束力が小さく、相対的にシールロールでの金属帯幅方向押付け圧力の影響が大きくなる。よって幅方向の押付け圧力が変動した場合、金属帯3が板寄りおよび蛇行を生じやすい。
【0015】
従来は、図15に示すようにシール装置6の金属帯進行方向A下流側にステアリングロール9を設けることによって、金属帯3の板寄りおよび蛇行を防止する方法が行われている。しかしシール装置6の影響による板寄りおよび蛇行が生じた場合、特に金属帯3の厚みが小さい場合には、金属帯3に付与されているトータル張力が小さくなるので、ステアリングロール9では、金属帯3の板寄りおよび蛇行を十分に修正することができない。
【0016】
したがって本発明の目的は、一対のシールロールを所定位置に容易に配置することができるとともに、一対のシールロール間を通過する金属帯の蛇行および板寄りを確実に修正することができるシール装置を提供することである。
【0017】
本発明は、金属帯に熱処理を行う熱処理炉の出口側および入口側の少なくともいずれか一方に設けられ、金属帯を厚み方向両側から協働して挟持する一対のシールロールと、
少なくとも一方のシールロールの両端部の配置位置を個別に調整するシール開閉手段と、
シールロール間を通過する金属帯の幅方向位置を検出する通過位置検出手段とを備え、
前記シール開閉手段は、前記通過位置検出手段の検出結果に基づいて、シールロールの両端部を個別に変位させることを特徴とする熱処理炉用シール装置である。
【0018】
本発明に従えば、シール開閉手段によって、シールロールの両端部の配置位置を個別に調整することができる。シールロールの一端部の配置位置を調整した場合に、シールロールの他端部が一方の端部に応じて移動することがない。すなわち従来の技術のようにシールロール両端に与えるゲージ圧をそれぞれ調整して所定の状態に保つ必要がなく、シールロール両端部の配置位置を独立して調整でき、シールロールを所定位置に容易に配置することができる。金属帯通過時であっても、シールロール両端部の配置位置を個別に調整することで互いのシールロールを平行に保ち、一対のシールロールの平行度不良に起因する金属帯の板寄り、すなわちシールロールの軸線方向一方側に金属帯が移動することを防止することができる。これによって金属帯がシールロールの軸線方向中央位置すなわちセンター位置を通過するように調整することができる。
【0019】
またシールロールの両端部のうちの一方の端部を変位させて、金属帯の厚みの差異または曲がりなどの形状に応じて配置位置を調整することによって、金属帯の板寄りおよび蛇行を修正することができる。たとえば一方のシールロールに接触する金属帯の面と他方のシールロールに接触する金属帯の面とが平行でなく、いいかえると金属帯の厚み方向寸法が均一でなく、シールロールに対して金属帯が片当たりする場合であっても、シールロールの端部を変位させて配置位置を調整することによって、金属帯とシールロールとの片当たりを防止し、金属帯の板寄りを修正することができる。また、たとえば金属帯に断面形状不良が生じている場合であっても、金属帯の形状に応じて、シールロールの端部の配置位置をそれぞれ個別に調整することによって、シールロール間を通過する金属帯の板寄りおよび蛇行を修正することができる。
また、通過位置検出手段によって、金属帯の幅方向通過位置を検出することができ、検出結果に基づいて、シール開閉手段がシールロールの端部を個別に変位させることができる。これによって作業者が金属帯の通過位置を確認してシール開閉手段を操作する必要がなく、利便性を向上することができる。また通過位置検出手段による検出結果信号をシール開閉手段に与えることによって、シール開閉手段は、検出結果からロールの変位量を短時間かつ容易に算出することができる。
【0020】
また本発明は、前記シール開閉手段は、少なくとも一方のシールロールの端部を任意の位置に配置させた状態で、シールロールを回転可能に保持することを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、シール開閉手段によって、金属帯に近接離反する方向に移動させたシールロールを所定箇所に保持することができる。これによってシールロール間を金属帯が通過する時に、シールロールが金属帯に近接離反する方向に変位することを確実に防止することができ、シールロールの位置制御を確実に行うことができる。
【0022】
また金属帯の板寄りおよび蛇行を修正するために、シールロール間の間隔が狭い方に金属帯が板寄りを起こすことを利用しシールロールの端部を変位させ、配置位置を微調整した状態で保持することができる。これによって金属帯の板寄りおよび蛇行の影響によってシールロールが所望の位置からずれることがなく、金属帯の板寄りおよび蛇行を確実に防止することができる。
【0023】
また本発明は、前記シール開閉手段は、少なくとも一方のシールロールの一端部を変位させ、一対のシールロール間の距離を一端部側と他端部側とで異ならせることができることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、シール開閉手段によって、一対のシールロール間の距離を一端部側と他端部側とで異ならせることができるので、シールロールが金属帯に与える押付け力をシールロールの一端部側と他端部側とで異ならせ、強弱をつけることができる。たとえば金属帯が予め定められる所定の通過位置からシールロール軸線方向一方向に移動した場合に、シールロール他方側から金属帯に与える押付け力を、シールロール一方側から金属帯に与える押付け力よりも大きくすることによって、金属帯をシールロール軸線方向他方向に移動させることができる。このように一対のシールロール間の距離を一端部側と他端部側とで異ならせることによって、予め定められる所定の通過位置にむかって金属帯を移動させることができる。これによって金属帯の蛇行および板寄りを修正し、安定した金属帯の搬送を実現することができる。
【0027】
また本発明は、前記シール開閉手段は、
少なくとも一方のシールロールの回転軸両側にそれぞれ設けられ、回転軸または回転軸に連結される連結部材に固定される伸縮自在な出力軸と、
出力軸を伸縮させるための入力軸とを有するスクリュージャッキを備えることを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、スクリュージャッキの出力軸を伸縮させることによって、シールロールの両端部をそれぞれ変位させることができ、これによってシールロールの配置位置を調整することができる。スクリュージャッキは、その構造から出力軸自体に力が加わっても伸縮することがなく、入力軸の回転に応じて伸縮する。これによってシールロールの端部を任意の位置に配置させることができるとともに、金属帯からシールロールを変位させようとする力が働いても、スクリュージャッキがシールロールの移動を修正する。これによって金属帯からの影響を受けることなく、互いのシールロールを平行に保つことができ、また金属帯の板寄りおよび蛇行をより確実に修正することができる。またスクリュージャッキは、省スペースで振動が少なく高精度の位置決めを行うことができる。
【0029】
また本発明は、前記シール開閉手段は、
少なくとも一方のシールロールの回転軸両側にそれぞれ設けられ、回転軸または回転軸に連結される連結部材に固定される伸縮自在なピストンロッドを有する油圧シリンダを備えることを特徴とする。
【0030】
本発明に従えば、油圧シリンダのピストンロッドを伸縮させることによって、シールロールの両端部をそれぞれ変位させることができ、これによってシールロールの配置位置を調整することができる。油圧シリンダは、大きい出力が得られるとともに、振動が少なく円滑に動作させることができる。また位置決めおよび変位速度の調整が容易なので、任意の時間にシールロールを所定の位置に確実に移動させることができる。また油圧シリンダは、ピストンロッドが外力を受けて変位する量がエアシリンダに比べて小さい。したがってシールロールの端部を任意の位置に配置させることができるとともに、金属帯からシールロールを変位させようとする力が働いても、油圧シリンダがシールロールの移動を防止することができる。
【0031】
また本発明は、前記シール開閉手段は、
一対のシールロール両側にそれぞれ設けられ、一対のシールロールを互いに近接させる方向に押付ける押付け手段と、
一対のシールロールの両端部間に設けられ、一対のシールロールの回転軸または回転軸に連結される連結部材にともに摺動可能に当接する2つの偏心カムと、
各偏心カムを個別に回転させる回転手段とを備えることを特徴とする。
【0032】
本発明に従えば、一対のシールロールの回転軸または回転軸に連結される連結部材にともに摺動可能に設けられる偏心カムが、シールロールの一端部側および他端部側にそれぞれ設けられる。各シールロールは、押付け手段によって互いに近接する方向に押付けられるので、回転軸または回転軸に連結される連結部材が偏心カムに当接する。これによって一対のシールロール間距離は、偏心カムによって所定の距離に調整される。
【0033】
各回転手段は、各偏心カムを回転させることによって、偏心カムが回転軸または連結部材を摺動し、一端部側および他端部側シールロール間の距離を拡縮させることができる。これによって一端部側シールロール間距離と他端部側シールロール間距離とを個別に調整することができる。このようにシールロール間の距離を調整することによって、シールロールの配置位置を調整することができる。
【0034】
偏心カムが一対のシールロールの間に設けられることによって、シールロールが偏心カムによって設定される位置よりも、互いのシールロールに対して近接する方向に移動することがなく、シールロールの位置調整を容易にかつ確実に行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態の熱処理炉用シール装置20を示す平面図である。ステンレス鋼帯などの金属帯23は所望の特性を得るために焼鈍処理が行われ、このような焼鈍処理の一例として、光輝焼鈍がある。光輝焼鈍は、たとえば光輝焼鈍炉21を用いて行われ、金属帯23は、水素ガスと窒素ガスとの混合ガスを含む易燃性の還元性雰囲気ガス(以下、単に炉内ガス22という)が送気される雰囲気中で熱処理が行われる。このような光輝焼鈍炉21は、炉内ガス22と炉外のガスとを遮断するために、すなわち炉内ガス22が炉外に大量に漏洩することを防止するために、また炉外ガスが炉内に侵入することを防止するために、熱処理用シール装置20が設けられる。熱処理用シール装置20(以下、単にシール装置20という)は、光輝焼鈍炉21の入口側および出口側の少なくとも一方に設けられ、金属帯23と光輝焼鈍炉21との間に形成される隙間をシールする。
【0036】
シール装置20は、一対のシールロール27a,27bと、各シールロール27a,27bの両端部にそれぞれ設けられる軸受28a,28b,29a,29bと、各軸受28a,28b,29a,29bに固定されるスクリュージャッキ30a,30b,31a,31bとを含んで構成される。金属帯23の幅方向および厚み方向は、金属帯23の進行方向に直交する方向であって、幅方向および厚み方向は、互いに直交する。金属帯23の幅方向は、各シールロール27a,27bの軸線方向に沿って延び、金属帯23の厚み方向は、各シールロール27a,27bの軸線32a,32bを結ぶ方向に延びる。
【0037】
シール装置20は、光輝焼鈍炉21の入口および/または出口を覆い、一対のシールロール27a,27b間を金属帯23が通過する。シールロール間を通過する金属帯23の厚み寸法が金属帯幅方向に均一な場合には、一対のシールロール27a,27bは、その軸線32a,32bが互いに平行に配置される。各シールロール27a,27bは、円筒状のシールロール本体33と、シールロール本体33の外周面に張付けられ、可撓性および弾発性を有するシール体、たとえばフェルトシール34と、各シールロール本体33の軸線方向両側に突出する回転軸35a,35b,36a,36bとを含んで構成される。各シールロール27a,27bの軸線方向寸法は、少なくともシールロール間を通過する金属帯23の幅方向寸法よりも大きく形成される。これによって金属帯23が金属帯幅方向に移動したとしても、金属帯23の幅方向端部が、シール装置20のシールロール27a,27b以外の部分に当接することを防ぐことができ、金属帯23の幅方向端部折れを防止する。
【0038】
各回転軸35a,35b,36a,36bは、各軸受28a,28b,29a,29bにそれぞれ嵌合可能に形成される。各軸受は、各回転軸を軸線まわりに回転可能に支持する。また各軸受は、各軸受に嵌合した回転軸を、軸受まわりに角変位可能に支持する。これによって、後述する各スクリュージャッキ30a,30b,31a,31bによって、各シールロール27a,27bの両端部に設けられる軸受の位置が個別に移動した場合であっても、回転軸に負荷がかかることがなく円滑に軸受を移動させることができる。
【0039】
各スクリュージャッキ30a,30b,31a,31bは、伸縮自在な出力軸37a,37b,38a,38bを有し、各出力軸37a,37b,38a,38bは、各軸受28a,28b,29a,29bにそれぞれ固定される。各スクリュージャッキ30a,30b,31a,31bは、出力軸37a,37b,38a,38bをそれぞれ個別に伸縮させることによって、出力軸37a,37b,38a,38bに固定される各軸受28a,28b,29a,29bを個別に変位させるシール開閉手段となる。各スクリュージャッキは、各シールローラ27a,27bの各軸線32a,32bに垂直に延び、シールロール軸線方向一方B1側のスクリュージャッキ30a,30bは、その伸縮方向が同方向である。またシールロール軸線方向他方B2側のスクリュージャッキ31a,31bは、その伸縮方向が同方向である。
【0040】
各スクリュージャッキ30a,30b,31a,31bは、それぞれ個別に駆動可能であり、これによって一対のシールロール間の距離を一端部側と他端部側とで異ならせることができる。たとえば一対のシールロール27a,27bのうち他方のシールロール27bの軸線方向一方B1側のスクリュージャッキ30bの出力軸37bを伸張させることによって、前記出力軸37bに固定される軸受28bが一方のシールロール27aに向かって移動する。これによって他方のシールロール27bは、そのシールロール軸線方向一方向B1側端部が一方のシールロール27aに近接し、軸線方向他方B2側のシールロール間の距離に比べて、軸線方向一方B1側のシールロール間の距離を短くすることができる。このように各スクリュージャッキ30a,30b,31a,31bを個別に駆動することによって、各シールロール27a,27b,の両端部を近接離反する方向Dに変位させることができる。
【0041】
各スクリュージャッキによって固定される軸受は、エアシリンダおよびバネ等に固定される軸受に比べて、通過する金属帯によって容易に変位することがない。また短時間で確実に軸受の位置制御を行うことができる。
【0042】
図2は、本発明のシール装置20が設けられる光輝焼鈍炉21を示す断面図である。金属帯23は、デフレクタロール39によって、進行方向がかえられ、光輝焼鈍炉21の入口40を経由して、焼鈍炉入口側に設けられるシール装置20aのシールロール間を通過し、光輝焼鈍炉21内に進入する。光輝焼鈍炉21に進入した金属帯23は、所定の温度まで加熱された後に冷却され、焼鈍炉出口側に設けられるシール装置20bのシールロール間を通過し、炉内から炉外に離脱する。
【0043】
炉内には、炉内ガス22が常時送気されており、炉内圧力は、炉外よりも高い圧力状態に保たれる。たとえば炉内圧力は、外気より98〜490Pa(10〜50mmH2O)高い圧力状態に保たれ、炉体内に酸素を含む空気が侵入して炉内ガス22と混合することがないように出入口にそれぞれシール装置20a,20bが設けられる。
【0044】
図3は、スクリュージャッキ30aの外観を示す斜視図であり、図4は、スクリュージャッキ30aを示す分解斜視図である。シール装置20に設けられる各スクリュージャッキ30a,30b,31a,31bは、同様の構成であり、一つのスクリュージャッキ30aの構成を示し、他のスクリュージャッキ30b,31a,31bについては、説明を省略する。
【0045】
スクリュージャッキ30aは、入力軸42aと、出力軸27aと、シール装置20の所定位置に固定されるギアケース44と、ギアケース44に収容される複数のギア部材群45とを含んで構成される。ギアケース44は、シール部材の変位駆動を阻害せず、各シールロールの変位にかかわらず変位しないシール装置20の不変位位置にボルトによって固定される。入力軸42aは、ねじ溝42aが形成されるウォーム軸であって、ギアケース44内のウォームホイール46と螺合する。ウォームホイール46の内周部には、ねじ溝が形成される。このウォームホイール46の内周部に螺合するように出力軸27aが設けられる。出力軸27aは、ギアケース内44に収容されるギア部材群45によって、出力軸軸線まわりに回転することが規制される。
【0046】
ねじ棒に嵌合されるナットに対して、ナットが回転しないように拘束した状態で、ねじ棒を回転させると、ナットがねじの軸方向に進む。同様に、ウォームホイール46が回転することによって、出力軸27aが出力軸軸線方向Cに伸縮自在に移動する。したがって電動モータなどによって、入力軸42を回転させることによって、また回転方向を切換えることによって、出力軸27aをギアケース44に対して伸縮させることができる。
【0047】
このような構成のスクリュージャッキ30a,30b,31a,31bの出力軸37a,37b、38a,38bが各軸受28a,28b,29a,29bに固定されることによって、各軸受28a,28b,29a,29bを移動させることができる。これによって各軸受28a,28b,29a,29bに嵌合する各シールロール27a,27bの配置位置を調整することができる。このように各スクリュージャッキが各シールロール27a,27bの配置位置を個別に調整することによって、各シールロール27a,27bをラインセンタ47に対して、平行に配置することができる。ラインセンタ47は、シールロール間を最適な位置で通過する金属帯23の厚み方向中央部を挿通する仮想線である。
【0048】
図5は、金属帯23の厚み寸法が小さい場合のシール装置の一部を示す側面図であり、図6は、金属帯23の厚み寸法が大きい場合のシール装置の一部を示す側面図である。たとえば金属帯23の厚み寸法が小さい場合には、図5に示すように、スクリュージャッキ30b,31bによって、他方のシールロール27bを一方のシールロール27aに近接する方向D1に移動させて、シールロール間の間隔を小さくすることができる。また金属帯23の厚み寸法が大きい場合には、図6に示すように、スクリュージャッキ30b、31bによって、他方のシールロール27bを一方のシールロール27aから離反する方向D2に移動させて、シールロール間の間隔を大きくすることができる。
【0049】
図7は、軸線方向一方側B1のシールロール間の距離を縮小した場合を示すシール装置20の平面図である。シール装置20は、各スクリュージャッキ30a,30b、31a,31bのうちのいずれか一つを駆動させることによって、シールロール間の距離を変更することができる。たとえば図7に示すように、一対のシールロール27a,27bのうち、他方のシールロール27bのシールロール軸線方向一方B1側に設けられるスクリュージャッキ30bの出力軸37bを伸張させることによって、スクリュージャッキ30bの出力軸37bに固定される軸受28bを一方のシールロール27aに近接する方向D1に移動させることができる。これによって軸線方向一方B1側の軸受28a,28bを近接させることができ、軸線方向一方B1側のシールロール間の距離L1を縮小させることができる。このときシールロール軸線方向他方B2側のスクリュージャッキ31a,31bを駆動させないことによって、軸線方向他方B2側のシールロール間の距離L2を保持することができる。
【0050】
これによって、シールロール軸線方向他方B2側のシールロール間の距離L2に比べて、シールロール軸線方向一方B1側のシールロール間の距離L1を短くすることができる。また同様にスクリュージャッキ30bを縮退させることによって、シールロール軸線方向他方B2側のシールロール間の距離L2に比べて、シールロール軸線方向一方B1側のシールロール間の距離L1を長くすることができる。すなわち一方のシールロール27aの軸線32aと他方のシールロール27bの軸線32bとが平行である状態から、一方の軸線32aに対して他方の軸線32bが所定の角度θを有して傾斜する状態にすることができる。また、上述したスクリュージャッキ30b以外のスクリュージャッキ30a,31a,31bも同様に駆動させることができる。
【0051】
図8は、光輝焼鈍炉21の出口に設けられるシール装置20のより詳細な構成を示す側面図である。シール装置20は、さらにシールロール間を通過する金属帯23の幅方向の移動量を検出する通過位置検出手段49と、通過位置検出手段49が検出した検出結果に基づいて、各スクリュージャッキ30a,30b,31a,31bを個別に制御する制御手段48とを有してもよい。位置検出手段49は、シールロール27a,27bより金属帯進行方向A下流側に配置される。これによって位置検出手段49は、シールロール27a,27bよりも金属帯進行方向A上流側すなわち光輝焼鈍炉内に設けられる場合に比べて、設置およびメンテナンスが容易である。
【0052】
位置検出手段49は、金属帯23の幅方向の移動量を検出し、制御手段48に移動量を表す信号を伝える。これによって通過位置検出手段49が、金属帯23が金属帯幅方向一方または他方側に移動する板寄り動作および、金属帯幅方向一方および他方向に交互に移動する蛇行動作を検出することができる。すなわちシールロール間を通過する金属帯23のシールロール軸線方向Bの変位位置を検出することができる。金属帯23の変位に応じて制御手段48がスクリュージャッキ30a,30b,31a,31bを駆動させ、金属帯23の板寄りおよび蛇行動作を防止する。
【0053】
図9は、通過位置検出手段49の概略を示す平面図であり、図10は、図9の切断面線X−Xで切断した通過位置検出手段49の断面図である。通過位置検出手段49は、金属帯23の変位位置を検出するセンサを有し、たとえば光受光センサである光電センサ51と、光放射源である蛍光灯50とを有して構成される。金属帯23は、蛍光灯50と光電センサ51との間を通過する。蛍光灯50および光電センサ51は、金属帯通過経路に近接した位置に設けられ、通過する金属帯23の厚み方向一方側に蛍光灯50が配置され、光電センサ51が通過する金属帯23の厚み方向他方側に配置される。
【0054】
蛍光灯50は、金属帯23に向けて光を放射し、光電センサ51は、蛍光灯50が放射した光52を受光する。金属帯23は蛍光灯50の光を遮光する。金属帯23が金属帯幅方向一方B1側に移動した場合23Aには、金属帯23の幅方向一方B1側に設けられる光電センサ51aが受光する光量が低下する。また金属帯23が金属帯幅方向B2他方側に移動した場合23Bには、金属帯23の幅方向他方B2側に設けられる光電センサ51bが受光する光量が低下する。各光電センサ51a,51bが上述のような光の受光状態を制御手段48に伝えることによって、制御手段48は、金属帯23の変位位置を判断することができる。また光電センサ51の数および性能を変えることによって、金属帯23の幅方向移動速度を検出することも可能である。
【0055】
制御手段48は、通過位置検出手段49の検出結果に応じて、各スクリュージャッキ30a,30b,31a,31bをそれぞれ個別に駆動させる。具体的には、所定の金属帯通過位置から金属帯23がシールロールの軸線方向一方B1側に移動した場合、軸線方向一方B1側部分のシールロール間隔を、軸線方向他方側B2側部分のシールロール間隔よりも大きくするようにスクリュージャッキを駆動させる。いいかえると所定の金属帯通過位置から金属帯23がシールロール軸線方向一方B1側に移動した場合に、金属帯23のシールロール軸線方向一方B1側部分を挟持する各シールロールの押付け力を、金属帯23のシールロール軸線方向他方B2側部分を押付ける押付け力よりも小さくする。このように一対のシールロール27a,27bを移動させることによって、シールロール間を通過する金属帯をシールロール軸線方向他方B2側に向かって移動させることができ、板寄りおよび蛇行を修正することができる。
【0056】
同様に制御手段48は、金属帯23が所定の金属帯通過位置からシールロール軸線方向他方B2側に移動した場合に、軸線方向他方B2側部分のシールロール間隔を、軸線方向一方B1側部分のシールロール間隔よりも大きくし、シールロールが金属帯23のシールロール軸線方向他方B2側を押付ける押付け力を、金属帯23のシールロール軸線方向一方B1側を押付ける押付け力よりも小さくする。このように一対のシールロール27a,27bを移動させることによって、シールロール間を通過する金属帯をシールロール軸線方向一方B1側に向かって移動させることができ、板寄りおよび蛇行を修正することができる。表1は、制御手段48のスクリュージャッキの制御例を示し、たとえば、制御手段48は、一方のシールロール27aの軸線32aをラインセンタ47に対して平行に保ち、金属帯23の幅方向の移動に応じて、他方のシールロール27bの軸線32bを傾斜させる。表1に示すように一対のシールロール27a,27bを移動させることによって、シールロール間を通過する金属帯をシールロール軸線方向に向かって移動させることができ、板寄りおよび蛇行を修正することができる。
【0057】
【表1】
【0058】
このように制御手段48が各スクリュージャッキ30b,31bを制御することによって、金属帯23がシールロールの軸線方向に移動したとしても、その偏位置および変位方向を修正および規制し、金属帯23をシールロールの軸線方向中央位置に配置させることができる。
【0059】
またシールローラが金属帯23に押付けられた状態で、フェルトシール34が変形した状態であり、シールロール軸線方向両側のシールロール間間隔を広げても、フェルトシール34が金属帯23に転がり接触している状態である範囲で、言い換えるとシール装置20のシール能力を保つ範囲で、各シールロール27a,27bをラインセンタ47に対して平行に保った状態で、軸線方向一方B1側および他方B2側のシールロール間距離をともに広げてもよい。これによってフェルトシールが金属帯23を過剰に押付けることを防止し、金属帯23に生じる表面傷をより低減させることができる。
【0060】
図11は、金属帯位置決め動作を示すフローチャートである。まずステップs0で、金属帯23を焼鈍炉21によって熱処理させる準備が行われ、準備が完了するとステップs1に進む。ステップs1では、制御手段48は、一方のシールロール27aの両端部に設けられる各スクリュージャッキ30a,31aを駆動させ、ラインセンタ47に対して、一方のシールロール27aの軸線32aを平行にする。一方のシールロール27aとラインセンタ47とが平行に配置されると、ステップs2に進む。
【0061】
ステップs2では、制御手段48がシールロール間を通過する金属帯23の厚みに応じて、他方のシールロール27bの両端部に設けられる各スクリュージャッキ30b,31bを駆動させる。他方のシールロール27bは、ラインセンタ47に対して平行に保たれ、一方のシールロール27aとの間に所定の間隔が形成される。また金属帯23の状態に応じて、各シールロール27a,27bが金属帯23を押付ける押付け力を調整する。このように制御手段48がシールロール間の距離を調整するとステップs3に進む。
【0062】
ステップs3では、制御手段48が通過位置検出手段49から金属帯23の幅方向移動量を表す信号を受けて、金属帯23が所定通過位置からシールロール軸線方向Bに移動しているか否かを判定する。すなわち制御手段48は、金属帯23が板寄りおよび蛇行をしているか否かを判断し、板寄りおよび蛇行をしている場合には、ステップs4に進み、そうでなければステップs5に進む。
【0063】
ステップs4では、制御手段48が、通過位置検出手段49から与えられた情報に応じて、各スクリュージャッキ30a,30b,31a,31bをそれぞれ個別に駆動させ、金属帯23を所定通過位置に移動させる。たとえば制御手段48は、上述の表1に従って、スクリュージャッキ30b,31bを移動させ、金属帯23をシールロールの軸線方向中央部に配置しなおすことができる。金属帯23の所定通過位置への移動が完了するとステップs5に進む。ステップs5では、制御手段48が金属帯23の通過が完了したか否かを判断し、金属帯23のシールロール間の通過が完了していないと判断すると、ステップs3に戻る。また金属帯23のシールロール27a,27bの通過が完了していると判断すると、ステップs6に進む。したがってステップs5で制御手段48が金属帯23の通過が完了したと判定するまで、ステップs3〜ステップs5を繰り返し、シールロール間を通過する金属帯23の板寄りおよび蛇行を修正しながら、金属帯23をシール装置20から通過させることができる。ステップs6では、金属帯23の通過が完了し、金属帯23の位置決め動作を終了する。
【0064】
また制御手段48の作業を作業者が行ってもよく、金属帯23の厚み寸法に応じて各スクリュージャッキで調整する作業と、金属帯23に板寄りが生じた場合にスクリュージャッキで調整する作業を別々の動作として行ってもよい。
【0065】
以上のように本発明の第1の実施の形態に従えば、各スクリュージャッキによって、各シールロール27a,27bの配置位置を調整することができる。特に各スクリュージャッキは、入力軸42の回転に比例して、出力軸27の伸縮する移動量が決定されるので、シールロール27a,27bの配置位置をより確実に調整することができる。また各スクリュージャッキは、ウォームギアを含んでいるので、シールロール間を通過する金属帯23から出力軸を縮退させる力が働いても、出力軸が縮退することがない。したがって各シールロール27a,27bの両端部を任意の位置に配置させた状態で、シールロール27a,27bの移動を規制することができる。たとえば電源停止などによって、スクリュージャッキの駆動が停止した場合であっても、各シールロール27a,27bを一定位置に保持することができ、上述の従来の技術に示すような、シールロール27a,27bの間隔発生を防止する安全装置を設ける必要がない。
【0066】
このように各シールジャッキによってシールロール間の位置を調整することによって、ラインセンタ47に対して、各シールロール27a,27bの軸線32a,32bを容易に平行に保つことができる。これによって、シールロール間の平行度不良による金属帯23の板寄りおよび蛇行を防止することができ、金属帯23を円滑にシールロール間を通過させることができる。
【0067】
また金属帯23の形状不良の影響による金属帯23の板寄りおよび蛇行が生じた場合であっても、金属帯通過中に、他方のシールロール27bの位置を調整することによって、金属帯23が各シールロール27a,27bの軸線中心位置から移動した位置に対して、反対方向に金属帯23を移動させることができ、金属帯の板寄りおよび蛇行を修正することができる。このように本発明の第1の実施の形態に従えば、各シールロール27a,27bを所定位置に容易に配置することができるとともに、一対のシールロール間を通過する金属帯23の蛇行および板寄りを確実に防止することができる。
【0068】
またシールロール本体33には、フェルトシール34が外周部に張付けられる。フェルトシール34は、シールロール本体33よりも柔らかいので、シールロール間を通過する金属帯23に表面傷を発生させることを防止することができる。さらにフェルトシール34は、可撓性および弾発性を有するので、各シールロール27a,27bの位置が調整された時に形成されるシールロール本体33と金属帯23との隙間をフェルトシール34が塞ぎ、シール装置20のシール性を向上させることができる。
【0069】
またシール装置20が、通過位置検出手段49および制御手段48を有することによって、作業者が金属帯23の移動量を検出する必要がなく、また移動量に応じて、スクリュージャッキを操作する必要がないので、金属帯23の熱処理にかかわる人手を低減することができ、金属帯23の製造コストを低下することができる。また金属帯23の移動量に反応して、短時間で各スクリュージャッキを駆動させることができ、金属帯23のシールロール間の板寄りおよび蛇行を確実に防止することができる。
【0070】
また上述の記載は本発明の例示に過ぎず、発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえばシール開閉手段として、4つのスクリュージャッキを用いたが、他の伸縮手段を用いてもよい。シール開閉手段は、シールロールを所定位置に配置し、シールロール間を金属帯が通過しても、所定位置から変位することがなく、シールロールの移動距離を微調整可能なことが好ましく、スクリュージャッキのほかにたとえば油圧シリンダであってもよく、電動アクチュエータであってもよい。また複数の種類の手段を用いてもよく、たとえばスクリュージャッキと油圧シリンダを併用してもよい。
【0071】
また上述のシール装置20は、光輝焼鈍炉21の出口側にあるとして説明したが、光輝焼鈍炉21の入口側にあってもよく、さらに入口および出口側の両方にあってもよい。また金属帯23は、ステンレス鋼以外の鋼帯であってもよい。また光輝焼鈍炉以外の水素還元炉などの熱処理炉であってもよい。
【0072】
また第1の実施の形態に示す熱処理用シール装置は、制御手段48と通過位置検出手段49とを有したが、制御手段49および通過位置検出手段48は、なくてもよい。たとえば作業者が、シールロール間を通過した金属帯23を目視によって確認し、金属帯23の板寄りおよび蛇行に応じて、作業者がスクリュージャッキを操作してもよい。また作業者によって金属帯23の位置を調整することと制御手段48によって金属帯23の位置を調整することを併用してもよい。
【0073】
またたとえば通過位置検出手段49によって、金属帯23の幅方向移動速度を検出してもよく、金属帯23の幅方向移動速度が高い場合には、シールロール間の距離が所定距離に達する時間を短くし、金属帯幅方向移動速度が低い場合には、シールロール間の距離が所定距離に達するまでの時間を長くしてもよい。
【0074】
図12は、本発明の第2の実施の形態のシール装置120を示す平面図である。他の実施の形態のシール装置120は、図1に示すシール装置20と類似した構成であり、同一の部分については、説明を省略し同一の符号を付す。図12に示すシール装置120は、図1に示すシール装置と同様の一対のロールシール27a,27b、通過位置検出手段48および制御手段49を有し、各シールロール27a,27bの位置を調整するシール開閉手段の構成が異なる。
【0075】
シール開閉手段は、シールロール間の距離を調整するための偏心カム73,74と、各偏心カム73,74をそれぞれ個別に回転させる回転手段75,76と、一方のシールロール27a,27bの位置を調整する平行位置決めストッパ77,78と、一対のシールロール27a,27bを互いに近接する方向に押付ける押付け手段であるエアシリンダ71a,71b,72a,72bとを有する。
【0076】
偏心カム73,74は、シールロールの両側にそれぞれ設けられる。シールロール一端部側の偏心カム73は、一方のシールロール27aの一端部に設けられる軸受28aと、他方のシールロール27bの一端部に設けられる軸受28bとの間に設けられ、前記各軸受28a,28bにともに摺接する。またシールロール他端部側の偏心カム74は、一方のシールロール27aの他端部に設けられる軸受29aと、他方のシールロール27bの他端部に設けられる軸受29bとの間に設けられ,前記各軸受29a,29bにともに摺接する。
【0077】
各偏心カム73,74は、各偏心カム73,74に設けられる回転軸まわりに回転自在に設けられ、周方向に関して回転軸線からの距離が変化する接触面を有し、この接触面が各軸受に転がり接触する。回転手段75,76は、各偏心カム73,74ごとに設けられ、偏心カムをその回転軸線まわりに個別に回転させる。各回転手段75,76はたとえば電動モータによって実現される。
【0078】
平行位置決めストッパ77,78は、各シールロール27a,27bの両側にそれぞれ設けられる。シールロール軸線方向一方B1側の平行位置決めストッパ77は、他方のシールロール27bに設けられる軸受28bに対向して、一方のシールロール27aに設けられる軸受28aに取り付けられる。またシールロール軸線方向他方B2側の平行位置決めストッパ78は、他方のシールロール28bに設けられる軸受29bに対向して、一方のシールロール27aに設けられる軸受29aに取り付けられる。各ストッパ77,78は、一方のシールロール側の軸受28a,29aに固定され、一方のシールロール側の軸受28a,28bから突出する突出量を変更可能に設けられる。たとえば、平行位置決めストッパ77,78は、ねじ機構が用いられて突出量が変更可能に構成される。またたとえば、金属帯23の厚さ寸法に応じて厚さの異なる平行位置決めストッパ77,78が着脱可能に取り付けられる。
【0079】
エアシリンダ71a,71b,72a,72bは、各シールロール27a,27bに設けられる軸受28a,28b,29a,29bごとにそれぞれ設けられる。各エアシリンダ71a,71b,72a,72bは、それぞれの軸受28a,28b,29a,29bを押付ける。したがってシールロール軸線方向一方B1側の偏心カム73は、一方のシールロール27aのシールロール軸線方向一方B1側の軸受28aに取り付けられた平行位置決めストッパ77と当接し、さらに他方のシールロール27bのシールロール軸線方向一方B1側の軸受28bと当接する。同様にシールロール軸線方向他方B2側の偏心カム74は、一方のシールロール27aのシールロール軸線方向他方B2側の軸受28bと当接し、さらに他方のシールロール27bのシールロール軸線方向他方B2側の軸受29bと当接する。これによってシールロール間隔が、各偏心カム73,74および平行位置決めストッパ77,78によって決定することができる。各エアシリンダ71a,71b、72a,72bは、各軸受をそれぞれ常時押付け、少なくとも平行位置決めストッパ77,78と偏心カム73,74および偏心カム73,74と各軸受28b、29bとが当接し、隙間が開かないだけの圧力が維持される。
【0080】
図13は、シール装置120の側面を簡略化して部分的に示す側面図であり、図13(1)は、シールロール軸線方向一方側の各軸受間の距離L3が長い場合を示し、図13(2)シールロール軸線方向一方側の各軸受間の距離L4が短い場合を示す。各軸受28a,28bの中心81a,81bを結ぶ直線に平行な仮想一直線79が、偏心カム73と2点80a,80bで交差し、その交差点80a,80bの間の距離が最も長くなる距離は、偏心カム73が回転することによって変化する。これは、偏心カム73は、偏心、すなわち周方向に関して回転軸からの距離が変化するからである。
【0081】
エアシリンダ71a,71bによって、各軸受28a,28bは、常に、互いに近接する方向に力を受ける。したがって各軸受28a,28bのうちの一方の軸受28aは、偏心カム73の前記2つの交差点80a,80bのうちの一方の交差点80a部分で偏心カム73と当接し、他方の軸受28bは、偏心カム73の他方の交差点81b部分で偏心カム73と当接する。したがってシールロール軸線方向一方B1側の偏心カム73を回転させることによって、シールロール軸線方向一方B1側の軸受間の距離を変化させることができる。同様にシールロール軸線方向他方B2側の偏心カム74を回転させることによって、シールロール軸線方向他方B2側の軸受間の距離を変化させることができる。
【0082】
たとえば図13(1)に示す交差点80a,80b間の距離が長い状態から、図13(2)に示す交差点80a,80b間の距離が短い状態に、偏心カム74を回転させることによって、軸受間の距離を縮小することができる。また一方のシールロール27aの軸受28aから平行位置決めストッパ77が突出する突出量L5を変更することによっても軸受間の距離を調整することができる。
【0083】
制御手段48は、各偏心カム73,74をそれぞれ個別に回転させる各回転手段76,77を個別に駆動させる手段であって、通過位置検出手段49の検出結果に基づいて、各回転手段76,77を駆動させる。制御手段48は、図1に示すシール装置20と同様の操作を行い、たとえば金属帯23が、所定の金属帯通過位置からシールロール軸線方向一方B1側に移動した場合、軸線方向一方B1側部分のシールロール間隔を、軸線方向他方B2側部分のシールロール間隔よりも大きくするように偏心カム73を回転させる。
【0084】
図14は、金属帯位置決め動作を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートと類似する。まず、ステップa0では、作業者によって、金属帯23を光輝焼鈍炉21によって熱処理させる準備が行われ、準備が完了すると、金属帯位置決め動作中に各エアシリンダによって軸受を押付けさせる。以後金属帯位置決め動作中には、各エアシリンダが各軸受に押付け力を与え、平行位置決めストッパまたは偏心カムに各軸受が密着するに十分な圧力を維持させる。このような動作が完了するとステップa1に進む。ステップa1では、作業者によって、平行位置決めストッパ77,78の、一方のシールロール27aに設けられる各軸受28a,29aからの突出する量が調整され、ラインセンタ47と各シールロールの軸線32a,32bが平行となるように調整される。各シールロール27a,27bがラインセンタ47に対して平行に調整されると、ステップa2に進む。
【0085】
ステップa2では、制御手段48がシールロール間を通過する金属帯23の厚みに応じて、シールロールの軸線方向両端部に設けられる各偏心カム73,74を回転させるように回転手段75,76に命令する。これによって各シールロール27a,27bが、ラインセンタ47に対して平行に保たれた状態で、シールロール間の距離が調整される。このように制御手段48がシールロール間の距離を調整するとステップa3に進む。
【0086】
ステップa3では、制御手段48が通過位置検出手段49から金属帯23の移動量を表す信号を受けて、金属帯23が所定通過位置からシールロール軸線方向Bに変位移動しているか否かを判定する。すなわち制御手段48は、金属帯23が板寄りおよび蛇行をしているか否かを判断し、板寄りおよび蛇行をしている場合には、ステップa4に進み、そうでなければステップa5に進む。
【0087】
ステップa4では、制御手段48が、通過位置検出手段49から与えられた情報に応じて、各偏心カム73,74をそれぞれ個別に駆動させ、金属帯23を所定通過位置に移動させる。金属帯23の所定通過位置への移動が完了するとステップa5に進む。ステップa5は、制御手段48が金属帯23の通過が完了したか否かを判断し、金属帯23のシールロール間の通過が完了していないと判断すると、ステップa5に戻る。また金属帯23のシールロール27a,27bの通過が完了していると判断すると、ステップa6に進む。したがってステップa5で制御手段48が金属帯23の通過が完了したと判定するまで、ステップa3〜ステップa5を繰り返し、シールロール間を通過する金属帯23の板寄りおよび蛇行を修正することができる。ステップa6では、金属帯23の通過が完了し、金属帯の位置決め動作が終了する。このような動作は、第1の実施の形態と同様に、制御手段48および通過位置検出手段49に換えて、作業者が行ってもよい。
【0088】
以上のように本発明の第2の実施の形態に従えば、本発明の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。またエアシリンダによる押付け力は、偏心カムに与えられ、偏心カムは、シールロール間の距離を所定の値に保つ。したがって従来のエアジャッキの圧力を金属帯23に与える場合に比べて、シールロール間の距離を確実にかつ容易に調整することができる。さらに既存の装置を利用することができる。また平行位置決めストッパ77,78および偏心カム73,74に替えて、シール間距離を調節する他の調節手段を有してもよい。他の調整手段としてたとえば電動ジャッキなどで実現される。
【0089】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、通過する金属帯の厚さにかかわらず、シールロールに与える押付け圧を一定にし、シール開閉手段によって、シールロールの配置位置を調整するので、一対のシールロールを互いに平行に保つことができ、金属帯の板寄りを修正することができる。またシールロールの端部を個別に変位させることができるので、金属帯の形状に応じて各シールロールの配置位置を調整し、金属帯の蛇行および板寄りを修正することができる。金属帯の板寄りおよび蛇行をなくすことによって、板寄り時に発生する金属帯幅方向端部の折れ、板切れおよび蛇行時の速度低下が生じることがなく、歩留まりを向上させることができ金属帯を安価に製造することができる。また金属帯の蛇行および板寄りをなくすことによって非定常操業を防止することができる。これによって非定常操業状態から定常操業状態に修復するために費やす時間をなくし、短時間あたりに製造される金属帯を多くすることができる。
また、通過位置検出手段によって、金属帯の通過位置を検出することができ、検出結果に基づいて、シール開閉手段がシールロールの端部を個別に変位させることができる。これによって作業者が金属帯の通過位置を確認してシール開閉手段を操作する必要がなく、利便性を向上することができる。また通過位置検出手段による検出結果信号をシール開閉手段に与えることによって、シール開閉手段は、検出結果からロールの変位量を短時間かつ容易に算出することができる。
【0090】
また本発明によれば、シール開閉手段がシールロールを一箇所に保持することによって、シールロールが任意の位置からずれることを防止することができる。シールロールは、金属帯の影響によって変位することがなく、確実な位置調整を行うことができる。これによって互いのシールロールを平行に保つことができ、また金属帯の板寄りおよび蛇行をより確実に防止することができる。
【0091】
また本発明によれば、シールロール間の距離を調整することができ、所定の通過位置に金属帯を通過させることができる。これによって金属帯の蛇行および板寄りを修正し、安定した金属帯の搬送を実現することができる。
【0093】
また本発明によれば、スクリュージャッキの出力軸を伸縮させることによって、シールロールの両端部をそれぞれ変位させることができ、これによってシールロールの配置位置を調整することができる。スクリュージャッキは、その構造から出力軸自体に力が加わっても伸縮することがなく、入力軸の回転に応じて伸縮する。これによってシールロールの端部を任意の位置に配置させることができるとともに、金属帯からシールロールを変位させようとする力が働いても、スクリュージャッキがシールロールの移動を修正する。これによって金属帯からの影響を受けることなく、互いのシールロールを平行に保つことができ、また金属帯の板寄りおよび蛇行をより確実に修正することができる。またスクリュージャッキは、省スペースで振動が少なく高精度の位置決めを行うことができる。
【0094】
また本発明によれば、油圧シリンダのピストンロッドを伸縮させることによって、シールロールの両端部をそれぞれ変位させることができ、これによってシールロールの配置位置を調整することができる。油圧シリンダは、大きい出力が得られるとともに、振動が少なく円滑に動作させることができる。また位置決めおよび変位速度の調整が容易なので、任意の時間にシールロールを所定の位置に確実に移動させることができる。また油圧シリンダは、ピストンロッドが外力を受けて変位する量がエアシリンダに比べて小さい。したがってシールロールの端部を任意の位置に配置させることができるとともに、金属帯からシールロールを変位させようとする力が働いても、油圧シリンダがシールロールの移動を防止する。
【0095】
本発明によれば、一対のシールロールの回転軸または回転軸に連結される連結部材にともに摺動可能に設けられる偏心カムが、シールロールの一端部側および他端部側にそれぞれ設けられる。各シールロールは、押付け手段によって互いに近接する方向に押付けられるので、回転軸または回転軸に連結される連結部材が偏心カムに当接する。これによって一対のシールロール間距離は、偏心カムによって所定の距離に調整される。
【0096】
各回転手段は、各偏心カムを回転させることによって、偏心カムが回転軸または連結部材を摺動し、一端部側および他端部側シールロール間の距離を拡縮させることができる。これによって一端部側シールロール間距離と他端部側シールロール間距離とを個別に調整することができる。このようにシールロール間の距離を調整することによって、シールロールの配置位置を調整することができる。
【0097】
偏心カムが一対のシールロールの間に設けられることによって、シールロールが偏心カムによって設定される位置よりも、互いのシールロールに対して近接する方向に移動することがなく、シールロールの位置調整を容易にかつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の熱処理炉用シール装置20を示す平面図である。
【図2】本発明のシール装置20が設けられる光輝焼鈍炉21を示す断面図である。
【図3】スクリュージャッキ30aの外観を示す斜視図である。
【図4】スクリュージャッキ30aを示す分解斜視図である。
【図5】金属帯23の厚み寸法が小さい場合のシール装置の一部を示す側面図である。
【図6】金属帯23の厚み寸法が大きい場合のシール装置の一部を示す側面図である。
【図7】軸線方向一方側B1のシールロール間の距離を縮小した場合を示すシール装置20の平面図である。
【図8】光輝焼鈍炉21の出口に設けられるシール装置20のより詳細な構成を示す側面図である。
【図9】通過位置検出手段49の概略を示す平面図である。
【図10】図9の切断面線X−Xで切断した通過位置検出手段49の断面図である。
【図11】金属帯位置決め動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2の実施の形態のシール装置120を示す平面図である。
【図13】シール装置120の側面を簡略化して部分的に示す側面図である。
【図14】金属帯位置決め動作を示すフローチャートである。
【図15】従来の技術の金属帯に熱処理を行う熱処理炉1の出口部分を簡略化して示す断面図である。
【図16】従来の技術の熱処理用シール装置6を示す側面図である。
【図17】熱処理用シール装置6を簡略化して示す側面図である。
【符号の説明】
20 熱慮利用シール装置
21 光輝焼鈍炉
22 炉内ガス
23 金属帯
27a,27b シールロール
28a,28b,29a,29b 軸受
30a,30b,31a,31b スクリュージャッキ
32a,32b シールロールの軸線
33 シールロール本体
34 フェルトシール
35a,35b,36a,36b 回転軸
37a,37b,38a,38b 出力軸
Claims (6)
- 金属帯に熱処理を行う熱処理炉の出口側および入口側の少なくともいずれか一方に設けられ、金属帯を厚み方向両側から協働して挟持する一対のシールロールと、
少なくとも一方のシールロールの両端部の配置位置を個別に調整するシール開閉手段と、
シールロール間を通過する金属帯の幅方向位置を検出する通過位置検出手段とを備え、
前記シール開閉手段は、前記通過位置検出手段の検出結果に基づいて、シールロールの両端部を個別に変位させることを特徴とする熱処理炉用シール装置。 - 前記シール開閉手段は、少なくとも一方のシールロールの端部を任意の位置に配置させた状態で、シールロールを回転可能に保持することを特徴とする請求項1記載の熱処理炉用シール装置。
- 前記シール開閉手段は、少なくとも一方のシールロールの一端部を変位させ、一対のシールロール間の距離を一端部側と他端部側とで異ならせることができることを特徴とする請求項1または2記載の熱処理炉用シール装置。
- 前記シール開閉手段は、
少なくとも一方のシールロールの回転軸両側にそれぞれ設けられ、回転軸または回転軸に連結される連結部材に固定される伸縮自在な出力軸と、
出力軸を伸縮させるための入力軸とを有するスクリュージャッキを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理炉用シール装置。 - 前記シール開閉手段は、
少なくとも一方のシールロールの回転軸両側にそれぞれ設けられ、回転軸または回転軸に連結される連結部材に固定される伸縮自在なピストンロッドを有する油圧シリンダを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理炉用シール装置。 - 前記シール開閉手段は、
一対のシールロール両側にそれぞれ設けられ、一対のシールロールを互いに近接させる方向に押付ける押付け手段と、
一対のシールロールの両端部間に設けられ、一対のシールロールの回転軸または回転軸に連結される連結部材にともに摺動可能に当接する2つの偏心カムと、
各偏心カムを個別に回転させる回転手段とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱処理炉用シール装置。
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