JP4283355B2 - 薬剤用徐放化剤及びそれを含有した徐放性医薬組成物 - Google Patents

薬剤用徐放化剤及びそれを含有した徐放性医薬組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は薬剤用徐放化剤及びそれを含有した徐放性医薬組成物に関する。より詳しくは、本発明は、特定の非架橋型陰イオン交換樹脂からなる薬剤用徐放化剤、並びにその薬剤用徐放化剤と脂質低下作用を有する薬剤とを含有する高脂血症の予防または治療に有用な徐放性医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、活性成分をイオン交換樹脂に結合する方法がいくつかの特許において開示されている。例えば、英国特許第857,193号の記載によれば、活性成分がカチオン性またはアニオン性のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂に固定されている。また、いくつかの特許において活性成分-樹脂複合体をコーティングする方法が記載されている。例えば、米国特許第3,138,525号は、アンプロトロピン(amprotopine) の味を隠蔽するためにカチオン性樹脂との複合体を形成し、蝋によってコーティングする方法を開示している。また、英国特許第1,218,102号は、カチオン性活性成分をアニオン性樹脂に固定した複合体を例えば流動空気床装置でコーティングする方法を記載している。更に、特開平3-52824号公報は、活性成分-イオン交換樹脂複合体に、該樹脂の極性に対して反対の極性を有するイオン性ポリマーの被覆を施して成る、活性成分の放出速度を調節できる徐放性薬剤を記載している。
【0003】
しかしながら、活性成分がアニオン性薬剤や脂溶性薬剤である場合に充分な徐放作用を奏する徐放化剤としては未だ充分なものは開発されておらず、特に従来は副作用を充分に回避しつつ複数の脂質低下薬剤を組合わせて使用することが困難であった高脂血症の予防または治療用薬剤の徐放化に有用な徐放化剤の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、活性成分がアニオン性薬剤や脂溶性薬剤である場合に充分な徐放作用を奏することが可能であり、特に高脂血症の予防または治療用薬剤の徐放化に有用な徐放化剤(sustainedly releasing agent)、並びにそれを含有した徐放性医薬組成物(sustainedly released medicinal composition)を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明者らによって胆汁酸吸着剤の欠点を解決する血中コレステロール低下剤として開発された特開平8-208750号公報に記載の下記一般式(II)
【0006】
【化3】
Figure 0004283355
[式中、R1はベンジル基または炭素数1〜20のアルキル基、R2およびR3は同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1〜4の低級アルキル基、R4は水素原子または低級アルキル基、X-は生理学的に許容される対イオン、nは1〜3、pは平均重合度10〜10,000をそれぞれ示す]
で示される非架橋型陰イオン交換樹脂が、意外にも非架橋型陰イオン交換樹脂でありながら疎水基も有しているため、活性成分を特にアニオン性薬剤、脂溶性薬剤とした場合に薬剤用徐放化剤として有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明の薬剤用徐放化剤は、下記一般式(I)
【0008】
【化4】
Figure 0004283355
[式中、Rは炭素数7〜10のアラルキル基を示し、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1〜4の低級アルキル基、Rは水素原子または低級アルキル基、Xは生理学的に許容される対イオン、nは1〜3、pは平均重合度をそれぞれ示す]
で示される非架橋型陰イオン交換樹脂からなる薬剤用徐放化剤である。
【0009】
また、本発明の徐放性医薬組成物は、上記一般式(I)で示される非架橋型陰イオン交換樹脂からなる薬剤用徐放化剤と、脂質低下作用を有する薬剤とを含有してなる徐放性医薬組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の薬剤用徐放化剤は、上記一般式(I)で表わされる非架橋型陰イオン交換樹脂からなるものである。上記一般式(I)中、置換基R1は炭素数7〜10のアラルキル基または炭素数1〜20のアルキル基であり、アラルキル基のアリール基は置換基を有していてもよいが無置換のものが好ましく、また、アルキル基は直鎖状または分枝状のものであってもよい。このようなアラルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられ、また、このようなアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、ヘキシル基、ドデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等が挙げられるが、より好ましくはベンジル基である。
【0011】
置換基R2およびR3は、同一または異なってもよく、各々炭素数1〜4の低級アルキル基であり、直鎖状または分枝状のものであってもよい。このような低級アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基等が挙げられるが、より好ましくはメチル基である。
【0012】
置換基R4は水素原子または低級アルキル基であり、低級アルキル基は直鎖状または分枝状のものであってもよく、このような低級アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基等が挙げられる。かかる置換基R4は、より好ましくは水素原子である。
【0013】
対イオンX-は、生理学的に許容される対イオンであれば特に制限されないが、例えばハロゲン;硫酸塩、重炭酸塩、炭酸塩等の無機酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、スクシン酸塩、フマル酸塩、アスコルビン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、グルクロン酸塩、アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩)等の有機酸塩のアニオンが挙げられ、中でも硫酸イオン、リン酸イオン、ハライドイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン、フッ素イオン)が好ましく、特に塩素イオンが好ましい。
【0014】
更に、メチレン基(-CH2-)の構造単位であるnは1〜3の整数であり、好ましくは2である。また、上記一般式(I)におけるpは平均重合度を示し、かかる平均重合度pが10〜50,000であると薬剤に対する徐放化作用が高くなる傾向にあるため好ましく、より好ましくは20〜30,000であり、更に好ましくは20〜20,000である。
【0015】
このような本発明にかかる上記一般式(I)で表わされる非架橋型陰イオン交換樹脂の具体例としては、例えば以下のもの:
ポリ(アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド)、
ポリ(メタクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド)、
ポリ(アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロライド)、
ポリ(メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロライド)、
ポリ(アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−ヘキシルアンモニウムクロライド)、
ポリ(メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−ヘキシルアンモニウムクロライド)、
ポリ(アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−ドデシルアンモニウムクロライド)、
ポリ(メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−ドデシルアンモニウムクロライド)、
ポリ(アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−オクチルアンモニウムクロライド)、
ポリ(メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−オクチルアンモニウムクロライド)、
が挙げられ、ポリ(アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−ベンジルアンモニウムクロライド)がより好ましい。
【0016】
また、本発明にかかる非架橋型陰イオン交換樹脂の製造方法は特に制限されないが、例えば、対応するモノマーの四級アンモニウム塩を調製し、これをラジカル重合剤等の重合開始剤の存在下に重合させて製造することが可能である。
【0017】
本発明の薬剤用徐放化剤は、上記一般式(I)で表わされる非架橋型陰イオン交換樹脂からなるものであり、それ単独でも他の薬剤と組合せて使用することができるが、本発明の薬剤用徐放化剤と薬剤とを含有してなる徐放性医薬組成物として使用することが好ましい。また、本発明の徐放性医薬組成物においては上記薬剤用徐放化剤と薬剤とが含有されていればよく、それらの形態は特に制限されないが、上記薬剤用徐放化剤中に薬剤が分散していることが好ましい。
【0018】
かかる薬剤としては特に制限されないが、本発明にかかる上記非架橋型陰イオン交換樹脂自体にもコレステロール低下作用があるため、脂質低下作用を有する薬剤(以下、場合により「脂質低下剤」という)と組合せて使用することが好ましい。特に、高脂血症の予防または治療用の薬剤と上記一般式(I)に示した非架橋型陰イオン交換樹脂からなる徐放化剤とを組合せて用いる場合、血中コレステロール低下作用の相乗効果が得られるのでより好ましい。
【0019】
上記一般式(I)の非架橋型陰イオン交換樹脂からなる徐放化剤と組み合わせ使用する脂質低下剤としては、非架橋型陰イオン交換樹脂のような胆汁酸吸着剤とは作用機序が全く異なるものが好ましい。そのような脂質低下剤としては、プロブコール、クロフィブラート系薬剤、ニコチン酸製剤、スクアレンシンターゼ阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムA(HMG-CoA)リダクターゼ阻害剤およびアシルコエンザイムA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤等が挙げられ、HMG-CoAリタクターゼ阻害剤がより好ましい。
【0020】
特に HMG-CoAリダクターゼ阻害剤は近年頻用されており、血清総コレステロールを約15〜20%低下させるなど、血清コレステロールのコントロールは比較的容易になった。このようなHMG-CoAリダクターゼ阻害剤としては、プラバスタチン(U.S.特許 No.4346227及びU.S.特許 No.4410629)、セリバスタチン(U.S.特許 No.5006530及びU.S.特許 No.5177080)、ロバスタチン(U.S.特許 No.4231938及びU.S.特許 No.4294926)、フルバスタチン(U.S.特許 No.473973及びU.S.特許 No.5354772)、アトロバスタチン(U.S.特許 No.5273995)及びシンバスタチン(U.S.特許 4450171)等が挙げられ、プラバスタチンのようなアニオン性薬物がより持続的効果を示すことからより好ましい。
【0021】
なお、血清総コレステロールが300 ml/dlを超えるような重症例は多く、単剤によるコレステロール低下では満足しえない。このことは、例えばイリングワース・D.R.の論文「Clin. Chem.」(34、No. 8、増補、B123-B132、1988年)、標題「コレステロール過剰血症の薬物療法」において「厳しいコレステロール過剰血症において、作用機構の異なる2又は3種の薬物の組み合わせを使用することが出来る。厳しいコレステロール過剰血症を持つ患者において、現在入手できる薬物は血漿コレステロールを十分に低下させて、早期アテローム硬化の経過を変えうることが結論づけられる。」のように記載されていることからも明らかである。従って、徐放化作用と共にそれ自体にもコレステロール低下作用がある上記非架橋型陰イオン交換樹脂からなる徐放化剤を上記脂質低下剤と組合せて用いる本発明の徐放性医薬組成物は、高脂血症の予防または治療のための薬剤を組み合わせて使用しているという観点からも有用である。
【0022】
また、場合によっては脂質低下剤を組み合わせて使用する場合は、副作用を伴う可能性がある。このことは、例えば、ノーマン・D.J.らが「N.Engl. J.Med.」(Vol. 318、No. 1、46及び47頁、1988年1月7日)の中で、ロバスタチンをニコチン酸と組み合わせて受容した心臓移植者において、筋融解及び急性腎不全が起こることを開示していることからも明らかである。従って、徐放化作用と共にそれ自体にもコレステロール低下作用がある上記非架橋型陰イオン交換樹脂からなる徐放化剤を上記脂質低下剤と組合せて用いる本発明の徐放性医薬組成物は、このような副作用を減弱させるうえでも有効である。
【0023】
本発明の徐放性医薬組成物においては、薬剤の徐放化作用を有する上記非架橋型陰イオン交換樹脂が医薬的有効量の薬剤(好ましくは上記脂質低下剤)と組み合わされて、好ましくは経口用として使用される。
【0024】
使用される脂質低下剤と非架橋型陰イオン交換樹脂との重量比は特に制限されないが、好ましくは0.001:1〜10:1の範囲、より好ましくは0.01:1〜5:1の範囲内で適宜処方される。
【0025】
本発明の徐放性医薬組成物は、その有効成分のそれぞれ単独使用によって得られる効果を超えて、追加の抗コレステロール血症効果を付与しうる点で、高脂血症の治療において意外でかつユニークな効果を奏するものである。従って、薬剤(好ましくは脂質低下剤)及び上記非架橋型陰イオン交換樹脂のそれぞれの用量は減少させても、それらの相乗作用によって所望の薬理効果が達成され、しかも副作用も軽減しうる。さらに、上記本発明にかかる非架橋型陰イオン交換樹脂は、組み合わて使用する薬剤の徐放化作用を有し、その効果に持続性を与えるため、所望の薬理効果がより長期間にわたってより効果的に達成される。
【0026】
上記一般式(I)の非架橋型陰イオン交換樹脂からなる徐放化剤がかかる徐放化作用を奏する理由は定かではないが、本発明者らは以下のように考える。すなわち、上記一般式(I)で示される非架橋型陰イオン交換樹脂は物理的性質として吸水性を示し、吸水するとゲル状になり最終的には水に溶解する。また、適度な水の量において適度な粘性を有し、体内における流動性が維持できる。そのため、このような物理的性質に起因して、薬剤(好ましくは脂質低下剤)における徐放化という目的が意外にも達成される。つまり、薬剤と上記一般式(I)で示される非架橋型陰イオン交換樹脂(本発明の徐放化剤)とをブレンドして製剤を処方し、例えば経口投与することでその製剤は体内において錠剤の形態が崩壊され、体内の水分を錠剤中の徐放化基剤が徐々に吸水してゲル状となり、その中に薬剤である薬効成分が取り込まれた状態を形成する。更に、体内の水分を吸収するに従って薬効成分の取り込みは弱くなり、体内の胃又は下部消化管内において薬物が徐々に放出される。従って、本発明の徐放化剤は薬効成分の徐放化を目的とした基剤として十分に有効であると考えられる。
【0027】
本発明の薬剤用徐放化剤を含有してなる徐放性医薬組成物を用いて治療を行うに当たり、哺乳動物、たとえばサル、イヌ、ネコ、ラット、ヒト等に投与してもよく、このような徐放性医薬組成物は通常の経口投与用剤形、たとえば錠剤、顆粒剤、カプセル剤等の剤形で調合することができ、経口投与用の錠剤またはカプセル剤がより好ましい。また上記剤形を形成するにあたって、必要に応じて担体物質、賦形剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、緩衝剤、抗菌剤、増量剤、酸化防止剤などを包含せしめてもよい。
【0028】
本発明の徐放性医薬組成物の投与量は、患者の年令、体重および症状、並びに投与経路、投与剤形、生活規制および所望結果に応じて、注意深く調整しなければならない。すなわち、経口投与の場合、満足な結果を得るには、HMG-CoAリタクターゼ阻害剤が例えばプラバスタチンの場合、1〜100 mgの範囲内の用量で用い、これと組み合わせてなる非架橋型陰イオン交換樹脂を1〜2000 mg、好ましくは1〜500 mgの範囲内の用量で用いればよい。その場合、HMG-CoAリタクターゼ阻害剤と非架橋型陰イオン交換樹脂は同一の経口投与用剤形中で使用されることが好ましい。本発明の薬剤用徐放化剤を含有してなる徐放性医薬組成物は、上述の剤形で1日あたり1回用量又は2〜4回用量の分割用量で投与することが出来る。患者への投与は、低用量で開始し、その後徐々に高用量とすることが得策である。
【0029】
本発明の薬剤用徐放化剤を含有してなる徐放性医薬組成物においては、有効成分の1種または複数種を上記範囲用量で含有し、残りが生理学的に許容しうる担体または通常の医薬実務で許容される他の物質であることが好ましく、例えば全重量2〜2000 mgの各種寸法の錠剤を製造することができる。また、本発明の徐放性医薬組成物を同様にしてゼラチンカプセルにすることもでき、かかる投与剤形は1日あたり1〜4回患者に投与することができる。
【0030】
本発明の薬剤用徐放化剤を含有してなる徐放性医薬組成物の調合に際し、上記量の有効成分を、個々のタイプの単位投与用剤形にて、通常の医薬実務に従い、生理学的に許容しうる担体、賦形剤、結合剤、保存剤、安定剤、フレーバー等と共に配合することが可能である。錠剤に添加しうるアジュバンドの具体例としては、トラガントゴム、アラビアゴム、結晶セルロース、コーンスターチ、ゼラチンなどの結合剤;無水リン酸水素カルシウム、ラクトース、セルロースなどの賦形剤;コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸マグネシウムなどの潤滑剤;スクロース、アスパルテーム、サッカリンなどの甘味剤;オレンジ、ペパーミント、冬緑油、チェリーなどのフレーバーが挙げられる。また、単位投与用剤形がカプセルの時、カプセル剤は上記種類の物質に加えて、脂肪油などの液体担体を含有しても良い。更に、単位投与用剤形の物理的形態の改変のため、あるいはコーティングとして他の種々の物質を共存させても良い。例えば、錠剤またはカプセル剤にセラックもしくはシュガーまたは両方を塗布しても良い。
【0031】
なお、上記の有効成分の幾つかは、一般に公知で医薬的に許容しうる塩、例えばアルカリ金属塩および他の一般的塩基性塩または酸付加塩を形成する。従って、本明細書における基本物質に関する言及は、記載されている化合物と実質的に等価とみなすことができる一般的なその化合物の塩を含むことを意図する。
【0032】
本発明の徐放性医薬組成物は長期間にわたり、即ち、4週間〜6ヶ月あるいはそれ以上、例えば血清コレステロール値が高い限り投与されてもよい。また、週2回、週1回、月1回の割合で所定用量を付与し得るような徐放性医薬組成物として使用することも可能であり、最小限度の薬効を得るには少なくとも1〜2週間の投与期間が好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例、並びに比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0034】
非架橋型陰イオン交換樹脂の調製
還流冷却器及び滴下ロートを取り付けた2口フラスコ中にアクリロイルオキシエチルN,Nジメチルアミン85.9 g(0.6モル)、アセトン160 g、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.1 gを加え、均一に混合した。得られた混合液に塩化ベンジル75.9 g(0.6モル)を約15分で滴下し、撹拌しながら室温で一夜放置した。得られた反応物をアセトン500 mlで洗浄して、アクリロイルオキシエチルN,Nジメチルベンジルアンモニウムクロライドの結晶を得た。
【0035】
得られたアクリロイルオキシエチルN,Nジメチルベンジルアンモニウムクロライドの結晶150 gを、還流冷却器を取り付けた3口セパラブルフラスコ中で精製水280 gに溶解し、フラスコ中を5時間窒素置換した。得られた溶液の反応温度を65℃に保ち、重合開始剤として2,2'アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.01 gを添加し、約20時間反応させた後に、得られた反応物をアセトン中で再沈せしめて以下の構造式(III)
【0036】
【化5】
Figure 0004283355
で示される本発明にかかる非架橋型陰イオン交換樹脂を得た。このようにして得られた非架橋型陰イオン交換樹脂を、以下の実施例及び比較例において用いた。
【0037】
比較例1
成分 重量部
プラバスタチン 10
ラクトース 64
微結晶セルロース 20
クロスカルメロース・ナトリウム 2
ステアリン酸マグネシウム 1
酸化マグネシウム 3。
【0038】
上記諸成分を含有する錠剤形状のプラバスタチン製剤を、以下の手順に従って製造した。すなわち、上記プラバスタチン、酸化マグネシウム及びラクトースの一部(30%)を、適当なミキサーにて2〜10分間混合した。得られた混合物を#12〜#40メッシュサイズスクリーンに通した。微結晶セルロース、クロスカルメロース・ナトリウムおよび残りのラクトースを加え、混合物を2〜10分間混合した。次いでステアリン酸マグネシウムを加え、混合を1〜3分間続けた。次に、得られた均質混合物を打錠して、10 mgのプラバスタチンを含有する高脂血症の予防または治療用錠剤を得た。
【0039】
比較例2
成分 重量部
プラバスタチン 27
ラクトース 47
微結晶セルロース 20
クロスカルメロース・ナトリウム 2
ステアリン酸マグネシウム 1
酸化マグネシウム 3。
【0040】
上記諸成分を有する錠剤形状のプラバスタチン製剤を、以下の手順に従って製造した。すなわち、上記プラバスタチン、酸化マグネシウム及びラクトースの一部(30%)を、適当なミキサーにて2〜10分間混合した。得られた混合物を#12〜#40メッシュサイズスクリーンに通した。微結晶セルロース、クロスカルメロース・ナトリウムおよび残りのラクトースを加え、混合物を2〜10分間混合した。次いでステアリン酸マグネシウムを加え、混合を1〜3分間続けた。次に、得られた均質混合物を打錠して、54 mgのプラバスタチンを含有する高脂血症の予防または治療用錠剤を得た。
【0041】
比較例3
成分 重量部
非架橋型陰イオン交換樹脂 89
微結晶セルロース 10
軽質無水ケイ素酸 0.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5。
【0042】
上記諸成分を含有する錠剤形状の非架橋型陰イオン交換樹脂製剤を、以下の手順に従って製造した。すなわち、微結晶セルロースと軽質無水ケイ素酸を適当なミキサーにて2〜10分間混合した。次いで非架橋型陰イオン交換樹脂の総量を4分割し、それぞれ5分間ずつに分けて前記混合物中に添加し混合した。その後、ステアリン酸マグネシウムを秤取し、ミキサーに入れ1分間混合した。次に、得られる均質混合物を打錠して、200 mgの非架橋型陰イオン交換樹脂を含有する高脂血症の予防または治療用錠剤を得た。
【0043】
比較例4
成分 重量部
非架橋型陰イオン交換樹脂 75
微結晶セルロース 24
軽質無水ケイ素酸 0.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5。
【0044】
上記諸成分を有する錠剤形状の非架橋型陰イオン交換樹脂製剤を、以下の手順に従って製造した。すなわち、微結晶セルロースと軽質無水ケイ素酸を適当なミキサーにて2〜10分間混合した。次いで非架橋型陰イオン交換樹脂の総量を4分割し、それぞれ5分間ずつに分けて前記混合物中に添加し混合した。その後、ステアリン酸マグネシウムを秤取し、ミキサーに入れ1分間混合した。次に、得られる均質混合物を打錠して、150 mgの非架橋型陰イオン交換樹脂を含有する高脂血症の予防または治療用錠剤を得た。
【0045】
実施例1
成分 重量部
非架橋型陰イオン交換樹脂 89
プラバスタチン 0.89
微結晶セルロース 9.11
軽質無水ケイ素酸 0.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5。
【0046】
上記諸成分を含有する錠剤形状のプラバスタチン及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤を、以下の手順に従って製造した。すなわち、上記プラバスタチン、微結晶セルロース、軽質無水ケイ素酸を適当なミキサーにて2〜10分間混合した。次いで非架橋型陰イオン交換樹脂の総量を4分割し、それぞれ5分間ずつに分けて前記混合物中に添加し混合した。その後、ステアリン酸マグネシウムを秤取し、ミキサーに入れ1分間混合した。次に、得られる均質混合物を打錠して2 mgのプラバスタチンと200 mgの非架橋型陰イオン交換樹脂を含有する高脂血症の予防または治療用錠剤を得た。
【0047】
実施例2
成分 重量部
非架橋型陰イオン交換樹脂 75
プラバスタチン 6.75
微結晶セルロース 17.25
軽質無水ケイ素酸 0.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5。
【0048】
上記諸成分を有する錠剤形状のプラバスタチン及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤を、以下の手順に従って製造した。すなわち、上記プラバスタチン、微結晶セルロース、軽質無水ケイ素酸を適当なミキサーにて2〜10分間混合した。次いで非架橋型陰イオン交換樹脂の総量を4分割し、それぞれ5分間ずつに分けて前記混合物中に添加し混合した。その後、ステアリン酸マグネシウムを秤取し、ミキサーに入れ1分間混合した。次に、得られる均質混合物を打錠して13.5mgのプラバスタチンと150 mgの非架橋型陰イオン交換樹脂を含有する高脂血症の予防または治療用錠剤を得た。
【0049】
実施例3
成分 重量部
非架橋型陰イオン交換樹脂 64
クロフィブラート 24
微結晶セルロース 11
軽質無水ケイ素酸 0.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5。
【0050】
上記諸成分を含有する錠剤形状のクロフィブラート及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤を、以下の手順に従って製造した。すなわち、上記クロフィブラート、微結晶セルロース、軽質無水ケイ素酸を適当なミキサーにて2〜10分間混合した。次いで非架橋型陰イオン交換樹脂の総量を4分割し、それぞれ5分間ずつに分けて前記混合物中添加し混合した。その後、ステアリン酸マグネシウムを秤取し、ミキサーに入れ1分間混合した。次に、得られる均質混合物を打錠して75 mgのクロフィブラートと200 mgの非架橋型陰イオン交換樹脂を含有する高脂血症の予防または治療用錠剤を得た。
【0051】
実施例4
成分 重量部
非架橋型陰イオン交換樹脂 70
ニコモール 21
微結晶セルロース 8
軽質無水ケイ素酸 0.5
ステアリン酸マグネシウム 0.5。
【0052】
上記諸成分を含有する錠剤形状のニコモール及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤を、以下の手順に従って製造した。すなわち、上記ニコモール、微結晶セルロース、軽質無水ケイ素酸を適当なミキサーにて2〜10分間混合した。次いで非架橋型陰イオン交換樹脂の総量を4分割し、それぞれ5分間ずつに分けて前記混合物中に添加し混合した。その後、ステアリン酸マグネシウムを秤取し、ミキサーに入れ1分間混合した。次に、得られる均質混合物を打錠して60 mgのニコモールと200 mgの非架橋型陰イオン交換樹脂を含有する高脂血症の予防または治療用錠剤を得た。
【0053】
試験例1<プラバスタチン錠とプラバスタチン及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤のin vitro溶出試験>
比較例1で作製したプラバスタチン錠と実施例1で作製したプラバスタチン及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤を用いて、日局「溶出試験法(パドル法)」に従ってプラバスタチンの溶出試験を行った。なお、試験中の撹拌速度は50 rpmとした。得られた結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0004283355
表1に示した結果から明らかなように、プラバスタチン錠を単独で用いた場合(比較例1)と比較して、プラバスタチン及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤を用いた場合(実施例1)はプラバスタチンの溶出が遅かった。すなわち、本発明にかかる非架橋型陰イオン交換樹脂はプラバスタチンを徐放化しており、プラバスタチンの薬効はより持続的に発現していることが確認された。
【0055】
試験例2<コレステロール負荷給餌NZW雄性ウサギによる血中コレステロール上昇抑制試験1>
コレステロール負荷給餌NZWウサギを用い、比較例1で作製したプラバスタチン10 mg錠(1錠/日)を用いた場合、比較例3で作製した非架橋型陰イオン交換樹脂200 mg錠(5錠/日)を用いた場合、実施例1で作製したプラバスタチン2 mg及び非架橋型陰イオン交換樹脂200 mg含有錠剤(5錠/日)を用いた場合、並びに比較例1で作製したプラバスタチン10 mg錠(1錠/日)と比較例3で作製した非架橋型陰イオン交換樹脂200 mg錠(5錠/日)とを併用した場合、における血中コレステロール上昇抑制効果について以下の通り実験を行なった。
【0056】
すなわち、NZW雄性ウサギに0.67%のコレステロールを含有する飼料を21日間与えた。コレステロール負荷開始後7日目にNZW雄性ウサギを各群の血清中総コレステロール値がほぼ等しくなるように群分けし、コレステロール負荷開始後8日目より上記各医薬組成物をそれぞれ14日間経口投与し続けた。薬剤投与開始日および14日目に採血し血清中総コレステロール値を測定して比較した。得られた結果を図1に示す。
【0057】
図1に示した結果から明らかなように、プラバスタチン2 mg及び非架橋型陰イオン交換樹脂200 mg含有錠剤(5錠/日)を用いた場合(実施例1)は、非架橋型陰イオン交換樹脂200 mg錠(5錠/日)のみを用いた場合(比較例3)、あるいはプラバスタチン10 mg錠(1錠/日)と非架橋型陰イオン交換樹脂200 mg錠(5錠/日)とを併用した場合(比較例1+比較例3)と比較して血中コレステロール上昇抑制作用に特に差はなかった。一方、プラバスタチン10 mg錠(1錠/日)のみを用いた場合(比較例1)との比較では、プラバスタチン2 mg及び非架橋型陰イオン交換樹脂200 mg含有錠剤(5錠/日)を用いた場合(実施例1)は血中コレステロール上昇抑制作用がより大きかった。従って、本発明にかかるプラバスタチン及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤は、プラバスタチン錠単独に比較して、血中コレステロール上昇を顕著に抑制することが可能であり、高脂血症治療に非常に有効であることが確認された。
【0058】
試験例3<コレステロール負荷給餌NZW雄性ウサギによる血中コレステロール上昇抑制試験2>
コレステロール負荷給餌NZWウサギを用い、比較例2で作製したプラバスタチン54 mg錠(1錠/日)を用いた場合、比較例4で作製した非架橋型陰イオン交換樹脂150 mg錠(4錠/日)を用いた場合、実施例2で作製したプラバスタチン13.5 mg及び非架橋型陰イオン交換樹脂150 mg含有錠剤(4錠/日)を用いた場合、並びに比較例2で作製したプラバスタチン54 mg錠(1錠/日)と比較例4で作製した非架橋型陰イオン交換樹脂150 mg錠(4錠/日)とを併用した場合、における血中コレステロール上昇抑制効果について以下の通り実験を行なった。
【0059】
すなわち、NZW雄性ウサギに0.67%のコレステロールを含有する飼料を21日間与えた。コレステロール負荷開始後7日目にNZW雄性ウサギを各群の血清中総コレステロール値がほぼ等しくなるように群分けし、コレステロール負荷開始後8日目より上記各医薬組成物をそれぞれ14日間経口投与し続けた。薬剤投与開始日および14日目に採血し血清中総コレステロール値を測定して比較した。得られた結果を図2に示す。
【0060】
図2に示した結果から明らかなように、プラバスタチン13.5 mg及び非架橋型陰イオン交換樹脂150 mg含有錠剤(4錠/日)を用いた場合(実施例2)は、プラバスタチン54 mg錠(1錠/日)のみを用いた場合(比較例2)、並びに非架橋型陰イオン交換樹脂150 mg錠(4錠/日)のみを用いた場合(比較例4)と比較して有意な血中コレステロール上昇抑制作用を示した。さらに、プラバスタチン54 mg錠(1錠/日)と非架橋型陰イオン交換樹脂150 mg錠(4錠/日)とを併用した場合(比較例2+比較例4)と比較しても、プラバスタチン13.5 mg及び非架橋型陰イオン交換樹脂150 mg含有錠剤(4錠/日)を用いた場合(実施例2)は血中コレステロール上昇抑制作用がより大きかった。従って、本発明にかかるプラバスタチン及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤は、プラバスタチン錠単独、非架橋型陰イオン交換樹脂錠単独、プラバスタチン錠と非架橋型陰イオン交換樹脂錠との併用に比較して、血中コレステロール上昇を顕著に抑制することが可能であり、高脂血症治療に非常に有効であることが確認された。
【0061】
試験例4<NZW雄性ウサギによるプラバスタチン血中濃度推移測定>
NZW雄性ウサギに、比較例2で作製したプラバスタチン54 mg錠(1錠)、実施例2で作製したプラバスタチン13.5 mg及び非架橋型陰イオン交換樹脂150 mg含有錠剤(4錠)をそれぞれ単回経口投与し、プラバスタチンの血しょう中濃度を測定してAUC(ng/ml・h)、Tmax(h)を求めた。
【0062】
その結果、プラバスタチン及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤はプラバスタチン錠単独と比較してAUCはほとんど変化がなくTmaxは大きくなっていた。よって、プラバスタチン及び非架橋型陰イオン交換樹脂含有錠剤において非架橋型陰イオン交換樹脂はプラバスタチンを徐放化しており、プラバスタチンの薬効はより持続的に発現していることが確認された。
【0063】
【発明の効果】
本発明にかかる非架橋型陰イオン交換樹脂は、非架橋型陰イオン交換樹脂でありながら疎水基も有しているため、上記非架橋型陰イオン交換樹脂からなる本発明の徐放化剤によれば、活性成分を特にアニオン性薬剤、脂溶性薬剤とした場合においてもかかる薬剤をより長期間にわたってより確実に徐放化することが可能となる。
【0064】
また、本発明にかかる非架橋型陰イオン交換樹脂は、上記徐放化作用と共にそれ自体でもコレステロール上昇抑制作用を有しているので、その非架橋型陰イオン交換樹脂からなる徐放化剤を脂質低下剤と組合せて用いる本発明の徐放性医薬組成物によれば、上記両成分による血中コレステロール低下作用の相乗効果が得られると共に脂質低下剤の効果を長期間にわたってより確実に持続させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】血中コレステロール上昇抑制試験1の結果を示すグラフである。
【図2】血中コレステロール上昇抑制試験2の結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で示される非架橋型陰イオン交換樹脂からなる薬剤用徐放化剤。
    Figure 0004283355
    [式中、Rは炭素数7〜10のアラルキル基を示し、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1〜4の低級アルキル基、Rは水素原子または低級アルキル基、Xは生理学的に許容される対イオン、nは1〜3、pは平均重合度をそれぞれ示す]
  2. 前記Rがベンジル基、Rがメチル基、Rがメチル基、Rが水素原子、Xが塩素イオン、nが2である請求項1に記載の薬剤用徐放化剤。
  3. 下記一般式(I)
    Figure 0004283355
    [式中、Rは炭素数7〜10のアラルキル基を示し、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、各々炭素数1〜4の低級アルキル基、Rは水素原子または低級アルキル基、Xは生理学的に許容される対イオン、nは1〜3、pは平均重合度をそれぞれ示す]
    で示される非架橋型陰イオン交換樹脂からなる薬剤用徐放化剤と、脂質低下作用を有する薬剤とを含有してなる徐放性医薬組成物。
  4. 前記Rがベンジル基、Rがメチル基、Rがメチル基、Rが水素原子、Xが塩素イオン、nが2である請求項1に記載の徐放性医薬組成物。
  5. 前記脂質低下作用を有する薬剤が、プロブコール、クロフィブラート系薬剤、ニコチン酸製剤、スクアレンシンターゼ阻害剤、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤、ヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムAリダクターゼ阻害剤およびアシルコエンザイムA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも一つの薬剤である請求項3または4に記載の徐放性医薬組成物。
  6. 前記脂質低下作用を有する薬剤と前記非架橋型陰イオン交換樹脂との重量比が0.001:1〜10:1の範囲内にある請求項3〜5のうちのいずれか一項に記載の徐放性医薬組成物。
  7. 前記脂質低下作用を有する薬剤が前記非架橋型陰イオン交換樹脂中に分散されている請求項3〜6のうちのいずれか一項に記載の徐放性医薬組成物。
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