JP4283145B2 - ゴルフスウィング計測システム - Google Patents
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Description
前記コンピュータは、前記カラー動画像を構成する複数の静止画像から、アドレス、テイクバックシャフト8時、テイクバックシャフト9時、テイクバック非利き腕水平、トップ、ダウンスウィング非利き腕水平、ダウンスウィングシャフト9時、インパクト、フォローシャフト3時、フィニッシュから選択される少なくとも1つ以上のスウィング姿勢の画像をチェックポイント画像として抽出し、
前記チェックポイント画像上において、上記ゴルファーの肌の色と同一色であるとみなすことのできる許容範囲である色範囲を設定し、前記色範囲内にあるピクセルを前記ゴルファーの肘、顔あるいは手首を含む肌色領域とみなして肌抽出を行い、
この抽出された肌色領域の輪郭を抽出し、該輪郭のうち曲率が−10°〜10°の範囲内のピクセルが所定の個数以上連続している箇所を直線部とし、この直線部を用いて前記ゴルファーの肘、首あるいは手首からなる体の注目点の位置座標を特定していることを特徴とするゴルフスウィング計測システムを提供している。
即ち、ゴルファーが半袖上着を着用した場合に肌が露出する肘や首や手首を前記注目点とすることで、上記した肌抽出により位置座標を取得することができる。
即ち、輪郭上のピクセルを注目点の位置座標の候補とすることで注目点の特定が行いやすくなる。
図1はゴルフスウィング計測システムの概略図を示し、コンピュータ16と、該コンピュータ16に接続された表示手段であるモニター17と、コンピュータ16に接続された入力手段であるキーボード18およびマウス19と、コンピュータ16に接続されゴルファー11の正面位置および飛球線後方(側面)位置に設置されたカラーCCDカメラ14、15とを備えている。
ゴルファー11の把持するゴルフクラブ13のシャフト13aには間隔をあけて3つの色付マークM1、M2、M3が取り付けられている。色付マークM1〜M3は、グリップ側からヘッド側にかけて等間隔に取り付けており、グリップに最も近い色付マークM1は黄色とし、真ん中に配置された色付マークM2はピンク色とし、ヘッド13b側に配置された色付マークM3は黄色として隣り合うマークが異なる色となるようにしている。本実施形態では、各色付マークM1〜M3の間の距離は250mmとすると共に、グリップ端と色付マークM1との距離は250mmとする。
先ず、カラーCCDカメラ14、15でゴルファー11が存在しない状態の背景20のみを撮影した背景画像を読み込み、また、カラーCCDカメラ14、15からスウィング動画像の各コマ毎の静止画像をコンピュータ16に取り込んでハードディスクあるいはコンピュータ16内のメモリあるいはボード上のメモリに保存する。
前記のようにスウィング動画像の多数の静止画像から前記チェックポイント画像を抽出することで、後工程において肌抽出処理等を用いてゴルファー11の体の注目点の位置座標を抽出する計算を前記チェックポイント画像についてのみ行えばよい利点がある。
(アドレス画像)
先ず、アドレス画像の抽出方法について説明する。なお、アドレス画像とは、ゴルファー11がアドレス姿勢をしている状態の静止画像である。
スウィング動画像の撮影をアドレス状態から開始した場合は、初期画像をアドレス画像とする。しかし、インパクト時の打球音やインパクトセンサをトリガ信号として取得し、その前後ある一定時間内の動画像を取得した場合には、例えば、初期画像がワッグル(アドレス前に予備動作としてヘッドを前後に揺らす動作)等を含むことで、初期画像が必ずしもアドレス画像とならない。そこで、この場合には、各フレーム(静止画像)間で差分処理を実施し、差分が最小となるフレームがゴルファー11が静止している状態と考えてアドレス画像とみなす。
二値化処理の方法としては、RGB値やYIQ値を用いてもよいが、本実施形態では色付マークM1〜M3の色を最も認識しやすい色相・彩度・明度を利用している。具体的には、フレーム上の各ピクセル毎のRGB値を取得し、
ここで、色相、彩度および明度の条件としては、例えば、黄色の色付マークM1、M3であれば色相θ=30〜60°、彩度S≧0.5、明度V≧100という閾値を設定しており、ピンク色の色付マークM2であれば色相θ=320°〜360°または0°〜10°、彩度S=0.3〜0.6、明度V≧80という閾値を設定することにより該条件を満たすピクセルをマークと同色とみなしている。
以上のような処理を行うことで、ゴルフクラブ13のシャフト13aに付された色付マークM1〜M3を精度良く自動抽出することができる。
図3に示すように、色付マークM1〜M3には、色付マークM1〜M3を中心として四角形の探索範囲S1〜S3を設定する。ここで、探索範囲S1〜S3とは、色付マークM1〜M3の検出処理を行う計算対象となる画像上の範囲のことを言う。探索範囲S1〜S3の概念を導入すれば、画像上の探索範囲S1〜S3外に色付マークM1〜M3と色が近似している箇所があっても、色付マークM1〜M3の検出処理を探索範囲S1〜S3内しか行わないため誤認識が防止できると共に、フレーム内の全ピクセルを処理対象とする場合に比べ計算時間も大幅に短縮することが可能となる。本実施形態では、探索範囲S1〜S3は色付マークM1〜M3を中心としてデフォルトで縦横(YX)範囲を10×10ピクセルとしている。なお、画像上では横方向をX軸、縦方向をY軸としていると共に、画像上の右向きがX座標の正方向、下向きがY座標の正方向としている。また、前記自動追尾中の探索範囲S1〜S3の配置決定は、アドレス画像取得後の2、3枚目の画像においてはシャフト13aは殆ど動かないので、1つ前の時刻の画像で自動認識した色付マークM1〜M3を中心位置として設定している。
色範囲とは、色付マークM1〜M3を認識する際に、画像上の対象ピクセルの色情報が色付マークM1〜M3の色(基準色情報)と同一であるとみなす誤差の許容範囲をいい、本実施形態では、上述のアドレス画像で取得されたマーク色情報のR(赤)G(緑)B(青)のそれぞれについて平均値を中心として最大最小幅の半分の数値範囲を色範囲として設定している。
まず、探索範囲S1内の差分ピクセルのRGBそれぞれについて前記色範囲内であるか否かを判定し、色範囲内であるピクセルを色付マークM1を表示するピクセルとみなし、その色抽出されたピクセル群の重心位置を取得する。もし、この色範囲を用いた方法により追尾できない場合には、色情報(色相、彩度、明度)を利用して色抽出を行い追尾してもよい。これらの処理を各色付マークM1〜M3の探索範囲S1〜S3について行う。
もし、探索範囲内で複数のマーク候補領域が抽出された時には、色付マークM1について探索範囲S1内で背景画像との差分処理を行う。これにより、探索範囲S1内で背景画像が取り除かれ、後工程での色付マークM1の認識の際に、背景画像等に色付マークM1と近似した色が存在しても誤認しなくなる。
このように、オフセット移動と回転移動とを組み合せて探索範囲S2、S3の中心位置を決定することで、ダウンスウィングのようなシャフト13aの移動が速い場合でも、シャフト位置をかなり正確に予測することができ、探索範囲S2、S3の面積を追尾中に増加させる必要がなくなる。なお、図4に示すように、探索範囲S2、S3の面積は、20×20ピクセルとしている。
もし、探索範囲S1内で複数のマーク候補領域が抽出された時には、色付マークM1について探索範囲内で背景画像との差分処理を行う。これにより、探索範囲S1内で背景画像が取り除かれ、後工程での色付マークM1の認識の際に、背景画像等に色付マークM1と近似した色が存在しても誤認しなくなる。
以上のようにして、アドレスからフィニッシュまでのスウィング動作における色付マークM1〜M3の位置座標データが取得される。
(テイクバックシャフト9時画像)
テイクバックシャフト9時画像は、色付マークM1〜M3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aが水平(90°)に最も近い画像を選択することで抽出する。あるいは、色付マークM1〜M3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのX方向成分が極小になる画像を選択することで抽出してもよい。なお、ここでいう角度はシャフト13aが6時の状態を0°として時計回りを正とする。
トップ画像は、各色付マークM1〜M3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が最も大きくなった画像を選択することで抽出する。あるいは、色付マークM1〜M3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのX方向成分およびY方向成分が極小になる画像を選択することで抽出してもよい。
ダウンスウイングシャフト9時画像は、色付マークM1〜M3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aが水平(90°)に最も近く、かつ、時刻がトップ画像よりも後である画像を選択することで抽出する。あるいは、色付マークM1〜M3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのX成分が極小になり、かつ、時刻がトップ画像よりも後である画像を選択することで抽出してもよい。
インパクト画像は、色付マークM1〜M3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が0°に最も近くなった画像を選択することで抽出する。あるいは、色付マークM1〜M3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのY方向成分が極小になる画像を選択することで抽出してもよい。また、インパクト画像は外部トリガー信号を用いて画像抽出を行ったり、インパクト時のヘッドとボールの打球音を利用してインパクト画像を抽出してもよい。
インパクト前画像は、前記抽出されたインパクト画像より予め設定された所定時間(あるいは所定フレーム数)を巻き戻して得られる画像を選択することで抽出する。
インパクト後画像は、前記抽出されたインパクト画像より予め設定された所定時間(あるいは所定フレーム数)を進めて得られる画像を選択することで抽出する。
フォローシャフト3時画像は、色付マークM1〜M3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が−90°に最も近くなった画像を選択することで抽出する。あるいは、色付マークM1〜M3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのX方向成分が極小になり、かつ、時刻がインパクト画像より後の画像を選択することで抽出してもよい。
フィニッシュ画像は、色付マークM1〜M3のうち2つを用いてシャフト13aの角度を算出し、シャフト13aの角度が最も小さくなった画像を選択することで抽出する。あるいは、色付マークM1〜M3のうち1つを用いる場合は、マークの移動ベクトルのX方向成分およびY方向成分が極小になり、かつ、時刻がトップ画像よりも後の画像を選択することで抽出してもよい。
ここで、テイクバック左腕水平画像とは、テイクバック時に左腕の前腕部が水平状態の静止画像である。ダウンスウィング左腕水平画像とは、ダウンスウィング時に左腕の前腕部が水平状態の静止画像である。
以下、静止画像中の左腕を含むテンプレートを作成するためにゴルファー11の輪郭抽出を行う。
(グリップ位置)=(色付マークM1の位置)−α×(マーク間ベクトル)
によりグリップ位置を算出する。
ここで、αは、色付マークM1と色付マークM2との距離に対する色付マークM1とグリップとの実際の距離の割合を意味しており、本実施形態ではα=0.5としている。
ただし、ゴルファー11の輪郭が1番目からbnd_num番目(輪郭番号の最後)まで存在する場合において、移動平均を行うピクセルをn番目とすると、n<kである場合は、輪郭番号の最後の方であるbnd_num−(k−n)番目〜bnd_num番目のピクセルを利用して移動平均を行う。また、bnd_num−n<kである場合は、輪郭番号の最初の方である1番目〜k−(bnd_num−n)番目のピクセルを利用して移動平均を行っている。
図7(A)に示すように、前記のようにして抽出された左肩22とグリップ23との間の領域において長方形のテンプレートTを設定し、該テンプレートTの長辺の長さL1は肩とグリップの間の距離の半分とし、短辺の長さL2は腕がテンプレートTの中に入る程度の長さ(本実施形態では20ピクセル)としている。
ダウンスウィング9時画像は、前記取得されたテイクバック左腕水平画像での左腕を含むテンプレートを利用して、そのテンプレートと最もマッチングするトップ画像以降の画像をダウンスウィング左腕水平画像として抽出する。
ここで、スウィング画像の順番を考慮すればトップ画像の後にダウンスウィング左腕水平画像が抽出されること分かっているので、トップ画像からテンプレートマッチング処理を開始してもよいが、それでは時間がかかったり、あるいは、トップで腕が全部見えるとは限らないので誤認識する可能性もある。
そこで、本実施形態では、先にダウンスウィングシャフト9時画像を抽出しておいて、その後、時刻を戻しながらテンプレートマッチングを行うことによりダウンスウィング左腕水平画像を抽出することとして計算時間の短縮化と誤認識の防止を図っている。
次に、テイクバックシャフト8時画像の抽出方法について説明する。なお、テイクバックシャフト8時画像とは、テイクバック時にシャフトを時計の針に見立てた場合に8時位置にある状態の静止画像である。
上述したシャフト6時画像でのゴルファー11のシルエットを抽出することで、体の幅(スタンス幅)を取得しておき、右足側端を通過する垂線と色付マークM1が交差する時刻の画像をテイクバックシャフト8時画像として選択して抽出する。
以下、チェックポイント画像の夫々について、ゴルファー11のスウィング診断に必要な注目点の位置座標の取得を行う。
例えば、図11はテイクバック左腕水平画像(側面)における注目点の1つである右肘の位置座標の取得を示す。
先ず、グリップ端Gの位置座標を求める。グリップに最も近い色付マークM1と次に近い色付マークM2とからマーク間ベクトルを求めてグリップ端を決定する。具体的には、
(グリップ端)=(色付マークM1の位置)−A×(マーク間ベクトル)
(グリップ中央)={(色付マークM1の位置)+(グリップ端)}/2
により算出する。
ここで、Aは、色付マークM1と色付マークM2との距離に対する色付マークM1とグリップ端Gとの実際の距離の割合である。
なおここからは、画像上での角度については、マイナスX方向から時計回りに正角度、反時計回りに負角度としている。
まず、手首32の位置座標を求める。図12に示すように、ゴルファー11のシルエットSIの初期点I(画像左上のピクセルから順に左→右、上→下に走査した場合に見つかる最初のピクセル)を取得し、この初期点IのX座標がテイクバック左腕水平画像での後述する方法で取得された後首40のX座標よりも小さいかどうかを判定する。小さい場合には、初期点Iを仮手首として初期点Iを中心として、傾きが90°〜180°となる直線部ST1と、傾きが−90°〜−180°となる直線部ST2を抽出し、直線部ST1と直線部ST2との交点を手首32とする。これで直線部が抽出できなかった場合には初期点Iを手首とする。
一方、初期点IのX座標が後首40のX座標より大きい場合には、図13に示すように、後述する肌色抽出を行ってゴルファー11の顔H2を取得後、手の肌色抽出を実施し、手の肌色領域H3の中心を手首とする。
図15はトップ画像(側面)における注目点の1つである左肘36の位置座標の取得を示す。
上記取得された手首32を起点としてX方向に+60ピクセル、Y方向に+80ピクセルの範囲の位置に探索範囲Sを設定し、探索範囲S内のピクセルについて背景差分した後、色相θ=0〜30、R=20〜255、G=20〜180、B=180以下の条件(色範囲)を満たすピクセルの集合領域を肌色領域H5とみなす。この肌色領域H5について輪郭R3を取得し、輪郭R3のうち曲率が−10°〜10°の範囲内のピクセルが5ピクセル以上連続している箇所を直線部(図15の太線)として抽出し、これら直線部のうち傾きが0°〜90°の範囲内のものを選択して代表直線部ST3としている。
図16(A)(B)に示すように、抽出された肌色領域H6のX座標が最小の顔領域の輪郭点をOとし、点OとX座標が同一でY座標が最小の輪郭点をAとし、点OとY座標が同一でX座標が最小の輪郭点をBとすると、直線ABの傾きと垂直で点Oを通る直線を引き、この直線と輪郭との交点を後首40と特定する。
図17(A)に示すように、後首40のY座標と一致する輪郭R4上のピクセルを首下41として抽出し、首下41から輪郭R4の起伏の情報を用いて左肩を決定する。具体的には、首下41から時計回りに輪郭R4を調べて最初に山(極大点)が見つかれば、首下41から時計回りに30ピクセルまでの山→この山から時計回りに30ピクセルまでの谷(極小点)→この谷から時計回りに20ピクセルまでの山を左肩37としている。
13 ゴルフクラブ
13a シャフト
14、15 カラーCCDカメラ
16 コンピュータ
20 背景
H1〜H6 肌色領域
M1〜M3 色付マーク
S、S1〜S3 探索範囲
ST1〜ST3 直線部
R1〜R4 輪郭
T テンプレート
Claims (2)
- ゴルフクラブを把持してスウィングするゴルファーを撮影したカラー動画像を取り込むコンピュータを備え、
前記コンピュータは、前記カラー動画像を構成する複数の静止画像から、アドレス、テイクバックシャフト8時、テイクバックシャフト9時、テイクバック非利き腕水平、トップ、ダウンスウィング非利き腕水平、ダウンスウィングシャフト9時、インパクト、フォローシャフト3時、フィニッシュから選択される少なくとも1つ以上のスウィング姿勢の画像をチェックポイント画像として抽出し、
前記チェックポイント画像上において、上記ゴルファーの肌の色と同一色であるとみなすことのできる許容範囲である色範囲を設定し、前記色範囲内にあるピクセルを前記ゴルファーの肘、顔あるいは手首を含む肌色領域とみなして肌抽出を行い、
この抽出された肌色領域の輪郭を抽出し、該輪郭のうち曲率が−10°〜10°の範囲内のピクセルが所定の個数以上連続している箇所を直線部とし、この直線部を用いて前記ゴルファーの肘、首あるいは手首からなる体の注目点の位置座標を特定していることを特徴とするゴルフスウィング計測システム。 - 前記撮影されるゴルファーには色付きマークを付していないと共に該ゴルファーが把持するシャフトには色付きマークを付し、該シャフトの色付きマークの座標を自動追尾方法で追跡してシャフト位置を取得し、該シャフト位置に基づいて、前記カラー動画像を構成する複数の静止画像の中から前記チェックポイント画像となる静止画像を選択的に抽出し、
前記各チェックポイント画像で前記色付きマークを中心として探索範囲を設定し、該探索範囲内で、前記肌抽出の処理を行う請求項1に記載のゴルフスウィング計測システム。
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