JP4282842B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものであり、特に、2Tr+2C型或いは1Tr+1C型のFeRAM(Ferroelectric RAM)に用いられる強誘電体膜のヒステリシス特性の劣化を防止するための処理方法に特徴のある半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種の情報を記録するためにDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)、或いは、FLASH(フラッシュ・メモリ)等の半導体記憶装置が用いられており、この内、DRAMは読出、書込の速度が速く、また、耐用年数が長いという特長を有するが、揮発性であるため、リフレッシュ動作が必要となり、そのために、常に電源電圧とつながっていなくてはならない。
【0003】
また、SRAMは、電源電圧につなげている限りメモリ内容は消えず、且つ、読出及び書込の速度が速いという特長があるが、セル面積が大きくDRAMの3〜4倍を要し、高集積化に向かないという問題があり、一方、FLASHは、不揮発性メモリであるため、リフレッシュ動作を必要としないが、書込速度が遅く、且つ、耐用年数が短いという問題がある。
例えば、書込速度がDRAMの100n秒程度に対して、1〜10m秒を要し、また、耐用年数は、DRAMの1015回に対して、105 回程度と大幅に短くなるという問題がある。
【0004】
近年、この様な問題を全て解決するメモリとして、即ち、リフレッシュ動作の必要がなく、動作速度が速く、且つ、耐用年数の長いメモリとして強誘電体メモリ(FeRAM:Ferroelectric RAM)が注目されている。
このFeRAMは、強誘電体膜の分極特性を利用した不揮発性メモリであるためリフレッシュ動作を必要とせず、また、書込及び読出速度がDRAMと同程度であり、且つ、耐用年数も1012回以上とFLASHより長いという特長がある。
【0005】
このFeRAMに用いられる強誘電体膜材料としては、PZT(PbZrx Ti1-x 3 )やPLZT(LaドープPZT)等のPbを含むペロブスカイト酸化物、或いは、SBT等のBi系層状ペロブスカイト酸化物が使用されている。
この様なメモリセルを構成する強誘電体キャパシタに用いる強誘電体薄膜は、スパッタリング法やゾル−ゲル(Sol−Gel)法等によって形成されているので、図10を参照して従来のFeRAMを説明する。
【0006】
図10(a)参照
図10(a)は従来のFeRAMの概略的要部断面図であり、まず、n型シリコン基板41の所定領域にp型ウエル領域42を形成するとともに、n型シリコン基板41を選択酸化することによって素子分離酸化膜43を形成したのち、素子形成領域にゲート絶縁膜44を介してWSiからなるゲート電極45を形成し、このゲート電極45をマスクとしてAs等のイオンを注入することによってn- 型LDD(Lightly Doped Drain)領域46を形成する。
【0007】
次いで、全面にSiO2 膜等を堆積させ、異方性エッチングを施すことによってサイドウォール47を形成したのち、再び、As等をイオン注入することによってn+ 型ドレイン領域48及びn+ 型ソース領域49を形成し、次いで、TEOS(Tetra−Ethyl−Ortho−Silicate)−NSG膜等の厚いSiO2 膜等からなる第1層間絶縁膜50を形成したのち、n+ 型ドレイン領域48及びn+ 型ソース領域49に達するコンタクトホールを形成し、このコンタクトホールをWで埋め込むことによってWプラグ51,52を形成する。
【0008】
次いで、CVD法を用いて全面に薄いSiN膜53及びSiO2 膜54を堆積させたのち、スパッタリング法によってTiN膜及びPt膜を堆積させて下部電極55を形成し、次いで、スパッタリング法を用いてアモルファス状のスパッタPZT膜を堆積させたのち、650〜750℃の大気圧酸素雰囲気中において30〜60分の熱処理を行うことによって、スパッタPZT膜をペロブスカイト酸化物として結晶化させることによって、結晶化したPZT膜56とする。
【0009】
次いで、再び、スパッタリング法を用いてPZT膜56上にPtを堆積させて上部電極57を形成したのち、大気圧酸素雰囲気中において500〜650℃で30分間程度の熱処理を行なってPZT膜56が受けた損傷を回復したのち、上部電極57乃至下部電極55をパターニングすることによって強誘電体キャパシタを形成する。
【0010】
次いで、全面に薄いSiO2 膜等からなる第2層間絶縁膜58を設けたのち、Wプラグ52に達するコンタクトホールを形成するとともに、上部電極57に対するコンタクトホールを設けたのち、全面にTiN膜を堆積させてパターニングすることによって局所内部配線(Local Interconnect)59を形成する。
【0011】
最後に、全面にTEOS−NSG膜等からなる第3層間絶縁膜60を形成したのち、Wプラグ51に達するコンタクトホールを形成し、次いで、全面に、TiN膜、Al膜、Ti膜、及び、TiN膜を順次堆積させたのちパターニングすることによってn+ 型ドレイン領域48に接続するビット線61を形成することによってFeRAMの1メモリセルの基本構造が完成する。
なお、ビット線の形成工程でTi膜の存在等に起因して強誘電体キャパシタが劣化するので、TiN膜、Al膜、Ti膜、及び、TiN膜を順次堆積させた後、アニールを行って脱水処理を行う必要がある。
【0012】
図10(b)参照
図10(b)は、図10(a)に示したメモリセルの等価回路図であり、ゲート電極45はワード線に連なり、一方、強誘電体キャパシタは、n+ 型ソース領域48と下部電極55との間に接続され、下部電極55は下部電極55を構成するPt配線層を介してプレート線(接地線)に接続されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、FeRAMの高集積化の進展に伴いメモリセル自体も小さくする必要があるが、そうすると露光時の焦点深度が浅くなる。
したがって、表面の凹凸により、コンタクトホールの形成精度が低下するので、層間絶縁膜を厚くして表面を平坦化する必要が生じ、さらに、多層配線化も必要になってくる。
ここで、図11を参照して、この様な高集積化FeRAMを説明する。
【0014】
図11参照
図11は、表面を平坦化した場合の高集積化FeRAMの概略的要部断面図であり、局所内部配線59の形成工程までは、上記の図10に示したFeRAMの場合と全く同様である。
この局所内部配線59を形成したのち、プラズマTEOS膜等を厚く堆積させたのち、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて表面を平坦化して第3層間絶縁膜60とする。
【0015】
次いで、Wプラグ51に達するコンタクトホールを形成したのち、コンタクトホールにCuを埋め込むことによってCuプラグ62を形成し、次いで、全面に、TiN膜、Al膜、Ti膜、及び、TiN膜を順次堆積させたのちパターニングすることによってn+ 型ドレイン領域48に接続するビット線となる第1層間配線層63を形成する。
【0016】
次いで、全面に再びプラズマTEOS膜等を厚く堆積させたのち、CMP法を用いて研磨することによって表面を平坦化して第4層間絶縁膜64とし、次いで、第1層間配線層63に達するコンタクトホールを形成したのち、コンタクトホールにCuを埋め込むことによってCuプラグ65を形成し、次いで、再び全面に、TiN膜、Al膜、Ti膜、及び、TiN膜を順次堆積させたのちパターニングすることによってCuプラグ65を介して第1層間配線層63に接続する第2層間配線層66を形成することによってFeRAMの1メモリセルの基本構造が完成する。
【0017】
しかし、本発明者は、この様な高集積化FeRAMにおいては、第3層間絶縁膜60の厚さが2μm程度と厚くなり、それに伴って強誘電体キャパシタの残留分極量(2Pr )が急激に劣化する問題があることを発見した。
なお、図10(a)に示したFeRAMの場合には、第3層間絶縁膜60の厚さは0.2μm(=200nm)程度であり、この場合には、層間絶縁膜に起因する強誘電体キャパシタの劣化は特に生じなかった。
【0018】
図12参照
図12は、高集積化FeRAMの問題点の説明図であり、残留分極量は印加電圧が大きくなるに連れて大きくなるが、上述の様に強誘電体膜が劣化した場合、大きな印加電圧における残留分極量2Pr1及び小さな印加電圧における残留分極量2Pr2ともに所期の値よりも大幅に小さくなるという問題がある。
【0019】
また、この様なキャパシタの劣化現象は、高度な製造技術を必要とするプラグ上に高誘電体膜を利用した微小キャパシタを形成する場合や、キャパシタを垂直に加工した構造により微細化を図る場合にも生ずることになる。
【0020】
したがって、本発明は、Pt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだ電極の触媒作用による強誘電体キャパシタ或いは高誘電体キャパシタの劣化を防止することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成の説明図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
(1)本発明は、強誘電体膜或いは高誘電体膜のいずれかからなる誘電体膜1を用いるとともに、電極2,3としてPt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだキャパシタ4を有する半導体装置の製造方法において、誘電体膜1に接する、Pt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだ電極2,3を堆積させた以降に、少なくとも一度、COを含んだ非プラズマガス雰囲気5中で熱処理を行うことを特徴とする。
【0022】
この様に、キャパシタ4を構成する上部電極3の堆積工程以降に、少なくとも一度、例えば、上部電極3の堆積工程後、層間絶縁膜の堆積工程後、或いは、ビット線等を構成する配線材料の堆積後等のいずれか或いは全工程において、COを含んだ非プラズマガス雰囲気5中で熱処理を行うことにより、キャパシタ4の劣化を防止することができる。
【0023】
即ち、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、層間絶縁膜を厚くした場合の強誘電体キャパシタ4等の劣化は、プラズマTEOS膜或いはO3 −TEOS膜等の層間絶縁膜に含まれる水分が原因であることをつきとめ、この水分が触媒作用のあるPt、Ir、或いは、Ruによって、
2H2 O→2H2 +O2
に分解され、発生したH2 が強誘電体膜を劣化させることを見い出したことによるものである。
【0024】
また、上部電極3の堆積工程後のいずれかの時期に、COを含んだ非プラズマガス雰囲気5中で熱処理を行うことによって、電極2,3を構成するPt、Ir、或いは、Ruの触媒作用を抑制し、それによって、誘電体膜1の劣化を防止するものであり、複数の工程でCOを含んだ非プラズマガス雰囲気中で熱処理を行うことによって、各製造工程において飛散消失したCOを補給することができることを発見したことによるものである。
なお、「Pt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだ電極」は、誘電体膜1の少なくとも一方に設けていれば良いものであり、また、Pt/IrO等の積層構造膜も含むものである。
【0025】
(2)また、本発明は、強誘電体膜或いは高誘電体膜のいずれかからなる誘電体膜1を用いるとともに、電極2,3としてPt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだキャパシタ4を有する半導体装置の製造方法において、誘電体膜1に接する、Pt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだ電極2,3を堆積させた以降の前記キャパシタのパターニング工程、層間絶縁膜の堆積工程、或いは、配線材料のパターニング工程の内の少なくとも一つの製造工程において、製造工程の雰囲気中にCOを添加することを特徴とする。
【0026】
この様に、Pt、Ir、或いは、Ruの触媒作用を抑制するためには、上部電極3を堆積させた以降の製造工程の内の少なくとも一つの製造工程、例えば、キャパシタ4のパターニング工程、層間絶縁膜の堆積工程、或いは、ビット線等を構成する配線材料のパターニング工程において、製造工程の雰囲気中にCOを添加しても効果があるものである。
また、この工程は、上記の(1)の工程と組み合わせて用いても良いものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
ここで、図2及び図7を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明するが、まず、図2乃至図6を参照して、本発明の第1の実施の形態の製造工程を説明する。
なお、図2乃至図6は、本発明の第2及び第3の実施の形態の製造工程と同一であるので共通化して示している。
図2(a)参照
まず、従来のFeRAMの製造工程と同様に、n型シリコン基板11の所定領域にp型ウエル領域12を形成するとともに、n型シリコン基板11を選択酸化することによって素子分離酸化膜13を形成したのち、素子形成領域にゲート絶縁膜14を介してWSiからなるゲート電極15を形成し、このゲート電極15をマスクとしてAs等のイオンを注入することによってn- 型LDD領域16を形成する。
【0030】
次いで、全面にSiO2 膜等を堆積させ、異方性エッチングを施すことによってサイドウォール17を形成したのち、再び、As等をイオン注入することによってn+ 型ドレイン領域18及びn+ 型ソース領域19を形成し、次いで、プラズマTEOS膜からなる第1層間絶縁膜20を形成したのち、n+ 型ドレイン領域18及びn+ 型ソース領域19に達するコンタクトホールを形成し、次いで、このコンタクトホールをWで埋め込んだ後、CMP法によってコンタクトホール以外の領域に堆積したW膜を除去してコンタクトホールを充填するWプラグ21,22を形成する。
【0031】
次いで、CVD法を用いて全面に薄いSiN膜23及びSiO2 膜24を堆積させたのち、スパッタリング法によって、例えば、厚さが、20nmのTi膜と、例えば、厚さが、200nmのPt膜を順次堆積させて下部電極25を形成し、次いで、Pb1.1 Zr0.53Ti0.473 組成の円板をターゲットとして用いて、ArとO2 の流量比がAr:O2 =8:2のプロセスガスを流して0.02Torrとした状態で、50WのRFパワーを印加して室温において、膜厚が200〜400nmのスパッタPZT膜を成膜する。
このスパッタPZT膜は、成膜した状態においてはアモルファス状態である。
【0032】
次いで、例えば、650℃の大気圧酸素雰囲気中において30分間の熱処理を行うことによって、スパッタPZT膜をペロブスカイト酸化物として結晶化させて結晶化したPZT膜26とする。
【0033】
次いで、再びスパッタリング法を用いて結晶化したPZT膜26上に、厚さが、例えば、200nmのPtを堆積させて上部電極27としたのち、500℃の大気圧酸素雰囲気中において30分間の熱処理を行うことによって、上部電極27の堆積工程において、PZT膜26が受けた損傷を回復させる。
【0034】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理することによって、上部電極27及び下部電極25を構成するPtの触媒作用を抑制する。
なお、目的は異なるものの、白金族金属を電極として用いた強誘電体キャパシタの電気的特性を改善するために酸素を含むプラズマ雰囲気中に強誘電体キャパシタを晒すことは知られており(必要ならば、特開平10−233489号公報参照)、具体例は示されていないものの、酸素源としてCO或いはCO2 が例示されている。
【0035】
図2(b)参照
次いで、Ar及びCl2 からなるエッチガス中にCOを分圧として0.1mTorr添加したガスを用いて反応性イオンエッチングを施すことによって上部電極27乃至下部電極25をエッチングすることによって、所期の容量の強誘電体キャパシタを構成する。
【0036】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理することによって、強誘電体キャパシタを熱処理し、Ptの触媒作用を抑制する。
【0037】
図3(c)参照
次いで、全面に、例えば、CVD法を用いて、雰囲気中にCOを分圧として0.5Torr添加した原料ガスを用いて、例えば、厚さが200nmのSiO2 膜からなる第1層間絶縁膜28を堆積させる。
【0038】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理を行う。
次いで、Wプラグ22に達するコンタクトホール29を形成するとともに、上部電極27に対するコンタクトホール30を形成する。
【0039】
図3(d)参照
次いで、全面にスパッタリング法を用いて、例えば、厚さが、100nmのTiN膜を堆積させてパターニングすることによって、Wプラグ22及び上部電極27を接続する局所内部配線31を形成する。
【0040】
図4(e)参照
次いで、雰囲気中にCOを分圧として0.5Torr添加した状態で、全面にプラズマTEOS膜を、例えば、1800nmの厚に堆積させて、第3層間絶縁膜32を形成する。
【0041】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理を行う。
【0042】
図4(f)参照
次いで、CMP法を用いて第3層間絶縁膜32の表面を平坦化したのち、Wプラグ21に対するコンタクトホール33を形成する。
なお、上記の第3層間絶縁膜32の堆積直後のアニール工程は、表面研磨工程の直後に行っても良いものである。
【0043】
図5(g)参照
次いで、ECD(Electrochemical Deposition)法を用いてコンタクトホール33を完全に埋め込むようにCu層を堆積させたのち、コンタクトホール33以外の領域に堆積したCu層をCMP法によって除去してCuプラグ34を形成する。
【0044】
図5(h)参照
次いで、再びスパッタリング法を用いて、例えば、厚さが50nmのTiN膜、600nmのAl膜、50nmのTi膜、及び、100nmのTiN膜を順次堆積させたのち、Cl2 及びBCl3 からなるエッチガス中にCOを分圧として0.2mTorr添加したガスを用いて反応性イオンエッチングを施すことによってビット線となる第1層間配線層35を形成する。
【0045】
図6(i)参照
次いで、再び、雰囲気中にCOを分圧として0.2Torr添加した状態で、全面にプラズマTEOS膜を、例えば、1800nmの厚に堆積させて、第4層間絶縁膜36を形成する。
【0046】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理を行う。
【0047】
次いで、再び、CMP法を用いて第4層間絶縁膜36の表面を平坦化したのち、第1層間配線層に対するコンタクトホール形成し、次いで、再び、ECD法を用いてコンタクトホールを完全に埋め込むようにCu層を堆積させたのち、コンタクトホール以外の領域に堆積したCu層をCMP法によって除去してCuプラグ37を形成する。
なお、上記の第4層間絶縁膜36の堆積直後のアニール工程は、表面研磨工程の直後に行っても良いものである。
【0048】
次いで、再びスパッタリング法を用いて、例えば、厚さが50nmのTiN膜、600nmのAl膜、50nmのTi膜、及び、100nmのTiN膜を順次堆積させたのち、Cl2 及びBCl3 からなるエッチガス中にCOを分圧として0.1mTorr添加したガスを用いて反応性イオンエッチングを施すことによってCuプラグ37を介して第1層間配線層35と接続する第2層間配線層38を形成することによって、FeRAMの基本構成が完成する。
【0049】
図7参照
図7は、この様にして形成した本発明の第1の実施の形態のFeRAMの残留分極量特性の説明図であり、3Vの電圧を印加した場合の残留分極量(2Pr )の平均値は、約10μC/cm2 となり、CO処理を施さなかった従来例の残留分極量(2Pr )≒6μC/cm2 に比べて大幅な改善が見られた。
【0050】
また、5Vの電圧を印加した場合の残留分極量(2Pr )の平均値は、約17μC/cm2 となり、CO処理を施さなかった従来例の残留分極量(2Pr )≒13μC/cm2 に比べて大幅な改善が見られた。
【0051】
この様に、本発明の第1の実施の形態においては、Ptからなる上部電極堆積後の各工程においてCOを含むガス雰囲気中において処理を行っているので、上部電極27及び下部電極25を構成するPtの触媒作用、即ち、水分(2H2 O)を水素(2H2 )と酸素(O2 )に分解する触媒作用を抑制することができ、特に、複数の工程で行っているので、各製造工程においてCOが拡散消失しても新たにCOを供給することができ、Ptの触媒作用を一連の製造工程を通して抑制することができるので、強誘電体キャパシタ特性の劣化を低減することができる。
【0052】
次に、再び図2乃至図6及び図8を参照して本発明の第2の実施の形態を説明するが、電極としてPtに代わりにIrを用いた以外の構成、製造条件は上記の第1の実施の形態と全く同様である。
図2(a)参照
まず、上記の第1の実施の形態と全く同様に、n型シリコン基板11の所定領域にp型ウエル領域12を形成するとともに、n型シリコン基板11を選択酸化することによって素子分離酸化膜13を形成したのち、素子形成領域にゲート絶縁膜14を介してWSiからなるゲート電極15を形成し、このゲート電極15をマスクとしてAs等のイオンを注入することによってn- 型LDD領域16を形成する。
【0053】
次いで、全面にSiO2 膜等を堆積させ、異方性エッチングを施すことによってサイドウォール17を形成したのち、再び、As等をイオン注入することによってn+ 型ドレイン領域18及びn+ 型ソース領域19を形成し、次いで、プラズマTEOS膜からなる第1層間絶縁膜20を形成したのち、n+ 型ドレイン領域18及びn+ 型ソース領域19に達するコンタクトホールを形成し、次いで、このコンタクトホールをWで埋め込んだ後、コンタクトホール以外の領域に堆積したW膜をCMP法によって除去することによってコンタクトホールを充填するWプラグ21,22を形成する。
【0054】
次いで、CVD法を用いて全面に薄いSiN膜23及びSiO2 膜24を堆積させたのち、スパッタリング法によって、例えば、厚さが、20nmのTi膜及び例えば、厚さが、200nmのIr膜を順次堆積させて下部電極25を形成し、次いで、Pb1.1 Zr0.53Ti0.473 組成の円板をターゲットとして用いて、ArとO2 の流量比がAr:O2 =8:2のプロセスガスを流して0.02Torrとした状態で、50WのRFパワーを印加して室温において、膜厚が200〜400nmのスパッタPZT膜を成膜する。
このスパッタPZT膜は、成膜した状態においてはアモルファス状態である。
【0055】
次いで、500〜800℃、例えば、650℃の大気圧酸素雰囲気中において30分間の熱処理を行うことによって、スパッタPZT膜をペロブスカイト酸化物として結晶化させて結晶化したPZT膜26とする。
【0056】
次いで、再びスパッタリング法を用いて結晶化したPZT膜26上に、厚さが、例えば、200nmのIrを堆積させて上部電極27としたのち、500℃の大気圧酸素雰囲気中において30分間の熱処理を行うことによって、上部電極27の堆積工程において、PZT膜26が受けた損傷を回復させる。
【0057】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理することによって、上部電極27及び下部電極25を構成するIrの触媒作用を抑制する。
【0058】
図2(b)参照
次いで、Ar及びCl2 からなるエッチガス中にCOを分圧として0.1mTorr添加したガスを用いて反応性イオンエッチングを施すことによって上部電極27乃至下部電極25をエッチングすることによって、所期の容量の強誘電体キャパシタを構成する。
【0059】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理することによって、強誘電体キャパシタを熱処理し、Irの触媒作用を抑制する。
【0060】
図3(c)参照
以降は、上記の第1の実施の形態と全く同様に、全面に、例えば、CVD法を用いて、雰囲気中にCOを分圧として0.5Torr添加した原料ガスを用いて、例えば、厚さが200nmのSiO2 膜からなる第1層間絶縁膜28を堆積させる。
【0061】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理を行う。
次いで、Wプラグ22に達するコンタクトホール29を形成するとともに、上部電極27に対するコンタクトホール30を形成する。
【0062】
図3(d)参照
次いで、全面にスパッタリング法を用いて、例えば、厚さが、100nmのTiN膜を堆積させてパターニングすることによって、Wプラグ22及び上部電極27を接続する局所内部配線31を形成する。
【0063】
図4(e)参照
次いで、雰囲気中にCOを分圧として0.5Torr添加した状態で、全面にプラズマTEOS膜を、例えば、1800nmの厚に堆積させて、第3層間絶縁膜32を形成する。
【0064】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理を行う。
【0065】
図4(f)参照
次いで、CMP法を用いて第3層間絶縁膜32の表面を平坦化したのち、Wプラグ21に対するコンタクトホール33を形成する。
なお、上記の第3層間絶縁膜32の堆積直後のアニール工程は、表面研磨工程の直後に行っても良いものである。
【0066】
図5(g)参照
次いで、ECD法を用いてコンタクトホール33を完全に埋め込むようにCu層を堆積させたのち、コンタクトホール33以外の領域に堆積したCu層をCMP法によって除去してCuプラグ34を形成する。
【0067】
図5(h)参照
次いで、再びスパッタリング法を用いて、例えば、厚さが50nmのTiN膜、600nmのAl膜、50nmのTi膜、及び、100nmのTiN膜を順次堆積させたのち、Cl2 及びBCl3 からなるエッチガス中にCOを分圧として0.2mTorr添加したガスを用いて反応性イオンエッチングを施すことによってビット線となる第1層間配線層35を形成する。
【0068】
図6(i)参照
次いで、再び、雰囲気中にCOを分圧として0.2Torr添加した状態で、全面にプラズマTEOS膜を、例えば、1800nmの厚に堆積させて、第4層間絶縁膜36を形成する。
【0069】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理を行う。
【0070】
次いで、再び、CMP法を用いて第4層間絶縁膜36の表面を平坦化したのち、第1層間配線層に対するコンタクトホール形成し、次いで、再び、ECD法を用いてコンタクトホールを完全に埋め込むようにCu層を堆積させたのち、コンタクトホール以外の領域に堆積したCu層をCMP法によって除去してCuプラグ37を形成する。
なお、上記の第4層間絶縁膜36の堆積直後のアニール工程は、表面研磨工程の直後に行っても良いものである。
【0071】
次いで、再びスパッタリング法を用いて、例えば、厚さが50nmのTiN膜、600nmのAl膜、50nmのTi膜、及び、100nmのTiN膜を順次堆積させたのち、Cl2 及びBCl3 からなるエッチガス中にCOを分圧として0.1mTorr添加したガスを用いて反応性イオンエッチングを施すことによってCuプラグ37を介して第1層間配線層35と接続する第2層間配線層38を形成することによって、FeRAMの基本構成が完成する。
【0072】
図8参照
図8は、この様にして形成した本発明の第2の実施の形態のFeRAMの残留分極量特性の説明図であり、3Vの電圧を印加した場合の残留分極量(2Pr )の平均値は、約9.5μC/cm2 となり、CO処理を施さなかった従来例の残留分極量(2Pr )≒5.5μC/cm2 に比べて大幅な改善が見られた。
【0073】
また、5Vの電圧を印加した場合の残留分極量(2Pr )の平均値は、約15μC/cm2 となり、CO処理を施さなかった従来例の残留分極量(2Pr )≒12μC/cm2 に比べて大幅な改善が見られた。
【0074】
この様に、本発明の第2の実施の形態においては、Irからなる上部電極堆積後の各工程においてCOを含むガス雰囲気中において処理を行っているので、上部電極27及び下部電極25を構成するIrの触媒作用、即ち、水分(2H2 O)を水素(2H2 )と酸素(O2 )に分解する触媒作用を抑制することができ、特に、複数の工程で行っているので、各製造工程においてCOが拡散消失しても新たにCOを供給することができ、Irの触媒作用を一連の製造工程を通して抑制することができるので、強誘電体キャパシタ特性の劣化を低減することができる。
【0075】
次に、再び図2乃至図6及び図9を参照して本発明の第3の実施の形態を説明するが、電極としてPtに代わりにRuを用いた以外の構成、製造条件は上記の第1の実施の形態と全く同様である。
図2(a)参照
まず、上記の第1の実施の形態と全く同様に、n型シリコン基板11の所定領域にp型ウエル領域12を形成するとともに、n型シリコン基板11を選択酸化することによって素子分離酸化膜13を形成したのち、素子形成領域にゲート絶縁膜14を介してWSiからなるゲート電極15を形成し、このゲート電極15をマスクとしてAs等のイオンを注入することによってn- 型LDD領域16を形成する。
【0076】
次いで、全面にSiO2 膜等を堆積させ、異方性エッチングを施すことによってサイドウォール17を形成したのち、再び、As等をイオン注入することによってn+ 型ドレイン領域18及びn+ 型ソース領域19を形成し、次いで、プラズマTEOS膜からなる第1層間絶縁膜20を形成したのち、n+ 型ドレイン領域18及びn+ 型ソース領域19に達するコンタクトホールを形成し、次いで、このコンタクトホールをWで埋め込んだ後、コンタクトホール以外の領域の堆積したW膜をCMP法によって除去することによってコンタクトホールを充填するWプラグ21,22を形成する。
【0077】
次いで、CVD法を用いて全面に薄いSiN膜23及びSiO2 膜24を堆積させたのち、スパッタリング法によって、例えば、厚さが、20nmのTi膜と、例えば、厚さが、200nmのRu膜を順次堆積させて下部電極25を形成し、次いで、Pb1.1 Zr0.53Ti0.473 組成の円板をターゲットとして用いて、ArとO2 の流量比がAr:O2 =8:2のプロセスガスを流して0.02Torrとした状態で、50WのRFパワーを印加して室温において、膜厚が200〜400nmのスパッタPZT膜を成膜する。
このスパッタPZT膜は、成膜した状態においてはアモルファス状態である。
【0078】
次いで、500〜800℃、例えば、650℃の大気圧酸素雰囲気中において30分間の熱処理を行うことによって、スパッタPZT膜をペロブスカイト酸化物として結晶化させて結晶化したPZT膜26とする。
【0079】
次いで、再びスパッタリング法を用いて結晶化したPZT膜26上に、厚さが、例えば、200nmのRuを堆積させて上部電極27としたのち、500℃の大気圧酸素雰囲気中において30分間の熱処理を行うことによって、上部電極27の堆積工程において、PZT膜26が受けた損傷を回復させる。
【0080】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理することによって、上部電極27及び下部電極25を構成するRuの触媒作用を抑制する。
【0081】
図2(b)参照
次いで、Ar及びCl2 からなるエッチガス中にCOを分圧として0.1mTorr添加したガスを用いて反応性イオンエッチングを施すことによって上部電極27乃至下部電極25をエッチングすることによって、所期の容量の強誘電体キャパシタを構成する。
【0082】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理することによって、強誘電体キャパシタを熱処理し、Ruの触媒作用を抑制する。
【0083】
図3(c)参照
以降は、上記の第1の実施の形態と全く同様に、全面に、例えば、CVD法を用いて、雰囲気中にCOを分圧として0.5Torr添加した原料ガスを用いて、例えば、厚さが200nmのSiO2 膜からなる第1層間絶縁膜28を堆積させる。
【0084】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理を行う。
次いで、Wプラグ22に達するコンタクトホール29を形成するとともに、上部電極27に対するコンタクトホール30を形成する。
【0085】
図3(d)参照
次いで、全面にスパッタリング法を用いて、例えば、厚さが、100nmのTiN膜を堆積させてパターニングすることによって、Wプラグ22及び上部電極27を接続する局所内部配線31を形成する。
【0086】
図4(e)参照
次いで、雰囲気中にCOを分圧として0.5Torr添加した状態で、全面にプラズマTEOS膜を、例えば、1800nmの厚に堆積させて、第3層間絶縁膜32を形成する。
【0087】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理を行う。
【0088】
図4(f)参照
次いで、CMP法を用いて第3層間絶縁膜32の表面を平坦化したのち、Wプラグ21に対するコンタクトホール33を形成する。
なお、上記の第3層間絶縁膜32の堆積直後のアニール工程は、表面研磨工程の直後に行っても良いものである。
【0089】
図5(g)参照
次いで、ECD法を用いてコンタクトホール33を完全に埋め込むようにCu層を堆積させたのち、コンタクトホール33以外の領域に堆積したCu層をCMP法によって除去してCuプラグ34を形成する。
【0090】
図5(h)参照
次いで、再びスパッタリング法を用いて、例えば、厚さが50nmのTiN膜、600nmのAl膜、50nmのTi膜、及び、100nmのTiN膜を順次堆積させたのち、Cl2 及びBCl3 からなるエッチガス中にCOを分圧として0.2mTorr添加したガスを用いて反応性イオンエッチングを施すことによってビット線となる第1層間配線層35を形成する。
【0091】
図6(i)参照
次いで、再び、雰囲気中にCOを分圧として0.2Torr添加した状態で、全面にプラズマTEOS膜を、例えば、1800nmの厚に堆積させて、第4層間絶縁膜36を形成する。
【0092】
次いで、例えば、CO:N2 =300:460になるように混合した760Torrの非プラズマガス雰囲気中で、例えば、200℃において、例えば、10分間熱処理を行う。
【0093】
次いで、再び、CMP法を用いて第4層間絶縁膜36の表面を平坦化したのち、第1層間配線層に対するコンタクトホール形成し、次いで、再び、ECD法を用いてコンタクトホールを完全に埋め込むようにCu層を堆積させたのち、コンタクトホール以外の領域に堆積したCu層をCMP法によって除去してCuプラグ37を形成する。
なお、上記の第4層間絶縁膜36の堆積直後のアニール工程は、表面研磨工程の直後に行っても良いものである。
【0094】
次いで、再びスパッタリング法を用いて、例えば、厚さが50nmのTiN膜、600nmのAl膜、50nmのTi膜、及び、100nmのTiN膜を順次堆積させたのち、Cl2 及びBCl3 からなるエッチガス中にCOを分圧として0.1mTorr添加したガスを用いて反応性イオンエッチングを施すことによってCuプラグ37を介して第1層間配線層35と接続する第2層間配線層38を形成することによって、FeRAMの基本構成が完成する。
【0095】
図9参照
図9は、この様にして形成した本発明の第3の実施の形態のFeRAMの残留分極量特性の説明図であり、3Vの電圧を印加した場合の残留分極量(2Pr )の平均値は、約8μC/cm2 となり、CO処理を施さなかった従来例の残留分極量(2Pr )≒5μC/cm2 に比べて大幅な改善が見られた。
【0096】
また、5Vの電圧を印加した場合の残留分極量(2Pr )の平均値は、約14μC/cm2 となり、CO処理を施さなかった従来例の残留分極量(2Pr )≒11μC/cm2 に比べて大幅な改善が見られた。
【0097】
この様に、本発明の第3の実施の形態においては、Ruからなる上部電極堆積後の各工程においてCOを含むガス雰囲気中において処理を行っているので、上部電極27及び下部電極25を構成するRuの触媒作用、即ち、水分(2H2 O)を水素(2H2 )と酸素(O2 )に分解する触媒作用を抑制することができ、特に、複数の工程で行っているので、各製造工程においてCOが拡散消失しても新たにCOを供給することができ、Ruの触媒作用を一連の製造工程を通して抑制することができるので、強誘電体キャパシタ特性の劣化を低減することができる。
【0098】
次に、上記の第1乃至第3の実施の形態の変形例を説明する。
再び、図2(a)参照
図2(a)に示すように、下部電極25、PZT膜26、及び、上部電極27を堆積したのち、例えば、96%の濃度のH2 SO4 原液を純水で0.1%に希釈した溶液中に、例えば、1分間浸漬したのち、図2(b)以降に示した工程を行う。
【0099】
この様に、上部電極27及び下部電極25をH2 SO4 を含む溶液中に浸漬することによって、Pt、Ir、或いは、Ruの触媒作用、即ち、水(2H2 O)を水素(2H2 )と酸素(O2 )に分解する触媒作用を抑制することができるので、強誘電体キャパシタの劣化を防止することができる。
なお、図2(b)以降の工程においては、必ずしもCO処理を行う必要はなく、従来例と同様の構成を採用しても良いものである。
【0100】
なお、強誘電体キャパシタを形成する際に、H2 SO4 を含む溶液中でPt電極をエッチング除去することも提案されているが(必要ならば、特開平11−163273号公報参照)、これはあくまでもエッチング液として用いるものであり、エッチング現象を実質的に伴わない本発明の浸漬工程とは基本的に異なるものである。
【0101】
再び、図2(b)参照
また、図2(b)に示す様に、強誘電体キャパシタをパターニングした後に、例えば、96%の濃度のH2 SO4 原液を純水で0.1%に希釈した溶液中に、例えば、1分間浸漬したのち、図3(c)以降に示した工程を行っても良いものである。
【0102】
この場合も、上部電極27及び下部電極25をH2 SO4 を含む溶液中に浸漬することによって、Pt、Ir、或いは、Ruの触媒作用、即ち、水(2H2 O)を水素(2H2 )と酸素(O2 )に分解する触媒作用を抑制することができるので、強誘電体キャパシタの劣化を防止することができる。
なお、この工程の前の図2(a)の工程においても、上述のようにH2 SO4 を含む溶液中に浸漬しても良いし、或いは、図3(c)以降の工程においては、必ずしもCO処理を行う必要はなく、従来例と同様の構成を採用しても良いものである。
【0103】
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、本発明は各実施の形態に示した構成・条件に限られるものでなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の各実施の形態においては、強誘電体膜としてPZTを用いているが、PZTに限られるものではなくPZ,PT,PLZT等のPbを含むペロブスカイト酸化物一般にも適用されるものである。
【0104】
また、上記の各実施の形態の説明においては、PZT膜をスパッタ法によって成膜しているが、ゾル−ゲル法或いはMOCVD法によって成膜したPZT膜にも適用されるものである。
【0105】
また、Pbを含むペロブスカイト酸化物以外にも、SBT等の下記の一般式
(Bi2 2 2+(An-1 n 3n+12-
但し、A=Bi,Pb,Ba,Sr,Ca,Na、
B=Ti,Ta,Nb,W,Mo,Fe,Co,Cr、
n=1〜5
で表されるBi系層状ペロブスカイト酸化物に適用されるものである。
【0106】
また、上記の各実施の形態においては、下部電極及び上部電極として、Pt、Ir、或いは、Ruからなる単一元素金属を用いているが、必ずしも単一元素金属である必要はなく、Pt、Ir、或いは、Ru間の合金を用いても良いものである。
【0107】
また、上記の実施の形態においては、下部電極及び上部電極として、Pt、Ir、或いは、Ruを用いているが、少なくとも一方の電極がPt、Ir、或いは、Ru、または、Pt、Ir、或いは、Ru間の合金であれば良く、例えば、IrO2 /PZT/Pt/Ti/SiO2 積層構造、或いは、IrO2 /PZT/Pt/IrO2 /SiO2 積層構造であっても良い。
【0108】
また、上記の各実施の形態の説明においては、下部電極25をTi膜とPt膜の二層膜で構成しているが、Ti膜はTiN膜に置き換えても良いものであり、したがって、下部電極をTiN膜とPt膜の二層膜で構成しても良いものである。
【0109】
また、上記の各実施の形態の説明においては、強誘電体メモリの情報蓄積キャパシタを前提に説明しているが、この様な強誘電体メモリ用のキャパシタに限られるものではなく、高誘電体膜を用いたキャパシタにも適用されるものである。
【0110】
即ち、DRAM等の半導体集積回路装置の集積度が向上するに連れて、高度な製造技術を必要とするプラグ上に微小キャパシタを形成する場合や、キャパシタを垂直に加工した構造により微細化を図る場合にも生ずることになるが、キャパシタの微小化にもなう蓄積容量の低減を相殺するために、誘電体膜として、BST(BaSrTiO3 )やTa2 5 等の高誘電体膜を採用する必要が生じる。
それにともなって、キャパシタを構成する電極としてもPt、Ir、或いは、Ru等が使用されることになるが、層間絶縁膜中の水分等に起因してPt、Ir、或いは、Ruの触媒作用によって水素が発生し、この水素が高誘電体膜を劣化することになるので、本発明は、この様な高誘電体膜を用いたキャパシタを有する半導体集積回路装置にも適用されるものである。
【0111】
また、本発明は、強誘電体メモリ或いは高誘電体膜を用いたキャパシタを有する半導体記憶装置に限られるものではなく、この様な強誘電体キャパシタ或いは高誘電体化キャパシタを容量の大きな微小キャパシタとして用いた通常の半導体集積回路装置、或いは、他の電子デバイスのキャパシタとしても適用されるものである。
【0112】
また、上記の各実施の形態における各層間絶縁膜としては、プラズマTEOS膜を用いているが、プラズマTEOS膜に限られるものではなく、O3 を用いたO3 −TEOS膜を用いても良いものである。
【0113】
また、本発明の本質的な点は、上部電極の堆積工程の後に、少なくとも一度COを含むガス雰囲気中で熱処理するか、或いは、少なくとも一つの工程をCOを含むガス雰囲気中で行えば良いものであり、上記の実施の形態において示した全てのCO処理工程を行う必要は必ずしもないものである。
なお、COを含むガス雰囲気は、第2層間絶縁膜の堆積工程を含むそれ以降の工程においては、必ずしも非プラズマガス雰囲気である必要はない。
【0114】
また、上記の各実施の形態においては、強誘電体キャパシタを形成する際に、下部電極、強誘電体膜、及び、上部電極を全面に堆積させたのち、所定形状にエッチングすることによってパターニングしているが、この様な工程に限られるものではなく、マスクスパッタリング法を用いて、下部電極、強誘電体膜、及び、上部電極を順次所定形状に選択的に堆積させても良いものである。
この場合には、選択堆積後にCOを含むガス雰囲気中で熱処理或いはH2 SO4 を含む溶液中に浸漬すれば良いものである。
【0116】
また、本発明の本質的特徴に直接関連のない各プラグの形成工程或いは配線層の形成工程等は上記の各実施の形態において説明した構成或いは製造方法に限られるものではなく、公知の各種の構成或いは製造方法を用いることができるものであることは言うまでもない。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、Pt、Ir、或いは、Ruからなる上部電極の堆積工程の後に、少なくとも一度COを含むガス雰囲気中で熱処理するか、或いは、少なくとも一つの工程をCOを含むガス雰囲気中で行っているので、Pt、Ir、或いは、Ruの触媒作用を抑制することができ、それによって、強誘電体キャパシタ或いは高誘電体キャパシタの劣化を防止することができる。
【0118】
また、本発明によれば、Pt、Ir、或いは、Ruからなる上部電極の堆積工程の後、または、強誘電体キャパシタ或いは高誘電体キャパシタのパターニング工程の後に、H2 SO4 を含む溶液中に浸漬しているので、Pt、Ir、或いは、Ruの触媒作用を抑制することができ、それによって、強誘電体キャパシタ或いは高誘電体キャパシタの劣化を防止することができる。
【0119】
この様な触媒作用の抑制処理を行うことによって、特に、残留分極量特性の優れた強誘電体キャパシタを再現性良く製造することができるので、FeRAMの高集積化、高性能化、高信頼性化が可能になり、ロジック回路混載置FeRAMの実現に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の途中までの製造工程の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態の図2以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態の図3以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の図4以降の途中までの製造工程の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態の図5以降の製造工程の説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における残留分極量特性の説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態における残留分極量特性の説明図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における残留分極量特性の説明図である。
【図10】従来のFeRAMの説明図である。
【図11】高集積化FeRAMの概略的要部断面図である。
【図12】高集積化FeRAMの問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 誘電体膜
2 電極
3 電極
4 キャパシタ
5 酸化炭素を含む非プラズマガス雰囲気
11 n型シリコン基板
12 p型ウエル領域
13 素子分離酸化膜
14 ゲート絶縁膜
15 ゲート電極
16 n- 型LDD領域
17 サイドウォール
18 n+ 型ドレイン領域
19 n+ 型ソース領域
20 第1層間絶縁膜
21 Wプラグ
22 Wプラグ
23 SiN膜
24 SiO2
25 下部電極
26 PZT膜
27 Pt電極
28 第2層間絶縁膜
29 コンタクトホール
30 コンタクトホール
31 局所内部配線
32 第3層間絶縁膜
33 コンタクトホール
34 Cuプラグ
35 第1層間配線層
36 第4層間絶縁膜
37 Cuプラグ
38 第2層間配線層
41 n型シリコン基板
42 p型ウエル領域
43 素子分離酸化膜
44 ゲート絶縁膜
45 ゲート電極
46 n- 型LDD領域
47 サイドウォール
48 n+ 型ドレイン領域
49 n+ 型ソース領域
50 第1層間絶縁膜
51 Wプラグ
52 Wプラグ
53 SiN膜
54 SiO2
55 下部電極
56 PZT膜
57 上部電極
58 第2層間絶縁膜
59 局所内部配線
60 第3層間絶縁膜
61 ビット線
62 Cuプラグ
63 第1層間配線層
64 第4層間絶縁膜
65 Cuプラグ
66 第2層間配線層

Claims (2)

  1. 強誘電体膜或いは高誘電体膜のいずれかからなる誘電体膜を用いるとともに、電極としてPt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだキャパシタを有する半導体装置の製造方法において、前記誘電体膜に接する、Pt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだ電極を堆積させた以降に、少なくとも一度、COを含んだ非プラズマガス雰囲気中で熱処理を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 強誘電体膜或いは高誘電体膜のいずれかからなる誘電体膜を用いるとともに、電極としてPt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだキャパシタを有する半導体装置の製造方法において、前記誘電体膜に接する、Pt、Ir、或いは、Ruの内のいずれか一つ或いはそれらの合金を含んだ電極を堆積させた以降の前記キャパシタのパターニング工程、層間絶縁膜の堆積工程、或いは、配線材料のパターニング工程の内の少なくとも一つの製造工程において、当該製造工程の雰囲気中にCOを添加することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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