JP4279082B2 - 光学活性乳酸(塩)の製造方法 - Google Patents

光学活性乳酸(塩)の製造方法 Download PDF

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本発明は、粗ラクチドを優先晶析して光学純度の高いラクチドを得て、これを加水分解することを特徴とする光学純度の高い乳酸、その塩、エステル体の製造方法、および該方法によって製造された乳酸等を重合することを特徴とするポリ乳酸の製造方法に関する。
乳酸や乳酸塩の光学活性体は、医薬原料、医農薬中間体、その他の化学合成中間体、特定の食品分野で需要がある。今日得られる乳酸としては、石油化学製品から化学合成によって製造される乳酸と、発酵によって製造される乳酸とがある。このうち、石油化学製品から化学合成によって製造される乳酸はラセミ体であり、光学活性を有しない場合が多い。一方、発酵によって製造される乳酸は、L体またはD体の光学活性体およびラセミ体とが存在し、発酵に使用する微生物の種類により目的とする光学活性体を調製し得るが、一般に精製が容易でなく、その品質は合成品よりも劣る場合がある。また、乳酸の二分子環状エステルであるラクチドには、L−乳酸二分子からなるL−ラクチド、D−乳酸二分子からなるD−ラクチド、L−乳酸とD−乳酸からなるメソラクチドが存在する。更に、ラクチドや乳酸の重合体としては、生分解性プラスチックとして注目されているポリ乳酸があり、これら乳酸、ラクチド、乳酸エステル、ポリ乳酸等は乳酸関連物質として重要な位置を有している。
一方、乳酸、乳酸塩、乳酸エステル、ラクチド、ポリ乳酸等は、乳酸自体の光学活性に依存してその性質が異なることが知られている。例えば、上記メソラクチドは、水に対する溶解性がD−ラクチドやL−ラクチドよりも優れ、また純粋なL−またはD−ポリ乳酸は、光学純度の低いポリ乳酸よりも強度や成型性の面で優れる。このような現状から、ラクチドやポリ乳酸等の原料となる乳酸自体の光学純度を向上させる方法が望まれている。
このような要求を背景にして、発酵法により光学純度の高い乳酸を製造する方法として、例えば、バシラス属に属する微生物を培養して、D−乳酸を製造する方法が開示されている(特許文献1)。該文献では、バシラス属の微生物は栄養要求性が少ないため、安価にD−乳酸を製造できること、その培養条件として33〜45℃以下で二酸化炭素、窒素、炭酸ナトリウム、アンモニア等を通気しながら嫌気培養することで光学純度90%ee以上のD−乳酸が得られるというものである。
また、ラクトバシラス、ラクトコッカス、リゾプスオリザエなどの乳酸発酵能を有する菌体を培養液に接種して乳酸を得る方法、更には、この培養液に更にアルコールを添加して乳酸エステルを製造する方法も開示されている(特許文献2)。
一方、乳酸二分子からなるラクチドを製造する方法として、乳酸を減圧下に加熱および脱水縮合して乳酸オリゴマーを形成させ、該オリゴマーにラクチド合成用触媒としてSnOなどを添加し解重合および環化させ、ラクチドを製造する方法が開示されている(特許文献3、特許文献4、特許文献5)。なお、ラクチドの原料としてL−乳酸を用いた場合には、乳酸のラセミ化のためL−ラクチド以外にもメソラクチドと若干のD−ラクチドとが生成し、製造されたラクチドには不純物としてメソラクチドが含まれる。
このような不純物を含むラクチドの精製方法としては、L−ラクチドおよび/またはD−ラクチド、並びにメソラクチドを含む混合物と水とを接触させることによりメソラクチドを除去する方法がある(特許文献6)。該方法は、メソラクチドがL−ラクチドあるいはD−ラクチドよりも水に対する溶解速度が速く、加水分解速度も速いことを利用し、溶融ラクチドに水を添加することでメソラクチドの加水分解速度を速め、かつこれを冷却してD−ラクチドやL−ラクチドを析出させ、次いで粗ラクチドと水を一定時間接触させてメソラクチドを優先的に水相に移動させて溶解させ、効率よくメソラクチドを除去するものである。
特開2003−88392号公報 特開平6−311886号公報 特許公報第3065384号 特表平7−503490号公報 特許公報第3236289号 特開平7−165753号公報
しかしながら、文献1や2に示すような発酵法においては、菌体や培地の選択、発酵の厳密な管理を必要とし、更に発酵液からの乳酸の分離精製段階で、濃縮や蒸留等の加熱操作が含まれるため、光学活性を低下させずに高純度の乳酸を得ることは難しい。
また、ラクチドの精製方法に関する文献6に記載される方法は、メソ体を多く含むDL−ラクチド反応物の精製には有効な方法であるが、高温で水に接触させるため、D−ラクチドやL−ラクチドのロスが大きく収率に劣る場合があり、これを用いてポリ乳酸を製造するとロスが多くなる。
以上より、光学純度の高い乳酸を得る簡便な方法が望まれる。
本発明者らは、光学純度の高い乳酸の製造方法について詳細に検討した結果、光学純度の高いラクチドを加水分解すると、光学純度の高い乳酸が製造できること、このため粗乳酸から粗ラクチドを製造し、これを優先晶析した後に加水分解すれば、原料の粗乳酸よりも光学純度の高い乳酸を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。加水分解の際にアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を添加すると、加水分解と同時に中和を行うことができ、光学純度の高い乳酸塩を簡便に得ることができる。
また、優先晶析としては水晶析および/または溶媒晶析を行うことが好ましく、または予め粗ラクチドを水洗した後に溶媒晶析を行うことが好ましい。たとえば、水洗と溶媒晶析との組み合わせによると、水洗によって含まれるメソラクチドを分解することができ、同時にD−またはL−ラクチドの光学純度を向上させることができ、その後に溶媒晶析を行うことにより光学純度を向上させることができる。
本発明によれば、光学純度の低い乳酸、乳酸エステルまたは乳酸塩を原料として簡便に光学純度の高い乳酸を製造することでき、該乳酸を使用して、光学純度の高い乳酸塩、乳酸エステル、ポリ乳酸を製造することができる。
本発明によれば、光学純度の高い乳酸を製造するための特別の設備を必要とせず、簡便に乳酸を製造することができる。また、光学純度の高いポリ乳酸を製造する過程で生じるラセミ化した乳酸等の再利用も可能となる。
本発明によれば、光学純度の低い乳酸を用いて付加価値の高い光学純度の高い乳酸を製造でき、この乳酸を原料として、光学純度の高い乳酸塩、乳酸エステル、ポリ乳酸を製造することができる。
本発明の第一は、溶媒としてトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、キシレン、アセトン、メチルイソブチルケトン、または水を用い、前記溶媒の使用量が粗ラクチドに対して0.5〜3質量倍であり、晶析温度が25〜100℃である粗ラクチドの優先晶析によりD−ラクチドまたはL−ラクチドを得て、得られたD−ラクチドまたはL−ラクチドを加水分解することを特徴とする、光学活性乳酸またはその塩の製造方法である。
粗ラクチドには、L−ラクチド、D−ラクチド、またはD−ラクチドとL−ラクチドとの混合物(以下、「DL−ラクチド」とも称す。)のほか、メソラクチドなど種々の形態が含まれる。本発明では、このような光学純度の低い粗ラクチドを優先晶析してD−ラクチドまたはL−ラクチドを得て、D−ラクチドを加水分解してD−乳酸を、同様にL−ラクチドを加水分解してL−乳酸を得ることを特徴とする。光学純度の低い乳酸を使用して得られたラクチドを原料として最終的に光学純度の高い乳酸が得られるため、本発明は乳酸の光学純度の高め方ともいうべきものである。ここに例えばD体の光学純度(%ee)は、100×(D−L)/(D+L)で算出される。なお、式中のDはD体の濃度、LはL体の濃度を示す。また、「光学活性乳酸」とは、光学活性を有する乳酸を意味し、L−乳酸であってもD−乳酸であってもよい。
本発明で使用する粗ラクチドとしては、光学純度が高いD−ラクチドやL−ラクチドであってもよいが、D−ラクチドまたはL−ラクチドのほかに、メソラクチドその他の不純物を含んでいてもよい。本発明では、優先晶析によって粗ラクチドの光学純度を向上させる点に特徴があり、光学純度の低い粗ラクチドを原料として使用することができる。本発明においては、特に使用する粗ラクチドの光学純度に関する制限はないが、一般には70%ee以上であることが好ましく、より好ましくは80%ee以上、特に好ましくは90%ee以上である。70%eeを下回ると、優先晶析の収率が低下して効率的な光学活性乳酸の製造が困難となる場合がある。このような粗ラクチドとしては、ポリ乳酸の製造過程から排出された粗ラクチドや、粗ポリ乳酸の分解産物、その他、ラクチド製造がラクチドの晶析工程を含む場合にはその結晶母液から回収したラクチドなどを使用することができる。
一方、粗ラクチドは、例えば乳酸、乳酸塩または乳酸エステルのD体および/またはL体を原料として製造されたものであってもよい。このような乳酸等からラクチドを製造する方法としても特に制限はなく、従来公知の方法で製造することができる。例えば、乳酸を減圧下において、160〜180℃で脱水縮合し、数平均分子量400〜3000程度のプレポリマーを合成し、次いで、該プレポリマーにSnOなどの触媒を加えて、圧力20mmHg以下、180〜230℃の温度で、撹拌下に環化反応を行うとラクチドを得ることができる。生成したラクチド蒸気を留出すると、温度70〜110℃で液体状でラクチドを回収することができる。D−乳酸を原料とするとD−ラクチドが主成分となり、L−乳酸を原料とするとL−ラクチドが主成分となり、DL−乳酸を原料とするとD−ラクチドとL−ラクチドとが等量混合されたDL−ラクチドが主成分となるため、ラクチドの原料となる乳酸、乳酸エステルまたは乳酸塩の光学活性は、その光学純度が85%ee以上、好ましくは90%ee以上、特に好ましくは95%eeであることが好ましい。ラクチドは、反応温度、圧力、反応部での滞留時間、プレポリマーの分子量、触媒の種類と量などによって大きく変化するが、このような光学純度の乳酸等を使用すると、上記範囲の光学純度の粗ラクチドを得ることができるからである。なお、乳酸からラクチドを合成する方法としては、その他、特許第2744696号、特許第3236289号、特表平7−503490号公報、特開平7−165753号公報等の方法で製造してもよい。
粗ラクチドからD−ラクチドまたはL−ラクチドを優先晶析するには、有機溶媒を利用する溶媒晶析のほか水を用いる水晶析がある。本発明では、これらの一種または二種以上を併用してもよく、溶媒晶析の場合には、異なる溶媒によって複数回の晶析を行ってもよい。また、優先晶析に先立ち、粗ラクチドを水洗した後に優先晶析を行ってもよい。なお、本発明において「水洗」とはラクチドの固化物を水と接触させることをいい、[水晶析]とは溶融状態のラクチドと水を接触させた後、得られたスラリーを冷却して更に結晶を析出させることをいう。
本発明では、水洗の後に溶媒晶析を行うことが特に好ましい。水洗を行うとラクチドの加水分解によるロスを抑えながらメソ体を除去することができ、その後に溶媒晶析を行うと、簡便にD−ラクチドとL−ラクチドとを分離することができるからである。粗ラクチドと水とを混合し撹拌するとスラリーを形成するが、メソラクチドや遊離酸はL−ラクチドやD−ラクチドよりも水に対する溶解速度が速く、加水分解速度も速い。このため、水洗を行うとメソラクチドの加水分解速度を速め、かつこれを冷却すればD−ラクチドやL−ラクチドを析出させることによりD−ラクチドやL−ラクチドの加水分解ロスを抑えながら、効率的に目的物を分取することができる。なお、メソラクチドと共に遊離酸も除去することができる。
水洗は、例えば、粗ラクチドに略等量の水を添加し、D−ラクチドまたはL−ラクチドが加水分解するのを防ぐため、温度−5〜50℃、より好ましくは0〜30℃、特に好ましくは5〜25℃に保つ。−5℃を下回るとメソラクチドの除去効率が低下し、一方50℃を上回るとD−ラクチドやL−ラクチドの回収率が低下する場合がある。ラクチドは常温で固体であり、水の添加によって発熱することも少ないため、50℃を超える温度となる場合は少ない。しかしながら、得られるラクチドが乳酸からの高温条件下で脱水縮合物によってプレポリマーが形成され、その後に触媒の存在下に高温条件下で環化反応を受けて合成された場合には、ラクチドが溶融状態で製造される。このような溶融ラクチドを水洗するには、特に水添加後の反応器を冷却し、上記範囲に制御することが好ましい。なお、溶融ラクチドに水を添加すると、高温でラクチドと水とが接触するため、D−ラクチドおよび/またはL−ラクチドが分解して水相に移行するためラクチドの回収率が低下する場合がある。このため、ラクチドとしては溶融ラクチドの固化物を使用すると、低温で水洗できるためD−ラクチドおよび/またはL−ラクチドの分解ロスが抑制され、好ましい。
ラクチドの形態が固体である場合には、粉末、粉砕物、板状物などのいずれの形態であってもよい。水洗過程でホモジネートすることができるため、固形物中に含まれる不純物も物理的に除去することができる。特に、ラクチド固化物に含まれる遊離酸はラクチドに内包されて存在するため、これを粉砕などして水相中でスラリー化させラクチドの表面積を拡大させた場合には、遊離酸の水への溶解率が向上して好ましい。なお、スラリー中のラクチド固形物の平均粒度は、30メッシュ以下であることが好ましく、より好ましくは100メッシュ以下、特に好ましくは200メッシュ以下である。30メッシュを超えると表面積拡大の効果が少なく、メソラクチドや遊離酸の除去効率が低下する場合がある。
本発明では、水洗の際の水と粗ラクチドとの接触時間は、5時間以下、より好ましくは3時間以下、更に好ましくは1時間以内とすることが好ましい。粗ラクチドに水を添加しホモジナイザー等によって撹拌すると、含まれるD−ラクチドとL−ラクチドとの大部分は結晶として析出しスラリー状となり、メソラクチドは加水分解してD−ラクチドやL−ラクチドと分離される。なお、撹拌時間が5時間を越えると、使用する水の量や水温によっても異なるが、D−ラクチドやL−ラクチドも水相に移行し、回収率が低下する場合がある。
本発明の水洗で使用できる「水」としては、水道水、工業用水、イオン交換水、脱イオン水などを使用することができる。粗ラクチドに添加する水の量は、粗ラクチドの組成や、含まれる不純物の含有量によって適宜選択することができるが、粗ラクチドの質量に対して0.5〜10質量倍となることが好ましく、より好ましくは0.7〜4質量倍、さらに好ましくは0.8〜2質量倍とする。0.5質量倍を下回ると、メソラクチドや遊離酸の除去効率が低下し、その一方、10質量倍を超えるとD−ラクチドやL−ラクチドの回収率が低下する場合がある。
次いで、得られたスラリーを、静置、ろ過などによって固液分離すると、水溶性成分である乳酸モノマー、乳酸ダイマー、メソラクチド、酸成分などが水相に移行し、実質的に酸成分が除去されたL−ラクチドおよび/またはD−ラクチドである固相を得ることができる。固相の粗ラクチドはスラリーを経ているため一般には粉状体で存在する。なお、固液分離は遠心分離、瀘過、遠心瀘過などのいずれの方法で行ってもよい。
本発明において、溶媒晶析に使用できる溶媒としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、キシレン、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)などの有機溶媒がある。粗ラクチドに添加する有機溶媒量は、粗ラクチドの0.5〜3質量倍であることが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5質量倍、特に好ましくは0.8〜1.5質量倍である。該混合物中でラクチドはスラリーとして存在するが、3質量倍を超えると蒸発させる溶媒量が多くなり、回収率が低下する場合がある。また、加熱エネルギーが大量になって不利である。一方、0.5質量倍を下回ると、粗ラクチドに含まれる不純物の除去効率が低下して不利となる。晶析温度は使用する溶媒によって適宜選択することができ、一般には25〜100℃であることが好ましく、より好ましくは25〜80℃である。晶析温度が上記範囲にあれば、D−ラクチドやL−ラクチド、DL−ラクチドなどの溶質を上記溶媒中に溶解させることができる。例えばトルエンを晶析用の溶媒として使用する場合には、D−ラクチドと等量のトルエンにラクチドを80℃で全溶解させた後、25℃まで冷却する。この際、結晶は60℃程度で析出する。なお、目的のラクチドを溶媒中に析出させるには、溶媒を濃縮して目的物を析出させてもよい。
また、水洗や溶媒晶析に代えて水晶析を行う場合には、水道水、工業用水、イオン交換水、脱イオン水などを使用し、粗ラクチドに対して0.5〜3質量倍の水を混合し、これを温度25〜90℃にして粗ラクチドの全量または一部を溶解し、次いで温度20〜40℃に冷却して結晶を析出させればよい。
次いで、ラクチド結晶を含む溶媒液または水溶液を固液分離し、固相のラクチドを回収する。固液分離は、遠心分離、ろ過、遠心ろ過などのいずれの方法を使用してもよい。
本発明における優先晶析は、晶析処理によって原料の粗ラクチドよりも得られるラクチドの光学純度が向上すれば上記公報記載の方法に限られるものではない。例えば、本発明の優先晶析を特開平7−165753号公報に開示される方法に準じて行うことができる。該公報に開示される「L−ラクチドおよび/またはD−ラクチド、並びにメソラクチドを含む混合物と水とを接触させることによりメソラクチドを除去する工程」は、本発明の「水晶析」に該当し、更に「ラクチドと反応することのない溶媒に溶解し再晶析する工程」は、本発明の「溶媒晶析」に該当する。なお、晶析方法としてはWO92/00974号公報記載の晶析方法によってもよい。
本発明の上記工程によって、光学純度98%ee以上のラクチドが得られる。
本発明では、このラクチドを加水分解する。光学純度を維持したまま加水分解するには、添加する水の量をラクチドの0.25〜10質量倍、好ましくは0.5〜5質量倍、特には0.8〜2質量倍とする。0.25質量倍を下回ると加水分解が遅くなり、一方、10質量倍を上回ると加水分解後の脱水に多大なエネルギーが必要となり不利である。加水分解は、温度50〜120℃で行うことが好ましく、より好ましくは70〜120℃、特に好ましくは80〜120℃である。50℃を下回ると加水分解に多くの時間を要し、一方、120℃を超えるとラセミ化により得られる乳酸の光学純度が低下する。これにより光学純度の高い乳酸を製造することができる。
本発明では、上記加水分解の際に、水にアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属と添加し、ラクチドの加水分解と中和とを同時に行い、光学純度の高い乳酸塩を製造することもできる。添加するアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属量としては、ラクチドに対して6〜2モル倍、より好ましくは4〜2モル倍、特に好ましくは3.5〜2モル倍とする。このような化合物と乳酸とによって形成される乳酸塩が水溶液中で固形塩として存在し得る場合には、接触後の水溶液を除去して固形塩を蒸発乾固させ、または濃縮晶析等を行うことで乳酸塩を分取することができる。
本発明で使用できるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどが好ましく使用でき、特にカリウム、ナトリウムを使用することが好ましい。また、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムなどを好ましく使用することができ、より好ましくはマグネシウム、カルシウムである。また上記したように、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属は化合物の形態で存在していてもよい。従って、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニウム塩、硝酸塩、硫酸塩、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン化物、酸化物、窒化物、硫化物などがある。本発明では、これらの中でも、水酸化物、アンモニウム塩、炭酸塩などを好ましく使用することができる。
本発明によれば、ラクチドの加水分解によって乳酸が製造でき、さらにこれを上記アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属化合物を用いて中和して使用したアルカリ溶液に対応した乳酸塩を製造することができる。なお、乳酸と反応して塩を生じるものであれば、アルカリ金属やアルカリ土類金属化合物に限らず他の化合物を使用することもできる。
本発明によれば、光学純度98%ee以上の乳酸またはその塩を製造することができる。
本発明の第二は、上記方法で得た光学活性乳酸またはその塩をエステル化することを特徴とする、光学活性乳酸エステルの製造方法である。乳酸エステルは乳酸にアルコールを作用させることで製造することができるが、本発明の第一によれば、光学純度の高い乳酸またはその塩を製造することができるため、これをエステル化することで光学純度の高い乳酸エステルを得ることができる。
使用できるアルコールとしては、目的とする乳酸エステルのエステル種に応じて適宜選択すればよく、一般には炭素数1〜30の一価アルコールが好ましく使用できる。
このようなアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール及び2−エチルヘキシルアルコール、テトラデシルアルコール、オクタデシルアルコール、イコシルアルコール等がある。一般には、乳酸に対して3〜10モル倍のアルコールを添加し、アルコールに乳酸を溶解させ、温度60〜140℃、より好ましくは80〜120℃でエステル化反応させると乳酸エステルを製造することができる。なお、副生する水を除去するために蒸留措置を配設したエステル反応器を使用することが好ましい。
一方、本発明では、上記第一の発明と同様にして、粗ラクチドを優先晶析によりD−ラクチドまたはL−ラクチドを得て、得られたD−ラクチドまたはL−ラクチドをアルコールと作用させると、光学純度の高い乳酸エステルを製造することができる。このようなラクチドにアルコールを作用させて、乳酸エステルを製造する方法としては、特開平8−40983号公報に開示されている。該公報では、ラクチドとして、3,6−ジメチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオンを使用しているが、該ラクチドの光学純度については一切記載されていない。該発明は、水分除去を行わずに乳酸エステルを製造する点に特徴があり、光学純度を問題としていないからである。しかしながら、光学純度の高いラクチドにアルコールを作用させると、結果として光学純度の高い乳酸エステルを製造できることが判明した。
本発明の乳酸エステルの製造方法においては、ラクチドに酸触媒の存在下にアルコールを作用させると反応時間を短縮でき、より好ましい。このような酸触媒としては、特開平8−40983号公報記載のプロトン酸、ルイス酸などを使用することができる。また、これらの添加量や反応時間、反応温度なども該後方記載の方法に準じて行うことができる。一方、本発明では、光学純度の高い乳酸エステルを製造する点に特徴があり、このためには低温条件とすることが好ましい。
本発明の第三は、上記方法で得た光学活性乳酸もしくはその塩、または上記方法で得た光学活性乳酸エステルを重合することを特徴とする、ポリ乳酸の製造方法である。本発明では、D−乳酸、L−乳酸の純度が高くしかも収率が高いため、これを用いてポリ乳酸を製造すると、使用原料に基づく特性の異なるポリ乳酸を製造することができる。
乳酸からポリ乳酸を製造する方法自体は、従来公知の方法を採用することができ、乳酸からラクチドを得た後、これを例えば特許公報第2621813号、特許公報第2862701号、特許公報第3127770号などに記載されている方法で調製することができる。本発明によるポリ乳酸は、原料の精製度が高いために原料に基づくポリ乳酸の特性を奏し、その生分解性によって、手術用縫合糸、徐放性カプセル、骨折時補強材などの医療用具に好適に使用でき、また生分解性ポリマーとして、自動車部品、電子機器の筐体などにも商品化され、各種用途に適する。
なお、ラクチドから光学活性乳酸を製造するには、例えばD−乳酸またはD−乳酸塩(以下、D−乳酸(塩)とも称する。)を得るにはD−ラクチドを原料とし、L−乳酸またはL−乳酸塩(以下、L−乳酸(塩)とも称する。)を得るにはL−ラクチドを原料とすることが好ましい。本発明では、特に従来から需要が高いがその提供が困難であったD−乳酸の製造に適する。粗D−乳酸を原料として粗D−ラクチドを製造し、これを優先晶析および加水分解すれば、光学純度の高いD−乳酸を製造することができる。
以下、本発明の実施例を示す。なお、各実施例における測定は以下の方法によった。
(1)遊離酸量(%)
粗ラクチド、水晶析後の結晶、溶媒晶析で得た結晶中の遊離の酸がすべて乳酸と仮定して、中和滴定によるアルカリ消費量から質量換算した。
(2)反応収率(%)
仕込んだ乳酸量から理論的に得られるラクチド量に対し、反応で取得した粗ラクチド中の収率であり、下記式により算出する。
Figure 0004279082
(3)回収率(%)
水洗または溶媒晶析前の反応物及び結晶中のラクチド量に対し、取得した結晶中に回収されたラクチド量の割合であり、下記式により算出した。
Figure 0004279082
(4)光学純度
Figure 0004279082
(実施例1:光学純度85%ee乳酸使用)
光学純度85%eeの乳酸900gを攪拌機付きのフラスコに仕込み、触媒として酸化第一スズ(SnO)3.6gを添加して徐々に減圧し、2時間かけて最終的に160℃、20mmHgとした。さらに、この状態で1時間脱水を続けた。
次いで減圧を20mmHg、温度220℃で反応蒸留を1時間行った。得られた粗ラクチドの収量は620gで、その組成は、下記表1の通りであった。
なお、下記表1〜6において、「D+L−ラクチド」は、D−ラクチドとL−ラクチドとの合計量を示し、「D+L−ラクチドの組成比率」は、D−ラクチドとL−ラクチドの各々の組成比率の合計を示す。
Figure 0004279082
次に、上記固形状態の粗ラクチドを乳鉢で粗粉砕し、粗ラクチド300gと水を300gとを混合し、スラリー状態を20℃に保ちつつホモジナイザーで粉砕しながら2分間水洗した。次に、得られたスラリーを遠心濾過し、更に仕込み粗ラクチドと等量の水300gを結晶ケークに噴霧して洗浄し、再度遠心濾過した後、分離結晶を40℃、減圧下で乾燥した。そのときの収量は230gであった。組成を表2に示す。
Figure 0004279082
次に、上記ラクチド結晶200gとトルエン200gを冷却器付きのフラスコに仕込み、撹拌下加熱を開始しラクチド結晶をトルエンに溶解させた。ラクチド結晶は、約70℃でトルエンに全量溶解した。全量溶解後に加熱を停止し、3時間かけてスラリー温度25℃まで冷却した。得られたスラリーは、遠心濾過により固液分離した。
分離したラクチド結晶を40℃減圧下で乾燥した。収量は175gであった。その組成を表3に示す。なお、表3において「不検出」とは、ガスクロマトグラフィーによる検出限界以下であったことを示す。
Figure 0004279082
次に、上記L−ラクチド結晶50gと水70gとをフラスコに仕込み、12時間加熱還流してL−ラクチドを加水分解し、次いで減圧下に脱水した。脱水後、濃度調節を行い90質量%の乳酸を得た。得られた乳酸の光学純度は、L−乳酸として99.9%eeであった。
(実施例2:D光学純度90%ee乳酸使用)
D光学純度90%eeの90質量%D乳酸を原料化合物とした以外は、実施例1と同様の条件で、反応蒸留、精製、加水分解を行い粗ラクチドを得た。トルエン晶析後のラクチド組成を表4〜6に示す。
この粗ラクチドを実施例1と同様にして加水分解および脱水し、90質量%に濃度調製した乳酸のD光学純度は100%eeであった。原料乳酸中のD乳酸を基準にした場合の収率は71%であった。
Figure 0004279082
Figure 0004279082
Figure 0004279082
(実施例3)
実施例2でトルエン晶析後に得られたラクチド50gと水50gとを、攪拌機、滴下ロート、冷却管を付したフラスコに仕込、液温度を40℃以下になるように制御しながら35質量%の水酸化ナトリウム水溶液80gを2時間かけて滴下した。
次に、80℃で4時間加熱後、冷却し、余剰分の水酸化ナトリウムを50重量%のD乳酸1.1gで中和した。次に、脱水し、50.8重量%の乳酸ナトリウム水溶液を得た。
得られた乳酸ナトリウムのD光学純度は、99.9%eeであった。

Claims (6)

  1. 溶媒としてトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、キシレン、アセトン、メチルイソブチルケトン、または水を用い、前記溶媒の使用量が粗ラクチドに対して0.5〜3質量倍であり、晶析温度が25〜100℃である粗ラクチドの優先晶析によりD−ラクチドまたはL−ラクチドを得て、得られたD−ラクチドまたはL−ラクチドを加水分解することを特徴とする、光学活性乳酸またはその塩の製造方法。
  2. 前記粗ラクチドの光学純度が70%ee以上であり、D−ラクチドまたはL−ラクチドの光学純度が98%ee以上である、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記粗ラクチドが、光学純度が85%ee以上の乳酸、乳酸エステルまたは乳酸塩のいずれか1種から乳酸オリゴマーを形成し、該オリゴマーを解重合および環化反応を行って得られたものである、請求項2記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で得た光学活性乳酸またはその塩をエステル化することを特徴とする、光学活性乳酸エステルの製造方法。
  5. 溶媒としてトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、キシレン、アセトン、メチルイソブチルケトン、または水を用い、前記溶媒の使用量が粗ラクチドに対して0.5〜3質量倍であり、晶析温度が25〜100℃である粗ラクチド優先晶析によりD−ラクチドまたはL−ラクチドを得て、得られたD−ラクチドまたはL−ラクチドをアルコールと作用させることを特徴とする、光学活性乳酸エステルの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で得た光学活性乳酸もしくはその塩、または請求項4もしくは5記載の方法で得た光学活性乳酸エステルを重合することを特徴とする、ポリ乳酸またはその塩の製造方法。
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