JP4278210B2 - 分電盤のアース中継端子 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本件の発明は，住宅などで使用される住宅用分電盤のアース中継端子に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来，分電盤のアース中継端子は，分電盤のケースに固定された端子板に複数のねじ端子が螺合され，各ねじ端子に屋内のアース線および地面などにアース接続されたアース線をそれぞれ接続していた。アース線の接続は，ねじ端子のねじを緩めて，アース線に圧着端子をを装着するかアース線の先端を丸くして，ねじ端子に取付けた後，ねじ端子のねじを締付けることにより，アース線を接続していた。
【０００３】
前記アース中継端子は，ねじ端子の他にねじなし端子を有したものもある。
【０００４】
【従来技術の問題点】
しかし，従来の分電盤のアース中継端子では，以下に示すような不都合があった。
【０００５】
ねじ端子の場合，アース線の接続は，ねじ端子のねじを緩めて，アース線に圧着端子を装着するかアース線の先端を丸くして，ねじ端子に取付けた後，ねじ端子のねじを締付ける必要があり，接続作業に多くの時間を費やしていた。
【０００６】
また，ねじ端子およびねじなし端子とも，アース中継端子が分電盤のケースに固定されているため，アース中継端子に対して遠い位置から分電盤内に引き込まれたアース線をアース中継端子がある位置まで引き回す必要があり，アース線を特別長くしなければならなかった。
【０００７】
【発明の目的】
そこで本件の発明は，アース線の接続作業が短時間でかつ容易にできる分電盤のアース中継端子を提供することを目的としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため請求項１の分電盤のアース中継端子は，
導電部が露出しないように絶縁部材で覆われ，かつ１つ以上のねじなし端子を含み互いに電気的に接続された複数の端子を有して構成され，分電盤のケースと該ケースに取り付けられる分岐取付板との間において，
ケースに設けられた配線孔を通して分電盤内に引き込まれたアース線を接続して配置され，分電盤内に固定されずに，接続されたアース線のみで支持された状態で分電盤内に収まるように構成されたものである。
【０００９】
請求項２記載の分電盤のアース中継端子は，請求項１記載の分電盤のアース中継端子において，アース中継端子の絶縁部材で構成された基台に結束バンド等を貫挿させる孔部を設けたフックを設け，
該フックと前記分岐取付板の空いている穴に結束バンドを貫挿することにより分電盤内の適宜位置に接続できるようにしたものである。
【００１０】
【作用】
上記の手段により本件の発明では，アース中継端子の端子をねじなし端子とすることで，従来のねじ端子にアース線を接続する際に必要であったねじ緩めや締付けおよびアース線への圧着端子装着やアース線の先端を丸めるという作業が省略でき，短時間でアース線の接続作業が行える。
【００１１】
さらに，アース中継端子を分電盤内に固定しないことにより，アース中継端子を自由に動かすことができ，アース線が分電盤内に引き込まれた位置でアース線の接続作業を行うことができるため，アース線を分電盤内で引き回す手間が省ける。
【００１２】
また，アース中継端子は，導電部が露出しないように絶縁部材で覆うことにより，アース中継端子の導電部が分電盤内の金属部に接触するおそれがないため，アース中継端子を分電盤内の適宜位置に収めることができる。
【００１３】
アース中継端子にフックを設けたことにより，アース中継端子を結束バンド等で分電盤内の適宜位置に接続することができるため，アース中継端子を確実に分電盤内に収めることができる。
【００１４】
【実施例の説明】
以下に本件の発明を図面を用いて説明する。
【００１５】
図１ないし図５に第１の実施例を示す。
【００１６】
図１はアース中継端子の外観図，図２はアース中継端子のねじなし端子部の断面図，図３はアース中継端子のねじ端子部の断面図，図４は分電盤のパネルを外した状態の正面図，図５は分電盤のパネルを取付けた状態の断面図である。
【００１７】
図１において，アース中継端子１は，電気的に接続された複数のねじ端子およびねじなし端子を絶縁部材で形成された基台２およびカバー３によって覆われ，導電部がアース中継端子１の表面から突出していない。アース中継端子１の前面に，ねじなし端子を有する単線挿入孔４を上下方向に沿って等間隔に設けるとともに，アース中継端子１の上下側面に設けられたより線挿入孔６に挿入される電線を接続するための端子ねじ５を設けている。
【００１８】
例えば，単線挿入孔４には屋内のコンセントや負荷機器などの単線のアース線を接続し，より線挿入孔６には前記アース線のより線または地面などにアース接続されたアース線を接続する。
【００１９】
図２において，ねじなし端子部は，速結端子１１が基台２とカバー３の間に挟持された状態で保持され，各速結端子１１を電気的に接続するための接続導体１３が速結端子１１の該Ｕ字状の溝部に挟持されている。速結端子１１には，単線挿入孔４より挿入されるアース線を速結端子１１に圧着させるとともに食い付けて抜けを防止するための鎖錠片１２が形成されている。
【００２０】
図３において，ねじ端子部は，端子金具１４が基台２とカバー３の間に挟持された状態で保持され，接続導体１３と端子金具１４が電気的に接続されている。端子金具１４には，より線挿入孔６より挿入されるアース線を接続するための端子ねじ５が螺合されている。
【００２１】
図４および図５において，分電盤は，壁面に取付けられるケース３１およびケース３１の前面に着脱可能に取付けられるパネル３２を備えている。主幹ブレーカ３４は主幹取付板３６に，また複数の分岐ブレーカ３５は分岐取付板３７に取付けられ，この主幹取付板３６および分岐取付板３７は，ケース３１に取付けられている。主幹ブレーカ３４および複数の分岐ブレーカ３５は，導電部材３８により電気的に接続されている。
【００２２】
また，アース中継端子１には，配線孔３３を通して分電盤内に引き込まれた複数のアース線２１が接続され，アース中継端子１は，接続された複数のアース線２１のみで支持された状態で分電盤内に収まっており，分電盤に固定されていない。
【００２３】
図６ないし図８に第２の実施例を示す。
【００２４】
図６はアース中継端子の外観図，図７は分電盤のパネルを外した状態の部分正面図，図８は分電盤のパネルを取付けた状態の部分断面図である。
【００２５】
なお，第１の実施例と同様の構造については，同一符号を用いてその説明を省略する。
【００２６】
図６において，アース中継端子１の左右側面に，必要に応じて結束バンド等で分電盤内の適宜位置に接続できるようなフック７を設けている。
【００２７】
図７および図８において，アース中継端子１は，分岐取付板２７の空いている穴を利用して結束バンド４１にて分岐取付板３７と接続されている。これは，第１の実施例において，アース中継端子１に接続された複数のアース線２１が，前面方向に付勢されてアース中継端子１が極端に前面方向へ浮き上がりパネル３２に当たってパネル３２がケース３１に装着しにくくなった場合に適用される。
【００２８】
【発明の効果】
本件の発明によれば，アース中継端子の端子をねじなし端子とすることで，従来のねじ端子にアース線を接続する際に必要であったねじ緩めや締め付けおよびアース線への圧着端子装着やアース線の先端を丸めるという作業が省略でき，短時間でアース線の接続作業が行える。
【００２９】
さらに，アース中継端子を分電盤内に固定しないことにより，アース中継端子を自由に動かすことができ，アース線が分電盤内に引き込まれた位置でアース線の接続作業を行うことができるため，アース線を分電盤内で引き回す手間が省ける。
【００３０】
また，アース中継端子は，導電部が露出しないように絶縁部材で覆うことにより，アース中継端子の導電部が分電盤内の金属部に接触するおそれがないため，アース中継端子を分電盤の適宜位置に収めることができる。
【００３１】
請求項２記載のアース中継端子によれば，アース中継端子の絶縁部材で構成された基台に結束バンド等を貫挿させる孔部を設けたフックを設けたことにより，接続されたアース線の付勢でアース中継端子が分電盤内に収まりにくくなった場合，該フックを用いてアース中継端子を結束バンド等で分岐取付板の空いている穴に結束バンドを貫挿することにより分電盤内の適宜位置に接続することができるため，アース中継端子を確実に分電盤内に収めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施例のアース中継端子の外観図
【図２】本発明のアース中継端子のねじなし端子部の断面図
【図３】本発明のアース中継端子のねじ端子部の断面図
【図４】本発明の第１の実施例を示す分電盤のパネルを外した状態の正面図
【図５】本発明の第１の実施例を示す分電盤のパネルを取付けた状態の断面図
【図６】本発明の第２の実施例のアース中継端子の外観図
【図７】本発明の第２の実施例を示す分電盤のパネルを外した状態の部分正面図
【図８】本発明の第２の実施例を示す分電盤のパネルを取付けた状態の部分断面図
【符号の説明】
１ アース中継端子
２ 基台
３ カバー
４ 単線挿入孔
５ 端子ねじ
６ より線挿入孔
７ フック
１１ 速結端子
１２ 鎖錠片
１３ 接続導体
１４ 端子金具
２１ アース線
３１ ケース
３２ パネル
３３ 配線孔
３４ 主幹ブレーカ
３５ 分岐ブレーカ
３６ 主幹取付板
３７ 分岐取付板
３８ 導電部材
４１ 結束バンド
Claims (2)
- 分電盤のアース中継端子を，導電部が露出しないように絶縁部材で覆い，かつ１つ以上のねじなし端子を含み互いに電気的に接続された複数の端子を有して構成し，
分電盤のケースと該ケースに取り付けられる分岐取付板との間において，
ケースに設けられた配線孔を通して分電盤内に引き込まれたアース線を接続して配置し，
分電盤内に固定せず，
接続されたアース線のみで支持された状態で分電盤内に収める構成としたことを特徴とする分電盤のアース中継端子。 - アース中継端子の絶縁部材で構成された基台に結束バンド等を貫挿させる孔部を設けたフ
ックを設け，
該フックと前記分岐取付板の空いている穴に結束バンドを貫挿することにより
分電盤内の適宜位置に接続できるようにしたことを特徴とする請求項１記載のアース中継
端子。
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| JP37769498A JP4278210B2 (ja) | 1998-12-31 | 1998-12-31 | 分電盤のアース中継端子 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP37769498A JP4278210B2 (ja) | 1998-12-31 | 1998-12-31 | 分電盤のアース中継端子 |
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|---|---|---|---|
| JP37769498A Expired - Lifetime JP4278210B2 (ja) | 1998-12-31 | 1998-12-31 | 分電盤のアース中継端子 |
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