JP4278108B2 - 超小角x線散乱測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、小角領域において試料から発生する散乱線を測定するX線小角散乱測定装置、特に、超小角領域(2θ≦0.08°)に発生する散乱線を測定するのに好適な超小角X線散乱測定装置に関する。
回折角度(2θ)の小角領域、例えば0°〜5°におけるX線散乱を観察することにより、物質の内部の結晶粒子の大きさや形状を判定する手法としてX線小角散乱法が知られている。このX線小角散乱法を実現する装置として、従来、3つのスリットを用いた光学系を用いるX線小角散乱測定装置や、クラツキUスリットを用いたX線小角散乱測定装置といったスリット系のX線小角散乱測定装置が知られている。
3スリット系のX線小角散乱測定装置は、試料に入射するX線の発散を第1スリットと第2スリットとで抑えて平行X線束を形成し、この平行X線束を試料に照射することによって試料から小角領域における散乱線を得ている(例えば、特許文献1参照)。なお、第3スリットは、第1及び第2スリットからの散乱線を除去する作用を奏している。また、クラツキUスリットを用いたX線小角散乱装置は、ブロック状部材であるクラツキUスリットによってX線の発散を規制することにより、3スリット系のX線小角散乱装置よりも高い分解能を実現している。
ところで、近年、プラスチック、ゴム等といった高分子材料における分子の高次の集合構造を解析するために、超小角領域(2θ≦0.08°)における散乱線を明確に捕えたいという要望が高くなっている。原理的には、3スリット系のX線小角散乱測定装置やクラツキUスリットを用いたX線小角散乱測定装置を用いてX線小角散乱測定を行えば、上記の要望に応えた解析を行うことができるのであるが、現実的にはそれらのX線小角散乱測定装置ではその要望に応えることができない。その理由は、3スリット系のX線小角散乱測定装置やクラツキUスリットを用いたX線小角散乱測定装置では、試料に入射させるX線に関してX線強度を高く維持した上でX線の発散角を狭くすることが困難であるため、超小角領域におけるバックグラウンドをきれいに除去することができず、そのため、超小角領域内における試料からの散乱線を捕えることができないからである。
超小角領域における散乱線情報を得ることを目的としたX線小角散乱測定装置として、従来、ボンゼ・ハート(Bonse-Hart)光学系を用いたX線小角散乱測定装置が知られている。この装置は、例えば、図12(a)に示すように、チャネルカット結晶から成るモノクロメータ101を試料SとX線源102との間に設け、同じくチャネルカット結晶から成るアナライザ103を試料SとX線検出器104の間に設ける構成を有している。
図12(a)においては、符号X,Y,Zによって3次元方向を示している。Z方向は紙面垂直方向である。測定に際しては、アナライザ103を自己の軸線Xを中心として走査回転(いわゆる、2θ回転)させることにより、図12(b)に示すように、2θ角度の変化に対応した散乱線強度Iの変化が測定される。2θ方向は、XY平面に直交する軸線Xを中心とした回転方向である。XY平面は、光源102からX線検出器104に至るX線光軸Xを含み2θ回転の中心である軸線Xに直角な平面であり、この平面は赤道面と呼ばれることがある。また、赤道面に直交する方向、すなわちZ方向は緯度方向と呼ばれることがある。
ボンゼ・ハート光学系を用いた超小角X線散乱測定装置によれば、X線源102から発散するX線の一部をスリットによって除去することによって平行X線束を形成するのではなく、チャネルカット結晶101でのX線回折(すなわち、X線反射)によってX線の単色化及びX線の平行ビーム束化を行うので、平行な単色X線を試料に照射することができ、アナライザ結晶と併せ、Kα1のみの、単色光を利用できる。それ故、超小角領域において試料Sからの散乱線を測定できる、と言われている。
特開2001−356197号公報(第3〜4頁、図1)
しかしながら、本発明者の実験によれば、ボンゼ・ハート光学系を用いた場合でも、超小角領域内において試料からの散乱線を正確に捕えられないことが分かった。その理由は、散乱線を捕えるためにX線検出器を走査移動させる方向(実際には、アナライザ結晶103を2θ回転させる方向、すなわち赤道面内方向)におけるX線の発散はモノクロメータ及びアナライザによって抑えることができるので赤道面内方向の分解能は高く維持、例えば0.002°程度に維持できるのであるが、赤道面に対して直角な緯度方向に関してはX線の発散を抑えることができないからである。そして、緯度方向におけるX線の発散を抑えることができないと、スメアリング現象(Smearing現象、塗りつぶされた現象)が発生するため、正確な散乱線パターンを捕えることができないからである。
スメアリング現象は、にじみ汚れ現象と呼ばれることもある現象であって、試料からの散乱線を構成するデバイリングがX線検出器のX線検出領域内において複数個互いに重なり合って存在することに起因して、実際に捕えたいデバイリングが不鮮明に汚れてしまう現象である。以下、スメアリング現象について図13を用いて詳しく説明する。
スメアリング現象とは、試料に入射するX線の幅が試料から発生する散乱線のデバイリングよりも十分に広い場合に起こる現象である。図13(a)は、入射X線Rが試料Sに入射して散乱線Rが発生する場合を模式的に示している。散乱線Rは互いに重なり合う複数のデバイリングDを含んでいる。入射X線Rの幅Wは散乱線Rを構成するデバイリングDよりも十分に広い状態である。
図13(a)においてXYZで示す3次元空間を考え、Z軸線を中心としてX線検出器が2θ回転して散乱線Rを検出するものとする。つまり、XY平面が赤道面であり、それと直交するZ軸方向が緯度方向であるとする。図13(a)に示す状態は、超小角領域(例えば、2θ≦0.08°)で見られる現象である。粉末X線回折装置のような広角回折装置を考えれば、幅Wは広角回折装置のX線光軸に含まれてしまう程度の幅である。
理想的な測定では、SC(Scintillation Counter/シンチレーションカウンタ)等といった0次元X線検出器の検出領域Aは1つのデバイリングDを検出すべきである。この場合には、図13(b)において1つのデバイリングに起因する散乱パターン(ガウス分布状のパターン)Aが検出されることになる。しかしながら、散乱線Rが多数の重なったデバイリングDを含む場合には、検出領域Aがそれら多数のデバイリングを検出することになるので、図13(b)に符号Bで示すように、複数のデバイリングDに起因する散乱パターンBが検出されてしまう。つまり、スメアリング現象が発生すると、試料の内部の結晶粒子の大きさや形状を示す重要なピーク情報が、広いX線ビーム幅に起因して発生する多数のデバイリングに基づいて発生するバックグラウンドに埋もれてしまって検出できないことになる。
図12(a)に示したボンゼ・ハート光学系によれば、赤道面内方向(XY面内方向)におけるX線の分散はモノクロメータ結晶によって規制できるので、赤道面内方向におけるスメアリング現象の影響は測定結果に悪影響を及ぼすことはないと考えられる。しかしながら、緯度方向(すなわち、Z方向)におけるX線の分散は規制されないので、緯度方向に関しては試料Sに広い幅のX線が照射され、スメアリング現象が発生することが考えられる。そして、このスメアリング現象により、超小角領域において正確な散乱線パターンを捕えることができなくなっていると考えられる。
このような緯度方向におけるスメアリング現象を解消するため、図12(a)において、緯度方向(Z方向)のX線ビーム幅をスリットを用いて細くするという技術が考えられる。この技術によれば、超小角領域(2θ≦0.08°)内におけるデバイリングの重なりを小さくすることができ、その結果、正確な散乱線パターンを捕えることができるように思われる。しかしながら、スリットを用いてX線ビーム幅を規制する場合には、X線強度が弱くなり過ぎて、正確な測定ができないという問題が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、スメアリング現象の発生を抑えることにより、超小角領域における試料からの散乱線パターンを正確に捕えることができる超小角X線散乱測定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の超小角X線散乱測定装置は、X線実焦点から放射されたX線を所定のフォーカスサイズで取出して試料へ向けて出射するX線発生手段と、前記試料から出射したX線を検出するX線検出手段と、前記X線実焦点と前記試料との間に設けられたX線平行化ミラーと、該X線平行化ミラーと前記試料との間に設けられたモノクロメータと、前記試料と前記X線検出手段との間に設けられたアナライザとを有する。前記X線平行化ミラーは、互いに直交する第1ミラーと第2ミラーとを有する。前記第1ミラー及び前記第2ミラーは重元素層と軽元素層とを交互に積層して成る多層膜をX線反射面に有し、該多層膜は放物面形状であり、該多層膜の格子面間隔は特定波長のX線に対して前記X線反射面の任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように前記放物面に沿って連続的に変化している。前記モノクロメータ及び前記アナライザは、互いに対向する一対のX線反射面を有すると共に完全結晶によって形成される。前記アナライザは当該アナライザを通るX線光軸に対して直角な2θ軸線を中心として走査回転し、その走査回転内の各角度位置において前記X線検出手段によってX線検出が行われる。前記第1ミラー及び前記第2ミラーは、前記X線光軸を含み且つ前記2θ軸線に直角な面に対して45°傾いている。
上記構成において、X線発生手段が所定のフォーカスサイズのX線を取出すということは、例えば、ポイントフォーカスのX線を取出すことや、ラインフォーカスのX線を取出すということである。ポイントフォーカスのX線とは、断面が円形、正方形、円形に近い多角形であるX線のことである。また、ラインフォーカスのX線とは、断面が長方形状又は長方形に近い多角形であるX線のことである。
従来のスリット型のX線小角散乱測定装置や従来のボンゼ・ハート光学系を用いたX線小角散乱測定装置においては、X線焦点のサイズは、0.5mm×1mm(角度6°の視射角での実効焦点サイズ)が用いられることが多かった。もちろん、このような従来の焦点サイズを用いることも可能である。しかしながら、本発明では、X線源とモノクロメータとの間に多層膜放物面ミラーから成るX線平行化ミラーを設けたため、より小さい焦点サイズを適用できる。本発明者の実験によれば、0.05mmφ以上0.1mmφ以下、望ましくは0.08mmφ(角度6°の視射角での実効焦点サイズ)を採用できた。焦点サイズを小さくできるということは、試料に入射する平行X線ビームの幅を小さくできるということであり、スメアリング現象の発生を防止する観点からも望ましいことである。ここで言う、0.05mmφ、0.08mmφ、0.1mmφなどの表現は、完全な円ばかりでなく、実効焦点サイズが0.05mm×0.05mm、0.08mm×0.08mm、0.1mm×0.1mmの角が丸まった四角も含めている。
焦点サイズを小さくできるということは、電力供給能力も低減できるということであり、この面からも、焦点サイズを小さくすることは望ましいことである。因みに、0.5mm×1mmの従来の焦点サイズに対しては18kWの回転体陰極型のX線源を用いていたが、0.05mm(50μm)φ以上0.1mm(100μm)φ以下、望ましくは0.08mm(80μm)φの焦点サイズに対しては0.8kW又は1.2kWの回転対陰極型のX線源を用いることができる。
上記構成の本発明に係る超小角X線散乱測定装置によれば、モノクロメータの前段にX線平行化ミラーを設け、そのX線平行化ミラーを互いに直交する第1ミラーと第2ミラーとによって構成し、さらに第1ミラー及び第2ミラーのX線反射面は放物面であるので、X線源から出射されたX線を2次元的に平行化、すなわち縦横の両方向で平行化、すなわちX線ビームの断面径が方形状又はひし形形状となるように平行化される。
しかも、X線平行化ミラーのX線反射面は、重元素層と軽元素層とを積層して成る多層膜によって形成され、さらに、多層膜の格子面間隔は特定波長のX線に対してX線反射面の任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように放物面に沿って連続的に変化しているので、X線平行化ミラーに入射したX線は全て単色の平行ビームに変換されることになり、それ故、平行ビームの強度は非常に高い。この強度は、スリットによって平行ビームの径を絞る場合に比べて格段に強いものであり、測定のために十分な強度の散乱線を超小角領域内(2θ≦0.08°)で試料から発生させることに関して十分な強度である。
以上のように、本発明によれば、試料に対して2次元的に平行化された強度の強い単色X線を照射することが可能となり、従来のボンゼ・ハート光学系のような1次元方向のみのX線平行化を行う場合に見られたようなスメアリング現象の発生が防止され、超小角領域内(2θ≦0.08°)において試料からの散乱線パターンを明確に捕えることが可能となった。このため、200nmから1μmの構造のクラスター(すなわち、原子及び分子の集合体)の電子密度をスメアリング現象の少ない超小角X線散乱で観察することが可能となり、この観察から物質の機能の知見を得ることが可能となった。
さらに、例えば、図9(a)のステレオ投影図で示される構造を有する立方晶であって、格子定数が400nmの立方晶にX線を照射すると、(−100)、(010)、(100)、(0−10)の各面からの4つのスポットが観測できる。また、図9(b)に示すように、赤道方向(すなわち、アウトプレーン方向)及び緯度方向(すなわち、インプレーン方向)の両方に回折線が発生する。赤道方向の回折線は(010)からの回折線であり、緯度方向の回折線は(−100)からの回折線である。赤道方向だけにしかX線を平行化しない従来のボンゼ・ハート光学系では、緯度方向においてスメアリング現象が発生するためにバックグラウンドすなわちノイズが大きくなり、緯度方向の回折線を観測することができなかった。
これに対し、本発明に係る超小角X線散乱測定装置によれば、X線平行化ミラーの働きによって縦方向の発散角度を所定値以下に規制、例えば0.06°以下に規制して縦方向に関しても平行化を行うことができ、これにより、縦方向におけるスメアリング現象の発生を抑えることができる。このように縦方向でのスメアリング現象の発生を抑えることに加え、多層膜の作用によりX線強度を高くしているので、図9(b)に示す赤道方向の回折線と緯度方向の回折線の両方を同時に観測できる。
さらに、試料を面内回転させることにより立方晶を図9(a)に矢印φで示すように回転(いわゆる面内回転)させれば、赤道面内方向及び緯度方向の回折線の回折角度が変化するのであるが、本発明によれば、その回折角度の変化も明確に観測できる。そしてこのように面内角度φの変化に対応した回折角度の変化を観測すれば、立方晶等を含む試料の結晶性、例えば配向性や格子面間隔の均一性等を正確に知ることができる。
次に、本発明に係る超小角X線散乱測定装置において、前記X線検出手段は、X線を取り込むための開口を有し、該開口から取り込んだX線を位置分解することなくX線強度として出力する0次元X線検出器であることが望ましい。本発明に係る超小角X線散乱測定装置においては、アナライザを2θ回転させることにより散乱線データが取得されるものであり、X線検出手段は位置移動しない状態に設けられる。このため、X線検出手段はX線取込み用開口から取り込んだX線を位置分解することなく信号に変換できる検出器であることが望ましい。このようなX線検出手段は、例えば、SC(Scintillation Counter)、PC(Proportional Counter)等といった0次元X線検出器によって構成できる。なお、直線方向の位置分解能を有する1次元X線検出器、例えばPSPC(Position Sensitive Proportional Counter/位置感応型比例計数管)を用いることも可能である。
次に、本発明において、X線源の実効焦点サイズと、X線源とX線平行化ミラーの中心との間の距離との関係は、X線平行化ミラー自身のロッキングカーブの半価幅に基づいて決めることが望ましい。なお、ロッキングカーブの半価幅はX線ビームの発散角を示すものである。つまり、X線の実効焦点サイズを「F」とし、ロッキングカーブの半価幅を「w」とし、X線源とX線平行化ミラーの中心との間の距離を「L」とすれば、
=tan(w)×L …(1)
とすることが望ましい。
例えば、ロッキングカーブの半価幅を0.04°とすると、X線源とX線平行化ミラーの中心との間の距離が125mmのときは、X線の実効焦点サイズ(F)は0.087mmφが丁度良いことになる。また、Fが0.05mmφのときのX線源−ミラー間距離Lの最適値は約71mmであり、Fが0.1mmφのときのX線源−ミラー間距離Lの最適値は約143mmとなる。本発明者の考察によれば、直径0.05mm以上0.1mm以下のX線焦点サイズに対応してX線源−ミラー間距離Lは70mm≦L≦145mmであることが望ましいことが分かった。
一般に、X線源の実効焦点サイズを大きくとればターゲットから出射するX線の全体的な強度を強くすることができる。しかしながら、X線源の後段にX線平行化ミラーを設けた本発明においては、X線源の実効焦点サイズを単に大きくしてもX線平行化ミラーによって受け取ることのできるX線には限界があるので、X線源の実効焦点サイズを必要以上に大きくとっても無意味である。一方、X線源の実効焦点サイズを小さくすれば、X線焦点の輝度を高めることができると共にX線実焦点から出射したX線の全てをX線平行化ミラーによって受け取ることができることになって好都合であると考えられる。しかしながら、X線源において実効焦点サイズを小さくし過ぎるとターゲットが溶融によって破損するので、X線源の実効焦点サイズを小さくすることにも限界がある。上記(1)式によってX線の実効焦点サイズFを決めることは、X線源で発生したX線をX線平行化ミラーで最良の状態で受け取って該X線平行化ミラーからできるだけ強度の強い平行X線を獲得することに関して非常に好都合である。
X線発生手段とX線平行化ミラーとを上記のように構成すれば、X線源から出射されたX線を有効に利用できる。このため、X線発生装置として低出力のものを使用できるようになり、それ故、X線発生装置自体の低コスト化及び電力、水冷水等に関しての低コスト化を実現できる。
次に、本発明に係る超小角X線散乱測定装置において、X線平行化ミラーの多層膜を構成する重元素はNi(ニッケル)であることが望ましく、軽元素は炭素であることが望ましい。本発明において、重元素及び軽元素はそれらの元素に限定されるものでなく、例えば、重元素としてW(タングステン)、Pt(白金)を用いることができ、軽元素としてSi(珪素)を用いることができる。しかしながら、本発明者の実験によれば、Niと炭素との組合せによってX線平行化ミラーを形成した場合に最も良い結果が得られた。
次に、本発明に係る超小角X線散乱測定装置は、モノクロメータに入射するX線の上下左右の幅を規制する4象限スリットと、モノクロメータから出射したX線の上下左右の幅を規制する4象限スリットと、ダイレクトビームの強度を減衰するX線吸収部材とを有することが望ましい。モノクロメータの前(すなわち、X線平行化ミラー側)に設けられた4象限スリットは、X線平行化ミラーで発生する1回反射及びその他の不要な反射をカットし、必要とする2回反射だけを取り出す作用を奏する。一方、モノクロメータと試料との間に設けられる4象限スリットはKα2をカットする作用を奏する。
超小角領域(2θ≦0.08°)はダイレクトビームが進行する領域である。一般に超小角の測定は2θ=0°(ダイレクトビームの位置)を正確に知るため、ダイレクトビームを含めて測定する。ダイレクトビーム近傍の強い散乱線を測定するにはダイレクトビームの強度を減衰する必要があり、強度を減衰するためX線光軸上にX線吸収部材を設けてダイレクトビームを減衰させる。X線吸収部材はアッテネータ、アブソーバ等と呼ばれることがある。このX線吸収部材はX線の通過を抑制できる物質、例えばAl(アルミニウム)によって形成される。実際には、厚さの異なるAlを複数種類(例えば、4種類)用意しておいて、測定の種類に応じて適切なX線減衰率のAlを選択して使用することが望ましい。
次に、本発明に係る第2の超小角X線散乱測定装置は、X線実焦点から放射されたX線を所定のフォーカスサイズで取出して試料へ向けて出射するX線発生手段と、試料から出射したX線を検出するX線検出手段と、前記X線実焦点と前記試料との間に設けられたX線平行化ミラーと、該X線平行化ミラーと前記試料との間に設けられたモノクロメータと、前記試料と前記X線検出手段との間に設けられたアナライザとを有し、該アナライザは前記試料からの散乱線を検出するために、前記X線実焦点から前記X線検出手段へ至るX線光軸に直交する2θ軸線を中心として走査回転し、前記X線平行化ミラーは、前記X線発生手段から出射されたX線を断面ひし形形状の平行X線ビームへと成形する、2つの放物面多層膜X線反射面を有する複合X線ミラーであり、前記モノクロメータ及び前記アナライザは、前記X線光軸を含み且つ前記2θ軸線に直角な赤道面内におけるX線の発散を規制するチャネルカット結晶であり、前記X線検出手段は前記アナライザから出射したX線を検出し、前記X線平行化ミラーは、前記断面ひし形形状の平行X線ビームを形成するための互いに直交する第1ミラーと第2ミラーとを有し、該第1ミラー及び該第2ミラーは、前記X線光軸を含み且つ前記2θ軸線に直角な面に対して45°傾いていることを特徴とする。

上記構成の本発明に係る第2の超小角X線散乱測定装置によれば、モノクロメータの前段にX線平行化ミラーを設け、X線源であるX線実焦点から出射されたX線をそのX線平行化ミラーによって断面形状がひし形になるように平行化、すなわち2次元的に平行化、すなわち縦横の両方向で平行化する。しかも、X線平行化ミラーのX線反射面は放物面多層膜であるので、X線平行化ミラーに入射したX線は全て単色の平行ビームに変換されることになり、それ故、平行ビームの強度は非常に高い。この強度は、スリットによって平行ビームの径を絞る場合に比べて格段に強いものであり、測定のために十分な強度の散乱線を超小角領域内(2θ≦0.08°)で試料から発生させることに関して十分な強度である。
以上のように、本発明によれば、試料に対して2次元的に平行化された強度の強い単色X線を照射することが可能となり、従来のボンゼ・ハート光学系のような1次元方向のみのX線平行化を行う場合に見られたようなスメアリング現象の発生が防止され、超小角領域内(2θ≦0.08°)において試料からの散乱線パターンを明確に捕えることが可能となった。このため、200nmから1μmの構造のクラスター(すなわち、原子及び分子の集合体)の電子密度をスメアリング現象の少ない超小角X線散乱で観察することが可能となり、この観察から物質の機能の知見を得ることが可能となった。
次に、本発明に係る超小角X線散乱測定装置は、試料を支持する試料支持手段を有することができる。そして、この試料支持手段は、入射X線に対する格子面の角度を変化させてデータを検出するために、試料のX線受光面を横切るφ軸線を中心として試料を面内回転させるφ回転系を有することが望ましい。
従来のボンゼ・ハート光学系を用いた超小角X線散乱測定装置においては、緯度方向においてスメアリング現象が発生するために超小角領域(2θ≦0.08°)内で面内φ回転に対応した散乱線パターンの変化を明確に捕えることが難しかった。これに対し、本発明に係る超小角X線散乱測定装置は、多層膜放物面ミラーを用いて緯度方向のX線の発散を抑えると共にX線強度を高めることが可能となったので、スメアリング現象の発生を抑えて超小角領域内で散乱線パターンを明確に捕えることが可能となった。そしてさらに、本発明者は、試料をφ回転(面内回転)させると、超小角領域内で捕えられる散乱線パターンの出現状態に変化が見られ、その変化は物質の特性に応じた一定の変化であることを知見した。従って、本超小角X線散乱測定装置にφ回転系を付設し、そのφ回転系の働きによって試料の面内角度を変えながら超小角測定を行えば、物質に関してより多様な構造解析が可能となる。
次に、本発明に係る超小角X線散乱測定装置においては、(1)X線光軸及び2θ軸線の両方に対して直角の方向へアナライザを平行移動させるか、又は(2)試料を通り、2θ軸線と同じ方向に延在し、且つX線光軸に対して直角である試料軸線を中心としてアナライザを回転移動させることにより、(3)アナライザによる測定角度範囲を広げることが望ましい。この構成により、2θの測角領域を段階的に広げることができる。本発明者はこの構成により測角領域が6°まで広げられることを確認した。
本発明に係る第1の超小角X線散乱測定装置によれば、モノクロメータの前段にX線平行化ミラーを設け、そのX線平行化ミラーを互いに直交する第1ミラーと第2ミラーとによって構成し、さらに第1ミラー及び第2ミラーのX線反射面は放物面であるので、X線源から出射されたX線を2次元的に平行化、すなわち縦横の両方向で平行化、すなわちX線ビームの断面径が方形状又はひし形形状となるように平行化される。
しかも、X線平行化ミラーのX線反射面は、重元素層と軽元素層とを積層して成る多層膜によって形成され、さらに、多層膜の格子面間隔は特定波長のX線に対してX線反射面の任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように放物面に沿って連続的に変化しているので、X線平行化ミラーに入射したX線は全て単色の平行ビームに変換されることになり、それ故、平行ビームの強度は非常に高い。この強度は、スリットによって平行ビームの径を絞る場合に比べて格段に強いものであり、測定のために十分な強度の散乱線を超小角領域内(2θ≦0.08°)で試料から発生させることに関して十分な強度である。
以上のように、本発明によれば、試料に対して2次元的に平行化された強度の強い単色X線を照射することが可能となり、従来のボンゼ・ハート光学系のような1次元方向のみのX線平行化を行う場合に見られたようなスメアリング現象の発生が防止され、超小角領域内(2θ≦0.08°)において試料からの散乱線パターンを明確に捕えることが可能となった。このため、200nmから1μmの構造のクラスター(すなわち、原子及び分子の集合体)の電子密度をスメアリング現象の少ない超小角X線散乱で観察することが可能となり、この観察から物質の機能の知見を得ることが可能となった。
また、本発明に係る第2の超小角X線散乱測定装置によれば、モノクロメータの前段にX線平行化ミラーを設け、X線源から出射されたX線をそのX線平行化ミラーによって断面形状がひし形になるように平行化、すなわち2次元的に平行化、すなわち縦横の両方向で平行化する。しかも、X線平行化ミラーのX線反射面は放物面多層膜であるので、X線平行化ミラーに入射したX線は全て単色の平行ビームに変換されることになり、それ故、平行ビームの強度は非常に高い。この強度は、スリットによって平行ビームの径を絞る場合に比べて格段に強いものであり、測定のために十分な強度の散乱線を超小角領域内(2θ≦0.08°)で試料から発生させることに関して十分な強度である。
以上のように、本発明によれば、試料に対して2次元的に平行化された強度の強い単色X線を照射することが可能となり、従来のボンゼ・ハート光学系のような1次元方向のみのX線平行化を行う場合に見られたようなスメアリング現象の発生が防止され、超小角領域内(2θ≦0.08°)において試料からの散乱線パターンを明確に捕えることが可能となった。このため、200nmから1μmの構造のクラスター(すなわち、原子及び分子の集合体)の電子密度をスメアリング現象の少ない超小角X線散乱で観察することが可能となり、この観察から物質の機能の知見を得ることが可能となった。
以下、本発明に係る超小角X線散乱測定装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これ以降の説明では図面を参照するが、その図面では特徴的な部分を分かり易く示すために実際のものとは異なった比率で構成要素を示す場合がある。
図1は、本実施形態に係る超小角X線散乱測定装置1を示している。ここに示す超小角X線散乱測定装置1は、X線発生装置2と、X線処理室3と、入射モノクロメータ室4と、試料室5と、アナライザ室6と、X線検出器7とを有する。X線発生装置2からX線検出器7へ至るX線光路は図示しない減圧装置の働きによって真空又はそれに近い減圧状態に保持されている。
図2は、図1の超小角X線散乱測定装置1の内部構成を示している。図2においては、矢印X,Y,Zで示す3次元空間を念頭に置く。XY平面は水平面であり、Z方向は垂直方向である。本実施形態の場合、XY平面は赤道面に相当し、Z方向は緯度方向に相当する。赤道面は、試料へ向かうX線及び試料から出射したX線の光軸を含むと共に、X線検出器のX線検出のための走査回転の中心軸線に対して直角な平面である。緯度方向は赤道面に対して直角な平面である。
X線発生装置2は、X線を発生するX線源としてのX線実焦点Fと、X線実焦点Fを包囲するハウジング11とを有する。X線実焦点Fから発生したX線はハウジング11に設けられたX線取出し窓12を通して外部へ取出される。X線を発生するX線源は、例えば図3に示すように、ロータターゲット(すなわち、回転対陰極)13と、それに対向するフィラメント(すなわち、陰極)14とを有する。フィラメント14に通電が成されると、そのフィラメント14から熱電子が放出され、その熱電子がターゲット13へ衝突する領域がX線実焦点Fである。ターゲット13の内部には冷却水が流される。ターゲット13を回転させ、さらにその内部に冷却水を流すことにより、ターゲット13が高温のために損傷することを防止している。
本実施形態では、ターゲット13の表面をCuによって形成し、CuKαの特性X線を用いて測定を行うものとする。また、X線実焦点FからのX線の取出し角度αは6°であり、6°の視射角での焦点サイズdを0.08mmφ(又は0.08mm×0.08mm)に設定した。つまり、0.08mmφの焦点サイズのポイントフォーカスのX線を取出すことにした。図2において、X線実焦点Fから取出されたX線は、X線処理室3、入射モノクロメータ室4、試料室5、そしてアナライザ室6を通ってX線検出器7に取り込まれるが、X線実焦点FからX線検出器7へ至るX線光路の中心軸線をX線光軸Xということにする。X線実焦点Fから出たX線の進行方向が何等かの光学要素によって変化させられる場合には、X線光軸1はそのX線の進行方向の変化に従って変化する。
X線処理室3の内部にX線平行化ミラー16が設けられている。このX線平行化ミラー16は、図4(a)に示すように、互いに直角を成して接合された一対のX線反射ミラーである第1ミラー16a及び第2ミラー16bによって形成されている。第1ミラー16a及び第2ミラー16bのX線反射面17は、図4(b)に示すように、放物面となっている。また、X線反射面17は、重元素層18と軽元素層19との積層構造によって形成されている。図では、重元素層18と軽元素層19の層対が3対のみ示されているが、実際には、この層対は数百〜数千個設けられる。
重元素層18を構成する重元素としては、例えばタングステン(W)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)を用いることができる。また、軽元素層19を構成する軽元素としては、例えば炭素(C)、珪素(Si)を用いることができる。本実施形態では、重元素としてニッケルを用い、軽元素として炭素を用いることにする。ニッケルと炭素とを用いた場合に、超小角X線散乱測定に適した最も強度の強い平行X線を得ることができた。
X線実焦点Fから発生したX線がミラー16a,16bに入射したとき、X線の波長を「λ」、X線の入射角度を「θ」、層対18,19の厚さに相当する格子面間隔を「d」とすれば、周知のブラッグの回折条件
2dsinθ=nλ
が満たされたときに、回折X線が発生する。なお、上式において「n」は反射次数である。
本実施形態において、層対18,19によって形成される格子面間隔dは特定波長、例えばCuKα線に対してX線反射面17の任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように放物面17に沿って連続的に変化する状態に形成されている。このような多層膜の製造は、例えば特開昭60−7400号公報に開示された方法に基づいて行うことができる。ミラー16a,16bのX線反射面17はこのように各点においてX線を回折できる複数の層対18,19によって形成されているので、X線実焦点Fから放射されてX線反射面17で回折したX線は平行X線ビームとなってミラー16a,16bから出射する。しかも、この平行X線ビームは、多層膜の各層対から発生したものであるので、強度が非常に強い。
図4(a)において、第1ミラー16a及び第2ミラー16bへ入射したX線は、それらのミラー16a,16b間で交互に反射を繰り返した後、平行X線ビームとして出射する。この場合、第1ミラー16aと第2ミラー16bは互いに直角の位置関係にあるので、出射したX線ビームは、図2に符号Bで示すように断面がひし形形状の平行ビーム、すなわち2次元的に平行化されたビームとなっている。
また、第1ミラー16a及び第2ミラー16bはそれぞれ垂直軸(Z軸)及び水平軸(Y軸)に対して45°の角度で傾けられている。そのため、X線ビームのひし形の断面形状Bは、赤道面(XY平面)内方向及び垂直方向Zに対角線を有するひし形形状となっている。X線平行化ミラー16を45°の角度で傾けるのは、平行X線ビームを赤道面(XY平面)内に取出し易くするためである。なお、X線平行化ミラーを傾けないで使用すると、まず第1に、反射ビームは赤道方向に対して45°傾いた方向に出射する。第2に、縦方向の反射ミラーを横方向の反射ミラーに分離してそれぞれ1回反射を使用した場合、反射ミラーに入射する立体角度が小さくなり強度が稼げないと共に、緯度方向の発散角が大きくなり入射ビームの平行性が悪くなる。これらのことを解消するためにも、X線平行化ミラー16は45°傾いた状態で使用されることが望ましい。
なお、図4(c)において、X線平行化ミラー16を構成する第1ミラー16a及び第2ミラー16bから出射する平行X線ビーム内の個々のX線ビームを見ると、個々のX線ビームは広がり角度δを持っている。この広がり角δは、放物面多層膜ミラー16a,16bに関してロッキングカーブを測定したときに、そのロッキングカーブのピーク幅、一般的には半価幅として与えられる。多層膜の層対を重元素であるニッケルと軽元素である炭素とによって形成した本実施形態では、ミラー16a,16bそれ自体によるX線ビームの広がり角度δは約0.04°であった。
このようにミラー16a,16bそれ自体によるX線ビームの広がり角度δは約0.04°であるが、本実施形態では、X線平行化ミラー16を45°の角度で傾けて使用するので、実際の使用時でのX線平行化ミラー16によるX線ビームの広がり角度は、
0.04×(1÷sin45)=0.057(約0.06°)
となる。つまり、図2において、X線平行化ミラー16から出射する2次元方向に平行なX線ビームは、Y方向及びZ方向に関して約0.06°の広がり角で分散するビームの集まりによって形成されている。
X線実焦点Fから発生し、0.08mmφの焦点サイズで取出されたポイントフォーカスのX線は、発散しながらX線平行化ミラー16のX線入射口から取り込まれる。この場合、発散するX線の断面サイズがX線平行化ミラー16のX線入射口の開口面積よりも小さ過ぎると十分な強度のX線が得られないし、X線の断面サイズが大き過ぎるとX線実焦点Fから出たX線のうち無駄に消費されるX線が多くなる、という不都合が発生する。本実施形態では、X線実焦点FからX線平行化ミラー16の中心位置までの距離Lを約125mm(X線入射口までは85mm)に設定し、X線入射口を1.3mm×1.3mmに設定することにより、X線実焦点Fから出たX線が無駄に消費されること無くX線平行化ミラー16によって取り込まれるようにし、強い強度の平行ビームが得られるように構成している。
次に、図2において、入射モノクロメータ室4内に入射モノクロメータ22が設けられている。試料室5内に測定対象である試料Sが、試料支持装置24によって支持されて設けられている。また、アナライザ室6内にアナライザ23が設けられている。入射モノクロメータ22は、試料Sへ入射するX線を単色化及び赤道面(XY平面)内で平行化する作用を奏する。赤道面内で平行化するとは、赤道面内でのX線の発散を規制するということである。アナライザ23は試料Sから発生した散乱線から特定波長成分を選択してX線検出器7へ向かわせる作用を奏する。
モノクロメータ22及びアナライザ23は、いずれも、図5(a)に示すチャネルカット結晶25によって形成されている。チャネルカット結晶25は、例えば、ゲルマニウムの完全結晶のブロックに溝加工を施すことによって形成されている。溝加工によって形成された溝の両側面がX線反射面となっている。X線反射面にはゲルマニウム単結晶の結晶格子面が所定の格子面間隔で平行に配列されており、チャネルカット結晶25に入射したX線Rは一対のX線反射面で複数回、例えば4回反射した後に、XY平面内で平行なX線Rとして出射する。チャネルカット結晶25の長さL2は、X線反射面においてX線が4回反射できる程度の長さに設定されている。なお、X線反射面におけるX線の反射の回数は4回に限られず、2回又はそれ以外の回数であっても良い。
本実施形態では、図2に示すように、モノクロメータ22及びアナライザ23に断面ひし形形状の平行X線ビームが入射する。モノクロメータ22及びアナライザ23を構成するチャネルカット結晶25のX線反射面に入射した断面ひし形形状の平行X線ビームは、図5(b)において、XY平面内の発散を規制されて平行化され、同時に単色化される。このとき、出射ビームRを構成する個々のビームのXY平面内での広がり角度δをロッキングカーブ測定によって半価幅として測定したところ、δ=約0.002°であった。チャネルカット結晶25はZ方向に関してはX線の分散を規制する機能を持っていないので、チャネルカット結晶25から出射した平行X線ビームRのZ方向の広がり角度はチャネルカット結晶25に入射するX線ビームのZ方向の広がり角度そのものである。このZ方向の広がり角度は図2のX線平行化ミラー16によって規制される広がり角度δ(図4(c)参照)そのものであり、本実施形態の場合は、既述の通りδ=約0.06°である。
以上から明らかなように、図2において、試料Sに入射するX線は、X線平行化ミラー16及びモノクロメータ22によって赤道面(XY面)内及び緯度方向の2次元方向に高精度に平行化される。具体的には、赤道面内の発散角が約0.002°に規制され、緯度方向(Z方向)の発散角が約0.06°に規制される。
次に、試料室5内の試料Sは試料支持装置24によって支持されている。試料支持装置24は、図6(a)に示すように、XYステージ26、ω回転系27、φ回転系28、及びχ回転系29を有している。試料Sはχ回転系29によって支持され、χ回転系29はφ回転系28上に搭載され、φ回転系28はω回転系27上に搭載され、ω回転系27はXYステージ26上に搭載されている。
上記の各回転系のうちω回転系はアナライザ結晶23とω/2θの関係にあるので0.0001°の単位の精度が必要である。ω回転系以外の回転系は0.01°の単位の精度が必要である。ω回転系のように高精度が要求される回転系は任意の微細回転駆動機構、例えばタンジェントバー方式の駆動機構によって構成できる。駆動源としてはパルスモータ、サーボモータ等といった位置制御可能な電動モータを用いることが望ましい。また、XYステージ26は周知の平面平行移動機構、例えば位置制御可能な電動モータによって回転駆動される送りネジ軸とその送りネジ軸にネジ嵌合するスライド部材を用いて構成できる。
ω回転系27はω軸線を中心とする試料Sの角度位置を変化させる。ω軸線はZ方向に延在し且つ移動しない軸線である。ω軸線を中心とする試料Sの回転移動をω回転と呼ぶことにする。φ回転系28は試料Sを横切るφ軸線を中心とする試料Sの角度位置を変化させる。φ軸線は試料Sのω回転に伴って回転移動する軸線である。φ軸線を中心とする試料Sの回転移動をφ回転又は面内回転と呼ぶことにする。χ回転系29は試料Sの表面を通るχ軸線を中心とする試料Sの角度位置を変化させる。χ軸線は試料Sのω回転及びφ回転に伴って回転移動する軸線である。χ軸線を中心とする試料Sの回転移動をχ回転、傾斜移動、又はあおり移動と呼ぶことにする。
今、図6(b)に示すようにω=0、φ=0、χ=0の場合にω軸線がZ方向に在り、φ軸線がX方向に在ってX線光軸Xと一致し、χ軸線がω軸線及びφ軸線に直交するとする。この状態から、試料Sをω軸線の回りに0°からωまでω回転すると、図7(a)に示すように試料Sがω軸線を中心として角度ωだけω回転し、φ軸線及びχ軸線の両方がω軸線を中心として角度ωだけ回転移動する。
また、ω=φ=χ=0の状態(図6(b)の状態)から、試料Sをφ軸線の回りに0°からφまでφ回転すると、図7(b)に示すように試料Sがφ軸線を中心として角度φだけφ回転し、ω軸線は不動でχ軸線がφ軸線を中心として角度φだけ回転移動する。また、ω=φ=χ=0の状態(図6(b)の状態)から、試料Sをχ軸線を中心として角度χだけχ回転すると、図7(c)に示すように試料Sがχ軸線を中心として角度χだけχ回転し、ω軸線及びφ軸線は不動である。
図2に示すアナライザ室6の内部において、ゲルマニウムのチャネルカット結晶から成るアナライザ23がアナライザ支持装置31によって支持されてX線光軸X上の所定位置に設けられている。アナライザ支持装置31は、X線光軸Xに直交し且つ垂直方向(Z方向)に延在する2θ軸線を中心としてアナライザ23を回転移動させる。この回転移動により、2θ軸線を中心とするアナライザ23の角度位置を変化させることができる。この場合のアナライザ23の角度位置を2θ角度位置と呼び、アナライザ23の2θ軸線を中心とする回転を2θ回転と呼ぶことにする。2θ方向は赤道面(XY平面)内の方向である。
アナライザ支持装置31は、アナライザ23を2θ軸線の回りに回転移動する機能を有すると共に、アナライザ23を矢印Eで示すようにX線光軸Xに対して直角方向に平行移動させる機能、又はアナライザ23を矢印Hで示すように試料Sを通るω軸線の回りに回転移動させる機能を有している。これらのE方向への平行移動又はH方向への旋回移動は、アナライザ23による散乱線の検出範囲を段階的に変化させて、アナライザ23による散乱線の検出領域を広げるためのものである。
試料支持装置24によって試料Sを平行移動及び/又は回転移動させると共にアナライザ支持装置31によってアナライザ23を2θ軸線の回りに回転移動させながらX線検出器7によってX線を検出することにより、試料Sの内部に在る結晶粒子からの散乱線を検出することができる。
X線検出器7は0次元X線検出器、例えばSC(Scintillation Counter)によって構成されている。SCは周知の通り図8に示すように適宜の面積のX線取込み口32を有している。このX線取込み口32によってX線Rを取り込む領域がX線検出領域Aである。X線検出器7は位置分解能を有しておらず、X線取込み口32から取り込んだX線を合計、すなわち積分して1つのX線強度信号として出力する。なお、本実施形態においてX線取込み口32の直前のX線の断面形状は、図2に示すように、対角距離が約2mmで、一辺が約1.4mmのひし形形状である。これに対し、X線取込み口32の有感窓サイズはφ1インチ(φ25.4mm)である。
図2において、X線平行化ミラー16の後方のX線光軸X上にアッテネータ33が設けられている。このアッテネータ33はアブソーバとも呼ばれるX線光学要素であり、X線実焦点Fから発生したX線の強度をX線を吸収できる物質によって減衰するものである。X線を吸収できる物質としては、例えばAl(アルミニウム)を用いることができる。通常は、複数種類の厚さのアルミニウムの板材を選択的にX線光軸X上に置くことにより、X線を希望の減衰率で減衰させている。このようにアッテネータ33を使ってX線を減衰するのは、本実施形態の超小角X線散乱測定装置の2θ測定領域が超小角領域、例えば0.08°以下の角度領域であり、この角度領域内におけるダイレクトビームの強度を抑えるためである。
入射モノクロメータ22の前方及び後方のX線光軸X上に4象限スリット34a及び34bが設けられている。4象限スリットとは、左右(Y方向)の2方向及び上下(Z方向)の2方向の4つの方向のスリット幅を調節できるスリットである。モノクロメータ22の上流側に在る4象限スリット34aはX線平行化ミラー16で発生する1回反射及びその他の余分な反射をカットし、必要とする2回反射だけを取り出すことができる。一方、モノクロメータ2の下流側に在る4象限スリット34bはKα2をカットしてKα1だけを取り出すことができる。
以下、上記構成より成る超小角X線散乱測定装置を用いて行われる測定の1つの具体例を説明する。図2に示す試料室5内において、200nmから1μmの構造のクラスター(原子及び分子の集合体)を含む物質を試料Sとして試料支持装置24によってX線光軸X上にセットする。また、試料支持装置24を作動して、試料Sを必要に応じてXY平行移動、ω回転、φ回転、及びχ回転させて、試料Sを所望の姿勢にセットする。
次に、X線発生装置2内においてX線実焦点FからX線を発生して、2次元的に平行化された断面ひし形形状の平行X線ビームを試料Sに照射する。この場合の入射X線は、多層膜放物面ミラーであるX線平行化ミラー16によって高精度に2次元的に平行化されていて強度が非常に強いX線であり、さらにモノクロメータ22によって単色化及びさらに高精度に平行化されたX線である。
モノクロメータ22から出射した平行X線束が試料Sに照射されると、試料Sの特性に応じて超小角領域内に散乱線が発生する。この散乱線はアナライザ23によって必要なものだけが選択され、その選択された散乱線の強度がX線検出器7によって測定される。この測定は、アナライザ23の2θ軸線の回りの角度を適宜のステップ幅で間欠的に変化させながら、又は所定の回転角速度で連続的に変化させながら、所定の角度範囲内で行われる。この場合、アナライザ23を矢印E方向へ所定距離だけ平行移動させるか、又は矢印H方向へ所定角度だけω軸線を中心として回転移動させることにより、アナライザ23による散乱線の検出角度範囲を段階的に広げることができる。本発明者の実験によれば、アナライザ23の段階的な移動により検出範囲を6°まで広げることができた。
以上の測定により、例えば図10に示すような測定結果を得ることができる。図10において、2θ=0°付近に現れたピークPはダイレクトビームのピークである。ピークPは面内回転角度φ=0°(例えば、入射X線と結晶とが図9(b)に示す状態のとき)での(010)の赤道面内方向の回折線(散乱線)である。ピークP及びPはいずれもダイレクトビーム内で発生している。図11は図10のピークPからピークPまでの角度領域を拡大して示している。図11において、ピークP及びピークPは試料の面内角度φを正時計方向である角度だけ回転させた位置で2θ測定した場合に現れるピークであり、ピークPは図9(a)の(−100)からのピークを示し、ピークPは(010)からのピークを示している。
ピークPはφ=0°での緯度方向の回折線であるが、このピークPはダイレクトビームのピークと重なっているため観測できないピークである。例えば、ダイレクトビームの強度は約600万cpsであり、ピークPの強度は数10cpsから数100cpsである。ダイレクトビームは、Al(アルミニウム)のアッテネータで1/64に減衰して測定する。ダイレクトビームの近傍では、強度差が大きいためピークPはノイズ以下の強度になるため、検出ができない。また、ピークPのプロファイルの形状はダイレクトビームと類似しており、ノイズ程度だけ強度が増加しても、ダイレクトビームと区別できない。
従来のボンゼ・ハート光学系のように、図2のX線平行化ミラー16を用いることなく、モノクロメータ22だけによって試料への入射X線を単色化及び平行化していた従来装置と、本実施形態の光学系とを比べると次のことが挙げられる。
(1)従来は、モノクロメータ22及びアナライザ23によってX線の赤道面(XY面)内での発散を規制して平行度を保持することだけだったので、図13を用いて説明したスメアリング現象が緯度方向(Z方向)に発生し、結果的に超小角領域における散乱線の検出の精度が悪くなっていた。これに対し、本実施形態では、X線平行化ミラー16によってX線を緯度方向(Z方向)についても平行化することにしたのでその方向でのスメアリング現象の発生を抑えることができ、しかもX線平行化ミラー16を多層膜で形成することにより強度の強い平行ビームを形成しているので、バックグラウンド成分に邪魔されることなく超小角領域の散乱線を明確に捕えることが可能になった。
(2)試料SとX線検出器7との間の距離を200mmとしたとき、緯度方向(Z方向)におけるX線の発散角度が、従来装置では約0.28°であり、本実施形態の装置では0.06°である。つまり、緯度方向のX線の発散角度が格段に抑えられて、X線の平行性が格段に向上した。これにより、緯度方向に発生する散乱線を明確に捕えることが可能になった。
(3)試料Sに入射するX線の強度に関して、X線平行化ミラー16を用いない従来の装置に比べて、本実施形態の装置は約3倍の強度が得られた。これにより、試料Sから十分な強度の散乱線を得ることが可能となり、測定の信頼性を高めることができた。
(4)従来のボンゼ・ハート光学系は、できるだけ強度の強いX線を得るためにX線源として大きな焦点サイズのラインフォーカスのX線を用いていた。しかしながら、この方法では、異なる2方向(すなわち、2次元方向)でX線ビームの平行性と強度の両方を得ることが難しかった。これに対し、本実施形態では、微小焦点のポイントフォーカスのX線と、放物面多層膜によって形成したX線平行化ミラーと、ゲルマニウムやシリコン等のチャネルカット結晶によって形成したモノクロメータと、同じくチャネルカット結晶によって形成したアナライザとの組合せによって、従来のボンゼ・ハート光学系では実現できなかった、2次元方向でのX線の平行性と高強度とが得られるようになった。
(5)本実施形態では、モノクロメータ22に入射するX線をX線平行化ミラー16によって高精度に平行化するので、チャネルカット結晶によって形成されたモノクロメータ22でのX線強度の減衰を小さく抑えることができる。
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、X線発生装置2、試料支持装置24、アナライザ支持装置31、X線検出器7に関しては、それらの構成を必要に応じて変更できる。また、4象限スリット34a,34bは用いないことにすることもできる。
本発明に係る超小角X線散乱測定装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。 図1の超小角X線散乱測定装置の内部構造を示す斜視図である。 X線発生装置の一例を示す図である。 X線平行化ミラーの一例を示す図であり、(a)は外観を示し、(b)は内部の多層膜構造を示し、(c)はX線の広がり特性を示している。 モノクロメータ及びアナライザの一例を示す図であり、(a)は外観を示し、(b)はX線の広がり特性を示している。 試料支持装置の一例を示す図であり、(a)は全体の構成を示し、(b)は機能を示している。 図6(a)に示す試料支持装置の機能を説明するための図である。 X線検出手段の一例を示す斜視図である。 試料内部の結晶構造の一例及びその結晶でのX線回折の状態を模式的に示す図である。 測定結果の一例のグラフを示す図である。 図10のグラフの一部を詳細に示す図である。 従来の超小角X線散乱測定装置の一例を示す図であり、(a)は全体の構成を示し、(b)は測定結果の一例を示している。 スメアリング現象を説明するための図である。
符号の説明
1.超小角X線散乱測定装置、 2.X線発生装置、 3.X線処理室、
4.入射モノクロメータ室、 5.試料室、 6.アナライザ室、 7.X線検出器、
11.ハウジング、 12.X線取出し窓、 13.ロータターゲット、
14.フィラメント、 16.X線平行化ミラー、 16a.第1ミラー、
16b.第2ミラー、 17.X線反射面、 18.重元素層、 19.軽元素層、
22.入射モノクロメータ、 23.アナライザ、 24.試料支持装置、
25.チャネルカット結晶、 26.XYステージ、 27.ω回転系、
28.φ回転系、 29.χ回転系、 31.アナライザ支持装置、
32.X線取込み口、 33.アッテネータ、 34a,34b.4象限スリット、
.X線検出領域、 B.断面ひし形形状のビーム、 D.デバイリング、
F.X線実焦点、 G.バックグラウンド、 R〜R.X線、 S.試料、
.X線光軸、 α.取出し角度、 δ,δ.広がり角度

Claims (8)

  1. X線実焦点から放射されたX線を所定のフォーカスサイズで取出して試料へ向けて出射するX線発生手段と、
    前記試料から出射したX線を検出するX線検出手段と、
    前記X線実焦点と前記試料との間に設けられたX線平行化ミラーと、
    該X線平行化ミラーと前記試料との間に設けられたモノクロメータと、
    前記試料と前記X線検出手段との間に設けられたアナライザとを有し、
    前記X線平行化ミラーは、
    互いに直交する第1ミラーと第2ミラーとを有し、
    前記第1ミラー及び前記第2ミラーは重元素層と軽元素層とを交互に積層して成る多層膜をX線反射面に有し、
    該多層膜は放物面形状であり、
    該多層膜の格子面間隔は特定波長のX線に対して前記X線反射面の任意の位置でブラッグの回折条件を満足するように前記放物面に沿って連続的に変化しており、
    前記モノクロメータ及び前記アナライザは、互いに対向する一対のX線反射面を有すると共に完全結晶によって形成され、
    前記アナライザは当該アナライザを通るX線光軸に対して直角な2θ軸線を中心として走査回転し、その走査回転内の各角度位置において前記X線検出手段によってX線検出が行われ
    前記第1ミラー及び前記第2ミラーは、前記X線光軸を含み且つ前記2θ軸線に直角な面に対して45°傾いている
    ことを特徴とする超小角X線散乱測定装置。
  2. 請求項1記載の超小角X線散乱測定装置において、前記X線検出手段は、X線を取り込むための開口を有し、該開口から取り込んだX線を位置分解することなくX線強度信号として出力する0次元X線検出器であることを特徴とする超小角X線散乱測定装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の超小角X線散乱測定装置において、
    前記X線発生手段は直径50μm以上100μm以下のポイントフォーカスのX線を取出し、
    前記X線実焦点の中心位置と前記X線平行化ミラーの中心位置との間の距離は70mm以上145mm以下である
    ことを特徴とする超小角X線散乱測定装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の超小角X線散乱測定装置において、前記重元素はNi(ニッケル)であり、前記軽元素は炭素であることを特徴とする超小角X線散乱測定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の超小角X線散乱測定装置において、
    前記モノクロメータに入射するX線の上下左右の幅を規制する4象限スリットと、
    前記モノクロメータから出射したX線の上下左右の幅を規制する4象限スリットと、
    ダイレクトビームの強度を減衰するX線吸収部材と、
    をX線光軸上に有することを特徴とする超小角X線散乱測定装置。
  6. X線実焦点から放射されたX線を所定のフォーカスサイズで取出して試料へ向けて出射するX線発生手段と、
    前記試料から出射したX線を検出するX線検出手段と、
    前記X線実焦点と前記試料との間に設けられたX線平行化ミラーと、
    該X線平行化ミラーと前記試料との間に設けられたモノクロメータと、
    前記試料と前記X線検出手段との間に設けられたアナライザとを有し、
    該アナライザは前記試料からの散乱線を検出するために、前記X線実焦点から前記X線検出手段へ至るX線光軸に直交する2θ軸線を中心として走査回転し、
    前記X線平行化ミラーは、前記X線発生手段から出射されたX線を断面ひし形形状の平行X線ビームへと成形する、2つの放物面多層膜X線反射面を有する複合X線ミラーであり、
    前記モノクロメータ及び前記アナライザは、前記X線光軸を含み且つ前記2θ軸線に直角な赤道面内におけるX線の発散を規制するチャネルカット結晶であり、
    前記X線検出手段は前記アナライザから出射したX線を検出し、
    前記X線平行化ミラーは、前記断面ひし形形状の平行X線ビームを形成するための互いに直交する第1ミラーと第2ミラーとを有し、該第1ミラー及び該第2ミラーは、前記X線光軸を含み且つ前記2θ軸線に直角な面に対して45°傾いている
    ことを特徴とする超小角X線散乱測定装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の超小角X線散乱測定装置において、
    前記試料を支持する試料支持手段を有し、
    該試料支持手段は、入射X線に対する格子面の角度を変化させてデータを検出するために、前記試料のX線受光面を横切るφ軸線を中心とする該試料の面内角度を変化させるφ回転系を有する
    ことを特徴とする超小角X線散乱測定装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の超小角X線散乱測定装置において、
    前記X線光軸及び前記2θ軸線の両方に対して直角の方向へ前記アナライザを平行移動させるか、又は
    前記試料を通り、前記2θ軸線と同じ方向に延在し、且つ前記X線光軸に対して直角である試料軸線を中心として前記アナライザを回転移動させることにより、
    前記アナライザによる測定角度範囲を広げる
    ことを特徴とする超小角X線散乱測定装置。
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