JP4276308B2 - 有機el表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面ディスプレイ等に使用される有機EL表示装置に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】
有機EL表示装置は、▲1▼自発光で広い視野角が実現できる、▲2▼薄型軽量である、▲3▼応答時間が小さいのでテレビ動画が単純マトリックス構造で実現できる、等の優れた特徴を持っている。
しかし、従来の有機EL表示装置は、コントラストが悪い上、効率も悪かったため、これらの改善が求められていた。
【0003】
従来、有機発光層として白色発光層を設け、赤、緑、青の3種類のカラーフィルタを備えて光の3原色を実現させた有機電界発光素子が提案されている(特開平7-142169号公報)。
しかし、緑色のカラーフィルタとしては、従来、液晶ディスプレイ用として用いられてきたカラーフィルタをそのまま利用しているため、主ピークの波長が550nm付近であった。このカラーフィルタの問題点は、図9に示すように、外光としての蛍光灯照明は、550nm付近の成分が強く、かつ視感度を考慮すると、一層人間が感知しやすい領域であるため、外光が緑色カラーフィルタを容易に透過して対向電極で反射し、再び反射光として透過してくるため、表示装置のコントラストが著しく低下するということである。また、白色発光をカラーフィルタを介して色分解し、光の3原色を得るため、表示素子の消費電力が大きくなったり、効率が悪くなっていた。
【0004】
一方、3色の発光層を備え、R、G、Bの光の3原色を実現した有機ELディスプレイパネルも提案されている(特開平8-227276号公報)。このディスプレイパネルによれば、前記有機発光層として白色発光層を設けたものと比べて、効率が向上し、消費電力が低下している。しかし、対向電極として金属が使用されている場合には、外光が反射するため、コントラストが低下し、表示品質が低くなっていた。
コントラストを上げるには、円偏光板とλ/4位相差板の積層体(円偏光板)を光取り出し面に貼り付ける方法もある(特開平8-321381号公報等)が、光透過率が43%以下となるため、輝度が1/2以下となる点が問題とされていた。
また、対向電極を光吸収体として、外光反射を防ぐ方法も提案されているが、輝度に関しては同じく1/2以下となるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、コントラスト及び発光効率の優れた有機EL表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明は、緑色系発光を行う有機EL表示装置において、EL発光部と、光取出し方向に配設された、透過率の主ピークの波長が490〜530nmであり、主成分として塩素置換フタロシアニン色素を含有する1層の緑色カラーフィルタとを備えていることを特徴とする。
前記EL発光部(EL素子)は、有機蛍光体が一対の電極間に挟まれた構造を有する。一対の電極のうち一方は、下部電極となる透明電極である。
【0007】
前記緑色カラーフィルタとして、前記範囲に透過率の主ピークを有するものを使用することにより、外光反射が少なく、コントラストのよい有機EL表示装置が得られる。また、この結果、消費電力が少なくて済み、発光効率の良い表示装置が得られることになる。
前記緑色カラーフィルタは、緑色系色素のみ又は緑色系色素とバインダー樹脂から構成される。
緑色系色素としては、塩素置換フタロシアニン色素の使用が好ましく、これは前記490〜530nmに透過率の主ピークを有する。
【0008】
例えば、臭素置換フタロシアニン色素は、通常の液晶用カラーフィルタに用いられるが、透過率の主ピークが長波長化するため、主成分(50重量%以上)としての使用は好ましくない。
一方、無置換フタロシアニン色素は、透過率の主ピークが短波長側にシフトするため、主成分としての使用は好ましくない。
ここで、前記主成分とは、全色素の 50 重量%以上を占めることをいう。
但し、塩素置換フタロシアニン色素を主成分として使用して490〜530nmに透過率の主ピークを有するカラーフィルタが得られるのであれば、副成分としてこれらの色素を混合してもよい。また、黄色系のトリフェニルメタン系塩基性色素、イソインドリン系色素、アゾ系色素も同様に副成分としてであれば添加してもよい。
【0009】
なお、フタロシアニンは、銅フタロシアニン等のように適当な金属配位子を反有していてもよい。
緑色系色素と混合されるバインダー樹脂としては、透明な(可視光領域における透過率50%以上)材料を使用することが好ましい。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカービネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の透明樹脂を挙げることができ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用できる。
【0010】
また、カラーフィルタを平面的に分離して配置するため、フォトリソグラフィ法が適用できる感光性樹脂を使用することが好ましい。例えば、アクリル酸系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化型レジスト材料を挙げることができ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用できる。
【0011】
また、カラーフィルタを平面的に分離して配置するため、印刷法を用いる場合には、透明樹脂を用いた印刷インキ(メジウム)を使用することができる。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、マレイン酸樹脂、ポリアミドのモノマー、オリゴマー又はポリマーからなる組成物、またポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、等の透明樹脂を1種、又は2種以上よりなる混合物を使用することができる。
【0012】
ここで、カラーフィルタが主に色素のみからなる場合は、所望のカラーフィルタ・パターンのマスクを介して、真空蒸着、スパッタリング法又はミセル電解法を用いることにより又はカラーフィルタを形成することができる。
一方、カラーフィルタが、色素とバインダーとからなる場合には、一般的に先ず、色素と上記樹脂と適当な溶剤とを混合、分散又は可溶化させて液状物を調製する。その後、この液状物をスピンコート法、ロールコート法、バーコート法、キャスト法、等の方法で製膜する。そして、更にフォトリソグラフィ法で所望のカラーフィルタ・パターンをパターニングしたり、印刷等の方法で所望のカラーフィルタのパターンでパターニングし、熱処理して硬化させることによりカラーフィルタを形成することができる。
【0013】
また、特にカラーフィルタが、色素とバインダー樹脂とからなる場合、色素の濃度は、カラーフィルタが問題なくパターニングでき、かつ有機EL装置の発光を充分透過できる範囲とすることが好ましい。従って、色素の種類にもよるが、使用するバインダー樹脂を含めたカラーフィルタ膜の色素の含有量を、1〜50重量%とするのが好ましい。
コントラストに関して、有機EL表示装置のコントラストは、一般的に次式で表される。
コントラスト=(有機EL表示装置の発光輝度+周囲反射光輝度)/周囲反射光輝度
【0014】
周囲反射光の輝度(バックグランドの輝度)は、有機EL表示装置の駆動を行っていなくても、主に、外光(周囲光)の光が対向電極に反射することによって生ずるものであり、駆動時においても常にバックグランドとして存在するものである。従って、外光の有機EL表示装置に対する反射率が小さければ小さいほど、コントラストがよく(コントラスト値が大きく)、鮮やかな表示が可能になる。
一方、有機EL表示装置の発光輝度は、EL発光部(有機EL素子)の発光輝度によるが、明らかに、本発明で用いるカラーフィルタの変換効率が高ければ高いほど、輝度が向上し、コントラストの向上に有利になる。
【0015】
本発明の第2発明に係る有機EL表示装置は、第1発明において、前記EL発光部(有機EL素子)は、一対の電極間に緑色系の発光を行う有機発光層が介在して構成されていることを特徴とする。
本発明において、発光を行う有機蛍光体とは、有機質の蛍光色素、蛍光性の全共役系ポリマー、蛍光性のオリゴマー、蛍光色素を透明性ポリマーに分散したもの、蛍光色素をポリマー側鎖に有する重合体、蛍光色素をポリマー主鎖中に有するもの、のいずれかである。
このような有機蛍光体が一対の電極間に挟まれた構造のEL発光部に、電圧を印加して発光させて使用する場合、このEL発光部中の有機蛍光体の層を有機発光層と定義する。
【0016】
本発明の第3発明に係る有機EL表示装置は、第1発明において、前記EL発光部は、一対の電極間に青色系の発光を行う有機発光層が介在して構成されたものであり、このEL発光部の光取出し方向に緑色系の発光を行う有機蛍光体よりなる色変換層が設けられていることを特徴とする。
青色発光を行うEL発光部の光取出し方向に緑色系の発光を行う有機蛍光体よりなる層を配置すると、この層の有機蛍光体がELを吸収し、発光する(蛍光が生ずる)ことによりELの色を変換させることができる。このような作用を有する層を色変換層と定義する。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る有機EL表示装置11は、基板12と、この基板12上に形成された緑色カラーフィルタ13と、この緑色カラーフィルタ13の上に設けられた緑色EL発光部14とを備えて構成されている。
前記緑色カラーフィルタ13は、主成分(全色素の50重量%以上)として塩素置換フタロシアニン色素を含有して構成されたものである。この緑色カラーフィルタは、透過率の主ピークの波長が490〜530nmである。
緑色EL発光部14は、下部電極15と、これと対向する電極16間に緑色系の発光を行う有機発光層17が介在して構成されている。
この有機EL表示装置11において、光取り出し方向18は、緑色EL発光部14から基板12方向である。
【0019】
〔第2実施形態〕
図2に示すように、本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置11は、緑色EL発光部14が設けられた一方の基板12Aと、緑色カラーフィルタ13が設けられた他方の基板12Bとを有し、緑色EL発光部14と緑色カラーフィルタ13とが対向するように両基板12A,12Bが配置されている。
【0020】
〔第3実施形態〕
図3に示すように、本発明の第3実施形態に係る有機EL表示装置11は、基板12と、この基板12上に設けられた緑色EL発光部14と、この緑色EL発光部14上に形成された緑色カラーフィルタ13とを備えて構成されている。
【0021】
〔第4実施形態〕
図4に示すように、本発明の第4実施形態に係る有機EL表示装置11は、基板12と、この基板12上に形成された緑色カラーフィルタ13と、この緑色カラーフィルタ13上に形成された色変換層19と、この色変換層19上に設けられた青色系のEL発光部21とを備えて構成されている。
前記色変換層19は、緑色系の発光を行う有機蛍光体よりなるものである。
本実施形態のEL発光部21は、下部電極と15、これと対向する電極16間に青色系の発光を行う有機発光層22が介在して構成されている。
【0022】
〔第5実施形態〕
図5に示すように、本発明の第5実施形態に係る有機EL表示装置11は、青色系のEL発光部21が設けられた一方の基板12Aと、緑色カラーフィルタ13及び色変換層19が設けられた他方の基板12Bとを有し、青色系のEL発光部21と色変換層19とが対向するように両基板12A,12Bが配置されている。
【0023】
〔第6実施形態〕
図6に示すように、本発明の第6実施形態に係る有機EL表示装置11は、基板12と、この基板12上に設けられた青色系のEL発光部21と、このEL発光部21上に形成された色変換層19と、この色変換層19上に形成された緑色カラーフィルタ13とを備えて構成されている。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例の有機EL表示装置は、第1実施形態に対応するものである。
この有機EL表示装置をその作製法と共に説明する。
先ず、緑色カラーフィルタの材料として、緑色顔料(塩素置換銅フタロシアニン、ファストゲングリーンSO、Pigment Green7、大日本インキ株式会社製)10gと、バインダー樹脂(アクリル系ネガ型レジスト、V259PA、固形分50重量%、新日鉄化学株式会社製)180gを混合し、顔料を樹脂中に均一に分散してカラーレジストを調製した。
【0025】
このレジストをガラス基板(25mm×75mm×1.1mm、ソーダライム、ジオマテック製)上にスピンコートし、80℃で加熱した後、更に450mJ/cm2で露光し、この後、200℃で加熱して緑色カラーフィルタ(膜厚:7.5μm)を作製した。
このカラーフィルタの透過スペクトルを図7に示す。
【0026】
この透過スペクトルより、このカラーフィルタの主ピークの波長は、510nm前後(490〜530nm)で透過率が83%であった。一方、外光(蛍光灯等の照明)が強く有する550nmでは、透過率が54%であった。
次に、このカラーフィルタ上にITO(インジウム錫酸化物)からなる陽極(下部電極)をスパッタリングにより形成した(膜厚:120nm、シート抵抗:20Ω/□)。
次に、この基板をIPA洗浄及びUV洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
【0027】
そして、モリブデン製の抵抗加熱ボートに正孔注入層の材料として、MTDATA(4,4′,4″-トリス〔N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ〕トリフェニルアミン)及びNPD(4,4′-ビス〔N-(1-ナフチル〕-N-フェニルアミノ〕ビフェニル)、発光層の材料としてAlq(トリス(8-キノリノール)アルミンタム)をそれぞれ仕込み、陰極(対向電極)の第二金属としてAgをタングステン製フィラメントに装着し、また陰極の電子注入性金属としてMgをモリブデン製ボートに装着してそれぞれ蒸着源とした。
【0028】
その後、真空槽を5×10-7torrまで減圧し、この状態で下記の薄膜を積層した。
先ず、MTDATAを0.1〜0.3nm/secの速度で蒸着し、厚さ200nmのMTDATA膜を形成した。
次に、このMTDATA膜上にNPDを0.1〜0.3nm/secの速度で蒸着し、厚さ20nmのNPD膜を形成し、更にこのNPD膜上にAlqを0.1〜0.3nm/secの速度で蒸着し、発光層となる厚さ20nmのAlq膜を形成した。
【0029】
次に、陰極となるMgとAgを同時蒸着した。Mgの蒸着速度は1.3〜1.4nm/sec、Agの蒸着速度は0.1nm/secとし、膜厚は200nmとした。
この有機EL表示装置の陽極と陰極の間に直流8Vの電圧を印加すると(陽極が+、陰極が−)、ガラス基板側から輝度が94cd/m2、CIE色度(JIS Z 8701)がX=0.209、Y=0.621(ミノルタ製CS-100で観察)で、グリーンの発光が得られることを確認した。
【0030】
また、500luxの蛍光灯の下でこの装置を発光させた場合でも、コントラストの良い鮮やかなグリーンの発光が得られた。
これは、本実施例のカラーフィルタの透過率が、蛍光灯の有する550nm付近の強い外光に対し、54%しかなく(対向電極を除く有機EL表示装置及び基板表面の光の吸収、反射、散乱を無視する)、本装置の対向電極による反射率が仮に100%としても、その外光の反射率が29%以下(外光の入光:54%、対向電極の反射:100%、反射光の出光:54%、の積)に抑えられたためである、と考えられる。
【0031】
なお、効率の比較のため、カラーフィルタを形成しなかったことだけを除いて本実施例と同じ有機EL表示装置を作製し、同一の条件で電圧を印加すると、輝度200cd/m2、色度X=0.356、Y=0.537でイエロイッシュグリーンの発光が得られた。
これより、本実施例のカラーフィルタを用いると、変換効率(カラーフィルタを用いた場合の輝度/カラーフィルタを用いない場合の輝度×100)は、47%であった。
【0032】
〔実施例2〕
本実施例の有機EL表示装置は、第4実施形態に対応するものである。
先ず、実施例1と同様の条件で緑色カラーフィルタを形成した。
次に、色変換層の材料として、0.03mol/kg(固形分)の濃度になるような量のクマリン6(3-(2′-ベンゾチアゾリン)-7-ジエチルアミノクマリン)とバインダー樹脂(アクリル系ネガ型レジスト、JNPCO6、固形分38%、JSR製)を混合分散して蛍光レジストを調製した。
【0033】
このレジストを先のカラーフィルタ上にスピンコートし、80℃で加熱した後、450mJ/cm2で露光後、200℃で加熱して色変換層を形成した。
次に、このカラーフィルタ上にITOをスパッタリングにより製膜(膜厚:120nm、シート抵抗:20Ω/□)して陽極(下部電極)を形成した。
次に、この基板をIPA洗浄及びUV洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定した。
【0034】
モリブデン製の抵抗加熱ボートに正孔注入材料として、MTDATA及びNPD、発光材料としてDPVBi、ドーパントとしてDPAVB、電子注入材料としてAlqをそれぞれ仕込み、陰極の第二金属としてAgをタングステン製フィラメントに装着し、また陰極の電子注入性金属としてMgをモリブデン製のボートに装着してそれぞれ蒸着源とした。
その後、真空槽を5×10-7torrまで減圧し、この状態で下記の薄膜を積層して有機EL表示装置を製造した。なお、正孔注入層から陰極まで途中で真空を破らず1回の真空引きで行った。
【0035】
先ず、正孔注入層として、MTDATAを蒸着速度0.1〜0.3nm/sの条件で膜厚が200nmとなるように蒸着した。
次に、別の正孔注入層として、NPDを蒸着速度0.1〜0.3nm/sの条件で膜厚が20nmとなるように蒸着した。
また、発光層として、DPVBi(4,4′-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル)を蒸着速度0.1〜0.3nm/sで、DPAVB(N,N′-ジフェニルアミノビニルベンゼン)を蒸着速度0.05nm/sでそれぞれ同時蒸着し、合わせた膜厚の合計が40nmとなるようにした(ホスト材料に対するドーパントの重量比は1.2〜1.6)。
【0036】
電子注入層として、Alqを蒸着速度0.1〜0.3nm/sの条件で膜厚が20nmとなるように蒸着した。
また、陰極(対向電極)として、MgとAgを同時蒸着した。Mgの蒸着速度は1.3〜1.4nm/sec、Agの蒸着速度は0.1nm/secとし、膜厚は200nmとした。
【0037】
この有機EL表示装置の陽極と陰極の間に直流9Vの電圧を印加すると、ガラス基板側から輝度が57cd/m2、色度X=0.167、Y=0.670で、グリーンの発光が得られることを確認した。
また、500luxの蛍光灯照明の下でこの装置を発光させた場合でも、コントラストの良い鮮やかなグリーンの発光であった。
これは、本実施例のカラーフィルタを用いると、550nmの外光反射率が29%以下であったためである、と考えられる。
【0038】
なお、効率の比較のため、本実施例に類似しているが、カラーフィルタを形成しなかった有機EL表示装置を作製した。
カラーフィルタを形成しなかった有機EL表示装置は、同一の条件で電圧を印加すると、輝度100cd/m2、色度X=0.280、Y=0.606でイエロイッシュグリーンの発光が得られた。
これより、本実施例のカラーフィルタを用いると、変換効率は、57%であった。
【0039】
〔比較例1〕
本比較例の有機EL表示装置は、実施例1に対応するものである。
緑色カラーフィルタの材料として、液晶カラーフィルタ用緑色カラーレジスト(臭素置換銅フタロシアニン含有レジストCG7001、富士フィルムオーリン製)を用い、膜厚2.0μmのカラーフィルタを形成したこと以外は、実施例1と同様の条件で有機EL表示装置を作製した。
【0040】
このカラーフィルタの透過スペクトルを図8に示す。
この透過スペクトルより、主ピーク波長は550前後で透過率が67%であることがわかる。
この有機EL表示装置は、実施例1と同一の条件で、輝度92cd/m2、色度X=0.287、Y=0.662でイエロイッシュグリーンの発光が得られた。
【0041】
〔比較例2〕
本比較例の有機EL表示装置は、実施例2に対応するものである。
比較例1と同一の条件で緑色カラーフィルタを形成したこと以外は、実施例2と同一の条件で有機EL表示装置を作製した。
この有機EL表示装置は、実施例2と同一の条件で、輝度50cd/m2、色度X=0.241、Y=0.693でイエロイッシュグリーンの発光が得られた。
以上の結果をまとめて表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1より、本実施例1、2によれば、透過率の主ピークの波長が490〜530nmである緑色カラーフィルタを備えているため、外光(550nm)の反射率が29%以下と低く、コントラストの良い有機EL表示装置が得られた。
また、実施例によれば、変換効率が優れており、高効率の有機EL表示装置が得られた。
【0044】
一方、比較例1の有機EL表示装置によれば、変換効率は、実施例1と同等であるが、550nmの外光反射率は45%であり、実施例1よりコントラストは著しく低下した。
比較例2の有機EL表示装置によれば、550nmの外光反射率は45%で、実施例2よりコントラストが著しく低く、また変換効率も実施例2と比べてかなり低下した。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、コントラスト及び発光効率の優れた有機EL表示装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図2】第2実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図3】第3実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図4】第4実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図5】第5実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図6】第6実施形態に係る有機EL表示装置の断面図である。
【図7】実施例に係る有機EL表示装置の緑色カラーフィルターの波長に対する透過率を測定したグラフである。
【図8】比較例に係る有機EL表示装置の緑色カラーフィルターの波長に対する透過率を測定したグラフである。
【図9】外光の波長に対する強度を測定したグラフである。
【符号の説明】
11 有機EL表示装置
12,12A,12B 基板
13 緑色カラーフィルター
14 緑色EL発光部
15 下部電極
16 対向電極
17 緑色発光の有機発光層
18 光の取出し方向
19 色変換層
22 青色発光の有機発光層
Claims (3)
- 緑色系発光を行う有機EL表示装置において、
EL発光部と、光取出し方向に配設された、透過率の主ピークの波長が490〜530nmであり、主成分として塩素置換フタロシアニン色素を含有する1層の緑色カラーフィルタとを備えていることを特徴とする有機EL表示装置。 - 請求項1に記載の有機EL表示装置において、
前記EL発光部は、一対の電極間に緑色系の発光を行う有機発光層が介在して構成されていることを特徴とする有機EL表示装置。 - 請求項1に記載の有機EL表示装置において、
前記EL発光部は、一対の電極間に青色系の発光を行う有機発光層が介在して構成されたものであり、このEL発光部の光取出し方向に緑色系の発光を行う有機蛍光体よりなる色変換層が設けられていることを特徴とする有機EL表示装置。
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