JP4275880B2 - 半導体装置及びそれを用いた電子装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘電体で分離された基板(誘電体分離基板と云う)を用いると共に、その素子形成領域に高耐圧素子と低耐圧素子が混載され、複数種類の電源電圧が供給された半導体装置と、それを用いた電子装置に関する。
【0002】
また、誘電体分離基板を用いると共に、1次側回路と2次側回路との間で信号を伝達し、かつ1次側回路と2次側回路を電気的に絶縁分離する容量性絶縁手段を有する半導体装置と、それを用いた通信端末装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
複数の高耐圧素子が形成された半導体装置において、高耐圧素子間の絶縁分離距離を短くすると共にラッチアップフリーを実現するために、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板とトレンチ分離を組合せた誘電体分離基板が用いられる。誘電体分離基板では、支持基板と素子を形成する単結晶シリコンの領域との間を完全に分離するように埋込み絶縁膜が形成されている。そして、その支持基板には抵抗率が10Ωcm程度の低不純物濃度のシリコン基板が使われている。これは、抵抗率が10Ωcm程度のシリコンウエハがLSIの製造に多く使われている為に比較的安くウエハを入手できるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
誘電体分離基板を用いた場合、ラッチアップフリーを実現できる。しかし、その素子形成領域に高耐圧素子と低耐圧素子が混載され、複数種類の電源電圧が供給された半導体装置において、高耐圧素子を用いた回路が動作した際の電源電圧を超えたサージ電圧により支持基板内に発生する空乏層の影響は考慮されていない。このため、支持基板内に形成された空乏層容量の急峻な変化により支持基板内で発生した電圧パルス状のノイズが、埋込み絶縁膜を介して容量結合で低圧回路領域に伝播して回路の誤動作を招くことがあった。
【0005】
また、誘電体分離基板を用いると共に、半導体装置内に形成した高耐圧容量を用いて、それを挟んで形成された1次側回路と2次側回路間の高耐圧絶縁を行う半導体装置において、支持基板内に形成された空乏層容量の急峻な変化により絶縁耐圧が劣化する場合が生じることがあった。
【0006】
本発明の目的は、上記のような問題を考慮してなされたものであり、電源電圧を超えたサージ電圧により支持基板内に発生する電圧パルス状のノイズを小さくできる半導体装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、誘電体分離基板を用いると共に、半導体装置内に形成した高耐圧容量を用いて1次側回路と2次側回路間の高耐圧絶縁を行う半導体装置の絶縁耐圧を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では、誘電体分離基板を用いると共に、その素子形成領域に高耐圧素子と低耐圧素子が混載され、複数種類の電源電圧が供給される半導体装置において、支持基板の不純物濃度を1017cm-3以上とする。そして、半導体装置が駆動する負荷のインダクタンス成分が大きく、サージ電圧の発生が顕著になる電子装置に上記半導体装置を用いる。
【0009】
また、誘電体分離基板を用いると共に、半導体装置内に形成した高耐圧容量を用いて、それを挟んで形成された1次側回路と2次側回路間の高耐圧絶縁を行う半導体装置において、支持基板の不純物濃度を1017cm-3以上とする。そして、ネットワーク側の1次側回路と機器側の2次側回路と間の絶縁が必要な通信端末機器に上記半導体装置を用いる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1を用いて本発明による半導体装置の第1の実施例を説明する。図1は本発明の半導体装置10の略断面の一部分を示したものである。半導体装置10にはSOI(Silicon On Insulator)基板が用いられており、20は支持基板、30は埋込み絶縁膜、100はシリコン単結晶からなる素子形成領域、31は絶縁膜30が埋込まれたトレンチである。ここで支持基板20は、不純物濃度が1017cm-3以上と高不純物濃度のN+シリコン基板である。この時、支持基板20の抵抗率は3Ωcm以下である。
【0011】
なお、本明細書では1017cm-3以上の高不純物濃度のシリコン層をN+、P+で、1016cm-3以下の低不純物濃度のシリコン層をN-、P-で、1×1016cm-3〜1×1017cm-3のシリコン層をN、Pで記す。
【0012】
素子形成領域100に作られた高耐圧PMOS110、高耐圧NMOS120、低耐圧PMOS130、低耐圧NMOS140は、トレンチ31により各々絶縁分離されている。高耐圧PMOS110のソース電極には高圧電源の電圧VHVが、高耐圧NMOS120のソース電極には高耐圧素子用のグランド電源の電圧VHGNDが接続され、高耐圧PMOS110のドレイン電極と高耐圧NMOS120のドレイン電極はアルミ配線で接続されVout端子に繋がっている。また、低耐圧PMOS130のソース電極には低圧電源の電圧VCCが、低耐圧NMOS140のソース電極には低耐圧素子用のグランド電源の電圧VGNDが接続され、低耐圧PMOS130のドレイン電極と低耐圧NMOS140のドレイン電極はアルミ配線で接続されている。
【0013】
ここで、図2、図3を用いて高サージ電圧発生時における従来の半導体装置の問題点とその原因を、図4から図6を用いて本発明の半導体装置により前記問題点が解決される原理を説明する。
【0014】
図2、図3は従来の半導体装置11の略断面の一部分とサージ電圧が生じた際の空乏層の状況を示したものである。図1との相違は、図2では支持基板にN-支持基板24、図3では支持基板にP-支持基板26、素子形成領域100にP-シリコン層を用いている点である。
【0015】
図2において高耐圧NMOS120がオンし、Vout端子の電圧がハイレベルからロウレベルにプルダウンされる際、高耐圧素子用のグランド電源の電圧VHGNDを超える負のサージ電圧が発生すると、高耐圧NMOS120のN+、N、N-層の電位もVHGNDを超える負の電圧となる。そして、直下の埋込み絶縁膜30を介してN-支持基板24内の電子が押しやられ空乏層25が発生する。この空乏層25と埋込み絶縁膜30は、VHGNDを超える負の電圧と低耐圧素子用のグランド電源の電圧VGNDを両端に持つ直列容量を形成する。そして空乏層25の空乏化領域はサージ電圧の電圧変化に応じて急激に変化する。サージ電圧がピークにおける空乏層25の容量が埋込み絶縁膜30の容量と同等かそれ以下では、直列容量の電圧分担によりVout端子に生じたサージ電圧の半分以上の電圧ピークを持つサージ電圧がN-支持基板24内の空乏化領域に発生する。空乏化領域は低耐圧PMOS130直下のN-支持基板にも伸びるので、空乏化領域内に発生したサージ電圧は、容量結合により低耐圧PMOS130内に伝播し、負のサージ電圧を発生させる。この時、例えば低耐圧PMOS130がオン状態にありドレイン電極の出力電圧がVCCにあるとすると、負のサージ電圧によって出力電圧がVCCよりも瞬時的に低下し、その電圧が次段の論理しきい値よりも低下すると低圧回路の誤動作を生じることになる。また、低圧回路がアナログ回路の場合には更に誤動作が生じやすい。
【0016】
なお、高耐圧PMOS110がオンし、Vout端子の電圧がロウレベルからハイレベルにプルアップされる際、高耐圧素子用の高圧電源の電圧VHVを超える正のサージ電圧が発生すると、高耐圧PMOS110のP+、P、N-層の電位もVHVを超える正の電圧となる。この時、直下の埋込み絶縁膜30を介してN-支持基板24内の電子が引っ張られて蓄積層が発生するが容量は形成されない。このため、埋込み絶縁膜30による容量値が小さければ、負のサージ電圧の時に生じるような大きなサージ電圧はN-支持基板24内には発生しない。
【0017】
図3においても同様のことが生じる。図3おいて高耐圧PMOS110がオンし、Vout端子の電圧がロウレベルからハイレベルにプルアップされる際、高耐圧素子用の高圧電源の電圧VHVを超える正のサージ電圧が発生すると、高耐圧PMOS110のP+、P、P層の電位もVHVを超える正の電圧となる。そして、直下の埋込み絶縁膜30を介してP支持基板26内の正孔が押しやられ空乏層27が発生する。この空乏層27と埋込み絶縁膜30は、VHVを超える正の電圧と低耐圧素子用のグランド電源の電圧VGNDを両端に持つ直列容量を形成する。そして空乏層27の空乏化領域はサージ電圧の電圧変化に応じて急激に変化する。サージ電圧がピークにおける空乏層27の容量が埋込み絶縁膜30の容量と同等かそれ以下では、直列容量の電圧分担によりVout端子に生じたサージ電圧の半分以上の電圧ピークを持つサージ電圧がP支持基板26内の空乏化領域に発生する。空乏化領域は低耐圧NMOS140直下の 支持基板にも伸びるので、空乏化領域内に発生したサージ電圧は、容量結合により低耐圧NMOS140内に伝播し、正のサージ電圧を発生させる。この時、例えば低耐圧NMOS140がオン状態にありドレイン電極の出力電圧がVGNDにあるとすると、正のサージ電圧によって出力電圧がVGNDよりも瞬時的に上昇し、その電圧が次段の論理しきい値よりも高くなると低圧回路の誤動作を生じることになる。また、低圧回路がアナログ回路の場合には更に誤動作が生じやすい。
【0018】
図4は本発明の半導体装置10の略断面の一部分とサージ電圧が生じた際の空乏層の状況を示したものである。ここで、支持基板20は不純物濃度が1017cm-3以上と高不純物濃度のN+シリコン基板である。前述のように、高耐圧NMOS120がオンし、Vout端子の電圧がハイレベルからロウレベルにプルダウンされる際に、高耐圧素子用のグランド電源の電圧VHGNDを超える負のサージ電圧が発生すると、高耐圧NMOS120のN+、N、N-層の電位もVHGNDを超える負の電圧となる。しかし、本発明では支持基板に不純物濃度が1017cm-3以上の高不純物濃度のN+支持基板を用いているので、N+支持基板内に発生する空乏層21の幅はN-支持基板を用いた場合に比べ1/10以下に抑えられる(理由は図5を用いて後述する)。このため、空乏層21の容量値はN-支持基板を用いた場合に比べ10倍以上大きく、支持基板内に発生するサージ電圧は大幅に小さくなる。例えば、N-支持基板を用いた場合の空乏層25の容量値と埋込み絶縁膜の容量値が同じ場合と比べると、N+支持基板を用いることにより支持基板内に発生するサージ電圧は従来の1/5以下に低減される。
【0019】
図5は支持基板の不純物濃度とサージ電圧がピーク時の空乏層幅の関係を示したものであり、サージ電圧がピークでの空乏層幅は不純物濃度の平方根の逆数におおよそ比例する。これは、大きなパルス電圧が瞬時に掛かる場合、支持基板内ではマイナーキャリアの供給源が不足しているために、埋込み絶縁膜直下での反転層の形成が間に合わず、電圧を定常印加した場合に比べて空乏層が伸びることに因る。図では、支持基板として不純物濃度が5×1014cm-3の時の空乏層幅を1として規格化している。なお、シリコンの抵抗率が10Ωcmの時、その不純物濃度はN型シリコンでは約5×1014cm-3、P型シリコンでは約1.4×1015cm-3である。抵抗率10ΩcmのN-支持基板を不純物濃度が1017cm-3以上のN+支持基板(抵抗率は約0.9Ωcm以下)とすることにより空乏層幅を1/10以下に、また、抵抗率10ΩcmのP-支持基板を不純物濃度が1017cm-3以上のP+支持基板(抵抗率は約3Ωcm以下)とすることにより空乏層幅を約1/10に低減できる。
【0020】
図6は本発明の半導体装置10の略断面の一部分とサージ電圧が生じた際の空乏層の状況を示したものである。ここで、支持基板22は不純物濃度が1017cm-3以上と高不純物濃度のP+シリコン基板である。前述のように、高耐圧PMOS110がオンし、Vout端子の電圧がロウレベルからハイレベルにプルアップされる際、高耐圧素子用の高圧電源の電圧VHVを超える正のサージ電圧が発生すると、高耐圧PMOS110のP+、P、N-層の電位もVHVを超える正の電圧となる。しかし、本発明では支持基板に不純物濃度が1017cm-3以上の高不純物濃度のP+支持基板を用いているので、P+支持基板内に発生する空乏層23の幅はP-支持基板を用いた場合に比べ1/10以下に抑えられる。このため、空乏層23の容量値はP-支持基板を用いた場合に比べ10倍以上大きく、支持基板内に発生するサージ電圧は大幅に小さくなる。例えば、P-支持基板を用いた場合の空乏層27の容量値と埋込み絶縁膜の容量値が同じ場合には、P+支持基板を用いることにより支持基板内の空乏化領域に発生するサージ電圧は従来の約1/5に低減される。
【0021】
なお、上記実施例では、支持基板全体を高不純物濃度のN+支持基板またはP+支持基板とした場合を述べたが、埋込み絶縁膜30と接する側の支持基板の表面1μm程度を高不純物濃度のN+シリコン層またはP+シリコン層としても同様の効果が得られる。
【0022】
図7は本発明による半導体装置10を用いた集積回路の一実施例を示す回路ブロック図であり、ドライバ回路200、レベル変換回路210、及び論理回路300からなる。ここで、ドライバ回路200、レベル変換回路210は、複数の高耐圧素子:高耐圧PMOS110、高耐圧NMOS120からなる高圧回路、論理回路300は複数の低耐圧素子:低耐圧PMOS130、低耐圧NMOS140からなる低圧回路である。
【0023】
図8は本発明による半導体装置10を用いた電子装置のモータ駆動部分の構成図である。
【0024】
電子装置500は、例えばエアコンや冷蔵庫であり、インバータ400、圧縮機510、その他の部品(図示せず)で構成される。インバータ400は本発明の半導体装置10、マイコン等のCPU15有し、圧縮機510はモータ520を有する。そして、モータ520の回転数がインバータ400内の半導体装置10、CPU15により制御される。AC100Vの電子装置では、モータの負荷を駆動する半導体装置10の出力端子Vout1、Vout2、Vout3には、例えば200V以上のピーク電圧が発生する。モータの様に負荷に大きなインダクタンスを有する機器を駆動する半導体装置では、本発明の半導体装置を用いることにより半導体装置の誤動作を防げ機器の信頼性が向上する。
【0025】
図9は本発明の第2の実施例である半導体装置12の略断面の一部分を示したものである。半導体装置12にはSOI基板が用いられており、20は不純物濃度が1017cm-3以上と高不純物濃度のN+支持基板、30は埋込み絶縁膜、100はシリコン単結晶からなる素子形成領域、31は絶縁膜が埋込まれたトレンチである。この実施例では、N+支持基板は低耐圧素子用のグランド電源の電圧VGNDには接続されておらず、フローティング状態にある。これにより、埋込み絶縁膜30を2重に使って絶縁できるので、VGNDに接続した場合の約2倍の絶縁耐圧を実現できる。素子形成領域100には1次側回路150、高耐圧容量170、2次側回路160が形成されている。高耐圧容量170は第1電極171、第1電極側シリコン172、層間絶縁膜176、中間電極173、第2電極側シリコン174、及び第2電極175から成り、第1電極171は1次側回路150の一部と、第2電極175は2次側回路160の一部とアルミ配線で接続されている。そして、1次側回路150と2次側回路160間に商用周波数の高電圧が印加された際には、その高電圧の殆どの電圧が高耐圧容量170に掛かり1次側回路150と2次側回路160間の絶縁が保たれる。
【0026】
図10は従来の半導体装置13の略断面の一部分について交流高圧電源180により高電圧を印加した際の空乏層の状況を示したものである。図9との相違は支持基板にN-支持基板24を用いている点である。交流高圧電源180は、例えばAC1500Vの電源であり、図では交流高圧電源180の低い方の電位(0V)が第2電極側に、高い方の電位(1500×√2V)が第1電極側に印加されている場合を示した。この場合、第2電極側シリコン174の直下の埋込み絶縁膜30を介してN-支持基板24内の電子が押しやられ空乏層25が発生する。この空乏層25と埋込み絶縁膜30は、0Vと1500×√2Vを両端に持つ直列容量を形成する。そして、例えば空乏層25の容量値と埋込み絶縁膜30の容量値が等しい場合、第2電極側シリコン174は0V、埋込み絶縁膜30の下面(支持基板との界面)は500×√2V、空乏層25の下面は1000×√2V、第1電極側シリコン172は1500×√2Vとなる。印加電圧が高く、支持基板濃度が低い上に正孔の供給が不十分なために反転層が形成され難く、空乏層25は数十μm程度伸びる。このため、空乏層25は第1電極側シリコン172直下の埋込み絶縁膜30まで達し、埋込み絶縁膜内の○印で示した絶縁膜30aの領域にはおおよそ1000×√2V(=1500×√2−500×√2(V))の電圧が掛かると共に、この部分に電界が集中する。この電圧は、空乏層25の発生が無く、第1電極側シリコン172直下の埋込み絶縁膜30と第2電極側シリコン174直下の埋込み絶縁膜30に均等に電圧が掛かった場合の電圧750×√2V(=1500×√2÷2(V))に比べて30%以上大きい。その結果、埋込み絶縁膜30破壊が生じることになる。
【0027】
そこで、図9の実施例のように支持基板を不純物濃度が1017cm-3以上のN+支持基板とすることにより、図4でも説明したように空乏層21の伸びが抑えられるので、絶縁耐圧の劣化を防止することができる。支持基板を不純物濃度が1017cm-3以上のP+支持基板とした場合も図6で説明したように同様の働きをする。
【0028】
図11は本発明による半導体装置12を用いた通信端末装置600の一実施例である。通信端末装置600は本発明の半導体装置12、CPU15から成り、半導体装置12はコントローラ&応用回路101、トランシーバ102、電源レギュレータ103、及び高耐圧容量170、レシーバ回路151、162、ドライバ回路152、161で構成されたオンチップアイソレータ177から成る。ここで、オンチップアイソレータのドライバ回路161は、コントローラ&応用回路101の信号を受けて高耐圧容量170を駆動し、オンチップアイソレータのレシーバ回路151は高耐圧容量を介して伝送された信号を受信し、コントローラ&応用回路101の信号と同一波形に復元してトランシーバ102を駆動する。同様に、オンチップアイソレータのドライバ回路152は、トランシーバ102の信号を受けて高耐圧容量170を駆動し、オンチップアイソレータのレシーバ回路162は高耐圧容量を介して伝送された信号を受信し、トランシーバ102の信号と同一波形に復元してコントローラ&応用回路101を駆動する。
【0029】
通信端末装置600は、半導体装置12によりネットワークバス700に接続されている。ネットワークバス700は、信号バス710、電源バス720及び制御信号バス(図示せず)からなり、電源バス720にはネットワークバス電源800が接続されている。半導体装置12内のコントローラ&応用回路101は、オンチップアイソレータ177によって、トランシーバ102や電源レギュレータ103と絶縁分離されている。トランシーバ102は電源レギュレータ103を介して電源バス720から電源の供給を受けている。信号バス710からの受信信号は、トランシーバ102、アイソレータ回路177、コントローラ&応用回路101を順に経てCPU15に伝送される。また、CPU15からの送信信号は、コントローラ&応用回路101、アイソレータ回路177、トランシーバ102を経て信号バス710に伝送される。
【0030】
通信端末装置間で通信を行う際には、起動する半導体装置12のトランシーバ102のスタンバイ状態を解除し、信号バス710の受信信号Rを監視することで信号バス710の空きを知り、他の通信端末装置600a内にある半導体装置12a宛の送信信号Tを送信する。他の通信端末装置600a内にある半導体装置12aは、時々トランシーバのスタンバイを解除し、受信信号Rや制御信号バス(図示せず)の状態を監視して、自分宛の信号を確認したら引き続いて信号を受信する。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、高圧回路側で発生したサージ電圧の支持基板への伝播を抑えるので、低圧回路側での誤動作の発生を防げる。このため、半導体装置が駆動する負荷のインダクタンス成分が大きく、サージ電圧の発生が顕著になる電子装置に本発明の半導体装置を用いると特に有効である。
【0032】
更に本発明によれば、誘電体分離基板を用いると共に、半導体装置内に形成した高耐圧容量を用いて1次側回路と2次側回路間の高耐圧絶縁を行う半導体装置の絶縁耐圧を向上するので、半導体装置及びこれを用いた通信端末装置の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体装置の第1の実施例を示す略断面図。
【図2】従来半導体装置のサージ電圧発生時のN-型支持基板における空乏層の様子を示す略断面図。
【図3】従来半導体装置のサージ電圧発生時のP-型支持基板における空乏層の様子を示す略断面図。
【図4】本発明による半導体装置のサージ電圧発生時のN+型支持基板における空乏層の様子を示す略断面図。
【図5】支持基板の不純物濃度と支持基板中に発生する空乏層幅の関係を示す図。
【図6】本発明による半導体装置のサージ電圧発生時のP+型支持基板における空乏層の様子を示す略断面図。
【図7】本発明による半導体装置を用いた集積回路の一実施例を示す回路ブロック図。
【図8】本発明による半導体装置を用いた電子装置のモータ駆動部分の構成図。
【図9】本発明による半導体装置の第2の実施例を示す略断面図。
【図10】従来半導体装置の交流高電圧印加時のN-型支持基板における空乏層の様子を示す略断面図。
【図11】本発明による半導体装置を用いた通信端末装置の構成図。
【符号の説明】
10、12、12a…本発明の半導体装置、11、13…従来の半導体装置、15…CPU、20…N+支持基板、22…P+支持基板、24…N-支持基板、26…P-支持基板、21、23、25、27…空乏層、30、30a…埋込み絶縁膜、31…トレンチ、100…素子形成領域、101…コントローラ&応用回路、102…トランシーバ、103…電源レギュレータ、110…高耐圧PMOS、120…高耐圧NMOS、130…低耐圧PMOS、140…低耐圧PMOS、150…1次側回路、160…2次側回路、151、162…オンチップアイソレータのレシーバ回路、152、161…オンチップアイソレータのドライバ回路、170…高耐圧容量、171…第1電極、172…第1電極側シリコン層、173…中間電極、174…第2電極側シリコン層、175…第2電極、176…層間絶縁膜、177…オンチップアイソレータ、180…交流高圧電源、200…ドライバ回路、210…レベル変換回路、300…論理回路、400…インバータ、500…電子装置、510…圧縮機、520…モータ、600、600a…通信端末装置、610…ネットワーク機器、700…ネットワークバス、710…信号バス、720…電源バス、800…ネットワークバス電源。

Claims (6)

  1. 誘電体で分離された基板の素子形成領域に高耐圧素子と低耐圧素子が混載される半導体装置において、
    複数種類の電源電圧が入力され、
    前記素子形成領域には負荷を駆動するドライバ回路を有し、
    前記ドライバ回路は少なくとも前記高耐圧素子を用いて形成され、
    前記高耐圧素子の電源端子には、前記複数種類の電源電圧のうち、少なくとも最も低い電源電圧よりも高い電源電圧が入力され、
    前記素子形成領域と埋込み絶縁膜により分離された支持基板の不純物濃度を1017cm-3以上、或いは支持基板表面の不純物濃度を1017cm-3以上にし、
    前記高耐圧素子がオンされてその高圧電源を越えるサージ電圧が誘起される場合に、前記支持基板における空乏層の延びを抑制し前記サージ電圧により前記支持基板内に発生する電圧パルス状のノイズを小さくすることを特徴とする半導体装置。
  2. 誘電体で分離された基板の素子形成領域に高耐圧素子と低耐圧素子が混載される半導体装置において、
    複数種類の電源電圧が入力され、
    前記素子形成領域には負荷を駆動するドライバ回路を有し、
    前記ドライバ回路は少なくとも前記高耐圧素子を用いて形成され、
    前記高耐圧素子の電源端子には、前記複数種類の電源電圧のうち、少なくとも最も低い電源電圧よりも高い電源電圧が入力され、
    前記素子形成領域と埋込み絶縁膜により分離された支持基板或いは支持基板表面の抵抗率をN型支持基板で3Ωcm以下、またはP型支持基板で0.9Ωcm以下にし、
    前記高耐圧素子がオンされてその高圧電源を越えるサージ電圧が誘起される場合に、前記支持基板における空乏層の延びを抑制し前記サージ電圧により前記支持基板内に発生する電圧パルス状のノイズを小さくすることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の誘電体で分離された基板にSOI(Silicon On Insulator)基板とトレンチ分離を用いたことを特徴とする半導体装置。
  4. 半導体装置によって駆動される負荷のインダクタンス成分によりサージ電圧を発生する駆動回路を有する電子装置において、
    前記負荷を駆動する半導体装置に請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の半導体装置を用いたことを特徴とする電子装置。
  5. ネットワーク側の1次側回路と機器側の2次側回路と間の絶縁が必要な通信端末装置において、
    誘電体で分離された基板の素子形成領域に形成した耐圧容量を挟んで形成された1次側回路と2次側回路間の耐圧絶縁を行う半導体装置に請求項1−3記載のいずれかを用いることを特徴とする通信端末装置。
  6. 回線に接続される半導体装置によるトランシーバを備え、ホストと回線との間で信号を送受信する通信端末装置において、
    誘電体で分離された基板の素子形成領域に形成した耐圧容量を挟んで形成された1次側回路と2次側回路間の耐圧絶縁を行う前記半導体装置に請求項1−3記載のいずれかを用いることを特徴とする通信端末装置。
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