JP4275523B2 - 揮発性硫化物センサおよび検知方法 - Google Patents

揮発性硫化物センサおよび検知方法 Download PDF

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Description

本発明は揮発性硫化物センサおよび検知方法、さらに詳細にはガスの組成変動を監視するセンサにおいて、湿度が一定でない空気中のサブppmレベルの揮発性硫化物を検出して判別することを目的とした改良と、歯周病診断に重要な指標となる揮発性硫化物の混合割合を識別する応用に関するものである。
揮発性硫化物(Volatile sulfur compound;VSC)は、バイオガスプロセス、汚泥処理、埋め立て工事、パルプ工業、畜産業において大量に発生する成分であり、また、人の発生する生体ガスに含まれ健康指標となる成分である。
従来、ppm以上の揮発性硫化物に対しては、電気化学式センサによって検知が可能であり、利用されてきた。しかし、VSCはppm以下の濃度レベルであっても、悪臭と感じられる物質が多く、施設等から漏れ出るVSCによる周辺住民への悪臭被害の報告が増えてきている。また、呼気中には、口腔内粘膜が脱落した細胞や唾液中タンパク、および食物残渣に含まれるアミノ酸である、メチオニンやシステインが口腔定在菌およびプラーク中の嫌気性細菌によって分解され生成するVSCが存在する。
近年のエチケット意識の向上により、口臭に敏感な人が増加しており、VSC濃度で200〜500ppbレベルで口臭と感じられることから、サブppmレベルのVSCをモニタリングする技術への要求がある。さらに、普通の人間や歯科医が「口臭無し」と判断するレベルであっても、自分が口臭を保有していると思い込む自臭症患者も増加している。重度の自臭症患者は精神的にも深刻であり、客観的かつ日常的に自分の口臭を測定し結果を確認することで、心理的に緩和していく治療が有効とされている。このように、サブppmレベルの低濃度のVSCについて、簡易に検知するセンサ技術への要求がある。
さらに、呼気に含まれる低濃度のVSC成分やその含有割合は、歯周病(Periodontitis)との関連がある。歯周病は進行すると歯を失う恐れがある深刻な疾病であり、「健康な歯」の維持は、Quality of Lifeと密接な関係を持つ。遺伝性の歯周病も存在し、最近では日本人の食生活の変化に伴い、高齢者だけではなく若年層の歯周病患者の増加という問題が出てきている。しかしながら、歯周病は自覚症状が無いまま慢性的に進行するため、現状では早期発見が難しい疾病である。
一方で、口腔内の細菌により生成されるVSCの成分が、歯周病の進行度合いと関連することが知られている。呼気中のサブppmレベルのVSC成分を識別検知する装置としては、従来、分析装置であるガスクロマトグラフが用いられてきた。湿度の高いサンプルである呼気中の成分測定においては、一般に、呼気を一度吸着材に保持、あるいは冷却濃縮し、ドライガスパージにより水分を放出するといった手間暇を掛けた前処理を行なった後、加熱追い出しを行なって測定対象成分をクロマトカラムに導入し、分離してから検出器で検知することで定性・定量される。
このように、呼気中低濃度のVSC成分は、高価で大型なガスクロマトグラフを使い、専門的な知識を有する人間が測定時間を要しながら測定するため、臨床的にも応用が難しかった。そこで、半導体型センサ素子をアレイ化し、センサシグナルのニューラルネットワークによるデータ処理を組み合わせた口臭診断装置(特許文献1:特願平13−52602号「歯周病診断装置」)も提案されている。半導体型センサ素子はVSC種類の識別能力を有していないことから、上記の装置は、人の呼気へのセンサ応答を指標に、人間を歯周病患者集団、あるいは健康な集団へと統計的に分類する。したがって、装置の性能は予めサンプリングしておく人間の集団の質と数により大きく左右され、歯周病進行指標であるVSC成分の含有割合と直接関係していない。
特願平13−52602号「歯周病診断装置」
本発明の目的は、ppm以下の低濃度のVSCを検知かつ識別する簡易センサシステムを提供するものである。湿度調整機構を組み込んでいるため、相対湿度が90%程度と高い呼気サンプルをそのまま測定可能である点と、ガス選択性を有するセンサ素子をアレイ化した構成を持つため、サブppmレベルの濃度のVSC成分を識別する機能を有する揮発性硫化物センサおよび揮発性硫化物の検知方法を提供できる。
上記課題を解決するため、本発明による揮発性硫化物センサは、ガス試料が導入される、所定温度飽和蒸気圧に保持された水蒸気飽和槽と、前記所定温度より高い測定温度に保持された恒温槽と、前記恒温槽内に設けられ、有機吸着膜を備えたセンサ素子をアレイ化したセンサセルと、前記水蒸気飽和槽で飽和蒸気圧となった前記ガス試料を前記恒温槽内に導き、前記測定温度に加熱し所定の相対湿度にさせた後前記センサセル内のセンサ素子に接触させ、前記センサ素子のガス分子吸着量を測定する手段とを備え、前記センサ素子における吸着層は、前記有機吸着膜の膜分子と吸着水成分との2つの相からなり、当該2つの相からなる吸着層への前記試料ガス成分の溶解度の差を利用してガス分子を識別することを特徴とする。
また本発明による揮発性硫化物の検知方法は、ガス試料が導入される、所定温度の飽和蒸気圧に保持された水蒸気飽和槽と、前記所定温度より高い測定温度に保持された恒温槽と、前記恒温槽内に設けられ、有機吸着膜を備えたセンサ素子をアレイ化したセンサセルと、前記水蒸気飽和槽で飽和蒸気圧となった前記ガス試料を前記恒温槽内に導き、前記測定温度に加熱し所定の相対湿度にさせた後、前記センサセル内のセンサ素子に接触させ、前記センサ素子のガス分子吸着量を測定する手段とを備える揮発性硫化物センサを用いて揮発性硫化物を検知する揮発性硫化物の検知方法であって、前記センサ素子における吸着層は、前記有機吸着膜の膜分子と吸着水成分との2つの相からなり、当該2つの相からなる吸着層への前記試料ガス成分の溶解度の差を利用してガス分子を識別することを特徴とする。
有機系ガスの濃縮機能に優れた有機固体材料を出発物質とするスパッタ法により形成されるプラズマ有機薄膜を吸着膜として作製したセンサ素子と二温度法に基づく湿度調整機構を組み合わせた揮発性硫化物センサを開発した。さらに、前記の揮発性硫化物センサに組み込むセンサ素子アレイとして、VSCに属するガス分子への選択性の異なるプラズマ有機薄膜を形成したセンサ素子を組み合わせたセンサアレイを開発し、これを用いた識別方法を開発した。
従来の技術とは、前処理工程や複雑な装置操作等なしでガス試料をセンサに導入する操作だけでppm以下のVSCを検知および識別できる点が異なる。さらに、従来の有機吸着膜を用いたセンサとは、有機吸着膜の表面の吸着水成分の濃度を制御し、ガス吸着層として有機膜と吸着水成分との二相からなる系を利用している点が異なる。
口腔起源の口臭の主要原因であるVSCをppm以下の濃度から検出可能で、さらに歯周病の進行度と相関する、メチルメルカプタンと硫化水素濃度比を示すことができるセンサを作製した。本発明品は湿度調整機能を有していることから、呼気や他の環境試料のように湿度の高い状態にあるサンプルをそのまま導入して測定することができる。
本発明品を用いることで、呼気から簡単に歯周病の進行度および呼気中の悪臭濃度を測定することができるようになる。さらに人間の嗅覚による判断が難しいレベルの低濃度のVSCについても識別できることから、初期の歯周病患者を見出すことが可能となると期待される。また、呼気を袋にサンプリングして導入あるいは吹き込むだけで測定が可能な装置であることから、歯周病遺伝子を持つ人の日常的なチェックや、入院患者のように体全体の抵抗力が弱まるために歯周病を併発しやすい人について、ベッドサイドで簡単にチェックすることが可能となる。
有機吸着膜は、膜の分子構造の制御により、分子レベルでの溶解度を変化させることが可能である。そのため、ガスセンサ材料として用いられる半導体や金属添加半導体材料に比べ、精度の高い有機ガス識別に適しているセンサ材料である。有機吸着膜の中で、有機固体材料を出発物質として合成されるプラズマ有機薄膜は、吸着面積が大きく、かつポリマー主鎖の運動性があるため、低分子量の揮発性物質を濃縮し識別する能力に優れている。そのため高感度なガスセンサ素子を作製できる材料である。
多種の異なる分子構造を持つ原材料から作製されるプラズマ有機薄膜は、原材料を選択することにより異なる分子選択性を持たせることができる。一方で、実環境中のように湿度が変動する試料や、呼気のような湿度が高い試料を測定する際には、プラズマ有機薄膜が大気中の水もあわせて吸着し、水分子の吸着に対応するセンサ応答がノイズ成分となる問題があった。そこで、大気中の水成分によるノイズを除去する手法として、従来方法としては、ガスクロマトグラフを用いた分析において用いられてきた、吸着材とドライパージを使った方法が一般的であった。
しかしながら、このような、試料中の水成分除去方法は、分析対象ガス成分まで除去したり、変質させる恐れがあった。そこで、本発明では、センサ素子を備えたセンサセル内における湿度環境を一定化し、有機膜表面の吸着水成分の状態を定常化させ、ガスセンシングにおける吸着層をプラズマ有機薄膜と吸着水成分という2相系として利用する手法を用いた。
プラズマ有機薄膜を吸着膜とするセンサ素子を備えたセンサセル内およびセンサセルに導入される試料は、二温度法により温度および相対湿度が調整される。二温度法は、一定温度Tの水蒸気飽和槽内で水蒸気を飽和させた空気を、T>Tとなる温度で維持させた恒温槽内に導入すると、相対湿度Uが次のEq1で表されることを利用している。
U=(eT0/eT1)×100・・・Eq1
ただし、eT0、eはそれぞれ温度TおよびTの飽和水蒸気圧である。また、温度に依存する飽和水蒸気圧e、は、一般に次式のGoff−Gratch式(Eq2)で求めることができる。
Log(e/1013.25)=1.089830×10(1−Ttr/T)−5.25937(T/Ttr)+7.34872×10−5[1−10(−9.16193)(1−T/Ttr)]+1.10955×10−3[104.00990(1−T/Ttr)−1]−2.2195034・・・Eq2
ただし、Ttrは水の3重点温度(273.16K)、Tがガスの温度である。なお、Eq2はITS−90に対応する係数を用いたものである。
ガス試料は、水蒸気飽和槽および熱交換コイルを通過することで、センサセル内の空気と同じ温度および相対湿度となり、センサセルに導入される。よって、センサ外部の試料の湿度変動は、センサセル内の湿度やプラズマ有機薄膜への吸着水成分の状態へ影響を与えない。
センサセル内のセンサ素子における吸着層は、プラズマ有機薄膜と吸着水成分との二つの相からなっており、その二相は温湿度が一定であることから、定常状態となっている。次に、ガス試料を導入すると、このガス成分は、有機膜+吸着水成分の二つの相からなる系へ溶解し、この時、ガス分子と吸着層との分子間相互作用の差によって、吸着層へ吸着するガス分子と吸着しづらいガス分子が存在することとなり、それぞれ分析対象のガス分子が選別される。このようなVSC成分の種類に対し選択性を持つプラズマ有機薄膜を形成したセンサ素子を複数組み合わせたセンサアレイを作製し、センサアレイからのそれぞれのセンサ応答信号から混合ガス成分を判別するセンサシステムを構築する。
本発明品である揮発性硫化物センサの一例を図1を参照し説明する。二温度法による湿度調整機構を有する本発明品のガス試料の流れは図1中の矢印15により示してある。ガス試料、試料ガス導入口1より、ペルチェ素子付温度制御手段7によって温度Tに恒温された水蒸気飽和槽3に導入される。前記水蒸気飽和槽3内には水(液体)2が設けられており、この水はペルチェ素子付温度制御手段7によって温度Tに恒温されている。
次に試料ガスは前記水蒸気飽和槽3より高温の恒温に保持された恒温槽9内に導かれ、前記恒温槽(測定系)9内の熱交換コイル4を通過し、恒温槽9内の温度(測定温度)Tに加熱される。センサ素子5を備え、ペルチェ素子付温度制御手段7より前記測定温度Tに保持されたセンサセル6に到達するときにはガス試料の温度がTにまで温められ、Eq1により求められる相対湿度のガス試料となる。ガス試料はセンサセル6下流に取り付けられたポンプ11により吸引されており、流量制御弁8によって試料ガスの流量は制御され、排気12される。
前記ガス試料は周波数測定回路17によって周波数が測定され、パーソナルコンピュータ19によって解析される。なお、図中、13は水蒸気飽和槽3および恒温槽9内の温度を測定するためのとするための熱伝対、16は湿度センサであり、10は熱伝対13などの情報により、前記熱交換コイル4、温度制御手段7を制御するための制御ボード、18は電源である。
を50℃、Tを20℃としたとき、センサセル6のポンプ11の後に設置した相対湿度センサ16の出力をモニタすると、ガス試料として呼気と同レベルに加湿した室内空気(相対湿度97%)を本発明による揮発性硫化物センサに導入しても、プラズマ有機薄膜センサ素子5に明確なノイズ応答は見られなかった。
また、本発明では、ガス試料がセンサセル6に到達する前に、水蒸気飽和槽3を通過する。この部分に存在する飽和水蒸気がガス試料そのものに影響を与えるか調べるため、同じ人の呼気試料について、センサに導入する前と後の試料(すなわち排気12から再回収した呼気サンプル)を用意し、含まれる硫化水素、メチルメルカプタン濃度を、ガスクロマトグラフィー法により分析した。その結果、オリジナルの呼気試料、揮発性硫化物センサ(ただしセンサをセンサセル内に備えていない)導入後に回収した呼気試料ともに、90ppbの硫化水素、2ppb以下のメチルメルカプタンを含むことが確認され、水への溶解性を有する硫化水素について、本発明による揮発性硫化物センサによって測定可能であることが示された。
プラズマ有機薄膜は、D−フェニルアラニン(D−Phe)、ポリエチレン(PE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)をターゲット材料として、水晶振動子(ATカット、基本振動周波数9MHz)を基板とし、高周波スパッタ法により作製した。プラズマ有機薄膜を用いたセンサ素子アレイは、サブppmレベルのVSCに対し応答を示し、また種類ごとに異なる応答を示す。
乾燥空気で希釈した100ppbの硫化水素および30ppbのメチルメルカプタン試料を流量180〜200mLmin−1でセンサに導入し、基本応答特性を求めた。D−Phe膜センサおよびPE膜センサの応答の時間変化(図2)では、↑(上向き矢印)の時間にVSC試料が導入されてから時間が経過するにつれ、D−Phe膜センサおよびPE膜センサの単位時間あたりの共振周波数変化応答が増加していく傾向が示されている。
このことは、硫化水素、メチルメルカプタンがD−Phe膜およびPE膜に吸着する際、多層吸着が起こることを示す。さらに、吸着測定開始後、同じ時間におけるセンサ応答の大きさΔfは、硫化水素に対し、Δf(D−Phe膜センサ)>Δf(PE膜センサ)であるのに対し、メチルメルカプタンの測定時にはΔf(D−Phe膜センサ)<Δf(PE膜センサ)となる。
このように、プラズマプロセスで作製したD−Phe膜センサとPE膜センサでは、分子構造において水素一個とメチル基一個の差がある硫化水素とメチルメルカプタンに対する親和性が異なり、したがってこれらVSCの分子識別能力を持っている。
また、センサ素子からガス成分を脱着させる復帰プロセスを行なうことで、センサ素子を繰り返し利用することができる。図2中↓(下向き矢印)の時間に、リファレンスガスすなわちVSCを含まない空気をセンサシステムに導入を開始している。硫化水素およびメチルメルカプタンのガス成分のプラズマ有機薄膜やセンサ構成部品への吸着力が強いことから、リファレンスガスを流しても、センサ応答の増加傾向はなくなるものの、D−Phe膜およびPE膜からの脱着による急激なセンサ応答の減少は確認されない。そこで、恒温槽9の温度を上昇させ、吸着した硫化水素あるいはメチルメルカプタンの膜からの脱着を促進させることで、センサの復帰プロセスを短縮させることができる。
次に、センサセル内の相対湿度を30%に制御したときのセンサ応答特性を示す。湿度制御下において、D−Phe膜、PE膜表面は水が一定量吸着した安定した系である。図3、図4の硫化水素、メチルメルカプタン混合ガスへの応答では、D−Phe膜センサ、PE膜センサともに、乾燥空気下で測定した図2(a)と異なる、Langmuir型吸着を基本とするセンサ応答曲線が得られている。
しかしながら、センサ応答幅の大小関係は、硫化水素濃度が高い時(図3、[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]=0.16)はΔf(D−Phe膜センサ)>Δf(PE膜センサ)、メチルメルカプタン濃度が高い時(図4、[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]=6)にはΔf(D−Phe膜センサ)<Δf(PE膜センサ)であり、図2の結果に準じたものである。したがって、プラズマ有機薄膜を用いた水晶振動子型センサは、吸着水成分を保持した状態においてもVSCのガス分子を濃縮し、分子レベルで識別する機能を有している。
呼気中VSCである硫化水素とメチルメルカプタンの濃度比には、歯周病の進行度合いの診断指標である歯周ポケットの深さと相関がある。メチルメルカプタンの濃度が硫化水素濃度の1/6以下の場合、歯周病診断において、歯周ポケット深度は3mm以下で軽度の歯周病と判断される。一方、メチルメルカプタンが硫化水素濃度の3倍以上になると、中程度の進行した歯周病に罹患している可能性があり、6倍以上となると重度の可能性がある。このため、硫化水素とメチルメルカプタンの濃度比を求められるセンサシステムが望まれる。
そこで、メチルメルカプタンと硫化水素の濃度の割合を1:6(すなわち、[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]〜0.16)とした混合ガス試料に対する応答を測定した結果を図4に示す。VSCの総濃度は、図3の硫化水素濃度と同等の300ppb程度で、「口臭あり」と判断される濃度に匹敵するものである。共振周波数応答の大きさが、硫化水素に対する応答に比べ非常に小さくなり、D−Phe膜センサの応答については1/10程度となっている。また、混合サンプルに対する応答曲線の傾向は、硫化水素のみのサンプルを測定した場合とは異なっており、乾燥空気環境下にて硫化水素およびメチルメルカプタンを測定したときと同様の、多層吸着型の吸着による応答曲線が得られている。
この結果から、メチルメルカプタンは水分子と競合的にPE膜およびD−Phe膜に吸着している。異なるセンサ素子の応答の大きさに着目すると、メチルメルカプタンと硫化水素とを1:6の割合で混合したサンプルに対する同じ時間におけるセンサ応答の大きさΔfは、Δf(D−Phe膜センサ)<Δf(PE膜センサ)となっており、乾燥空気下の測定におけるメチルメルカプタンへの応答と類似した傾向である。このように、吸着水成分を保持した状態において、プラズマ有機薄膜を用いたセンサ素子は分子選択性を有していることが示されている。
そこで、メチルメルカプタンと硫化水素の混合割合を変化させたときのセンサ応答の大きさを比較した。ここで吸着測定開始後、15分および30分における応答幅を比較している。呼気をサンプリングしてセンサシステムに導入する際、利用される簡易サンプリング器具として、におい袋あるいはテドラーバッグと呼ばれる袋類がある。これら容量は3〜10Lが一般的であり、本センサシステムにおけるフロー流量が180〜200mLmin−1であることから、サンプリングによる測定時間として15分から30分が対応する。そこで、15分と30分における応答の大きさを図5で比較した。VSCの総濃度は300ppbである。メチルメルカプタンと硫化水素の混合比が異なると、センサアレイの応答パターンが異なっていることが確認される。
歯周病診断において軽度と重度となる[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]が0.16と6の場合を比較すると、D−Phe膜センサとPE膜センサ応答の大きさの比が異なる。さらに、[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]が1の時と6の時を比較するとPE膜センサ応答と、撥水性の特性を持つPCTFE膜センサの応答を比較すると、PCTFE膜センサの負の応答との大きさの比が異なっている。ただし、乾燥空気環境下においてメチルメルカプタンに対してPCTFE膜センサはほとんど応答を示していなかった。PCTFE膜センサの負の応答幅は、メチルメルカプタンの混合比が高くなるほど小さくなる傾向にあり、サンプルガス成分の特徴を示している。
このように、D−Phe膜センサ、PE膜センサ、PCTFE膜センサから成るセンサアレイにより、歯周病診断の指標となるメチルメルカプタンと硫化水素の混合比に応じた応答を得られることが確認された。
センサ応答曲線から応答特徴量を抽出して、メチルメルカプタンと硫化水素の混合比を識別用のデータベースを作成した。総濃度および混合比の異なる硫化水素、メチルメルカプタン混合サンプルに対するセンサ応答を測定し、それぞれのセンサ応答の時間変化率(すなわち応答曲線の傾き)を応答特徴量として抽出し、その応答特徴量に基づく主成分分析を行った。
上記のようなセンサ応答の曲線、違いを数値的に取り扱うことで、センサ応答から異なる総濃度の混合ガスの混合比を識別する。そこで、総濃度および混合比の異なる硫化水素、メチルメルカプタン混合サンプルに対するセンサ応答を測定し、それら混合サンプルを測定して得られたセンサ応答において、D−Phe膜センサ、PE膜センサ、PCTFE膜センサそれぞれの応答の時間変化率(すなわち応答曲線の傾き)を応答特徴の数値とした。
すなわち、混合比m1で総濃度がc1に対する、D−Phe膜センサ、PE膜センサ、PCTFE膜センサの応答の時間変化率を、τD−Phe (m1c1)、τ PE (m1c1)、τPCTFE(m1c1)とすると、総濃度c1で混合比m1の硫化水素とメチルメルカプタンの混合サンプルは、これら3つの数値でもって特徴づけられるセンサ応答に相当する。混合比m2で総濃度がc2の別の混合サンプルについては、τD−Phe (m2c2)、τ PE (m2c2)、τPCTFE(m2c2)、と別の数値の組み合わせで表される応答ということになる。これら数値の組み合わせに、混合比m1、m2、との間にある一定の関係が存在する場合、これらの関係をあらかじめ規定する。これが、ニオイセンサにおけるデータベースである。そして、混合比および総濃度が未知の混合サンプルを測定した場合に、その未知サンプルに対するセンサ応答から抽出した特徴である数値セットと、データベースとを照らし合わせ、未知サンプルがどの混合比のサンプルに近い値を持っているかを判定する。
したがって、データベースに保管されるべき数値セットは、混合比の相違を表現するものでなければならない。すなわち、数値セットの混合比との相関が、ニオイセンサの識別性能をあらわすものである。
そこで、混合サンプルを実測し、そのときのセンサ応答から得られる応答特徴量である数値セットを求め、次に数値セットと混合比との関係を求めた。実測したサンプルの混合比と濃度は以下のとおりである。[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]が6で、総濃度が72 ppb、110 ppb、140 ppb、[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]が1で総濃度が44 ppb、88 ppb、[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]が0.16の時で総濃度が52 ppb、98 ppb、140 ppb。この総濃度レベルは、人間の嗅覚によって「口臭なし」から、敏感な人が少し「口臭あり」と感じる程度の範囲である。
実測により得られた数値セットの混合比との関係は、数値セット間のユークリッド距離を求め、それらの分散から位置付けることができる。それを視覚的にあらわす方法が、主成分分析である。
主成分分析は、数値セット間のユークリッド距離による分散をもっとも大きくする数値上の軸を求める一般的な数値解析法である。もっとも分散が大きくなる軸を主成分1とし、次に分散が大きくなる軸を主成分2とし、それぞれを軸として実測値から得られた数値セットをプロットしたのが図6である。図6中で、プロットの形状は混合ガス試料の[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]の値を表しており、またメチルメルカプタンと硫化水素の総濃度毎のプロットを示している。○のプロットは[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]が6で、総濃度が72 ppb、110 ppb、140 ppb、□は[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]が1で総濃度が44 ppb、88 ppb、●は[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]が0.16の時で総濃度が52 ppb、98 ppb、140 ppbを示している。それぞれの形状の違うプロットを円で囲むと、別の領域に存在する。このように、センサ応答から得られた数値セットと、 [メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]比との関係を、主成分分析により得られるマップ上で形成可能であることから、本発明品であるセンサアレイがVSC濃度がサブppmレベルの口臭から、歯周病診断の指標を求めることが可能な感度と機能を有することが示された。
なお、上記実施例においては、前記センサ素子のガス分子吸着量を測定する手段として水晶振動子を使用したが、他にマイクロカンチレバー、表面弾性波導波デバイス等も使用可能である。
湿度調整機構を組み込み、水晶振動子の表面にプラズマ有機膜を形成したガス選択性を有するセンサ素子をアレイ化したことを特徴とする。ppm以下の低濃度のVSC(揮発性硫化物)の検知・識別が可能となる。
センサシステム構成を示す図。 ドライ環境下でのセンサ応答を示す図。(a)は硫化水素、(b)はメチルメルカプタンである。 相対湿度30%(20℃)環境下での硫化水素へのセンサ応答を示す図。 相対湿度30%(20℃)環境下での[メチルメルカプタン濃度]/[硫化水素濃度]=0.16としたガス試料への応答を示す図。 混合ガスに対するセンサ応答の比較。 混合ガスの主成分分析結果を示す図。
符号の説明
1 試料ガス導入口
2 水(液体)
3 水蒸気飽和槽
4 熱交換コイル
5 センサ素子
6 センサセル
7 温度制御手段
8 流量制御弁
9 恒温槽
10 制御ボード
11 ポンプ
12 排気
13 熱伝対
14 電気配線
15 ガス流経路
16 湿度センサ
17 周波数測定回路
18 電源
19 パーソナルコンピュータ

Claims (10)

  1. ガス試料が導入される、所定温度の飽和蒸気圧に保持された水蒸気飽和槽と、前記所定温度より高い測定温度に保持された恒温槽と、前記恒温槽内に設けられ、有機吸着膜を備えたセンサ素子をアレイ化したセンサセルと、前記水蒸気飽和槽で飽和蒸気圧となった前記ガス試料を前記恒温槽内に導き、前記測定温度に加熱し所定の相対湿度にさせた後、前記センサセル内のセンサ素子に接触させ、前記センサ素子のガス分子吸着量を測定する手段とを備え、
    前記センサ素子における吸着層は、前記有機吸着膜の膜分子と吸着水成分との2つの相からなり、当該2つの相からなる吸着層への前記試料ガス成分の溶解度の差を利用してガス分子を識別することを特徴とする揮発性硫化物センサ。
  2. 前記水蒸気飽和槽は前記水蒸気飽和槽内の水を所定温度に保持するための温度制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の揮発性硫化物センサ。
  3. 前記恒温槽は、水蒸気飽和槽より導入された試料ガスを恒温槽内の前記センサ素子と同じ温度とし、同じ相対湿度にするために加熱する熱交換コイルを備えていることを特徴とする請求項1または2記載の揮発性硫化物センサ。
  4. 前記恒温槽は、前記センサ素子を所定温度に保持するための温度制御手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の揮発性硫化物センサ。
  5. 前記試料ガスは外部に備えられたポンプにより、流量制御されながら、前記水蒸気飽和槽、恒温槽を通過するようになっていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の揮発性硫化物センサ。
  6. 前記有機吸着膜に有機固形材料を用いたプラズマプロセスにより形成されたプラズマ有機薄膜を用いることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の揮発性硫化物センサ。
  7. 前記有機吸着膜は、D−フェニルアラニン、ポリエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレンのいずれかである請求項1から6のいずれか1項記載の揮発性硫化物センサ。
  8. 前記ガス分子吸着量を測定する手段は、水晶振動子、マイクロカンチレバー、表面弾性波導波デバイスであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の揮発性硫化物センサ。
  9. ガス試料が導入される、所定温度の飽和蒸気圧に保持された水蒸気飽和槽と、前記所定温度より高い測定温度に保持された恒温槽と、前記恒温槽内に設けられ、有機吸着膜を備えたセンサ素子をアレイ化したセンサセルと、前記水蒸気飽和槽で飽和蒸気圧となった前記ガス試料を前記恒温槽内に導き、前記測定温度に加熱し所定の相対湿度にさせた後、前記センサセル内のセンサ素子に接触させ、前記センサ素子のガス分子吸着量を測定する手段とを備える揮発性硫化物センサを用いて揮発性硫化物を検知する揮発性硫化物の検知方法であって、
    前記センサ素子における吸着層は、前記有機吸着膜の膜分子と吸着水成分との2つの相からなり、当該2つの相からなる吸着層への前記試料ガス成分の溶解度の差を利用してガス分子を識別することを特徴とする揮発性硫化物の検知方法。
  10. 前記センサ素子は水晶振動子に前記有機吸着膜を形成したものであり、前記ガス分子吸着量を測定する手段は、前記センサ素子の共振周波数応答を測定することによってガス吸着量を検知することを特徴とする請求項9記載の揮発性硫化物の検知方法。
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