JP4274003B2 - 芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子、その中間体及びそれらの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子、その中間体及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子、その中間体、それらの製造方法及びその用途に関するものである。
一次電池、二次電池、あるいは固体高分子型燃料電池等の電気化学デバイスの隔膜として、イオン伝導性を有する高分子からなる高分子電解質が用いられている。例えば、ナフィオン(デュポン社の登録商標)をはじめとするパーフルオロスルホン酸系の材料が、燃料電池に用いた場合の特性に優れることから従来主に使用されてきている。しかしながらこの材料は非常に高価であること、耐熱性が低いこと、フィルム強度が低く何らかの補強をしないと実用的でないことなどの問題が指摘されている。
こうした状況において、上記イオン伝導性高分子に替わり得る安価な高分子の開発が近年活発化してきている。なかでも耐熱性に優れフィルム強度の高い芳香族ポリエーテルにスルホン酸基等の酸基を導入した形の高分子、すなわち主鎖が芳香族系であって、この主鎖にスルホン酸基等の酸基が直接結合した芳香族系高分子が有望視されている。例えば、スルホン化ポリエーテルケトン系(特許文献1)、スルホン化ポリエーテルスルホン系(特許文献2,3)等の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性高分子が提案されている。
特表平11−502249号公報 特開平10−45913号公報 特開平10−21943号公報
しかしながら、上記のような芳香族ポリエーテル系イオン伝導性高分子のフィルム強度は、パーフルオロスルホン酸系の材料よりは向上するものの、燃料電池等の電解質膜として用いた場合、十分満足し得るものではなく、この点の改良がなされた電解質の開発が望まれていた。
本発明者等は、機械的強度の改良された芳香族ポリエーテル系イオン伝導性の高分子を提供すべく鋭意検討を重ねた結果、高分子の末端基を利用する縮合反応すなわち末端基としてハロゲン等を有する芳香族ポリエーテル系高分子同士をカップリングすることにより更に高分子量化が図れ、超高分子量の芳香族ポリエーテルが得られることを見出すとともに、この芳香族ポリエーテル系超高分子にスルホン酸基等を導入した形のイオン伝導性超高分子が優れたフィルム強度を有する電解質膜となり得ることを見出し、さらに種々の検討を加え、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
[1]ゼロ価遷移金属錯体の共存下、下式(3)、(4)
Figure 0004274003
(式中、Ar 1 、Ar 2 は独立に
1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、2−フェニル−1,4−フェニレン、2−フェノキシ−1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、2,3−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、ビフェニル−4,4'−ジイル、ビフェニル−3,3'−ジイル、ビフェニル−3,4'−ジイル、3,3'−ジフェニルビフェニル−4,4'−ジイル、3,3'−ジフェノキシビフェニル−4,4'−ジイル、2,2−ジフェニルプロパン−4',4''−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイル、ジフェニルスルホン−4,4'−ジイル、ベンゾフェノン−4,4'−ジイル、次に示すエーテル結合を有する2価の基から選ばれる2価の基を表す。
Figure 0004274003
これらの芳香族の2価の基は、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、フェニル、フェノキシから選ばれる置換基を有していても良い。m、nは繰返し数を表し、m、nは独立に10以上の数値を表す。複数のAr 1 、Ar 2 、m、nはそれぞれ異なっていても良い。Xは、縮合反応時に脱離する基を表し、複数のXは異なる種類であっても良い。)から選ばれる少なくとも1種の高分子を縮合反応により重合することによって得られる、
イオン交換容量が0.1meq/g〜4.0meq/gであって、ポリスチレン換算の数平均分子量が100000〜400000の芳香族ポリエーテル系超高分子に酸基が導入された構造であって、該芳香族ポリエーテル系超高分子が下式(1)、(2)
Figure 0004274003
式中、Ar 1 、Ar 2 、m、nは前記と同じ意味を表す。
から選ばれる少なくとも1種の構造単位を含有し、式(1)の構造単位の数aと式(2)の構造単位の数bの和は2以上であることを特徴とする芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子を提供するものである。
さらに本発明は、
[2]酸基がスルホン酸基であることを特徴とする上記[1]記載の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子を提供するものである。
また、本発明は、
[3]上記[1]記載の式(1)、(2)から選ばれる少なくとも1種の構造単位を含有し、式(1)の構造単位数aと式(2)の構造単位数bの和は2以上である芳香族ポリエーテル系超高分子に酸基を導入することを特徴とする上記[1]記載の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子の製造方法、
[4]酸基がスルホン酸基であることを特徴とする上記[3]記載の製造方法
を提供するものである。
また、本発明は、
[5]ゼロ価遷移金属錯体の共存下、上記[1]記載の式(3)、(4)から選ばれる少なくとも1種の高分子を縮合反応により重合することによって得られる、
ポリスチレン換算の数平均分子量が100000〜400000であって、上記[1]記載の式(1)、(2)から選ばれる少なくとも1種の構造単位を含有し、式(1)の構造単位の数aと式(2)の構造単位の数bの和は2以上であることを特徴とする芳香族ポリエーテル系超高分子を提供するものである。
また、本発明は、
[6]ゼロ価遷移金属錯体の共存下、下式(3)、(4)
Figure 0004274003
(式中、Ar1、Ar2、m、nは前記と同じ意味を表す。Xは、縮合反応時に脱離する
基を表し、複数のXは異なる種類であっても良い。)
から選ばれる少なくとも1種の高分子を縮合反応により重合することを特徴とする上記[5]記載の芳香族ポリエーテル系超高分子の製造方法、
[7]Xが、クロロ、ブロモ、ヨード、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基であることを特徴とする上記[6]に記載の芳香族ポリエーテル系超高分子量高分子の製造方法、
また、本発明は、
[8]上記[1]記載の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子を有効成分とする高分子電解質、
[9]上記[8]記載の高分子電解質からなる高分子電解質膜、
[10]上記[8]記載の高分子電解質を用いてなることを特徴とする触媒組成物、
[11]上記[9]記載の高分子電解質膜および/または上記[10]記載の触媒組成物を用いてなることを特徴とする燃料電池
を提供するものである。
本発明によれば、高分子の末端基を利用する縮合反応すなわち末端基としてハロゲン等を有する芳香族ポリエーテル系高分子同士をカップリングすることにより更に高分子量化が図れ、超高分子量の芳香族ポリエーテルが容易に製造し得る。
またこの芳香族ポリエーテル系超高分子にスルホン酸基等の酸基を導入した形の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子は、優れた機械的強度を有する電解質膜となり得る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子におけるイオン交換容量は、0.1meq/g以上であるが、好ましくは0.1〜4meq/g程度、より好ましくは0.8〜2.5meq/g程度である。燃料電池用の高分子電解質として用いた場合、イオン交換容量が小さすぎるとプロトン伝導性が低くなり電解質としての機能が不十分となることがある。また大き過ぎると耐水性不良となることがあるので好ましくない。
また本発明の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子は、芳香族ポリエーテル系超高分子に酸基が導入された構造を有し、該芳香族ポリエーテル系超高分子は上記式(1)、(2)から選ばれる少なくとも1種の構造単位を含有し、式(1)の構造単位数aと式(2)の構造単位数bの和は2以上である。
ここで、式(1)、(2)におけるAr、Arは独立に芳香族の2価の基を表すが、かかる芳香族の2価の基の代表例としては、例えば、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、2−フェニル−1,4−フェニレン、2−フェノキシ−1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、2,3−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、ビフェニル−4,4'−ジイル、ビフェニル−3,3'−ジイル、ビフェニル−3,4'−ジイル、3,3'−ジフェニルビフェニル−4,4'−ジイル、3,3'−ジフェノキシビフェニル−4,4'−ジイル、2,2−ジフェニルプロパン−4',4''−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイル、ジフェニルスルホン−4,4'−ジイル、ベンゾフェノン−4,4'−ジイル、次に示すエーテル結合を有する2価の基などが挙げられる。
Figure 0004274003
これらの芳香族の2価の基は、置換基を有していても良く、その置換基としては、後述の縮合反応を阻害しないものが好ましく、例えば、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、フェニル、フェノキシなどが例示される。とりわけ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フェニル、フェノキシ等が好ましい。これら置換基の置換位置は特に限定されない。
また複数のAr、Arはそれぞれ異なっていても良い。
繰返し数を表すm、nは、独立に10以上の数値を表すが、好ましくは20〜250程度、さらに好ましくは50〜200程度の数値である。複数のm、nはそれぞれ異なっていても良い。
また、式(1)の構造単位の数aと式(2)の構造単位の数bの和は2以上であるが、好ましくは3〜10程度である。
酸基としては、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、スルホニルイミド基、ホスホン酸基などが例示される。燃料電池等の高分子電解質として用いる場合はスルホン酸基、スルホニルイミド基が好ましい。
これら酸基は、高分子の主鎖を構成している芳香族環に直接置換していても、また主鎖を構成している芳香族環上の置換基や側鎖に導入されていても、また、それらの組み合わせであっても良い。
ポリスチレン換算の数平均分子量は、式(1)及び式(2)の構造単位においてはそれぞれ通常2000〜100000程度、好ましくは5000〜80000程度であり、芳香族ポリエーテル系超高分子においては、通常100000程度以上、好ましくは150000以上、より好ましくは200000〜400000程度である。
本発明の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子は、上記のような芳香族ポリエーテル系超高分子に酸基が導入された構造を有するものであれば良く、その製造方法は特に限定はないが、例えば、上記のような芳香族ポリエーテル系超高分子に酸基を導入することにより製造し得る。
ここで酸基の導入方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば芳香環にスルホン酸基を導入する場合は、芳香族ポリエーテル系超高分子を濃硫酸に分散または溶解させ、必要に応じて加熱したり、発煙硫酸を加える等の方法を使用し得る(例えば、前記特許文献2、3など)。アルキレン基を介してスルホン酸基を導入する場合は、J.Amer.Chem.Soc.,76,5357〜5360(1954)に記載されているスルトンを用いた反応を使用し得る。また、アルキレンオキシ基を介してスルホン酸基を導入する場合は、ヒドロキシ基を持つモノマーおよびポリマーをアルカリ金属化合物及び/又は有機塩基化合物と反応させてアルカリ金属塩及び/又はアミン塩を生成した後、脱離基を有するアルキルスルホン酸類と反応させる等の方法を使用し得る。
また、カルボン酸基を導入する場合は、例えば公知の方法(例えば、特開2002−241493、Polymer, 1989, Vol.30, June, 1137-1142. など)を用いてブロモ化した後、Grignard反応を使って二酸化炭素の作用によりカルボン酸基を導入する方法や、Friedel-Crafts反応など公知の方法を用いてアシル基やアルキル基を導入した後、公知の酸化反応でこれをカルボン酸基に変換するなどの方法を使用し得る。
スルホニルイミド基を導入する場合は、例えば前記の方法で導入したスルホン酸基を塩化チオニルなどを作用させてスルホニルクロリドなどのスルホニルハライド基とするか、芳香族ポリエーテル系超高分子を必要に応じ有機溶媒中、クロロ硫酸を作用させてスルホニルクロリド基を導入した後、メタンスルホニルアミドやベンゼンスルホニルアミドなどのスルホニルアミド化合物を、必要に応じ脱酸剤の共存下作用させ、スルホニルイミド基を導入するなどの方法を使用し得る。
また、ホスホン酸基を導入する場合は、例えば公知の方法に準じてブロモ基を導入した後、塩化ニッケルなどのニッケル化合物の共存下、亜リン酸トリアルキルを作用させてホスホン酸ジエステル基を導入し、これを公知の方法で加水分解する方法(例えば、Chem.Ber., 103, 2428-2436.(1970). など)、ルイス酸触媒の共存下、Friedel-Crafts反応で三塩化リンや五塩化リンなどを用いてC−P結合を形成させ、続いて必要に応じ酸化及び加水分解してホスホン酸基とする方法、高温でリン酸無水物を作用させる方法(例えば、J.Amer.Chem.Soc., 76, 1045-1051.(1954). など)などのホスホン酸基を導入する方法を使用し得る。
次に、芳香族ポリエーテル系超高分子の製造方法について説明する。
芳香族ポリエーテル系超高分子は、ゼロ価遷移金属錯体の共存下、下式(3)、(4)
Figure 0004274003
(式中、Ar、Ar、m、nは前記と同じ意味を表す。Xは、縮合反応時に脱離する基を表し、複数のXは異なる種類であっても良い。)
から選ばれる少なくとも1種の高分子を縮合反応により重合することにより製造し得る。
ここで、Xは縮合反応時に脱離する基を表すが、その具体例としては、クロル、ブロム、ヨウ素などのハロゲン、また、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基などのスルホン酸エステル基などが挙げられる。
また高分子の縮合反応による重合は、ゼロ価遷移金属錯体の共存下に実施されるが、かかるゼロ価遷移金属錯体としては、例えばゼロ価ニッケル錯体、ゼロ価パラジウム錯体等が挙げられる。なかでもゼロ価ニッケル錯体が好ましく使用される。
ゼロ価遷移金属錯体は、市販品や別途合成したものを重合反系に供しても良いし、重合反応系中において、還元剤の作用で、遷移金属化合物から発生させても良い。後者の場合においては、例えば、遷移金属化合物に亜鉛やマグネシウムなどを作用させる方法等が挙げられる。
いずれの場合でも、後述の配位子を添加することが、収率向上の観点から好ましい。
ここで、ゼロ価パラジウム錯体としては、例えばパラジウム(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等があげられる。
またゼロ価ニッケル錯体としては、例えばニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)、ニッケル(0)(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)、ニッケル(0)テトラキス(トリフェニルホスフィン)等が挙げられる。なかでもニッケル(0)ビス(シクロオクタジエン)が好ましく使用される。
また、遷移金属化合物に還元剤を作用させゼロ価遷移金属錯体を発生させる場合において、使用される遷移金属化合物としては、通常、2価の遷移金属化合物が用いられるがゼロ価のものも用いることもできる。なかでも2価ニッケル化合物、2価パラジウム化合物が好ましい。2価ニッケル化合物としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)などが挙げられ、2価パラジウム化合物としては塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウムなどが挙げられる。
還元剤としては、亜鉛、マグネシウム等の金属及びそれらの例えば銅との合金、水素化ナトリウム、ヒドラジンおよびその誘導体、リチウムアルミニウムヒドリドなどが挙げられる。必要に応じて、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化トリメチルアンモニウム、ヨウ化トリエチルアンモニウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等を併用することもできる。
ゼロ価遷移金属錯体の使用量は、還元剤を使用しない場合、式(3)および式(4)で示される高分子の総量に対して、通常0.1〜5モル倍である。使用量が過少であると分子量が小さくなる傾向があるので、好ましくは1.5モル倍以上、より好ましくは1.8モル倍以上、一層好ましくは2.1モル倍以上である。使用量の上限は、使用量が多すぎると後処理が煩雑になる傾向があるために、5.0モル倍以下であることが望ましい。
また、還元剤を使用する場合、遷移金属化合物の使用量は、式(3)および式(4)で示される高分子の総量に対して、0.01〜1モル倍である。使用量が過少であると分子量が小さい傾向にあるので、好ましくは0.03モル倍以上である。使用量の上限は、使用量が多すぎると後処理が煩雑になる傾向があるために、1.0モル倍以下であることが望ましい。
また還元剤の使用量は、式(3)および式(4)で示される高分子の総量に対して、通常0.5〜10モル倍である。使用量が過少であると分子量が小さくなる傾向があるので、好ましくは1.0モル倍以上である。使用量の上限は、使用量が多すぎると後処理が煩雑になる傾向があるために、10モル倍以下であることが望ましい。
前記の配位子としては、例えば2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン、1,2−ビスジフェニルホスフィノエタン、1,3−ビスジフェニルホスフィノプロパンなどが挙げられ、汎用性、安価、高反応性、高収率の点でトリフェニルホスフィン、2,2’−ビピリジルが好ましい。特に、2,2’−ビピリジルは、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)と組合せると重合体の収率が向上するので、この組合せが好ましく使用される。
また配位子を共存させる場合は、ゼロ価遷移金属錯体に対して、通常、金属原子基準で、0.2〜2モル比程度、好ましくは1〜1.5モル比程度使用される。
縮合反応は、通常、溶媒存在下に実施される。かかる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、メシチレン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素系溶媒:ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテルなどのエーテル系溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、ジメチルスルホキシドなどのアミド系溶媒に代用される非プロトン性極性溶媒:テトラリン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒:テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒:酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチルなどのエステル系溶媒:クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒などが挙げられる。
生成する超高分子の分子量をより高くするためには、高分子および超高分子が十分に溶解していることが望ましいので、高分子および超高分子に対する良溶媒であるテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N、N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン等が好ましい。これらは2種以上を混合して用いることもできる。なかでもトルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、及びこれら2種以上の混合物が好ましく用いられる。
溶媒は、モノマーすなわち前記高分子に対して、通常5〜500重量倍、好ましくは20〜100倍程度使用される。
また縮合温度は、通常0〜250℃の範囲であり、好ましくは、10〜100℃程度であり、縮合時間は、通常0.5〜24時間程度である。中でも、生成する超高分子の分子量をより高くするためには、ゼロ価遷移金属錯体と式(3)および/または式(4)で示される高分子とを45℃以上の温度で作用させることが好ましい。好ましい作用温度は通常45℃〜200℃であり、とりわけ好ましくは50℃〜100℃程度である。
またゼロ価遷移金属錯体と式(3)および/または式(4)で示される高分子とを作用させる方法は、一方をもう一方に加える方法であっても、両者を反応容器に同時に加える方法であっても良い。加えるに当っては、一挙に加えても良いが、発熱を考慮して少量ずつ加えることが好ましいし、溶媒の共存下に加えることも好ましい。
ゼロ価遷移金属錯体と式(3)および/または式(4)で示される高分子とを作用させた後、通常45℃〜200℃程度、好ましくは50℃〜100℃程度で保温される。
生成する芳香族ポリエーテル系超高分子としては、式(3)、(4)におけるAr、Arが同一の場合には、例えば式(3)で表されるポリマーの単純な再延長ポリマーが得られ、一方異なる場合には、式(3)で表されるポリマーと式(4)で表されるポリマーとのブロック共重合体が得られることになる。
通常、縮合系ブロック共重合体の製法においては、各ブロックの組成比を調節するためには、各ブロック前駆体ポリマーの分子量を制御し、反応性末端基の当量を正確に調整する必要があるが、本製造法によれば、仕込み重量比を制御するだけで好ましい組成のブロック共重合体を合成することができる。
縮合反応により生成した芳香族ポリエーテル系超高分子の反応混合物からの取り出しは、常法が適用できる。例えば、貧溶媒を加えるなどしてポリマーを析出させ、濾別などにより目的物を取り出すことができる。また必要に応じて、更に水洗や、良溶媒と貧溶媒を用いての再沈殿などの通常の精製方法により精製することもできる。
また、芳香族ポリエーテル系超高分子の重合度、ポリマーの構造の解析等は、GPC測定、NMR測定などの通常の手段で行うことができる。
かくして芳香族ポリエーテル系超高分子が得られる。その重合度は(m×a+n×b)で表されるが、本発明によれば、従来の通常の方法では製造することができない極めて高い分子量を有する高分子、例えば重合度500以上のものを製造し得る。
ポリスチレン換算の数平均分子量は、通常100000程度以上、好ましくは150000以上、より好ましくは200000〜400000程度である。
次に、本発明の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子を燃料電池等の電気化学デバイスの隔膜として使用する場合について説明する。
この場合は、通常フィルムの形態で使用されるが、フィルムへ転化する方法に特に制限はなく、例えば溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が好ましく使用される。
具体的には、共重合体を適当な溶媒に溶解し、その溶液をガラス板等の基盤上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜される。製膜に用いる溶媒は、共重合体を溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒:ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒:メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類:エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル等が好適に用いられる。これらは、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等がポリマーの溶解性が高く好ましい。
フィルムの厚みは、特に制限はないが10〜300μmが好ましく、15〜100μmがさらに好ましい。10μmより薄いフィルムでは実用的な強度が十分でない場合があり、300μmより厚いフィルムでは膜抵抗が大きくなり電気化学デバイスの特性が低下する傾向にある。膜厚は溶液の濃度および基板上への塗布厚により制御できる。
またフィルムの各種物性改良を目的として、高分子の分野に使用される可塑剤、安定剤、離型剤等を本発明の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子に添加することができる。また、同一溶剤に混合共キャストするなどの方法により、他のポリマーを本発明の共重合体と複合アロイ化することも可能である。
燃料電池用途では他に水管理を容易にするために、無機あるいは有機の微粒子を保水剤として添加する事も知られている。これらの公知の方法はいずれも本発明の目的に反しない限り使用できる。
また、フィルムの機械的強度の向上などを目的として、電子線・放射線などを照射して架橋することもできる。さらには、多孔性のフィルムやシートに含浸複合化したり、ファイバーやパルプを混合してフィルムを補強する方法などが知られており、これらの公知の方法はいずれも本発明の目的に反しない限り使用できる。
次に本発明の燃料電池について説明する。
本発明の燃料電池は、芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子からなるフィルムの両面に、触媒および集電体としての導電性物質を接合することにより製造することができる。また、本発明の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子を触媒層のイオン伝導成分として使用することも可能である。即ち、本発明の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子は、燃料電池に用いられる高分子電解質膜−電極接合体の電解質膜としても、触媒層のイオン伝導成分としても使用できる。両方に用いて高分子電解質膜−電極接合体を得ることもできる。
該触媒としては、水素または酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金または白金合金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子はしばしば活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持されて用いられ、好ましく用いられる。
集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン織布、カーボン不織布またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーに白金微粒子または白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、およびそれを高分子電解質フィルムと接合させる方法については、例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
このようにして製造された本発明の燃料電池は、燃料として水素ガス、改質水素ガス、メタノールを用いる各種の形式で使用可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
例中の分子量は、GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)である。
なお、フィルムの機械的特性は下記の方法により測定した。
芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子等をDMAcに溶解し、10wt%になるように調整した後、これをガラス基盤上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜し、次いでダンベル社製ダンベルカッターSDMK−1223にて試験片を打ち抜き、室温、50%相対湿度下、試験速度10mm/minでの破断延びを測定した。
実施例1
<芳香族ポリエーテル系超高分子a−1の製造>
アルゴン雰囲気下、下記ポリエーテルスルホン共重合体(ランダム共重合体の各繰返し単位における添え字の0.85、0.15はmol%を表す)
Figure 0004274003
(特開平10−21943号公報実施例3に記載の方法に準拠して製造。Mn=5.50×10)20gと、2,2'−ビピリリジル0.468g(3.00mmol)をDMAc800mLに溶解し、30分間アルゴンガスのバブリングを実施、Ni(COD) 0.824g(3.00mmol)を加えて80℃まで昇温し、同温度で8時間保温攪拌した後放冷した。次いで反応混合物を4N塩酸500mLに注ぎ、生じた白色沈殿をろ過、通常の方法で再沈精製を行い、下記芳香族ポリエーテル系超高分子a−1を得た。超高分子は定量的に回収された。得られた超高分子の分子量を測定したところ、Mn=2.20×10、Mw=3.93×10(GPC、ポリスチレン標準)であり、約4倍に延長された。
Figure 0004274003
実施例2
<芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子b−1の製造>
10gの上記芳香族ポリエーテル系超高分子a−1を濃硫酸80gに溶解させ室温にて48時間スルホ化を行い、常法で精製し、下記に示す芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子b−1を得た。このもののイオン交換容量は、1.15meq/gであった。また破断延びは25%であった。
Figure 0004274003
比較例1
<芳香族ポリエーテル系イオン伝導性高分子b'−1の製造>
芳香族ポリエーテル系超高分子1の代りに、実施例1で用いたと同じポリエーテルスルホン共重合体5gを用いる以外は実施例2に準拠して、スルホン化、精製することにより、下記に示す芳香族ポリエーテル系イオン伝導性高分子b'−1を得た。このもののイオン交換容量は、1.10meq/gであった。また破断延びは7%であった。
Figure 0004274003
実施例3
<芳香族ポリエーテル系超高分子a−2の製造>
アルゴン雰囲気下、末端クロロ型である下記ポリエーテルスルホン
Figure 0004274003
(住友化学工業製スミカエクセルPES5200P、Mn=5.44×10、Mw=1.23×10:GPC、ポリスチレン標準)2.5g、下記ポリエーテルスルホン共重合体
Figure 0004274003
(特開2002−220469号公報の実施例1に記載の方法に準拠して製造した。Mn=3.16×10、Mw=8.68×10)2.50g、2,2'−ビピリリジル0.117g(0.75mmol)をDMAc200mLに溶解し、30分間アルゴンガスのバブリングを実施、Ni(COD) 0.206g(0.75mmol)を加えて80℃まで昇温し、同温度で6時間保温攪拌した後放冷した。次いで反応混合物を4規定塩酸500mLに注ぎ、生じた白色沈殿をろ過、常法により再沈精製を行い、下記芳香族ポリエーテル系超高分子a−2を得た。
Mn=1.89×10、Mw=2.17×10(GPC、ポリスチレン標準)であった。
Figure 0004274003
実施例4
<芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子b−2の製造>
上記芳香族ポリエーテル系超高分子a−2を5g用いる以外は実施例2に準拠して、スルホン化、精製することにより、下記に示す芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子b−2を得た。このもののイオン交換容量は、1.77meq/gであった。
Figure 0004274003
実施例5
<芳香族ポリエーテル系超高分子a−3の製造>
アルゴン雰囲気下、末端クロロ型である実施例3で用いたと同じポリエーテルスルホン(住友化学工業製スミカエクセルPES5200P)5gと、2,2'−ビピリジル0.172g(1.10mmol)と、トルエン15mlをDMSO100mLに溶解し、バス温150℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を除去した。放冷後、Ni(COD) 0.382g(1.39mmol)を加えて加熱し、60℃で3時間、続いて80℃で4時間保温攪拌した後、放冷した。反応混合物を水に注ぎ析出物を10%塩酸、続いて水で洗浄した後、乾燥した。
得られた芳香族ポリエーテル系超高分子a−3の分子量を測定したところ、Mn=1.40×10、Mw=3.33×10(GPC、ポリスチレン標準)であり、約3倍に延長されていた。
実施例6
<芳香族ポリエーテル系超高分子 a−4の製造>
アルゴン雰囲気下、実施例1で用いたポリエーテルスルホン共重合体と同じ式で示される共重合体(Mn=5.50×10)5gと、2,2'−ビピリリジル0.117g(0.75mmol)をDMAc200mLに溶解し、30分間アルゴンガスのバブリングを実施した。次いで80℃まで昇温し、Ni(COD) 0.206g(0.75mmol)を加えて、同温度で8時間保温攪拌した後放冷した。反応混合物を4N塩酸500mLに注ぎ、生じた白色沈殿をろ過、通常の方法で再沈精製を行い、実施例1の生成物と同じ式で示される芳香族ポリエーテル系超高分子a−4を得た。超高分子は定量的に回収された。得られた超高分子の分子量を測定したところ、Mn=3.02×105、Mw=9.91×106(GPC、ポリスチレン標準)であり、約5.5倍に延長された。
実施例7
<芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子 b−3の製造>
5gの上記芳香族ポリエーテル系超高分子a−4を濃硫酸40gに溶解させ室温にて48時間スルホ化を行い、常法で精製することにより、実施例2の生成物と同じ式で示される芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子b−3を得た。このもののイオン交換容量は、1.18meq/gであった。また破断延びは60%であった。

Claims (11)

  1. ゼロ価遷移金属錯体の共存下、下式(3)、(4)
    Figure 0004274003
    (式中、Ar 1 、Ar 2 は独立に
    1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、2−フェニル−1,4−フェニレン、2−フェノキシ−1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、2,3−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、ビフェニル−4,4'−ジイル、ビフェニル−3,3'−ジイル、ビフェニル−3,4'−ジイル、3,3'−ジフェニルビフェニル−4,4'−ジイル、3,3'−ジフェノキシビフェニル−4,4'−ジイル、2,2−ジフェニルプロパン−4',4''−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイル、ジフェニルスルホン−4,4'−ジイル、ベンゾフェノン−4,4'−ジイル、次に示すエーテル結合を有する2価の基から選ばれる2価の基を表す。
    Figure 0004274003
    これらの芳香族の2価の基は、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、フェニル、フェノキシから選ばれる置換基を有していても良い。m、nは繰返し数を表し、m、nは独立に10以上の数値を表す。複数のAr 1 、Ar 2 、m、nはそれぞれ異なっていても良い。Xは、縮合反応時に脱離する基を表し、複数のXは異なる種類であっても良い。)から選ばれる少なくとも1種の高分子を縮合反応により重合することによって得られる、
    イオン交換容量が0.1meq/g〜4.0meq/gであって、ポリスチレン換算の数平均分子量が100000〜400000の芳香族ポリエーテル系超高分子に酸基が導入された構造であって、該芳香族ポリエーテル系超高分子が下式(1)、(2)
    Figure 0004274003
    式中、Ar 1 、Ar 2 、m、nは前記と同じ意味を表す。
    から選ばれる少なくとも1種の構造単位を含有し、式(1)の構造単位の数aと式(2)の構造単位の数bの和は2以上であることを特徴とする芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子。
  2. 酸基がスルホン酸基であることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子。
  3. 請求項1記載の式(1)、(2)から選ばれる少なくとも1種の構造単位を含有し、式(1)の構造単位数aと式(2)の構造単位数bの和は2以上である芳香族ポリエーテル系超高分子に酸基を導入することを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子の製造方法。
  4. 酸基がスルホン酸基であることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. ゼロ価遷移金属錯体の共存下、請求項1記載の式(3)、(4)から選ばれる少なくとも1種の高分子を縮合反応により重合することによって得られる、
    ポリスチレン換算の数平均分子量が100000〜400000であって、請求項1記載の式(1)、(2)から選ばれる少なくとも1種の構造単位を含有し、式(1)の構造単位の数aと式(2)の構造単位の数bの和は2以上であることを特徴とする芳香族ポリエーテル系超高分子。
  6. ゼロ価遷移金属錯体の共存下、下式(3)、(4)
    Figure 0004274003
    (式中、Ar1、Ar2、m、nは前記と同じ意味を表す。Xは、縮合反応時に脱離する
    基を表し、複数のXは異なる種類であっても良い。)
    から選ばれる少なくとも1種の高分子を縮合反応により重合することを特徴とする請求項5記載の芳香族ポリエーテル系超高分子の製造方法。
  7. Xが、クロロ、ブロモ、ヨード、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基であることを特徴とする請求項6に記載の芳香族ポリエーテル系超高分子量高分子の製造方法。
  8. 請求項1記載の芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子を有効成分とする高分子電解質。
  9. 請求項8記載の高分子電解質からなる高分子電解質膜。
  10. 請求項8記載の高分子電解質を用いてなることを特徴とする触媒組成物。
  11. 請求項9記載の高分子電解質膜および/または請求項10記載の触媒組成物を用いてなることを特徴とする燃料電池。
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