JP4273562B2 - 増幅回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、増幅回路、特に動作の安定性および消費電力の低減を実現できる電力増幅回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
負荷に所望の電力を供給するために電力増幅回路が設けられる。通常の電力増幅回路では、出力電力を増加すると、増幅回路における消費電力も増加し、IC(集積回路)化することが困難である。このため、増幅回路の低消費電力化がIC化の可否を左右する要素の一つとなる。増幅回路の消費電力を低減するために様々な方法が提案された。そのなか、CMOSトランジスタにより増幅回路を構成することは消費電力の低減には有効な手段である。図12と図13には、CMOSトランジスタにより構成された2種類の増幅回路の構成を示している。
【0003】
図12は、A級動作の2段増幅型演算増幅回路の一例を示している。図示のように、この増幅回路は、pMOSトランジスタPT1,PT2,PT3およびnMOSトランジスタNT1,NT2からなる差動増幅回路と、pMOSトランジスタPT4、nMOSトランジスタNT3およびキャパシタC1からなるA級増幅回路により構成されている。
【0004】
差動増幅回路において、トランジスタPT1のゲートに所定のバイアス電圧VBSが供給されるので、当該トランジスタPT1は、トランジスタPT2とPT3に動作電流を供給する電流源として動作する。トランジスタNT1とNT2はカレントミラー回路を構成し、トランジスタPT2とPT3の負荷を構成している。トランジスタPT2とPT3のゲートに入力される一対の差動信号SIN1 とSIN2 が差動増幅回路により増幅され、増幅信号SO1がトランジスタPT3のドレインにより出力される。
【0005】
A級増幅回路において、ゲートにバイアス電圧VBSが供給されるトランジスタPT4は、トランジスタNT3の負荷を構成している。差動増幅回路により増幅された信号SO1はトランジスタNT3のゲートに供給され、A級増幅回路によりさらに増幅されたあと、出力信号SOUT として出力される。
なお、キャパシタC1は、位相補償容量であり、A級増幅回路の出力信号SOUT の位相回転を抑制し、正帰還による発振を防止するために設けられている。
【0006】
上述したA級動作2段増幅型演算増幅回路は、回路構成が簡単であるが、A級動作のため、電力効率が悪く、大電力を供給する用途には適用できない。その為、低消費電力用途でのみ使用されている。
【0007】
消費電力を低減させるために、図13に示すAB級2段増幅型差動増幅回路が提案されている。図示のように、この増幅回路は、pMOSトランジスタPT1,PT2,PT3およびnMOSトランジスタNT1,NT2からなる差動増幅回路と、pMOSトランジスタPT4,PT5,PT6、nMOSトランジスタNT3およびキャパシタC1からなるAB級増幅回路により構成されている。
【0008】
差動増幅回路は、図12に示すA級2段増幅型増幅回路の差動増幅回路とほぼ同じ構成を有する。AB級増幅回路においては、トランジスタPT4とPT5によりカレントミラー回路が構成されている。トランジスタPT6のソースに、カレントミラー回路により発生した電流Ia が供給され、そのゲートには差動増幅回路の出力信号SO1が供給される。トランジスタNT3のドレインは、カレントミラー回路を構成するトランジスタPT5のドレインに接続され、これらのトランジスタのドレイン同士の接続点はAB級増幅回路の出力端子を形成している。
【0009】
図14は、図13に示す2段増幅型演算増幅回路の等価回路を示している。図示のように、2段増幅型演算増幅回路は、等価的に差動増幅回路AMP1と反転増幅回路AMP2により構成されている。1段目の差動増幅回路AMP1は、一対の差動入力信号SIN1 ,SIN2 を増幅し、増幅信号SO1を出力する。そして、2段目の増幅回路AMP2、例えば、図13に示すAB級動作増幅回路により、1段目からの出力信号SO1が反転され、さらに増幅される。その結果、増幅信号SOUT が出力される。なお、2段目の反転増幅回路AMP2において、位相補償用容量としてキャパシタC1が設けられており、これにより出力信号の位相を補償し、位相歪みによる発振を防止する。
【0010】
図15は、図13に示す2段増幅型演算増幅回路の周波数特性および位相特性を示すグラフである。図示のように、本例の2段増幅型演算増幅回路において、所定の低周波領域において一定の利得が確保できる。利得が0dBのときの位相値、いわゆる位相余裕度が同図(b)に示す通りである。利得0dBの周波数ftにおける位相余裕が0度以上であるので、2段増幅型演算増幅回路は安定した動作を実現できる。
【0011】
上述したAB級動作2段増幅型差動増幅回路は、図12に示すA級動作2段増幅型差動増幅回路に比べて、電力効率が改善されるため、消費電力の低減を実現でき、IC化を可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のAB級動作2段増幅型演算増幅回路においては、例えば、カレントミラー回路では、pMOSトランジスタPT4とPT5のゲート同士とトランジスタPT4のドレインとの接続点の電圧Va は、カレントミラー回路を構成するpMOSトランジスタの能力(ゲート−ソース間電圧)や電源電圧VDDに依存する。また、トランジスタPT4,PT5のゲート−ソース間電圧が変われば、カレントミラー回路の電流、即ち、トランジスタPT4を流れる電流(図13に示す電流Ia )も大きく変化する。また、電圧Va の変化により出力トランジスタPT5を流れる電流も大きく変化する。
【0013】
このように、従来のAB級動作2段増幅型演算増幅回路において、消費電流や増幅特性がかわり、使用に関して制限が多く使い難く、また製造時におけるトランジスタの特性に絶対精度が要求され、歩留りの低下を招くおそれがあるという不利益がある。
【0014】
さらに、近年MOSプロセスにおける微細化は進んでおり、これに伴いトランジスタの動作速度が向上している。しかし、その反面トランジスタの利得(例えば、電流増幅率)が低下することにより、演算増幅回路の直流電圧利得は微細化に伴い低下してきている。
【0015】
一つのICチップに機能を集約するシステム・オン・チップ化が進んでいるが、駆動能力の高いパワーアンプ(電力増幅回路)などについて、AB級動作のものが安定して使えないため、内蔵化が困難である。
【0016】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定動作を確保しつつ、かつ利得の増加および電力効率の向上を実現でき、ICチップに内蔵できる増幅回路を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の増幅回路は、入力信号を増幅し、第1の駆動信号を第2の出力端子から出力し、第2の駆動信号を第1の出力端子から出力する第1の増幅回路と、上記第1と第2の駆動信号を受けて、該第1と第2の駆動信号の差を増幅し、レベル変換回路でレベルをシフトして上記第1の駆動信号とレベルが異なりかつ同相の第3の駆動信号を出力する第2の増幅回路と、第3の出力端子と第2の電源端子間に接続され、上記第1の駆動信号が供給される第1の制御端子が上記第1の増幅回路の第2の出力端子に接続され、第1のカットオフ周波数を有する周波数特性により位相補償される第1の利得を有する第3の増幅回路と、第1の電源端子と上記第3の出力端子間に接続され、上記第3の駆動信号が供給される第2の制御端子が上記第2の増幅回路の第4の出力端子に接続され、上記第2の増幅回路と直列接続され該第2の増幅回路の特性と加算されたときの出力特性が上記第1のカットオフ周波数より低い周波数領域で低域通過の周波数特性を有すると共に少なくとも該低域通過の周波数領域で上記第1の利得より大きい第2の利得を有する第4の増幅回路と、を有し上記第1から第4の増幅回路において周波数ゼロから第1の周波数の帯域で上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得より高く設定されて上記第1と第2と第4の増幅回路が増幅回路全体として動作し、上記第1の周波数から第2の周波数の帯域で上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得と一致するように設定されて周波数の増加に伴い増幅回路全体として上記第1と第2と第4の増幅回路の動作から上記第1と第3の増幅回路の動作へ移行し、上記第2の周波数より高い帯域では上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得より低く設定されて上記第1と第3の増幅回路が増幅回路全体として動作し、上記第3の増幅回路は上記第1の増幅回路で駆動され、上記第4の増幅回路は上記第1と第2の増幅回路で駆動され、該第3と第4の増幅回路はAB級増幅動作をし、上記第1から第4の増幅回路は同一ICチップに内蔵された、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明では、好適には、上記第3の増幅回路は、上記第2の電源端子と第3の出力端子間に接続され、上記第1の制御端子が上記第1の増幅回路の第2の出力端子に接続された第2のトランジスタを有し上記第4の増幅回路は、上記第1の電源端子と第3の出力端子間に接続され、上記第2の制御端子が上記第2の増幅回路の第4の出力端子に接続された第1のトランジスタを有し上記レベル変換回路は、第3の制御端子が共通に接続され、その接続点が何れか一方のトランジスタの出力端子に接続されている第3と第4のトランジスタからなるカレントミラー回路と、上記第3のトランジスタと直列に接続され、第4の制御端子に上記第1の駆動信号が供給される第5のトランジスタと、上記第4のトランジスタと直列に接続され、第5の制御端子に上記第2の駆動信号が供給される第6のトランジスタとを有する。
【0019】
また、本発明では、好適には、上記第1と第2のトランジスタの出力端子に接続された上記第3の出力端子と、上記第1または第2のトランジスタの第2または第1の制御端子の少なくとも一方との間に、キャパシタが接続されている。
【0020】
また、本発明では、好適には、上記第3の駆動信号が出力される第4の出力端子と上記第1のトランジスタの第2の制御端子との間に接続されている第1の抵抗素子と、上記第1または第2の電源電圧の供給線の何れか一方の供給線と上記第1のトランジスタの第2の制御端子との間に接続されているキャパシタとを有する。
【0021】
さらに、本発明の増幅回路は、入力信号を増幅し、第1の駆動信号を第1の出力端子から出力する第1の増幅回路と、上記第1の駆動信号を受けて、該第1の駆動信号を増幅し、レベル変換回路でレベルをシフトして上記第1の駆動信号とレベルが異なりかつ同相の第2の駆動信号を出力する第2の増幅回路と、第2の出力端子と第2の電源端子間に接続され、上記第1の駆動信号が供給される第1の制御端子が上記第1の増幅回路の第1の出力端子に接続され、第1のカットオフ周波数を有する周波数特性により位相補償されるともに第1の利得を有する第3の増幅回路と、第1の電源端子と上記第の出力端子間に接続され、上記第2の駆動信号が供給される第2の制御端子が上記第2の増幅回路の第3の出力端子に接続され、上記第2の増幅回路と直列接続され該第2の増幅回路の特性と加算されたときの出力特性が上記第1のカットオフ周波数より低い周波数領域で低域通過の周波数特性を有すると共に少なくとも該低域通過の周波数領域で上記第1の利得より大きい第2の利得を有する第4の増幅回路と、を有し上記第1から第4の増幅回路において周波数ゼロから第1の周波数の帯域で上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得より高く設定されて上記第1と第2と第4の増幅回路が増幅回路全体として動作し、上記第1の周波数から第2の周波数の帯域で上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得と一致するように設定されて周波数の増加に伴い増幅回路全体として上記第1と第2と第4の増幅回路の動作から上記第1と第3の増幅回路の動作へ移行し、上記第2の周波数より高い帯域では上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得より低く設定されて上記第1と第3の増幅回路が増幅回路全体として動作し上記第3の増幅回路は上記第1の増幅回路で駆動され、上記第4の増幅回路は上記第1と第2の増幅回路で駆動され、該第3と第4の増幅回路はAB級増幅動作をし、上記第1から第4の増幅回路は同一ICチップに内蔵された、ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
図1は本発明に係る増幅回路の第1の実施形態を示す回路図である。
図示のように、本実施形態の増幅回路は、1段目の差動増幅回路AMP1、2段目の差動増幅回路と3段目のAB級増幅回路により構成されているAB級動作3段増幅型の演算増幅回路である。
【0023】
1段目の差動増幅回路AMP1は、一対の信号SIN1 ,SIN2 からなる差動入力信号を増幅して、一対の差動信号SO1とSO2を出力する。
2段目の差動増幅回路は、pMOSトランジスタPT4,PT5とnMOSトランジスタNT3,NT4により構成されている。トランジスタPT4とPT5のソースは電源電圧VDDの供給線に接続され、これらのトランジスタのゲート同士が接続され、その接続点がトランジスタPT4のドレインに接続されている。トランジスタNT3のドレインはトランジスタPT4のドレインに接続され、ソースは電源電圧VEEの供給線に接続され、トランジスタNT4のドレインはトランジスタPT3のドレインに接続され、ソースは電源電圧VEEの供給線に接続されている。トランジスタNT3とNT4のゲートにはそれぞれ1段面の差動増幅回路の出力信号SO1とSO2が供給される。
なお、電源電圧VEEは、負の電源電圧または接地電位GNDである。
【0024】
3段目のAB級増幅回路は、pMOSトランジスタPT6、nMOSトランジスタNT5およびキャパシタC1,C2により構成されている。トランジスタPT6のソースは電源電圧VDDの供給線に接続され、ゲートはトランジスタPT5とNT4のドレイン同士の接続点に接続され、トランジスタNT5のソースは電源電圧VEEの供給線に接続され、ゲートはトランジスタNT3のゲートに接続されている。トランジスタPT6とNT5のドレイン同士が接続され、その接続点は当該AB級増幅回路の出力端子を構成している。
なお、キャパシタC1は、トランジスタPT6のゲートとドレインとの間に接続され、キャパシタC2は、トランジスタNT5のゲートとドレインとの間に接続されている。
【0025】
2段目の差動増幅回路は、レベル変換の機能を有している。当該2段目の差動増幅回路によって、1段目の差動増幅回路の出力信号SO1,SO2に対してレベル変換が行われ、レベル変換された信号SO3が出力される。当該レベル変換信号SO3が3段目のAB級増幅回路のトランジスタPT6のゲートに供給される。
【0026】
3段目のAB級増幅回路において、キャパシタC1は位相補償容量で、キャパシタC2は帯域制限用容量である。通常の増幅回路において、出力信号の位相変化が発生する。即ち、入力信号に対して出力信号の位相が回転する。このため、単純な3段増幅回路にすると、位相が180度以上回転することにより発振してしまう。図1に示す本実施形態の増幅回路では、2段目の増幅回路の出力信号SO3が3段目のAB級増幅回路に入力されるとともに、3段目のAB級増幅回路をバイパスして3段目の出力信号と加算するフィードフォワード技術により安定した動作を実現する。
【0027】
以下、本実施形態の増幅回路の動作についてさらに詳細に説明する。
図2は、図1に示す本実施形態の増幅回路の等価回路である。即ち、本実施形態の増幅回路は、等価的に差動増幅回路AMP1,AMP3および反転増幅回路AMP2,AMP4により構成されている。
差動増幅回路AMP1は、図1に示す1段目の差動増幅回路と同じ、一対の差動入力信号SIN1 ,SIN2 を増幅して、差動信号SO1とSO2を出力する。
差動増幅回路AMP3は、図1に示す2段目の差動増幅回路と同じである。当該差動増幅回路AMP3により、差動増幅回路AMP1の出力信号SO1とSO2がさらに増幅され、増幅信号SO3が出力される。
反転増幅回路AMP4は、図1に示す3段目のAB級増幅回路のトランジスタPT6の等価回路である。当該反転増幅回路AMP4によって、前段の差動増幅回路AMP3の出力信号SO3が反転され、さらに増幅される。
反転増幅回路AMP2は、図1に示す3段目のAB級増幅回路のトランジスタNT5の等価回路である。当該反転増幅回路AMP2によって、1段目の差動増幅回路AMP1の出力信号SO2が反転さら、増幅される。
反転増幅回路AMP2の出力信号と反転増幅回路AMP4の出力信号が加算され、加算信号は増幅回路の出力信号SOUT として出力される。
【0028】
図3および図4は、本実施形態の増幅回路の位相および周波数特性を示すグラフである。以下、図3および図4を参照しつつ、本実施形態の増幅回路の動作安定性について説明する。
増幅回路AMP3とAMP4で構成された2段型の増幅回路は、増幅回路AMP3の相互コンダクタンスgm3およびキャパシタC2の容量により、図3における破線で示す周波数特性A1を有する。当該2段型増幅回路の減衰域では一次特性である6dB/オクターブで減衰している。
【0029】
一方、反転増幅回路AMP2の周波数特性A2は、図3の実線に示す通りである。当該反転増幅回路では、自己の相互コンダクタンスgm2と出力端子に接続されている負荷容量により帯域が制限される。減衰帯域では、同様に一次特性である6dB/オクターブで減衰している。
【0030】
図2に示すように、反転増幅回路AMP4とAMP2の出力信号が出力端子において加算される。即ち、出力信号SOUT の周波数特性は、増幅回路AMP3とAMP4で構成された2段型の増幅回路および反転増幅回路AMP2の周波数特性の和として求められる。図4(a)および(b)は増幅回路AMP3とAMP4および反転増幅回路AMP2で構成された3段増幅回路の周波数特性および位相特性をそれぞれ示している。
【0031】
図4(a)において、0〜f1の周波数帯域においては、増幅回路AMP3とAMP4で構成された2段型の増幅回路の利得が反転増幅回路AMP2の利得より高い。f1〜ftの周波数帯域では、増幅回路AMP3とAMP4で構成された2段型の増幅回路の利得と反転増幅回路AMP2の利得がほぼ一致している。さらに、周波数ftより高い帯域では、増幅回路AMP3とAMP4で構成された2段型の増幅回路の利得が反転増幅回路AMP2の利得より小さい。
【0032】
このような関係により、図2に示す演算増幅回路は、それぞれの帯域において、異なる増幅動作を示す。まず、0〜f1の周波数帯域においては、差動増幅回路AMP1,AMP3および反転増幅回路AMP4からなる増幅経路の電圧利得は、差動増幅器AMP1と反転増幅回路AMP2からなる増幅経路の電圧利得より高く、演算増幅回路全体は、3段増幅型の増幅回路として動作する。
f1〜ftの周波数帯域においては、差動増幅器AMP1とキャパシタC1の特性によって決まる。ここで、差動増幅器AMP1は二つの増幅経路にとって共通のため、この周波数帯域においては、演算増幅回路全体として、3段増幅型から2段増幅型へ移行する。
【0033】
周波数ftより高い周波数帯域においては、差動増幅器AMP1と反転増幅回路AMP2からなる増幅経路の電圧利得は、差動増幅器AMP1,AMP3および反転増幅回路AMP4からなる増幅経路の電圧利得より高く、演算増幅回路全体として、2段増幅型の増幅回路として動作する。
【0034】
図4(b)は、演算増幅回路の位相特性を示している。図示のように、周波数ftにおける位相は、当該演算増幅回路の位相余裕度となる。
即ち、安定動作を決める位相余裕については、従来の2段増幅型と同じに動作するように、差動増幅器AMP2で構成された2段目の増幅段の出力信号が最終段にバイパスされている。これが信号のフィードフォワードであり、これにより安定動作が確保される。そして、直流から低周波数帯域(0〜f1)においては、演算増幅回路は3段増幅型の増幅回路として動作し、利得の向上が図れる。
【0035】
増幅回路の具体例
図5は、本実施形態の増幅回路の一具体例を示す回路図である。
図示のように、本例の増幅回路は、pMOSトランジスタPT1,PT2,PT3およびnMOSトランジスタNT1,NT2で構成された1段目の差動増幅回路、pMOSトランジスタPT4,PT5とnMOSトランジスタNT3,NT4で構成された2段目の差動増幅回路およびpMOSトランジスタPT6、nMOSトランジスタNT5、キャパシタC1とC2からなる3段目の増幅回路により構成されている。
【0036】
即ち、本例の増幅回路は、図1に示す増幅回路における1段目の差動増幅回路AMP1を具体化した回路である。2段目および3段目においては、図1に示す増幅回路とほぼ同じである。このため、以下、1段目の差動増幅回路の構成および動作についてのみ説明する。
【0037】
1段目の差動増幅回路において、トランジスタPT1のソースは電源電圧VDDの供給線に接続されている。トランジスタPT2とPT3のゲートにはそれぞれ一対の差動信号をなす入力信号SIN1 とSIN2 が供給されている。トランジスタPT2とPT3のソースは共通に接続され、その接続点はトランジスタPT1のドレインに接続されている。トランジスタPT1のゲートにはバイアス電圧VBS1 が供給されている。
トランジスタNT1とNT2のソースは電源電圧VEEの供給線に接続され、これらのトランジスタのゲート同士が接続され、その接続点がトランジスタNT1のドレインに接続されている。さらに、トランジスタNT1のドレインはトランジスタPT2のドレインに接続され、トランジスタNT2のドレインはトランジスタPT3のドレインに接続されている。トランジスタPT3とNT2のドレイン同士の接続点から出力信号SO1が出力され、トランジスタPT2とNT1のドレイン同士の接続点から出力信号SO2が出力される。
トランジスタPT1は差動増幅回路に動作電流を供給する電流源を構成している。さらに、トランジスタNT1とNT2は、それぞれトランジスタPT2とPT3の負荷を構成している。
【0038】
以下、図5に示す増幅の動作について説明する。この差動増幅回路において、まず、1段目の差動増幅回路により、差動入力信号SIN1 とSIN2 が増幅され、増幅信号SO1とSO2が次段の増幅回路に出力される。
【0039】
そして、上述したように、2段目の差動増幅回路によって、1段目の差動出力信号SO1とSO2がさらに増幅され、増幅信号SO3が出力される。
3段目の増幅回路において、トランジスタPT6により、2段目の出力信号SO3が反転され、増幅される。また、トランジスタNT5により、1段目の出力信号SO1が反転され、増幅される。そして、トランジスタPT6とNT5の増幅信号が加算されて、加算信号を出力信号SOUT として出力される。
【0040】
即ち、3段目の増幅回路において、pチャネルのMOSトランジスタPT6とnチャネルのMOSトランジスタNT5をそれぞれ別々にソース接地型として設けられ、これらのトランジスタのドレイン同士を共通に接続し、電流源出力型にすることにより、各々のトランジスタにより増幅した信号の加算を容易に実現できる。
また、これらのトランジスタを別々にソース接地型として制御しているため、演算増幅回路の出力段として動作する3段目の増幅回路がAB級動作になっている。当該AB級動作の出力回路においては、信号無入力のときトランジスタにほとんど電流が流れないため、電力効率が高く、かつ出力波形の歪みを低く抑制できる。
【0041】
さらに、図5に示すように、本例の演算増幅回路において、全体がカレントミラー回路で構成されているため、各ノードを流れる電流値は、初段の差動増幅回路に入力されるバイアス電圧値に応じて決まるので、初段の差動増幅回路におけるバイアス電流が大きく変化しないかぎり、電源電圧が変化しても回路の特性変化が少なく、安定した増幅特性が実現できる。
【0042】
第2実施形態
図6は本発明に係る増幅回路の第2の実施形態を示す回路図である。
図5に示す本発明の第1の実施形態の具体例においては、1段目の差動増幅回路はpチャネルMOSトランジスタPT2とPT3に差動信号が入力される。これに対して、図6に示す本実施形態の増幅回路では、1段目の差動増幅回路において、nMOSトランジスタNT11とNT12により差動信号の入力トランジスタを構成している。これに応じて差動増幅回路となるカレントミラー回路を構成するトランジスタの導電型が互いに異なる。さらに、1段目とほぼ同様に、2段目の差動増幅回路においては、信号入力トランジスタおよびカレントミラー回路を構成するトランジスタの導電型も互いに異なる。
【0043】
図6に示すように、1段目の差動増幅回路は、pMOSトランジスタPT11,PT12およびnMOSトランジスタNT11,NT12,NT13により構成されている。
トランジスタPT11とPT12のソースはともに電源電圧VDDの供給線に接続され、これらのトランジスタのゲート同士が共通接続され、その接続点はトランジスタPT11のドレインに接続されている。このように、トランジスタPT11とPT12によりカレントミラー回路を構成され、当該カレントミラー回路は1段目の差動増幅回路の負荷回路を形成している。
トランジスタNT11のドレインはトランジスタPT11のドレインに接続され、トランジスタNT12のドレインはトランジスタPT12のドレインに接続されている。これらのトランジスタのソースは共通に接続され、その接続点はトランジスタNT13のドレインに接続されている。トランジスタNT11およびNT12のゲートに一対の差動信号SIN1 ,SIN2 からなる差動入力信号が供給される。
トランジスタNT13のソースは電源電圧VEEの供給線に接続され、そのゲートにバイアス電圧VBS2 が供給されている。即ち、トランジスタNT13により、差動増幅回路に動作電流を供給する電流源が形成されている。
【0044】
2段目の差動増幅回路は、pMOSトランジスタPT13,PT14およびnMOSトランジスタNT14,NT15により構成されている。トランジスタPT13とPT14のソースはともに電源電圧VDDの供給線に接続され、トランジスタPT13のゲートは、1段目のトランジスタPT12とNT12のドレイン同士の接続点に接続され、トランジスタPT14のゲートは、1段目のトランジスタPT11とPT12のゲート同士の接続点に接続されている。
トランジスタNT14のドレインは、トランジスタPT13のゲートに接続され、トランジスタNT15のドレインは、トランジスタPT14のゲートに接続されている。これらのトランジスタのゲート同士は共通に接続され、その接続点はトランジスタNT14のドレインに接続されている。さらに、トランジスタNT14とNT15のソースはともに電源電圧VEEの供給線に接続されている。
即ち、トランジスタNT14とNT15は、カレントミラー回路を構成し、当該カレントミラー回路は、トランジスタPT13とPT14の負荷回路を形成している。
【0045】
3段目のAB級動作増幅回路において、pMOSトランジスタPT15とnMOSトランジスタNT16が電源電圧VDDとVEEの供給線の間に直列接続されている。トランジスタPT15のソースは電源電圧VDDの供給線に接続され、そのゲートは、2段目の差動増幅回路のトランジスタPT13のゲートに接続されている。トランジスタNT16のソースは電源電圧VEEの供給線に接続され、そのゲートは、2段目の差動増幅回路のトランジスタPT14とNT15のドレイン同士の接続点に接続されている。トランジスタPT15とNT16のドレインは、共通に接続され、その接続点は増幅回路の出力端子を構成している。当該出力端子から増幅信号SOUT が出力される。
【0046】
トランジスタPT15のゲートとドレインとの間にキャパシタC1が接続され、トランジスタNT16のゲートとドレインとの間にキャパシタC2が接続されている。ここで、キャパシタC1は、位相補償用容量、C2は帯域制限用容量である。
【0047】
以下、図6を参照しつつ、本実施形態の増幅回路の動作について説明する。
2段目の差動増幅回路により、差動入力信号SIN1 ,SIN2 が増幅され、増幅信号SO4とSO5が出力される。2段目の差動増幅回路により、1段目の差動増幅回路の出力信号SO4とSO5がさらに増幅され、その結果、信号SO4とは位相が互いに逆相の信号SO6が出力される。
3段目のAB級動作増幅回路において、トランジスタNT16のゲートに2段目の差動増幅回路の出力信号SO6が供給され、トランジスタPT15のゲートに1段目の差動増幅回路の出力信号SO5が供給される。トランジスタPT15とNT16により、それぞれのトランジスタのゲートに供給された信号が増幅され、増幅信号は、これらのトランジスタのドレインにおいて加算される。加算の結果、出力信号SOUT が出力される。
【0048】
本実施形態によれば、上述した第1の実施形態とほぼ同じように、出力段である3段目の増幅回路は、AB級動作の増幅回路により構成されているので、電力効率が向上でき、低消費電力な電力増幅を容易に実現できる。
また、出力段において、2段目の差動増幅回路の出力信号SO5が出力信号にフィードフォワードされるので、利得の向上を実現しながら、動作の安定性が図れる。
さらに、出力段においてpチャネルMOSトランジスタPT15とnチャネルMOSトランジスタNT16をそれぞれ別々にソース接地型として設けられ、これらのトランジスタのドレイン同士を共通に接続し、電流源出力型にすることにより、各々のトランジスタにより増幅した信号の加算を容易に実現できる。
【0049】
第3実施形態
図7は、本発明の増幅回路の第3の実施形態を示す回路図である。
図5に示す本発明の第1の実施形態の増幅回路に比べると、1段目および2段目の差動増幅回路はほぼ同じ構成を有している。3段目のAB級動作増幅回路の構成のみが異なる。以下、本実施形態の増幅回路における3段目のAB級動作増幅回路の構成および動作を中心に説明する。
【0050】
図7に示すように、出力段である3段目の増幅回路は、抵抗素子R1、キャパシタC1,C3、pMOSトランジスタPT26およびnMOSトランジスタNT25により構成されている。
トランジスタPT26とNT25は、電源電圧VDDとVEEの供給線の間に直列接続されている。トランジスタPT26およびNT25のソースはそれぞれ電源電圧VDDおよびVEEの供給線に接続され、これらのトランジスタのドレインが共通に接続され、その接続点は増幅回路の出力端子を形成している。
【0051】
トランジスタNT25のゲートは、2段目の差動増幅回路のトランジスタNT23のゲートに接続され、1段目の差動増幅回路の出力信号SO1が供給される。抵抗素子R1は2段目の差動増幅回路のトランジスタPT25とNT24のドレイン同士の接続点とトランジスタPT26のゲートとの間に接続されている。さらに、トランジスタPT26のゲートと電源電圧VDDの供給線との間に、キャパシタC3が接続されている。
【0052】
抵抗素子R1とキャパシタC3により、ローパスフィルタが構成されている。当該ローパスフィルタにより、2段目の差動増幅回路の出力信号SO3の信号帯域が制限される。即ち、本実施形態の増幅回路の出力段においては、図5に示す第1の実施形態の増幅回路の出力段における帯域制限用キャパシタC1の代わりに、抵抗素子R1およびキャパシタC3からなるローパスフィルタが設けられる。なお、トランジスタPT26の寄生容量を利用して、抵抗素子R1を接続することでローパスフィルタを構成することが可能なため、本実施形態の増幅回路における出力段のキャパシタC3は省略できる。
【0053】
図8は、MOSトランジスタ、例えば、nMOSトランジスタNTの寄生容量を示している。図示のように、MOSトランジスタにおいて、ゲートとドレイン間にゲート−ドレイン間寄生容量Cgdが存在し、ゲートはチャネル間にゲート−チャネル間寄生容量Cg が存在し、さらに、ゲートとソース間にゲート−ソース間寄生容量Cgsが存在する。
【0054】
本実施形態の場合に、例えば、キャパシタC3の代わりに出力段を構成するpMOSトランジスタPT26のゲート−ソース間寄生容量を利用し、抵抗素子R1とともにローパスフィルタを形成することできるので、増幅回路はキャパシタC3を設ける場合とほぼ同様な特性が得られる。
【0055】
なお、本実施形態の増幅回路において、2段目の差動増幅回路、さらに具体的に、図2に示す等化回路における差動増幅回路AMP3の相互インダクタンスgm を調整することにより、周波数特性を制御できるため、3段目のAB級動作増幅回路においてローパスフィルタを構成するための抵抗素子R1を省略することができる。
【0056】
第4実施形態
図9は、本発明の増幅回路の第4の実施形態を示す回路図である。
図5に示す第1の実施形態の増幅回路と比べると、本実施形態の増幅回路における2段目の差動増幅回路のトランジスタNT34のゲートに、1段目の差動増幅回路の出力信号SO2の代わりに、所定のバイアス電圧VBS3 が印加されることで両者が相違する。その他の各部分は、ほぼ同じ構成を有するので、以下、本実施形態における2段目差動増幅回路を中心にその構成および動作を説明する。
【0057】
2段目の差動増幅回路は、pMOSトランジスタPT34,PT35およびnMOSトランジスタNT33,NT34により構成されている。トランジスタPT34とPT35のソースはともに電源電圧VDDの供給線に接続され、ゲート同士が共通に接続され、その接続点はトランジスタPT34のドレインに接続されている。
トランジスタNT33およびNT34のソースはともに電源電圧VEEの供給線に接続され、ドレインはそれぞれトランジスタPT34とPT35のドレインに接続されている。トランジスタNT33のゲートは1段目の差動増幅回路のトランジスタPT33とNT32のドレイン同士の接続点に接続され、1段目の差動増幅回路の出力信号SO1が供給される。トランジスタNT34のゲートには、バイアス電圧VBS3 が印加される。
【0058】
上述のように、トランジスタPT34とPT35によってカレントミラー回路が構成され、当該カレントミラー回路は、トランジスタNT33とNT34の負荷回路を形成している。トランジスタNT34のゲートにバイアス電圧VBS3 が印加されているので、当該トランジスタNT34は定電流源として動作する。
トランジスタNT33のゲートに1段目の差動増幅回路の出力信号SO1が供給されるので、信号SO1が増幅された信号SO3がトランジスタPT35とNT34のドレイン同士の接続点から出力される。
【0059】
図5に示す第1の実施形態の増幅回路において、1段目の出力信号SO2が2段目の差動増幅回路のトランジスタNT4のゲートに入力される。図5に示すように、当該出力信号SO2の電圧をVb とすると、電圧Vb はカレントミラー回路をなすトランジスタNT1とNT2のゲート同士の接続点のバイアス電圧となる。このため、電圧Vb 、即ち1段目の差動増幅回路の出力信号SO2の利得が非常に小さいので、本実施形態では、トランジスタNT34のゲートに一定のバイアス電圧VBS3 を印加する。
【0060】
図10は、本実施形態の増幅回路の等価回路を示す回路図である。図示のように、本実施形態の増幅回路は、等価的に差動増幅回路AMP1、バッファBUF1、反転増幅回路AMP2およびAMP4により構成されている。
差動増幅回路AMP1には、一対の差動信号SIN1 とSIN2 が入力される。差動増幅回路AMP1により、入力された差動信号が増幅され、増幅された信号SO1が出力される。
【0061】
差動増幅回路AMP1の出力信号SO1がバッファBUF1を介して、反転増幅回路AMP4に入力される。反転増幅回路AMP4により増幅され、出力される。また、差動増幅回路AMP1の出力信号SO1が反転増幅回路AMP2により反転され、さらに増幅され、増幅された信号は反転増幅回路AMP4の出力信号と加算して、加算の結果信号SOUT が出力される。
【0062】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の増幅回路は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他にもたくさんの変形例がある。例えば、入力段として設けられている1段目の差動増幅回路において、当該差動増幅回路を工夫することによって電源電圧VCCとVEE間の信号を入出力可能な演算増幅回路がある。即ち、本発明に増幅回路においては、初段の差動増幅回路に用途、特性に応じて色々な回路が存在する。本発明は特に初段の差動増幅回路について限定しない。
【0063】
また、本発明の増幅回路において、差動増幅回路の負荷回路などを形成するカレントミラー回路が用いられている。これらのカレントミラー回路は、図11(a)に示すものに限定されることではない。例えば、カレントミラー回路の電流比の精度を向上させるために、同図(b)に示すカスコード接続型のカレントミラー回路を用いることができる。
さらに、本発明の増幅回路を構成するMOSトランジスタをそれぞれバイポーラトランジスタによって置き換えることも可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の増幅回路によれば、従来の2段型増幅回路の安定動作を確保しつつ、2段型増幅回路により低周波数領域における高利得を実現できる。
さらに、本発明の増幅回路において出力段はAB級動作であるため、電力効率がよく、消費電力の低減を実現可能である。これによって、CD(コンパクトディスク)プレーヤ、MD(磁気ディスク)プレーヤなどの携帯型小電力のオーディオ機器における音声信号出力アンプ(増幅回路)を、ディジタル信号処理部と同じチップ上に形成することが可能であり、装置の小型化、低消費電力化を容易に実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る増幅回路の第1の実施形態を示す回路図である。
【図2】図1の実施形態の増幅回路の等価回路を示す回路図である。
【図3】増幅回路を構成する差動増幅回路および反転増幅回路の周波数特性を示すグラフである。
【図4】増幅回路の周波数特性および位相特性を示すグラフである。
【図5】本発明に係る増幅回路の第1の実施形態の具体的な回路例である。
【図6】本発明に係る増幅回路の第2の実施形態を示す回路図である。
【図7】本発明に係る増幅回路の第3の実施形態を示す回路図である。
【図8】MOSトランジスタの寄生容量を示す図である。
【図9】本発明に係る増幅回路の第4の実施形態を示す回路図である。
【図10】図9に示す増幅回路の等価回路である。
【図11】本発明の増幅回路を構成するカレントミラー回路の回路図である。
【図12】従来のA級動作2段型増幅回路の回路図である。
【図13】従来のAB級動作2段型増幅回路の回路図である。
【図14】従来の2段型増幅回路の等価回路である。
【図15】従来の2段型増幅回路の周波数特性および位相特性を示すグラフである。
【符号の説明】
AMP1,AMP3…差動増幅回路、AMP2,AMP4…反転増幅回路、BUF…バッファ回路、PT1,PT2,…,PT36…pMOSトランジスタ、NT1,NT2,…,NT35…nMOSトランジスタ、C1,C2,C3…キャパシタ、R1…抵抗素子、VDD,VEE…電源電圧。

Claims (8)

  1. 入力信号を増幅し、第1の駆動信号を第2の出力端子から出力し、第2の駆動信号を第1の出力端子から出力する第1の増幅回路と、
    上記第1と第2の駆動信号を受けて、該第1と第2の駆動信号の差を増幅し、レベル変換回路でレベルをシフトして上記第1の駆動信号とレベルが異なりかつ同相の第3の駆動信号を出力する第2の増幅回路と、
    第3の出力端子と第2の電源端子間に接続され、上記第1の駆動信号が供給される第1の制御端子が上記第1の増幅回路の第2の出力端子に接続され、第1のカットオフ周波数を有する周波数特性により位相補償される第1の利得を有する第3の増幅回路と、
    第1の電源端子と上記第3の出力端子間に接続され、上記第3の駆動信号が供給される第2の制御端子が上記第2の増幅回路の第4の出力端子に接続され、上記第2の増幅回路と直列接続され該第2の増幅回路の特性と加算されたときの出力特性が上記第1のカットオフ周波数より低い周波数領域で低域通過の周波数特性を有すると共に少なくとも該低域通過の周波数領域で上記第1の利得より大きい第2の利得を有する第4の増幅回路と、
    を有し
    上記第1から第4の増幅回路において
    周波数ゼロから第1の周波数の帯域で上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得より高く設定されて上記第1と第2と第4の増幅回路が増幅回路全体として動作し、上記第1の周波数から第2の周波数の帯域で上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得と一致するように設定されて周波数の増加に伴い増幅回路全体として上記第1と第2と第4の増幅回路の動作から上記第1と第3の増幅回路の動作へ移行し、上記第2の周波数より高い帯域では上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得より低く設定されて上記第1と第3の増幅回路が増幅回路全体として動作し
    上記第3の増幅回路は上記第1の増幅回路で駆動され、上記第4の増幅回路は上記第1と第2の増幅回路で駆動され、該第3と第4の増幅回路はAB級増幅動作をし、上記第1から第4の増幅回路は同一ICチップに内蔵された
    増幅回路。
  2. 上記第3の増幅回路は、上記第2の電源端子と第3の出力端子間に接続され、上記第1の制御端子が上記第1の増幅回路の第2の出力端子に接続された第2のトランジスタを有し、
    上記第4の増幅回路は、上記第1の電源端子と第3の出力端子間に接続され、上記第2の制御端子が上記第2の増幅回路の第4の出力端子に接続された第1のトランジスタを有し、
    上記レベル変換回路は、第3の制御端子が共通に接続され、その接続点が何れか一方のトランジスタの出力端子に接続されている第3と第4のトランジスタからなるカレントミラー回路と、
    上記第3のトランジスタと直列に接続され、第4の制御端子に上記第1の駆動信号が供給される第5のトランジスタと、
    上記第4のトランジスタと直列に接続され、第5の制御端子に上記第2の駆動信号が供給される第6のトランジスタと
    を有する請求項1記載の増幅回路。
  3. 上記第1と第2のトランジスタの出力に接続された上記第3の出力端子と、上記第1または第2のトランジスタの第2または第1の制御端子の少なくとも一方との間に、キャパシタが接続されている
    請求項2記載の増幅回路。
  4. 上記第3の駆動信号が出力される第4の出力端子と上記第1のトランジスタの第2の制御端子との間に接続されている第1の抵抗素子と、
    上記第1または第2の電源電圧の供給線の何れか一方の供給線と上記第1のトランジスタの第2の制御端子との間に接続されているキャパシタと
    を有する請求項2記載の増幅回路。
  5. 入力信号を増幅し、第1の駆動信号を第1の出力端子から出力する第1の増幅回路と、
    上記第1の駆動信号を受けて、該第1の駆動信号を増幅し、レベル変換回路でレベルをシフトして上記第1の駆動信号とレベルが異なりかつ同相の第2の駆動信号を出力する第2の増幅回路と、
    第2の出力端子と第2の電源端子間に接続され、上記第1の駆動信号が供給される第1の制御端子が上記第1の増幅回路の第1の出力端子に接続され、第1のカットオフ周波数を有する周波数特性により位相補償されるともに第1の利得を有する第3の増幅回路と、
    第1の電源端子と上記第の出力端子間に接続され、上記第2の駆動信号が供給される第2の制御端子が上記第2の増幅回路の第3の出力端子に接続され、上記第2の増幅回路と直列接続され該第2の増幅回路の特性と加算されたときの出力特性が上記第1のカットオフ周波数より低い周波数領域で低域通過の周波数特性を有すると共に少なくとも該低域通過の周波数領域で上記第1の利得より大きい第2の利得を有する第4の増幅回路と、
    を有し
    上記第1から第4の増幅回路において
    周波数ゼロから第1の周波数の帯域で上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得より高く設定されて上記第1と第2と第4の増幅回路が増幅回路全体として動作し、上記第1の周波数から第2の周波数の帯域で上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得と一致するように設定されて周波数の増加に伴い増幅回路全体として上記第1と第2と第4の増幅回路の動作から上記第1と第3の増幅回路の動作へ移行し、上記第2の周波数より高い帯域では上記第2と第4の増幅回路の加算された利得が上記第3の増幅回路の利得より低く設定されて上記第1と第3の増幅回路が増幅回路全体として動作し
    上記第3の増幅回路は上記第1の増幅回路で駆動され、上記第4の増幅回路は上記第1と第2の増幅回路で駆動され、該第3と第4の増幅回路はAB級増幅動作をし、上記第1から第4の増幅回路は同一ICチップに内蔵された
    増幅回路。
  6. 上記第3の増幅回路は、上記第2の電源端子と第2の出力端子間に接続され、上記第1の制御端子が上記第1の増幅回路の第1の出力端子に接続された第2のトランジスタを有し、
    上記第4の増幅回路は、上記第1の電源端子と第2の出力端子間に接続され、上記第2の制御端子が上記第2の増幅回路の第3の出力端子に接続された第1のトランジスタを有し、
    上記レベル変換回路は、第3の制御端子が共通に接続され、その接続点が何れか一方のトランジスタの出力端子に接続されている第3と第4のトランジスタからなるカレントミラー回路と、
    上記第3のトランジスタと直列に接続され、第4の制御端子に上記第1の駆動信号が供給される第5のトランジスタと、
    上記第4のトランジスタと直列に接続され、第5の制御端子に所定のバイアス電圧が供給される第6のトランジスタと
    を有する請求項5記載の増幅回路。
  7. 上記第1と第2のトランジスタの出力に接続された上記第2の出力端子と、上記第1または第2のトランジスタの第2または第1の制御端子の少なくとも一方との間に、キャパシタが接続されている
    請求項6記載の増幅回路。
  8. 上記第2の増幅回路の第3の出力端子と上記第1のトランジスタの第2の制御端子との間に接続されている第1の抵抗素子と、
    上記第1または第2の電源電圧の供給線の何れか一方の供給線と上記第1のトランジスタの第2の制御端子との間に接続されているキャパシタと
    を有する請求項6記載の増幅回路。
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