JP4273334B2 - めっき治具、めっき方法、およびリング状のめっき物 - Google Patents

めっき治具、めっき方法、およびリング状のめっき物 Download PDF

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Description

本発明は、めっき治具、めっき方法、および電気めっき装置に関し、詳細には、例えばコンピュータのハードディスク用モータなどに使用されるリング状磁石等を被めっき物としてめっきを行う場合に適しためっき治具、めっき方法、および電気めっき装置に関する。
モータなどに使用されるリング状磁石等のように、比較的小型の被めっき物(ワーク)に電気めっきを行う場合は、バレルと呼ばれる容器に複数個の被めっき物を入れ、陰極をバレル内に配置してバレルを回転させながらめっきを施す「バレルめっき法」や、被めっき物を陰極を兼ねた治具に引っ掛けてめっきを施す「引っ掛けめっき法」によりめっきが行われてきた。
しかし、近年では、電子部品等のめっきに特に高い精度、すなわち、均一で、緻密な被膜形成が要求されるようになっている。ところが、バレルを用いるめっき法では、被めっき物を個別に制御できないことから、バッチ内でめっき製品ごとに膜厚のばらつきが生じやすいという問題がある。また、個々のめっき製品においても、均一な膜厚が得られず、部位により膜厚がばらつくことが多い。さらに、被めっき物の靭性(強度)が低い場合には、欠け割れを起こし易く、異物発生の原因となり易い。
一方、引っ掛け治具を用いるめっき法では、めっき製品に治具痕が残りやすく、均一かつ緻密なめっき被膜が得られないという問題がある。このため、リング状のワークに適した引っ掛けめっき治具に関する改良技術として、ワークを引っ掛けた吊り下げ具に振動を与え回転させるようにしためっき治具(例えば、特許文献1)や、回転軸を中心に公転する支持部材にワークを引っ掛けるめっき治具(例えば、特許文献2)がそれぞれ提案されている。
特開2001−131800号公報 特開2001−152388号公報
特許文献1のめっき治具は、治具全体の揺動でワークを回転させようとするものであるが、この方式では各ワークの回転速度が制御できないため、膜厚が不均一になってしまうという問題がある。また、めっき治具の電極部にめっき液の析出成分(例えば、ニッケル)が取られてしまい、必然的に膜厚が薄くなってしまうという問題もある。特許文献2のめっき治具の場合、ワークは制御された回転をするものの、支持部材状の各ワーク間に絶縁スペーサーを配置して並べるため、リング状をしたワークの外周面の膜厚に比較して端面や内周面が影になるという問題がある。つまり、ワークの端面と絶縁スペーサーとのギャップを制御することができないため、どちらか一方に偏倚した状態でめっきが行われやすく、例えば両端面で膜厚差が発生する。さらに、棒状の支持部材に複数個のリング状ワークを環装する方式であるため、セットと取外し作業が煩雑で、多くの作業時間を費やすことになり、作業効率が低いという問題がある。
従って、本発明の課題は、高いめっき精度が求められる電子部品などにめっきを施す場合に、作業性よく、かつ被めっき物に緻密で均一な被膜を形成することが可能なめっき治具および電気めっき装置を提供することである。
本発明の第1の態様は、リング状の被めっき物を支持部に引っ掛けた状態でめっきを行うめっき治具であって、前記支持部は、回動軸を中心に公転するように配置されており、リング状の被めっき物の内周面に当接して支持する当接面と、該当接面の両側から被めっき物の位置を規制する傾斜壁と、を備えていることを特徴とするものである。
この第1の態様に係るめっき治具によれば、当接面と傾斜壁とを備えた支持部に被めっき物を引っ掛ける構成としたので、被めっき物を安定的に保持できるとともに、被めっき物が絶縁部分に接触して膜厚が不均一になるなどの不都合を回避できる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記支持部は、前記回動軸を回動中心とする基部に設けられた突起であることを特徴とするものである。
この第2の態様では、支持部を突起として形成したので、第1の態様の作用効果に加え、被めっき物の着脱が容易であり、めっき処理を効率よく行うことができる。
本発明の第3の様態は、第2の態様において、前記支持部が、前記基部の前記回動軸を中心とする円形上に複数配列されたことを特徴とするものである。
この第3の態様では、支持部を円形上に複数配列したので、第2に態様の作用効果に加え、複数の被めっき物を一度に処理できる。従って、被めっき物を各支持部に引っ掛けることで、めっき膜厚の制御を行いつつ、多数量処理にも対応できる。
また、被めっき物がめっき液中で受ける電界、流体抵抗などの条件をほぼ均等に配分することが可能になる。
さらに、複数の支持部の公転によって、めっき浴を攪拌する作用もあり、めっき処理を効率よく行うことができる。
本発明の第4の態様は、第2または第3の態様において、前記支持部に、被めっき物の脱落を防止する脱落防止手段を設けたことを特徴とするものである。
この第3の態様のめっき治具では、脱落防止手段を設けたことにより、第2または第3の態様の作用効果に加え、めっき処理中に被めっき物が落下する事態を確実に防止できる。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記脱落防止手段は、前記突起の先端部に形成された円板であることを特徴とするものである。
この第5の態様のめっき治具では、脱落防止手段として円板を用いることにより、第4の態様の作用効果に加え、支持部が公転によってどの位置にあっても、浮き上がるなどして外れそうになった被めっき物を円板のなめらかな周部で受け止め、かつ公転動作を利用して正常な引っ掛け状態に復帰させることが可能になる。
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記円板の直径が、被めっき物の内径よりも小さく設けられていることを特徴とするものである。
この第6の態様のめっき治具では、第5の態様の作用効果に加え、円板の直径を被めっき物の内径より小さくすることによって、円板と支持部または支持部と基部を分離することなく被めっき物を引っ掛けることが可能になるので、セットが容易で処理効率を向上させ得る。
本発明の第7の態様は、第1から第6のいずれかの態様において、前記支持部を通電性部材で構成し、前記支持部によって前記被めっき物に電流を与えることを特徴とするものである。
この第7の態様のめっき治具では、第1から第6のいずれかの態様の作用効果に加え、支持部によって被めっき物に電流を与えることができるので、電気めっき処理を効果的に行うことが可能になる。特に複数の被めっき物を同時にめっき処理する場合にも、すべての被めっき物に対して確実に電気を流すことができる。
本発明の第8の態様は、第1から第7のいずれかの態様のめっき治具を用いて、リング状の被めっき物に対し、めっきを行うことを特徴とするめっき方法である。
第8の態様のめっき方法によれば、第1から第7の態様のいずれかと同様の作用効果を得て、めっきを行うことができる。特に、めっき被膜の膜厚制御が可能になるため、精密部品としての高精度なリング状めっき製品を製造できる。
本発明の第9の態様は、第1から第7のいずれかの態様のめっき治具を用いたことを特徴とする電気めっき装置である。この第9の様態の電気めっき装置によれば、第8の態様と同様の効果が得られる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るめっき治具100の概要を示す斜視図である。このめっき治具100は、リング状ボンド磁石などにめっきを施すのに適した電気めっき治具であり、左右のフレーム13a、13bの間に渡設された回動軸としてのシャフト10に、基部として、ここでは二枚の回転盤11a、11bを備えている。各回転盤11a、11bには、被めっき物としてのワーク70を引っ掛けるための支持部31が8つずつ設けられている。なお、ここでは各支持部31にワーク70を引っ掛けた状態を示している。
フレーム13aには、第1歯車21および第2歯車23が互いに係合した状態で配備されている。第2歯車23はシャフト10にフレーム13aの貫通穴(図示せず)を通して連結されている。第1歯車21は、フレーム13aを挟んで反対側の駆動モータ(図示せず)と接続している。
めっき治具100の上部には支柱15が設けられ、この部分を把持して移動やめっき浴への浸漬を行うことができる。めっき治具100の正面側と背面側は開放されており、また、底部にも開口部19が設けられ、めっき浴中に浸漬した状態でめっき液が流通し易い構造になっている。
めっき治具100の左右フレーム13a、13bの上部には、前後4箇所に金属などの導電性材料で構成される引っ掛け部17が設けられ、めっき浴に浸漬した状態でこの引っ掛け部17をめっき槽50に渡した棒状物に懸架できるようになっている(図4参照)。
また、歯車23の中心部は、ここでは図示しない配線が接続可能に構成されており、SUSなどの金属製材質で構成されるシャフト10および回転盤11を介して支持ピン34の縮径部35までを電気的に接続可能にしている。支持ピン34の縮径部35は金属表面が露出しており、この部分でワーク70を支持することによってワーク70を通電させる。
回転盤11は、シャフト10を中心にして、例えば図2に示す矢印の方向に回転できるように構成されている。回転盤11には支持部31周辺でのめっき液の流通を妨げることがないように、複数の開口12が設けられている。
支持部31は、図3に示すように、回転盤11の壁面から略垂直に突出する棒状の支持ピン34によって形成されており、当接面としての縮径部35の周面と、該縮径部35を両側から挟むように形成された傾斜壁としてのテーパ部36a、36bと、脱落防止手段としての円板33を含むように構成されている。なお、回転盤11と支持ピン34は一体でもよいが、両者を分離可能にすることによって異なったサイズのワーク70に容易に対応できるようになる。
縮径部35は、支持ピン34の軸線方向に平坦な周面として構成され、ワーク70の内周面と当接してこれを安定的に保持するように作用する。縮径部35の幅(L1)は、後述するようにワーク70の幅に応じて設定することができる。
テーパ部36a、36bは、支持ピン34の軸線方向に直交する方向を基準にして角度θを以って傾斜した面により形成されている。ここで、テーパの傾斜角θは、ワーク70の大きさや周部肉厚に応じて適宜設定することが可能であり、例えば30°〜85°に設定することが可能であり、45°〜75°に設定することが好ましい。
なお、テーパ(V字溝)のみによってワーク70を安定的に保持しようとする場合、ワーク70の内周が傾斜した溝に沿って当接し全体が傾いてしまうおそれがあるほか、溝にワーク70が入り込みすぎて、その端面(図6参照)が影になり、被膜形成が不十分になる可能性がある。この場合、端面が影にならない程度までV字溝の幅を狭くするとワーク70がはずれやすくなる。
また逆に、縮径部35のみを設け、テーパ部36a、36bを設けずに段部(つまり、図3における角度θが0)とすると、後記比較例に示すように、ワーク70の位置が偏倚してその端部が左右どちらかの段部の壁に接触した状態となった場合、その部位のめっき被膜形成が不十分になって膜厚が不均一になるおそれがある。さらに、縮径部35およびテーパ部36a、36bをともに設けず、支持ピン34を軸線方向に平坦な構成とした場合にも、ワーク70の位置が不安定になり、回転盤11側または円板33側に偏ると、同様の問題が生じる。よって、縮径部35が間に介在するように両側にテーパ部36a、36bを設けることが好ましい。
支持ピン34の先端には、テーパ部36bに隣接して脱落防止手段としての円板33が設けられている。この円板33は、支持ピン34に引っ掛けられたワーク70がめっき液中で公転する際に、液流や液抵抗などによって縮径部35から浮き上がった場合でも、支持ピン34から外れることがないようにするものである。ワーク70がめっき浴中に落下すると、ワーク70から金属が溶出し、めっき性能に悪影響を与えることがあるが、脱落防止手段により、かかる事態の発生を確実に防止することができる。
また、円板33と支持ピン34は一体でもよいが、例えば円板33を合成樹脂等の材質にして分離可能に形成することも可能である。なお、円板33の径をワーク70の内径よりも小さくすることによって、円板33と支持ピン34を一体にした場合であってもワーク70の着脱は容易に行える。
脱落防止手段としては、円板33に限るものではなく、例えば支持ピン34の先端部をT字状等に形成することによってもワーク70の脱落防止を図ることができる。しかし、円板33の場合には、滑らかな円周面を有するので、支持ピン34の公転動作のどの時点でも、外れかかったワーク70の周面を同じように支持し、脱落を防止できるという優れた利点が得られる。
ワーク70は、図3中に二点鎖線で示されるように、その内周面70d(図6参照)が縮径部35に当接する状態で引っ掛けられる。この状態で縮径部35の幅L1は、ワーク70の幅長L2(図6参照)よりも僅かに長いため、ワーク70が安定的に保持される一方で、支持ピン34の軸線方向(つまり、回転盤11の壁面に直交する方向)への大きな移動はテーパ部36a、36bによって規制される。具体的には、例えばワーク70の幅長L2が0.7〜0.9mmである場合には、縮径部35の幅L1を1.1〜2.0mm程度に設定することが好ましい。
本実施形態のめっき治具100では、シャフト10とともに回動自在に構成された回転盤11の回転によって、支持部31を、シャフト10を中心にして公転させることが可能になる。この場合、回転盤11a、11bに各8箇所ずつ設けられた支持部31は、公転軌道が重なるように円形に配列されているので、めっき液中で受ける電界、流体抵抗などの条件をほぼ均等に配分することが可能になる。また、支持部31の公転に伴い、支持部31を構成する支持ピン34に引っ掛けられたワーク70も、その内周面における接触位置を少しずつ変えながら回転するため、周方向に均一なめっき被膜が形成され、治具跡も残らない。
また、支持部31が、回転盤11a、11bに各8箇所ずつ設けられているので、複数のワーク70を一度に処理できる。従って、ワーク70を各支持部31に引っ掛けることで、めっき膜厚の制御を行いつつ、多数量処理にも対応できる。
さらに、複数の支持部31の公転によって、めっき浴50を攪拌する作用もあり、めっき処理を効率よく行うことができる。
このように、本実施形態のめっき治具100では、ワーク70を固定せずに通電できるため、ワーク70のセットや取外し作業が容易で効率がよい。しかも、縮径部35と、これを間に挟むように形成されたテーパ部36a、36bによってワーク70を安定的に保持することにより通電性を確保するとともに、めっき液中におけるワーク70の動き(ずれ)を小さくすることができる。また、回転盤11の壁面や円板33の壁面との間にテーパ部36a、36bを介在させる構成としたので、ワーク70の端面が両壁面の影になりにくく、両端面における膜厚の相違や膜厚不足の問題は生じない。
以上の構成において、ワーク70への通電に必要な縮径部35およびテーパ部35a、36b以外の金属部位には、できるだけ絶縁処理を施すことが好ましい。
図4は、電気めっき治具100をめっき槽50に配置した電気めっき装置110である。電気めっき治具100は、4箇所の引っ掛け部17において、棒60a、60bに掛架され、所定位置までめっき液51中に浸漬される。前記したようにシャフト10は第2歯車23の中心部を介して外部の陰極と電気的に接続可能になっているため、該中心部まで配線を施すことにより、支持部31の縮径部35まで通電される。そして、電気めっき治具100の両側に陽極41を配備することにより、電気化学反応が生じてめっき浴50中の金属イオンが縮径部35に接触しているワーク70の表面に析出して被膜が形成される。
めっき治具100を用いてめっきを行う場合、第1歯車21は、駆動モータ(図示せず)により所定の速度で回動する。第1歯車21の動きは、一方向への回転でも、正逆方向への回転でも、あるいは回転まで至らない揺動でもよい。なお、駆動モータを設けない場合は、この動作を手動で行うこともできる。第1歯車21の回転は、第2歯車23に伝達され、第2歯車23を矢印で示す方向に回転させる。第2歯車23の回転は、シャフト10を介して回転盤11a、11bにそのまま伝達され、各支持部31を公転せしめるとともに、ワーク70はその内周面が縮径部35に摺接しながら回転または揺動する。
本発明のめっき治具100を用いためっきは、通常のめっき工程とめっき条件に従い実施できる。本発明めっき治具100により電気めっきを行う場合の概要は、例えば、ワーク70を支持ピン34に引っ掛けてセットし、必要に応じて洗浄を行った後、所定電流の下で無光沢電気めっきや半光沢電気めっきもしくは光沢電気めっきを行う。めっき物は、洗浄した後、乾燥することにより、最終めっき製品が得られる。
被めっき物であるワーク70としては、例えば支持ピン34に引っ掛けることが可能なものが対象となる。特に電気めっきにおいては、従来の治具を用いためっきでは膜厚が不均一になりやすいリング状のワーク70に有効である。
被めっき物の材質としては、金属でも非金属でもよいが、金属と非金属の複合物や空孔を伴う金属など、通常の治具では精密なめっきを施しにくい材質に対しても有効である。かかる材質としては、例えば焼結合金、樹脂と粉末金属の複合物、鋳造合金等を挙げることができ、より具体的には、例えば焼結磁石、ボンド磁石、鋳造磁石等が挙げられる。
上記磁石原料としては、例えば以下の[1]〜[6]が挙げられるが、特にこれらに限定はされない。
[1]R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素のうち少なくとも1種である。以下、同様である。)と、Coを主とする遷移金属とを基本成分とするもの。
[2]Rと、Feを主とする遷移金属(TM)と、Bとを基本成分とするもの。
[3]Rと、Feを主とする遷移金属(TM)と、Nを主とする格子間元素とを基本成分とするもの。
[4]RとFe等の遷移金属(TM)とを基本成分とし、ソフト磁性相とハード磁性相とが相隣接して(粒界相を介して隣接する場合も含む)存在する複合組織(特に、ナノコンポジット組織と呼ばれるものがある)を有するもの。
[5]前記[1]〜[4]の組成のもののうち、少なくとも2種を混合したもの。
[6]前記[1]〜[4]の組成のもののうち、少なくとも1種とフェライト粉末(例えば、SrO・6Fe2O3等のSr―フェライト等)を混合したもの。
また、ボンド磁石に使用される結合樹脂(バインダー)としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、一般的にナイロンと称されるポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のめっき治具100は、非常に均一なめっき被膜を簡易な構造で形成させることができるとともに、治具痕等に起因するめっき被膜の欠損が生じないことから、ハードディスク用モータに用いるリング状磁石などの高寸法精度、高防錆、防発塵等が要求される用途で使用されるワーク70のめっきに最適である。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより何ら制約されるものではない。
本発明のめっき治具100と比較めっき治具により、それぞれめっきを行い、得られためっき製品の膜厚や外観を比較した。めっきの条件は以下の通りである。
<めっき治具>
本発明めっき治具としては、図1に示すものを使用した。比較めっき治具としては、支持ピン34にテーパ部36a、36bを設けず、縮径部35を垂直な段部によって形成した以外は、本発明めっき治具100と同様の構成の治具を使用した。
<被めっき物>
被めっき物には、リング状希土類ボンド磁石を用いた。この磁石においては、合金組成がR−TM−B系合金で構成される磁石粉末(MQI社製のMQP−B粉末)と、エポキシ樹脂と、少量のヒドラジン系酸化防止剤とを混合し、これらを常温で30分間混練して、ボンド磁石用組成物(コンパウンド)を作製した。このとき、磁石粉末、エポキシ樹脂、ヒドラジン系酸化防止剤の配合比率(重量比率)は、それぞれ95重量%、4重量%、1重量%であった。
次いで、このコンパウンドを秤量してプレス装置の金型内に充填し、無磁場中にて、常温にて、圧力1370MPaで圧縮成形してから、170℃でエポキシ樹脂を加熱硬化させ、円筒状のボンド磁石を得た。このボンド磁石に対して、その高さ方向の研磨処理を施した。その後、ボンド磁石を、バレル研磨法により各稜がR0.2になるまで研磨し、これを磁石本体とした。
<めっき条件>
被めっき物をめっき治具にセットし、洗浄後、50℃の無光沢ワット浴を用いて無光沢電気めっきを2A/dm2で30分間行い、次いで50℃の光沢ワット浴で光沢電気めっきを2A/dm2で20分間行った。得られためっき製品は、超音波水洗浄、湯洗浄等の洗浄を行った後、乾燥した。なお、1バッチあたりの処理個数は16個とした。
<測定および結果>
得られためっき製品について、無差別にサンプルを抽出し、図5に示す0°から330℃の12箇所の測定ポイントについて、図6に示すワーク70(リング状めっき製品)のA端面70a、B端面70b、外周面70cおよび内周面70dの膜厚を測定した。その結果を表1および図7(本発明めっき治具の結果)および図8(比較めっき治具の結果)に示す。
Figure 0004273334
表1および図7、8から見て取れるように、本発明めっき治具100を用いてめっきを施しためっき製品は、A端面70a、B端面70b、外周面70c、内周面70dの膜厚差が少ないとともに、どの測定ポイントによる変動も少なく均一であった。また、支持ピン34の公転に伴いワーク70が回転することにより、治具痕も残らなかった。
これに対して、テーパ部36a、36bを設けていない比較めっき治具によるめっきでは、A端面70aとB端面70bとの膜厚差が大きく、膜厚に偏りが見られ、しかも測定ポイントによる変動も本発明めっき治具100を使用した場合に比べて明らかに大きくなった。
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
例えば、上記実施形態(図1)では電気めっき用のめっき治具100を用いて説明したが、シャフト10に形成した支持部31内にワーク70を引っ掛ける構造は、無電解めっきの場合にも適用できる。
本発明のめっき治具は、例えばコンピュータのハードディスク用モータなどに使用されるリング状磁石などの高精度めっき製品の製造に利用できる。
めっき治具の全体像を示す斜視図。 基部の説明に供する要部拡大図。 支持部の説明に供する要部拡大図。 電気めっき装置の使用状態の説明に供する図面。 めっき製品における膜厚測定部位を示すワークの正面図。 めっき製品における膜厚測定部位を示すワークの断面図。 実施例における部位ごとの膜厚を示すグラフ図。 比較例における部位ごとの膜厚を示すグラフ図。
符号の説明
10 シャフト、 11 回転盤、 15 把持部、17 引っ掛け部、 19 開口部、 21 第1歯車、 23 第2歯車、 31a 支持部、 33 円板、 34 支持ピン、 35 縮径部、36a、36b テーパ部、 41 陽極、 50 めっき槽、 51 めっき液、 60a,60b 棒、 70 ワーク、100 めっき治具、 110 電気めっき装置

Claims (8)

  1. リング状の被めっき物を支持部に引っ掛けた状態でめっきを行うめっき治具であって、
    前記支持部は、通電性部材で構成され、回動軸を中心に公転するように配置されており、
    前記回動軸の軸方向に平坦な周面によって構成され、リング状の前記被めっき物の内周面に当接して支持する当接面と、
    該当接面の両側から前記被めっき物の位置を規制する一対の傾斜壁と、を備え
    前記当接面における前記一対の傾斜壁の間の長さである幅は、リンク状の前記被めっき物の内周面における該被めっき物のリングの軸方向の長さである幅長より長い構成であり、
    前記支持部によって前記被めっき物に電流を与えることを特徴とする、めっき治具。
  2. 請求項1に記載のめっき治具において、前記支持部は、前記回動軸を回動中心とする基部に設けられた突起であることを特徴とする、めっき治具。
  3. 請求項2に記載のめっき治具において、前記支持部が、前記基部の前記回動軸を中心とする円形となる配置に複数配列されたことを特徴とする、めっき治具。
  4. 請求項2または請求項3に記載のめっき治具において、前記支持部に、被めっき物の脱落を防止する脱落防止手段を設けたことを特徴とする、めっき治具。
  5. 請求項4に記載のめっき治具において、前記脱落防止手段は、前記突起の先端部に形成された円板であることを特徴とする、めっき治具。
  6. 請求項5に記載のめっき治具において、前記円板の直径が、被めっき物の内径よりも小さく設けられていることを特徴とする、めっき治具。
  7. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のめっき治具を用いて、リング状の被めっき物に対し、めっきを行うことを特徴とする、めっき方法。
  8. 請求項7に記載のめっき方法により製造されたことを特徴とする、リング状のめっき物。
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